JP2000358014A - マルチユーザ伝送のための方法及び装置 - Google Patents

マルチユーザ伝送のための方法及び装置

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JP2000358014A JP2000116651A JP2000116651A JP2000358014A JP 2000358014 A JP2000358014 A JP 2000358014A JP 2000116651 A JP2000116651 A JP 2000116651A JP 2000116651 A JP2000116651 A JP 2000116651A JP 2000358014 A JP2000358014 A JP 2000358014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチユーザ伝送のための方法と装置を提供
し高速無線網の性能/コスト比を改善する。 【解決手段】 それぞれが少なくとも1つの送信手段6
0を有する少なくとも2つの送信端末20から空間ダイ
バーシティ受信手段80を有する少なくとも1つの受信
端末40にデータ信号50を送信する方法が開示され
る。データ信号の変換されたものである変換済みデータ
信号70を送信端末20から送信し、変換済みデータ信
号70の少なくとも2つのデータ信号の少なくとも関数
である受信データ信号を空間ダイバーシティ手段80で
受信し、受信端末40において受信データ信号の少なく
とも2つをサブバンド処理する(90)。受信端末にお
いて、サブバンド処理された受信データ信号140から
データ信号の推定値120を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速マルチユーザ
無線通信のための装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】変調技術としてマルチキャリア方式を使
う考えは、本技術では知られている「アール.ダブリュ
ー.チャン、”マルチチャンネルデータ伝送のための帯
域制限された直交信号の合成”、ベルシステム技術ジャ
ーナル、45巻、1775−1796ページ、1966
年12月(Chang, R. W.”Synthesis of band-limitedo
rthogonal signals for multichannel data transmissi
on”Bell syst. Tech.J., vol. 45, pp. 1775-1796, De
c. 1966)」、「ビー.アール.サルツバーグ、”効率
的な並列データ伝送システムの性能”、アメリカ電気電
子通信学会、トランザクション、通信技術、COM−1
5巻、1967年12月(Saltzberg, B. R.” Perform
ance of an efficient parallel data transmission sy
stem”IEEE Trans. Comm. Technol., vol. COM-15, De
c. 1967)」。マルチキャリア変調から得られる可能な
利点は、多くの論文に述べられている「ティー.ミュラ
ー、ケー.ブリューニングハウス、エイチ.ローリン
グ、”広帯域移動体通信のためのコヒーレントOFDM
−CDMAの性能”、無線パーソナル通信2、クリュー
ワー・アカデミック・パブリシャーズ、1996年、2
95−305ページ、(Meuller, T.Brueninghaus, K.
and Rohling H.” Performance of Coherent OFDM-CDMA
for Broadband Mobile Communications”, Wireless P
ersonal Communications 2, Kluwer Academic Publishe
rs, 1996, pp. 295-305)」、「エス.カイザー、”O
FDM−CDMA対DS−CDMA:フェージングチャ
ンネルに関する性能評価”ICC‘95、1722−1
726ページ、(Kaiser, S.” OFDM-CDMA versus DS-C
DMA : Performance Evaluation for Fading Channel
s”, ICC‘95, pp. 1722-1726)」。上記の魅力的な変
調技法に関しては、多数の理論的出版物が書かれてきた
「カレット、”マルチトーンチャンネル”、アメリカ電
気電子通信学会、トランザクション、37巻、2号、1
989年2月、(Kalet,”The multitone Channel”, I
EEE Trans. Commun., vol. 37, no. 2, Feb. 198
9)」、「ファゼル、ジー.フェトワイス、”マルチキャ
リアスペクトル拡散”、クリューワー・アカデミック・
パブリシャーズ、1997(Fazel, G. Fettweis," Mul
ti-Carrier Spread-Spectrum”, Kluwer Academic Pub
l., 1997)」。例えば屋内環境で遭遇するような、マル
チパスフェージング伝搬状況では特に、マルチキャリア
変調は有益な技術である。この技術は実際、巡回プレフ
ィックスを含むガードインターバルの挿入によって、I
SI(シンボル間干渉)に対処する非常に効率的な方法
を可能にする。さらに、適応ローディング技術は、スル
ープット性能をかなり増加させることを可能にする「エ
ル.ファン・デル・ペル、エス.トエン、ピー.ヴァン
デナメール、ビー.ギセリンク、エム.エンゲルス、”
高速OFDMベースのWLANのための適応ローディン
グ戦略”、1998年11月、オーストラリア、シドニ
ーでのGlobecom‘98にて、(L. Vander Perr
e, S. Thoen, P. Vandenameele, B. Gyselinckx, M. En
gels.” Adaptive loading strategy for A high speed
OFDM−based WLAN”In Globecom‘98.Sydney, Austral
ia, November 1998)」。しかしながら、所定のキャリ
ア変調に関しては、ビット/秒/ヘルツで表される帯域
幅効率は固定される。無線通信の膨大な成長と広帯域サ
ービスの重要性とを前提とすれば、スペクトルはますま
す不足してくる。無線システムの容量又は帯域幅効率を
増加させる1つの方法は、干渉しない異なるセル内でス
ペクトルを再利用するためにセルラー化(小区画化)を
適用することである。この技術は移動体電話網での適用
で成功している一方、(経済的観点からは)WLANあ
るいは家庭用LANとしての小規模あるいは中規模の屋
内ネットワークには不適当である。先ず第1に、妥当な
再利用率を達成するためには高い動作周波数(すなわ
ち、ミリ波帯)が必要とされる「エム.チアニ、ディ
ー.ダルダリ、エー.ツァネラ、オー.アンドリサ
ノ、”ミリ波における屋内マルチメディアのための広帯
域無線網のサービスの利用可能性”、1998年9月、
イタリア、ピサでのISSSE‘98、29−33ペー
ジ、(M. Chiani, D. Dardari, A. Zanella, O. Andris
ano.” Service Availabilityof Broadband Wireless N
etworks for Indoor Multimedia at Millimeter Wave
s”In ISSSE‘98. pp. 29-33, Pisa, Italy, September
1998)」、「ティー.イトハラ、ティー.マナベ、エ
ム.フジタ、ティー.マツイ及びワイ.スギモト、”ミ
リ波屋内無線通信に関する研究活動”、1995年11
月、日本国、東京でのICUPC‘95にて(T. Ithar
a, T. Manabe, M. Fujita, T. Matsui and Y. Sugimot
o.” Research Activities on Millimeter-Wave Indoor
Wireless Communications”, in ICUPC‘95, Tokyo, J
apan, November 1995)」。第2に、セルラー化(小区
画化)は、階層に余分なレイヤーを導入し、プロトコル
スタックを複雑にする。第3に、セルラー化は、設置時
の負担を増加させる。スペクトル再利用を可能にし、セ
ルラー化の欠点を持たない他の方法は、空間分割多元接
続(Space Division Multiple Access:SDMA)技術
の適用である「エー.パウルラジ、シー.パパディア
ス、”無線通信のための空間時間処理”、アメリカ電気
電子通信学会、信号処理マガジン、49−83ページ、
1997年11月、(A. Paulraj, C. Papadias.” Spa
ce-Time Processing for Wireless Communications”,
IEEE Signal Processing Magazine, pp. 49-83, Novemb
er 1997)」。アンテナアレイを利用すればSDMA
は、同一周波数帯域で同時に通信している異なるユーザ
を彼らの個々の空間的シグネチャを利用することによっ
て分離することができる。この技術は、それ自体とし
て、セル化された空間の1個のセル内での再利用を可能
にする。SDMAは、単一キャリアのシステムのために
提案されたものであって、その利点は広く明らかとなっ
ている「ジー.ツロス、エム.ビーチ、ジェイ.マクジ
ーハン、”21世紀の無線個人通信:適応アンテナにお
けるヨーロッパの技術的進歩”、アメリカ電気電子通信
学会、通信マガジン、35巻、9号,102−9ペー
ジ、1997年9月、(G.Tsoulos, M.Beach and J.Mac
Geehan,” Wireless personal communications for the
21st Century: European technological advances in
adaptive antennas”, Communications Magazine, vol.
35, No. 9, pp. 102-9, Sept 1997)」、「アール.ロ
イ、”スマートアンテナ技術とその無線通信システムへ
の応用の概要”、アメリカ電気電子通信学会、国際会
議、パーソナル無線通信について、234−8ページ、
ニューヨーク州ニューヨーク、1997年、(R. Ro
y,” An overview of smart antennatechnology and it
s application to wireless communication sytems”,
IEEEInternational Conf. On Personal Wireless Commu
nications, pp234-8, New York, NY, 1997)」,「エ
ス.ジェン、ジー.フ、エイチ.リン及びヴェー.フォ
ーゲル、”屋内無線通信におけるアンテナアレイの実験
的研究”、信号、システム及びコンピュータに関するア
シロマー会議、766−70ページ、カリフォルニア
州、ロスアラミトス、1996年、(S.Jeng, G.XU, H.
Lin and W.Vogel,” Experimantal study of antenna a
rrays in indoor wireless applications”, Asilomar
Conference on Signals, Systems and Computers, pp.
766-70 Los Alamitos, CA, 1996)」。しかしながら、
高速(例えば100Mbps)無線システムのためのこ
れらの単一キャリアSDMAシステムは、膨大な量の処
理を必要とする(例えば、GFLOPSのオーダー)
「ピー.ヴァンデナメール、エル.ファン・デル・ペ
ル、ビー.ギセリンク、エム.エンゲルス及びエイチ.
