JP2000350427A - モータの設計方法およびモータ - Google Patents

モータの設計方法およびモータ

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JP2000350427A
JP2000350427A JP11159499A JP15949999A JP2000350427A JP 2000350427 A JP2000350427 A JP 2000350427A JP 11159499 A JP11159499 A JP 11159499A JP 15949999 A JP15949999 A JP 15949999A JP 2000350427 A JP2000350427 A JP 2000350427A
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rotor
stator
cogging torque
magnet
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Tatsuo Kitamura
辰雄 北村
Yoshihiro Minobe
好弘 美濃部
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Kusatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Kusatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コギングトルクの改善を行いつつ、モータ特
性をも損なわないモータの設計方法を提供すると共に、
この設計方法に基づいて構成されたモータを提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 ロータヨークに複数の磁石12,13を
設けたロータと、複数の歯部および該歯部間に位置する
複数のスロットを設けたステータとを用いて構成される
モータの設計方法であって、前記磁石12,13および
前記歯部の少なくとも一方の、形状および位置の少なく
とも一方を可変的に設定することによって、良好なコギ
ングトルクを生ずる前記ロータと前記ステータとの関係
を見いだすことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータとステータ
とを備えたモータに関し、詳しくは、コギングトルクの
改善を行うためのモータの設計方法、およびこの設計方
法に基づいて構成されたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】モータは、一般的に、ロータ(回転子)
とステータ(固定子)とを用いて構成されており、例え
ば、ロータをステータの内側に設けたインナロータ型モ
ータや、ロータをステータの外側に設けたアウタロータ
型モータ等がある。ここでは、インナロータ型モータを
用いて、従来技術に係るモータを説明する。
【0003】図7は、インナロータ型モータの概略断面
図を示したものである。図7に示すインナロータ型モー
タにおいては、ロータヨーク111の外周に単極着磁さ
れた磁石112,113を極交互に配設して、ロータ1
10が構成されている。そして、ロータ110の外周側
であって、このロータ110に対向するように、ステー
タ120が配設されている。
【0004】ここで、ロータヨーク111は、例えば、
積層した珪素鋼板等のように、高透磁率を有する材料
(以下、「高透磁率材料」という。)を用いて形成され
ている。また、図7においては省略したが、通常、ステ
ータ120にはコイルが巻回されている。そして、これ
らのコイルに対して、三相状態の電流を供給することに
よって、モータ(ロータ110)が回転駆動するように
構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】さて、上述したモータに電流を供給して回
転駆動させると、通常、「コギング」が生ずることとな
る。コギングとは、ロータ110とステータ120との
間に働く磁気吸収力に基づいた、トルクの変化、いわゆ
るトルクむらのことである(以下、このトルクむらのこ
とを「コギングトルク」という。)。図7に示したよう
に、着磁された磁石、いわゆる永久磁石を用いたモータ
においては、電流を供給しなくてもコギングが生じ、こ
のコギングトルクは、静止摩擦のように作用して、モー
