JP2000348637A - 陰極線管用電子銃 - Google Patents

陰極線管用電子銃

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JP2000348637A
JP2000348637A JP11156978A JP15697899A JP2000348637A JP 2000348637 A JP2000348637 A JP 2000348637A JP 11156978 A JP11156978 A JP 11156978A JP 15697899 A JP15697899 A JP 15697899A JP 2000348637 A JP2000348637 A JP 2000348637A
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insulating support
support rod
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holding force
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Akihiro Nagase
章裕 長瀬
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管用電子銃を構成する電極のうち、絶
縁支持杆の伸びる方向に沿う異なる位置に複数箇所にわ
たって配置される電極支持子の立ち込み部にビードクラ
ックが発生することを抑制する。 【解決手段】 一つの電極が有する複数の電極支持子の
うち、一方の電極支持子の平面形状を単純化することに
よって、絶縁支持杆の伸びる方向に対する保持力を他方
の電極支持子よりも小さくし、絶縁支持杆に付加される
応力を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陰極線管用電子
銃、特に電極の支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、陰極線管(以下、CRTとす
る。)用電子銃は、複数の電子ビーム通過孔が空けられ
た電極素子が複数個組み合わせられ、板状や筒状やキャ
ップ状に形成された電極を、組み立て治具上にスペーサ
を介することで間隔を空けて複数個積み上げ固定した
後、表面をバーナーにて溶融した絶縁支持杆を電極素子
の側面に一体成形、または溶接後付けにて固定された電
極支持子と固定して組み立てる。以下、この工程をビー
ディング工程と呼ぶ。
【0003】図7は、従来の電子銃の電極を固定するた
めの立ち込み構造を説明するための要部を示す図であ
り、電極101a、101b、102a、102b、1
03a、103b、103cがスペーサを介して配置さ
れており、これら電極101a〜103cの側面から突
出する電極支持子105を絶縁支持杆104に立ち込ん
で固定した状態を示している。また、図8に図7におけ
る絶縁支持杆104の電極支持子立ち込み部拡大断面図
を示す。ここで、複数の電極の積み重ね方向をZ軸、電
子ビーム通過孔の中心を結ぶ線をX軸、X軸およびZ軸
にそれぞれ垂直となる方向をY軸とする。
【0004】従来は金属によって構成される絶縁支持子
5とガラスによって構成される絶縁支持杆104との接
合性を向上させるために、図8に示すように、曲線と直
線とを組み合わせた複雑な平面形状の電極支持子105
が一般的に使われ、おおむね2. 0mm位の長さが絶縁
支持杆104に埋没するようになっていた。この複雑な
平面形状の電極支持子105を用いた場合、絶縁支持杆
104との接触面積を大きくすることによって保持力が
増大し、X、Y軸方向に安定して固定され、とりわけZ
方向の支持力が向上する。また電極支持子105の先端
形状を、複数個の突起が平行に突出し、なおかつこの複
数の突起の先端が互いに向かい合うように曲げられたカ
ギ型にすることでガラスと金属の機械的な噛み込みが生
じ、Y軸方向の支持力向上にも効果があった。
【0005】電子銃を構成する各種の電極101a〜1
03cは、図8に示すように、二つの突起からなる一対
以上の電極支持子105を介して絶縁支持杆104にて
固着されている。なお、電極101a〜103cに設け
られた透過孔の位置に対して対称となるように、電極1
01a〜103cの両端からそれぞれ電極支持子105
が突出しており、同一平面に二つの電極支持子105が
逆向きに突出して配置されている。筒状である電極10
1a、101bなどZ軸方向に長い電極はビーディング
工程において電極間のスペーサを抜くときなどに生じる