ド・マン、”高速無線LANのためのSDMAアルゴリ
ズム”、グローブコム98,189−194ページ、オ
ーストラリア、シドニー、1998年11月、(P.Vand
enameele, L. Van der Perre, B. Gyselinckx, M. Enge
ls and H. De Man,” An SDMA Algorithm for High-Spe
ed Wireless LAN”, Globecom 98 Sydney,Australia, p
p. 189-194, November 1998)」。本技術では、変調技
術としてのOFDMとアンテナアレイとの組合せが知ら
れている「ジー.ローリー及びジェイ.チオッフィ、”
無線通信のための空間的時間的符号化”、アメリカ電気
電子通信学会、トランザクション、通信、46巻、3
号、357−366ページ、1998年3月、(G. Ral
eigh and J. Cioffi,” Spatio-Temporal Coding for W
ireless Communication”, IEEE Transaction on Commu
nications, Vol. 46, No. 3, pp. 357-366, March 199
8)」。しかしながらこれらのアルゴリズムは1人のユ
ーザのシナリオに限定されており、SDMAを使用でき
ない。
【0003】オランダ国ドルドレヒトのクリューワー・
アカデミック・パブリシャーズ社発行の、1997年の
「マルチキャリアスペクトル拡散49−56」の”移動
体通信のためのスペクトル拡散マルチキャリア多元接続
システム”(” A spread-spectrum multi-carrier mul
tiple-access system for mobile communications”,Kl
uwer Academic Publishers, Multi-Carrier Spread-Spe
ctrum 49-56)の中で、エス.カイザー(S.Kaiser)と
ケー.ファゼル(K.Fazel)は、送信ピアと受信ピアの
両者が1つのアンテナを持つポイントツーポイント方式
(固定方式)について述べている。各ユーザが分離した
一組のキャリア(搬送波)を有する異なるユーザは、F
DMAによって処理される。1人のユーザidのデータ
は、スペクトル拡散の技術を用いて、サブセットのキャ
リアに拡散される。
【0004】WO97/416647では、これらのユ
ーザの分離は、チャンネル情報と一緒にスペクトル拡散
コードに基づいている。ZF又はMMSE合成器の動作
は、すべてのキャリアについて同時に実行される。
【0005】エー.クズミンスキー(A.Kuzminskiy)等
は、1998年11月1日〜4日の信号、システム及び
コンピュータに関する会議、2巻、1887−1891
ページにおける”短時間バーストのマルチユーザSDM
Aシステムのための多段セミブラインド空間−時間処
理”(” Multistage semi-blind spatio-temporal pro
cessing for short burst multiuser SDMA systems”Co
nference on Signals, Systems & Computers, Vol 2, 1
-4 November 1998, pages 1887-1891)の中で、ブライ
ンド/トレーニング混合型の検出アプローチに関連し
て、SDMAに関する連続的干渉除去の技術について述
べている。これは、OFDMといったサブバンド処理に
依存していない。さらにこれは、マルチキャリアアプロ
ーチを使用しない。周波数という観点からこの技術は、
ある帯域全体を利用している。1ユーザの信号の決定の
選択は、全周波数帯域についてこの信号に影響を与え
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、本質
的にマルチユーザ、マルチキャリアであって、空間分割
多元接続の原理を利用する通信方式(少なくとも1つの
ピアから送信して少なくとも1つの他のピアで受信する
伝送方式とも呼ばれる)と専用装置とを提供することに
よって高速無線網の性能/コスト比を改善することであ
る。上記伝送方式と上記装置は、マルチパスフェージン
グ条件下で高いスペクトル効率の通信を可能にする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様にお
いて(図1)、各々が少なくとも1つの送信手段を有す
る少なくとも2つの送信端末から空間ダイバーシティ受
信手段を有する少なくとも1つの受信端末にデータ信号
を送信する方法が開示される。上記空間ダイバーシティ
受信手段は、空間的に離れている、あるいは異なる偏波
を有する複数の、少なくとも2つのアンテナであること
ができる。送信端末は、1つのコンポジットピア(comp
osite peer;合成ピア)にグループ化できる。受信端末
は、1つの処理ピアにグループ化できる。空間ダイバー
シティ受信手段は、上記受信手段が同一のデータ信号の
異なる空間サンプルを提供するような方法で互いに関係
する少なくとも2つの受信手段を備える。上記伝送方式
の第1のステップでは、送信されるデータ信号が上記送
信端末から送信される。この送信は、実質的に同時に行
うことができる。上記送信されるデータ信号のスペクト
ルは、少なくとも部分的にオーバーラップしていてよ
い。これら送信されるデータ信号は、上記データ信号の
変換されたものである。上記伝送方式の第2のステップ
では、受信されるデータ信号は、上記空間ダイバーシテ
ィ手段で受信される。上記受信されるデータ信号は、上
記送信されたデータ信号の少なくとも2つの信号の少な
くとも関数である。第3のステップでは、上記受信され
たデータ信号の少なくとも2つの信号は、上記受信端末
でサブバンド処理される。最後のステップでは、上記デ
ータ信号の推定値は、上記受信端末における上記サブバ
ンド処理された受信データ信号から決定される。
【0008】あるデータ速度を有するデータ信号のサブ
バンド処理は原則として、上記データ信号をより低いデ
ータ速度を有する複数のデータ信号に分割することと、
上記複数のデータ信号の各々を他のキャリアで変調する
こととを備える。上記キャリアは、直交性であることが
好ましい。一実施形態では、あるデータ信号の上記サブ
バンド処理は、シリアル/パラレル変換器を使用するこ
とと、上記データ信号の1グループのデータサンプルに
対して変換を用いることとによって実現できる。
【0009】こうしてこの伝送方式は、マルチキャリア
アプローチを、少なくとも2つの送信端末が存在するの
で同時にマルチユーザ環境で利用する。本伝送方式は、
空間ダイバーシティ手段で受信された信号の異なる空間
サンプルに基づいて、異なるユーザ又は異なる送信端末
を分離する。それ自体として本伝送方式は、空間分割多
元接続技術であると理解できるが、同時に単一のキャリ
アの代わりにマルチキャリア配列(配置)になっている
ものと理解できる。しかしながら、本方式は、空間分割
多元接続技術とマルチキャリア方式との単純な結合(縦
続接続)以上のものである。実際、このような結合は、
データ信号の時間領域処理という結果をもたらすが一
方、本発明は結果的に、時間領域技術である普通のSD
MAと比較して、周波数領域におけるデータ信号のより
複雑でない処理となるサブバンド処理技術の固有周波数
並列処理を利用する。このことは、データ信号の複雑さ
の低い非線形処理を可能にし、また性能をかなり改善す
る。実際、データ信号のこのような非線形処理によって
本発明は、異なるユーザに関して観測される周波数ダイ
バーシティを利用している。送信すべきデータ信号は、
異なるユーザから発生しているので、多くの場合少なく
とも部分的には独立していると言えるが、伝送方式はこ
れに依存しない。
【0010】本発明のこの第1の態様の一実施形態で
は、1つのサブバンドずつの処理が開示される。上記1
つのサブバンドずつの処理は、サブバンド毎の処理又は
キャリア毎の処理とも呼ぶことができる。
【0011】本発明のこの第1の態様の他の実施形態で
は、連続的干渉除去の方法が開示される。上記連続的干
渉除去法は、1つのサブバンドずつの処理アプローチに
よって実現可能であるが、これに限定されることはな
い。
【0012】本発明のこの第1の態様のさらに他の実施
形態では、干渉依存状態挿入の方法が開示される。
【0013】本発明のこの第1の態様のなお更なる実施
形態では、初期設定時にコヒーレンスによるグループ分
け(サブバンドグルーピング)を利用する方法が開示さ
れる。
【0014】上記第1の態様の上記各実施形態は、組み
合わせることができる。
【0015】本発明の第2の態様においては、空間ダイ
バーシティ送信手段を有する少なくとも1つの送信端末
から少なくとも1つの受信手段を有する少なくとも2つ
の受信端末にデータ信号を送信する方法が開示される。
これらの送信端末は、1つの処理ピアにグループ化でき
る。これらの受信端末は、1つのコンポジットピアにグ
ループ化できる。空間ダイバーシティ送信手段は、上記
送信手段が同一のデータ信号の異なる空間サンプルを提
供するような方法で互いに関係している少なくとも2つ
の送信手段を備える。上記伝送方式の第1のステップで
は、合成された複数のデータ信号が上記送信端末におい
て決定される。上記合成データ信号は、上記データ信号
の変換されたものである。本発明の送信方法の第2のス
テップでは、上記合成データ信号は、逆サブバンド処理
される。次のステップでは、上記逆サブバンド処理され
た合成データ信号は、上記空間ダイバーシティ手段で送
信される。上記送信された逆サブバンド処理済みの合成
データ信号のスペクトルは、少なくとも部分的にオーバ
ーラップしていることができる。更なるステップでは、
少なくとも1つの受信端末の上記受信手段の少なくとも
1つで、逆サブバンド処理された受信データ信号が受信
され、次いで、上記逆サブバンド処理された受信データ
信号から上記データ信号の推定値が決定される。上記デ
ータ信号は、それらの宛て先が異なるユーザになってい
るので、多くの場合少なくとも部分的には独立している
と言えるが、本発明の伝送方式はこれに依存しない。本
発明の上記第1及び第2の態様は組み合わせることがで
きる。
【0016】本発明の第3の態様では、少なくとも実質
的に同時に受信された少なくとも2つのデータ信号か
ら、データ信号の推定値を決定する装置が開示される。
上記受信されたデータ信号は、少なくとも部分的にオー
バーラップしたスペクトルを持っている。上記装置は少
なくとも、少なくとも1つの空間ダイバーシティ受信手
段と、上記空間ダイバーシティ受信手段で上記受信デー
タ信号を受信するように適応された回路部と、上記受信
データ信号の少なくとも2つの信号をサブバンド処理す
るように適応された回路部と、サブバンド処理された受
信データ信号から上記データ信号の推定値を決定するよ
うに適応された回路部とを備える。上記装置は、処理ピ
アにおいて、アップリンク伝送方式で利用することがで
きる。
【0017】本発明のこの第3の態様の一実施形態で
は、装置構成において並行処理が開示される。この種の
並行処理は、本発明の伝送方式に関して典型的な固有周
波数並行処理のために利用可能である。実際、上記回路
部は、サブバンド処理された受信データ信号から上記デ
ータ信号の推定値を決定するように適応され、かつ複数
の回路を備え、上記各回路は、上記サブバンド処理され
た受信データ信号のサブバンドの一部に基づいて上記デ
ータ信号の上記推定値の一部を決定するように適応され
る。
【0018】本発明のこの第3の態様の他の実施形態で
は、上記受信データ信号を受信するように適応された回
路部における装置構成に更なる並行処理が導入される。
【0019】本発明の第4の態様では、逆サブバンド処
理された合成データ信号を伝送する装置であって、少な
くとも、少なくとも1つの空間ダイバーシティ送信手段
と、複数のデータ信号を合成させるように適応された回
路部と、合成データ信号を逆サブバンド処理するように
適応された回路部と、逆サブバンド処理された合成デー
タ信号を上記空間ダイバーシティ手段によって送信する
ように適応された回路部とを備えた装置が開示される。
上記装置は、処理ピアにおいて、ダウンリンク伝送方式
で利用することができる。
【0020】本発明の一実施形態では、本装置構成にお
ける並行処理は、データを合成させるように適応された
回路部、又は(及び)逆サブバンド処理された合成デー
タ信号を送信するように適応された回路部に導入され
る。
【0021】本発明の上記第3及び第4の態様における
上記両装置の機能性とアーキテクチャ的特性とを有する
装置を画成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、以下に記載の発明の詳
細な説明に限定されない。
【0023】本発明は、端末(20)、(40)、(3
30)、(240)の間の(無線)通信に関する。我々
は、通信の各々の側のこれらの端末を論理的にグループ
化し、これらをピア(340)、(230)、(1
0)、(30)と呼ぶ。各ピアは、1つ以上の端末を具
体化することができ、これによって少なくとも1つのピ
アは2つ以上の端末を具体化している。従って、本発明
の焦点は、マルチユーザである。これらのピアは、情報