タの始動を困難にするような性質を有するものである。
また、換言すれば、コギングトルクとは、停止状態(無
通電状態)のモータ(ロータ)が、回転方向に動き出す
際のトルクのことである。
【0006】図8は、図7に示したインナロータ型モー
タを回転駆動させた際に発生するコギングトルクを表し
たものである。図8のグラフにおいて、縦軸はトルクを
示し、横軸はステータ120を構成する歯部およびスロ
ットの位置を示したものである。すなわち、図8は、ス
テータ120の各位置におけるロータ110に生ずるト
ルクむら(コギングトルク)の大きさを示したものであ
る。
【0007】図7において、ステータ120は、複数の
歯部(第一の歯部A01〜第二十四の歯部A24)を用
いて構成されており、歯部と歯部との間にはスロットが
形成されている。第一の歯部A01と第二の歯部A02
との間には、第一のスロットB01が形成され、第二の
歯部A02と第三の歯部A03との間には、第二のスロ
ットB02が形成されており、ステータ120全体とし
ては、第一のスロットB01〜第二十四のスロットB2
4が形成されている。なお、図7においては、歯部およ
びスロットについての符号を部分的に省略している。こ
の図7に示された各歯部A01〜A24、各スロットB
01〜B24が、図8の横軸にプロットされている。
【0008】図8に示すように、従来技術に係る(図7
に示された)インナロータ型モータによれば、隣接する
歯部とスロットとの間に大きなトルクのむら(コギング
トルク)が生ずる。このように大きなコギングトルクが
生じると、モータを用いて構成される機器(例えば、エ
アコン、掃除機、扇風機等)について、駆動時の騒音等
が増大するという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、上記従来技術の問題を
解決するためになされたものであって、コギングトルク
の改善を行いつつ、モータ特性をも損なわないモータの
設計方法を提供すると共に、この設計方法に基づいて構
成されたモータを提供することを課題とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するための本発明は、ロータヨークに複数の磁石を設
けたロータ10と、複数の歯部および該歯部間に位置す
る複数のスロットを設けたステータ20とを用いて構成
されるモータの設計方法であって、前記磁石および前記
歯部の少なくとも一方の、形状および位置の少なくとも
一方を可変的に設定することによって、良好なコギング
トルクを生ずる前記ロータ10と前記ステータ20との
関係を見いだすことを特徴としている。
【0011】本発明に係るモータの設計方法によれば、
比較的簡単に、コギングトルクの改善を行いつつ、モー
タ特性をも損なわないモータの設計方法を提供すること
が可能となる。
【0012】また、本発明に係るモータの設計方法にお
いては、前記ステータ20の形状を特定した状態で、前
記磁石の形状および位置の少なくとも一方を可変的に設
定することによって、前記歯部間のスロット開口部と、
前記磁石間の磁石開口部との位置関係を調整し、良好な
コギングトルクを生ずる前記ロータ10と前記ステータ
20との関係を見いだすようにように構成されたモータ
の設計方法であることが好ましい。
【0013】この好ましい方法によれば、前記ロータ1
0のみを可変的に設定することによって、良好なコギン
グトルクを生ずる前記ロータ10と前記ステータ20と
の関係を見いだすことが可能となる。したがって、本発
明によれば、容易に、コギングトルクの改善を行いつ
つ、モータ特性をも損なわないモータの設計方法を提供
することができる。
【0014】さらに、上記課題を解決するためのモータ
は、上記モータの設計方法で見いだされた前記ロータ1
0と前記ステータ20との関係に基づいて構成されたこ
とが好ましい。
【0015】この好ましい構成によれば、比較的簡単
に、良好なコギングトルクを生ずるモータを得ることが
できる。ここで、「良好なコギングトルクを生ずるモー
タ」とは、モータを回転駆動させた際の最低トルク値と
最大トルク値との差(トルク差)が小さなモータをい
う。したがって、例えば、二つのモータを回転駆動させ
た際に、一方のモータが他方のモータよりも小さなトル
ク差を有する場合においては、他方のモータよりも一方
のモータの方が、「良好なコギングトルクを生ずるモー
