JP2000351544A - エレベータの位置検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータのかご位置情報を高精度で検出し
伝達する。 【解決手段】 乗りかご１と釣り合い重り２との間に連
結されたスチールテープ３には、その長さ方向に所定間
隔でスプロケット孔３ａが形成されている。そこで、本
発明装置では、各スプロケット孔３ａ間に、バーコード
等によりかご１位置情報を表示した符号板７を取付け、
バーコードリーダ等の読取器８によりかご１の現在位置
を読取るように構成した。このように、本発明装置によ
れば、従来のように歯車機構等の減速機を介さずに、か
ご１の現在位置に一対一に対応した位置情報が符号板７
から直接読取り検出するので、高精度なかご位置情報を
階床選択器６等に伝達することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、つるべ式エレベ
ータの乗りかごの位置を検出するエレベータの位置検出
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、つるべ式エレベータでは、主ロ
ープが乗りかごと釣り合い重りとの間に連結され、主ロ
ープを巻き掛けた駆動綱車が巻上げ機の駆動力により回
転することにより、乗りかごは昇降路内を昇降移動す
る。

【０００３】乗りかごを指定階に着床停止させるために
は、予め定められた位置から所定の減速曲線に沿った減
速制御を行う必要があり、そのためには、乗りかごの正
確な現在位置の検出が必要とされる。そこで従来、乗り
かごの現在位置を検出するために、良く知られているよ
うにパルスジェネレータが巻上げ機のモータ回転軸に取
り付けられ、基準位置からのパルス数を計数することに
より、昇降路内におけるかご位置を検出していた。

【０００４】しかしながら、つるべ式エレベータでは、
駆動綱車に巻き掛けられた主ロープが何らかの事情でス
リップしてしまうと、例えば巻上げ機のモータは停止し
た状態にあるにも拘らず、乗りかごは上方または下方に
変位移動した。従って、パルスジェネレータを使用した
従来のエレベータの位置検出装置では、主ロープがスリ
ップした場合、かご位置自体は変位したにも拘らず、パ
ルスジェネレータはその変位信号を出力することがない
ので、正確なかご位置は検出されなかった。

【０００５】そこで、主ロープのスリップによる影響を
受けないかご位置検出装置として、図７に示す位置検出
装置が知られている。すなわち、乗りかご１と釣り合い
重り２との間にスチールテープ（ｓｔｅｅｌ ｔａｐ
ｅ）３が連結され、そのスチールテープ３には等間隔に
スプロケット（ｓｐｒｏｃｋｅｔ）孔３ａが設けられて
いる。スチールテープ３のスプロケット孔３ａはスプロ
ケット４の外周に設けられた歯４ａにかみ合って巻き掛
けられているので、かご１の昇降に伴うスチールテープ
３の移動に同期して、スプロケット４は回転する。

【０００６】このように、図示しない巻上げ機による駆
動力により、かご１が昇降移動すると、それに対応して
スプロケット４が回転するから、スプロケット４の回転
数及び回転角度は、かご１の現在位置に一対一に対応
し、スプロケット４の回転はかご１の運転制御のため、
歯車機構からなる減速機５を介して階床選択器６や図示
しないロータリエンコーダ等に伝達されるように構成さ
れていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
スチールテープを使用したエレベータの位置検出装置
は、かごの現在位置がスプロケットを介して階床選択器
等に伝達されるので、主ロープのスリップによる影響を
受けないものの、減速機はかご移動速度を縮尺して出力
している。このように階床選択器はエレベータの実際の
かごの動きを減速機により縮尺し、同期台はエレベータ
かごと同期した動きを行っている。

【０００８】そこで、階床選択器内には位置検出用の接
点があり、同期台に設けられた接点と接触することで位
置検出を行っている。従って、位置検出用接点のとりつ
け位置に誤差が生じると、減速機で縮尺された倍率でエ
レベータの位置制御に影響を与えた。また減速機等にお
けるわずかな機械的ガタも、階床選択器上では大きな位
置誤差となって伝達されるので、階床選択器内での位置
精度を大きく低下させる要因となった。