を送信及び/又は受信することができる。例えばこれら
のピアは、一時に送信又は受信の何れかを行う半二重モ
ード、あるいは実質的に同時に送信と受信とを行う全二
重モードで通信を行うことができる。
【0024】本発明は、サブバンド処理を利用するシス
テムのために空間分割多元接続(SDMA)技術を導入
し、これによってマルチキャリアアプローチに適合して
いる。本発明においては、通信ピア(30)、(23
0)の少なくとも1つは、送信及び/又は受信信号の異
なる空間サンプルを提供することのできる送信及び/又
は受信手段(80)、(220)を有する端末(4
0)、(240)を備える。我々は、これらの送信及び
/又は受信手段を空間ダイバーシティ手段と呼ぶ。我々
は、上記空間ダイバーシティ手段を有する(複数の)ピ
アを処理ピア(30)、(230)と呼ぶ。上記処理ピ
アは、対向するピア(10)、(340)の少なくとも
2つの端末と通信を行い、これらは少なくとも部分的に
は同時に動作でき、また、通信される信号のスペクトル
は、少なくとも部分的にオーバーラップすることができ
る。周波数分割多元接続技術は、オーバーラップしてい
ない信号スペクトルに依存しているが一方、時分割多元
接続技術は、異なる時間スロットの信号を、従って同時
ではない信号を通信することに依存しているということ
に留意されたい。我々は、同時に同一の周波数を使用す
る少なくとも2つの端末(20)、(330)を備える
この対向するピアをコンポジットピア(10)、(34
0)と呼ぶ。本発明は、少なくとも処理ピア(30)、
(230)がサブバンド処理手段を有する端末間の(無
線)通信に関する。
【0025】コンポジットピアと処理ピアとの間の通信
は、アップリンク(図1)伝送とダウンリンク(図2)
伝送とから構成できる。アップリンク伝送は、コンポジ
ットピアがデータ信号を送信し、処理ピアがデータ信号
を受信する伝送を意味する。ダウンリンク伝送は、処理
ピアがデータ信号を送信し、コンポジットピアがデータ
信号を受信する伝送を意味する。アップリンク伝送とダ
ウンリンク伝送は、同時的であるか(全二重)(例えば
異なる周波数帯域を使用する)、あるいは時間二重モー
ド(半二重)(例えば同一の周波数帯域を使用する)で
動作するか、あるいはその他任意の構成でもよい。
【0026】送信回路から受信回路へのデータ又はデジ
タル信号の(無線)伝送は、送信回路でのデジタル/ア
ナログ変換と受信回路でのアナログ/デジタル変換とを
必要とする。以下の説明では、本通信機構の装置は、フ
ロントエンドとも呼ばれる送受信手段を持っており、上
記送受信手段は、増幅又は信号レベル利得制御を含み、
RF(無線周波数)信号の必要ベースバンド信号への変
換とその逆変換とを実現するこれらアナログ/デジタル
及びデジタル/アナログ変換手段を含むことを仮定とし
ている。フロントエンドは、増幅器とフィルタとミキサ
(ダウンコンバータ)とを備える。そのようなテキスト
(本明細書)では、すべての信号は一連のサンプルシー
ケンスとして表現され(デジタル表現)、それによって
上述の変換も実行されるものと仮定する。しかしながら
上記仮定は、本発明の範囲を限定するものではない。こ
のようにしてデータ信号あるいはデジタル信号の通信
は、(個々の)サンプルシーケンスの送信及び受信とし
てシンボル化される。伝送に先立って、キャリア又はパ
ルス列の位相及び/又は振幅を結果的に変調する(例え
ば、QAM変調又はQPSK変調を使用する)シンボル
に上記データ信号をマッピングすることによって、デー
タ信号に含まれる情報を1つ以上のキャリア又はパルス
列に供給することができる。上記シンボルは、送信アル
ファベットと呼ばれる有限集合に属している。上記デー
タ信号に対する変調動作及び/又はフロントエンド動作
を実行した結果得られた信号は、さらに伝送されるべき
変換されたデータ信号と呼ばれる。
【0027】受信手段による受信の後に、受信信号に含
まれる情報は、変換プロセスと推定プロセスとによって
復元再生される。これらの変換及び推定プロセスは、復
調とサブバンド処理と復号と等化とを含むことができる
が、含まないこともある。上記の推定及び変換プロセス
の後に、受信アルファベットと呼ばれる有限集合に属す
るシンボルを備える受信データ信号が得られる。受信ア
ルファベットは、送信アルファベットと等しいことが好
ましい。
【0028】本発明はさらに、一方のコンポジットピア
の個々の端末の送信及び/又は受信手段と、他方の処理
ピアの空間ダイバーシティ手段との間のチャンネルイン
パルス応答を測定する方法と手段とを利用することがで
きる。このチャンネルインパルス応答の測定は、アップ
リンク伝送に基づくか、及び/又はダウンリンク伝送に
基づくかのいずれかによって取得できる。このようにし
て測定されたチャンネルインパルス応答は、アップリン
ク伝送及び/又はダウンリンク伝送における処理ピア及
び/又はコンポジットピアによって使用可能である。本
発明はさらに、受信データの信号電力を決定する方法と
データ信号の干渉比を決定する方法とを利用することが
できる。
【0029】空間ダイバーシティ手段は、同一信号の個
々の空間サンプルの受信又は送信を確実にする。同一信
号の個々の空間サンプルのこの集合は、空間ダイバーシ
ティサンプルと呼ばれる。一実施形態では、空間ダイバ
ーシティ手段は、分離した複数のアンテナを具体化す
る。本実施形態では1つの端末に属する多数のアンテナ
は、(図1及び図2に示すように)空間的に離して配置
でき、あるいはこれらは異なる偏波を使用できる。1つ
の端末に属する多数のアンテナをまとめて、アンテナア
レイと呼ぶこともある。本発明は、空間ダイバーシティ
サンプルの個々のサンプルが十分に非相関的である場合
に最も効率的である。一実施形態では、十分に非相関的
なサンプルは、異なるアンテナを十分に大きな距離に離
して配置することによって得られる。例えば異なるアン
テナ間の距離は、通信が実行されるキャリア周波数の波
長の半分になるように選択することができる。こうして
空間ダイバーシティサンプルは、送信手段からそれぞれ
の受信手段への、あるいはその逆の異なる空間の伝搬経
路のために互いに異なっている。これとは別に、上記空
間ダイバーシティサンプルは、それぞれの受信又は送信
手段の異なる偏波のために互いに異なっている。
【0030】上述の方法は、少なくとも処理ピアが、ア
ップリンクモード(図1)で、これ以後SPと呼ばれる
サブバンド処理を実行し、ダウンリンクモード(図2)
で、これ以後ISPと呼ばれる逆サブバンド処理を実行
するということに依存している。さらにアップリンクモ
ードでは、送信に先立ってコンポジットピア(図1の下
段を参照)で、あるいはSPの後に処理ピア(図1の上
段を参照)でのいずれかでISPが実行される。ダウン
リンクモードでは、受信の後にコンポジットピア(図2
の下段を参照)で、あるいはISPの前に処理ピア(図
2の上段を参照)でのいずれかでSPが実行される。I
SPとSPの両者が処理ピアにおいていずれかの伝送方
向で実行されるシナリオは、集中化されたシナリオと呼
ばれる。残りのシナリオ、すなわちISPとSPとが異
なるピアにおいていずれかの伝送方向で実行されるシナ
リオは、分割シナリオと呼ばれる。
【0031】アップリンク伝送方式は、本発明の第1の
態様として定式化でき、この方法は、各々が少なくとも
1つの送信手段(60)を有する少なくとも2つの送信
端末(20)から空間ダイバーシティ受信手段(80)
を有する少なくとも1つの受信端末(40)にデータ信
号(50)を送信する方法であって、下記のステップ、
すなわちデータ信号の変換されたものである変換済みデ
ータ信号(70)を上記送信端末(20)から送信する
ステップ(第1のステップ)と、上記(送信された)変
換済みデータ信号(70)の中の少なくとも2つの信号
の少なくとも関数である受信データ信号を上記空間ダイ
バーシティ手段(80)で受信するステップ(第2のス
テップ)と、上記受信端末(40)において上記受信デ
ータ信号の中の少なくとも2つの信号のサブバンド処理
(90)を行うステップ(第3のステップ)と、上記受
信端末において(上記取得された)サブバンド処理され
た受信データ信号(140)から上記データ信号の推定
値(120)を決定するステップ(第4のステップ)と
を備えたことを特徴とする方法である。
【0032】上記変換済みのデータ信号の上記送信は、
実質的に同時に行うことができる。上記変換済みのデー
タ信号のスペクトルは、少なくとも部分的にオーバーラ
ップすることができる。
【0033】アップリンク分割シナリオでは、上記デー
タ信号(50)の変換済みデータ信号(70)への上記
変換は、逆サブバンド処理(160)を備える。アップ
リンク集中化されたシナリオでは、上記受信端末におけ
る(上記取得された)サブバンド処理された受信データ
信号からの上記データ信号の推定値の上記決定(15
0)は、下記のステップ、すなわち上記受信端末におけ
る上記サブバンド処理された受信データ信号から上記デ
ータ信号の中間推定値(130)を決定する(100)
ステップ(第1のステップ)と、上記中間推定値を逆サ
ブバンド処理する(110)ことによって上記データ信
号の上記推定値(120)を取得するステップ(第2の
ステップ)とを備える。
【0034】ダウンリンク伝送方式は、本発明の第2の
態様として定式化でき、この方法は、空間ダイバーシテ
ィ送信手段(220)を有する少なくとも1つの送信端
末(240)から少なくとも1つの受信手段(320)
を有する少なくとも2つの受信端末(330)にデータ
信号(200)を送信する方法であって、下記のステッ
プ、すなわち上記送信端末において、上記データ信号の
変換されたものである合成データ信号(300)を決定
する(250)ステップ(第1のステップ)と、上記合
成データ信号を逆サブバンド処理する(260)ステッ
プ(第2のステップ)と、(上記取得された)逆サブバ
ンド処理された合成データ信号を上記空間ダイバーシテ
ィ手段(220)で送信するステップ(第3のステッ
プ)と、逆サブバンド処理された受信データ信号を少な
くとも1つの受信端末(330)の上記受信手段(32
0)の少なくとも1つで受信するステップ(第4のステ
ップ)と、上記逆サブバンド処理された受信データ信号
から上記データ信号の推定値を決定するステップ(第5
のステップ)とを備えたことを特徴とする方法である。
【0035】上記送信は、実質的に同時に行うことがで
きる。上記(送信された)逆サブバンド処理された合成
データ信号のスペクトルは、少なくとも部分的にオーバ
ーラップすることができる。
【0036】ダウンリンク分割シナリオでは、上記受信
端末における上記データ信号の上記推定値の上記決定
は、サブバンド処理(350)を備える。ダウンリンク
集中化されたシナリオでは、上記送信端末における合成
データ信号の決定は、下記のステップ、すなわち上記デ
ータ信号をサブバンド処理すること(280)によって
中間合成データ信号(290)を決定するステップ(第
1のステップ)と、上記中間合成データ信号から上記合
成データ信号を決定する(270)ステップ(第2のス
テップ)とを備える。
【0037】上記伝送方式は、1つのピアから他のピア
にデータ信号を送信することを意図しているが、伝送条
件によって実際には上記データ信号の推定値だけが受信
ピアで取得できることもあると言わなくてはならない。
上記伝送方式は当然ながら、上記データ信号の上記推定
値が技術的に可能な限り上記データ信号に近づくように
することを意図している。
【0038】上記伝送方式が空間分割多元接続技術とマ
ルチキャリア変調方式との単純な結合ではないことは、
本発明の特徴である。実際、単純な結合であれば、この
ようなマルチキャリア方式によって送信端末で変調し、
次いで空間分割多元接続装置で送信し、受信端末で、空
間ダイバーシティ手段で受信した異なるデータ信号を1
つの合成信号に合成し、次いでこの合成信号を復調する
ということになる。本発明の分割シナリオでは、送信端
末において、(送信すべき)変換済み信号もマルチキャ
リア方式で変調され、空間分割多元接続装置での送信が
あるが、受信端末では先ず、空間ダイバーシティ手段で
受信された異なる信号が復調され、次いでこれら復調さ
れた受信信号だけが合成される。集中化されたシナリオ
では、変調及び復調の両者とも、アップリンクでは受信
ピアに、及びダウンリンクでは送信ピアに集中される。
ここでは変調と復調とは、サブバンド処理と逆サブバン
ド処理とを意味しており、通常の変調のことではないこ
とに留意されたい。
【0039】本発明の第1及び第2の態様の実施形態で
は、マルチキャリア変調技術が実現されている。このよ
うなマルチキャリア変調技術の一例は、ISPとしてI
FFTを、SPとしてFFTを使用しており、この変調
技術は、直交周波数多重化(OFDM)変調と呼ばれ
る。上記アップリンク伝送方式では、上記サブバンド処
理は直交周波数分割多重分離であると言える。また上記
アップリンク伝送方式では、上記逆サブバンド処理は直
交周波数分割多重化であると言える。上記ダウンリンク
伝送方式では、上記サブバンド処理は直交周波数分割多
重分離であると言える。また上記ダウンリンク伝送方式
では、上記逆サブバンド処理は直交周波数分割多重化で
あると言える。
【0040】集中化されたシナリオでは、SP(9
0)、(280)とISP(110)、(260)との