タ」となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、まず第一に、モー
タに発生するコギングトルクの発生原因を確認すべく、
ロータ(主にロータを構成する磁石)およびステータの
形状、配置位置等に着目し、種々の実験を行った。その
結果、本発明者らは、コギングトルクの発生が、ロータ
を構成している各磁石間の隙間(以下、「磁石開口部」
という。)と、ステータを構成している各歯部の隙間、
すなわちスロットのロータ側開口部(以下、「スロット
開口部」という。)とに起因していることに想到した。
つまり、コギングトルクの強弱が、磁石開口部とスロッ
ト開口部との相対的な形状、位置等の関係によって異な
ることに考え至ったわけである。
【0017】そこで、まずは、従来技術に係るモータ
(図7参照)について、磁石開口部とスロット開口部と
の間における相対的な形状等の関係が、コギングトルク
に与える影響を図9に基づいて説明する。ここで、図9
は、図7に示されたロータ110とステータ120とを
リニアな状態に置き換えた図を示している。また図9
(イ)は、モータの初期状態を示し、図9(ロ)は、ロ
ータが1スロット分回転して停止した状態を示してい
る。
【0018】図9(イ)において、本来、ロータの回転
移動(図面上、右方向への回転移動)により、ステータ
を構成する第二の歯部A02は、S極に磁化されるので
あるが、磁石のエッジが大きくカットされているため、
エアギャップが大きく、完全には磁化されず、前のN極
の磁気が残留することとなる。このため、図9(イ)の
状態から、ロータを矢印方向に回転させて、図9(ロ)
の状態とする際には、磁石113のN極と第二の歯部A
02とが反発しあい、コギングトルクが大きくなること
となる。
【0019】すなわち、モータに生ずるコギングトルク
の大小には、上述したエッジ部分の形状等の、いわゆる
磁石開口部とスロット開口部との間における相対的な形
状等が寄与していることが確認されたわけである。
【0020】ただし、このようなモータに生ずるコギン
グトルクは、磁石のエッジのカットを小さくすれば、小
さくなるというものではない。ここで本発明者らが確認
したのは、磁石開口部とスロット開口部との間には(あ
るいは各作用点間の相対的な位置関係には)、良好なコ
ギングトルクを生ずる適当な関係が存在するということ
である。
【0021】ここで、図6を用いて、モータを構成する
ロータ10およびステータ20の各箇所についての定義
を行う。図6は、一般的なインナロータ型モータの部分
拡大図を示したものである。図6において、ロータ10
は、ロータヨーク11と、このロータヨーク11の外周
に単極着磁された磁石12,13とを用いて構成され、
ステータ20は、複数の歯部21,22,…等を用いて
構成されている。
【0022】また、図6において、磁石開口部Lとは、
S極の極性を有する磁石12のステータ20側の作用点
(以下、「第一の作用点」という。)12aと、N極の
磁性を有する磁石13のステータ20側の作用点(以
下、「第二の作用点」という。)13aとの間に形成さ
れた開口部のことである。さらに、スロット開口部Mと
は、ロータ10側に形成されたスロットの開口部のこと
であり、換言すれば、隣り合う歯部の作用点間に形成さ
れた開口部のことである。この図6においては、歯部2
1のロータ10側の作用点(以下、「第三の作用点」と
いう。)21aと、歯部22のロータ10側の作用点
(以下、「第四の作用点」という。)22aとの間に形
成された開口部がスロット開口部Mである。また、各磁
石12,13の長さを弦幅Gとして定義することとす
る。
【0023】さらに、以下の各実施形態に係るモータに
関するコギングトルクのグラフを作成する際において、
ステータ20を構成する歯部およびスロットの位置を特
定する場合には、図7に示した符号(第一の歯部A01
〜第二十四の歯部A24、第一のスロットB01〜第二
十四のスロットB24)を用いることとする。
【0024】以下、上述した考え方に基づいて、本発明
者らが、コギングトルクを改善した(低減した)モータ
を得るために行った方法(設計方法)を実施形態毎に説
明する。
【0025】〈第一の実施形態〉本発明者らは、上述し
たように、第一および第二の作用点12a,13aと、
第三および第四の作用点21a,22aとの相互作用に
基づいて、コギングトルクが大小することに想到した。
そこで、第三および第四の作用点21a,22aを固定
