JP2000348381A - 光記録再生装置及び光記録媒体 - Google Patents

光記録再生装置及び光記録媒体

Info

Publication number
JP2000348381A
JP2000348381A JP11157788A JP15778899A JP2000348381A JP 2000348381 A JP2000348381 A JP 2000348381A JP 11157788 A JP11157788 A JP 11157788A JP 15778899 A JP15778899 A JP 15778899A JP 2000348381 A JP2000348381 A JP 2000348381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
recording
layer
optical
mask layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11157788A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sugawara
信 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP11157788A priority Critical patent/JP2000348381A/ja
Publication of JP2000348381A publication Critical patent/JP2000348381A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光透過領域とマスク領域との境界が明瞭であ
り、均一な光透過領域とマスク領域を形成可能な媒体を
用いることにより、C/N比,BER等を改善する。 【解決手段】ディスク状の基板11上に積層された記録
層15と、記録層15の基板11側に形成され、光照射
により光透過特性が変化するマスク層13とから成る光
記録媒体M1と、回転する光記録媒体M1の記録層15
に光を照射しその反射光を検出することにより情報を読
み取る光ピックアップとを具備し、マスク層13に光を
照射してから光透過特性が変化するまでの期間Tr を、
0.1λ/(NA×VL )≦Tr ≦0.8λ/(NA×
VL )(λ:光波長,NA:光ピックアップの対物レン
ズの開口数,VL :基板の線速度)とした光記録媒体を
用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録層にレーザ光
等の光を照射しその反射光を検出することにより情報を
再生する光記録再生装置であって、記録層の片側及び/
又は両側に、照射光の波長又は強度によって光学特性が
変化するマスク層を積層させることで高密度記録を可能
にした、超解像(Magnetically induced Super Resolut
ion :MSR)型の光記録媒体を用いた光記録再生装置
及び光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光記録再生装置Dのブロック図を
図2に示す。同図において、1はディスク状の光記録媒
体の一種である光磁気ディスク、2は光磁気ディスクを
記録及び再生時に回転させるモーター、3は記録時に光
磁気ディスク面に対し垂直方向に沿って上下方向に変調
した磁場を印加する磁気へッド、4は再生時に記録ビッ
トに光を照射し反射光の偏光方向(カー回転角)からデ
ィジタル信号を検出する光ピックアップである。また、
5は記録データを変調して磁気記録信号及び光記録信号
を発生させ磁気ヘッド3及び光ピックアップ4に供給す
る記録データ回路、6は光磁気ディスク面からの反射光
を光ピックアップ4で受光しその反射光による信号をデ
ィジタルの再生データに変換する再生データ回路であ
る。
【0003】また、7は制御回路であり、CPU(Cent
er of Processing Unit :中央処理装置)等と駆動用プ
ログラムソフトを内蔵したROM等を有するコンピュー
タ9からの指令に基づき各種制御を行う。前記指令と
は、記録動作指令、再生動作指令等である。8は記憶回
路であり、書き込まれたデータを1セクタ毎に分割し記
