JP2000354903A - 切りくずの折断方法 - Google Patents
切りくずの折断方法Info
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Abstract
に、切りくずを短く折断する。 【解決手段】 次の(イ)、(ロ)、(ハ)の条件を満
たすようにして、切刃チップのノーズ部で下穴の仕上げ
加工を行う。 (イ)切削速度V=90〜120m/min (ロ)切りくずの厚さt=0.10〜0.45mm (ハ)切りくずの初期カール半径R0=0.5〜1.0
mm
Description
に形成された下穴を仕上げ加工する際に生成される切り
くずを短く折断するための切りくずの折断方法に関す
る。
材は、強靭であることから、各種の機械部品等に多用さ
れているが、そのような鋼材からなる素材に穴明け加工
する場合には、まず下穴を形成し、その後仕上げ加工す
るようにしている。
工する場合には、鋼材が強靭であることから、切りくず
が長く延びてしまうという問題があった。そこで、切り
くずを短く折断することが要望され、各種の研究が行わ
れている。しかし、そのような要望に十分に応えること
ができる方法が未だ開発されていない。
に応えるべくしてなされたものであり、硬度がHRC3
5〜40である鋼からなる素材に形成された下穴を切刃
チップのノーズ部で仕上げ加工する際に、次の(イ)〜
(ハ)の条件を満たすようにして加工することを特徴と
している。 (イ)切削速度V=90〜120m/min (ロ)切りくずの厚さt=0.10〜0.45mm (ハ)切りくずの初期カール半径R0=0.5〜1.0
mm この場合、切り込み量をd、送り量をfとしたとき、d
=0.3r〜0.5r(rはノーズ部の曲率半径)と
し、f=0.10〜0.40mm/revにするのが望ま
しい。また、上記切りくずは、上記切刃チップのすくい
面に形成されたチップブレーカに衝突させることによ
り、上記条件(ハ)を満たすようにカールさせるのが望
ましい。
上げ加工を行った場合には、図7においてダブルハッチ
ングが施された部分が切りくずになるが、この切りくず
の厚さおよびカール半径は、切りくずの各部で互いに異
なる。そこで、ここでは、切りくずの厚さtおよびカー
ル半径Rを図8に示すように定義する。すなわち、切り
くずの最も厚い部分の厚さを「切りくずの厚さt」とす
る。また、カール半径Rは、厚さがt/2である部分に
よって形成される切りくずのカール半径を称するものと
する。
と、この発明で用いられる仕上げ用の穴明け工具として
は、例えば図1、図2にそれぞれ示すボーリングバー1
または中ぐり用のバイト2が用いられる。ボーリングバ
ー1は、断面略円形の棒状をなすバー本体11の先端外
周部にスローアウェイチップ(切刃チップ)12を着脱
可能に取り付けたものである。また、バイト2は、バイ
ト本体21の先端側の一側部に切刃チップ22をロー付
け固定したものである。
プ22は、超硬合金(WC)または炭化チタン(Ti
C)、窒化チタン(TiN)等のサーメットがで形成さ
れる。それらのチップ12,22は、通常、三角形また
は四角形のものが用いられる。チップ12,22は、ポ
ジティブタイプのものであってもよく、ネガティブタイ
プのものであってもよい。
工を行う場合には、ボーリングバー1を回転させつつ下
穴内に挿入し、スローアウェイチップ12のノーズ部1
2aによって下穴の内周面を周方向に切削する。バイト
2によって下穴の仕上げ加工を行う場合には、通常、下
穴が形成された素材を回転させることが多い。その他の
点は、ボーリングバー1による場合と同様である。
ズ部12aによって下穴3の内周面を仕上げ加工してい
る状態を示す。ノーズ部12aの仕上げ加工に伴って生
成された切りくず4は、従来の切削条件では螺旋状にカ
ールし、かつ連続している。しかるに、本出願の発明者
は、次の条件を満たすようにして仕上げ加工を行うこと
により、切りくず4を短く折断することができることを
見出した。すなわち、切削速度(ノーズ部12aの刃先
外側の周速)をV、切りくず4の厚さをt、切りくず4
の初期カール半径をR0としたとき、 (イ)切削速度V=90〜120m/min (ロ)切りくずの厚さt=0.10〜0.45mm (ハ)切りくずの初期カール半径R0=0.5〜1.0
