JP2000348284A - 車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2000348284A
JP2000348284A JP11159517A JP15951799A JP2000348284A JP 2000348284 A JP2000348284 A JP 2000348284A JP 11159517 A JP11159517 A JP 11159517A JP 15951799 A JP15951799 A JP 15951799A JP 2000348284 A JP2000348284 A JP 2000348284A
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徹志 池田
Koichi Ikuta
剛一 生田
Toshiyuki Tamura
俊之 田村
Kazuo Hisama
和生 久間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気の流れ等の影響を受けることなく車両の
有無を検知すること。 【解決手段】 駐車場を撮像する画像センサ30と、画
像センサ30により得られた原画像に対してエッジを抽
出しエッジ画像を得るエッジ抽出部44と、上記エッジ
画像から背景部分を除去し背景除去画像を得る背景除去
部45と、画像センサ30により得られた原画像におけ
る輝度分布を求める輝度分布計算部47と、上記背景除
去画像および輝度分布に基づいて、駐車場における車両
の有無を検知する車両検知部48とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐車場等において
車両の有無の検知を行う車両検知装置および車両検知方
法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ
読み取り可能な記録媒体に関し、特に、画像センサから
の画像データから得られる輝度分布に基づいて車両の有
無の検知を行う車両検知装置および車両検知方法ならび
に車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り
可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数の駐車領域を有する大型
駐車場や地下駐車場においては、駐車場管理者が満車ま
たは空車の状況を把握するために、駐車領域毎に車両検
知装置が設置されている。この車両検知装置は、駐車領
域に車両が駐車されているか否かを超音波を用いて検知
し、検知結果を管理室に設置された監視モニタ等に表示
させる装置である。
【0003】図16は、上述した超音波式の車両検知装
置3を示す側面図である。この図において、車両検知装
置3は、駐車場1における駐車領域1a近傍の側壁1b
に設置されており、駐車領域1aに対して水平方向に超
音波4を送信する送信機能と、超音波4が物体や反射面
により反射された反射波(後述する多重反射波または車
両反射波)を受信する受信機能を備えている。車両2が
駐車領域1aに存在しない状態において、車両検知装置
3から超音波4が送信されると、この超音波4は、駐車
場1の路面、側壁等によりそれぞれ反射され、多重反射
波として車両検知装置3に受信される。このとき、車両
検知装置3は、多重反射波を受信しているため、車両2
(検知対象)を検知していない。
【0004】そして、車両2が駐車領域1aに進入する
と、超音波4の反射条件が変化し、この超音波4は、車
両2により車両反射波として反射される。ここで、車両
検知装置3においては、上記車両反射波と多重反射波と
を区別できるようになっており、車両2が検知される。
なお、上述した従来の車両検知装置3の詳細について
は、特開平10−104361号公報を参照されたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、従来の車両検知装置3においては、超音波を送信
しこの超音波が物体や反射面に反射された反射波を利用
することで車両2の検知を行っているが、駐車場1にお
いて風等による空気の流れが存在する場合には、超音波
の伝搬条件が変化することで、反射波の受信状態が変化
し、車両2を誤検知するという問題があった。
【0006】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
空気の流れ等の影響を受けることなく、車両の有無を検
知することができる車両検知装置および車両検知方法な
らびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車両が存在し得る領域を撮像する撮像手
段と、前記撮像手段により得られる画像に基づいて前記
領域の輝度分布を求める輝度分布算出手段と、前記画像
においてエッジが抽出されたエッジ画像を得るエッジ抽
出手段と、前記エッジ画像から前記領域における背景に
対応する部分を除去し背景除去画像を得る背景除去手段
と、前記背景除去画像および前記輝度分布に基づいて、
前記領域における前記車両の有無を検知する車両検知手
段とを備えるようにしたものである。
【0008】この発明によれば、撮像手段により領域が
撮像されると、輝度分布算出手段では上記領域の輝度分
布が求められ、エッジ抽出手段では、画像におけるエッ
ジ(輪郭線)が抽出されたエッジ画像が得られる。そし
て、背景除去手段では、エッジ画像から背景に対応する
部分が除去された背景除去画像が得られる。これによ
り、車両検知手段では、背景除去画像および輝度分布に
基づいて領域における車両の有無が検知される。このよ
うに、この発明によれば、撮像手段により車両が存在し
得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有
無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受
けることなく正確に車両が検知される。
【0009】つぎの発明は、前記車両検知手段が、前記
背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布
において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素に
しめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて、
前記領域における前記車両の有無を検知するようにした
ものである。
【0010】この発明によれば、車両検知手段において
は、暗画素割合を特徴量の一つとして車両検知が行われ
ているため、たとえば、エッジ抽出に基づく車両検知を
行うことができない程度に、領域を照らす照明が暗い場
合であっても、正確に車両検知が行われる。
【0011】つぎの発明は、前記背景に対応する部分の
背景エッジ画像のデータを保持するとともに、前記画像
において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素
にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像の
データの更新の適切性を判断し、適切であると判断した
場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、
前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エ
ッジ画像に更新する保持手段を備え、前記背景除去手段
は、前記エッジ画像と前記背景エッジ画像との差分をと
ることにより前記背景除去画像を得るようにしたもので
ある。
【0012】この発明によれば、保持手段においては、
背景エッジ画像のデータが保持されているが、明画素割
合に基づいて上記データの更新の適切性が判断され、適
切であると判断されると、上記データが、車両が存在し
ないエッジ画像に更新される。このように、この発明に
よれば、明画素割合に基づいてデータの更新の適切性が
判断されているため、領域における照明条件の変動や輝
度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得
られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止
することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能
となる。
【0013】つぎの発明は、前記撮像手段により撮像さ
れる画像における平均輝度値が所定の値を維持するよう
に、前記撮像手段における露光時間を調整する時間調整
手段を備えるようにしたものである。
【0014】この発明によれば、時間調整手段により平
均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無を
検知可能な値)を維持するように露光時間が調整される
ため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良く
検知される。
【0015】つぎの発明は、前記エッジ抽出手段が、前
記エッジ画像において特定の方向のエッジを強調するよ
うにしたものである。
【0016】この発明によれば、エッジ抽出手段によ
り、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の
長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存
在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽
出され、非常に高い精度で車両の有無が検知される。
【0017】つぎの発明は、前記時間調整手段が、所定
の条件のとき、短時間となるように前記露光時間を調整
するようにしたものである。
【0018】この発明によれば、時間調整手段により、
所定の条件のとき、露光時間が短時間になるように調整
されるため、たとえば、車両のヘッドライトのような発
光体を検知することができ、この発光体の存在によっ
て、不鮮明な画像が撮像手段により得られた場合であっ
ても、少なくともヘッドライトを点灯させた車両の存在
を検知することができる。
【0019】つぎの発明は、前記保持手段が、不揮発性
メモリに前記背景エッジ画像のデータを記憶させるよう
にしたものである。
【0020】この発明によれば、不揮発性メモリに背景
エッジ画像のデータを記憶させるようにしたので、停電
やメンテナンス等により領域に車両が存在する状態で装
置の電源が切断され再び通電された場合においても、誤
動作を起こすことなく、車両検知を続行することができ
る。
【0021】つぎの発明は、前記保持手段が、前記背景
エッジ画像のデータを圧縮し、圧縮されたデータを前記
不揮発性メモリに記憶させるようにしたものである。
【0022】この発明によれば、背景エッジ画像のデー
タに対して圧縮をかけたデータを不揮発性メモリに記憶
させるようにしたので、不揮発性メモリとして記憶容量
の少ないものを用いることができる。
【0023】つぎの発明は、前記撮像手段における所定
の撮像素子が遮光されており、前記車両検知手段は、前