した状態で、第一および第二の作用点12a,13aの
位置を変動させてモータを構成し、それぞれのモータに
ついてコギングトルクを測定した。具体的には、本発明
の第一の実施形態においては、本発明者らは、ロータ1
0を構成する磁石12,13の弦幅Gを可変的に設定す
ることによって、良好なコギングトルクを生ずるロータ
10とステータ20との関係を見いだしている。
【0026】図1は、本発明の第一の実施形態に係るモ
ータの設計方法における可変的な設定状態を示す概略図
である。具体的には、磁石12,13の弦幅Gの可変状
態を示したものである。
【0027】図1において、弦幅G0は、図7で示した
従来技術に係るロータを構成している各磁石112,1
13の弦幅(以下「従来の弦幅G0」という。)であ
る。そして、弦幅G1は、従来の弦幅G0の両側を所定量
Sだけ短く形成したもの(以下「第一の弦幅G1」とい
う。)であり、弦幅G2は、第一の弦幅G1の両側を所定
量Sだけ短く形成したもの(以下「第二の弦幅G2」と
いう。)である。
【0028】以下、本実施形態においては、弦幅が従来
の弦幅G0である磁石を4つ用いて構成されたモータを
「従来モータ」といい、弦幅が第一の弦幅G1である磁
石を4つ用いて構成されたモータを「第一のモータ」と
いい、弦幅が第二の弦幅G2である磁石を4つ用いて構
成されたモータを「第二のモータ」という。
【0029】弦幅Gを以上のように可変的に設定するこ
とによって、それぞれのモータにおいては、第一および
第二の作用点(図6参照)の位置が変動することとな
る。そして、それに伴い、磁石開口部Lも可変的に設定
されることとなる。したがって、従来モータは、従来の
磁石開口部L0を有し、第一のモータは、従来の磁石開
口部L0よりも所定量だけ広い第一の磁石開口部L1を有
し、第二のモータは、第一の磁石開口部L1よりもさら
に広い第二の磁石開口部L2を有することとなる。
【0030】次に、図1に示した各弦幅G0,G1,G2
を有する磁石を用いて構成された各モータに関するコギ
ングトルクについて説明する。
【0031】ここで、従来モータを回転駆動させた際の
コギングトルクについては、先に述べた図8に示す通り
である。そして、第一のモータを回転駆動させた際に発
生するコギングトルクを図2に示し、第二のモータを回
転駆動させた際に発生するコギングトルクを図3に示
す。図2および図3において、縦軸はトルクを示し、横
軸は各モータを構成するステータにおける歯部およびス
ロットの位置を示したものである。
【0032】図8に示されたグラフによれば、従来モー
タを回転駆動させた際の最低トルク値と最大トルク値と
の差が、最大トルク差(以下、「従来の最大トルク差」
という。)T0maxとして表現される。また、同様にし
て、図2および図3に示されたグラフによれば、それぞ
れのモータを回転駆動させた際の最大トルク差が、第一
の最大トルク差T1MAX、および第二の最大トルク差T
2MAXとして表現される。
【0033】これらの図2、図3、および図8を比較す
ると、従来の最大トルク差T0maxよりも第一の最大トル
ク差T1MAXの方が小さい値を示し、第一の最大トルク差
1M AXよりも第二の最大トルク差T2MAXのようが大きい
値を示していることが分かる。
【0034】このことから、可変的なパラメータとし
て、磁石の弦幅Gを選択した場合においては、第一の弦
幅G1が適切であり、この第一の弦幅G1を有する磁石1
2,13を用いることによって、良好なコギングトルク
を生ずるロータ10とステータ20との関係を実現する
ことが可能となる。
【0035】また、これらの図2、図3、図8から明ら
かなように、磁石の弦幅Gを小さくすれば良好なコギン
グトルクを生ずるモータを得られるわけではなく、磁石
の弦幅Gを変更することによって、スロット開口部Mに
対する磁石開口部Lが変動し、これらの各開口部L,M
を構成する各作用点等の相対的な関係に基づいて、良好
なコギングトルクを生ずるモータを得ることができるの
である。
【0036】また、図2、図3、および図8において、
このような差が生じたのは、コギングトルクが生ずる際
の変曲点の数に起因するものと考えられる。図3および
図8によれば、各歯部および各スロットにおいてトルク
の変曲点が表れるわけであるが、図2によれば、各歯
部、各スロット、および歯部とスロットとの間において
も、トルクの変曲点が表れることとなる。すなわち、図
2の結果が得られた第一のモータによれば、各作用点間
