JP3655496B2 - 車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車場等において車両の有無の検知を行う車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、画像センサからの画像データから得られる輝度分布に基づいて車両の有無の検知を行う車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の駐車領域を有する大型駐車場や地下駐車場においては、駐車場管理者が満車または空車の状況を把握するために、駐車領域毎に車両検知装置が設置されている。この車両検知装置は、駐車領域に車両が駐車されているか否かを超音波を用いて検知し、検知結果を管理室に設置された監視モニタ等に表示させる装置である。
【0003】
図16は、上述した超音波式の車両検知装置3を示す側面図である。この図において、車両検知装置3は、駐車場1における駐車領域1a近傍の側壁1bに設置されており、駐車領域1aに対して水平方向に超音波4を送信する送信機能と、超音波4が物体や反射面により反射された反射波(後述する多重反射波または車両反射波)を受信する受信機能を備えている。車両2が駐車領域1aに存在しない状態において、車両検知装置3から超音波4が送信されると、この超音波4は、駐車場1の路面、側壁等によりそれぞれ反射され、多重反射波として車両検知装置3に受信される。このとき、車両検知装置3は、多重反射波を受信しているため、車両2(検知対象)を検知していない。
【0004】
そして、車両2が駐車領域1aに進入すると、超音波4の反射条件が変化し、この超音波4は、車両2により車両反射波として反射される。ここで、車両検知装置3においては、上記車両反射波と多重反射波とを区別できるようになっており、車両2が検知される。なお、上述した従来の車両検知装置3の詳細については、特開平10−104361号公報を参照されたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、従来の車両検知装置3においては、超音波を送信しこの超音波が物体や反射面に反射された反射波を利用することで車両2の検知を行っているが、駐車場1において風等による空気の流れが存在する場合には、超音波の伝搬条件が変化することで、反射波の受信状態が変化し、車両2を誤検知するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、空気の流れ等の影響を受けることなく、車両の有無を検知することができる車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車両が存在し得る領域を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られる画像に基づいて前記領域の輝度分布を求める輝度分布算出手段と、前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像を得るエッジ抽出手段と、前記領域における背景に対応する部分の画像である背景エッジ画像を保持する保持手段と、前記エッジ画像から前記背景エッジ画像を除去し背景除去画像を得る背景除去手段と、前記背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて、前記領域における前記車両の有無を検知する車両検知手段とを備え、前記保持手段は、前記画像において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更新するようにしたものである。
【0008】
この発明によれば、撮像手段により領域が撮像されると、輝度分布算出手段では上記領域の輝度分布が求められ、エッジ抽出手段では、画像におけるエッジ(輪郭線)が抽出されたエッジ画像が得られる。そして、背景除去手段では、エッジ画像から背景エッジ画像が除去された背景除去画像が得られる。これにより、車両検知手段では、背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて領域における車両の有無が検知される。また、保持手段は、前記画像において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更新する。このように、この発明によれば、撮像手段により車両が存在し得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受けることなく正確に車両が検知される。また、この発明では、明画素割合に基づいてデータの更新の適切性が判断されているため、領域における照明条件の変動や輝度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能となる。
【0013】
つぎの発明は、前記撮像手段により撮像される画像における平均輝度値が所定の値を維持するように、前記撮像手段における露光時間を調整する時間調整手段を備えるようにしたものである。
【0014】
この発明によれば、時間調整手段により平均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無を検知可能な値)を維持するように露光時間が調整されるため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良く検知される。
【0015】
つぎの発明は、前記エッジ抽出手段が、前記エッジ画像において特定の方向のエッジを強調するようにしたものである。
【0016】
この発明によれば、エッジ抽出手段により、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽出され、非常に高い精度で車両の有無が検知される。
【0029】
つぎの発明は、前記車両検知手段が、前記輝度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平均輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を報知するとともに車両検知結果を無効にするようにしたものである。
【0030】
この発明によれば、車両検知手段において、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤検出の可能性が排除される。
【0031】
つぎの発明は、前記撮像手段により得られる画像を複数の領域毎に分配する画像分配手段を備え、前記輝度分布算出手段、前記エッジ抽出手段、前記保持手段、前記背景除去手段および前記車両検知手段は、前記複数の領域に対応して複数設けられており、分配された画像に基づいて輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新を並列的にそれぞれ行うようにしたものである。
【0032】
この発明によれば、撮像手段により、複数の領域からなる領域が撮像されると、画像分配手段により、上記撮像手段において得られた画像が、複数の領域毎に分配される。これにより、複数設けられた、輝度分布算出手段、エッジ抽出手段、保持手段、背景除去手段および車両検知手段においては、分配された画像に基づいて、輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新が並列的に行われる。このように、この発明によれば、車両検知に関する処理が並列的に行われるため、高速で車両検知が可能となる。
【0033】
つぎの発明は、車両が存在し得る領域を撮像する撮像工程と、前記撮像工程において得られる画像に基づいて前記領域の輝度分布を求める輝度分布算出工程と、前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像を得るエッジ抽出工程と、前記領域における背景に対応する部分の画像であって保持された背景エッジ画像を前記エッジ画像から除去し背景除去画像を得る背景除去工程と、前記背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて、前記領域における前記車両の有無を検知する車両検知工程と、前記画像において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更新するエッジ画像更新工程とを含むようにしたものである。