記遮光された前記撮像素子に対応する画素値に基づいて
前記しきい値を求めるようにしたものである。
【0024】この発明によれば、通常、気温や照度等の
変動があると、撮像素子の出力(画素値)が変動する
が、遮光された撮像素子からの出力(画素値)は、気
温、照度等の変動の影響をほどんど受けることなく安定
している。したがって、この発明によれば、遮光された
撮像素子からの画素値が周囲環境の影響を受けることな
く、確実に車両検知が行われる。
【0025】つぎの発明は、前記撮像手段により得られ
る画像から、複数の領域の境界近傍の境界部分を除去す
る境界部分除去手段を備えるようにしたものである。
【0026】この発明によれば、撮像手段で撮像される
領域が複数の領域からなる場合、境界の近傍部分に車両
の出入りのために人間が映ることで誤検出の可能性があ
るが、境界部分除去手段により、画像から上記境界の近
傍部分が除去されるため、誤検出が防止される。
【0027】つぎの発明は、前記撮像手段が、撮像され
た画像のうち、予め指定された指定領域に対応する画像
のデータを出力することを特徴とする。
【0028】この発明によれば、撮像手段により、撮像
された画像のうち、指定領域に対応する画像のデータが
出力されると、上記指定領域に関する車両検知が行われ
るため、得られた画像に関する車両検知を行う場合に比
して、検知に要する時間を短くすることができる。
【0029】つぎの発明は、前記車両検知手段が、前記
輝度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平
均輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を報知する
とともに車両検知結果を無効にするようにしたものであ
る。
【0030】この発明によれば、車両検知手段におい
て、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下
であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪
いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が
無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤
検出の可能性が排除される。
【0031】つぎの発明は、前記撮像手段により得られ
る画像を複数の領域毎に分配する画像分配手段を備え、
前記輝度分布算出手段、前記エッジ抽出手段、前記背景
除去手段および前記車両検知手段は、前記複数の領域に
対応して複数設けられており、分配された画像に基づい
て輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去および車両検知
を並列的にそれぞれ行うようにしたものである。
【0032】この発明によれば、撮像手段により、複数
の領域からなる領域が撮像されると、画像分配手段によ
り、上記撮像手段において得られた画像が、複数の領域
毎に分配される。これにより、複数設けられた、輝度分
布算出手段、エッジ抽出手段、背景除去手段および車両
検知手段においては、分配された画像に基づいて、輝度
分布計算、エッジ抽出、背景除去および車両検知が並列
的に行われる。このように、この発明によれば、車両検
知に関する処理が並列的に行われるため、高速で車両検
知が可能となる。
【0033】つぎの発明は、車両が存在し得る領域を撮
像する撮像工程と、前記撮像工程において得られる画像
に基づいて前記領域の輝度分布を求める輝度分布算出工
程と、前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像
を得るエッジ抽出工程と、前記エッジ画像から前記領域
における背景に対応する部分を除去し背景除去画像を得
る背景除去工程と、前記背景除去画像および前記輝度分
布に基づいて、前記領域における前記車両の有無を検知
する車両検知工程とを含むようにしたものである。
【0034】この発明によれば、撮像工程により領域が
撮像されると、輝度分布算出工程では上記領域の輝度分
布が求められ、エッジ抽出工程では、画像におけるエッ
ジ(輪郭線)が抽出されたエッジ画像が得られる。そし
て、背景除去工程では、エッジ画像から背景に対応する
部分が除去された背景除去画像が得られる。これによ
り、車両検知工程では、背景除去画像および輝度分布に
基づいて領域における車両の有無が検知される。このよ
うに、この発明によれば、撮像工程により車両が存在し
得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有
無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受
けることなく正確に車両が検知される。
【0035】つぎの発明は、前記車両検知工程において
は、前記背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記
輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体
の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基
づいて、前記領域における前記車両の有無を検知するよ
うにしたものである。
【0036】この発明によれば、車両検知工程において
は、暗画素割合を特徴量の一つとして車両検知が行われ
ているため、たとえば、エッジ抽出に基づく車両検知を
行うことができない程度に、領域を照らす照明が暗い場
合であっても、正確に車両検知が行われる。
【0037】つぎの発明は、前記背景に対応する部分の
背景エッジ画像のデータを保持するとともに、前記画像
において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素
にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像の
データの更新の適切性を判断し、適切であると判断した
場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、
前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エ
ッジ画像に更新する保持工程を含み、前記背景除去工程
においては、前記エッジ画像と前記背景エッジ画像との
差分をとることにより前記背景除去画像を得るようにし
たものである。
【0038】この発明によれば、保持工程においては、
背景エッジ画像のデータが保持されているが、明画素割
合に基づいて上記データの更新の適切性が判断され、適
切であると判断されると、上記データが、車両が存在し
ないエッジ画像に更新される。このように、この発明に
よれば、明画素割合に基づいてデータの更新の適切性が
判断されているため、領域における照明条件の変動や輝
度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得
られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止
することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能
となる。
【0039】つぎの発明は、前記撮像工程において撮像
される画像における平均輝度値が所定の値を維持するよ
うに、前記撮像工程における露光時間を調整する時間調
整工程を含むようにしたものである。
【0040】この発明によれば、時間調整工程により平
均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無を
検知可能な値)を維持するように露光時間が調整される
ため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良く
検知される。
【0041】つぎの発明は、前記エッジ抽出工程におい
ては、前記エッジ画像において特定の方向のエッジを強
調するようにしたものである。
【0042】この発明によれば、エッジ抽出工程によ
り、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の
長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存
在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽
出され、非常に高い精度で車両の有無が検知される。
【0043】つぎの発明は、前記時間調整工程において
は、所定の条件のとき、短時間となるように前記露光時
間を調整するようにしたものである。
【0044】この発明によれば、時間調整工程により、
所定の条件のとき、露光時間が短時間になるように調整
されるため、たとえば、車両のヘッドライトのような発
光体を検知することができ、この発光体の存在によっ
て、不鮮明な画像が撮像工程において得られた場合であ
っても、少なくともヘッドライトを点灯させた車両の存
在を検知することができる。
【0045】つぎの発明は、前記保持工程においては、
不揮発性メモリに前記背景エッジ画像のデータを記憶さ
せるようにしたものである。
【0046】この発明によれば、不揮発性メモリに背景
エッジ画像のデータを記憶させるようにしたので、停電
やメンテナンス等により領域に車両が存在する状態で装
置の電源が切断され再び通電された場合においても、誤
動作を起こすことなく、車両検知を続行することができ
る。
【0047】つぎの発明は、前記保持工程においては、
前記背景エッジ画像のデータを圧縮し、圧縮されたデー
タを前記不揮発性メモリに記憶させるようにしたもので
ある。
【0048】この発明によれば、背景エッジ画像のデー
タに対して圧縮をかけたデータを不揮発性メモリに記憶
させるようにしたので、不揮発性メモリとして記憶容量
の少ないものを用いることができる。
【0049】つぎの発明は、前記撮像工程において用い
られる複数の撮像素子のうち所定の撮像素子が遮光され
ており、前記車両検知工程においては、前記遮光された
前記撮像素子に対応する画素値に基づいて前記しきい値
を求めるようにしたものである。
【0050】この発明によれば、通常、気温や照度等の
変動があると、撮像素子の出力(画素値)が変動する
が、遮光された撮像素子からの出力(画素値)は、気
温、照度等の変動の影響をほどんど受けることなく安定
している。したがって、この発明によれば、遮光された
撮像素子からの画素値が周囲環境の影響を受けることな
く、確実に車両検知が行われる。
【0051】つぎの発明は、前記撮像工程において得ら
れる画像から、複数の領域の境界近傍の境界部分を除去
する境界部分除去工程を含むようにしたものである。
【0052】この発明によれば、撮像工程で撮像される
領域が複数の領域からなる場合、境界の近傍部分に車両
の出入りのために人間が映ることで誤検出の可能性があ
るが、境界部分除去工程により、画像から上記境界の近
傍部分が除去されるため、誤検出が防止される。
【0053】つぎの発明は、前記撮像工程においては、
撮像された画像のうち、予め指定された指定領域に対応