回転方向のモーメントを吸収するためにZ軸方向に沿う
異なる位置に二対以上の上記電極支持子105が設けら
れることが多い。例えば図7に示すように、Z軸方向に
対して平行となるように配置された二つの電極支持杆1
04に筒状の電極101bを固定する場合、図8に示し
たような二つの突起を有する電極支持子105を合計4
箇所に設けることになり、8個の突起で電極を固定して
いた。
【0006】一方、ビーディング工程において発生する
問題の一つに絶縁支持杆104におけるビードクラック
の発生がある。これは一般的に電極支持子105の絶縁
支持杆104への立ち込み部から発生し、生産性の面か
ら問題となり得る。ビードクラック発生は電子銃の電極
構成によってバラツキがあり、また電極支持子105の
形状や絶縁支持杆104への埋設位置などに大きく左右
されるため、ある種類の電子銃では条件管理の裕度が少
なくなってしまう。各種電極の中でも電極支持子105
を二対以上具備した筒状の電極101a、101bやZ
軸方向に一定以上の長さを持つキャップ状の電極の電極
支持子立ち込み部は他の電極支持子立ち込み部と比較す
るとビードクラックの発生率が高い傾向にある。
【0007】図9にZ−Y平面の電極支持子105と絶
縁支持杆104の立ち込み部を示し、ビードクラック発
生のメカニズムについて説明する。図9において符号1
06は絶縁支持杆104において発生したビードクラッ
クであり、また107はビードクラック106発生位置
に、初期段階で形成されるき裂を示しており、さらに符
号108は電極支持子105と絶縁支持杆104の接触
応力を示すものである。
【0008】Z軸方向に沿う異なる位置に二対の電極支
持子105を持つ電極101aを電極支持杆104に固
定する場合を例にとって説明すると、図9(a)に示す
ような電極支持子105の先端から伸びるビードクラッ
ク106は、ガラスに見られる静疲労による遅れ破壊が
原因となって発生する。この場合、まず図9(b)に示
すように電極支持子105の挿入によって電極支持杆1
04にき裂107が生じ、その後、図9(c)に示すよ
うに絶縁支持杆104の不均一な温度分布から生じる熱
応力や、電極支持子105と絶縁支持杆104との接触
応力などの複合応力108によって生じる立ち込み部の
先端の応力拡大係数Kが破壊靭性を越えると破壊に至
り、図9(a)に示すようなビードクラック106が形
成されてしまう。
【0009】ビーディング工程にて高温に熱せられ流動
性が現れた絶縁支持杆104が電極101aの電極支持
子105に立ち込むことで、絶縁支持杆104に加えて
筒状の電極101aも熱せられ熱膨張する。このとき絶
縁支持杆104は熱膨張係数が金属の1/ 10程度と小
さく、ほとんど変化していない。その後の冷却過程にお
いて約550℃程度の温度になると、電極101aがま
だ十分膨張しているのに対しガラスである絶縁支持杆1
04は急激に流動性を失い固まる。そして電極101
a、絶縁支持杆104は室温まで冷却され、その温度差
に相当する約500℃分の電極101aの熱収縮量が図
9(c)の符号108で示す複合応力となって残留し、
絶縁支持杆104に付加される。
【0010】実際、図10に示すように、電極支持子1
05をZ軸方向に沿う異なる位置に二対有する電極、例
えば電極101bの一方の電極の配置位置に対して荷重
付加部材109によって衝撃を与えて絶縁支持杆104
の衝撃破壊試験を行った場合よりも、電極支持子105
がZ軸方向に沿う異なる位置に二対ある一つの筒状電極
を、その中央で分離して電極支持子105を一対有する
2個の電極として試験を行った場合の方が耐衝撃強度が
2倍以上まで向上した。これより二対の支持子を有する
電極を一対の支持子となるように分離する前のZ軸方向
に沿って二対の立ち込み部を有する筒状電極の場合、電
極支持子105同士が近づく方向に絶縁支持杆104を
押している、すなわち絶縁支持杆104に応力を付加し
ていることが確認できた。
【0011】また、別の従来の技術に特開平10−31
9664号公報があり、絶縁支持杆におけるクラック発
生を抑制するために、各電極に形成された電極支持子の
絶縁支持杆に埋設する部分の厚さを、電極支持子の平均
の厚さに対して±25%内とするという技術が開示され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のCRT用電子銃においては、絶縁支持杆104に
沿う方向に、少なくとも二対の電極支持子105を有す
る筒状、キャップ状などの電極支持子105は、ビーデ
ィング工程において電極支持子105の先端部からビー
ドクラック106が発生しやすく、製造条件の維持管理
が煩雑となるという問題があった。この発明は上記のよ