【０００９】そこで、本発明は、上記従来の実情に鑑み
てなされたもので、乗りかごの実際の位置情報を忠実か
つ高精度で伝達可能なエレベータの位置検出装置を提供
することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するためになされたもので、請求項１に係るエレ
ベータの位置検出装置は、乗りかごと釣り合い重りとの
間に連結され、長さ方向にそれぞれ所定間隔をなしてス
プロケット孔を複数個設けたスチールテープと、このス
チールテープが巻き掛けられ、前記スプロケット孔に嵌
合する歯を外周に設けて、前記かごの移動に同期して回
転するスプロケットと、前記スチールテープの互いに隣
接する前記スプロケット孔間に取付けられ、前記かごの
昇降路内における位置情報を表示した符号板と、この符
号板に表示された前記かごの位置情報を読み取る読取器
とを具備することを特徴とする。

【００１１】このように、請求項１に係る発明によれ
ば、乗りかごの位置情報を表示した符号板を、スチール
テープの互いに隣接するスプロケット孔間に取付け、そ
の符号板により位置情報を読取器で直接読み取り、何等
減速機等の機械要素を介さないので、乗りかごの実際の
位置そのものに一対一に対応した正確なかご位置情報を
得て伝達することができる。

【００１２】請求項２に係る発明は、上記請求項１にお
けるエレベータの位置検出装置において、符号板は、か
ごの位置情報をスチールテープ上の幅方向に複数列設け
たことを特徴とする。

【００１３】このように、請求項２に係る発明によれ
ば、符号板をスチールテープ上の幅方向に複数列設けた
ので、請求項１に係る作用に加え、同じかご位置情報を
異なる位置に２重に表示することができ、仮に一方で読
み取り漏れが生じても他方の読み取りそれを補い、読み
取り漏れやミスを軽減することができる。

【００１４】請求項３に係る発明は、上記請求項２にお
けるエレベータの位置検出装置において、読取器は、ス
チールテープ長さ方向の互いに異なる位置で、前記スチ
ールテープに設けられた複数列の符号板を順次交互に読
み出すように設けたことを特徴とする。

【００１５】上記のように、符号板はスプロケット孔間
に設けられているので、スチールテープが移動し、読取
器の読取り位置がスプロケット孔に対向したときのかご
位置はその読取器では検出することができない。しか
し、この請求項３に係る発明のように、かご位置情報を
複数列に構成し、複数列の符号板を順次交互に読み出す
ように例えば読取器を複数台設けることによって、各台
が互いに異なるタイミングでかご位置情報を読取るよう
に構成することができ、一方がスプロケットに対応して
しまい現在のかご位置の読取りが不可能でも、他の読取
器が他の列の符号板を利用して現在のかご位置を読取る
ことができる。

【００１６】つまり、この請求項３に係る発明によれ
ば、スプロケット孔の存在にも拘らず、かご位置情報が
複数列の符号板を交互に、異なるタイミングで読取るよ
うに構成できるので、かご位置をきめ細かくより高精度
に読取り伝達することができる。

【００１７】請求項４に係る発明は、上記請求項１ない
し３におけるエレベータの位置検出装置において、符号
板は、かご位置情報がバーコードまたは磁気符号により
表示されるように構成され、読取器は、前記バーコード
または磁気符号を読み取るバーコードリーダまたは磁気
符号読取器で構成したことを特徴とする。

【００１８】このように、請求項４に係る発明によれ
ば、かご位置情報をいわゆるバーコードまたは磁気符号
により表示したので、エレベータの位置検出装置を簡単
な構成により実現することができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下この発明による、エレベータ
の位置検出装置の一実施の形態を図１ないし図６を参照
して詳細に説明する。なお、図７に示した従来のエレベ
ータの位置検出装置と同一構成には同一符号を付して詳
細な説明は省略する。

【００２０】すなわち、図１は、本発明によるエレベー
タの位置検出装置の第１の実施の形態を示した外観図
で、図７に示した従来のエレベータの位置検出装置と同
様に、乗りかご１と釣り合い重り２との間にスチールテ
ープ３が連結され、乗りかごの昇降移動に連動同期して
スプロケット４は回転する。