する画像のデータを出力するようにしたものである。
【0054】この発明によれば、撮像工程において、撮
像された画像のうち、指定領域に対応する画像のデータ
が出力されると、上記指定領域に関する車両検知が行わ
れるため、得られた画像に関する車両検知を行う場合に
比して、検知に要する時間を短くすることができる。
【0055】つぎの発明は、前記車両検知工程において
は、前記輝度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求
め、該平均輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を
報知するとともに車両検知結果を無効にするようにした
ものである。
【0056】この発明によれば、車両検知工程におい
て、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下
であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪
いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が
無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤
検出の可能性が排除される。
【0057】つぎの発明は、前記撮像工程において得ら
れる画像を複数の領域毎に分配する画像分配工程を含
み、前記輝度分布算出工程、前記エッジ抽出工程、前記
背景除去工程および前記車両検知工程は、前記複数の領
域に対応して複数の工程からなり、それぞれの前記工程
においては、分配された画像に基づいて輝度分布計算、
エッジ抽出、背景除去および車両検知を並列的に行うよ
うにしたものである。
【0058】この発明によれば、撮像工程により、複数
の領域からなる領域が撮像されると、画像分配工程によ
り、上記撮像工程において得られた画像が、複数の領域
毎に分配される。これにより、複数の工程(輝度分布算
出工程、エッジ抽出工程、背景除去工程および車両検知
工程)のそれぞれにおいては、分配された画像に基づい
て、輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去および車両検
知からなる一連の処理が行われる。このように、この発
明によれば、車両検知に関する処理が複数の工程におい
て並列的に行われるため、高速で車両検知が可能とな
る。
【0059】つぎの発明は、請求項14〜26のいずれ
か一つに記載の車両検知方法における工程をコンピュー
タに実行させるための車両検知プログラムを記録したコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明にか
かる車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体の実施の形態1〜9について詳細に説明する。
【0061】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1の概略構成を示す平面図であり、図2は、同実施の
形態1の概略構成を示す側面図である。これらの図にお
いて、駐車場10は、複数台の車両を駐車するためのス
ペースであり、この駐車場10には、図1に示した境界
線13〜境界線16により複数の駐車領域が確保されて
いる。駐車領域番号17は、駐車領域12を特定するた
めの「2」である。図1には、2台分の駐車領域11お
よび12が図示されている。この駐車領域11には、車
両20が駐車されており、一方、駐車領域12には、い
ずれの車両も駐車されていない。画像センサ30は、境
界線14の直上の天井50に取り付けられており、鉛直
方向Z1 を撮像方向として駐車領域11および駐車領域
12を撮像する。
【0062】この画像センサ30は、二次元配列された
撮像素子(たとえば、CCD(Charge Coupled Devic
e))を有しており、駐車領域11および駐車領域12
からなる2台分の駐車領域を二次元画像として撮像す
る。以下、駐車領域11および駐車領域12を撮像領域
と称する。処理装置40は、画像センサ30と同様にし
て天井50に取り付けられており、画像センサ30の撮
像結果に対して後述する各種画像処理を施した結果に基
づいて、駐車領域11および駐車領域12における車両
の有無を検知する。
【0063】ここで、図3を参照して、上述した画像セ
ンサ30および処理装置40の電気的構成について詳述
する。この図において、画像センサ30は、上述したよ
うに、図1に示した駐車領域11および駐車領域12を
原画像として撮像する。ここで、上記原画像の一例を図
4に示す。この図に示す原画像10aは、図1に示した
駐車領域11に車両20を進入させる途中であって、か
つ駐車領域12にいずれの車両も駐車していない状況が
撮像された二次元画像である。
【0064】この原画像10aは、N画素×N画素から
なり、それぞれの画素は、対応する撮像領域の輝度に応
じて、たとえば256階調とした場合、0〜255のう
ちいずれかの画素値をとる。この256階調において、
画素値0は暗レベルの最小値であり、画素値255は明
レベルの最大値である。なお、原画像10aにおいて、
駐車領域11a、駐車領域12a、境界線14a、境界
線16a、駐車領域番号17aおよび車両20aは、図
1に示した駐車領域11、駐車領域12、境界線14、
境界線16、駐車領域番号17および車両20にそれぞ
れ対応している。
【0065】ここで、図4に示した原画像10aにおい
て左上隅の画素を原点O(0,0)とするXY座標を定
義する。このXY座標において、X軸は原画像10aに
おける横方向の座標軸であり、Y軸は縦方向の座標軸で
ある。また、原画像10aにおいて右下隅の画素の座標
は、座標P(N−1、N−1)である。つまり、原画像
10aの画素数は、N画素×N画素である。ここで、X
座標の位置がX、Y座標の位置がYである画素の画素値
をI(X,Y)と定義する。
【0066】図3に戻り、動作検出部41は、画像セン
サ30の撮像領域において物体(ここでは車両)に動き
があるか否かを駐車領域11、駐車領域12毎にそれぞ
れ検出する。具体的には、動作検出部41は、現時点
(動作検出時点)より一時点前に画像センサ30により
撮像された原画像(たとえば、図4:原画像10a)
と、現時点で画像センサ30により撮像された原画像
(たとえば、図5:原画像10a’)との差分を取った
結果(たとえば、図6:差分画像10b)に基づいて、
動きを検出する。この動き検出の詳細については、後述
する。また、動作検出部41は、動き検出を終了する
と、このとき用いられた現時点の原画像のデータを一時
点前の原画像のデータとして画像データ保持部42に保
持させる。ここで保持される原画像のデータは、次回の
動き検出時に一時点前の原画像データとして用いられ
る。つまり、画像データ保持部42においては、動き検
出が行われる毎に保持されている原画像のデータが更新
される。
【0067】蓄積時間調整部43は、画像センサ30よ
り入力される原画像10a’(図5参照)における平均
輝度値が適正な値を維持するように、蓄積時間を調整す
る。ここで、平均輝度値とは、原画像10a’を構成す
るそれぞれの画素の画素値の平均値をいい、蓄積時間と
は、画像センサ30における露光時間をいう。エッジ抽
出部44は、蓄積時間調整部43から出力される原画像
のデータからエッジ(輪郭線)を抽出し、抽出結果に対
して二値化処理を施したものをエッジ画像10c(図8
参照)のデータとして出力する。このエッジ抽出部44
におけるエッジ抽出処理としては、図7に示した周知の
Laplacianのマスクを用いて、対象画素の画素値および
該対象画素に隣接する8画素の画素値のそれぞれに対し
て「8」および「−1」の重み付けを行った結果の和を
新しい画素の画素値とする処理が施される。このエッジ
抽出処理の詳細については後述する。
【0068】背景除去部45は、エッジ抽出部44から
のエッジ画像10c(図8参照)のデータから、背景エ
ッジ画像データ保持部46に予め保持されている背景エ
ッジ画像10d(図9参照)のデータを差分することに
より、エッジ画像10cから背景のエッジ画像を除去す
る。ここで、背景エッジ画像10d(図9参照)は、図
1に示した車両20が存在しない状態の駐車場10(背
景)の画像データにおいて上述したエッジ抽出された画
像が二値化処理された画像である。また、背景除去部4
5は、背景除去結果として図10に示した背景除去画像
10eのデータを出力する。この背景除去画像10eに
おいては、車両20(図1参照)のエッジ画像である車
両20eの画像のみが抽出されている。
【0069】輝度分布計算部47は、蓄積時間調整部4
3から出力される原画像のデータから、駐車領域11、
駐車領域12にそれぞれ対応する領域毎の輝度分布を求
める。ここで、駐車領域11、駐車領域12にそれぞれ
対応する領域(以下、車両存在領域と称する)の画像に
おいては、画素の画素値をi(0〜255)、同一の画
素値iをとる画素の数(以下、度数と称する)をnとす
ると、図11に示した輝度分布(濃度ヒストグラム)が
得られる。図11においては、画素値iが0に近づくし
たがって、当該画素の輝度が低く(暗く)なり、逆に画
素値iが255に近づくにしたがって、当該画素の輝度
が高く(明るく)なることを意味している。輝度分布計
算部47は、図11に示した輝度分布を画素値配列hi
st[i]=nとして、車両存在領域毎にそれぞれ求め
る。
【0070】車両検知部48は、輝度分布計算部47に
より求められた輝度分布(画素値配列hist[i]=
n)と、背景除去部45からの背景除去画像10e(図
10参照)とに基づいて、それぞれの車両存在領域(駐
車領域11、駐車領域12)に車両が存在しているか否
かの検知を行う。この車両検知部48の動作の詳細につ
いては、後述する。
【0071】つぎに、上述した実施の形態1の動作につ
いて説明する。この場合、図3に示した画像データ保持
部42には、原画像10a(図4参照)のデータが保持
されているものとする。すなわち、この場合、駐車領域
11(図1参照)には、車両20が進入しつつある。ま
た、背景エッジ画像データ保持部46には、背景エッジ
画像10d(図9参照)のデータが保持されているもの
とする。このような状態において、図1に示したように
車両20が駐車領域11に駐車された時点(現時点)に
おいて、画像センサ30により撮像領域が撮像される
と、画像センサ30からは、原画像10a’(図5参
照)のデータが動作検出部41へ出力される。
【0072】これにより、動作検出部41は、画像デー
タ保持部42から一時点前の原画像10a(図4参照)
のデータを読み出した後、現時点の原画像10a’(図
5参照)を構成する画素の画素値と、上記原画像10a
(図4参照)を構成する画素の画素値との差分の絶対値
を画素毎にそれぞれ求める。これにより、図6に示した
差分画像10bが得られる。つぎに、動作検出部41
は、上記差分画像10bを構成する画素において、画素
値が予め設定されたしきい値を超える画素の数を、車両
存在領域(駐車領域11、駐車領域12)毎に動き量と
してそれぞれ求める。この動き量は、車両存在領域にお