うな問題を解決するためになされたものであり、ビード
クラックの発生を抑制することが可能な電極支持子構造
のCRT用電子銃を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明による陰極線管
用電子銃は、電子ビームの透過孔が設けられた電極、こ
の電極から突出する電極支持子の先端部を絶縁支持杆に
植立することによって上記電極を保持する陰極線管用電
子銃において、絶縁支持杆の延在方向の異なる位置に、
一つの電極に設けられた二つの電極支持子を固定すると
共に、一方の上記電極支持子の上記絶縁支持杆の延在方
向に対する保持力を他方の上記電極支持子の保持力より
も小さくしたものである。
【0014】また、一方の電極支持子を構成する突起の
平面形状を、他方の電極支持子を構成する突起の平面形
状よりも単純化することで、絶縁支持杆の延在方向に対
する保持力を小さくしたものである。
【0015】また、電子ビームの透過孔が設けられた電
極、この電極から突出する電極支持子の先端部を絶縁支
持杆に植立することによって電極を保持する陰極線管用
電子銃において、絶縁支持杆の延在方向の異なる位置
に、一つの上記電極に設けられた三つ以上の電極支持子
を配置すると共に、少なくとも一つの電極支持子の絶縁
支持杆の延在方向に対する保持力を他の上記電極支持子
の保持力よりも小さくしたものである。
【0016】また、一つの電極に設けられ、絶縁支持杆
の延在方向の異なる位置に配置された電極支持子のう
ち、電極の重心から遠い位置に配置された電極支持子の
絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を、他の電極支持
子の保持力よりも小さくしたものである。
【0017】また、一つの電極に設けられ、絶縁支持杆
の延在方向の異なる位置に配置された電極支持子のう
ち、絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を小さくした
電極支持子は、絶縁支持子の延在方向に直交する面にお
いて、透過孔を中心として広がりを持つ電極の両端から
上記透過孔に対して対称となるようにそれぞれ平行に突
出する二つの板状の突起によって構成され、平行に突出
する二つの突起の先端部が互いに向かい合うように丸み
を持って曲げられた形状としたものである。
【0018】また、一つの電極に設けられ、絶縁支持杆
の延在方向の異なる位置に配置された電極支持子のう
ち、絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を小さくした
電極支持子は、絶縁支持子の延在方向に直交する面にお
いて、透過孔を中心として広がりを持つ電極の両端から
透過孔に対して対称となるようにそれぞれ突出する一つ
の板状の突起によって構成され、突起の先端部は丸みを
持ち、平面内で広がった形状としたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.次に、この発明の
実施の形態1について説明する。図1はCRT用の電子
銃を構成する筒状電極1の要部拡大図であり、絶縁支持
杆3の伸びる方向(Z軸方向)に直交する面(X−Y平
面)における二つの突起からなる一対の電極支持子2a
の立ち込み部の平面形状を示すものである。なお、X軸
方向は筒状電極2に設けられた電子ビームの通過孔の並
ぶ方向とし、Y軸はX軸、Z軸に対して垂直に交わる方
向とする。なお、図1に示すX−Y平面には筒状電極1
から突出する二つの突起から構成される一対の電極支持
子2aのみを図示しているが、同一平面内に同一形状の
電極支持子2aが透過孔の位置に対して対称となるよう
に配置されている。
【0020】また、一対の電極支持子2aを構成する二
つの突起は、筒状電極1から絶縁支持杆3に向って平行
に突出する板状であり、その先端が丸みを帯びて互いに
向き合うように曲げられており、従来から用いられてい
る電極支持子105よりも単純な平面形状の突起となっ
ている。別の言い方をすれば、従来の説明に用いた図8
のY軸対称となっている電極支持子105の突起のうち
の内側に位置する突出部を取り除き、先端が内側に回り
込んだ形状となっている外側の突出部のみを残した単純
なカギ型の突起の形状となっている。
【0021】なお、Z軸方向に沿う異なる位置に配置さ
れる他の一対の図示しない電極支持子は従来の技術の図
8において示した突起と同じ複雑な平面形状のものとす
る。このように、Z軸方向に沿って二対以上の電極支持
子が設けられる筒状電極1の一対の電極支持子2aを図
1に示すような単純な平面形状の板状の突起により構成