の磁場の相互作用によって、モータに生ずるトルクの変
曲点が増加し、変曲点が増加した分だけ、コギングトル
クの変動幅が狭まり、最大トルク差を減少させることが
可能になったものと考えられるわけである。
【0037】したがって、本実施形態に係るモータの設
計方法においては、モータのトルク測定時において、変
曲点の位置、数等の変化に留意して、適切な磁石の弦幅
Gを見いだす際の目安とすればよい。
【0038】なお、本実施形態においては、弦幅Gを2
段階に可変した場合の設計方法について説明したが、本
発明はこの構成に限定されるものではなく、適宜、複数
段階に可変させて設計を行うことが可能である。
【0039】また、本実施形態においては、弦幅Gを可
変させる際の所定量Sについては特に説明しなかった
が、本発明は何らかの数値に限定されるものではない。
したがって、モータの大きさ等に応じて、適当な所定量
S(例えば、弦幅Gの1/1000〜1/50程度)を
選定すればよい。
【0040】すなわち、本実施形態は、このような良好
なコギングトルクを生ずるモータを構成する各作用点等
の相対的な関係を得るために、磁石の弦幅Gを可変的に
設定したにすぎず、本発明はこの構成には限定されな
い。
【0041】〈第二の実施形態〉次に、本発明者らは、
第三および第四の作用点21a,22aを固定した状態
で、第一の実施形態とは異なる方法によって、第一およ
び第二の作用点の相対的な位置を変動させて(磁石開口
部Lを変動させて)モータを構成し、それぞれのモータ
についてコギングトルクを測定した。具体的には、本発
明の第二の実施形態において、本発明者らは、ロータ1
0を構成する磁石として異なる弦幅Gを有する磁石を用
いて、良好なコギングトルクを生ずるロータ10とステ
ータ20との関係を見いだしている。
【0042】図4は、第二の実施形態に係るインナロー
タ型モータを構成するロータの概略断面図を示したもの
である。図4において、N極の磁性を有する磁石13
は、図7に示したロータを構成する際に用いられていた
ものと同様である。そして、S極の磁性を有する磁石1
2が、磁石13よりも短く形成されている。こうするこ
とによって、図4に示したロータ10における第一の作
用点42aと第二の作用点43aとの間に形成された磁
石開口部L’が、従来(図7参照)よりも広がり、各作
用点間の相対的な関係が図4と図7とでは異なることと
なる。
【0043】図4のロータ10を用いて構成されたモー
タを回転駆動させた際に発生するコギングトルクを表し
ているのが図5である。図5において、縦軸はトルクを
示し、横軸はモータを構成するステータにおける歯部お
よびスロットの位置を示したものである。図5によれ
ば、このモータを回転駆動させた際の最大トルク差が第
三の最大トルク差T3MAXとして表現される。
【0044】この図5と図8とを比較すると、従来の最
大トルク差T0MAXよりも、この第三の最大トルク差T
3MAXの方が、明らかに小さな値を示している。これは、
モータを構成する磁石の一部の寸法を変更することによ
って、従来のモータ(図7参照)よりも、各作用点間に
作用する磁場等を良好な状態とすることが可能となった
ためであると考えられる。
【0045】また、図5および図8において、このよう
な差が生じたのは、第一の実施形態の場合(図2参照)
と同様に、コギングトルクが生ずる際の変曲点の数に起
因するものと考えられる。すなわち、第二の実施形態に
係るモータにおいても、各作用点間の磁場の相互作用に
よって、モータに生ずるトルクの変曲点が増加し、変曲
点が増加した分だけ、コギングトルクの変動幅が狭ま
り、最大トルク差を減少させることが可能になったもの
と考えられる。
【0046】なお、本実施形態においては、磁石12の
寸法を可変的に設定した状態は特に示していないが、具
体的には、複数種の磁石12の弦幅を用意し、これらを
可変的に設定して、その中から、適切な磁石12の弦幅
を選択すればよい。図5のコギングトルクを生ずるモー
タは、このようにして可変的に設定した中の一つの例を
示している。
【0047】〈第一および第二の実施形態に基づくモー
タについて〉以上の第一および第二の実施形態によれ
ば、ロータ10を構成する際の磁石の寸法を可変的に設
定することによって、各作用点間の相互関係を変動さ
せ、各作用点間の相対的な関係に基づいて、良好なコギ
ングトルクを生ずるロータ10とステータ20との関係
を見いだすことが可能であることが確認された。
