JP2000349278A - Iii−v族化合物半導体結晶 - Google Patents
Iii−v族化合物半導体結晶Info
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Abstract
ァ層、活性層、コンタクト層を形成したIII −V族化合
物半導体結晶において、V族化合物原料の使用量を殊更
に多くすることなく、高抵抗のバッファ層を有し、高耐
圧の、エピタキシャル成長III −V族化合物半導体結晶
を得ること。 【解決手段】 バッファ層を、酸素及び遷移金属の少な
くとも一方をドープしたGaAsから成る層とする。
Description
し、特に半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長により
形成した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有する
III−V族化合物半導体結晶に関する。
(Field Effect Transistor )やHEMT(High Electr
on Mobility Transistor)等の電子デバイスに用いら
れ、本発明は、半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長
により形成した、III −V族化合物半導体結晶に関する
ものである。エピタキシャル成長の方法には、有機金属
気相成長法、分子線エピタキシー法、液相エピタキシャ
ル成長法等がある。エピタキシャル成長III −V族化合
物半導体結晶を用いたFETやHEMTは、近年、携帯
電話や衛星放送受信機その他の高周波機器の増幅器等に
広く用いられている。
体結晶は、半絶縁性基板の上にバッファ層、活性層、コ
ンタクト層をエピタキシャル成長により形成したもので
ある。バッファ層は、基板とエピタキシャル結晶との界
面に生じる欠陥層の活性層への影響を防ぐために設けら
れている。バッファ層は、活性層からの電流リークを防
ぐため、高抵抗でなければならないので、キャリア濃度
を低く抑えなければならない。バッファ層のキャリア濃
度を低く抑えるために、従来はV族/III 族の比(以
下、V/III 比と言う)を高くしている。
晶におけるV/III 比とキャリア濃度の関係を示すグラ
フである。V/III 比を高くするほどキャリア濃度が減
少することを示している。AlGaAs結晶では、同じ
キャリア濃度を与えるV/III 比はGaAs結晶に比べ
て、遙かに高くなる。図5に示していないが、AlXG
a(1-X) As混晶で混晶比xが高い場合には、特にV/
III 比が高くなる。
形成するには、多くの場合、As原料としてAsH3 、
Ga原料としてGa(CH3)3 が用いられる。Ga原料
としてGa(CH3)3 を用いると、GaAs結晶中にメ
チル基の炭素が取り込まれ、キャリアとなるため、キャ
リア濃度の増大を招く。Just基板上にエピタキシャ
ル成長を行なうときには、特にメチル基の炭素が取り込
まれやすい。結晶中へのメチル基炭素の取り込みによる
キャリア濃度の増大を抑えるために、As原料すなわち
AsH3 の量を増やすことが行われていた。
従来のエピタキシャル成長III −V族化合物半導体結晶
では、バッファ層のキャリア濃度を低く抑えるため、V
/III 比を高くする必要があり、さらにGa原料からの
炭素取り込みを抑えるために、V族化合物原料を多く用
いなければならない。その結果、V族化合物原料の消費
量が大きかった。AlX Ga(1-X) As混晶で、混晶比
xが高い場合には、特にその程度が大きい。
−V族化合物半導体結晶では、バッファ層のキャリア濃
度を低く抑えて、バッファ層を高抵抗とし、高い耐圧を
得るためには、V族化合物原料の使用量を多くしなけれ
ばならず、そのためのコストが高かった。
殊更に多くすることなく、高抵抗のバッファ層を有し、
高耐圧の、エピタキシャル成長III −V族化合物半導体
結晶を実現することにある。
明では、半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長により
形成した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有する
III −V族化合物半導体結晶において、バッファ層が、
酸素および遷移金属の少なくとも一方をドープしたGa
As層から成ることを特徴とする。
に、半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長により形成
した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有するIII
−V族化合物半導体結晶において、バッファ層が、酸素
および遷移金属の少なくとも一方をドープしたGaAs
層と、酸素および遷移金属の少なくとも一方をドープし
たAlX Ga(1-X) As層(但し、0<x≦1)とから
成ることを特徴とする。用いられる遷移金属は、例え
ば、Cr,Mn,V等である。
ドープの濃度は、1×1015/cm 3 ないし1×1017
/cm3 が好ましい。酸素又は遷移金属の濃度が高過ぎ
ると、酸素又は遷移金属が活性層まで拡散し、バッファ
層及び活性層付近で走行電子が不純物散乱される。
20ないし1000Åの厚さに成長させることが好まし
い。厚さがこれより薄いと、バッファ層の機能が不十分
になり、また厚すぎると、バッファ層の抵抗が低くな
る。
Asを積層して設けたヘテロ構造は、それ自体がリーク
電流をトラップする効果を有する。GaAs層とAlX
Ga (1-X) As層のヘテロ構造を2組以上積み重ねても
よく、リーク電流をトラップする効果が増大する。この
場合、GaAs層、AlX Ga(1-X) As層の厚さはそ
れぞれ20ないし600Åにする。
混晶比により、結晶のバンドギャップが決定される。G
aAs層とのヘテロ構造とする場合、混晶比は0.15
ないし0.50の範囲とする。酸素又は遷移金属の活性
層への拡散による、バッファ層および活性層付近での走
行電子の不純物散乱を避けるためには、ヘテロ構造のバ
ッファ層の最上層を、ドープされない(アンドープ)層
とするのが好ましい。
合物半導体結晶において、GaまたはAlの代わりにI