間でサンプルに対して処理ピアで実行される処理は、サ
ブバンド領域処理(270)、(100)と呼ばれる。
分割シナリオでは、送信端末においてISP(16
0)、(260)の前に先立って実行され、受信端末に
おいてSP(90)、(350)の後に実行される処理
は、サブバンド領域処理(例えば(250))と呼ばれ
る。ここで「前に」というのは、送信又は受信のとき
に、時間的により早く生じるということを意味し、「後
に」というのは、送信又は受信のときに、時間的により
遅く生じるということを意味する。集中化されたシナリ
オでは、SPとISPとの間の信号(130)、(14
0)、(290)、(300)は、サブバンド領域表現
における信号と呼ばれる。分割シナリオでは、送信端末
におけるISPの前の信号(50)、(300)、(2
00)と、受信端末におけるSPの後の信号(36
0)、(140)、(120)とは、サブバンド領域表
現における信号と呼ばれる。
【0041】一実施形態ではサブバンド処理は、高速フ
ーリエ変換(FFT)処理からなり、逆サブバンド処理
は、高速フーリエ逆変換処理を備える。FFT処理は、
信号の高速フーリエ変換を実行することを意味する。逆
FFT処理は、信号の高速フーリエ逆変換を実行するこ
とを意味する。
【0042】本発明では送信されるデータ列は、送信に
先立って複数のデータサブシーケンスに分割される。上
記データサブシーケンスは、サブバンド処理手段によっ
て1ブロックとして処理されるサブシーケンスに対応す
る。マルチパス条件の場合、(複数の)送信端末におい
ては、各一対のデータサブシーケンスの間に、巡回プレ
フィックス又は巡回ポストフィックスを含むガードイン
ターバルが挿入される。もし無線通信において、送信さ
れる信号の無視できないエコーを受信するという結果を
招くマルチパス伝搬条件が発生し、また、サブバンド処
理手段がFFT及び/又はIFFT演算から構成されて
いる場合には、このガードインターバルの導入は、時間
領域データ信号と時間領域チャンネル応答との畳み込み
と、周波数領域データ信号と周波数領域チャンネル応答
との乗算との間の等価性を得る。上記ガードインターバ
ルの挿入は、集中化されたシナリオ、分割シナリオの両
者で起こり得る。このように、本発明の一実施形態で
は、分割シナリオにおいて、(複数の)送信端末は、デ
ータサブシーケンスにISPを実行した後、そのデータ
サブシーケンスを送信する前に各一対のデータサブシー
ケンス間に巡回プレフィックス又は巡回ポストフィック
スを含むガードインターバルを挿入すると言える。本発
明の他の実施形態では、集中化されたシナリオにおい
て、上記ガードインターバルは、送信端末で上記データ
サブブロックにISP処理を実行せずに各一対のデータ
サブシーケンス間の送信されるシーケンスに挿入され
る。これは、上記アップリンク伝送方式において上記デ
ータ信号の送信データ信号への上記変換がさらにガード
インターバルの導入を備えることを明示することによっ
て、以上のように定式化できる。上記ガードインターバ
ルの導入は、ダウンリンク伝送方式にも同様に適用可能
である。その他、オーバーラップ及びセーブ技術も利用
可能である。
【0043】空間ダイバーシティ手段を有する(複数
の)端末(従って処理ピアにおける)は、空間ダイバー
シティサンプルの個々のサンプルのサブバンド処理を可
能にするSP及び/又はISP手段を持っている。また
これは、合成処理の手段も持っている。合成処理手段
は、空間ダイバーシティサンプルにおける個々のサンプ
ルのサブバンドから来るデータを処理する手段を意味す
る。上記合成処理手段においては、異なる個々の端末か
ら来るデータを復元再生又は推定するために、あるいは
個々の端末に送信すべきデータを合成するために異なる
技術が適用できる。本発明は、アップリンク伝送及びダ
ウンリンク伝送の両者に関して上記合成処理を実行する
方法を開示している。
【0044】アップリンクにおける合成処理は、処理ピ
アと呼ばれる、空間ダイバーシティ手段を有するピア
が、(少なくとも部分的にオーバーラップしているスペ
クトルを有する)変換されたデータ信号を(少なくとも
部分的に同時に)送信する異なる端末を具体化するコン
ポジットピアからの信号を受信しているという通信状況
に関する。上記アップリンク伝送方式では、上記受信端
末における上記サブバンド処理された受信データ信号
(140)からの上記データ信号(120)の推定値の
上記決定は、上記合成処理を意味する。
【0045】ダウンリンクにおける合成処理は、処理ピ
アと呼ばれる、空間ダイバーシティ手段を有するピア
が、(少なくとも部分的にオーバーラップするスペクト
ルを有する)いわゆる逆サブバンド処理された合成デー
タ信号を(少なくとも部分的に同時に)送信する異なる
端末を具体化するコンポジットピアに信号を送信してい
るという通信状況に関する。上記ダウンリンク伝送方式
では、上記送信端末における合成データ信号(300)
の決定(250)は、上記合成処理を意味する。
【0046】本発明ではさらに、下記の表記が使用され
る。すなわちxは、送信されるデータサンプルに使われ
る。表記yは、受信データサンプルに使われる。表記n
は、雑音サンプルに使われる。表記Xは、送信されるデ
ータサンプル行列に使われる。表記Yは、受信されるデ
ータサンプル行列に使われる。表記Nは、雑音サンプル
行列に使われる。表記ギリシャ記号のシグマ(σ)は、
雑音の分散として使われる。表記h(t)は、時間領域
で表されるチャンネルインパルス応答として使われる。
表記h[s]は、周波数領域で表されるチャンネルイン
パルス応答として使われる。アレイインデックスs(1
からSまで)は、サンプル又はチャンネルインパルス応
答が対応する特定のサブバンドを指す。表記Sは、サブ
バンド処理手段によって処理されるサブバンドの総数と
して使われる。上付き文字u(1からUまで)は、それ
によってアップリンクモードでデータ信号を送信し、あ
るいはそこに対してダウンリンクモードでデータ信号を
操向させたコンポジットピアの個々の端末を指す。表記
Uは、コンポジットピアにおける同一のサブバンドの同
時端末の数として使われる。下付き添字a(1からAま
で)は、処理ピアにおける空間ダイバーシティサンプル
の特定の1個の空間サンプルを指す。表記Aは、処理ピ
アにおける空間ダイバーシティサンプル内の個々のサン
プルの数として使われる。表記eは、等化器係数として
使われる。表記Eは、等化器係数行列として使われる。
表記ギリシャ文字のイプシロン(ε)は、確率的期待値
演算子として使われる。記号の上の〜は、その記号のソ
フト推定値を示す。ソフト推定値は、受信アルファベッ
ト内に必ずしも含まれない推定値を意味する。記号の上
のバーは、その記号のハード推定値を示す。ハード推定
値は、受信アルファベットに含まれる記号に等しい推定
値を意味する。
【0047】本発明では、複数の決定方法が利用され
る。上記決定方法は、単一のソフト推定値に基づいて1
つ以上の中間ハード推定値を取得する。本発明の一実施
形態では、上記決定方法は、ソフト推定値への最小距離
を有する信号を受信アルファベットから決定することに
よって1つの中間ハード推定値を取得する。本発明の他
の実施形態では、上記決定方法は、ソフト推定値への最
小距離を有する信号を受信アルファベットから決定する
ことによって多数の中間ハード推定値を取得する。
【0048】本発明では、複数の選択方法が利用され
る。上記選択方法は、ある特定のデータシンボルの中間
ハード推定値に基づいて、上記特定のデータシンボルと
してハード推定値を取得する。本発明の一実施形態で
は、ある特定のデータ信号/シンボルとしてただ1つの
中間ハード推定値が存在し、ハード推定値はこの中間ハ
ード推定値に等しい。他の実施形態では、少なくとも1
つのデータ信号に対して数個の中間ハード推定値が存在
する。多数の中間ハード推定値の中から、1つの特定の
データ信号に関して1つの中間ハード推定値が、ある確
率基準に基づいてハード推定値として選択される。
【0049】本発明では、複数の再合成器(recombine
r)方式が利用される。上記再合成器方式は、もしハー
ド推定値又は中間推定値に対応するデータシンボルが送
信されたならば受信されたはずの空間ダイバーシティサ
ンプルを計算することによって、上記ハード推定値又は
中間ハード推定値に基づいて再合成されたダイバーシテ
ィサンプルを取得する。
【0050】本発明では、複数の修正器(modifier;又
は変更器、訂正器)方式が利用される。上記修正器方式
は、下記のステップを適用することによって、修正され
た空間ダイバーシティサンプルを取得する。第1に、こ
れらの方式は、以前に取得したハード推定値又は中間ハ
ード推定値に基づいて再合成器方式を適用することによ
って、再合成された空間ダイバーシティサンプルを取得
する。第2に、これらの方式は、再合成された空間ダイ
バーシティサンプルと元の空間ダイバーシティサンプル
とを利用することによって、修正された空間ダイバーシ
ティサンプルを取得する。
【0051】上記修正器方式は、連続的干渉除去方式を
意味するアップリンク伝送方式で利用され、ここでは上
記受信端末における上記サブバンド処理された受信デー
タ信号からの上記データ信号の上記推定値の上記決定
は、少なくとも1つのデータ信号に関してさらに下記の
ステップ、すなわち上記のデータ信号から1つの選択さ
れる信号を選択するステップ(第1のステップ)と、上
記サブバンド処理された受信データ信号から上記選択さ
れたデータ信号の推定値を決定するステップ(第2のス
テップ)と、上記サブバンド処理された受信データ信号
を上記選択されたデータ信号の上記推定値に基づいて修
正器方式によって修正するステップ(第3のステップ)
と、上記修正されたサブバンド処理済み受信データ信号
から上記残りのデータ信号の推定値を決定するステップ
(第4のステップ)とからなっている。選択されるデー
タ信号の上記選択は、単にどの信号に対して上記方式が
適用されるかを決定することであるということに留意さ
れたい。上記選択は、上述の選択方式と混同すべきでは
ない。
【0052】上記修正器方式はまた、状態挿入方式を意
味するアップリンク伝送方式で利用され、ここでは上記
受信端末における上記サブバンド処理された受信データ
信号からの上記データ信号の上記推定値の上記決定は、
少なくとも1つのデータ信号に関してさらに下記のステ
ップ、すなわち上記データ信号から1つの選択される信
号を選択するステップ(第1のステップ)と、上記サブ
バンド処理された受信データ信号から上記選択されたデ
ータ信号の複数の推定値を決定するステップ(第2のス
テップ)と、上記修正されたサブバンド処理済みの受信
データ信号の各々が上記選択されたデータ信号の上記推
定値の1つに基づく複数の上記修正されたサブバンド処
理済み受信データ信号を修正器方式によって決定するス
テップ(第3のステップ)と、上記複数の修正されたサ
ブバンド処理済み受信データ信号から上記残りのデータ
信号の少なくとも1つの信号の複数の推定値を決定する
ステップ(第4のステップ)と、それから上記選択され
たデータ信号の上記推定値の1つを(ある選択方式によ
って)選択するステップ(第5のステップ)とを備え
る。選択されるデータ信号の上記選択は、単にどの信号
に対して上記方式が適用されるかを決定することである
ということに留意されたい。上記選択は、上述の選択方
式と混同すべきではない。
【0053】上記連続的干渉除去方式における上記選択
されたデータ信号の上記推定値は、ハード推定値である
と見なすことができると言える。上記状態挿入方式にお
ける上記選択されたデータ信号の上記複数の上記推定値
は、中間ハード推定値であると見なすことができる。上
記の両方式における上記残りのデータ信号の上記複数の
推定値は、(中間)ハード又はソフト推定値のいずれか
であり得る。
【0054】本発明では、サブバンドのコヒーレンスに
よるグループ分けの方法が提示される。上記コヒーレン
スによるグループ分けの方式は、初期設定の労力を削減
し、アップリンク伝送とダウンリンク伝送の両方で使用
可能である。上記コヒーレンスによるグループ分けの方
式は、S個のサブバンドを、各グループiがGI個のサ
ブバンドを備えた隣接サブバンドのグループに分割す
る。上記コヒーレンスによるグループ分けの方式では、
初期設定計算は、各サブバンドごとに別々にではなく各
サブグループについて1回だけ実行される。上記コヒー
レンスによるグループ分けの方式は、1つのサブグルー
プ内のすべてのサブバンドが十分に相関的なチャンネル
インパルス応答を受けるものとすれば、合成処理方式の
性能には影響を与えない。従って、本発明が最大限に効
率的であるためには、数GIは、通信状況によって制限
される。初期設定処理に対して、上記コヒーレンスによ
るグループ分けの方式は、サブグループ内のサブバンド
の数GIの平均である係数Gによって計算の複雑さを軽
減するという結果をもたらす。一実施形態では、通信は
OFDM伝送に基づいており、数GIはすべて、各キャ
リア間の間隔によって分割されたコヒーレンス帯域幅の
固定された部分に等しく選択される。チャンネルのコヒ
ーレンス帯域幅は、チャンネル応答が相関を持つ帯域幅
である。マルチパス伝搬チャンネル上では、上記コヒー
レンス帯域幅は、このチャンネル上のエコーの相対的遅