録用データとして記録データ回路6に供給する。
【0004】上記光記録再生装置Dの場合、光ピックア
ップ4は反射光のカー回転角を検知することで記録層の
2値情報を検出するが、CD(Compact Disc)等の光デ
ィスク用の光記録再生装置では記録ビットの凹凸による
反射光の反射率変化からディジタル信号を検出し、相変
化型の光ディスク用の光記録再生装置では記録ビットの
結晶相−非晶質相の2状態の違いによる反射率の相違か
らディジタル信号を検出する。
【0005】そして、光ピックアップ4の基本構成は、
半導体レーザ等の光源部、光源部からの光を光記録媒体
側へ反射させるビームスプリッタ、ビームスプリッタか
らの光を光記録媒体のトラックに集光させる対物レン
ズ、トラックで反射され前記対物レンズ,ビームスプリ
ッタを逆に通過した反射光を検出するトラッキング信号
検出器、及び焦点検出器等から成る。また、トラッキン
グ信号の検出機構について図3に示す。同図において、
10はディスク状の光記録媒体であってその主面に螺旋
状の記録用のトラックを形成した光記録媒体、11はト
ラックに沿って形成された案内溝(グルーブ)、12は
記録ビット16が形成されるトラックとしてのランド、
13は光ピックアップの1部品である対物レンズ、14
は光ピックアップの1部品であり、トラックの凹凸で反
射回折された2つの1次回折光及び0次回折光を検出す
る2個のフォトダイオード等の光検出素子から成るトラ
ッキング信号検出器である。尚、15は光ピックアップ
部である。
【0006】また、従来、各種光記録媒体は以下のよう
な構成である。温度によって結晶質と非晶質の2状態に
相変化可能な光記録層を有する相変化型の光記録媒体の
場合、プラスチック等からなるディスク状の透明基板上
に、ZnS−SiO2 等から成る第一透明誘電体層、G
eTe等の相変化型の光記録層、ZnS−SiO2 等か
ら成る第二透明誘電体層、Al等からなる反射層を順次
積層したものが提案されている。
【0007】また、光磁気記録媒体の場合、プラスチッ
ク等からなるディスク状の透明基板上に、サイアロン
(Si,Al,O,Nの非晶質膜),Si3 4 ,Si
2 等の第一透明誘電体層、TbFe,TbFeCo,
GdFeCo,GdTbFeCo等からなる少なくとも
1層の光磁気記録層、第一透明誘電体層と同様の組成で
ある第二透明誘電体層、Al,Au,Pt,Al−Ti
合金等からなる反射層から構成されたものが提案されて
いる。その他、ポリカーボネート基板上にデジタル信号
用のピット(穴)等の凹凸を形成し、その凹凸上にAl
層等の反射層をパターン形成したCD(Compact Disc)
等がある。
【0008】このような光記録媒体において、従来、位
相ピットが形成された光ディスク上に、温度によって反
射率が変化するSb2 Se3 等のカルコゲンアモルファ
ス材料から成る層を形成し、読み出し光の走査スポット
内で反射率を部分的に変化させながら位相ピットを読み
取ることにより、走査スポットの一部をマスクして走査
スポット径を等価的に縮小した形とすることができ、対
物レンズの開口数や半導体レーザの波長によって決まる
検出限界を超えて高密度再生が可能なもの、所謂MSR
に関するものが公知である(従来例1:特開平3−29
2632号公報,特開平5−89511号公報参照)。
【0009】また、従来例2として、記録膜から見て光
入射側にフタロシアニン類,シアニン色素のうち少なく
とも1種から成る光吸収中心を含む層を設け、その光吸
収中心を吸収飽和の状態にして記録又は再生のうち少な
くとも一方を行うことにより、記録密度を向上させた光
記録媒体が提案されている(従来例2:特開平5−22
5611号公報参照)。
【0010】従来例3として、情報記録層と、フォトク
ロミック性マスク層とを有する光記録媒体を再生する方
法であって、複数のトラックに跨がるスポットサイズで
着色光スポットをトラックに対して相対的に走査し、ト
ラック幅方向に同一トラックが複数回走査されるように
してマスク層を複数回着色光照射することにより着色状
態にする工程と、着色されたスポットに再生光を照射し
てマスク層を消色しながらトラックに対し相対的に走査
し、トラックの情報を再生する工程とを備えたことによ
り、フォトンモードで反応する光記録媒体を、小型かつ