【0034】
この発明によれば、撮像工程により領域が撮像されると、輝度分布算出工程では上記領域の輝度分布が求められ、エッジ抽出工程では、画像におけるエッジ(輪郭線)が抽出されたエッジ画像が得られる。そして、背景除去工程では、エッジ画像から背景エッジ画像が除去された背景除去画像が得られる。これにより、車両検知工程では、背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて領域における車両の有無が検知される。さらに、前記画像において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更新する。このように、この発明によれば、撮像工程により車両が存在し得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受けることなく正確に車両が検知される。また、この発明では、明画素割合に基づいてデータの更新の適切性が判断されているため、領域における照明条件の変動や輝度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能となる。
【0039】
つぎの発明は、前記撮像工程において撮像される画像における平均輝度値が所定の値を維持するように、前記撮像工程における露光時間を調整する時間調整工程を含むようにしたものである。
【0040】
この発明によれば、時間調整工程により平均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無を検知可能な値)を維持するように露光時間が調整されるため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良く検知される。
【0041】
つぎの発明は、前記エッジ抽出工程においては、前記エッジ画像において特定の方向のエッジを強調するようにしたものである。
【0042】
この発明によれば、エッジ抽出工程により、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽出され、非常に高い精度で車両の有無が検知される。
【0055】
つぎの発明は、前記車両検知工程においては、前記輝度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平均輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を報知するとともに車両検知結果を無効にするようにしたものである。
【0056】
この発明によれば、車両検知工程において、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤検出の可能性が排除される。
【0057】
つぎの発明は、前記撮像工程において得られる画像を複数の領域毎に分配する画像分配工程を含み、前記輝度分布算出工程、前記エッジ抽出工程、前記背景除去工程、前記車両検知工程およびエッジ画像更新工程は、前記複数の領域に対応して複数の工程からなり、それぞれの前記工程においては、分配された画像に基づいて輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新工程を並列的に行うようにしたものである。
【0058】
この発明によれば、撮像工程により、複数の領域からなる領域が撮像されると、画像分配工程により、上記撮像工程において得られた画像が、複数の領域毎に分配される。これにより、複数の工程(輝度分布算出工程、エッジ抽出工程、背景除去工程、車両検知工程およびエッジ画像更新工程)のそれぞれにおいては、分配された画像に基づいて、輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新からなる一連の処理が行われる。このように、この発明によれば、車両検知に関する処理が複数の工程において並列的に行われるため、高速で車両検知が可能となる。
【0059】
つぎの発明は、請求項7〜12のいずれか一つに記載の車両検知方法における工程をコンピュータに実行させるための車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかる車両検知装置および車両検知方法ならびに車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施の形態1〜9について詳細に説明する。
【0061】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の概略構成を示す平面図であり、図2は、同実施の形態1の概略構成を示す側面図である。これらの図において、駐車場10は、複数台の車両を駐車するためのスペースであり、この駐車場10には、図1に示した境界線13〜境界線16により複数の駐車領域が確保されている。駐車領域番号17は、駐車領域12を特定するための「2」である。図1には、2台分の駐車領域11および12が図示されている。この駐車領域11には、車両20が駐車されており、一方、駐車領域12には、いずれの車両も駐車されていない。画像センサ30は、境界線14の直上の天井50に取り付けられており、鉛直方向Z1 を撮像方向として駐車領域11および駐車領域12を撮像する。
【0062】
この画像センサ30は、二次元配列された撮像素子(たとえば、CCD(Charge Coupled Device))を有しており、駐車領域11および駐車領域12からなる2台分の駐車領域を二次元画像として撮像する。以下、駐車領域11および駐車領域12を撮像領域と称する。処理装置40は、画像センサ30と同様にして天井50に取り付けられており、画像センサ30の撮像結果に対して後述する各種画像処理を施した結果に基づいて、駐車領域11および駐車領域12における車両の有無を検知する。
【0063】
ここで、図3を参照して、上述した画像センサ30および処理装置40の電気的構成について詳述する。この図において、画像センサ30は、上述したように、図1に示した駐車領域11および駐車領域12を原画像として撮像する。ここで、上記原画像の一例を図4に示す。この図に示す原画像10aは、図1に示した駐車領域11に車両20を進入させる途中であって、かつ駐車領域12にいずれの車両も駐車していない状況が撮像された二次元画像である。
【0064】
この原画像10aは、N画素×N画素からなり、それぞれの画素は、対応する撮像領域の輝度に応じて、たとえば256階調とした場合、0〜255のうちいずれかの画素値をとる。この256階調において、画素値0は暗レベルの最小値であり、画素値255は明レベルの最大値である。なお、原画像10aにおいて、駐車領域11a、駐車領域12a、境界線14a、境界線16a、駐車領域番号17aおよび車両20aは、図1に示した駐車領域11、駐車領域12、境界線14、境界線16、駐車領域番号17および車両20にそれぞれ対応している。
【0065】
ここで、図4に示した原画像10aにおいて左上隅の画素を原点O(0,0)とするXY座標を定義する。このXY座標において、X軸は原画像10aにおける横方向の座標軸であり、Y軸は縦方向の座標軸である。また、原画像10aにおいて右下隅の画素の座標は、座標P(N−1、N−1)である。つまり、原画像10aの画素数は、N画素×N画素である。ここで、X座標の位置がX、Y座標の位置がYである画素の画素値をI(X,Y)と定義する。
【0066】
図3に戻り、動作検出部41は、画像センサ30の撮像領域において物体(ここでは車両)に動きがあるか否かを駐車領域11、駐車領域12毎にそれぞれ検出する。具体的には、動作検出部41は、現時点(動作検出時点)より一時点前に画像センサ30により撮像された原画像(たとえば、図4:原画像10a)と、現時点で画像センサ30により撮像された原画像(たとえば、図5:原画像10a’)との差分を取った結果(たとえば、図6:差分画像10b)に基づいて、動きを検出する。この動き検出の詳細については、後述する。また、動作検出部41は、動き検出を終了すると、このとき用いられた現時点の原画像のデータを一時点前の原画像のデータとして画像データ保持部42に保持させる。ここで保持される原画像のデータは、次回の動き検出時に一時点前の原画像データとして用いられる。つまり、画像データ保持部42においては、動き検出が行われる毎に保持されている原画像のデータが更新される。