することで、ビーディング工程において熱収縮が生じた
際、次のような作用が生じる。
【0022】図2に電極支持子2aを構成する突起の、
絶縁支持杆3に埋設される立ち込み部の、ビーディング
工程における処理後の冷却過程での突起の熱収縮を示す
ための拡大図を示す。この図2において符号4は電極支
持子2aを構成する突起と絶縁支持杆3との接点であ
り、5は突起内での熱収縮方向を矢印で示すものであ
る。この図2に示すように、電極支持子2aの一対を構
成する二つの突起が一続きであるために熱収縮方向5で
示す矢印の方向に熱収縮が生じた後も、筒状電極1の中
心方向に電極支持子2aと絶縁支持杆3との接点4が発
生することでX軸、Y軸方向には十分に拘束し、なおか
つ電極支持子2aを構成する突起と絶縁支持杆3との接
触面積を減少させることで、電極支持子2aのZ軸方向
の剛性を弱くし、Z軸方向の保持力を小さくしている。
【0023】筒状電極1が図1に示すような一対の電極
支持子2aを有し、Z軸方向に沿って配置される他方の
一対を構成する電極支持子が図8に示すような複雑な平
面形状の突起によって構成されている場合において、従
来の技術で説明した衝撃破壊試験にて検証したところ、
二対の電極支持子がいずれも図8に示すような複雑な平
面形状の突起から構成された筒状電極と比較して、その
破壊強度が約50%向上することが確認できた。
【0024】これら、絶縁支持杆3に対する電極支持子
2aの立ち込み構造を弱くし、Z軸方向の保持力を小さ
くした方の電極支持子2aは、板状電極に見られるよう
な一対の電極支持子のみの構成となっている電極の電極
支持子に採用したり、筒状電極における二対以上の電極
支持子を有する電極の全てに採用すると、保持力不足に
より様々な弊害が発生してしまうが、図3の斜視図に示
すように、筒状電極1を構成する二対の電極支持子2a
および2bのうちの一対の電極支持子2aに採用し、一
対は電極の位置決めに、他方の一対は筒状電極ゆえのZ
軸方向の寸法の大きさから生じる回転方向の保持にと役
割を分担させることで電極の位置決めは十分でありなが
ら絶縁支持杆3への応力付加を低減し、すなわちビード
クラック発生確率を低くすることができ、生産性の良い
陰極線管用電子銃を得ることが可能となる。
【0025】また、図3に示す筒状電極1を絶縁支持杆
3に固定した場合の斜視図を図4に示す。一対の電極支
持子2aの突起の形状を単純化させ、接触面積を小さく
抑制することで電極支持子2aのZ軸方向への剛性を弱
め、絶縁支持杆3への応力付加を小さくし、ビードクラ
ック発生確率を低減させている。
【0026】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2について説明する。実施の形態1においては、筒状
電極1のZ軸方向に沿う異なる位置に配置される二対の
電極支持子2a、2bのうちの、一方の電極支持子2a
の平面形状を単純化し、電極支持子2aと絶縁支持杆3
との接触面積を小さくすることによってZ軸方向への保
持力を低下させ、電極の位置決めが十分にできるような
保持力を保った上で絶縁支持杆3への応力付加を低減
し、ビードクラック発生確率を低くする例について説明
した。この実施の形態2においては、筒状電極1のZ軸
方向に設けられる二対の電極支持子のうちのどちらを単
純化した平面形状の突起とするかについて説明する。
【0027】既に説明のために用いた筒状電極1は、電
極を構成する筒の延在方向(Z軸方向)の両端に相当す
る位置に電極支持子2a、2bがそれぞれ配置されてお
り、Z軸方向に見た場合の電極支持子2a、2bの配置
は電極1の重心に対して対称的な配置となっていた。し
かし、電極支持子2a、2bの配置がZ軸方向において
左右対称となっていない場合、熱収縮による影響が大き
くなる電極の重心から遠い位置に配置される電極支持子
のZ軸方向の保持力を小さくすることで効率良くビード
クラック発生を抑制することが可能である。
【0028】図5に示すように、筒状電極1aの重心か
ら遠い位置に配置される電極支持子2aを単純な平面形
状の突起荷より構成することでZ軸方向への保持力を小
さくし、他方の筒状電極1aの重心から近い側の電極支
持子2bは、平面形状が複雑で絶縁支持杆3との接触面
積の大きくなるものとすることで、熱収縮が最も大きく
なる筒状電極1a端部での絶縁支持杆3への応力付加を
効率良く低減し、ビードクラック発生確率を小さく抑制
することが可能となり、生産性の良い陰極線管用電子銃
を得ることが可能となる。
【0029】なお、上記の例では電極支持子がZ軸方向
に沿って二対設けられた筒状電極について説明を行った
が、Z軸方向に三対以上の電極支持子を有する電極につ