低コストの装置で効率的に再生可能になるという再生方
法が提案されている(従来例3:特開平8−26384
3号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1では、再生レーザ光の照射によりそのスポット内
で部分的に溶融後結晶化し得る相変化材料層をマスク層
として用いているが、このようなマスク層には以下のよ
うな問題点があった。即ち、光記録媒体の製造時に融点
の低いマスク層は、他の記録層等のスパッタリング法に
よる成膜時や熱硬化性樹脂等のコーティング時に、溶融
又は軟化し易く、そのため均一なマスク層を形成し難い
ものであった。また、相変化型の記録層を用いた場合、
記録層の結晶化温度とマスク層の融点が近似しており、
マスク層のみを相変化させようとしても記録層の相変化
が同時に起こり、記録層のデータが乱れていた。更に、
繰り返し記録再生を行うと、C/N比,BER(Bit Er
ror Rate)等の特性が劣化し易かった。
【0012】また、上記従来例2においては、照射光強
度がある一定値以上になると光を透過させる性質の可飽
和吸収体から成るマスク層、即ち光強度制御型のマスク
層を用い、照射光スポットのうち光強度の大きい中心部
を光透過状態とし、他の部分を不透過状態(マスク)と
するように制御している。しかしながら、このような光
強度制御型のマスク層では、照射光の微妙に異なる光強
度分布でもってマスクを形成しなければならず、実際上
均一な光透過領域とマスクを形成することは困難であ
り、マスクのばらつきが大きいという問題点があった。
【0013】上記従来例3のフォトクロミック性マスク
層は、強度の弱い光が照射された部分まで消色され易
く、光透過領域とマスクとの境界がぼやけたり、マスク
が十分に形成できない場合があった。
【0014】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、相変化型の記録層を用い
てもその結晶化温度とマスク層の融点が近似していない
ことで、マスク層の相変化と記録層の相変化を区別して
行うことができ、また繰り返し記録再生特性を向上させ
ることである。また、フォトクロミック性マスク層であ
って、均一な光透過領域とマスクを形成でき、光透過領
域とマスクとの境界が明瞭なマスク層を有する光記録媒
体を用いることで、C/N比,BER等が改善されたも
のとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録再生装置
は、基板上に積層された記録層と、該記録層の少なくと
も片面側に形成され、光照射により光透過特性が変化す
るマスク層とから成る光記録媒体と、前記記録層に光を
照射しその反射光を検出することにより情報を読み取る
光ピックアップとを具備し、前記マスク層に光を照射し
てから光透過特性が変化するまでの期間をTr とした場
合、0.1λ/(NA×VL )≦Tr ≦0.8λ/(N
A×VL )(但し、λ:光波長,NA:光ピックアップ
の対物レンズの開口数,VL :記録ビットと光スポット
との相対速度)とした光記録媒体を用いたことを特徴と
する。
【0016】本発明は、上記構成により、繰り返し記録
再生特性が向上し、また均一な光透過領域とマスクを形
成でき、光透過領域とマスクとの境界が明瞭な光記録媒
体を用いることで、C/N比,BER等が改善されると
いう作用効果を有する。
【0017】また本発明の光記録媒体は、基板上に積層
された記録層と、該記録層の少なくとも片面側に形成さ
れ、光照射により光透過特性が変化するマスク層とから
成り、前記マスク層に光を照射してから光透過特性が変
化するまでの期間をTr とした場合、3nsec≦Tr
≦100nsecであることを特徴とする。好ましく
は、5nsec≦Tr ≦30nsecである。
【0018】このような構成により、再生信号出力(C
/N比)を維持して光記録媒体の記録密度を向上し得
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の光記録再生装置について
以下に説明する。本発明の光記録再生装置の基本構成は
図1のものと同様であり、ディスク状の基板上に積層さ
れた記録層と、記録層の少なくとも片面側に形成され、
