JP2000348546A - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents
酸化物超電導線材およびその製造方法Info
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Abstract
る。 【解決手段】 酸化物超電導線材10は、複数のBi系
酸化物超電導層11の間にAg基板12を配置した積層
体13の外周をAg−Mg合金フォイル14で包囲し、
この積層体13の一側の面にAg−Mg合金板からなる
バリア材15を配置して、その外周をフォイル14で包
囲するとともに、フォイル14の突合わせ部分14aが
バリア材15側に位置するように構成することにより、
部分溶融温度域の加熱時に突合わせ部からの溶融酸化物
の溶出を防止し、超電導体の組成変動がなく、かつ、均
一な特性を有する長尺の線材を得られる。
Description
よびその製造方法に係り、さらに詳しくは、主として、
電力貯蔵、発電機、モーター、限流器。変圧器、超電導
ケーブル等の酸化物超電導線材を用いた応用機器に使用
される酸化物超電導線材とその製造方法に関する。
て各種の線材が開発されている。このような大容量線材
のなかでも、複数の酸化物超電導層の間に基板を配置し
た積層体の外周を金属板で包囲した酸化物超電導線材が
その臨界電流密度(Jc)の高いことで実用線材として
注目されている。
のBi系(2212)相(Bi:Sr:Ca:Cu=
2:2:1:2の元素数比を有するBi−Sr−Ca−
Cu−O系酸化物超電導体)からなる超電導層2の間に
銀または銀合金からなる基板3を配置した積層体4の外
周を金属板(金属フォイル)5で包囲したものである。
系(2212)相を構成する元素を所定の比率で含むペ
ーストを塗布したものの上に、基板3の片面に同様のペ
ーストを塗布したものの複数本を積層して、複数のペー
スト層の間に基板3が配置されるようにした後、この外
周を銀または銀合金からなる金属フォイル5で包囲し、
次いで超電導体生成の熱処理を施すものである。この熱
処理により、金属フォイル5と超電導層2および基板3
は一体化する。
aが開放されているため、熱処理工程で発生するC
O2、H2O、CO2等のガスが容易に外部に放出され、
ガスの発生による線材の膨れを防止することができる。
おいては、上述のように、金属フォイル5の突合わせ部
5aが開放されており、また熱処理工程に、部分溶融−
徐冷過程(部分溶融温度域に加熱した後、徐冷する過
程)を含むため、パンケーキ状に巻回してバッチ式の熱
処理炉で熱処理を施す場合、金属フォイル5の突合わせ
部5aから溶融酸化物が溶出してしまい、組成が変動す
る結果、所定の均一な特性を有する長尺の線材を得るこ
とが困難であった。
酸化物の生成や熱処理時に隣接する線材同志の融着によ
り、線材としての使用が不可能となるという問題があっ
た。
解決するためになされたもので、複数の酸化物超電導層
の間に基板を配置した積層体の外周を金属板で包囲した
酸化物超電導線材およびその製造方法において、その熱
処理時に金属フォイル5の突合わせ部5aからの溶融酸
化物の溶出を防止し、組成変動がなく、かつ所定の均一
な特性を有する長尺の線材を得ることをその目的とす
る。
より向上させた酸化物超電導線材およびその製造方法を
提供することにある。
めに、本発明の請求項1に係る酸化物超電導線材は、複
数の酸化物超電導層の間に基板を配置した積層体の外周
を金属板で包囲した酸化物超電導線材において、この積
層体の一側の面にバリア材を配置して、その外周を金属
板で包囲するとともに、金属板の突合わせ部分がバリア
材側に位置するように構成したものである。
導線材の製造方法は、銀合金からなるバリア材上にビス
マス系酸化物超電導体を構成する元素を所定の比率で含
むペーストを塗布した積層板(A)と、銀または銀合金
からなる基板上に酸化物超電導体を構成する元素を所定
の比率で含むペーストを塗布した積層板(B)とを準備
し、積層板(A)のペースト層の上側に積層板(B)の
複数本を基板とペースト層とが交互に位置するように配
置した後、この外側を、その突合わせ部分がバリア材側
に位置するように金属板で包囲し、次いでビスマス系酸
化物超電導体の部分溶融温度域に加熱した後、徐冷する
ようにしたものである。
板として、AgにMg、Sb、Mn、Alから選択され
たいずれか1種以上の元素を添加した銀合金を用いるこ
とが好ましい。
1〜1.0at%の範囲内のものを使用することが好ま
しい。その理由は、添加元素量が0.1at%未満であ
るとバリア材としては機能するが、同時に強度を向上さ
せることはできず、また、添加元素量が1.0at%を
越えると添加元素の拡散により酸化物超電導体が汚染さ
れ、その結果、超電導特性が低下するためである。
いることができ、また、酸化物超電導層または酸化物超
電導体としては、Bi系(2212)相を選択すること
が好ましい。このBi系(2212)相は、部分溶融−
徐冷過程で容易に結晶が配向して超電導特性を向上させ
ることができる。
て説明する。
したもので、酸化物超電導線材10は、複数のBi系
(2212)相からなる酸化物超電導層11の間にAg
基板12を配置した積層体13の一側の面にAg−Mg
合金板からなるバリア材15を配置して、その外周をフ
ォイル14で包囲するとともに、フォイル14の突合わ
せ部分14aがバリア材15側に位置するように構成し
たものである。
の方法により製造される。
15の片面にBi系(2212)相を構成する元素を所
定の比率で含むペーストを塗布した積層板(A)と、A