mm にするものである。これは、切刃チップ22のノーズ部
22aによって切削する場合も同様である。
に示すように、切りくず4をスローアウェイチップ12
の逃げ面(前逃げ面)12bに衝突させる方法が知られ
ている。この出願の発明者は、この方法を採用すること
によって切りくずを折断しようとした。ところが、仕上
げ穴明け加工において従来から採用されている80m/
min若しくはそれ以下の切削速度では、図3に示すよう
に、切りくず4が生成後、直ちにスローアウェイチップ
12のすくい面12cから離れる方向へ移動してしま
い、逃げ面12bに衝突することがほとんどない。そこ
で、鋭意研究した結果、切削速度Vを、90〜120m
/minにすることによって切りくず4を逃げ面12bに
衝突させることができることを見出した。これは、図5
に示すように、切削速度が90〜120m/minの範囲
内では、切りくず4の長さがほぼ10mm以下で安定し
ているのに対し、範囲外では切りくずの長さが長く、か
つ大きくばらつくことから明らかである。なお、このと
きの切りくず4の厚さtおよび初期カール半径R0は、
上記条件(ロ)、(ハ)の中間値、つまりt=0.27
〜0.28mm、R0=0.7mmが採用されている。
求められる歪εが切りくず4に発生する。この歪εが所
定の大きさを越えると切りくず4が折断する。 ε=t(1/R0−1/R1)/2 ここで、 ε;切りくずの表面歪 t;切りくずの厚さ R0;切りくずの初期カール半径 R1;切りくずの折断時のカール半径 である。
期カール半径R0が一定であるならば、切りくず4の厚
さtが薄いほど折断しにくく、厚いほど折断しやすい。
したがって、切りくず4を短く折断するためには、切り
くず4の厚さtを厚くすればよい。これは、切りくず4
の厚さと切りくず4の長さとの関係を示す図6の実験例
からも明らかである。なお、この実験例において、切削
速度Vは102m/minとし、初期カール半径R0は
0.7mmとした。
であれば、切りくず4の厚さtが厚いほど切りくず4を
短く折断することができるが、実際には切りくず4の厚
さを厚くすると、それに伴って初期カール半径R0が増
大する。勿論、すいく面12bにチップブレーカを形成
すれば、切りくず4の厚さtがある程度厚くなっても初
期カール半径R0を所定の大きさ以下に維持することが
できるが、条件(ハ)を満たすには、チップブレーカを
形成したとしても厚さtを0.45mm以下にする必要
がある。特に、t≦0.3mmにするのが望ましい。こ
れは、0.3mm≦t≦045mmの範囲では、切りく
ずを短く折断することができるが、切りくず4の厚さt
が厚くその分だけスローアウェイチップ12に作用する
切削荷重が大ききくなる結果、仕上げ加工後の穴の面粗
度が荒く(例えばRmax25μm以上)なったり、スロ
ーアウェイチップ12の切刃に欠けが発生したりするか
らである。
他の切削条件によって若干影響を受けるが、概ね切り込
み量dと送り量f(図7参照)によって定まる。したが
って、厚さtに関する条件は、切り込み量dと送り量f
に関する条件にほぼ置き換えることができる。切り込み
量dおよび送り量fは、0.10mm≦t≦0.45m
mに対応して次のように定めるのが望ましい。 0.3r≦d≦0.5r(rはノーズ部12aの曲率半
径) 0.1mm/rev≦f≦0.40mm/rev 特に、0.10mm≦t≦0.30mmに対応して 0.3r≦d≦0.4r 0.1mm/rev≦f≦0.30mm/rev にするのが望ましい。
穴を仕上げ加工するときは、切り込み量dによって切り
くずの厚さ(平均厚さ)が変化する。切り込み量dが
0.3rより小さい場合には、切りくずが過度に薄くな
るため折断されにくくなる。一方、切り込み量dが0.
5rより大きい場合には、切りくずの厚さが増すと同時
に、切りくずの幅が大きくなり、切りくずの剛性が増
す。このため、チップブレーカによる切りくずのカール
効果が発現されない。この結果、切りくずの初期カール
半径R0が大きくなり、切りくずが折断されにくくなる
りくず4の厚さtが一定であれば、カール半径R0を小
さくするほど切りくずを折断することができる。図9
は、切りくず4の厚さtを条件(ロ)の中間値たる0.