【００２１】スチールテープ３は、図２にも要部を拡大
して示したように、従来と同様に、スプロケット４の外
周に設けられた歯４ａに巻き掛かけられ、かご１の昇降
移動に同期して回転するが、図３に拡大して示したよう
に、スチールテープ３の所定間隔をなして連続的に設け
られたスプロケット孔３ａの各間に、例えばバーコード
により乗りかごの位置情報を表示した符号板７を貼り付
け構成した。

【００２２】そこでこの実施の形態では、符号板７に表
示されたバーコード等を、図１及び図２に示すように、
既知のバーコードリーダ等の読取器８で読取ることによ
り、そのときの昇降路内の乗りかご１位置を検出し、階
床選択器６等に供給する。

【００２３】従って、読取器８は現在のかご１の位置を
伸縮性の極めて小さいスチールテープ３上で一対一に対
応して直接読み取るので、かご１の位置を正確に検出す
ることができる。

【００２４】なお、この実施の形態では、符号板７にか
ご位置をバーコードで表示し、バーコードリーダからな
る読取器８により、かごの現在位置を検出するように構
成したが、かご位置を磁気符号化により表示し、バーコ
ードリーダに代えてこれも既知の磁気符号読取器を配置
して読み出すようにしても良い。

【００２５】また、この第１の実施の形態では、図３に
示したように、符号板７はスチールテープ３の上下に隣
接した各スプロケット孔３ａ間に１個設け、図１及び図
２に示したように１個の読取器で読取るように構成した
が、各スプロケット孔３ａ間に符号板７を幅方向に例え
ば２個並列に取付け、各列にそれぞれかご位置を表示す
るように構成することもできる。

【００２６】すなわち、図４及び図５はこの発明による
エレベータの位置検出装置の第２の実施の形態を説明す
る図で、図４に示すようにスチールテープ３の上下に隣
接した各スプロケット孔３ａ間に幅方向に複数個（ここ
では２個）の符号板７１，７２を取付け、長さ方向の各
列毎に異なる位置で、そのときのかご位置をそれぞれ符
号板７１，７２から読取るように構成した。

【００２７】すなわち、図５に示すように左右２箇所の
読取器８１，８２によりそれぞれ対応する左右の符号板
７１，７２から、一つの乗りかご１の現在位置情報を重
畳して読取るように構成した。従って、仮にいずれか一
方の読取器での読取りミスがあっても、他方で読取られ
たかご位置検出信号により、階床選択器６を正しく作動
させることができる。

【００２８】また、この第２の実施の形態では、２つの
読取器８１，８２が幅方向に２列構成の符号板７１，７
２から一つのかご位置情報を同時に読取ったが、例えば
２つの読取器８１，８２が２列構成の化符号板７１，７
２に対し、それぞれ異なるかご位置情報をタイミング異
にして読取るように構成することもできる。

【００２９】すなわち、図６はこの発明によるエレベー
タの位置検出装置の第３の実施の形態を示す要部正面図
で、符号板７とスプロケット孔３ａとがスチールテープ
３上で交互に配置されていることに鑑み、２台（複数
台）の読取器８１，８２をそれぞれ２列構成の各符号板
７１，７２に対し、互いにタイミングを異にして読取る
ように構成した。

【００３０】従って、図６に示すように一方の読取器８
１が一方の符号板７１を読み出しているときには、他方
の読取器８２は丁度、スプロケット孔３ａの位置が読取
り位置となる状態となり、スチールテープ３の移動に伴
い読取器８１及び読取器８２が互いに交互にそのときど
きのかご１位置を読取るように構成する。

【００３１】従って、上記第１及び第２の形態では、ス
チールテープ３が移動したとき、スチールテープ３上の
各符号板７，７１，７２が読取器８，８１，８２の読取
り領域を移動するタイミングでしか読取ることができな
かったが、この実施の形態によれば、各列の符号板を交
互に読取るので、一方の読取器８２がスチールテープ３
上のスプロケット孔３ａの位置を読み対象とした位置に
あっても、他方の読取器８１が異なる位置で符号板６の
バーコードを読取るので、きめ細かな高精度の乗りかご
１位置情報を得ることができる。