いても、重心から遠い配置となる電極支持子の一つまた
は二つを単純化した構造とすることでも同様の効果を得
ることが可能であり、また筒状電極以外でも、Z軸方向
に沿って二対以上の電極支持子を有する電極であれば同
様の効果を得ることが可能である。
【0030】実施の形態3.次に、この発明の実施の形
態3について図6を用いて説明する。既に説明した実施
の形態2においては、Z軸方向に沿う異なる位置に二対
以上の電極支持子を有する筒状電極1aの重心から遠い
側の電極支持子2aを構成する一対の電極支持子2aの
突起の平面形状を単純化して絶縁支持杆3への応力付加
を低減し、ビードクラック発生を抑制するという技術に
ついて示したが、電極支持子2aは二つの突起により構
成される一対のものを例示していた。この実施の形態3
においては、一つの電極に対してZ軸方向に沿う異なる
位置に配置される二つのうち一方の電極支持子2cを、
一つの突起によって構成される電極支持子とした点に特
徴がある。
【0031】図6に示すように、筒状電極1aの重心か
ら遠い位置に配置される電極支持子2cが一つの平板状
の突起によって構成され、筒状電極1aから突出した電
極支持子2cの先端部が丸みを帯び、X−Y平面内にお
いて広がりを持つ平面形状の突起とすることで、ビーデ
ィング工程において、電極支持子2cと絶縁支持杆3と
の接触面積を小さくし、Z軸方向への保持力を低下さ
せ、電極の位置決めが十分にできる保持力を保った上で
絶縁支持杆3への応力付加を低減し、ビードクラック発
生確率を低くすることが可能であり、生産性の良い陰極
線管用電子銃を得ることが可能となる。
【0032】なお、図6に示す電極支持子2cの平面形
状以外にも、電極支持子2cと絶縁支持杆3との接触面
積を小さくし、Z軸方向への保持力を低下させた上で、
電極の位置決めが十分に可能となるような、他の形状の
突起を用いることが可能であることは言うまでもない。
【0033】また、一つの電極がZ軸方向に沿って三箇
所以上に電極支持子を配置する場合において、重心から
遠い電極支持子の一つあるいは二つを、平面形状を単純
化させた一つあるいは二つの突起から構成される電極支
持子によって構成することによってビードクラック発生
確率を低く抑制することが可能となる。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、絶縁支持杆の延在方
向の異なる位置に、一つの電極に設けられた二つの電極
支持子をそれぞれ配置して固定し、保持する場合におい
て、一方の電極支持子の絶縁支持杆の延在方向に対する
保持力を他方の電極支持子よりも小さくすることで、他
方の電極支持子で電極の位置決めの保持力を確保した上
で、絶縁支持杆への応力付加を低減し、ビードクラック
の発生を抑制することが可能であり、陰極線管用電子銃
の生産性を向上させることが可能となる。
【0035】また、この発明によれば、絶縁支持杆への
応力付加を低減は、電極に設けられる電極支持子の突起
の平面形状を単純化することによって実施することが可
能となり、単純化された平面形状の突起により構成され
る電極支持子とすることによってビーディング工程にお
けるビードクラックの発生を抑制することが可能であ
り、陰極線管用電子銃の生産性を向上させることが可能
となる。
【0036】さらに、この発明によれば、一つの電極の
絶縁支持杆の延在方向の異なる位置に三つ以上の電極支
持子を設ける場合においても同様に、一つまたは二つの
電極支持子を構成する突起の平面形状を単純化すること
によって、絶縁支持杆への応力付加を低減し、ビードク
ラックの発生を抑制することが可能であり、陰極線管用
電子銃の生産性を向上させることが可能となる。
【0037】また、この発明によれば、一つの電極の絶
縁支持杆の延在方向の異なる位置に複数の電極支持子を
設ける場合において、電極の重心から遠い位置に配置さ
れる電極支持子の一方の電極支持子の絶縁支持杆の延在
方向に対する保持力を他の電極支持子の保持力よりも小
さくすることで、絶縁支持杆への応力付加を低減し、ビ
ードクラックの発生を抑制することが可能であり、陰極
線管用電子銃の生産性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による陰極線管用電
子銃の要部断面図を示すものである。
【図2】 この発明の実施の形態1の説明に必要な図で
ある。
【図3】 この発明の実施の形態1の説明に必要な図で
ある。
【図4】 この発明の実施の形態1による陰極線管用電
子銃の要部を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2の説明に必要な図で