nを用いてもよく、またAsの代わりにPを用いてもよ
い。すなわち、本発明はInGaAs,AlInAs,
AlGaInAs,GaP,AlP,InP,GaIn
P,AlGaP,AlGaInP等の、2ないし4元系
結晶に応用できる。
HEMT等の電子デバイスばかりでなく、それらを含む
半導体集積回路に応用できる。また、発光素子、受光素
子、光発光・受光素子、レーザ等の埋め込みの抵抗層に
も利用できる。
例を図面に基づいて説明する。図1は、有機金属気相成
長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy :MOVP
E法)により基板上に成長させた、本発明によるIII −
V族化合物半導体結晶の構造を示す。半導体結晶は、半
絶縁性基板1の上にエピタキシ成長させた、酸素ドープ
GaAs層2、酸素ドープAlX Ga(1-X) As層3、
これらの層から成るヘテロ構造4、アンドープGaAs
層5、n−GaAs活性層6、n+ −GaAsコンタク
ト層7から成っている。FETを構成するため、コンタ
クト層7の上にソース電極8、ゲート電極9、ドレイン
電極10を設けた。
構造のIII −V族化合物半導体結晶を、基板1上にMO
VPE法によりエピタキシ成長させた。MOVPE法で
はIII 族有機金属の原料ガスとV族元素原料ガスを、高
純度水素キャリアガスとの混合気体として反応炉内に送
り込み、反応炉内で加熱された基板付近で、各原料を熱
分解し、基板上にIII −V族化合物半導体結晶を成長さ
せる。
さ300Åの酸素ドープGaAs層2と、8×1016/
cm3 の酸素をドープした厚さ500Åの酸素ドープA
lXGa(1-X) As層3のヘテロ構造4を形成した。さ
らに、厚さ500Åとした層2と厚さ800Åとした層
3との同様なヘテロ構造4を、不連続に5回成長させた
(合計6回)。その上に、厚さ300ÅのアンドープG
aAs層5(残留不純物濃度1×1015/cm3 以下)
を連続的に成長させた。層2から層5までがバッファ層
を構成する。
用いたAsH3 と、Ga原料として用いたGa(CH3)
3 とのV/III 比は、従来より低くすることができた。
AlXGa(1-X) As相を形成する際のV/III 比も同
様であった。
ントとし、1×1017/cm3 のキャリア濃度を有す
る。n+ −GaAsコンタクト層7は、シリコンをドー
パントとし、4×1018/cm3 のキャリア濃度を有す
る。ソース電極8、ゲート電極9、ドレイン電極10
は、常法により形成した。
ンタクト層をエッチングにより除去し、C−V法によっ
てキャリアプロファイルを求めた。
ロファイルを示す。横軸は結晶の深さ、縦軸はキャリア
濃度である。エピタキシャル結晶と半絶縁性基板との界
面のキャリアプロファイルも、活性層とバッファ層との
界面のキャリアプロファイルも、ともに急峻で、良好な
ピンチオフ特性を示した。
極10により形成したFETの、ドレイン電圧−ドレイ
ン電流特性を測定した。
のドレイン電圧−ドレイン電流特性を示す。パラメータ
はゲート電圧である。ヒステリシスが少なく、良好な特
性を示した。
造のGaAs層2に酸素ドープされてないGaAsを用
い、それ以外は実施例と同様にして半導体結晶を得、F
ETの静特性を測定した。
ドレイン電流特性を示す。ドレイン電圧に対してドレイ
ン電流が異常に大きくなる現象(キンク現象)を起こす
ドレイン電圧が比較的低い。
圧−ドレイン電流特性を、図4の比較例のドレイン電圧
−ドレイン電流特性と比べると、ドレイン−コンダクタ
ンスが低くなり、キンク現象を起こすドレイン電圧も高
い電圧になっている。ドレイン−コンダクタンスの低下
はバッファ層の高抵抗化の結果である。バッファ層にお
ける比較的低いV/III 比にもかかわらず、このように
優れたドレイン電圧−ドレイン電流特性が得られたの
は、驚くべきことである。
遷移金属の少なくとも一方でドープされたIII −V族化
合物エピタキシャル成長層を用いたことにより、V族化
合物原料の使用量を殊更に多くすることなく、高抵抗の
バッファ層を有し、高耐圧の、エピタキシャル成長III
−V族化合物半導体結晶を得ることができる。Ga原料
としてGa(CH3)3 を用いても、GaAs結晶中への
メチル基の炭素の取り込みの影響が現れず、キャリア濃
度の増大が生じない。
構成したFETの断面図。
示すグラフ。
電流特性を示すグラフ。
特性を示すグラフ。
/III 比とキャリア濃度の関係を示すグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長に
より形成した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有
するIII −V族化合物半導体結晶において、 前記バッファ層が、酸素及び遷移金属の少なくとも一方
をドープしたGaAs層から成ることを特徴とする、II
I −V族化合物半導体結晶。 - 【請求項2】前記バッファ層が1×1015/cm3 ない
し1×1017/cm3 の濃度の、酸素及び遷移金属の少
なくとも一方でドープされているGaAs層から成る、
請求項1のIII −V族化合物半導体結晶。 - 【請求項3】前記エピタキシャル成長が温度450℃な
いし650℃で行なわれる、請求項1のIII −V族化合
物半導体結晶。 - 【請求項4】半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長に
より形成した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有
するIII −V族化合物半導体結晶において、 前記バッファ層が、酸素及び遷移金属の少なくとも一方
をドープしたGaAs層と、酸素および遷移金属の少な
くとも一方をドープしたAlX Ga(1-X) As層(但し
0<x≦1)から成ることを特徴とする、III −V族化
合物半導体結晶。 - 【請求項5】前記バッファ層が前記GaAs層と前記A
lX Ga(1-X) As層の組合せを少なくとも2組有す
る、請求項4のIII −V族化合物半導体結晶。 - 【請求項6】前記バッファ層が1×1015/cm3 ない
し1×1017/cm3 の濃度の、酸素及び遷移金属の少
なくとも一方でドープされているAlX Ga(1-X) As