延に反比例する。他の実施形態では数GIは、チャンネ
ルインパルス応答の測定値に基づいて計算され、さらに
詳く言えばこのチャンネルインパルス応答の勾配から計
算される。さらに、定式化されたものでは、上記受信端
末での上記データ信号の上記推定値の上記決定は2つの
ステップを備えると言える。第1のステップは、上記デ
ータ信号とサブバンド処理された受信データ信号との間
の関係が決定される初期設定ステップである。実際の合
成処理である第2のステップでは、上記データ信号と上
記サブバンド処理された受信データ信号との間の上記関
係は、上記データ信号を決定するために利用される。そ
れからこのコヒーレンスによるグループ分けの方式は、
少なくとも1つのセットが少なくとも2つのサブバンド
を備える複数のセットに上記サブバンドがグループ分け
されることと、上記初期設定ステップが1セットずつ実
行されることとを明示することを特徴とする。
【0055】本発明では、アップリンク通信に関する合
成処理の方式が提示される。上記アップリンク通信用合
成処理方式は、サブバンド処理された受信データ信号と
も言えるサブバンド処理された空間ダイバーシティサン
プルに基づいて、コンポジットピアの1つ以上の端末か
ら送信されたデータ信号の推定値を、受信端末で取得す
る。
【0056】本発明では、アップリンク通信に関するサ
ブバンド毎の合成処理の方式が提示される。上記アップ
リンク通信用のサブバンド毎の合成処理方式は、特定の
1つのサブバンド内のサブバンド処理された受信データ
信号とも言える、その特定の1つのサブバンド内のサブ
バンド処理された空間ダイバーシティサンプルに基づい
て、コンポジットピア内の1つ以上の端末から送信され
たその特定の1つのサブバンド内の(複数の)データ信
号の推定値を受信端末で取得する。上記サブバンド毎の
合成処理方式は、上記受信端末における上記データ信号
の推定値の上記決定が1つのサブバンドずつ実行される
方式として定式化できる。
【0057】本発明の一実施形態では、アップリンク通
信に関するサブバンド毎の合成処理の上記方法は、下記
のステップを適用することによってコンポジットピア内
の少なくとも1つの端末からの、特定の1つのサブバン
ド内の(複数の)データ信号の推定値を取得する。第1
にこれらの方法は、アップリンク通信用のサブバンド毎
のスカラー合成処理方式を適用することによって、これ
らの端末の各々からの、その特定のサブバンド内の(複
数の)データ信号のソフト推定値を取得する。第2にこ
れらの方法は、上記ソフト推定値の各々に決定方式を適
用することによって推定値を取得する。
【0058】本発明では、アップリンク通信に関するサ
ブバンド毎のスカラー合成処理の方法が提示される。上
記アップリンク通信用のサブバンド毎のスカラー合成処
理方式は、1つのサブバンド内の空間ダイバーシティサ
ンプル又は修正された空間ダイバーシティサンプルに基
づいて、コンポジットピア内の1つの端末からの、上記
1つのサブバンド内の(複数の)データ信号のソフト推
定値を取得する。本発明の一実施形態では、アップリン
ク通信に関するサブバンド毎のスカラー合成処理の上記
方式は、線形方式によってコンポジットピア内の1つの
端末からの、1つのサブバンド内の(複数の)データ信
号のソフト推定値を取得する。この実施形態では、コン
ポジットピアの(複数の)端末によって送信された(複
数の)データ信号の推定値
【外1】 は、異なるアンテナで受信された単一の対応キャリア信
号又はサブバンドと、等化器係数E[s]とを下記の数
1に従って、線形結合させることによって計算される。
【0059】
【数1】
【0060】一実施形態では、この線形推定は最小2乗
(LS)法に基づいて実行される。本発明のこの実施形
態では、上記E[s]は、数2で与えられる期待値を最
小にするように計算される。所定の雑音エネルギー(シ
グマの2乗)と数3によって与えられるxに対する条件
とに関して、E[s]は数4のU個のセットの線形方程
式に従う。ここで、上付き文字Hは、エルミート転置行
列を表す。
【0061】
【数2】
【数3】
【数4】
【0062】本発明の一実施形態では、アップリンク通
信に関するサブバンド毎のスカラー合成処理の方式は、
線形ゼロ強制(ZF)方式によって、コンポジットピア
内の1つの端末からの、1つのサブバンド内のデータ信
号のソフト推定値を取得する。本発明のこの実施形態で
は、上記E[s]は、いわゆるゼロ強制方式で、雑音エ
ネルギーを考慮せずに、チャンネル歪みを最大限に消滅
させるように計算される。この実施形態では、E[s]
は、数5のU個のセットの線形方程式に従う。
【0063】
【数5】
【0064】本発明の一実施形態では、アップリンク通
信に関するサブバンド毎の合成処理の方式は、例えば最
尤シンボル推定(MLSE)といった非線形方式によっ
て、コンポジットピア内の1つの端末からの、1つのサ
ブバンド内の(複数の)データ信号のソフト推定値を取
得する。
【0065】本発明では、ダウンリンク通信に関する合
成処理の方式が提示され、これはダウンリンク合成処理
方式と呼ばれる。上記ダウンリンク合成処理方式は、処
理ピアから送信されたデータ信号の、コンポジットピア
での推定を容易にするために処理ピア内で実行される。
上記ダウンリンク合成処理方式は、少なくとも2つのデ
ータ信号に基づいて空間ダイバーシティサンプルを生成
して、その結果、合成データ信号を得る。それから上記
合成データ信号はISPが施されて後に空間ダイバーシ
ティ手段によって送信され、結果的にスペクトルが少な
くとも部分的にオーバーラップしている送信データ信号
となる。次いでこの送信データ信号は、チャンネル上で
送信される。上記合成処理は、上記データ信号の変換さ
れたものである合成データ信号を上記送信端末で決定す
るステップとして説明できる。その後、上記合成データ
信号の逆サブバンド処理が実行され、続いて上記逆サブ
バンド処理された合成データ信号を上記空間ダイバーシ
ティ手段によって送信するが、この送信される逆サブバ
ンド処理された合成データ信号のスペクトルは少なくと
も部分的にオーバーラップしている。
【0066】本発明の一実施形態では、ダウンリンク通
信に関する合成処理の方式は、少なくとも1つのサブバ
ンド内でダウンリンク通信用のサブバンド毎の合成処理
を適用する。この実施形態では、上記ダウンリンク合成
処理方式は、1つのサブバンドのデータ信号に基づいて
この特定の1つのサブバンド内に合成データ信号を生成
する。これは、上記送信端末において合成データ信号を
1つのサブバンドずつ決定することとして説明できる。
【0067】本発明の一実施形態では、上記ダウンリン
ク合成処理方式は、X[s]というデータ信号と前置補
償行列EPRE[s]とを線形結合させることによって、
Y[s]という上記合成データシンボルを計算する。こ
の実施形態では、次式の数6が成立する。
【0068】
【数6】
【0069】一実施形態では、U=Aであり、またE
PRE[s]はチャンネル行列の逆行列HT(-1)[s]であ
る。
【0070】他の実施形態では、U<Aであり、またE
PRE[s]は次式の数7が成立するようなチャンネル行
列の擬似逆行列である。
【0071】
【数7】
【0072】本発明の一実施形態では、ダウンリンク通
信に関する合成処理の上記方式は、(複数の)送信及び
/又は受信端末における(複数の)アナログフロントエ
ンドの非理想的特性を考慮に入れる。
【0073】本発明の一実施形態では、ダウンリンク通
信に関する合成処理の上記方式は、(複数の)アナログ
フロントエンドの歪みの発生を防止する。
【0074】本発明の一実施形態では、上記前置補償行
列は、1つ以上の特定のサブバンド上の1つ以上のデー
タ信号についてゼロを備える。この実施形態では、効率
的で有効な電力使用が得られる。
【0075】本発明の一実施形態では、コンポジットピ
アの端末ばかりでなく処理ピアの端末も、空間ダイバー
シティ手段とサブバンド処理手段と合成処理手段とを有
しており、処理ピアとコンポジットピアの両者は、少な
くとも部分的にオーバーラップするスペクトルを有する
送信データ信号を少なくとも部分的に同時に送信する少
なくとも2つの端末を具体化している。この実施形態で
は、アップリンク合成処理方式とダウンリンク合成処理
方式の両者とも、2つのピアの間でいずれの伝送方向に
も使用できる。
【0076】好適な実施形態では、処理ピアは星形構成
ネットワークの基地局であって、これはケーブルネット
ワークのバックボーンに接続可能である。異なる端末
は、同一の周波数帯域で同時に基地局と通信する。これ
らの端末は、単一のフロントエンドとプレーンOFDM
モデム(すなわち、SDMA処理機能を持たない)とを
必要とするだけである。この実施形態は、例えば無線ロ
ーカルエリアネットワークといった用途のためにマルチ
パスフェージング環境で動作できる。この実施形態は、
5〜6GHz帯域で動作でき、155Mbps以上のネ
ットワーク性能を達成できる。この実施形態では、多数
の送信手段及び/又は受信手段を備えた空間ダイバーシ
ティ手段は基地局に集中しており、こうして全体的なハ
ードウエアの複雑さと構成のコストとを削減している。
この実施形態では、空間ダイバーシティ手段は、半波長
の間隔を空けて配列された多数のアンテナを備える。ま
た、各ピアは、変調技術としてOFDMに基づいて通信
を行う。ISPとSPはそれぞれ、IDFT(Inverse
Discrete Fourier Transform:離散フーリエ逆変換)処
理とDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリ
エ変換)処理とに基づいて実行され、またサブバンドは
キャリアと呼ぶことができる。巡回プレフィックスを含
むガードインターバルは、送信機側のOFDMシンボル
の間に挿入される。次いで、SDMAは周波数領域に適
用される。OFDMとSDMAの両者の利点を集めたも
のに加えて、このアプローチは、時間領域方式と比較し
て空間ダイバーシティのさらに簡単な利用をもたらす。
OFDM/SDMAシステムの推定アルゴリズムに関し
ては、既知の最小2乗(LS)又は最尤シンボル推定
(MLSE)アルゴリズムが適用できる。また、改良さ
れた性能とさらに低い複雑さとを有する新しいクラスの
アップリンクOFDM/SDMA方式も適用可能であ
る。これらの方式は、キャリア毎の連続的干渉除去(相
殺)と状態挿入とコヒーレンスによるグループ分けとを
実現する。
【0077】性能を例示するために、これらのアルゴリ
ズムが、100MbpsのOFDM/SDMAのWLA
Nに適用される。このWLANは、最大で4人同時に存
在するユーザをSDMAによって分離する、4つのアン
テナの基地局を持つ。これらのアンテナの各々は、QP
SK変調によって25Mbpsのデータ速度で256個
のOFDMシンボルを送信する。ガードインターバル
は、チャンネルの畳み込みがガードインターバルを除去
した後に巡回的になるように、マルチパス伝搬チャンネ
ルで受信されるすべてのエコーを備えるように設計され
る。このようにして周波数領域では、これはチャンネル
のフーリエ変換hU a[s]による乗算と等価になる。同
一の帯域で同時に通信する異なるユーザを同期させる対
策が取られる。これらの条件下で受信データY[s]
は、数8のように書くことができる。所定の状況下で
は、データシーケンスXU[s]の推定値
【外2】 を1つのキャリア(搬送波)ずつ計算することが可能で
ある。このキャリア毎の推定は、SDMA処理を大幅に
単純化し、この処理の大幅な並行処理化を可能にする。
実際のSDMA/OFDMを実行する装置は、サブバン
ド処理された受信データ信号のサブバンドの一部に基づ
いて、好ましくは、各回路部毎に1つのサブバンドで、
データ信号の推定値を決定するように適応された複数の
回路を備える。キャリア毎の推定に引き続いて、送信ア
ルファベットの何れの要素がこのキャリア毎の推定から
得られた信号に最も近いかの決定が実行される。この決
定の結果、ハード推定値
【外3】 が得られる。
【0078】
【数8】
【0079】アップリンクにおけるキャリア毎のSDM
A処理は、線形な方法で実行することができる。この場
合、端末によって送信されるデータ信号の推定値
【外4】 は、異なるアンテナで受信される単一の対応するキャリ
アの信号と等化器係数E[s]とを数1に従って、線形
結合させることによって計算される。
【0080】上記E[s]は、数2によって与えられる
期待値を最小にするように計算される。所定の雑音エネ
ルギー(シグマの2乗)と数3によって与えられるxに
ついての条件とに関して、E[s]は数4のU個のセッ
トの線形方程式に従う。ここで上付き文字Hはエルミー
ト転置行列を表す。
【0081】等化に続いてソフト推定値が、ある決定方
式によって最も近い配列点を決定するスライサに供給さ
れる。この結果としてハード推定値
【外5】 が得られる。その代わりに、いわゆるゼロ強制方式で、
雑音エネルギーを考慮せずにチャンネル歪みを最大限に
消滅させるような等化器係数E[s]が計算できる。E
[s]は数5によって与えられるように、U個のセット
の線形方程式に従う。
【0082】このシステムの性能は、レイトレーシング
から得られる現実的なチャンネルデータによるシミュレ
ーションによって評価される。この結果得られる曲線
は、ビット当たりの受信信号対雑音比(SNR)の関数