ある。
【図6】 この発明の実施の形態3の説明に必要な図で
ある。
【図7】 従来の電子銃を示す図である。
【図8】 従来の技術による電極支持子を示す図であ
る。
【図9】 従来の技術の説明に必要な図である。
【図10】 従来の技術の説明に必要な図である。
【符号の説明】
1、1a. 筒状電極 2a、2b、2c. 電極支持子 3. 絶縁支持杆、 4. 接点 5. 熱収縮方向。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームの透過孔が設けられた電極、
    この電極から突出する電極支持子の先端部を絶縁支持杆
    に植立することによって上記電極を保持する陰極線管用
    電子銃において、上記絶縁支持杆の延在方向の異なる位
    置に、一つの電極に設けられた二つの電極支持子を固定
    すると共に、一方の上記電極支持子の上記絶縁支持杆の
    延在方向に対する保持力を他方の上記電極支持子の保持
    力よりも小さくすることを特徴とする陰極線管用電子
    銃。
  2. 【請求項2】 一方の電極支持子を構成する突起の平面
    形状を、他方の電極支持子を構成する突起の平面形状よ
    りも単純化することで、絶縁支持杆の延在方向に対する
    保持力を小さくすることを特徴とする請求項1記載の陰
    極線管用電子銃。
  3. 【請求項3】 電子ビームの透過孔が設けられた電極、
    この電極から突出する電極支持子の先端部を絶縁支持杆
    に植立することによって上記電極を保持する陰極線管用
    電子銃において、上記絶縁支持杆の延在方向の異なる位
    置に、一つの上記電極に設けられた三つ以上の電極支持
    子を配置すると共に、少なくとも一つの上記電極支持子
    の上記絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を他の上記
    電極支持子の保持力よりも小さくすることを特徴とする
    陰極線管用電子銃。
  4. 【請求項4】 一つの電極に設けられ、絶縁支持杆の延
    在方向の異なる位置に配置された電極支持子のうち、上
    記電極の重心から遠い位置に配置された上記電極支持子
    の絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を、他の上記電
    極支持子の保持力よりも小さくすることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一項記載の陰極線管用電子銃。
  5. 【請求項5】 一つの電極に設けられ、絶縁支持杆の延
    在方向の異なる位置に配置された電極支持子のうち、上
    記絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を小さくした上
    記電極支持子は、上記絶縁支持子の延在方向に直交する
    面において、透過孔を中心として広がりを持つ上記電極
    の両端から上記透過孔に対して対称となるようにそれぞ
    れ平行に突出する二つの板状の突起によって構成され、
    平行に突出する二つの上記突起の先端部が互いに向かい
    合うように丸みを持って曲げられた形状であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の陰極線管用
    電子銃。
  6. 【請求項6】 一つの電極に設けられ、絶縁支持杆の延
    在方向の異なる位置に配置された電極支持子のうち、上
    記絶縁支持杆の延在方向に対する保持力を小さくした上
    記電極支持子は、上記絶縁支持子の延在方向に直交する
    面において、透過孔を中心として広がりを持つ上記電極
    の両端から上記透過孔に対して対称となるようにそれぞ
    れ突出する一つの板状の突起によって構成され、上記突
    起の先端部は丸みを持ち、上記平面内で広がった形状で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載
    の陰極線管用電子銃。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6798129B2 (en) 2001-07-05 2004-09-28 Samsung Sdi Co., Ltd. Electron gun having improved electrode support structure

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