ける物体(ここでは、車両20)の動きの程度を表す量
である。
【0073】つぎに、動作検出部41は、車両存在領域
毎にそれぞれ求められた動き量のうち最大値をとる動き
量を撮像領域における動き量とし、この動き量がしきい
値を超えた場合、撮像領域において物体の動きを検出す
る。一方、上記動き量がしきい値以下である場合、動作
検出部41は、撮像領域において物体の動きを検出しな
い。ここで、最大値をとる動き量を利用するのは、駐車
場10における照明等のゆらぎの影響による動き量に基
づいて、誤検出することを防止するためである。以後、
動作検出部41は、画像センサ30より原画像のデータ
が入力される毎に、上述した動き検出を行う。また、動
作検出部41は、動き検出の動作を終えると、画像デー
タ保持部42に保持されている原画像データを更新す
る。
【0074】蓄積時間調整部43は、動作検出部41に
おいて動きが検出されている間、待機する。そして、図
1に示したように車両20が駐車領域11に駐車するこ
とで、動作検出部41において動きが検出されなくなる
と、動作検出部41は、画像センサ30からの原画像1
0a’(図5参照)のデータを蓄積時間調整部43へ出
力する。これにより、蓄積時間調整部43は、原画像1
0a’(図5参照)における平均輝度値が適正な値を維
持するように、蓄積時間を調整する。すなわち、蓄積時
間調整部43は、原画像10a’において車両存在領域
(駐車領域11a、駐車領域12a)のそれぞれについ
て、前述した平均輝度値をそれぞれ求める。つぎに、蓄
積時間調整部43は、求めた平均輝度値のうち最小の値
を蓄積時間の調整の基準となる基準平均輝度値とする。
ここで最小の値を基準平均輝度値とするのは、画像セン
サ30からの原画像10a’が暗すぎるために車両の検
知に失敗することを防止するためである。
【0075】つぎに、蓄積時間調整部43は、求めた基
準平均輝度値とつぎの(式1)で表される目標平均輝度
値とを比較することにより、基準平均輝度値が適正であ
るか否かを判断する。すなわち、蓄積時間調整部43
は、基準平均輝度値と目標平均輝度値との差の絶対値が
一定値以下である場合、基準平均輝度値が適正であると
判断し、平均輝度値が上記基準平均輝度値を維持するよ
うに画像センサ30における蓄積時間(露光時間)を調
整する。一方、上記絶対値が一定値を超えた場合、蓄積
時間調整部43は、基準平均輝度値が不適正であると判
断する。この場合には、車両検知ができないものとし
て、図示しないアラーム等により駐車場の管理者に報知
され、駐車場10における照明等の調整が行われる。
【0076】 目標平均輝度値=黒レベル+目標平均輝度値係数 *(白レベル−黒レベル) ・・・(式1) ここで、上記(式1)において、黒レベルとは、画像セ
ンサ30の出力(画素値)の最小値の推定値を表す定数
であり、白レベルとは、画像センサ30の出力(画素
値)のうち最大値の推定値を表す定数である。黒レベル
および白レベルは画像センサに依存して定まる。また、
目標平均輝度値係数は定数である。
【0077】この場合、蓄積時間調整部43からは、図
5に示した原画像10a’のデータが輝度分布計算部4
7およびエッジ抽出部44へそれぞれ出力されたものと
する。したがって、輝度分布計算部47は、上記原画像
10a’のデータから、車両存在領域(駐車領域11、
駐車領域12)にそれぞれ対応する画像毎の輝度分布を
前述した画素値配列hist[i]=n(図11参照)
としてそれぞれ求める。
【0078】上記輝度分布計算部47における輝度分布
の計算に並行して、エッジ抽出部44は、原画像10
a’(図5参照)を構成するそれぞれの画素(対象画
素)の画素値I(X,Y)に対して、図7に示したLapl
acianのマスクを用いて、対象画素の画素値および該対
象画素に隣接する8画素の画素値のそれぞれに対して
「8」および「−1」の重み付けを行った結果の和を新
しい画素の画素値とするエッジ抽出処理を施す。すなわ
ち、図7においては、対象画素の画素値I(X,Y)に
重み「8」が乗算され、上記対象画素にそれぞれ隣接す
る画素の画素値I(X−1,Y−1)、画素値I(X,
Y−1)、画素値I(X+1,Y−1)、画素値I(X
−1,Y)、画素値I(X+1,Y)、画素値I(X−
1,Y+1)、画素値I(X,Y+1)、画素値I(X
+1,Y+1)にそれぞれ重み「−1」が乗算される。
これら乗算結果の和は、つぎの(式2)で表されるよう
に、エッジ抽出された画素のエッジ画素値J(X,Y)
とされる。
【0079】 J(X,Y)=8*I(X,Y) −I(X−1,Y−1)−I(X,Y−1) −I(X+1,Y−1)−I(X−1,Y) −I(X+1,Y)−I(X−1,Y+1) −I(X,Y+1)−I(X+1,Y+1) ・・・(式2)
【0080】以後、エッジ抽出部44は、原画像10
a’におけるすべての画素に対して(式2)に示した演
算を行うことにより、エッジが抽出された画像を得る。
つぎに、エッジ抽出部44は、上記画像を構成する画素
の画素値としきい値とを比較することにより、二値化処
理を行うことで図8に示したエッジ画像10cを得る。
具体的には、エッジ抽出部44は、画素値がしきい値を
越える場合、当該画素の画素値を「1」とし、画素値が
しきい値以下である場合、当該画素の画素値を「0」と
することで二値化されたエッジ画像10cを得る。
【0081】つぎに背景除去部45は、エッジ抽出部4
4より入力されるエッジ画像10c(図8参照)のデー
タから、背景エッジ画像データ保持部46に保持されて
いる背景エッジ画像10d(図9参照)のデータを画素
単位でそれぞれ差分する。そして、背景除去部45は、
上記差分の結果が負の値をとる場合、背景除去画像10
eにおける当該画素の画素値を「0」とし、差分の結果
が正の値をとる場合、背景除去画像10eにおける当該
画素の画素値を「1」とする。これにより、図10に示
した背景除去画像10eが得られる。この背景除去画像
10e、画素値「0」および画素値「1」の系列から構
成されている。
【0082】つぎに、車両検知部48は、輝度分布計算
部47からの輝度分布計算結果(画素値配列hist
[i]=n)と、背景除去部45からの背景除去画像1
0e(図10参照)とに基づいて、それぞれの車両存在
領域(駐車領域11、駐車領域12)に車両が存在して
いるか否かの検知を行う。ここで、背景除去画像10e
(図10参照)の車両存在領域における縦方向(Y方
向)にそれぞれ位置する複数の画素をk列目(k=0〜
N−1)の画素列と定義する。車両検知部48は、上記
縦方向の画素中の連続する「1」の系列を、列毎にそれ
ぞれ求める。つぎに、車両検知部48は、(式3)に示
すようにk列目の各系列について系列長の二乗の合計を
求め、これをk列目の縦エッジ(k)とする。 縦エッジ(k)=Σ(k列目における「1」の系列数)2 ・・・(式3)
【0083】つぎに、車両検知部48は、(式3)から
それぞれ求められる縦エッジ(k)の総和を(式4)に
示す縦方向エッジ量として求める。 縦方向エッジ量=Σ縦エッジ(k) ・・・(式4)
【0084】つづいて、車両検知部48は、背景除去画
像10e(図10参照)の車両存在領域における列と行
とを入れ替えて、上述した(式3)および(式4)と同
様の演算を行う。すなわち、車両検知部48は、図10
における横方向(X方向)にそれぞれ位置する複数の画
素をk行目(k=0〜N−1)の画素行として、該画素
行において連続する「1」の列数を、行毎にそれぞれ求
める。つぎに、車両検知部48は、(式5)に示すよう
にk行目の各系列について系列長の二乗の合計を求め、
これをk行目の横エッジ(k)とする。 横エッジ(k)=Σ(k行目における「1」の系列数)2 ・・・(式5)
【0085】つぎに、車両検知部48は、(式5)から
それぞれ求められる横エッジ(k)の総和を(式6)に
示す横方向エッジ量として求める。 横方向エッジ量=Σ横エッジ(k) ・・・(式6)
【0086】そして、車両検知部48は、つぎの(式
7)に示すように、(式4)から求められた縦方向エッ
ジ量と、(式6)から求められた横方向エッジ量との和
を、背景除去画像10eの車両存在領域に含まれるエッ
ジ量として求める。 エッジ量=縦方向エッジ量+横方向エッジ量 ・・・(式7)
【0087】つぎに、車両検知部48は、(式8)から
暗レベルを求める。この暗レベルは、背景除去画像10
eの車両存在領域に含まれる暗画素の割合の算出に用い
られる。 暗レベル=黒レベル+暗レベル係数(=定数)*(白レベル−黒レベル) ・・・(式8)
【0088】つぎに、車両検知部48は、輝度分布計算
部47において求められた輝度分布(画素値配列his
t[i]=n)およびつぎの(式9)に基づいて、背景
除去画像10eの車両存在領域に含まれる暗画素の割合
(暗画素割合)を求める。
【数1】 上記(式9)において括弧内の分母は、画素値iが0〜
白レベルまでの画素の総数であり、括弧内の分子は、画
素値iが0〜暗レベル(式8参照)までの画素の総数で
ある。
【0089】そして、車両検知部48は、上述した(式
7)から求められたエッジ量と、(式9)から求められ
た暗画素割合との2つの量を特徴量としてあつかい、こ
れら2つの特徴量を軸とする特徴空間(直交座標系)に
おけるつぎの(式10)に示す判別式から得られる値に
基づいて、車両存在領域における車両の有無を判別す
る。 [判別式]=a1 *エッジ量+a2 *暗画素割合+c ・・・(式10) ただし、(式10)においてa1 、a2 およびcはそれ
ぞれ定数である。
【0090】すなわち、車両検知部48は、(式10)
の判別式から得られる値が正であるとき、車両存在領域
に車両が存在していると判断する。上記値が非正である
とき、車両存在領域に車両が存在しないと判断する。こ
こで、車両存在領域に車両が存在しないと判断された場
合に限り、車両検知部48は、(式11)から明レベル
を求める。この明レベルは、背景除去画像10eの車両
存在領域に含まれる明画素の割合の算出に用いられる。 明レベル=白レベル−明レベル係数(=定数)*(白レベル−黒レベル) ・・・(式11)
【0091】つぎに、車両検知部48は、輝度分布計算
部47において求められた輝度分布(画素値配列his
t[i]=n)およびつぎの(式12)に基づいて背景
除去画像10eの車両存在領域に含まれる明画素の割合
(明画素割合)を求める。
【数2】 上記(式12)において括弧内の分母は、画素値iが0
〜白レベルまでの画素の総数であり、括弧内の分子は、
画素値iが明レベル(式11参照)〜白レベルまでの画
素の総数である。
【0092】また、装置の起動後においては、蓄積時間
調整部43により蓄積時間調整が行われた画像の車両存
在領域に含まれる明画素割合(以下、起動後明画素割合
と称する)が、車両検知部48により、上述した(式1
1)および(式12)から求められているものとする。
この場合、車両検知部48は、上記起動後明画素割合
と、上述した明画素割合との差がしきい値以内のとき、
背景エッジ画像データ保持部46に保持されている背景
エッジ画像10dのデータにおいて該当する車両存在領
域部分を、エッジ抽出部44からのエッジ画像10cの
データにおいて該当する車両存在領域部分に置換する。
【0093】すなわち、この場合には、上記差をしきい