【0067】
蓄積時間調整部43は、画像センサ30より入力される原画像10a’(図5参照)における平均輝度値が適正な値を維持するように、蓄積時間を調整する。ここで、平均輝度値とは、原画像10a’を構成するそれぞれの画素の画素値の平均値をいい、蓄積時間とは、画像センサ30における露光時間をいう。エッジ抽出部44は、蓄積時間調整部43から出力される原画像のデータからエッジ(輪郭線)を抽出し、抽出結果に対して二値化処理を施したものをエッジ画像10c(図8参照)のデータとして出力する。このエッジ抽出部44におけるエッジ抽出処理としては、図7に示した周知のLaplacianのマスクを用いて、対象画素の画素値および該対象画素に隣接する8画素の画素値のそれぞれに対して「8」および「−1」の重み付けを行った結果の和を新しい画素の画素値とする処理が施される。このエッジ抽出処理の詳細については後述する。
【0068】
背景除去部45は、エッジ抽出部44からのエッジ画像10c(図8参照)のデータから、背景エッジ画像データ保持部46に予め保持されている背景エッジ画像10d(図9参照)のデータを差分することにより、エッジ画像10cから背景のエッジ画像を除去する。ここで、背景エッジ画像10d(図9参照)は、図1に示した車両20が存在しない状態の駐車場10(背景)の画像データにおいて上述したエッジ抽出された画像が二値化処理された画像である。また、背景除去部45は、背景除去結果として図10に示した背景除去画像10eのデータを出力する。この背景除去画像10eにおいては、車両20(図1参照)のエッジ画像である車両20eの画像のみが抽出されている。
【0069】
輝度分布計算部47は、蓄積時間調整部43から出力される原画像のデータから、駐車領域11、駐車領域12にそれぞれ対応する領域毎の輝度分布を求める。ここで、駐車領域11、駐車領域12にそれぞれ対応する領域(以下、車両存在領域と称する)の画像においては、画素の画素値をi(0〜255)、同一の画素値iをとる画素の数(以下、度数と称する)をnとすると、図11に示した輝度分布(濃度ヒストグラム)が得られる。図11においては、画素値iが0に近づくしたがって、当該画素の輝度が低く(暗く)なり、逆に画素値iが255に近づくにしたがって、当該画素の輝度が高く(明るく)なることを意味している。輝度分布計算部47は、図11に示した輝度分布を画素値配列hist[i]=nとして、車両存在領域毎にそれぞれ求める。
【0070】
車両検知部48は、輝度分布計算部47により求められた輝度分布(画素値配列hist[i]=n)と、背景除去部45からの背景除去画像10e(図10参照)とに基づいて、それぞれの車両存在領域(駐車領域11、駐車領域12)に車両が存在しているか否かの検知を行う。この車両検知部48の動作の詳細については、後述する。
【0071】
つぎに、上述した実施の形態1の動作について説明する。この場合、図3に示した画像データ保持部42には、原画像10a(図4参照)のデータが保持されているものとする。すなわち、この場合、駐車領域11(図1参照)には、車両20が進入しつつある。また、背景エッジ画像データ保持部46には、背景エッジ画像10d(図9参照)のデータが保持されているものとする。このような状態において、図1に示したように車両20が駐車領域11に駐車された時点(現時点)において、画像センサ30により撮像領域が撮像されると、画像センサ30からは、原画像10a’(図5参照)のデータが動作検出部41へ出力される。
【0072】
これにより、動作検出部41は、画像データ保持部42から一時点前の原画像10a(図4参照)のデータを読み出した後、現時点の原画像10a’(図5参照)を構成する画素の画素値と、上記原画像10a(図4参照)を構成する画素の画素値との差分の絶対値を画素毎にそれぞれ求める。これにより、図6に示した差分画像10bが得られる。つぎに、動作検出部41は、上記差分画像10bを構成する画素において、画素値が予め設定されたしきい値を超える画素の数を、車両存在領域(駐車領域11、駐車領域12)毎に動き量としてそれぞれ求める。この動き量は、車両存在領域における物体(ここでは、車両20)の動きの程度を表す量である。
【0073】
つぎに、動作検出部41は、車両存在領域毎にそれぞれ求められた動き量のうち最大値をとる動き量を撮像領域における動き量とし、この動き量がしきい値を超えた場合、撮像領域において物体の動きを検出する。一方、上記動き量がしきい値以下である場合、動作検出部41は、撮像領域において物体の動きを検出しない。ここで、最大値をとる動き量を利用するのは、駐車場10における照明等のゆらぎの影響による動き量に基づいて、誤検出することを防止するためである。以後、動作検出部41は、画像センサ30より原画像のデータが入力される毎に、上述した動き検出を行う。また、動作検出部41は、動き検出の動作を終えると、画像データ保持部42に保持されている原画像データを更新する。
【0074】
蓄積時間調整部43は、動作検出部41において動きが検出されている間、待機する。そして、図1に示したように車両20が駐車領域11に駐車することで、動作検出部41において動きが検出されなくなると、動作検出部41は、画像センサ30からの原画像10a’(図5参照)のデータを蓄積時間調整部43へ出力する。これにより、蓄積時間調整部43は、原画像10a’(図5参照)における平均輝度値が適正な値を維持するように、蓄積時間を調整する。すなわち、蓄積時間調整部43は、原画像10a’において車両存在領域(駐車領域11a、駐車領域12a)のそれぞれについて、前述した平均輝度値をそれぞれ求める。つぎに、蓄積時間調整部43は、求めた平均輝度値のうち最小の値を蓄積時間の調整の基準となる基準平均輝度値とする。ここで最小の値を基準平均輝度値とするのは、画像センサ30からの原画像10a’が暗すぎるために車両の検知に失敗することを防止するためである。
【0075】
つぎに、蓄積時間調整部43は、求めた基準平均輝度値とつぎの(式1)で表される目標平均輝度値とを比較することにより、基準平均輝度値が適正であるか否かを判断する。すなわち、蓄積時間調整部43は、基準平均輝度値と目標平均輝度値との差の絶対値が一定値以下である場合、基準平均輝度値が適正であると判断し、平均輝度値が上記基準平均輝度値を維持するように画像センサ30における蓄積時間(露光時間)を調整する。一方、上記絶対値が一定値を超えた場合、蓄積時間調整部43は、基準平均輝度値が不適正であると判断する。この場合には、車両検知ができないものとして、図示しないアラーム等により駐車場の管理者に報知され、駐車場10における照明等の調整が行われる。
【0076】
ここで、上記(式1)において、黒レベルとは、画像センサ30の出力(画素値)の最小値の推定値を表す定数であり、白レベルとは、画像センサ30の出力(画素値)のうち最大値の推定値を表す定数である。黒レベルおよび白レベルは画像センサに依存して定まる。また、目標平均輝度値係数は定数である。
【0077】
この場合、蓄積時間調整部43からは、図5に示した原画像10a’のデータが輝度分布計算部47およびエッジ抽出部44へそれぞれ出力されたものとする。したがって、輝度分布計算部47は、上記原画像10a’のデータから、車両存在領域(駐車領域11、駐車領域12)にそれぞれ対応する画像毎の輝度分布を前述した画素値配列hist[i]=n(図11参照)としてそれぞれ求める。
【0078】
