JP2000353906A - サーキュレータ - Google Patents

サーキュレータ

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JP2000353906A
JP2000353906A JP11165496A JP16549699A JP2000353906A JP 2000353906 A JP2000353906 A JP 2000353906A JP 11165496 A JP11165496 A JP 11165496A JP 16549699 A JP16549699 A JP 16549699A JP 2000353906 A JP2000353906 A JP 2000353906A
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drive line
drive
circulator
driving line
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JP11165496A
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Makoto Hasegawa
真 長谷川
Taro Miura
太郎 三浦
Shusuke Ohata
秀典 大波多
Takahide Kurahashi
孝秀 倉橋
Kazuaki Suzuki
和明 鈴木
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 完全な3回対称性を持ちかつ単純な構造であ
る駆動線路構造を有するサーキュレータを提供する。 【解決手段】 各々が単線構造の3つの駆動線路を備え
たサーキュレータであって、各駆動線路は、他の1つの
駆動線路の上側を通ってこの駆動線路と絶縁状態で交差
すると共に、残りの1つの駆動線路の下側を通ってこの
駆動線路と絶縁状態で交差する構造を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯域で
用いられる移動無線機等の回路安定化に利用される、フ
ェリ磁性体を用いた非可逆回路素子の一種のサーキュレ
ータに関する。なお、本発明は、アイソレータにも当然
に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】集中定数型サーキュレータは、主とし
て、インダクタンス素子、共振用キャパシタ、入出力端
子及び筐体から構成されている。このうち、インダクタ
ンス素子は、磁化された磁性体(フェライト)板、3つの
端子を有する駆動線路、グランド板及び励磁用の永久磁
石から構成されている。
【0003】従来の集中定数サーキュレータのインダク
タンス素子部分における駆動線路の構造としては、平行
線編み込み線路構造(特開平6−343005号公報)と
単線積み重ね線路構造とが知られている。
【0004】図1は、平行線編み込み線路構造を有する
従来の集中定数型サーキュレータのインダクタンス素子
部分の基本的構造を示す分解斜視図である。
【0005】同図において、10、11、12及び13
は一体化されて磁性体を形成する磁性体板、14は磁性
体内に形成された駆動線路、15は駆動線路14を接続
するヴィアホール導体、16及び17は励磁用の永久磁
石をそれぞれ示している。この構造のサーキュレータに
おいて、駆動線路14は互いに120°異なる方向に伸
長する3組の平行線対で構成されており、各平行線対
は、異なる2つの平面内に存在している部分を有してい
る。これら異なる2つの平面内に存在している部分は、
ヴィアホール導体15を介して互いに接続されている。
【0006】図2は、単線積み重ね線路構造を有する従
来の集中定数型サーキュレータのインダクタンス素子部
分の基本的構造を示す分解斜視図である。
【0007】同図において、20、21、22、23及
び24は一体化されて磁性体を形成する磁性体板、25
は磁性体内に形成された駆動線路、26及び27は励磁
用の永久磁石をそれぞれ示している。この構造のサーキ
ュレータにおいて、駆動線路25は3組の単線で構成さ
れており、これら単線が互いに120°異なる方向に伸
長するように単に積み重ねて構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、通信規格上の要