値と比較することにより、背景エッジ画像データ保持部
46における背景エッジ画像10dのデータ更新の適切
性が判断されているため、照明条件の変動や車両存在領
域毎の輝度分布の相違等によって背景として適切でない
画像が得られている場合に、背景エッジ画像のデータ更
新を抑止することができ、精度の高い車両検知を行うこ
とが可能となる。
【0094】以上説明したように、上述した実施の形態
1によれば、画像センサ30により駐車領域11および
駐車領域12を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両
の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響
を受けることなく正確に車両の有無を検知することがで
きる。また、実施の形態1によれば、暗画素割合(式9
参照)に基づいて、車両検知を行っているため、通常の
エッジ抽出に基づく車両検知を行うことができない程度
に照明が暗い場合であっても、正確に車両検知を行うこ
とができる。照明が比較的明るい場合には、蓄積時間調
整部43における蓄積時間を短くすることができるた
め、車両の検知速度を高速化することができる。
【0095】なお、上述した実施の形態1においては、
車両存在領域として図1に示した駐車領域11および駐
車領域12という2つの領域に関して車両検知を行う例
について説明したが、車両存在領域の数は3つ以上であ
っても、2つの場合と同様の効果が得られる。また、上
述した実施の形態1においては、図2に示したように画
像センサ30の撮像方向を鉛直方向Z1 とした例につい
て説明したが、これに限られることなく、図12に示し
たように画像センサ30の取り付け位置をずらすことに
より、撮像方向を上記鉛直方向Z1 以外の斜め方向Z2
としてもよい。
【0096】実施の形態2.さて、前述した実施の形態
1においては、図3に示したエッジ抽出部44において
エッジ抽出処理を行う例について説明したが、このエッ
ジ抽出処理が行われた画像に対してさらにエッジを強調
するエッジ強調処理を行うようにしてもよい。この場合
を実施の形態2として以下に説明する。この実施の形態
2において、図3に示したエッジ抽出部44は、前述し
た(式2)に基づくエッジ抽出処理を行い、エッジ画素
値J(X,Y)を求めた後、つぎのエッジ強調処理を行
う。
【0097】エッジ強調処理において、エッジ抽出部4
4は、エッジ画素値J(X,Y)に関してつぎの条件1
〜条件3を全て満たすか否かを画素毎に判断する。 (条件1) J(X-1,Y-1) < J(X,Y-1) > J(X+1,Y-1) (条件2) J(X-1,Y) < J(X,Y) > J(X+1,Y) (条件3) J(X-1,Y+1) < J(X,Y+1) > J(X+1,Y+1) ただし、上記判断において、Jの括弧内の値(座標)が
定義域(0〜N−1)以外である場合には、当該エッジ
画素値J(X,Y)は、上記(条件1)〜(条件3)の
全てを満たすものとみなされる。
【0098】そして、エッジ抽出部44は、上記(条件
1)〜(条件3)の全てを満たす場合、つぎの(式1
3)に示すように、当該エッジ画素値J(X,Y)に定
数lift_widthを加算した結果を、エッジ強調された画素
のエッジ画素値J(X,Y)とする演算を行う。 J(X,Y)←J(X,Y)+lift_width ・・・(式13)
【0099】ただし、加算した結果が画素値の最大値
(たとえば、255)を越える場合、エッジ抽出部44
は、エッジ画素値J(X,Y)を上記最大値とする。以
後、エッジ抽出部44は、各画素に対してエッジ強調処
理を施す。このエッジ強調処理は、図8に示した車両2
0c(車両存在領域)の長手方向(Y方向)のエッジを
強調する処理である。そして、エッジ抽出部44は、前
述した二値化処理をエッジ強調された画像に対して行
う。以後、前述した実施の形態1において説明した動作
が行われる。
【0100】以上説明したように、上述した実施の形態
2によれば、車両存在領域における長手方向のエッジを
強調するようにしたので、車両が存在する場合に車両の
前後方向のエッジが効果的に抽出されるため、高精度で
車両検知を行うことができる。
【0101】実施の形態3.つぎに、本発明の実施の形
態3について説明する。この実施の形態3における基本
的な構成は、前述した実施の形態1の構成と同じであ
る。ただし、実施の形態3において、図3に示した輝度
分布計算部47は、前述した輝度分布を求めた後に、つ
ぎの(式14)から飽和レベル量を求める。
【数3】 上記(式14)において、飽和レベル量は、画素値配列
hist[i]=n(図11参照)において、画素値i
が飽和レベル(c=定数)から白レベルまでの画素の総
和である。
【0102】そして、輝度分布計算部47は、上記飽和
レベル量としきい値とを比較し、飽和レベル量がしきい
値を越える場合、蓄積時間調整部43における蓄積時間
を短時間に設定する。ここで、飽和レベル量がしきい値
を越えるケースとしては、車両存在領域に発光体(車両
のヘッドライト)が存在する場合である。また、上記蓄
積時間を短時間に設定することにより、上記発光体のみ
が映った原画像が得られる。この場合、上記原画像に基
づいて、前述した実施の形態1と同様にして、輝度分布
計算部47は、車両存在領域毎の輝度分布を求めた後、
(式14)から飽和レベル量を求める。この飽和レベル
量が別のしきい値を越える場合、車両検知部48は、車
両存在領域において発光体(たとえば、ヘッドライト)
を検知する。
【0103】以上説明したように、実施の形態3によれ
ば、飽和レベル量がしきい値を越えるとき、蓄積時間を
短時間に設定するようにしたため、車両のヘッドライト
のような発光体を検知することができ、この発光体の存
在によって、以後の処理に適さない不鮮明な画像が画像
センサ30により得られた場合であっても、少なくとも
ヘッドライトを点灯させた車両の存在を検知することが
できる。
【0104】実施の形態4.さて、前述した実施の形態
1においては、図3に示した背景エッジ画像データ保持
部46におけるメモリの種類について特に言及しなかっ
たが、この背景エッジ画像データ保持部46として、電
源を切断しても保持内容が失われない不揮発性メモリを
備えるものを用いてもよい。この場合を実施の形態4と
して以下に説明する。実施の形態4において、背景エッ
ジ画像データ保持部46は、起動時に背景エッジ画像の
データを上記不揮発性メモリに記憶させ、さらに起動後
においては、定期的に上記背景エッジ画像のデータを更
新する。また、実施の形態4においては、背景エッジ画
像のデータに対して周知のランレングス符号化処理を施
した圧縮データを、不揮発性メモリに記憶させるように
してもよい。なお、実施の形態4においては、ランレン
グス符号化処理に限られることなく他の処理によりデー
タ圧縮を行うようにしてもよい。
【0105】以上説明したように、上述した実施の形態
4によれば、不揮発性メモリに背景エッジ画像のデータ
を記憶させるようにしたので、停電やメンテナンス等に
より車両存在領域に車両が存在する状態で装置の電源が
切断され再び通電された場合においても、誤動作を起こ
すことなく、車両検知を続行することができる。また、
実施の形態4によれば、背景エッジ画像のデータに対し
て圧縮をかけた圧縮データを不揮発性メモリに記憶させ
るようにしたので、不揮発性メモリとして記憶容量の少
ないものを用いることができる。
【0106】実施の形態5.さて、前述した実施の形態
1においては、(式1)および(式8)の黒レベルとし
て、画像センサ30の出力(画素値)のうち最小の画素
値を用いた例について説明したが、これに限定されな
い。すなわち、別の構成例としては、画像センサ30を
構成する複数の撮像素子のうち所定の複数の撮像素子
(以下、遮光撮像素子と称する)をそれぞれ外光から遮
光し、これら複数の遮光撮像素子から得られる画素値
(以下、遮光画素値と称する)の平均値(以下、平均遮
光画素値)を上記黒レベルとして(式1)および(式
8)から目標平均輝度値および暗レベルを求めるように
してもよい。この場合を実施の形態5として説明する。
【0107】この実施の形態5において、複数の遮光画
素値から得られる平均遮光画素値が黒レベルとして用い
られる。この場合、蓄積時間調整部43は、平均遮光画
素値値を黒レベルとして(式1)に基づいて、目標平均
輝度値を計算し、同様にして、車両検知部48は、平均
遮光画素値を黒レベルとして、(式8)に基づいて、暗
レベルを計算する。
【0108】ここで、前述した実施の形態1において
は、通常、気温等の変動があると、画像センサ30にお
ける撮像素子の出力(画素値)が変動し、特に最小の画
素値も変動する。従って、黒レベルを定数とすると上記
の値の変動を反映できず、黒レベルは最小の画素値の正
しい推定値ではなくなる可能性がある。これに対して、
実施の形態5によれば、遮光撮像素子の出力(遮光画素
値)は画像センサ30における撮像素子の出力(画素
値)に追従して変動するため、その平均値を求めること
により、黒レベルの正しい推定値を得ることができる。
したがって、実施の形態5によれば、(式1)および
(式8)から得られる目標平均輝度値および暗レベル
は、画像センサ30における撮像素子の出力の変動に応
じて正しく設定されるため、気温等の変化を受けること
なく、確実に車両検知を行うことができる。
【0109】実施の形態6.さて、前述した実施の形態
1においては、図3に示した背景除去部45により図8
に示したエッジ画像10cから図9に示した背景エッジ
画像10dを差分することにより、背景のエッジ画像が
除去された背景除去画像10e(図10参照)を得る場
合について説明した。この方法は、エッジ画像10c
(図8参照)に含まれる背景のエッジ画像と、背景エッ
ジ画像10dとが画素単位で一対一で対応する場合に
は、完全に背景のエッジ画像が除去された背景除去画像
10eを得ることができる。
【0110】しかしながら、図8に示した境界線14c
および境界線16cと、図9に示した背景エッジ画像1
0dにおける上記境界線14cおよび境界線16cに対
応する部分とがずれている場合、このずれ分の線画像が
背景除去画像10eに残ってしまい、誤検出の要因とな
る。さらに、図8に示した境界線14cおよび境界線1
6cの近傍部分には、車両に出入りする人間の画像が映
る場合があり、この場合にも、人間の画像が誤検出の要
因となり得る。以下に説明する実施の形態6は、上述し
た要因を除去して、誤検出を防止するためのものであ
る。
【0111】この実施の形態6においては、蓄積時間調
整部43(図3参照)は、画像センサ30からの原画像
10a(図13参照)から、境界線14aおよび境界線
16aを含む境界部分19aを除去した画像のデータを
エッジ抽出部44および輝度分布計算部47へ出力す
る。この場合、蓄積時間調整部43には、除去すべき境
界部分19aを構成する画素の座標情報が予め設定され
ている。以後、エッジ抽出部44および輝度分布計算部
47においては、前述した実施の形態1と同様の動作が
行われる。
【0112】以上説明したように、上述した実施の形態
6によれば、画像センサ30により得られた原画像か
ら、誤検出の要因となり得る境界部分19aを除去した