としてのビット誤り率(BER)を示す。
【0083】図3は、同時に存在する1人から4人のユ
ーザに関するLS−OFDM/SDMAの性能を示す。
参考として破線の曲線は、1人のユーザと1個のアンテ
ナの100MbpsプレーンOFDMリンクの性能を示
す。重要な観測結果は、4個のアンテナと4人のユーザ
のLS−OFDM/SDMAシステムが性能的にプレー
ンOFDMより優れていることである。これは、帯域幅
再使用係数4が性能低下なしに達成可能であることを示
している。
【0084】実施形態の複雑さを評価するために、我々
はLS−OFDM/SDMAアルゴリズムを実行するた
めに必要とされる演算の総回数を決定する。機能全体を
初期設定と処理とに分けることができる。初期設定時に
は、等化器ELS[s]は、複数の右辺を用いるガウスの
消去法によって数4から計算される。処理時には、それ
ぞれが行列乗算と1組のコンパレータ(比較器)とに対
応する等化とスライシングとを実行しなくてはならな
い。1回だけ計算される初期設定とは反対に、処理はシ
ンボルレートで連続的に実行されることに留意された
い。図9は、1つのサブキャリア(副搬送波)当たり、
これら両方の段階(フェーズ)の実行に必要とされる乗
算と加算とデータ転送との近似的な回数を要約してい
る。データ転送の回数は、メモリ/レジスタ転送の量を
示す数である。このアーキテクチャはまだ決定されてい
ないので、メモリ又はレジスタバンクへのデータ転送の
割当ては未解決の問題である。しかしながら、データ転
送がしばしば実用化の障害となることを強調することは
重要である。例として4人のユーザと4個のアンテナの
システムは、初期設定時に72kFLOPSで200k
個のデータ転送とを必要とし、処理時に400MFLO
PS/秒と1.2Gワード/秒のデータ転送帯域幅とを
必要とする。
【0085】OFDM/SDMAシステムでは、一定の
サブキャリアに関して、1人以上のユーザがマルチユー
ザ干渉(MUI)内に完全に埋め込まれるか、高度に相
関的なチャンネルベクトルを持つことができる。明らか
にこれらのユーザは、線形等化の後に残りのMUIと雑
音とから悪影響を受ける。この効果を軽減するために本
発明では、連続的干渉除去(Successive Interference
Cancellation:SIC)が、好ましくはキャリア毎に
(Per Carrier)使用される(pcSIC)。LS−O
FDM/SDMAとは逆にこの技術は、すべてのユーザ
を同時に評価することはなく、連続的にこれを、好まし
くはある1つのサブキャリアについて行う。そのような
ものとして、既に検出されているユーザから発生するM
UIは、除去することができる(それによって元の単一
のキャリアを修正する)。この技術は、中間ハード推定
値のフィードバックに依存し、従って非線形である。p
cSIC−OFDM/SDMAは、−キャリア毎を基準
として働くことが好ましいので−OFDM/SDMA合
成の相乗効果の他の例である周波数ダイバーシティを巧
みに利用していることにも留意されたい。さらに、キャ
リア毎の連続干渉除去法(pcSIC)が提示される
が、本発明はこれに限定されることはない。各サブキャ
リアnについて、先ず検出順序が、好ましくは受信信号
電力に従って決定される。ユーザ1からユーザUが適当
に順序づけられるものと仮定する。続いて各ユーザのソ
フト推定値が、数9に従って最小2乗線形結合によって
計算される。
【0086】
【数9】
【数10】
【0087】この方程式では、各繰り返しuに関してH
[s]が数10によって数8からの初期値ya[s]に
等しいy1 a[s]に置き換えられるということを除い
て、EL S[s]は数4におけるものとして見いだされ
る。その後、(決定方式である)スライシングの後に、
ユーザuのハード中間推定値である
【外6】 を有する数11におけるように、ユーザuから発生した
MUIは、再構成され(一般に再合成と呼ばれる)、残
りのMUIから差し引かれる(それによって修正され
る)。普通のpcSICアルゴリズムには、(選択方式
である)ハード推定値としてその後に選択される、各キ
ャリア毎に各データ信号のただ1個の中間ハード推定値
が存在する。
【0088】
【数11】
【0089】連続干渉除去(SIC)は、アップリンク
伝送方式として説明でき、ここでは、少なくとも1つの
(ただし1つに限定されない)データ信号に関する上記
受信端末における上記サブバンド処理された受信データ
信号からの上記データ信号の上記推定値の上記決定は、
次のステップを備える。すなわち、(第1のステップ)
上記データ信号から1つの選択信号を選択するステッ
プ。この選択ステップは例えば、受信信号電力に従って
順序づけられているデータ信号から第1の信号を選択す
ることであるが、これに限定されない。(第2のステッ
プ)上記サブバンド処理された受信データ信号から上記
選択されたデータ信号の推定値を決定するステップであ
って、例えば、スライシングを含む、サブバンド処理さ
れた受信データ信号の線形な合成法であるが、これに限
定されない。(第3のステップ)上記選択された受信デ
ータ信号の上記推定値に基づいて上記サブバンド処理さ
れた受信データ信号を修正するステップであって、例え
ば、修正されたサブバンド処理済みの受信データ信号が
得られるように、数11に従って再合成して除算するこ
とであるが、これに限定されない。(第4のステップ)
最後に上記修正されたサブバンド処理済みの受信データ
信号からの上記残りのデータ信号の推定値が、恐らくこ
れらの同一のステップを逐次に適用することによって決
定される。サブバンドは、キャリアとも表記できること
に留意されたい。
【0090】連続干渉除去アップリンク伝送方式の一実
施形態では、推定値の上記決定(すべてのステップ)は
1つのサブバンドずつ実行される。
【0091】図4は、pcSIC−OFDM/SDMA
の性能を示す。再び、SNR曲線についてのBERは、
1人から4人のユーザについて与えられている。参考と
して破線の曲線は1人のユーザと1個のアンテナの10
0MbpsプレーンOFDMの性能を示し、細い曲線
は、LS−OFDM/SDMAの性能を示す。これは、
pcSIC−OFDM/SDMAがLS−OFDM/S
DMAと比較して、ユーザ数の増加と共に増加する性能
の改善をもたらすことを示している。詳しくは、BER
が0.001で同時に4人のユーザが存在する場合に、
我々は5dBの利得を観測した。OFDM/SDMAに
関するpcSICアルゴリズムの複雑さの評価について
は、我々も初期設定と処理とを区別して見ている。初期
設定時には除去順序が決定されて、等化器が計算され
る。チャンネル行列はユーザu毎に異なるので、後者は
U回の異なるガウス消去を必要とする。しかしながら、
各Hu[s]間の構造的関係を利用することによって、
我々は、O(A22)による演算の必要回数をうまく
削減した。処理時には等化とスライシングに加えて、再
構成(再合成)と減算(修正)とを実行しなくてはなら
ない。pcSIC−OFDM/SDMAアルゴリズムの
これら両段階についての演算の近似的な総回数は、図1
0に与えられている。詳しくは、4人のユーザと4個の
アンテナのシステムはそれぞれ、初期設定段階において
170kFLOPSで250k個のデータ転送を必要と
し、(処理の段階では)700MFLOPS/秒と1.
8Gワード/秒のデータ転送帯域幅とを必要とする。
【0092】(pc)SIC−OFDM/SDMAの潜
在的弱点は、少なくとも二人のユーザが略等しい電力で
受信されたときその性能が低下するということである。
このような伝送条件下では誤った決定を行う確率が増加
し、誤りが伝搬するという結果を招く。この潜在的欠点
は図5に図示されており、この図は、各キャリアに関し
て−下の図で−第1の反復時の信号対干渉比(SIR)
を示し、−上の図で−発生した誤りの数を示す。しかし
ながら情報理論の観点からはすべてのユーザが同一の電
力を持つことが最適であるということに留意されたい。
誤り伝搬の問題を解決するために、我々は干渉依存状態
挿入(SI)を使用する。本質的には、悪いSIRから
損害を受けているこれらのキャリアに関する追加の状態
情報を挿入することによって、我々は妥当なコストで誤
り伝搬の確率を著しく減少させることができる。状態挿
入は、(pc)SIC−OFDM/SDMA方式で適用
されることが好ましい。この状態挿入方式はさらに、1
つのサブキャリアずつのアプローチで提示されるが、こ
れに限定されることはない。
【0093】先ず第1に、各サブキャリアnのユーザ1
のSIRは、等化器ELS[s]の知見から計算される。
次に、SIRから最も損害を受けているM個のサブキャ
リアnmの各々に1つの追加の状態mが割り当てられ
る。これらM個の状態は、上述の中間ハード推定値と呼
ばれる、ユーザ1についての代替推定値
【外7】 の経過を追跡している。これらは、
【外8】 のスライスされたものである
【外9】 を除いて
【外10】 に最も近い配列点として定義される。これらの割当ての
後に、u=2からUに関して逐次に
【外11】 を取得するために、M個の追加の状態が正常なサブキャ
リアとして処理される。明確には、ユーザu−1から発
生したMUIは、数12に従って(チャンネル応答推定
による再合成の後に)再構成されて、減算され(それに
よって元の信号を修正し)、そして数13に従って最小
2乗結合によってソフト推定値
【外12】 が計算される。最後に、これらM個のサブバンドの各々
に関してこのアルゴリズムは、数13の2個のノルムの
第1又は第2が最小であるとき、それぞれ
【外13】 又は
【外14】 の何れかをハード推定値として中間ハード推定値から選
択する。
【0094】
【数12】
【数13】
【0095】状態挿入アップリンク伝送方式は、上記受
信端末における上記サブバンド処理された受信データ信
号からの上記データ信号の上記推定値の上記決定が、少
なくとも1つの(しかし、1つに限定されない)データ
信号に関して下記のステップをさらに備える、という方
式として説明できる。すなわち、これらのステップは、
(第1のステップ)上記データ信号から1つの選択デー
タ信号を選択するステップと、(第2のステップ)上記
で中間ハード推定値と表記された推定値であって、上記
サブバンド処理された受信データ信号から上記選択され
たデータ信号の複数の上記推定値を決定するステップ
と、(第3のステップ)修正されたサブバンド処理済み
受信データ信号の各々が上記選択されたデータ信号の上
記(中間ハード)推定値の1つに基づいている、複数の
上記修正されたサブバンド処理済み受信データ信号を決
定するステップ(ここでは、再合成及び修正器方式が利
用されている)と、(第4のステップ)例えば最小2乗
線形結合法、しかしこれに限定されない方法によって、
上記複数の修正されたサブバンド処理済み受信データ信
号の各々から上記残りのデータ信号の少なくとも1つの
信号の複数の推定値を決定するステップと、(最後のス
テップ)それから例えば上記修正されたサブバンド処理
済み受信データ信号のノルムの評価法、しかしこれに限
定されない方法によって、上記選択されたデータ信号の
上記推定値の1つを選択するステップとを備える。
【0096】状態挿入アップリンク伝送方式の一実施形
態では、推定値の上記決定(すべてのステップ)は、1
つのサブバンドずつ実行される。
【0097】本発明の一実施形態では、上記状態挿入ア
ップリンク伝送方式は、連続干渉除去方式と組み合わせ
て使用され、好ましくは1つのサブバンドずつ実行され
る。
【0098】図6は、例示的システムとしての干渉依存
状態挿入を有するpcSIC−OFDM/SDMAの性
能を示す。追加の状態の数は、M=64に設定された。
参考として破線の曲線は1人のユーザと1個のアンテナ
の100MbpsプレーンOFDMの性能を示し、細い
曲線は、状態挿入のないpcSIC−OFDM/SDM
Aの性能を示す。これは、SIを持たないpcSIC−
OFDM/SDMAと比較して、64個の追加の状態を
有するpcSIC−OFDM/SDMAは、BERが
0.001で同時に4人のユーザが存在する場合に利得
6dBを達成していることを示している。他のシミュレ
ーションもまた、32個の状態と16個の状態によるS
Iに関する性能改善は、それぞれ5dBと4dBである
ことを示している。
【0099】SIを有するpcSIC−OFDM/SD
MAの複雑さの評価に関しては、機能を再び初期設定と
処理部分とに分割することができる。初期設定時では等
化後の各サブキャリアのSIRを計算してその後にM個
の最悪SIRサブキャリアのために状態挿入を行う必要
がある。処理時ではM個の追加の状態を数12及び数1
3を使って追跡してその後に数14の残りの2個のノル
ムに基づいて選択を行う必要がある。
【0100】
【数14】
【0101】N個うちのM個のサブキャリアへの状態挿
入のために必要とされる演算は、図11に示されてい
る。SIを有するpcSIC−OFDM/SDMAのた
めの演算の総回数を取得するためには、図10からの演
算をこれに加えなくてはならない。4人のユーザと4個
のアンテナのシステムに関しては、64個の追加の状態
を有するpcSIC−OFDM/SDMAは、初期設定
段階で220kFLOPSで310k個のデータ転送と
を必要とし、処理段階で1.1GFLOPS/秒と2.