光照射により光透過特性が変化するマスク層とを有する
光記録媒体と、回転する光記録媒体の記録層に光を照射
しその反射光を検出することにより情報を読み取る光ピ
ックアップとを具備する。前記マスク層と相変化型の記
録層を有する光記録媒体M1(以下、媒体M1という)
を図1に示す。同図において、11はポリカーボネー
ト,ポリオレフィン,ポリアセタール,ポリメチルメタ
クリレート,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,ガラス,樹
脂層を表面に形成した強化ガラス,透光性セラミック等
から成るディスク状の基板、12はZnS−SiO2
から成る第一透明誘電体層、13はマスク層、14はZ
nS−SiO2 等から成る第二透明誘電体層、15は相
変化型の記録層、16はZnS−SiO2 等から成る第
三透明誘電体層、17はAl,Au,Pt,Al−Ti
合金,Al−Cr合金等から成る反射層である。
【0020】本発明において、記録層15はGeTe,
GeSbTe,AgInSbTe,InSeTlCo,
InSbTe等のカルコゲン化物から成る材料がよく、
なかでもGeTe,GeSbTeが書き換え可能回数が
大きく、結晶化する際に短時間の結晶化が可能であり、
非晶質状態の安定性も高いという点で好ましい。
【0021】また、Gea Sbb Tec (a+b+c=
100原子%)とした場合、5at(原子)%≦a≦7
0at%がよく、a<5at%では結晶化速度が遅く、
70at%<aでは非晶質状態が不安定になる。0at
%≦b≦50at%がよく、50at%<bでは非晶質
状態が不安定になる。40at%≦c≦70at%がよ
く、c<40at%では結晶化温度が高くなりすぎ、7
0at%<cのときも結晶化温度が高くなりすぎる。ま
た、記録層15の厚さは、5〜500nmがよく、5n
m未満では結晶質状態と非晶質状態間の反射率差が小さ
くなり、500nmを超えると繰り返し記録再生による
BER等の特性劣化が大きくなる。より好ましくは、1
0〜400nmである。
【0022】上記第一,第二,第三透明誘電体層12,
14,16は、記録層15及びマスク層13の保護層と
して機能するものであり、その材質はZnS−Si
2 ,SiN系材料,SiON系材料,SiO2 ,Si
O,TiO2 ,Al2 3 ,Y23 ,TaN,Al
N,ZnS,Sb2 3 ,SnSe2 ,Sb2 Se3
CeF3 ,アモルァスSi(以下、a−Siと表記す
る),TiB2 ,B4 C,B,C等が好ましい。特に、
ZnS−SiO2 がよく、この材料は高温での特性変化
が少ない。(ZnS)x (SiO2 100-x とした場
合、60モル%≦x≦95モル%が好適であり、x<6
0モル%では耐熱性が悪く、x>95モル%ではZnS
の粒径が大きくなりジッターを劣化させる。
【0023】また、反射層17は反射率が高いAl,A
lCr合金,AlCu合金,AlTi合金,Au,A
g,AuCu合金,Pt,AuPt合金等が好ましく用
いられる。
【0024】本発明のマスク層13は、照射光の波長又
は熱により光透過特性が変化するものであり、その材質
はアゾベンゼン,スピロインドリノナフトオキサジン,
スピロピラン等のフォトクロミック材料、GeSb4
7 ,GeSb4.5 Te7 ,GeSb5 Te7 ,Sb2
Te3 等のカルコゲン化物から成る相変化型材料が好ま
しい。このうち、GeSbTeについて、Ged Sbe
Tef (d+e+f=100at%)とした場合、5a
t%≦d≦50at%,10at%≦e≦60at%,
40at%≦f≦70at%とするのが良い。d<5a
t%では、相変化時間が長くなり、d>50at%で
は、相変化する温度が高くなる。e<10at%では、
相変化する温度が高くなり、e>60at%では、相変
化時間が長くなる。f<40at%では、相変化時間が
長くなり、f>70at%では、相変化する温度が高く
なる。
【0025】上記マスク層13の材料のうち、アゾベン
ゼン,スピロインドリノナフトオキサジン,スピロピラ
ン等のフォトクロミック材料は、波長が350〜450
nm(紫外線領域)の光を照射した場合ある吸収係数値
となりその状態が維持され、700〜800nm(赤外
線領域)の光を照射した場合他の吸収係数値となりその