請から、集中定数型サーキュレータに対して、その動作
周波数の広帯域化が求められている。また、無線携帯端
末等のマイクロ波装置の小型化及び薄型化が要求されて
おり、それが急速に進行している中で、集中定数型サー
キュレータも小型化及び薄型化が望まれている。また、
製造コストのさらなる削減も求められている。
【0009】動作周波数の広帯域化を実現するために
は、完全な3回対称性を持つ駆動線路の構造とすると良
いことが、集中定数型サーキュレータの技術分野では良
く知られている。一方、集中定数型サーキュレータの小
型化、薄型化及び低コスト化を図るためには、駆動線路
の構造を簡単にすることも必要である。
【0010】図1に示すような平行線編み込み線路構造
の場合、平行線を編み込むことにより駆動線路が完全な
3回対称性を示すため、動作周波数帯域が広く、かつ各
入出力端子の伝送特性が同一となるので、広帯域の集中
定数型サーキュレータとして使用することができる。
【0011】しかしながら、図2に示すような単線積み
重ね線路構造に比べて駆動線路の構造が複雑であること
から小型化、薄型化及び低コスト化が難しくなってい
る。これは、同じ容積の単線積み重ね線路よりも駆動線
路の幅が狭くなるので、損失の大きい内部導体になると
同時に、製造時に不良が生じ易いためである。また、駆
動線路同士の交差する点が単線積み重ね線路の場合より
も多いため、交差する点における、例えば、絶縁シート
による絶縁や、ヴィアホールによる絶縁等の絶縁処理を
より多く行わなければならないので、これが不良を生じ
させる原因となるためである。このように、駆動線路の
構造が複雑であることに起因して、小型化及び薄型化が
妨げられ、同時に高コストとなる。
【0012】一方、図2に示すような単線積み重ね線路
構造は、単線を単に3本積み重ねただけであるから構造
が単純隣、小型化、薄型化及び低コスト化に適してい
る。しかしながら、線路が完全な3回対称性を有しない
ため、動作周波数帯域が狭く、従って広帯域のサーキュ
レータとして使用できない。
【0013】なお、特開平8−51304号公報には、
単線構造の駆動線路の全部てを積み重ねずに、その一部
を互いに上下に交差させるようにしたサーキュレータが
提案されているが、これも完全な3回対称性を有してい
ないため、動作周波数帯域が狭く、従って広帯域のサー
キュレータとして使用できない。
【0014】従って、本発明の目的は、完全な3回対称
性を持ちかつ単純な構造である駆動線路構造を有するサ
ーキュレータを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、各々が
単線構造の3つの駆動線路を備えたサーキュレータであ
って、各駆動線路は、他の1つの駆動線路の上側を通っ
てこの駆動線路と絶縁状態で交差すると共に、残りの1
つの駆動線路の下側を通ってこの駆動線路と絶縁状態で
交差する構造を有しているサーキュレータが提供され
る。
【0016】3つの駆動線路の各々について、他の1つ
の駆動線路の上側を通ってこの駆動線路と交差すると共
に、残りの1つの駆動線路の下側を通ってこの駆動線路
と交差する構造とすれば、完全な3回対称性を与えるこ
とが可能となり、動作周波数帯域を広くとることができ
る。また、3つの駆動線路の各々が単線構造であるた
め、決められた大きさの中でより大きなインダクタンス
を得ることができ、従って小型化、薄型化及び低コスト
化が可能となる。
【0017】3つの駆動線路が、3回対称構造を有して
いることが好ましい。
【0018】駆動線路の3つの交差する点を結ぶ線の平
面形状が、正三角形であることも好ましい。この場合、
駆動線路が、正三角形の重心を通る法線に対して3回対
称構造を有しているようにすることがより好ましい。
【0019】駆動線路を内蔵する磁性体と、この磁性体
に磁界を印可する励磁手段とを備えているであろう。
【0020】磁性体が、矩形板形状の平面、又は円板形
状や六角板形状等を含む3回対称性を持つ平面を有する
磁性体であることが好ましい。
【0021】各駆動線路が、異なる2つの平面内に存在
しており、各駆動線路の該2つの平面内に存在する部分
がヴィアホール導体を介して互いに接続されていること
が本発明の一実施態様である。
【0022】各駆動線路が、他の2つの駆動線路と、絶
縁シートを介して交差していることも本発明の一実施態
様である。
【0023】
【発明の実施の形態】図3は本発明の一実施形態におけ