【0048】したがって、具体的にモータを構成する際
には、予め、第一および第二の実施形態によって、適切
なロータ10を構成する磁石を選定しておけばよい。そ
して、選定された磁石を用いてモータの量産等を行うた
めの金型等を作製すればよい。
【0049】なお、以上の第一および第二の本実施形態
においては、モータを構成するロータ(の磁石)につい
ての形状および位置を可変的に設定する場合について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではない。し
たがって、例えば、ステータの形状および位置を可変的
に設定しても、または、場合によっては、ロータとステ
ータとの両方の形状および位置を可変的に設定してもよ
い。これらのいずれの場合であっても、コギングトルク
の変曲点に留意しておれば、比較的容易に、良好なコギ
ングトルクを有するモータを得ることが可能となる。
【0050】また、以上の第一および第二の実施形態に
おいては、インナロータ型のモータについて説明した
が、本発明はこの構成に限定されるものではなく、本発
明の技術思想は、アウタロータ型のモータに適用するこ
とも可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、比
較的簡単に、コギングトルクの改善を行いつつ、モータ
特性をも損なわないモータの設計方法を得ることが可能
となり、この設計方法に基づいて、良好なコギングトル
クを有するモータを容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るモータの設計方
法における磁石の弦幅の可変的な設定状態を示す概略図
【図2】第一のモータを回転駆動させた際に発生するコ
ギングトルクを示したグラフ
【図3】第二のモータを回転駆動させた際に発生するコ
ギングトルクを示したグラフ
【図4】本発明の第二の実施形態に係るインナロータ型
モータを構成するロータの概略断面図
【図5】図4のロータを用いて構成されたモータを回転
駆動させた際に発生するコギングトルクを示したグラフ
【図6】一般的なインナロータ型モータの部分拡大図
【図7】従来技術に係るインナロータ型モータの概略断
面図
【図8】図7のインナロータ型モータに関するコギング
トルクを示したグラフ
【図9】図7のインナロータ型モータをリニアな状態に
置き換えた概略図
【符号の説明】
10…ロータ、11…ロータヨーク、12…磁石(S
極)、12a…第一の作用点、13…磁石(N極)、1
3a…第二の作用点 20…ステータ、21,22…歯部、21a…第三の作
用点、22a…第四の作用点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータヨークに複数の磁石を設けたロー
    タ(10)と、複数の歯部および該歯部間に位置する複
    数のスロットを設けたステータ(20)とを用いて構成
    されるモータの設計方法であって、前記磁石および前記
    歯部の少なくとも一方の、形状および位置の少なくとも
    一方を可変的に設定することによって、良好なコギング
    トルクを生ずる前記ロータ(10)と前記ステータ(2
    0)との関係を見いだすことを特徴としているモータの
    設計方法。
  2. 【請求項2】 前記ステータ(20)の形状を特定した
    状態で、前記磁石の形状および位置の少なくとも一方を
    可変的に設定することによって、前記歯部間のスロット
    開口部と、前記磁石間の磁石開口部との位置関係を調整
    し、良好なコギングトルクを生ずる前記ロータ(10)
    と前記ステータ(20)との関係を見いだす請求項1に
    記載のモータの設計方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のモータの設計
    方法で見いだされた前記ロータ(10)と前記ステータ
    (20)との関係に基づいて構成されたことを特徴とし
    ているモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010166737A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Mitsuba Corp 直流モータ

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