状態が維持される。従って、吸収係数の違いによって2
状態間で光透過特性が変化する。また、他のフォトクロ
ミック材料として、光を照射した場合ある吸収係数値と
なり所定時間後吸収係数が元の状態になるもの、2状態
間で屈折率が異なるもの等があり、これらも本発明では
使用可能である。
【0026】また、GeSb4 Te7 ,GeSb4.5
7 ,GeSb5 Te7 ,Sb2 Te3 等のカルコゲン
化物は、照射光の波長よりも強度に依存性があり、3〜
6mWのローパワーのレーザ光を照射した場合ある屈折
率となりその状態が維持され、8mW以上のハイパワー
のレーザ光を照射した場合他の屈折率となりその状態が
維持される。そして、マスク層13に隣接する第二,第
三透明誘電体層12,14の厚さを調整することで光の
干渉効果により、前記の2状態間で光透過特性が変化す
る。
【0027】一方、マスク層13の材料として、情報の
再生時に光照射により溶融して結晶化することで光学的
特性が変化するものは不適であり、記録層15として相
変化型の材料を用いた場合に、マスク層13の融点と記
録層15の相転移点が近接することになる。その結果、
マスク層13のみを相変化させようとしても記録層15
の相変化が同時に起こり易く、記録層15のデータが乱
れることになる。
【0028】本発明のマスク層13は、光が照射されて
から光透過特性が変化するまでの期間をTr とした場
合、0.1λ/(NA×VL )≦Tr ≦0.8λ/(N
A×VL )(但し、λ:光波長,NA:光ピックアップ
の対物レンズの開口数,VL :記録ビットと光スポット
との相対速度)となる特性を有する。また、上記本発明
のフォトクロミック材料、相変化型材料を用いて、その
組成比等を調整することによっても前記Tr の範囲内の
ものとすることができる。そして、Tr <0.1λ/
(NA×VL )では、光透過特性の変化する期間Tr が
短すぎるため、高記録密度にすると信号出力(C/N
比)が低下し易い。Tr >0.8λ/(NA×VL )で
は、再生時の分解能が低下しBER等が劣化し易い。好
ましくは、0.3λ/(NA×VL )≦Tr ≦0.5λ
/(NA×VL )である。
【0029】上記マスク層13の厚さは10〜5000
Åが良く、10Å未満では光透過特性の変化量が小さく
なり、5000Åを超えると光透過特性の変化のばらつ
きが大きくなる。
【0030】また、マスク層13は記録層15の反射層
17側に設けても良く、例えば基板11,第一透明誘電
体層12,記録層15,第二透明誘電体層14,マスク
層13,反射層17を順次積層させた構成とすることも
できる。この場合、マスク層13が、Al合金等から成
り熱伝導性に優れる反射層17に隣接しているため、放
熱性が向上し、繰り返し記録再生に対する耐久性が良好
になる。尚、この場合第三透明誘電体層16は不要であ
る。更には、マスク層13は記録層15の両面側に設け
ても構わない。
【0031】更に、マスク層13とそれに隣接する透明
誘電体層の厚さを調整し、照射光(再生光)に対する干
渉効果により反射防止性を付与し、光透過領域での光透
過率を極大化させることも可能である。
【0032】本発明の光記録媒体は、基板11上に積層
された記録層15と、記録層15の少なくとも片面側に
形成され、光照射により光透過特性が変化するマスク層
13とから成り、マスク層13に光を照射してから光透
過特性が変化するまでの期間をTr とした場合、3ns
ec≦Tr ≦100nsecである。Tr <3nsec
では、VL が20m/sec以上のかなりの高速にな
り、高記録密度にすると信号出力(C/N比)が低下し
易くなると共に、高速対応のために光記録再生装置が高
コスト化する。100nsec<Tr では、高記録密度
化するのが困難になる。好ましくは、5nsec≦Tr
≦30nsecである。
【0033】上記実施形態では、相変化型の記録層15
を用いた媒体について説明したが、本発明はこれに限ら
ず、光磁気記録層を用いた光磁気ディスク、基板11に
記録ビット用の凹凸を形成しAl,Al合金等の反射層
を形成した所謂CD等の光ディスク、シアニン色素,ア
ズレニウム色素等のポリメチン系色素を記録層に用いた
光ディスク等にも適用できる。光磁気ディスクの場合、