上記輝度分布計算部47における輝度分布の計算に並行して、エッジ抽出部44は、原画像10a’(図5参照)を構成するそれぞれの画素(対象画素)の画素値I(X,Y)に対して、図7に示したLaplacianのマスクを用いて、対象画素の画素値および該対象画素に隣接する8画素の画素値のそれぞれに対して「8」および「−1」の重み付けを行った結果の和を新しい画素の画素値とするエッジ抽出処理を施す。すなわち、図7においては、対象画素の画素値I(X,Y)に重み「8」が乗算され、上記対象画素にそれぞれ隣接する画素の画素値I(X−1,Y−1)、画素値I(X,Y−1)、画素値I(X+1,Y−1)、画素値I(X−1,Y)、画素値I(X+1,Y)、画素値I(X−1,Y+1)、画素値I(X,Y+1)、画素値I(X+1,Y+1)にそれぞれ重み「−1」が乗算される。これら乗算結果の和は、つぎの(式2)で表されるように、エッジ抽出された画素のエッジ画素値J(X,Y)とされる。
【0079】
【0080】
以後、エッジ抽出部44は、原画像10a’におけるすべての画素に対して(式2)に示した演算を行うことにより、エッジが抽出された画像を得る。つぎに、エッジ抽出部44は、上記画像を構成する画素の画素値としきい値とを比較することにより、二値化処理を行うことで図8に示したエッジ画像10cを得る。具体的には、エッジ抽出部44は、画素値がしきい値を越える場合、当該画素の画素値を「1」とし、画素値がしきい値以下である場合、当該画素の画素値を「0」とすることで二値化されたエッジ画像10cを得る。
【0081】
つぎに背景除去部45は、エッジ抽出部44より入力されるエッジ画像10c(図8参照)のデータから、背景エッジ画像データ保持部46に保持されている背景エッジ画像10d(図9参照)のデータを画素単位でそれぞれ差分する。そして、背景除去部45は、上記差分の結果が負の値をとる場合、背景除去画像10eにおける当該画素の画素値を「0」とし、差分の結果が正の値をとる場合、背景除去画像10eにおける当該画素の画素値を「1」とする。これにより、図10に示した背景除去画像10eが得られる。この背景除去画像10e、画素値「0」および画素値「1」の系列から構成されている。
【0082】
つぎに、車両検知部48は、輝度分布計算部47からの輝度分布計算結果(画素値配列hist[i]=n)と、背景除去部45からの背景除去画像10e(図10参照)とに基づいて、それぞれの車両存在領域(駐車領域11、駐車領域12)に車両が存在しているか否かの検知を行う。ここで、背景除去画像10e(図10参照)の車両存在領域における縦方向(Y方向)にそれぞれ位置する複数の画素をk列目(k=0〜N−1)の画素列と定義する。車両検知部48は、上記縦方向の画素中の連続する「1」の系列を、列毎にそれぞれ求める。つぎに、車両検知部48は、(式3)に示すようにk列目の各系列について系列長の二乗の合計を求め、これをk列目の縦エッジ(k)とする。
【0083】
つぎに、車両検知部48は、(式3)からそれぞれ求められる縦エッジ(k)の総和を(式4)に示す縦方向エッジ量として求める。
縦方向エッジ量=Σ縦エッジ(k) ・・・(式4)
【0084】
つづいて、車両検知部48は、背景除去画像10e(図10参照)の車両存在領域における列と行とを入れ替えて、上述した(式3)および(式4)と同様の演算を行う。すなわち、車両検知部48は、図10における横方向(X方向)にそれぞれ位置する複数の画素をk行目(k=0〜N−1)の画素行として、該画素行において連続する「1」の列数を、行毎にそれぞれ求める。つぎに、車両検知部48は、(式5)に示すようにk行目の各系列について系列長の二乗の合計を求め、これをk行目の横エッジ(k)とする。
【0085】
つぎに、車両検知部48は、(式5)からそれぞれ求められる横エッジ(k)の総和を(式6)に示す横方向エッジ量として求める。
横方向エッジ量=Σ横エッジ(k) ・・・(式6)
【0086】
そして、車両検知部48は、つぎの(式7)に示すように、(式4)から求められた縦方向エッジ量と、(式6)から求められた横方向エッジ量との和を、背景除去画像10eの車両存在領域に含まれるエッジ量として求める。
エッジ量=縦方向エッジ量+横方向エッジ量 ・・・(式7)
【0087】
つぎに、車両検知部48は、(式8)から暗レベルを求める。この暗レベルは、背景除去画像10eの車両存在領域に含まれる暗画素の割合の算出に用いられる。
【0088】
つぎに、車両検知部48は、輝度分布計算部47において求められた輝度分布(画素値配列hist[i]=n)およびつぎの(式9)に基づいて、背景除去画像10eの車両存在領域に含まれる暗画素の割合(暗画素割合)を求める。
【数1】
上記(式9)において括弧内の分母は、画素値iが0〜白レベルまでの画素の総数であり、括弧内の分子は、画素値iが0〜暗レベル(式8参照)までの画素の総数である。
【0089】
そして、車両検知部48は、上述した(式7)から求められたエッジ量と、(式9)から求められた暗画素割合との2つの量を特徴量としてあつかい、これら2つの特徴量を軸とする特徴空間(直交座標系)におけるつぎの(式10)に示す判別式から得られる値に基づいて、車両存在領域における車両の有無を判別する。
[判別式]=a1 *エッジ量+a2 *暗画素割合+c ・・・(式10)
ただし、(式10)においてa1 、a2 およびcはそれぞれ定数である。
【0090】
すなわち、車両検知部48は、(式10)の判別式から得られる値が正であるとき、車両存在領域に車両が存在していると判断する。上記値が非正であるとき、車両存在領域に車両が存在しないと判断する。ここで、車両存在領域に車両が存在しないと判断された場合に限り、車両検知部48は、(式11)から明レベルを求める。この明レベルは、背景除去画像10eの車両存在領域に含まれる明画素の割合の算出に用いられる。
【0091】
つぎに、車両検知部48は、輝度分布計算部47において求められた輝度分布(画素値配列hist[i]=n)およびつぎの(式12)に基づいて背景除去画像10eの車両存在領域に含まれる明画素の割合(明画素割合)を求める。
【数2】
上記(式12)において括弧内の分母は、画素値iが0〜白レベルまでの画素の総数であり、括弧内の分子は、画素値iが明レベル(式11参照)〜白レベルまでの画素の総数である。
【0092】
また、装置の起動後においては、蓄積時間調整部43により蓄積時間調整が行われた画像の車両存在領域に含まれる明画素割合(以下、起動後明画素割合と称する)が、車両検知部48により、上述した(式11)および(式12)から求められているものとする。この場合、車両検知部48は、上記起動後明画素割合と、上述した明画素割合との差がしきい値以内のとき、背景エッジ画像データ保持部46に保持されている背景エッジ画像10dのデータにおいて該当する車両存在領域部分を、エッジ抽出部44からのエッジ画像10cのデータにおいて該当する車両存在領域部分に置換する。
【0093】
すなわち、この場合には、上記差をしきい値と比較することにより、背景エッジ画像データ保持部46における背景エッジ画像10dのデータ更新の適切性が判断されているため、照明条件の変動や車両存在領域毎の輝度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能となる。
【0094】
以上説明したように、上述した実施の形態1によれば、画像センサ30により駐車領域11および駐車領域12を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受けることなく正確に車両の有無を検知することができる。また、実施の形態1によれば、暗画素割合(式9参照)に基づいて、車両検知を行っているため、通常のエッジ抽出に基づく車両検知を行うことができない程度に照明が暗い場合であっても、正確に車両検知を行うことができる。照明が比較的明るい場合には、蓄積時間調整部43における蓄積時間を短くすることができるため、車両の検知速度を高速化することができる。
【0095】
なお、上述した実施の形態1においては、車両存在領域として図1に示した駐車領域11および駐車領域12という2つの領域に関して車両検知を行う例について説明したが、車両存在領域の数は3つ以上であっても、2つの場合と同様の効果が得られる。また、上述した実施の形態1においては、図2に示したように画像センサ30の撮像方向を鉛直方向Z1 とした例について説明したが、これに限られることなく、図12に示したように画像センサ30の取り付け位置をずらすことにより、撮像方向を上記鉛直方向Z1 以外の斜め方向Z2 としてもよい。
【0096】
実施の形態2.