画像に基づいて、車両検知が行われるので、境界線や人
間等の影響による誤検出を防止することができる。
【0113】実施の形態7.さて、前述した実施の形態
1においては、画像センサ30により2つの車両存在領
域を撮像し、この2つの車両存在領域を含む原画像のデ
ータに対して、1つのエッジ抽出部44および輝度分布
計算部47を用いて、エッジ抽出処理および輝度分布計
算を行う例について説明したが、図14に示した構成を
とることで、車両存在領域毎にエッジ抽出処理および輝
度分布計算を並列的に行うようにしてもよい。この場合
を実施の形態7として説明する。
【0114】図14に示した車両検知装置は、画像セン
サ30、画像データ分配部60、処理装置40aおよび
処理装置40bから構成されている。画像データ分配部
60は、図3に示した動作検出部41、画像データ保持
部42および蓄積時間調整部43のそれぞれの機能に加
えて、つぎのような機能を備えている。すなわち、画像
データ分配部60は、画像センサ30により得られた原
画像のデータをバッファメモリ(図示略)に一時的に記
憶させて、原画像を、2つの車両存在領域にそれぞれ対
応する2つの原画像のデータに分配する機能を備えてい
る。また、画像データ分配部60は、分配された一方の
原画像(以下、分配原画像と称する)のデータを処理装
置40aへ出力するとともに、他方の分配原画像のデー
タを処理装置40bへ出力する。
【0115】処理装置40aは、エッジ抽出部44a、
背景除去部45a、背景エッジ画像データ保持部46
a、輝度分布計算部47aおよび車両検知部48aから
構成されており、一方の分配原画像のデータに基づい
て、一方の車両存在領域に関する車両検知を行う。ここ
で、処理装置40aを構成するエッジ抽出部44a、背
景除去部45a等の基本的な機能は、図3に示したエッ
ジ抽出部44、背景除去部45等の機能と同様である。
ただし、背景エッジ画像データ保持部46aには、一方
の車両存在領域に関する背景エッジ画像のデータが保持
されている。
【0116】同様にして、処理装置40bは、エッジ抽
出部44b、背景除去部45b、背景エッジ画像データ
保持部46b、輝度分布計算部47bおよび車両検知部
48bから構成されており、他方の分配原画像のデータ
に基づいて、他方の車両存在領域に関する車両検知を行
う。ここで、処理装置40bを構成するエッジ抽出部4
4b、背景除去部45b等の基本的な機能は、図3に示
したエッジ抽出部44、背景除去部45等の機能と同様
である。ただし、背景エッジ画像データ保持部46bに
は、他方の車両存在領域に関する背景エッジ画像のデー
タが保持されている。
【0117】上記構成において、画像センサ30により
2つの車両存在領域を含む原画像が撮像されると、この
原画像のデータは、画像データ分配部60により2つの
分配原画像のデータにそれぞれ分配される。そして、一
方の分配原画像のデータは、処理装置40aのエッジ抽
出部44aおよび輝度分布計算部47aにそれぞれ入力
される。これと同時に、他方の分配原画像のデータは、
処理装置40bのエッジ抽出部44bおよび輝度分布計
算部47bにそれぞれ入力される。以後、前述した実施
の形態1と同様にして、処理装置40aと処理装置40
bにおいて2つの車両存在領域に関する車両検知が並列
的にそれぞれ行われる。
【0118】以上説明したように、上述した実施の形態
7によれば、処理装置40aおよび処理装置40bによ
り2つの車両存在領域に関する車両検知の処理を並列的
に行うようにしたので、高速に車両検知を行うことがで
きる。
【0119】なお、上述した実施の形態7においては、
処理装置40aおよび処理装置40bを2つ設けた構成
例について説明したが、同様の処理装置を3つ以上設け
て、3つ以上の車両存在領域に関する車両検知の処理を
並列的に行うようにしても、上述した効果と同様の効果
が得られる。さらに、上述した実施の形態7において
は、画像データ分配部60に設けられたバッファに原画
像のデータを記憶させた後に、分配原画像のデータを出
力させる例について説明したが、バッファを用いること
なく、1つの車両存在領域に相当する原画像のデータが
得られた時点で、これを分配原画像のデータとして出力
するようにしてもよい。
【0120】実施の形態8.さて、前述した実施の形態
1においては、画像センサ30により撮像された2つの
車両存在領域を含む原画像のデータを処理装置40へ出
力する例について説明したが、画像センサ30に任意の
領域のみを含む原画像のデータを出力するランダムアク
セス機能を備えるようにしてもよい。この場合を実施の
形態8として説明する。
【0121】この実施の形態8において、上記任意の領
域を指定する情報は、予め画像センサ30に設定されて
いる。たとえば、任意の領域として、2つの車両存在領
域のうち一方の車両存在領域が指定された場合、画像セ
ンサ30は、撮像した原画像のうち、上記一方の車両存
在領域のみからなる原画像のデータを処理装置40へ出
力する。ここで、上記ランダムアクセス機能を用いる場
合としては、たとえば、2つの車両存在領域のうち、1
つの車両存在領域に対応する駐車領域12(図1参照)
が閉鎖され、もう一つの車両存在領域に対応する駐車領
域11が使用されている場合が考えられる。
【0122】このように、画像センサ30にランダムア
クセス機能を持たせることで、指定された車両存在領域
における車両の有無を検知することが可能となる。ま
た、上述した実施の形態8によれば、一方の車両存在領
域のみからなる原画像のデータに対して、前述したエッ
ジ抽出処理や輝度分布計算を行えばよいため、おのずと
2つの車両存在領域からなる原画像の場合に比して、検
知に要する時間を短くすることができる。
【0123】なお、実施の形態8においては、画像セン
サ30からの2つの車両存在領域を含む原画像のうち、
動作検出部41により動きが検出された当該車両存在領
域のみの原画像のデータを蓄積時間調整部43へ出力す
るようにしてもよい。
【0124】実施の形態9.さて、前述した実施の形態
1においては、図3に示した車両検知部48で車両存在
領域毎に、画素値配列hist[i]=nから輝度値
(画素値)の平均値(以下、平均輝度値と称する)を求
めるようにしてもよい。この場合を実施の形態9として
説明する。この実施の形態9において、車両検知部48
は、前述した一連の計算を終了した後に、上記平均輝度
値を求める。つぎに、車両検知部48は、上記平均輝度
値とつぎの(式15)から求められる平均輝度しきい値
とを比較する。 平均輝度しきい値=黒レベル+最低輝度係数 *(白レベル−黒レベル) ・・・(式15) ただし、(式15)において、最低輝度係数は定数であ
る。
【0125】つづいて車両検知部48は、平均輝度値が
平均輝度しきい値以下である場合、駐車場10(図1参
照)の駐車領域11および駐車領域12(車両存在領
域)の輝度が低い、すなわち駐車場10における照明条
件が悪いと判断し、車両検知結果を無効にする。このよ
うに判断された場合には、誤検知の可能性があるため、
車両検知部48は、正確に車両検知ができない旨を管理
者に報知する。これにより、管理者は、駐車領域11お
よび駐車領域12の輝度が高くなるように、駐車場10
における照明の増設や照明位置の変更を行う。
【0126】以上説明したように、上述した実施の形態
9によれば、車両存在領域における平均輝度値が平均輝
度しきい値以下であるとき、車両検知結果を無効にする
ようにしたので、誤検出の可能性を排除することができ
る。
【0127】以上本発明の実施の形態1〜9について図
面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの実
施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
たとえば、前述した実施の形態1〜9においては、車両
の有無を検知する機能を実現するための車両検知プログ
ラムを図15に示したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体80に記録して、この記録媒体80に記録された車
両検知プログラムを同図に示したコンピュータ70に読
み込ませ、実行することにより前述した機能を実現する
ようにしてもよい。
【0128】図15に示したコンピュータ70は、上記
車両検知プログラムを実行するCPU(Central Proces
sing Unit)71と、キーボード、マウス等の入力装置
72と、各種データを記憶するROM(Read Only Memo
ry)73と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Rand
om Access Memory)74と、記録媒体80から車両検知
プログラムを読み取る読取装置75と、ディスプレイ、
プリンタ等の出力装置76と、装置各部を接続するバス
BUとから構成されている。
【0129】上記CPU71は、読取装置75を経由し
て記録媒体80に記録されている車両検知プログラムを
読み込んだ後、この車両検知プログラムを実行すること
により、前述したエッジ抽出や背景除去等の処理を実行
する。なお、記録媒体80には、光ディスク、フロッピ
ーディスク、ハードディスク等の可搬型の記録媒体が含
まれることはもとより、ネットワークのようにデータを
一時的に記録保持するような伝送媒体も含まれる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
撮像手段により車両が存在し得る領域を撮像し、この撮
像結果に基づいて、車両の有無を検知するようにしたの
で、空気の流れ等の影響を受けることなく正確に車両が
検知されるという効果を奏する。
【0131】つぎの発明によれば、車両検知手段におい
ては、暗画素割合を特徴量の一つとして車両検知が行わ
れているため、たとえば、エッジ抽出に基づく車両検知
を行うことができない程度に、領域を照らす照明が暗い
場合であっても、正確に車両検知を行うことができると
いう効果を奏する。
【0132】つぎの発明によれば、明画素割合に基づい
てデータの更新の適切性が判断されているため、領域に
おける照明条件の変動や輝度分布の相違等によって背景
として適切でない画像が得られている場合に、背景エッ
ジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い
車両検知を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0133】つぎの発明によれば、時間調整手段により
平均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無
を検知可能な値)を維持するように露光時間が調整され
るため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良
く検知することができるという効果を奏する。
【0134】つぎの発明によれば、エッジ抽出手段によ
り、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の
長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存