る集中定数型サーキュレータのインダクタンス素子部分
の基本的構造を示す分解斜視図であり、図4はこの実施
形態における駆動線路の構造を説明するための平面図で
ある。
【0024】これらの図において、30、31、32及
び33は一体化されて円板形状の平面を有する磁性体を
形成する磁性体板、34a、34b及び34cは磁性体
内に形成され互いに120°異なる方向に伸長する3つ
の駆動線路、35a、35b及び35cは駆動線路34
a、34b及び34cをそれぞれ接続するヴィアホール
導体、36及び37は励磁用の永久磁石をそれぞれ示し
ている。
【0025】駆動線路34a、34b及び34cの各々
は、単線構造であり、磁性体板30、31、32及び3
3の板面に平行な2つの面内に存在している部分34a
及び34a、34b及び34b、並びに34c
及び34cを有している。これら異なる2つの平面
内に存在している部分34a及び34aはヴィアホ
ール導体35aを介して、部分34b及び34b
ヴィアホール導体35bを介して、並びに部分34c
及び34cはヴィアホール導体35cを介してそれぞ
れ互いに接続されている。
【0026】図4から明らかのように、駆動線路34a
の部分34aは、他の1つの駆動線路34b(部分3
4b)の図における上側を通ってこの駆動線路34b
と絶縁状態で交差し、ヴィアホール導体35aを介して
部分34aに導通しており、この駆動線路34aの部
分34aは、残りの1つの駆動線路34c(部分34
)の下側を通ってこの駆動線路34cと絶縁状態で
交差している。同様に、駆動線路34bの部分34b
は、他の1つの駆動線路34c(部分34c)の上側
を通ってこの駆動線路34cと絶縁状態で交差し、ヴィ
アホール導体35bを介して部分34bに導通してお
り、この駆動線路34bの部分34bは、残りの1つ
の駆動線路34a(部分34a)の下側を通ってこの
駆動線路34aと絶縁状態で交差している。さらに、駆
動線路34cの部分34cは、他の1つの駆動線路3
4a(部分34a)の上側を通ってこの駆動線路34
aと絶縁状態で交差し、ヴィアホール導体35cを介し
て部分34cに導通しており、この駆動線路34cの
部分34cは、残りの1つの駆動線路34b(部分3
4b)の下側を通ってこの駆動線路34bと絶縁状態
で交差している。
【0027】駆動線路34a、34b及び34cの3つ
の交差する点を結ぶ線の平面形状は、正三角形となって
いる。このような駆動線路構造とすれば、完全な3回対
称性を与えることが可能となり、動作周波数帯域を広く
とることができる。
【0028】3つの駆動線路34a、34b及び34c
の各々が単線構造であるため、決められた大きさの中で
より大きなインダクタンスを得ることができ、従って小
型化、薄型化及び低コスト化がよりいっそう可能とな
る。
【0029】また、上述した正三角形の面積は、ヴィア
ホールを形成できる限度でできるだけ小さくなるように
構成することが望ましい。この面積が小さくなるように
構成すれば、その分、駆動線路の全長が長くなりインダ
クタンスが大きくなるので小型化が促進される。
【0030】なお、各駆動線路の部分34a及び34
、34b及び34b、並びに34c及び34
について、その上下関係が逆となる構造とした場合
にも、即ち、部分34a、34b及び34cを下
側の平面内に存在させ、部分34a、34b及び3
4cを上側の平面内に存在させた構造とした場合に
も、同様の動作及び作用効果を得ることができる。
【0031】集中定数型サーキュレータを形成する場
合、まず、上述のように単線構造で完全な3回対称性の
パターンを有する駆動線路(内部導体)34a、34b
及び34cと、磁性体板30、31、32及び33から
なる磁性体とを一体的に焼成して磁気回転子を形成す
る。
【0032】この磁気回転子の一方の面全体に、及び各
駆動線路34a、34b及び34cの一端に接続される
ように磁気回転子の側面の一部にシールド導体を形成す
ると共に、各駆動線路34a、34b及び34cの他端
に接続されるように磁気回転子の側面に端子電極を形成
する。
【0033】上述した磁気回転子の形成方法について、
その一例を以下より詳しく説明する。
【0034】酸化イットリウム(Y )と酸化鉄
(Fe )をモル比で3:5の割合で混合し、混
合粉を1200℃で仮焼する。これによって得られた仮
焼粉をボールミルにて粉砕したのち、有機バインダー及