さて、前述した実施の形態1においては、図3に示したエッジ抽出部44においてエッジ抽出処理を行う例について説明したが、このエッジ抽出処理が行われた画像に対してさらにエッジを強調するエッジ強調処理を行うようにしてもよい。この場合を実施の形態2として以下に説明する。この実施の形態2において、図3に示したエッジ抽出部44は、前述した(式2)に基づくエッジ抽出処理を行い、エッジ画素値J(X,Y)を求めた後、つぎのエッジ強調処理を行う。
【0097】
エッジ強調処理において、エッジ抽出部44は、エッジ画素値J(X,Y)に関してつぎの条件1〜条件3を全て満たすか否かを画素毎に判断する。
(条件1) J(X-1,Y-1) < J(X,Y-1) > J(X+1,Y-1)
(条件2) J(X-1,Y) < J(X,Y) > J(X+1,Y)
(条件3) J(X-1,Y+1) < J(X,Y+1) > J(X+1,Y+1)
ただし、上記判断において、Jの括弧内の値(座標)が定義域(0〜N−1)以外である場合には、当該エッジ画素値J(X,Y)は、上記(条件1)〜(条件3)の全てを満たすものとみなされる。
【0098】
そして、エッジ抽出部44は、上記(条件1)〜(条件3)の全てを満たす場合、つぎの(式13)に示すように、当該エッジ画素値J(X,Y)に定数lift_widthを加算した結果を、エッジ強調された画素のエッジ画素値J(X,Y)とする演算を行う。
J(X,Y)←J(X,Y)+lift_width ・・・(式13)
【0099】
ただし、加算した結果が画素値の最大値(たとえば、255)を越える場合、エッジ抽出部44は、エッジ画素値J(X,Y)を上記最大値とする。以後、エッジ抽出部44は、各画素に対してエッジ強調処理を施す。このエッジ強調処理は、図8に示した車両20c(車両存在領域)の長手方向(Y方向)のエッジを強調する処理である。そして、エッジ抽出部44は、前述した二値化処理をエッジ強調された画像に対して行う。以後、前述した実施の形態1において説明した動作が行われる。
【0100】
以上説明したように、上述した実施の形態2によれば、車両存在領域における長手方向のエッジを強調するようにしたので、車両が存在する場合に車両の前後方向のエッジが効果的に抽出されるため、高精度で車両検知を行うことができる。
【0101】
実施の形態3.
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3における基本的な構成は、前述した実施の形態1の構成と同じである。ただし、実施の形態3において、図3に示した輝度分布計算部47は、前述した輝度分布を求めた後に、つぎの(式14)から飽和レベル量を求める。
【数3】
上記(式14)において、飽和レベル量は、画素値配列hist[i]=n(図11参照)において、画素値iが飽和レベル(c=定数)から白レベルまでの画素の総和である。
【0102】
そして、輝度分布計算部47は、上記飽和レベル量としきい値とを比較し、飽和レベル量がしきい値を越える場合、蓄積時間調整部43における蓄積時間を短時間に設定する。ここで、飽和レベル量がしきい値を越えるケースとしては、車両存在領域に発光体(車両のヘッドライト)が存在する場合である。また、上記蓄積時間を短時間に設定することにより、上記発光体のみが映った原画像が得られる。この場合、上記原画像に基づいて、前述した実施の形態1と同様にして、輝度分布計算部47は、車両存在領域毎の輝度分布を求めた後、(式14)から飽和レベル量を求める。この飽和レベル量が別のしきい値を越える場合、車両検知部48は、車両存在領域において発光体(たとえば、ヘッドライト)を検知する。
【0103】
以上説明したように、実施の形態3によれば、飽和レベル量がしきい値を越えるとき、蓄積時間を短時間に設定するようにしたため、車両のヘッドライトのような発光体を検知することができ、この発光体の存在によって、以後の処理に適さない不鮮明な画像が画像センサ30により得られた場合であっても、少なくともヘッドライトを点灯させた車両の存在を検知することができる。
【0104】
実施の形態4.
さて、前述した実施の形態1においては、図3に示した背景エッジ画像データ保持部46におけるメモリの種類について特に言及しなかったが、この背景エッジ画像データ保持部46として、電源を切断しても保持内容が失われない不揮発性メモリを備えるものを用いてもよい。この場合を実施の形態4として以下に説明する。実施の形態4において、背景エッジ画像データ保持部46は、起動時に背景エッジ画像のデータを上記不揮発性メモリに記憶させ、さらに起動後においては、定期的に上記背景エッジ画像のデータを更新する。また、実施の形態4においては、背景エッジ画像のデータに対して周知のランレングス符号化処理を施した圧縮データを、不揮発性メモリに記憶させるようにしてもよい。なお、実施の形態4においては、ランレングス符号化処理に限られることなく他の処理によりデータ圧縮を行うようにしてもよい。
【0105】
以上説明したように、上述した実施の形態4によれば、不揮発性メモリに背景エッジ画像のデータを記憶させるようにしたので、停電やメンテナンス等により車両存在領域に車両が存在する状態で装置の電源が切断され再び通電された場合においても、誤動作を起こすことなく、車両検知を続行することができる。また、実施の形態4によれば、背景エッジ画像のデータに対して圧縮をかけた圧縮データを不揮発性メモリに記憶させるようにしたので、不揮発性メモリとして記憶容量の少ないものを用いることができる。
【0106】
実施の形態5.