在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽
出され、非常に高い精度で車両の有無が検知されるとい
う効果を奏する。
【0135】つぎの発明によれば、時間調整手段によ
り、所定の条件のとき、露光時間が短時間になるように
調整されるため、たとえば、車両のヘッドライトのよう
な発光体を検知することができ、この発光体の存在によ
って、不鮮明な画像が撮像手段により得られた場合であ
っても、少なくともヘッドライトを点灯させた車両の存
在を検知することができるという効果を奏する。
【0136】つぎの発明によれば、不揮発性メモリに背
景エッジ画像のデータを記憶させるようにしたので、停
電やメンテナンス等により領域に車両が存在する状態で
装置の電源が切断され再び通電された場合においても、
誤動作を起こすことなく、車両検知を続行することがで
きるという効果を奏する。
【0137】つぎの発明によれば、背景エッジ画像のデ
ータに対して圧縮をかけたデータを不揮発性メモリに記
憶させるようにしたので、不揮発性メモリとして記憶容
量の少ないものを用いることができるという効果を奏す
る。
【0138】つぎの発明によれば、通常、気温や照度等
の変動があると、撮像素子の出力(画素値)が変動する
が、遮光された撮像素子からの出力(画素値)は、気
温、照度等の変動の影響をほどんど受けることなく安定
していることから、遮光された撮像素子からの画素値が
周囲環境の影響を受けることなく、確実に車両検知を行
うことができるという効果を奏する。
【0139】つぎの発明によれば、撮像手段で撮像され
る領域が複数の領域からなる場合、境界の近傍部分に車
両の出入りのために人間が映ることで誤検出の可能性が
あるが、境界部分除去手段により、画像から上記境界の
近傍部分が除去されるため、誤検出が防止されるという
効果を奏する。
【0140】つぎの発明によれば、撮像手段により、撮
像された画像のうち、指定領域に対応する画像のデータ
が出力されると、上記指定領域に関する車両検知が行わ
れるため、得られた画像に関する車両検知を行う場合に
比して、検知に要する時間を短くすることができるとい
う効果を奏する。
【0141】つぎの発明によれば、車両検知手段におい
て、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下
であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪
いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が
無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤
検出の可能性を排除することができるという効果を奏す
る。
【0142】つぎの発明によれば、複数設けられた、輝
度分布算出手段、エッジ抽出手段、背景除去手段および
車両検知手段において、分配された画像に基づいて、輝
度分布計算、エッジ抽出、背景除去および車両検知を並
列的に行うようにしたので、高速で車両検知が可能にな
るという効果を奏する。
【0143】つぎの発明によれば、撮像工程により車両
が存在し得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、
車両の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の
影響を受けることなく正確に車両が検知されるという効
果を奏する。
【0144】つぎの発明によれば、車両検知工程におい
ては、暗画素割合を特徴量の一つとして車両検知が行わ
れているため、たとえば、エッジ抽出に基づく車両検知
を行うことができない程度に、領域を照らす照明が暗い
場合であっても、正確に車両検知が行われるという効果
を奏する。
【0145】つぎの発明によれば、明画素割合に基づい
てデータの更新の適切性が判断されているため、領域に
おける照明条件の変動や輝度分布の相違等によって背景
として適切でない画像が得られている場合に、背景エッ
ジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い
車両検知を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0146】つぎの発明によれば、時間調整工程により
平均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無
を検知可能な値)を維持するように露光時間が調整され
るため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良
く検知されるという効果を奏する。
【0147】つぎの発明によれば、エッジ抽出工程によ
り、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の
長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存
在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽
出され、非常に高い精度で車両の有無が検知されるとい
う効果を奏する。
【0148】つぎの発明によれば、時間調整工程によ
り、所定の条件のとき、露光時間が短時間になるように
調整されるため、たとえば、車両のヘッドライトのよう
な発光体を検知することができ、この発光体の存在によ
って、不鮮明な画像が撮像工程において得られた場合で
あっても、少なくともヘッドライトを点灯させた車両の
存在を検知することができるという効果を奏する。
【0149】つぎの発明によれば、不揮発性メモリに背
景エッジ画像のデータを記憶させるようにしたので、停
電やメンテナンス等により領域に車両が存在する状態で
装置の電源が切断され再び通電された場合においても、
誤動作を起こすことなく、車両検知を続行することがで
きるという効果を奏する。
【0150】つぎの発明によれば、背景エッジ画像のデ
ータに対して圧縮をかけたデータを不揮発性メモリに記
憶させるようにしたので、不揮発性メモリとして記憶容
量の少ないものを用いることができるという効果を奏す
る。
【0151】つぎの発明によれば、通常、気温や照度等
の変動があると、撮像素子の出力(画素値)が変動する
が、遮光された撮像素子からの出力(画素値)は、気
温、照度等の変動の影響をほどんど受けることなく安定
しているため、遮光された撮像素子からの画素値が周囲
環境の影響を受けることなく、確実に車両検知が行われ
るという効果を奏する。
【0152】つぎの発明によれば、撮像工程で撮像され
る領域が複数の領域からなる場合、境界の近傍部分に車
両の出入りのために人間が映ることで誤検出の可能性が
あるが、境界部分除去工程により、画像から上記境界の
近傍部分が除去されるため、誤検出が防止されるという
効果を奏する。
【0153】つぎの発明によれば、撮像工程において、
撮像された画像のうち、指定領域に対応する画像のデー
タが出力されると、上記指定領域に関する車両検知が行
われるため、得られた画像に関する車両検知を行う場合
に比して、検知に要する時間を短くすることができると
いう効果を奏する。
【0154】つぎの発明によれば、車両検知工程におい
て、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下
であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪
いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が
無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤
検出の可能性が排除されるという効果を奏する。
【0155】つぎの発明によれば、複数の工程(輝度分
布算出工程、エッジ抽出工程、背景除去工程および車両
検知工程)のそれぞれにおいて、分配された画像に基づ
いて、輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去および車両
検知からなる一連の処理が並列的に行われるようにした
ので、高速で車両検知が可能になるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる実施の形態1の概略構成を示
す平面図である。
【図2】 同実施の形態1の概略構成を示す側面図であ
る。
【図3】 同実施の形態1の電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】 図1に示した画像センサ30により撮像され
た原画像10aを示す図である。
【図5】 図1に示した画像センサ30により撮像され
た原画像10a’を示す図である。
【図6】 同実施の形態1における差分画像10bを示
す図である。
【図7】 図3に示したエッジ抽出部44におけるエッ
ジ抽出処理を説明する図である。
【図8】 図3に示したエッジ抽出部44により得られ
るエッジ画像10cを示す図である。
【図9】 同実施の形態1における背景エッジ画像10
dを示す図である。
【図10】 同実施の形態1における背景除去画像10
eを示す図である。
【図11】 同実施の形態1における画像の輝度分布を
示す図である。
【図12】 同実施の形態1の変形例を示す側面図であ
る。
【図13】 本発明にかかる実施の形態6における原画
像10aを示す図である。
【図14】 本発明にかかる実施の形態7の電気的構成
を示すブロック図である。
【図15】 本発明にかかる実施の形態1〜9の変形例
を示すブロック図である。
【図16】 従来における車両検知装置を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
10 駐車場、11、12 駐車領域、20 車両、3
0 画像センサ、40処理装置、43 蓄積時間調整
部、44 エッジ抽出部、45 背景除去部、46 背
景エッジ画像データ保持部、47 輝度分布計算部、4
8 車両検知部、44a、44b エッジ抽出部、45
a、45b 背景除去部、46a、46b 背景エッジ
画像データ保持部、47a、47b 輝度分布計算部、
48a、48b 車両検知部、40b、44b 処理装
置、60 画像データ分配部、70 コンピュータ、8
0 記録媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 俊之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 久間 和生 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA16 BA15 BA30 CG04 CH11 DA02 DB02 DB09 DC16 DC23 5H180 AA01 CC04 CC24 KK01 KK08 5L096 AA06 BA04 FA06 FA37 GA51

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両が存在し得る領域を撮像する撮像手