【００３２】なお、上記第２及び第３の実施の形態で
は、符号板７１，７２にバーコードを使用し、読取器８
１，８２にバーコードリーダを使用するように記載した
が、第１の実施の形態と同様に、それぞれ磁気符号及び
磁気符号読取器に置き換え構成できることは言うまでも
ない。

【００３３】以上説明のように、この発明によれば、従
来のように減速機等の機械的変換手段を経ることなく、
スプロケット上から得られるかご位置情報を、伸縮性の
極めて少ないスチールテープそのものから直接得るよう
に構成したので、かご位置が一対一に対応し精度良く検
出し、伝達することができる。

【００３４】

【発明の効果】以上のように、請求項１に係るエレベー
タの位置検出装置によれば、乗りかごの位置情報を表示
した符号板を、スチールテープの互いに隣接する前記ス
プロケット孔間に取付け、符号板に表示された位置情報
を読み取るので、乗りかごの実際の位置に一対一に対応
した正確な位置情報を得ることができる。

【００３５】また、請求項２に係る発明によれば、スチ
ールテープ上の幅方向に複数列のかご位置情報を符号板
に設けたので、請求項１に係る作用に加え、同じかご位
置情報を異なる位置で例えば２重に表示することがで
き、仮に一方で読み取り漏れが生じても他方の読み取り
が補い、読み取り漏れやミスを軽減することができる。

【００３６】また、請求項３に係る発明は、上記請求項
２におけるエレベータの位置検出装置において、仮に一
方がスプロケット位置に対応して現在のかご位置の読取
りが不可能状態でも、読取器が他の列を利用して現在か
ご位置を読取ることができるので、かご位置をきめ細か
にまた連続的に読取ることができる。

【００３７】さらに、請求項４に係る発明は、かご位置
情報をバーコードまたは磁気符号により表示したので、
上記請求項１ないし３における各発明の効果に加え、簡
単な構成により位置検出装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるエレベータの位置検出装置の第
１の実施の形態を示す外観図である。

【図２】図１に示す装置の要部側面図である。

【図３】図１に示す装置のスチールテープを示す正面図
である。

【図４】この発明によるエレベータの位置検出装置の第
２の実施の形態に使用されるスチールテープを示す正面
図である。

【図５】図４に示したスチールテープを使用したエレベ
ータの位置検出装置の要部側面図である。

【図６】この発明によるエレベータの位置検出装置の第
３の実施の形態を説明する要部側面図である。

【図７】従来のエレベータの位置検出装置を示す外観図
である。

【符号の説明】

１ 乗りかご ２ 釣り合い重り ３ スチールテープ ３ａ スプロケット孔 ４ スプロケット ４ａ 歯 ５ 減速機 ６ 階床選択器 ７，７１，７２ 符号板 ８，８１，８２ 読取器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗りかごと釣り合い重りとの間に連結さ
   れ、長さ方向にそれぞれ所定間隔をなしてスプロケット
   孔を複数個設けたスチールテープと、 このスチールテープが巻き掛けられ、前記スプロケット
   孔に嵌合する歯を外周に設けて、前記かごの移動に同期
   して回転するスプロケットと、 前記スチールテープの互いに隣接する前記スプロケット
   孔間に取付けられ、前記かごの昇降路内における位置情
   報を表示した符号板と、 この符号板に表示された前記かごの位置情報を読み取る
   読取器とを具備することを特徴とするエレベータの位置
   検出装置。
2. 【請求項２】 前記符号板は、前記かごの位置情報を前
   記スチールテープ上の幅方向に複数列設けたことを特徴
   とする請求項１に記載のエレベータの位置検出装置。
3. 【請求項３】 前記読取器は、前記スチールテープ長さ
   方向の互いに異なる位置で、前記スチールテープに設け
   られた複数列の前記符号板を順次交互に読み出すように
   設けたことを特徴とする請求項２に記載のエレベータの
   位置検出装置。
4. 【請求項４】 前記符号板は、かご位置情報がバーコー
   ドまたは磁気符号により表示されるように構成され、 前記読取器は、前記バーコードまたは磁気符号を読み取
   るバーコードリーダまたは磁気符号読取器で構成したこ
   とを特徴とする請求項１ないし請求項３のうちのいずれ
   か１項に記載のエレベータの位置検出装置。