層から成る、請求項4のIII −V族化合物半導体結晶。 - 【請求項7】半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長に
より形成した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有
するIII −V族化合物半導体結晶において、 前記バッ
ファ層が、酸素及び遷移金属の少なくとも一方をドープ
したGaAs層と、その活性層側に形成されたドープさ
れていないGaAs層とから成ることを特徴とする、II
I −V族化合物半導体結晶。 - 【請求項8】半絶縁性基板の上にエピタキシャル成長に
より形成した、バッファ層、活性層、コンタクト層を有
するIII −V族化合物半導体結晶において、 前記バッファ層が、酸素及び遷移金属の少なくとも一方
をドープしたGaAs層と、酸素および遷移金属の少な
くとも一方をドープしたAlX Ga(1-X) As層(但
し、0<x≦1)と、それらの層より活性層に近い側に
形成されたドープされていないGaAs層又はドープさ
れていないAlX Ga(1-X) As層とから成ることを特
徴とする、III −V族化合物半導体結晶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11154495A JP2000349278A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | Iii−v族化合物半導体結晶 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11154495A JP2000349278A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | Iii−v族化合物半導体結晶 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000349278A true JP2000349278A (ja) | 2000-12-15 |
Family
ID=15585505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11154495A Pending JP2000349278A (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | Iii−v族化合物半導体結晶 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000349278A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003001573A2 (en) * | 2001-06-21 | 2003-01-03 | Motorola, Inc. | Apparatus for fabricating semiconductor structures |
US6693298B2 (en) | 2001-07-20 | 2004-02-17 | Motorola, Inc. | Structure and method for fabricating epitaxial semiconductor on insulator (SOI) structures and devices utilizing the formation of a compliant substrate for materials used to form same |
US6709989B2 (en) | 2001-06-21 | 2004-03-23 | Motorola, Inc. | Method for fabricating a semiconductor structure including a metal oxide interface with silicon |
US6806202B2 (en) | 2002-12-03 | 2004-10-19 | Motorola, Inc. | Method of removing silicon oxide from a surface of a substrate |
US8410525B2 (en) * | 2008-11-19 | 2013-04-02 | Sanken Electric Co., Ltd. | Compound semiconductor substrate and device therewith |
-
1999
- 1999-06-02 JP JP11154495A patent/JP2000349278A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003001573A3 (en) * | 2001-06-21 | 2003-03-13 | Motorola Inc | Apparatus for fabricating semiconductor structures |
US6709989B2 (en) | 2001-06-21 | 2004-03-23 | Motorola, Inc. | Method for fabricating a semiconductor structure including a metal oxide interface with silicon |
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US6806202B2 (en) | 2002-12-03 | 2004-10-19 | Motorola, Inc. | Method of removing silicon oxide from a surface of a substrate |
US8410525B2 (en) * | 2008-11-19 | 2013-04-02 | Sanken Electric Co., Ltd. | Compound semiconductor substrate and device therewith |
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