6Gワード/秒のデータ転送帯域幅とを必要とする。
【0102】ダウンリンク伝送では、コンポジットピア
の端末は信号を受信しており、処理ピアは信号を送信し
ている。この実施形態ではこれらの受信端末は、単一の
アンテナとプレーンOFDMモデムとだけを持っている
(すなわちSDMA処理機能を持たない)。ユーザ端末
は単一のアンテナを持つだけであり、我々は処理能力の
大部分を基地局に集中したいので、これらのユーザ端末
はダウンリンクにおけるマルチユーザ干渉を軽減できな
い。従って、基地局は、データシンボルベクトルY
[s]に前置補償行列EPREを乗算してYTR[s]を得
る。このYTR[s]は、A個のアンテナから送信され
る。数6の入出力関係が得られる。
【0103】非理想的なものをすべて無視すれば、この
アプローチは結果的に各ユーザのデータシンボルの完全
な分離と受信時の完全な等化とをもたらす。従って移動
体では、チャンネル情報も等化器も必要としない。各キ
ャリアnにこれらの前置補償行列を与えることによっ
て、入出力関係は、数15のようになる。
【0104】
【数15】
【0105】このようにして各ユーザは、1つのキャリ
ア(搬送波)毎の単一ユーザのAWGNチャンネルを見
る。図7はユーザ数の異なる場合のダウンリンクにおけ
る平均BERを示す。干渉は存在しないので、同時ユー
ザの数は性能に影響しない(ユーザ数がアンテナ数を超
えておらず、非理想的なものも発生しないとして)。
【0106】再び、ダウンリンクにおける処理は、初期
設定と処理の両者を備える。初期設定段階では、前置補
償行列が計算される。処理時には、ユーザデータY
[s]に上記前置補償行列が乗算される。初期設定と処
理の両者の複雑さは、アップリンクにおけるLS−OF
DM/SDMAスキームの場合とほぼ同じである。
【0107】アップリンク通信とダウンリンク通信の両
者のために提案された提案OFDM/SDMAに加え
て、コヒーレンスによるグループ分けを適用することに
より、両状況における初期設定の努力が単純化できる。
この初期設定の努力は、数4、数5、又は数7が利用さ
れる等化器又は前置補償行列の決定として特徴付けられ
る。上記等化器行列によって、上記データ信号とサブバ
ンド処理された受信データ信号との間の関係は数1、数
9、又は数13におけるのと同様に定義される。上記前
置補償行列によって、上記データ信号の変換されたもの
である上記合成データ信号間の関係は数6又は数15に
おけるのと同様に定義される。各サブバンド毎に上記行
列を別々に決定する代わりに、上記サブバンドは、少な
くとも1つのセットが少なくとも2つのサブバンドを備
える複数のセットにグループ分けすることができ、次い
で、上記行列又はさらに一般的には上記関係は、1セッ
トずつ決定することができる。これらのグループは、こ
のコヒーレンスによるグループ分けの方式の実施形態で
はすべて等しいサイズGである。図8は、Gの幾つかの
値に関して、SIを有するpcSIC−OFDM/SD
MAに適用されたキャリアグルーピングに関連する性能
低下を示している。シミュレートされたチャンネルにつ
いての性能低下は、4以下のGに関しては無視できるこ
とが観測されている。32以上のGに関しては、性能は
1人のユーザと1個のアンテナのプレーンOFDMより
も劣化する。対象のシステムに関して初期設定の複雑さ
は、係数8だけ削減できると結論してもよい。4人の同
時に存在する25Mbpsユーザを分離するためにSD
MAを使う100MbpsのOFDM/SDMA WL
ANの例として、性能利得と複雑さとに関する幾つかの
数値的結果を得ることができる。もし64個のSIとサ
イズが8のグループとを有するpcSIC−OFDM/
SDMAが実施されるならば、最小2乗法アプローチと
比較して0.001というBERで11dBという性能
利得が得られる。必要とされる計算能力はそれぞれ、初
期設定時には27kFLOPSで40k個のデータ転送
とであり、処理時には1.1GFLOPS/秒と2.6
Gワード/秒のデータ転送帯域幅とである。
【0108】他の好適な実施形態では、処理ピアは接続
ネットワークへのアクセスポイントを備えており(この
接続ネットワークは例えば、ケーブルネットワークでも
衛星ネットワークでもよい)、また、コンポジットピア
はコストが主要な問題となる無線端末を備える。この実
施形態では、アクセスポイントだけがDFT(離散フー
リエ変換)手段とIDFT(離散フーリエ逆変換)手段
とを持つ。このことは、送信信号のピーク対平均電力比
の上昇が防止されるので、コンポジットピア内の端末の
デジタルベースバンドモデム部とシステム内のすべての
端末のフロントエンドとの両方を安価に実現することを
可能にする。非対称周波数領域SDMAの典型的な応用
例は、例えば2.4GHz帯域の無線ホームネットワー
キングのアプリケーションである。このような非対称構
成は、サブバンド処理と逆サブバンド処理とが処理ピア
に配置される、いわゆる集中化されたシナリオを実現す
るものである。この伝送方式では、上記受信端末におけ
る上記サブバンド処理された受信データ信号からの上記
データ信号の推定値の決定は、下記のステップ、すなわ
ち(第1のステップ)上記受信端末において上記サブバ
ンド処理された受信データ信号から上記データ信号の中
間推定値を決定するステップと、(第2のステップ)上
記中間推定値を上記逆サブバンド処理することによって
上記データ信号の上記推定値を取得するステップとを備
える。この実施形態では本発明の方法は、同一の周波数
帯域で同時に送信する異なる端末の信号を検出するため
ばかりでなく、例えばこの帯域に妨害信号を引き起こす
電子レンジからの干渉を軽減するためにも使用すること
ができる。例えば家庭環境といったマルチパスフェージ
ング環境では、送信に先立ってデータ信号にガードイン
ターバルを挿入することができる。もしこれらのガード
インターバルが再びマルチパスチャンネルで受信される
すべてのエコーを備えるように設計されるならば、ガー
ドインターバルの除去後にチャンネル畳み込みは巡回的
になる。従って周波数領域ではこれは、チャンネルのフ
ーリエ変換との乗算と等価になる。この実施形態は、処
理ピアの端末を安価にすることを可能にし、連続干渉除
去と、好ましくはサブバンド毎と状態挿入とを含んで、
OFDM/SDMAと同様の方法でアップリンクならび
にダウンリンク合成処理の実現を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各々が少なくとも1つの送信手段(60)を
有する少なくとも2つの送信端末(20)を備えるコン
ポジットピア(10)と、空間ダイバーシティ受信手段
(ここでは空間的に離れた2つの受信手段(80)で表
されているがそれに限定されない)を有する少なくとも
1つの受信端末(40)を備える処理ピア(30)とを
備えた(アップリンク)通信装置を示す。上記受信端末
(40)は少なくとも、サブバンド処理(90)を実行
する。図1の上段は、集中化されたシナリオを示し、こ
の場合、上記受信端末はさらに、逆サブバンド処理(1
10)を実行する。図1の下段は、分割シナリオを示
し、この場合、送信端末はさらに、逆サブバンド処理
(160)を実行する。
【図2】 各々が少なくとも1つの受信手段(320)
を有する少なくとも2つの受信端末(330)を備える
コンポジットピア(340)と、空間ダイバーシティ送
信手段(ここでは空間的に離れた2つの送信手段(22
0)で表されているがそれに限定されない)を有する少
なくとも1つの送信端末(240)を有する処理ピア
(230)とを備えた(ダウンリンク)通信装置を示
す。上記送信端末(240)は少なくとも、逆サブバン
ド処理(260)を実行する。図2の上段は、集中化さ
れたシナリオを示し、この場合、上記送信端末(24
0)はさらに、サブバンド処理(280)を実行する。
図2の下段は、分割シナリオを示し、この場合、受信端
末は、サブバンド処理(350)を実行する。
【図3】 同時に存在する1人から4人のユーザの場合
のアップリンク最小2乗法OFDM/SDMAである本
発明の一実施形態の性能を示す。ビット誤り率(BE
R)は、信号対雑音比(SNR)の関数として表され
る。上記実施形態は、任意数のユーザについて利用可能
である。上記実施形態においてOFDMは、高速フーリ
エ逆変換と高速フーリエ変換とを利用することによって
サブバンド方式として利用される。上記実施形態ではサ
ブバンド処理された受信データ信号からのデータ信号の
推定値の上記決定は、最小2乗法に基づいている。
【図4】 同時に存在する1人から4人のユーザの場合
のアップリンクOFDM/SDMAのpcSIC(キャ
リア毎の連続干渉除去)の性能を示す。ビット誤り率
(BER)は、信号対雑音比(SNR)の関数として表
される。上記実施形態は、任意数のユーザについて利用
可能である。上記実施形態ではサブバンド処理された受
信データ信号からのデータ信号の推定値の上記決定は、
最小2乗法という意味で、選択されたデータ信号の推定
値を決定することと、それからサブバンド処理された受
信データ信号を修正することと、最後に、上記選択され
たデータ信号を除くすべてのデータ信号である残りのデ
ータ信号の推定値を決定することとに基づいている。上
記残りのデータ信号に関しては、ある選択されたデータ
信号の推定値の上記決定が利用されることもある。デー
タ信号の上記選択アプローチは結果的に、データ信号の
推定値が決定される順序づけを導入することになる。
【図5】 アップリンクSIC(連続干渉除去)−OF
DM/SDMAによる誤り伝搬を示す。誤り数と信号対
干渉比(SIR)は周波数の関数として表される。誤り
伝搬の上記観測は、状態挿入方式の使用に動機を与え
る。
【図6】 同時に存在する1人から4人のユーザの場合
の状態挿入によるアップリンクOFDM/SDMAのp
cSICの性能を示す。上記実施形態は、任意数のユー
ザについて利用可能である。ビット誤り率(BER)
は、信号対雑音比(SNR)の関数として示される。上
記実施形態ではサブバンド処理された受信データ信号か
らのデータ信号の推定値の上記決定は、選択されたデー
タ信号の複数の推定値を決定することと、それから従っ
て、上記サブバンド処理された受信データ信号を修正す
ることと、それから上記選択されたデータ信号を除くす
べてのデータ信号である残りのデータ信号の内の少なく
とも1つのデータ信号の推定値を決定することと、最後
に上記選択されたデータ信号の上記複数の推定値の中の
1つを選択することとに基づいている。上記データ信号
選択アプローチは結果的に、データ信号の推定値が決定
される順序づけの導入をもたらす。データ信号毎に決定
される推定値の量は、異なることがあり、又は幾つかの
データ信号について1つのこともある。
【図7】 同時に存在する1人から4人のユーザの場合
のダウンリンクOFDM/SDMAの性能を示す。上記
実施形態は、任意数のユーザについて利用可能である。
ビット誤り率(BER)は、信号対雑音比(SNR)の
関数として示される。
【図8】 異なるコヒーレンスによるグループ分け係数
についてのアップリンクOFDM/SDMAの性能を示
す。ビット誤り率(BER)は、信号対雑音比(SN
R)の関数として示される。上記実施形態では、データ
信号とサブバンド処理された受信データ信号との間の関
係の決定である初期設定は、1セットずつ実行される。
上記コヒーレンスによるグループ分け係数は、1セット
内のサブバンドの量を表す。
【図9】 最小2乗法OFDM/SDMAの演算回数
(初期設定と処理)を表す。
【図10】 pcSIC(キャリア毎の連続干渉除去)
−OFDM/SDMAの演算回数(初期設定と処理)を
表す。
【図11】 状態挿入に関する追加の演算回数(初期設
定と処理)を表す。
【符号の説明】
10,340…コンポジットピア、 20,240…送信端末、 30,230…処理ピア、 40,330…受信端末、 50,200…データ信号、 60,220…送信手段、 70…変換されたデータ信号、 80,320…受信手段、 90,280,350…サブバンド処理、 100…受信端末におけるサブバンド処理された受信デ
ータ信号からのデータ信号の中間推定値の決定、 110,160,260…逆サブバンド処理、 120…データ信号の推定値、 130…データ信号の中間推定値、 140…サブバンド処理された受信データ信号、 150…受信端末におけるサブバンド処理された受信デ
ータ信号からのデータ信号の推定値の決定、 250…合成されたデータ信号の決定、 270…中間合成データ信号からの合成データ信号の決
定、 290…中間合成データ信号、 300…合成されたデータ信号、 360…受信端末におけるサブバンド処理後の信号。

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が少なくとも1つの送信手段(6
    0)を有する少なくとも2つの送信端末(20)から、
    空間ダイバーシティ受信手段(80)を有する少なくと
    も1つの受信端末(40)に複数のデータ信号(50)
    を送信する方法であって、 上記データ信号の変換されたものである、複数の変換さ
    れたデータ信号(70)を上記送信端末(20)から送
    信し、上記変換されたデータ信号(70)の少なくとも
    2つの信号の少なくとも関数である複数の受信データ信
    号を上記空間ダイバーシティ手段(80)で受信するス
    テップと、 上記受信端末(40)において上記受信されたデータ信
    号の少なくとも2つをサブバンド処理する(90)ステ
    ップと、 上記受信端末において、複数のサブバンド処理された受
    信されたデータ信号(140)から、上記複数のデータ
    信号(120)の複数の推定値を決定するステップとを
    備えた方法。
  2. 【請求項2】 上記送信は実質的に同時に実行される請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記複数の変換されたデータ信号のスペ