光磁気記録層はCr,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移
金属元素と、Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho等の
希土類元素との非晶質合金であり、例えばTbFe,T
bFeCo,GdFeCo,GdTbFeCo,DyF
eCo等からなる。
【0034】また従来、基板11上に記録層15、反射
層17等の各層を順次積層し、基板11の裏面側から再
生用のレーザ光を入射する構成を採っていたが、本発明
は、基板11上に反射層17、記録層15を順次積層
し、基板11の記録層15側から再生用のレーザ光を入
射する構成のものにも適用できる。更に本発明は、上述
した如く、記録層15とマスク層13以外に第一,第
二,第三透明誘電体層12,14,16等を設けても構
わない。
【0035】本発明の光記録媒体は、CD(Compact Di
sc),CD−RW(Compact Disc ReWritable ),DV
D(Digital Versatile Disc),DVD−RW(Digita
l Versatile Disc ReWritable ),相変化型光ディスク
等の光ディスク、光磁気ディスクなどのディスク状の光
記録媒体に限らず、記録ビットを直線状に形成した光カ
ード,光磁気カード等のカード型の光記録媒体も含む。
【0036】本発明において、記録層15等の各層を基
板11の両面に積層する(この場合、基板11上に反射
層17、記録層15の順に積層する)、又は片面に各層
を積層した2枚の基板11を貼り付けることにより2倍
の記録密度としても良い。また本発明は、レーザビーム
をパルス変調する光強度変調方式で記録するものに限ら
ず、電子ビーム、電磁波等のエネルギー線による加熱方
式での記録も応用可能である。
【0037】かくして、本発明は、繰り返し記録再生特
性が向上し、また均一な光透過領域とマスクを形成で
き、光透過領域とマスクとの境界が明瞭な媒体を用いる
ことで、C/N比,BER等が改善されるという作用効
果を有する。
【0038】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0039】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0040】(実施例1)図1の媒体M1(光ディス
ク)を以下のようにして構成した。厚さ0.6mmのポ
リカーボネートから成る3.5インチ径のディスク状の
基板11の主面上に、以下の各層をマグネトロンスパッ
タリング法により順次成膜した。
【0041】膜厚約1000Å,(ZnS)80(SiO
2 20から成る第一透明誘電体層12、膜厚約1000
Åの各種材料(表1)からなるマスク層13、膜厚約2
00Å,(ZnS)80(SiO2 20から成る第二透明
誘電体層14、膜厚約200Å,Ge2 Sb2 Te5
ら成る記録層15、膜厚約200Å,(ZnS)80(S
iO2 20から成る第三透明誘電体層16、膜厚約10
00Å,Al−Cr合金から成る反射層17である。
【0042】そして、これらの光ディスクについて、先
ず記録ビットと光スポットとの相対速度として、光ディ
スクのトラックの線速度を10m/secとし、光波長
410nmで13mW(非晶質状態に対応)と5mW
(結晶質状態に対応)にパルス変調されたレーザビーム
を照射し、記録ビット長が0.2μm,0.4μm,
0.8μmの3種の信号を記録した。次いで、半導体レ
ーザの光波長λ、対物レンズの開口数NA=0.55の
光ピックアップを用い、線速度VL =10m/secで
再生しC/N比を測定した結果を表1に示す。
【0043】尚、表1のアゾベンゼン,スピロインドリ
ノナフトオキサジン,スピロピランは、λ=410nm
の光照射で吸光度は各々0.4,0.8,0.8に変化
し、λ=700〜800nmの光照射で吸光度は各々ほ
ぼ0になる。また、GeSb4 Te7 ,GeSb4.5
7 ,GeSb5 Te7 ,Sb2 Te3 は、2〜5mW
のローパワーのレーザ光を照射した場合屈折率は各々
1.7+i3.4,1.7+i3.5,1.8+i3.
5,2.0+i3.6になり、6mW以上のハイパワー
のレーザ光を照射した場合屈折率は各々2.6+i2.