27〜0.28mmとし、切削速度Vを102m/min
にしたときにおける、切りくず4の長さと初期カール半
径R0との関係を示す図であり、R0≦1.0mmであ
れば切りくず4を短く折断することができることが分か
る。したがって、切りくず4を単に折断するのであれ
は、初期カール半径R0を1.0mm以下にすればよ
い。しかし、初期カール半径R0を過度に小さくする
と、スローアウェイチップ12の刃先に大きな切削荷重
が作用するため、刃先に欠けが発生したり、仕上げ面が
悪化したりする。そこで、初期カール半径R0は、 0.5mm≦R0≦1.0mm に定められる。
ップブレーカを形成し、これに切りくずを衝突させるこ
とによってカールさせるのが望ましい。素材およびスロ
ーアウェイチップ12には、材質その他の各種の誤差等
があるため、切りくず4の初期カール半径R0は、切削
条件(切削速度、切り込み量および送り量)が同一であ
っても変化する。しかるに、チップブレーカによって切
りくず4をカールさせれば、チップブレーカの形状、高
さ等によって素材の材質等の変化を吸収して、切りくず
4の初期カール半径R0をほぼ一定に維持することがで
きるからである。
ず折断効果 図10は、条件(イ)、(ロ)、(ハ)を全て満足させ
た場合と、それらの条件から逸脱した場合とのそのれぞ
れの場合の切りくず長さを示すものであり、条件
(イ)、(ロ)、(ハ)全てを満たす場合には、切りく
ずの長さが5〜30mmで安定している。一方、全ての
条件を逸脱する場合には、切りくずの長さが50mmか
らほぼ3mの間で大きくばらついている。なお、この実
験で用いられた素材は、ボロン(ホウ素B)を0.00
1〜0.003%(重量比)の範囲で含むボロン鋼であ
り、その硬度はHRC38であった。下穴の内径は、3
6mmであった。
ば、硬度がHRC35〜40である鋼材からなる素材の
下穴を仕上げ加工する際に、切りくずを短く折断するこ
とができるという効果が得られる。
一例としてのボーリングバーを示す正面図である。
他の例としての中ぐりバイトを示す正面図である。
アウェイチップと切りくずとの関係を示す図である。
のスローアウェイチップと切りくずとの関係を示す図で
ある。
ある。
す図である。
て切削される下穴とを示す拡大図である。
ための図である。
の関係を示す図である。
カール半径と、切りくずの長さとの関係を示す図であ
る。
4)
Claims (3)
- 【請求項1】 硬度がHRC35〜40である鋼からな
る素材に形成された下穴を切刃チップのノーズ部で仕上
げ加工する際に、次の(イ)〜(ハ)の条件を満たすよ
うにして加工することを特徴とする切りくずの折断方
法。 (イ)切削速度V=90〜120m/min (ロ)切りくずの厚さt=0.10〜0.45mm (ハ)切りくずの初期カール半径R0=0.5〜1.0
mm - 【請求項2】 切り込み量dを0.3r〜0.5r(r
はノーズ部の曲率半径)とし、送り量fを0.10〜
0.40mm/revにしたことを特徴とする請求項1に
記載の切りくずの折断方法。 - 【請求項3】 上記切りくずを上記切刃チップのすくい
面に形成されたチップブレーカに衝突させることによ
り、上記条件(ハ)を満たすように切りくずをカールさ
せることを特徴とする請求項1または2に記載の切りく
ずの折断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11163699A JP2000354903A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 切りくずの折断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11163699A JP2000354903A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 切りくずの折断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000354903A true JP2000354903A (ja) | 2000-12-26 |
Family
ID=15778943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11163699A Pending JP2000354903A (ja) | 1999-06-10 | 1999-06-10 | 切りくずの折断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000354903A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002263948A (ja) * | 2001-03-12 | 2002-09-17 | Kawasaki Steel Corp | トリミング屑の切断方法 |
WO2012068860A1 (zh) * | 2010-11-26 | 2012-05-31 | 长春轨道客车股份有限公司 | 钻深可变式断排屑深孔加工方法 |
-
1999
- 1999-06-10 JP JP11163699A patent/JP2000354903A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002263948A (ja) * | 2001-03-12 | 2002-09-17 | Kawasaki Steel Corp | トリミング屑の切断方法 |
JP4660944B2 (ja) * | 2001-03-12 | 2011-03-30 | Jfeスチール株式会社 | トリミング屑の切断方法 |
WO2012068860A1 (zh) * | 2010-11-26 | 2012-05-31 | 长春轨道客车股份有限公司 | 钻深可变式断排屑深孔加工方法 |
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