    クトルは、少なくとも部分的にオーバーラップしている
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記受信端末において上記複数のデータ
    信号の上記複数の推定値を決定するステップは、1つの
    サブバンドずつ実行される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記受信端末において、複数のサブバン
    ド処理された受信されたデータ信号から、上記複数のデ
    ータ信号の上記複数の推定値を決定するステップは、少
    なくとも1つのデータ信号に関してさらに、 1つの選択されるデータ信号を上記データ信号から選択
    するステップと、 上記複数のサブバンド処理された受信されたデータ信号
    から上記選択されたデータ信号の推定値を決定するステ
    ップと、 上記選択されたデータ信号の上記推定値に基づいて上記
    複数のサブバンド処理された受信されたデータ信号を修
    正するステップと、 上記複数の修正されたサブバンド処理済みの受信された
    データ信号から、上記複数の残りのデータ信号の複数の
    推定値を決定するステップとを備えた請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 1つのデータ信号を選択する上記ステッ
    プは、上記データ信号の受信電力に基づいて実行される
    請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 1つのデータ信号を選択する上記ステッ
    プは、上記データ信号の干渉比に基づいて実行される請
    求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記受信端末において、複数のサブバン
    ド処理された受信されたデータ信号から上記複数のデー
    タ信号の上記複数の推定値を決定するステップは、少な
    くとも1つのデータ信号に関してさらに、 1つの選択されるデータ信号を上記データ信号から選択
    するステップと、 上記複数のサブバンド処理された受信されたデータ信号
    から、上記選択されたデータ信号の複数の推定値を決定
    するステップと、 修正されたサブバンド処理済みの受信されたデータ信号
    の各々が上記選択されたデータ信号の上記推定値の1つ
    に基づいている、複数の上記修正されたサブバンド処理
    済みの受信されたデータ信号を決定するステップと、 上記複数の修正されたサブバンド処理済みの受信された
    データ信号から上記残りのデータ信号の少なくとも1つ
    の信号の複数の推定値を決定するステップと、 その後に上記選択されたデータ信号の上記推定値の1つ
    を選択するステップとを備えた請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 1つのデータ信号を選択する上記ステッ
    プは、上記データ信号の干渉比に基づいて実行される請
    求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記サブバンド処理に関係する複数の
    サブバンドは、少なくとも1つのセットが少なくとも2
    つのサブバンドを備えた複数のセットにグループ分けさ
    れ、 上記受信端末において、上記複数のデータ信号の上記複
    数の推定値を決定するステップは、 上記複数のデータ信号と複数のサブバンド処理された受
    信されたデータ信号との間の関係を1セットずつ決定す
    るステップと上記複数のデータ信号を決定するために、
    上記複数のデータ信号と上記複数のサブバンド処理され
    た受信されたデータ信号との間の上記複数の関係を利用
    するステップとを備えた請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 複数の変換されるデータ信号(70)
    への上記複数のデータ信号(50)の上記変換は、逆サ
    ブバンド処理(160)を備えた請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 上記受信端末において、複数のサブバ
    ンド処理されたデータ信号から、上記複数のデータ信号
    の複数の推定値を決定する(150)ステップは、 上記受信端末において、上記複数のサブバンド処理され
    た受信されたデータ信号から、上記複数のデータ信号の
    複数の中間推定値(130)を決定する(100)ステ
    ップと、 上記複数の中間推定値を逆サブバンド処理すること(1
    10)によって、上記複数のデータ信号の上記複数の推
    定値(120)を取得するステップとを備えた請求項1
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 複数の送信されるデータ信号への上記
    複数のデータ信号の上記変換はさらに、ガードインター
    バルの導入を備えた請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 上記サブバンド処理は、直交周波数分
    割多重分離である請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記逆サブバンド処理は、直交周波数
    分割多重化である請求項11及び12記載の方法。
  16. 【請求項16】 上記複数のデータ信号の決定は本質的
    に、上記複数の受信されたデータ信号の個々の空間シグ
    ネチャに基づいている請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 1つの空間ダイバーシティ送信手段
    (220)を有する少なくとも1つの送信端末(24
    0)から少なくとも1つの受信手段(320)を有する
    少なくとも2つの受信端末(330)に複数のデータ信
    号(200)を送信する方法であって、 上記複数のデータ信号の変換されたものである、複数の
    合成されたデータ信号(300)を上記送信端末におい
    て決定する(250)ステップと、 上記複数の合成されたデータ信号を逆サブバンド処理す
    る(260)ステップと、 複数の逆サブバンド処理された合成されたデータ信号を
    上記空間ダイバーシティ手段(220)で送信するステ
    ップと、 上記複数の逆サブバンド処理された合成されたデータ信
    号の少なくとも関数である複数の逆サブバンド処理され
    た受信データ信号を、上記受信端末(330)の少なく
    とも1つの上記受信手段(320)の少なくとも1つで
    受信するステップと、 上記複数の逆サブバンド処理された受信されたデータ信
    号から、上記複数のデータ信号の複数の推定値を決定す
    るステップとを備えた方法。
  18. 【請求項18】 複数の逆サブバンド処理された合成さ
    れたデータ信号の上記送信は、実質的に同時に実行され
    る請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 上記複数の逆サブバンド処理された合
    成されたデータ信号のスペクトルは、少なくとも部分的
    にオーバーラップしている請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 上記送信端末において、複数の合成さ
    れたデータ信号を決定するステップは、1つのサブバン
    ドずつ実行される請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 上記送信端末において上記複数のデー
    タ信号の上記複数の推定値を決定するステップは、サブ
    バンド処理(350)を備えた請求項17記載の方法。
  22. 【請求項22】 上記送信端末において、複数の合成さ
    れたデータ信号を決定するステップは、 上記複数のデータ信号をサブバンド処理すること(28
    0)によって、複数の中間合成データ信号(290)を
    決定するステップと、 上記複数の中間合成データ信号から上記複数の合成され
    たデータ信号を決定する(270)ステップとを備えた
    請求項17記載の方法。
  23. 【請求項23】 上記サブバンド処理は、直交周波数分
    割多重分離である請求項21及び22記載の方法。
  24. 【請求項24】 上記逆サブバンド処理は、直交周波数
    分割多重化である請求項17記載の方法。
  25. 【請求項25】 逆サブバンド処理に関係している上記
    複数のサブバンドは、少なくとも1つのセットが少なく
    とも2つのサブバンドを備えた複数のセットにグループ
    分けされ、 上記送信端末(240)において複数の合成されたデー
    タ信号(300)を決定する(250)ステップは、 上記複数のデータ信号と上記複数の合成されたデータ信
    号との間の関係を1セットずつ決定するステップと、 上記複数のデータ信号を決定するために、上記複数のデ
    ータ信号と上記複数の合成されたデータ信号との間の上
    記複数の関係を利用するステップとを備えた請求項17
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 上記複数の逆サブバンド処理された合
    成されたデータ信号にはガードインターバルが導入され
    る請求項17記載の方法。
  27. 【請求項27】 複数の合成されたデータ信号の上記決
    定は本質的に、上記複数の送信される逆サブバンド処理
    済みの合成されたデータ信号の個々の空間シグネチャに
    基づいている請求項17記載の方法。
  28. 【請求項28】 少なくとも2つの受信されたデータ信
    号、上記受信データ信号からデータ信号の推定値を決定
    する装置であって、 少なくとも1つの空間ダイバーシティ受信手段(80)
    と、 上記空間ダイバーシティ受信手段で上記複数の受信デー
    タ信号を受信するために設けられた回路部と、 上記受信されたデータ信号の少なくとも2つをサブバン
    ド処理する(90)ために設けられた回路部と、 複数のサブバンド処理された受信されたデータ信号から
    上記複数のデータ信号の複数の推定値を決定するために
    設けられた回路部(150)とを少なくとも備えた装
    置。
  29. 【請求項29】 上記回路部は複数のサブバンド処理さ
    れた受信されたデータ信号から上記複数のデータ信号の
    複数の推定値を決定するために設けられ、かつ複数の回
    路を備え、上記各回路は、上記複数のサブバンド処理さ
    れた受信されたデータ信号の複数のサブバンドの一部に
    基づいて上記複数のデータ信号の上記推定値の一部を決
    定するために設けられた請求項28記載の装置。
  30. 【請求項30】 上記空間ダイバーシティ手段は少なく
    とも2つの受信手段を備え、上記回路部は上記空間ダイ
    バーシティ手段によって上記複数の受信データ信号を受
    信するために設けられ、かつ複数の回路を備え、上記各
    回路は、上記空間ダイバーシティ手段の上記受信手段の
    1つから上記複数の受信データ信号を受信するために設
    けられた請求項28記載の装置。
  31. 【請求項31】 上記複数のデータ信号の上記決定は本
    質的に、上記複数の受信されたデータ信号の個々の空間
    シグネチャに基づいている請求項28記載の装置。
  32. 【請求項32】 上記複数のデータ信号の上記複数の推
    定値の上記決定は、1つのサブバンドずつ実行される請
    求項28記載の装置。
  33. 【請求項33】 逆サブバンド処理された複数の合成さ
    れたデータ信号を送信する装置であって、 少なくとも1つの空間ダイバーシティ送信手段と、 複数のデータ信号を合成するために設けられた回路部
    と、 複数の合成されたデータ信号を逆サブバンド処理するた
    めに設けられた回路部と、 複数の逆サブバンド処理された合成されたデータ信号を
    上記空間ダイバーシティ送信手段によって送信するため
    に設けられた回路部とを少なくとも備えた装置。
  34. 【請求項34】 上記回路部は、複数のデータ信号を合
    成するように適応され、かつ複数の回路を備え、上記各
    回路は、複数のデータ信号の複数のサブバンドの一部に
    基づいて上記複数のデータ信号を合成するように適応さ
    れた請求項33記載の装置。
  35. 【請求項35】 上記空間ダイバーシティ送信手段は少
    なくとも2つの送信手段を備え、上記回路部は、複数の
    逆サブバンド処理された合成されたデータ信号を送信す
    るように適応され、かつ複数の回路を備え、上記各回路
    は、上記空間ダイバーシティ手段の上記送信手段の1つ
    によって上記複数の逆サブバンド処理された合成された
    データ信号を送信するように適応された請求項33記載
    の装置。
  36. 【請求項36】 上記複数の逆サブバンド処理された合
    成されたデータ信号のスペクトルは少なくとも部分的に
    オーバーラップしている請求項33記載の装置。
  37. 【請求項37】 複数のデータ信号の上記合成は本質的
    に、上記複数の送信された逆サブバンド処理済みの合成
    されたデータ信号の個々の空間シグネチャに基づいてい
    る請求項33記載の装置。
  38. 【請求項38】 複数の合成されたデータ信号を決定す
    るステップは、1つのサブバンドずつ実行される請求項
    33記載の装置。
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