び溶剤を添加し、磁性体スラリーを作製する。得られた
磁性体スラリーをドクターブレード法にて、グリーンシ
ートに成形する。成形したグリーンシートにヴィアホー
ル用の穴をパンチングマシーンで形成し、その後グリー
ンシートに厚膜印刷法で駆動線路(内部導体)34a、
34b及び34cのパターンを形成する。このとき、ヴ
ィアホールを充填してヴィアホール導体35a、35b
及び35cを形成することも同時に行う。導体材料とし
ては、例えば銀ペーストが使用される。
【0035】このように加工したグリーンシートを熱圧
着し、積層体を得る。その後、所定の大きさの形状に切
断し、1480℃で焼成する。次いで、この焼成体の一
方の面全面にシールド導体を銀ペーストを焼き付けるこ
とによって形成する。さらに、焼成体側面に、端子電極
とシールド導体及び駆動線路の電極引き出し部分をつな
ぐ電極とを、銀ペーストを焼き付けることにより形成す
る。これにより、磁気回転子が得られる。
【0036】このようにして形成された磁気回転子の上
下面に励磁用永久磁石36及び37を図示しない鉄等の
軟磁性金属によるヨークと共に取り付け、さらに、各端
子電極に必要な容量を、内部形成か若しくは外付けで接
続することにより、集中定数型サーキュレータ又は集中
定数型アイソレータが形成される。
【0037】図5は本発明の他の実施形態における集中
定数型サーキュレータのインダクタンス素子部分の基本
的構造を示す分解斜視図である。
【0038】同図において、50、51及び52は一体
化されて円板形状の平面を有する磁性体を形成する磁性
体板、54a、54b及び54cは磁性体内に形成され
互いに120°異なる方向に伸長する3つの駆動線路、
56及び57は励磁用の永久磁石をそれぞれ示してい
る。
【0039】本実施形態において、駆動線路54a、5
4b及び54cの各々は、単線構造の連続する金属導体
で構成されている。駆動線路54aは、他の1つの駆動
線路54cの上側を通ってこの駆動線路54cと図示し
ない絶縁シート等を介して絶縁状態で交差し、さらに、
残りの1つの駆動線路54bの下側を通ってこの駆動線
路54bと図示しない絶縁シート等を介して絶縁状態で
交差するように編み込まれている。同様に、駆動線路5
4bは、他の1つの駆動線路54aの上側を通ってこの
駆動線路54aと図示しない絶縁シート等を介して絶縁
状態で交差し、さらに、残りの1つの駆動線路54cの
下側を通ってこの駆動線路54cと図示しない絶縁シー
ト等を介して絶縁状態で交差するように編み込まれてい
る。また、駆動線路54cは、他の1つの駆動線路54
bの上側を通ってこの駆動線路54bと図示しない絶縁
シート等を介して絶縁状態で交差し、さらに、残りの1
つの駆動線路54aの下側を通ってこの駆動線路54a
と図示しない絶縁シート等を介して絶縁状態で交差する
ように編み込まれている。
【0040】このように本実施形態では、各駆動線路自
体の構造が図3の実施形態の場合と異なっている。本実
施形態におけるその他の構成、作用効果及び変更態様等
については、図3の実施形態の場合とほぼ同様である。
【0041】図6は本発明のさらに他の実施形態におけ
る集中定数型サーキュレータのインダクタンス素子部分
の基本的構造を示す分解斜視図であり、図7はこの実施
形態における駆動線路の構造を説明するための平面図で
ある。
【0042】これらの図において、60、61、62及
び63は一体化されて矩形板形状の平面を有する磁性体
を形成する磁性体板、64a、64b及び64cは磁性
体内に形成され互いに120°異なる方向に伸長する3
つの駆動線路、65a、65b及び65cは駆動線路6
4a、64b及び64cをそれぞれ接続するヴィアホー
ル導体、66及び67は励磁用の永久磁石をそれぞれ示
している。
【0043】駆動線路64a、64b及び64cの各々
は、単線構造であり、磁性体板60、61、62及び6
3の板面に平行な2つの面内に存在している部分64a
及び64a、64b及び64b、並びに64c
及び64cを有している。これら異なる2つの平面
内に存在している部分64a及び64aはヴィアホ
ール導体65aを介して、部分64b及び64b
ヴィアホール導体65bを介して、並びに部分64c
及び64cはヴィアホール導体65cを介してそれぞ
れ互いに接続されている。
【0044】このように本実施形態では、磁性体の平面
形状が図3の実施形態の場合と異なっている。本実施形