6,2.5+i2.7,2.5+i2.7,2.3+i
2.9になる。表1において、アゾベンゼンとSb2
3 は本発明の範囲外とされているが、線速度、λ、N
Aの条件によっては本発明の範囲内とし得る。
【0044】更に、アゾベンゼン,スピロインドリノナ
フトオキサジン,スピロピランを用いた例では、当初波
長410nm,レーザ光パワー=2mWの光を照射して
マスク層13をマスク化しておき、読取時にλ=720
nm,レーザ光パワー=2mWとし、マスク層13を透
明化して読み取るようにした。GeSb4 Te7 ,Ge
Sb4.5 Te7 ,GeSb5 Te7 ,Sb2 Te3 を用
いた例では、当初波長410nm,レーザ光パワー=6
mWの光を照射してマスク層13をマスク化しておき、
読取時にλ=410nm,レーザ光パワー=2mWと
し、マスク層13を透明化して読み取るようにした。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように、本発明品(NO.2〜
6)は記録ビットのビット長が短くなってもC/N比の
劣化が小さく高記録密度化に適している。これに対し、
比較例(NO.1,7)のものは、NO.1でビット長
が長いものはC/N比が良好なのを除きC/N比が劣化
している上、記録ビットのビット長が短くなる程C/N
比の劣化が大きく、全く実用性がないことが判った。
【0047】(実施例2)媒体(光ディスク)を以下の
ようにして構成した。厚さ0.6mmのポリカーボネー
トから成る3.5インチ径のディスク状の基板の主面上
に、以下の各層をマグネトロンスパッタリング法により
順次成膜した。
【0048】膜厚約1000Å,(ZnS)80(SiO
2 20から成る第一透明誘電体層、膜厚約200Å,G
2 Sb2 Te5 から成る記録層、膜厚約200Å,
(ZnS)80(SiO2 20から成る第二透明誘電体
層、膜厚約2000Åの各種材料(表2)からなるマス
ク層、膜厚約1000Å,Al−Cr合金から成る反射
層である。
【0049】そして、これらの光ディスクについて、先
ず光ディスクのトラックの線速度を10m/secと
し、光波長410nmで13mW(非晶質状態に対応)
と5mW(結晶質状態に対応)にパルス変調されたレー
ザビームを照射し、記録ビット長が0.2μm,0.4
μm,0.8μmの3種の信号を記録した。次いで、半
導体レーザの光波長λ、対物レンズの開口数NA=0.
55の光ピックアップを用い、線速度VL =10m/s
ecで再生しC/N比を測定した結果を表2に示す。
尚、マスク層のマスク化及び透明化の条件は実施例1と
同様とした。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示すように、本発明品(NO.2〜
6)は記録ビットのビット長が短くなってもC/N比の
劣化が小さく高記録密度化に適している。これに対し、
比較例(NO.1,7)のものは、NO.1でビット長
が長いものはC/N比が良好なのを除きC/N比が劣化
している上、記録ビットのビット長が短くなる程C/N
比の劣化が大きく、全く実用性がないことが判った。
【0052】(実施例3)媒体(光ディスク)を以下の
ようにして構成した。厚さ0.6mmのポリカーボネー
トから成る3.5インチ径のディスク状の基板を用い、
その主面のトラックに沿って凹凸からなる記録ビットを
多数形成し、前記主面に以下の各層をマグネトロンスパ
ッタリング法により順次成膜した。膜厚約2000Åの
各種材料(表3)からなるマスク層、膜厚約1000
Å,Al−Ti合金から成る反射層である。このとき、
各種マスク層に対し、記録ビット長が0.2μm,0.
4μm,0.8μmの3種の媒体をそれぞれ作製した。
【0053】そして、これらの光ディスクについて、半
導体レーザの光波長λ、対物レンズの開口数NA=0.
55の光ピックアップを用い、線速度VL =10m/s
ecで再生しC/N比を測定した結果を表3に示す。
尚、マスク層のマスク化及び透明化の条件は実施例1と
同様とした。
【0054】
【表3】
【0055】表3に示すように、本発明品(NO.2〜
6)は記録ビットのビット長が短くなってもBERの劣
化が小さく高記録密度化に適している。これに対し、比
較例(NO.1,7)のものは、NO.1でビット長が
長いものはBERが良好なのを除きBERが劣化してい
る上、記録ビットのビット長が短くなる程BERの劣化
が大きく、全く実用性がないことが判った。
【0056】
【発明の効果】本発明は、記録層の少なくとも片面側に
形成され、光照射により光透過特性が変化するマスク層
を有する光記録媒体と、記録層に光を照射しその反射光
を検出することにより情報を読み取る光ピックアップと
を具備し、マスク層に光を照射してから光透過特性が変
化するまでの期間をTr とした場合、0.1λ/(NA
×VL )≦Tr ≦0.8λ/(NA×VL )(但し、
λ:光波長,NA:光ピックアップの対物レンズの開口
数,VL :記録ビットと光スポットとの相対速度)とし
た光記録媒体を用いたことにより、光透過領域とマスク
領域との境界が明瞭であり、均一な光透過領域とマスク
領域を形成可能な媒体を用いることで、C/N比,BE
R等が改善され、また繰り返し記録再生特性が向上する
という作用効果を有する。
【0057】また本発明の光記録媒体は、マスク層に光
を照射してから光透過特性が変化するまでの期間をTr
とした場合、3nsec≦Tr ≦100nsecである
ことにより、再生信号出力(C/N比)を維持して光記
録媒体の記録密度を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の部分断面図である。
【図2】本発明の光磁気ディスク用の光記録再生装置の
基本構成を示すブロック図である。
【図3】光ピックアップのトラッキング動作を説明する