さて、前述した実施の形態1においては、(式1)および(式8)の黒レベルとして、画像センサ30の出力(画素値)のうち最小の画素値を用いた例について説明したが、これに限定されない。すなわち、別の構成例としては、画像センサ30を構成する複数の撮像素子のうち所定の複数の撮像素子(以下、遮光撮像素子と称する)をそれぞれ外光から遮光し、これら複数の遮光撮像素子から得られる画素値(以下、遮光画素値と称する)の平均値(以下、平均遮光画素値)を上記黒レベルとして(式1)および(式8)から目標平均輝度値および暗レベルを求めるようにしてもよい。この場合を実施の形態5として説明する。
【0107】
この実施の形態5において、複数の遮光画素値から得られる平均遮光画素値が黒レベルとして用いられる。この場合、蓄積時間調整部43は、平均遮光画素値値を黒レベルとして(式1)に基づいて、目標平均輝度値を計算し、同様にして、車両検知部48は、平均遮光画素値を黒レベルとして、(式8)に基づいて、暗レベルを計算する。
【0108】
ここで、前述した実施の形態1においては、通常、気温等の変動があると、画像センサ30における撮像素子の出力(画素値)が変動し、特に最小の画素値も変動する。従って、黒レベルを定数とすると上記の値の変動を反映できず、黒レベルは最小の画素値の正しい推定値ではなくなる可能性がある。これに対して、実施の形態5によれば、遮光撮像素子の出力(遮光画素値)は画像センサ30における撮像素子の出力(画素値)に追従して変動するため、その平均値を求めることにより、黒レベルの正しい推定値を得ることができる。したがって、実施の形態5によれば、(式1)および(式8)から得られる目標平均輝度値および暗レベルは、画像センサ30における撮像素子の出力の変動に応じて正しく設定されるため、気温等の変化を受けることなく、確実に車両検知を行うことができる。
【0109】
実施の形態6.
さて、前述した実施の形態1においては、図3に示した背景除去部45により図8に示したエッジ画像10cから図9に示した背景エッジ画像10dを差分することにより、背景のエッジ画像が除去された背景除去画像10e(図10参照)を得る場合について説明した。この方法は、エッジ画像10c(図8参照)に含まれる背景のエッジ画像と、背景エッジ画像10dとが画素単位で一対一で対応する場合には、完全に背景のエッジ画像が除去された背景除去画像10eを得ることができる。
【0110】
しかしながら、図8に示した境界線14cおよび境界線16cと、図9に示した背景エッジ画像10dにおける上記境界線14cおよび境界線16cに対応する部分とがずれている場合、このずれ分の線画像が背景除去画像10eに残ってしまい、誤検出の要因となる。さらに、図8に示した境界線14cおよび境界線16cの近傍部分には、車両に出入りする人間の画像が映る場合があり、この場合にも、人間の画像が誤検出の要因となり得る。以下に説明する実施の形態6は、上述した要因を除去して、誤検出を防止するためのものである。
【0111】
この実施の形態6においては、蓄積時間調整部43(図3参照)は、画像センサ30からの原画像10a(図13参照)から、境界線14aおよび境界線16aを含む境界部分19aを除去した画像のデータをエッジ抽出部44および輝度分布計算部47へ出力する。この場合、蓄積時間調整部43には、除去すべき境界部分19aを構成する画素の座標情報が予め設定されている。以後、エッジ抽出部44および輝度分布計算部47においては、前述した実施の形態1と同様の動作が行われる。
【0112】
以上説明したように、上述した実施の形態6によれば、画像センサ30により得られた原画像から、誤検出の要因となり得る境界部分19aを除去した画像に基づいて、車両検知が行われるので、境界線や人間等の影響による誤検出を防止することができる。
【0113】
実施の形態7.
さて、前述した実施の形態1においては、画像センサ30により2つの車両存在領域を撮像し、この2つの車両存在領域を含む原画像のデータに対して、1つのエッジ抽出部44および輝度分布計算部47を用いて、エッジ抽出処理および輝度分布計算を行う例について説明したが、図14に示した構成をとることで、車両存在領域毎にエッジ抽出処理および輝度分布計算を並列的に行うようにしてもよい。この場合を実施の形態7として説明する。
【0114】
図14に示した車両検知装置は、画像センサ30、画像データ分配部60、処理装置40aおよび処理装置40bから構成されている。画像データ分配部60は、図3に示した動作検出部41、画像データ保持部42および蓄積時間調整部43のそれぞれの機能に加えて、つぎのような機能を備えている。すなわち、画像データ分配部60は、画像センサ30により得られた原画像のデータをバッファメモリ(図示略)に一時的に記憶させて、原画像を、2つの車両存在領域にそれぞれ対応する2つの原画像のデータに分配する機能を備えている。また、画像データ分配部60は、分配された一方の原画像(以下、分配原画像と称する)のデータを処理装置40aへ出力するとともに、他方の分配原画像のデータを処理装置40bへ出力する。
【0115】
処理装置40aは、エッジ抽出部44a、背景除去部45a、背景エッジ画像データ保持部46a、輝度分布計算部47aおよび車両検知部48aから構成されており、一方の分配原画像のデータに基づいて、一方の車両存在領域に関する車両検知を行う。ここで、処理装置40aを構成するエッジ抽出部44a、背景除去部45a等の基本的な機能は、図3に示したエッジ抽出部44、背景除去部45等の機能と同様である。ただし、背景エッジ画像データ保持部46aには、一方の車両存在領域に関する背景エッジ画像のデータが保持されている。
【0116】
同様にして、処理装置40bは、エッジ抽出部44b、背景除去部45b、背景エッジ画像データ保持部46b、輝度分布計算部47bおよび車両検知部48bから構成されており、他方の分配原画像のデータに基づいて、他方の車両存在領域に関する車両検知を行う。ここで、処理装置40bを構成するエッジ抽出部44b、背景除去部45b等の基本的な機能は、図3に示したエッジ抽出部44、背景除去部45等の機能と同様である。ただし、背景エッジ画像データ保持部46bには、他方の車両存在領域に関する背景エッジ画像のデータが保持されている。
【0117】
上記構成において、画像センサ30により2つの車両存在領域を含む原画像が撮像されると、この原画像のデータは、画像データ分配部60により2つの分配原画像のデータにそれぞれ分配される。そして、一方の分配原画像のデータは、処理装置40aのエッジ抽出部44aおよび輝度分布計算部47aにそれぞれ入力される。これと同時に、他方の分配原画像のデータは、処理装置40bのエッジ抽出部44bおよび輝度分布計算部47bにそれぞれ入力される。以後、前述した実施の形態1と同様にして、処理装置40aと処理装置40bにおいて2つの車両存在領域に関する車両検知が並列的にそれぞれ行われる。
【0118】
以上説明したように、上述した実施の形態7によれば、処理装置40aおよび処理装置40bにより2つの車両存在領域に関する車両検知の処理を並列的に行うようにしたので、高速に車両検知を行うことができる。
【0119】
なお、上述した実施の形態7においては、処理装置40aおよび処理装置40bを2つ設けた構成例について説明したが、同様の処理装置を3つ以上設けて、3つ以上の車両存在領域に関する車両検知の処理を並列的に行うようにしても、上述した効果と同様の効果が得られる。さらに、上述した実施の形態7においては、画像データ分配部60に設けられたバッファに原画像のデータを記憶させた後に、分配原画像のデータを出力させる例について説明したが、バッファを用いることなく、1つの車両存在領域に相当する原画像のデータが得られた時点で、これを分配原画像のデータとして出力するようにしてもよい。
【0120】
実施の形態8.