    段と、 前記撮像手段により得られる画像に基づいて前記領域の
    輝度分布を求める輝度分布算出手段と、 前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像を得る
    エッジ抽出手段と、 前記エッジ画像から前記領域における背景に対応する部
    分を除去し背景除去画像を得る背景除去手段と、 前記背景除去画像および前記輝度分布に基づいて、前記
    領域における前記車両の有無を検知する車両検知手段
    と、 を備えることを特徴とする車両検知装置。
  2. 【請求項2】 前記車両検知手段は、前記背景除去画像
    に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素
    値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素
    割合とからなる2つの特徴量に基づいて、前記領域にお
    ける前記車両の有無を検知することを特徴とする請求項
    1に記載の車両検知装置。
  3. 【請求項3】 前記背景に対応する部分の背景エッジ画
    像のデータを保持するとともに、前記画像において画素
    値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画
    素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新
    の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持さ
    れている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存
    在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更
    新する保持手段を備え、前記背景除去手段は、前記エッ
    ジ画像と前記背景エッジ画像との差分をとることにより
    前記背景除去画像を得ることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の車両検知装置。
  4. 【請求項4】 前記撮像手段により撮像される画像にお
    ける平均輝度値が所定の値を維持するように、前記撮像
    手段における露光時間を調整する時間調整手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の
    車両検知装置。
  5. 【請求項5】 前記エッジ抽出手段は、前記エッジ画像
    において特定の方向のエッジを強調することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両検知装置。
  6. 【請求項6】 前記時間調整手段は、所定の条件のと
    き、短時間となるように前記露光時間を調整することを
    特徴とする請求項4に記載の車両検知装置。
  7. 【請求項7】 前記保持手段は、不揮発性メモリに前記
    背景エッジ画像のデータを記憶させることを特徴とする
    請求項3に記載の車両検知装置。
  8. 【請求項8】 前記保持手段は、前記背景エッジ画像の
    データを圧縮し、圧縮されたデータを前記不揮発性メモ
    リに記憶させることを特徴とする請求項7に記載の車両
    検知装置。
  9. 【請求項9】 前記撮像手段における所定の撮像素子が
    遮光されており、前記車両検知手段は、前記遮光された
    前記撮像素子に対応する画素値に基づいて前記しきい値
    を求めることを特徴とする請求項2に記載の車両検知装
    置。
  10. 【請求項10】 前記撮像手段により得られる画像か
    ら、複数の領域の境界近傍の境界部分を除去する境界部
    分除去手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の
    車両検知装置。
  11. 【請求項11】 前記撮像手段は、撮像された画像のう
    ち、予め指定された指定領域に対応する画像のデータを
    出力することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装
    置。
  12. 【請求項12】 前記車両検知手段は、前記輝度分布に
    基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平均輝度値が
    しきい値以下であるとき、その旨を報知するとともに車
    両検知結果を無効にすることを特徴とする請求項1に記
    載の車両検知装置。
  13. 【請求項13】 前記撮像手段により得られる画像を複
    数の領域毎に分配する画像分配手段を備え、前記輝度分
    布算出手段、前記エッジ抽出手段、前記背景除去手段お
    よび前記車両検知手段は、前記複数の領域に対応して複
    数設けられており、分配された画像に基づいて輝度分布
    計算、エッジ抽出、背景除去および車両検知を並列的に
    それぞれ行うことを特徴とする請求項1に記載の車両検
    知装置。
  14. 【請求項14】 車両が存在し得る領域を撮像する撮像
    工程と、 前記撮像工程において得られる画像に基づいて前記領域
    の輝度分布を求める輝度分布算出工程と、 前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像を得る
    エッジ抽出工程と、 前記エッジ画像から前記領域における背景に対応する部
    分を除去し背景除去画像を得る背景除去工程と、 前記背景除去画像および前記輝度分布に基づいて、前記
    領域における前記車両の有無を検知する車両検知工程
    と、 を含むことを特徴とする車両検知方法。
  15. 【請求項15】 前記車両検知工程においては、前記背
    景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布に
    おいて画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にし
    める暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて、前
    記領域における前記車両の有無を検知することを特徴と
    する請求項14に記載の車両検知方法。
  16. 【請求項16】 前記背景に対応する部分の背景エッジ
    画像のデータを保持するとともに、前記画像において画
    素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明
    画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更
    新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持
    されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が
    存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に
    更新する保持工程を含み、前記背景除去工程において
    は、前記エッジ画像と前記背景エッジ画像との差分をと
    ることにより前記背景除去画像を得ることを特徴とする
    請求項14または15に記載の車両検知方法。
  17. 【請求項17】 前記撮像工程において撮像される画像
    における平均輝度値が所定の値を維持するように、前記
    撮像工程における露光時間を調整する時間調整工程を含
    むことを特徴とする請求項14〜16のいずれか一つに
    記載の車両検知方法。
  18. 【請求項18】 前記エッジ抽出工程においては、前記
    エッジ画像において特定の方向のエッジを強調すること
    を特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の
    車両検知方法。
  19. 【請求項19】 前記時間調整工程においては、所定の
    条件のとき、短時間となるように前記露光時間を調整す
    ることを特徴とする請求項17に記載の車両検知方法。
  20. 【請求項20】 前記保持工程においては、不揮発性メ
    モリに前記背景エッジ画像のデータを記憶させることを
    特徴とする請求項16に記載の車両検知方法。
  21. 【請求項21】 前記保持工程においては、前記背景エ
    ッジ画像のデータを圧縮し、圧縮されたデータを前記不
    揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項20
    に記載の車両検知方法。
  22. 【請求項22】 前記撮像工程において用いられる複数
    の撮像素子のうち所定の撮像素子が遮光されており、前
    記車両検知工程においては、前記遮光された前記撮像素
    子に対応する画素値に基づいて前記しきい値を求めるこ
    とを特徴とする請求項15に記載の車両検知方法。
  23. 【請求項23】 前記撮像工程において得られる画像か
    ら、複数の領域の境界近傍の境界部分を除去する境界部
    分除去工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の
    車両検知方法。
  24. 【請求項24】 前記撮像工程においては、撮像された
    画像のうち、予め指定された指定領域に対応する画像の
    データを出力することを特徴とする請求項14に記載の
    車両検知方法。
  25. 【請求項25】 前記車両検知工程においては、前記輝
    度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平均
    輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を報知すると
    ともに車両検知結果を無効にすることを特徴とする請求
    項14に記載の車両検知方法。
  26. 【請求項26】 前記撮像工程において得られる画像を
    複数の領域毎に分配する画像分配工程を含み、前記輝度
    分布算出工程、前記エッジ抽出工程、前記背景除去工程
    および前記車両検知工程は、前記複数の領域に対応して
    複数の工程からなり、それぞれの前記工程においては、
    分配された画像に基づいて輝度分布計算、エッジ抽出、
    背景除去および車両検知を並列的に行うことを特徴とす
    る請求項14に記載の車両検知方法。
  27. 【請求項27】 請求項14〜26のいずれか一つに記
    載の車両検知方法における工程をコンピュータに実行さ
    せるための車両検知プログラムを記録したコンピュータ
    読み取り可能な記録媒体。
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