ものであり、光ピックアップ及び光記録媒体の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1:光磁気ディスク 2:モーター 3:磁気ヘッド 4:光ピックアップ 5:記録データ回路 6:再生データ回路 7:制御回路 8:記憶回路 9:コンピュータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に積層された記録層と、該記録層の
    少なくとも片面側に形成され、光照射により光透過特性
    が変化するマスク層とから成る光記録媒体と、前記記録
    層に光を照射しその反射光を検出することにより情報を
    読み取る光ピックアップとを具備し、前記マスク層に光
    を照射してから光透過特性が変化するまでの期間をTr
    とした場合、0.1λ/(NA×VL )≦Tr ≦0.8
    λ/(NA×VL )(但し、λ:光波長,NA:光ピッ
    クアップの対物レンズの開口数,VL :記録ビットと光
    スポットとの相対速度)とした光記録媒体を用いたこと
    を特徴とする光記録再生装置。
  2. 【請求項2】基板上に積層された記録層と、該記録層の
    少なくとも片面側に形成され、光照射により光透過特性
    が変化するマスク層とから成り、前記マスク層に光を照
    射してから光透過特性が変化するまでの期間をTr とし
    た場合、3nsec≦Tr ≦100nsecであること
    を特徴とする光記録媒体。
JP11157788A 1999-06-04 1999-06-04 光記録再生装置及び光記録媒体 Pending JP2000348381A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11157788A JP2000348381A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 光記録再生装置及び光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11157788A JP2000348381A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 光記録再生装置及び光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000348381A true JP2000348381A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15657315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11157788A Pending JP2000348381A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 光記録再生装置及び光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000348381A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3506491B2 (ja) 光情報媒体
EP0957477A2 (en) Optical information recording medium, recording and reproducing method therefor and optical information recording and reproduction apparatus
KR0160363B1 (ko) 위상 변화형 광 디스크
JPH08124218A (ja) 光学情報記録媒体
JP2000113514A (ja) 相変化型光ディスク
US5631895A (en) Optical information recording medium
JP2812181B2 (ja) 光学的情報記録媒体
KR100336308B1 (ko) 광학정보기록매체의 기록 재생방법 및 광학정보기록매체
JP3832659B2 (ja) 光情報記録媒体、それを用いた記録方法、再生方法、光情報記録装置、および光情報再生装置
JP2001243655A (ja) 光学的情報記録媒体とその製造方法、記録再生方法及び記録再生装置
US5811217A (en) Optical information recording medium and optical information recording/reproducing method
JP3277733B2 (ja) 光ディスクへの光学的情報の記録方法および記録装置
JP3080844B2 (ja) 相変化型光ディスク
JP2001101707A (ja) 光記録媒体、光記録再生装置および光記録再生方法
JP2000190637A (ja) 光学的情報記録媒体
JP2000348381A (ja) 光記録再生装置及び光記録媒体
JP3159374B2 (ja) 光学的情報記録媒体
EP0838807A2 (en) Phase change optical disk and a method for recording and playbacking optical information on or form an optical disk
JPH11144319A (ja) 光学的情報記録媒体及び記録再生方法
JPH0917028A (ja) 光学的情報記録媒体及びその情報再生方法
JP2655093B2 (ja) 光ヘッドおよび光ディスク装置
JP2002519798A (ja) リライタブル光情報媒体
JPH08221801A (ja) 光情報記録媒体
JPH05109113A (ja) 相変化型光デイスク
JP2000190634A (ja) 光情報記録媒体