さて、前述した実施の形態1においては、画像センサ30により撮像された2つの車両存在領域を含む原画像のデータを処理装置40へ出力する例について説明したが、画像センサ30に任意の領域のみを含む原画像のデータを出力するランダムアクセス機能を備えるようにしてもよい。この場合を実施の形態8として説明する。
【0121】
この実施の形態8において、上記任意の領域を指定する情報は、予め画像センサ30に設定されている。たとえば、任意の領域として、2つの車両存在領域のうち一方の車両存在領域が指定された場合、画像センサ30は、撮像した原画像のうち、上記一方の車両存在領域のみからなる原画像のデータを処理装置40へ出力する。ここで、上記ランダムアクセス機能を用いる場合としては、たとえば、2つの車両存在領域のうち、1つの車両存在領域に対応する駐車領域12(図1参照)が閉鎖され、もう一つの車両存在領域に対応する駐車領域11が使用されている場合が考えられる。
【0122】
このように、画像センサ30にランダムアクセス機能を持たせることで、指定された車両存在領域における車両の有無を検知することが可能となる。また、上述した実施の形態8によれば、一方の車両存在領域のみからなる原画像のデータに対して、前述したエッジ抽出処理や輝度分布計算を行えばよいため、おのずと2つの車両存在領域からなる原画像の場合に比して、検知に要する時間を短くすることができる。
【0123】
なお、実施の形態8においては、画像センサ30からの2つの車両存在領域を含む原画像のうち、動作検出部41により動きが検出された当該車両存在領域のみの原画像のデータを蓄積時間調整部43へ出力するようにしてもよい。
【0124】
実施の形態9.
さて、前述した実施の形態1においては、図3に示した車両検知部48で車両存在領域毎に、画素値配列hist[i]=nから輝度値(画素値)の平均値(以下、平均輝度値と称する)を求めるようにしてもよい。この場合を実施の形態9として説明する。この実施の形態9において、車両検知部48は、前述した一連の計算を終了した後に、上記平均輝度値を求める。つぎに、車両検知部48は、上記平均輝度値とつぎの(式15)から求められる平均輝度しきい値とを比較する。
ただし、(式15)において、最低輝度係数は定数である。
【0125】
つづいて車両検知部48は、平均輝度値が平均輝度しきい値以下である場合、駐車場10(図1参照)の駐車領域11および駐車領域12(車両存在領域)の輝度が低い、すなわち駐車場10における照明条件が悪いと判断し、車両検知結果を無効にする。このように判断された場合には、誤検知の可能性があるため、車両検知部48は、正確に車両検知ができない旨を管理者に報知する。これにより、管理者は、駐車領域11および駐車領域12の輝度が高くなるように、駐車場10における照明の増設や照明位置の変更を行う。
【0126】
以上説明したように、上述した実施の形態9によれば、車両存在領域における平均輝度値が平均輝度しきい値以下であるとき、車両検知結果を無効にするようにしたので、誤検出の可能性を排除することができる。
【0127】
以上本発明の実施の形態1〜9について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。たとえば、前述した実施の形態1〜9においては、車両の有無を検知する機能を実現するための車両検知プログラムを図15に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体80に記録して、この記録媒体80に記録された車両検知プログラムを同図に示したコンピュータ70に読み込ませ、実行することにより前述した機能を実現するようにしてもよい。
【0128】
図15に示したコンピュータ70は、上記車両検知プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)71と、キーボード、マウス等の入力装置72と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)73と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)74と、記録媒体80から車両検知プログラムを読み取る読取装置75と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置76と、装置各部を接続するバスBUとから構成されている。
【0129】
上記CPU71は、読取装置75を経由して記録媒体80に記録されている車両検知プログラムを読み込んだ後、この車両検知プログラムを実行することにより、前述したエッジ抽出や背景除去等の処理を実行する。なお、記録媒体80には、光ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク等の可搬型の記録媒体が含まれることはもとより、ネットワークのようにデータを一時的に記録保持するような伝送媒体も含まれる。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像手段により車両が存在し得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受けることなく正確に車両が検知されるという効果を奏する。また、車両検知手段においては、暗画素割合を特徴量の一つとして車両検知が行われているため、たとえば、エッジ抽出に基づく車両検知を行うことができない程度に、領域を照らす照明が暗い場合であっても、正確に車両検知を行うことができるという効果を奏する。さらに、明画素割合に基づいてデータの更新の適切性が判断されているため、領域における照明条件の変動や輝度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0133】
つぎの発明によれば、時間調整手段により平均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無を検知可能な値)を維持するように露光時間が調整されるため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良く検知することができるという効果を奏する。
【0134】
つぎの発明によれば、エッジ抽出手段により、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽出され、非常に高い精度で車両の有無が検知されるという効果を奏する。
【0141】
つぎの発明によれば、車両検知手段において、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤検出の可能性を排除することができるという効果を奏する。
【0142】
つぎの発明によれば、分配された画像に基づいて、輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新を並列的に行うようにしたので、高速で車両検知が可能になるという効果を奏する。
【0143】
つぎの発明によれば、撮像工程により車両が存在し得る領域を撮像し、この撮像結果に基づいて、車両の有無を検知するようにしたので、空気の流れ等の影響を受けることなく正確に車両が検知されるという効果を奏する。また、車両検知工程においては、暗画素割合を特徴量の一つとして車両検知が行われているため、たとえば、エッジ抽出に基づく車両検知を行うことができない程度に、領域を照らす照明が暗い場合であっても、正確に車両検知が行われるという効果を奏する。さらに、明画素割合に基づいてデータの更新の適切性が判断されているため、領域における照明条件の変動や輝度分布の相違等によって背景として適切でない画像が得られている場合に、背景エッジ画像のデータ更新を抑止することができ、精度の高い車両検知を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0146】