g基板上にBi系(2212)相を構成する元素を所定
の比率で含むペーストを塗布した積層板(B)とを準備
し、積層板(A)のペースト層の上側に積層板(B)の
複数本を基板とペースト層とが交互に位置するように配
置した後、この外側を、その突合わせ部分14aがバリ
ア材15側に位置するようにAg−Mg合金フォイル1
4で包囲し、次いでビスマス系酸化物超電導体の部分溶
融温度域に加熱した後、徐冷して酸化物超電導線材10
を製造する。
て説明する。
金からなるバリア材の片面にBi系(2212)相を構
成する元素を所定の比率で含むペーストを50μmの厚
さに塗布して積層板(A)を形成し、一方、幅4mm、
厚さ20μmのAg基板上にBi系(2212)相を構
成する元素を所定の比率で含むペーストを50μmの厚
さに塗布して積層板(B)を形成した。
O3、CaCO3およびCuOの各粉末を、Bi:Sr:
Ca:Cu=2:2:1:2の元素数比で配合し有機バ
インダーで混合したものである。
積層板(B)の3本をバリア材およびAg基板とペース
ト層とが交互に位置するように配置した後、この外側を
幅10mm、厚さ20μmのAg−0.22at%Mg
合金からなるフォイルで包囲した。このとき、フォイル
の突合わせ部分がバリア材側に位置するようにフォイル
で包囲した。
た後、冷間圧延加工を施した。
した後、冷却速度1℃/hrで徐冷して長さ200mの
酸化物超電導線材を製造した。
酸化物超電導線材の有効条長(線材として使用可能長
さ)、臨界電流密度(Jc:4.2K、0T)および引
張り強度を表1に示す。
μmのAg基板の両面にBi系(2212)相を構成す
る元素を所定の比率で含むペーストを50μmの厚さに
塗布して積層板(C)を形成し、一方、実施例と同様の
方法により積層板(B)を形成した。
本をAg基板とペースト層とが交互に位置するように配
置した他は、実施例と同様の方法により酸化物超電導線
材を製造した。
酸化物超電導線材の有効条長、臨界電流密度(Jc:
4.2K、0T)および引張り強度を表1に示した。
酸化物超電導線材およびその製造方法によれば、熱処理
時に金属フォイルの突合わせ部側にバリア材を配置した
ことにより、部分溶融温度域の加熱時に突合わせ部から
の溶融酸化物の溶出を防止することができるため、酸化
物超電導体の組成変動を防止することができ、これによ
り所定の均一な特性を有する長尺の線材を得ることがで
きる。さらに、バリア材として銀合金を用いることによ
り、線材の機械的強度をより向上させることができ、熱
処理後のハンドリングも容易になるため、超電導特性を
劣化させることなく長尺の線材を取扱いが可能となる。
よびその製造方法によれば、その臨界電流密度が極めて
高い長尺線材が得られ、その工業的価値は非常に高いも
のである。
断面図である。
面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】複数の酸化物超電導層の間に基板を配置し
た積層体の外周を金属板で包囲した酸化物超電導線材に
おいて、前記積層体の一側の面にバリア材を配置して、
その外周を金属板で包囲するとともに、前記金属板の突
合わせ部分が前記バリア材側に位置するように構成した
ことを特徴とする酸化物超電導線材。 - 【請求項2】バリア材および金属板は、AgにMg、S
b、Mn、Alから選択されたいずれか1種以上の元素
を添加した銀合金よりなる請求項1記載の酸化物超電導
線材。 - 【請求項3】基板は、銀からなる請求項1または2記載
の酸化物超電導線材。 - 【請求項4】酸化物超電導層は、Bi系(2212)相
からなる請求項1乃至3いずれか1項記載の酸化物超電
導線材。 - 【請求項5】銀合金からなるバリア材上にビスマス系酸
化物超電導体を構成する元素を所定の比率で含むペース
トを塗布した積層板(A)と、銀または銀合金からなる
基板上に酸化物超電導体を構成する元素を所定の比率で
含むペーストを塗布した積層板(B)とを、前記積層板
(A)のペースト層の上側に前記積層板(B)の複数本
を基板とペースト層とが交互に位置するように配置した
後、この外側を、その突合わせ部分が前記バリア材側に
位置するように金属板で包囲し、次いで前記ビスマス系
酸化物超電導体の部分溶融温度域に加熱した後、徐冷す
ることを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。 - 【請求項6】バリア材および金属板は、AgにMg、S
b、Mn、Alから選択されたいずれか1種以上の元素
を添加した銀合金よりなる請求項5記載の酸化物超電導
線材の製造方法。 - 【請求項7】ビスマス系酸化物超電導体は、Bi系(2
212)相からなる請求項5または6いずれか1項記載
の酸化物超電導線材の製造方法。
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Cited By (3)
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CN101923922A (zh) * | 2010-09-14 | 2010-12-22 | 重庆大学 | 同心圆型结构的铋系高温超导线材或带材及制备方法 |
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1999
- 1999-06-04 JP JP15730699A patent/JP3621294B2/ja not_active Expired - Fee Related
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