態のように、矩形板形状の磁性体を用いた場合にも、そ
の中心部近傍における駆動線路の構造は、3回対称性を
有しており、従って、その部分における動作もほぼ3回
対称性を示すこととなる。このように、磁性体(フェラ
イト)板を四角にして、駆動線路の完全な3回対称性を
崩し特性を下げたとしても、それによって製造方法が容
易となる利点が得られる。
【0045】本実施形態におけるその他の構成、作用効
果及び変更態様等については、図3の実施形態の場合と
ほぼ同様である。
【0046】集中定数型サーキュレータを平行線路で構
成した場合における特性と、本発明のように単線で構成
した場合における特性との比較について以下記載する。
この特性比較を行う評価方法として、集中定数型サーキ
ュレータの3つの端子に正相の固有モードと呼ばれる互
いに位相が120°づつずれた交流の入力信号を印加し
たと仮定して、その時に生じる磁性体(フェライト)板の
内部の磁界を数値計算で求めた。内部の磁界は、正相の
固有モードを印加したときに楕円の軌道を描くが、この
楕円度は場所によって大きく異なる。この磁界が真円に
近い軌道を描き、かつその場所での磁界の強度が大きい
ほど、その場所で理想的な動作を行っているということ
がいえる。楕円軌道は、2つの逆回転をする真円の軌道
の合成として理解することができるから、ここで便宜的
に真円度eを以下のように定めると、 e=(半径が大きい方の円軌道の半径)/(2つの円軌
道の半径の和) その場所での動作状態の良否は、積e|H|で知ること
ができる。ただし、|H|は、その場所での磁界強度で
ある。即ち、積e|H|の値が高いほど、その場所で理
想的な動作状態をしているということができる。
【0047】これらのことから、集中定数型サーキュレ
ータ全体としての動作状態の良否は、積e|H|の磁性
体(フェライト)板にわたる面積分∫e|h|dSで求め
ることができ、この値が高いほど集中定数型サーキュレ
ータ全体としての特性が良いという事ができる。
【0048】図8に、縦軸としてこの∫e|h|dSの
値を取り、横軸として平行編み込み線路における2本の
平行に走る駆動線路の間の距離をとったものを示す。た
だし、横軸は、規格化された無次元量であり、具体的に
は、磁性体板の半径を1としたときの駆動線路間距離の
相対値で表されている。この場合、横軸の値がゼロとい
うことは、駆動線路間の距離がゼロであり、2本の平行
に走る線路は一致し、単線の場合における駆動線路の構
造に等価である。同図によれば、駆動線路間の距離がゼ
ロ、即ち単線の場合の線路構造において理想的な動作状
態であるということができる。
【0049】駆動線路を単線構造とした集中定数型サー
キュレータは、図2で説明したように従来より存在して
いたが、従来の単線構造においては、完全な3回対称性
となる駆動線路の構造ではなかったため、充分な特性が
得られていなかった。これに対して、本発明によれば、
単線構造であっても完全な3回対称性が得られるので、
動作周波数帯域を広くとることができ、かつ決められた
大きさの中でより大きなインダクタンスを得ることがで
きるから、小型化、薄型化及び低コスト化が図れるので
ある。
【0050】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0051】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、各々が単線構造の3つの駆動線路を備えたサーキュ
レータであって、各駆動線路は、他の1つの駆動線路の
上側を通ってこの駆動線路と絶縁状態で交差すると共
に、残りの1つの駆動線路の下側を通ってこの駆動線路
と絶縁状態で交差する構造を有しているので、完全な3
回対称性を与えることが可能となり、動作周波数帯域を
広くとることができる。また、3つの駆動線路の各々が
単線構造であるため、決められた大きさの中でより大き
なインダクタンスを得ることができ、従って小型化、薄
型化及び低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平行線編み込み線路構造を有する従来の集中定
数型サーキュレータのインダクタンス素子部分の基本的
構造を示す分解斜視図である。
【図2】単線積み重ね線路構造を有する従来の集中定数
型サーキュレータのインダクタンス素子部分の基本的構
造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における集中定数型サーキ
ュレータのインダクタンス素子部分の基本的構造を示す
分解斜視図である。
【図4】図3の実施形態における駆動線路の構造を説明
するための平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態における集中定数型サー
キュレータのインダクタンス素子部分の基本的構造を示
す分解斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態における集中定数
型サーキュレータのインダクタンス素子部分の基本的構
造を示す分解斜視図である。
【図7】図6の実施形態における駆動線路の構造を説明
するための平面図である。
【図8】平行線編み込み線路と本発明の駆動線路との特
性比較のための数値計算結果を示す図である。
【符号の説明】
30、31、32、33、50、51、52、60、6
1、62、63 磁性体板 34a、34b、34c、54a、54b、54c、6
4a、64b、64c駆動線路 35a、35b、35c、65a、65b、65c ヴ
ィアホール導体 36、37、56、57、66、67 励磁用永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 孝秀 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 鈴木 和明 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が単線構造の3つの駆動線路を備え
    たサーキュレータであって、前記各駆動線路は、他の1
    つの駆動線路の上側を通って該駆動線路と絶縁状態で交
    差すると共に、残りの1つの駆動線路の下側を通って該
    駆動線路と絶縁状態で交差する構造を有していることを
    特徴とするサーキュレータ。
  2. 【請求項2】 前記3つの駆動線路が、3回対称構造を
    有していることを特徴とする請求項1に記載のサーキュ
    レータ。
  3. 【請求項3】 前記駆動線路の3つの交差する点を結ぶ
    線の平面形状が、正三角形であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のサーキュレータ。
  4. 【請求項4】 前記駆動線路が、前記正三角形の重心を
    通る法線に対して3回対称構造を有していることを特徴
    とする請求項3に記載のサーキュレータ。
  5. 【請求項5】 前記駆動線路を内蔵する磁性体と、該磁
    性体に磁界を印可する励磁手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1から4のいずれか1項に記載のサーキュレ
    ータ。
  6. 【請求項6】 前記磁性体が、円板形状の平面を有する
    磁性体であることを特徴とする請求項5に記載のサーキ
    ュレータ。
  7. 【請求項7】 前記磁性体が、矩形板形状の平面を有す
    る磁性体であることを特徴とする請求項5に記載のサー
    キュレータ。
  8. 【請求項8】 前記各駆動線路が、異なる2つの平面内
    に存在しており、該各駆動線路の該2つの平面内に存在
    する部分がヴィアホール導体を介して互いに接続されて
    いることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に
    記載のサーキュレータ。
  9. 【請求項9】 前記各駆動線路が、他の2つの駆動線路
    と、絶縁シートを介して交差していることを特徴とする
    請求項1から7のいずれか1項に記載のサーキュレー
    タ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015072252A1 (ja) * 2013-11-14 2015-05-21 株式会社村田製作所 非可逆回路素子

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WO2015072252A1 (ja) * 2013-11-14 2015-05-21 株式会社村田製作所 非可逆回路素子

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