つぎの発明によれば、時間調整工程により平均輝度値が所定の値(たとえば、黒色系の車両の有無を検知可能な値)を維持するように露光時間が調整されるため、一般にエッジを抽出しにくい色の車両も精度良く検知されるという効果を奏する。
【0147】
つぎの発明によれば、エッジ抽出工程により、エッジ画像において特定の方向(たとえば、領域の長手方向)のエッジが強調されるため、領域に車両が存在する場合に、該車両の前後方向のエッジが効果的に抽出され、非常に高い精度で車両の有無が検知されるという効果を奏する。
【0154】
つぎの発明によれば、車両検知工程において、車両が存在し得る領域の平均輝度値がしきい値以下であるとき、言い換えれば、領域における照明条件が悪いとき、その旨が報知されるとともに、車両検知結果が無効にされるようにしたので、照明条件の悪化に伴う誤検出の可能性が排除されるという効果を奏する。
【0155】
つぎの発明によれば、複数の工程(輝度分布算出工程、エッジ抽出工程、背景除去工程、車両検知工程およびエッジ画像更新工程)のそれぞれにおいて、分配された画像に基づいて、輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新工程からなる一連の処理が並列的に行われるようにしたので、高速で車両検知が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる実施の形態1の概略構成を示す平面図である。
【図2】 同実施の形態1の概略構成を示す側面図である。
【図3】 同実施の形態1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】 図1に示した画像センサ30により撮像された原画像10aを示す図である。
【図5】 図1に示した画像センサ30により撮像された原画像10a’を示す図である。
【図6】 同実施の形態1における差分画像10bを示す図である。
【図7】 図3に示したエッジ抽出部44におけるエッジ抽出処理を説明する図である。
【図8】 図3に示したエッジ抽出部44により得られるエッジ画像10cを示す図である。
【図9】 同実施の形態1における背景エッジ画像10dを示す図である。
【図10】 同実施の形態1における背景除去画像10eを示す図である。
【図11】 同実施の形態1における画像の輝度分布を示す図である。
【図12】 同実施の形態1の変形例を示す側面図である。
【図13】 本発明にかかる実施の形態6における原画像10aを示す図である。
【図14】 本発明にかかる実施の形態7の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】 本発明にかかる実施の形態1〜9の変形例を示すブロック図である。
【図16】 従来における車両検知装置を示す側面図である。
【符号の説明】
10 駐車場、11、12 駐車領域、20 車両、30 画像センサ、40処理装置、43 蓄積時間調整部、44 エッジ抽出部、45 背景除去部、46 背景エッジ画像データ保持部、47 輝度分布計算部、48 車両検知部、44a、44b エッジ抽出部、45a、45b 背景除去部、46a、46b 背景エッジ画像データ保持部、47a、47b 輝度分布計算部、48a、48b 車両検知部、40b、44b 処理装置、60 画像データ分配部、70 コンピュータ、80 記録媒体。
Claims (13)
- 車両が存在し得る領域を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られる画像に基づいて前記領域の輝度分布を求める輝度分布算出手段と、
前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像を得るエッジ抽出手段と、
前記領域における背景に対応する部分の画像である背景エッジ画像を保持する保持手段と、
前記エッジ画像から前記背景エッジ画像を除去し背景除去画像を得る背景除去手段と、
前記背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて、前記領域における前記車両の有無を検知する車両検知手段と、
を備え、
前記保持手段は、前記画像において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更新することを特徴とする車両検知装置。 - 前記保持手段は、装置起動の際に求めた前記明画素割合と、今回求めた明画素割合との差がしきい値以内のとき、背景エッジ画像のデータの更新が適切であると判断して、前記更新動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
- 前記撮像手段により撮像される画像における平均輝度値が所定の値を維持するように、前記撮像手段における露光時間を調整する時間調整手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両検知装置。
- 前記エッジ抽出手段は、前記エッジ画像において特定の方向のエッジを強調することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両検知装置。
- 前記車両検知手段は、前記輝度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平均輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を報知するとともに車両検知結果を無効にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両検知装置。
- 前記撮像手段により得られる画像を複数の領域毎に分配する画像分配手段を備え、前記輝度分布算出手段、前記エッジ抽出手段、前記保持手段、前記背景除去手段および前記車両検知手段は、前記複数の領域に対応して複数設けられており、分配された画像に基づいて輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新を並列的にそれぞれ行うことを特徴とする請求項1に記載の車両検知装置。
- 車両が存在し得る領域を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程において得られる画像に基づいて前記領域の輝度分布を求める輝度分布算出工程と、
前記画像においてエッジが抽出されたエッジ画像を得るエッジ抽出工程と、
前記領域における背景に対応する部分の画像であって保持された背景エッジ画像を前記エッジ画像から除去し背景除去画像を得る背景除去工程と、
前記背景除去画像に含まれるエッジの総量と、前記輝度分布において画素値がしきい値以下の暗画素が全体の画素にしめる暗画素割合とからなる2つの特徴量に基づいて、前記領域における前記車両の有無を検知する車両検知工程と、
前記画像において画素値がしきい値を越える明画素が全体の画素にしめる明画素割合に基づいて、前記背景エッジ画像のデータの更新の適切性を判断し、適切であると判断した場合、保持されている前記背景エッジ画像のデータを、前記車両が存在しない状態の前記画像に対応する前記エッジ画像に更新するエッジ画像更新工程と、
を含むことを特徴とする車両検知方法。 - エッジ画像更新工程では、装置起動後に際に求めた前記明画素割合と、今回求めた明画素割合との差がしきい値以内のとき、背景エッジ画像のデータの更新が適切であると判断して、前記更新動作を実行することを特徴とする請求項7に記載の車両 検知方法。
- 前記撮像工程において撮像される画像における平均輝度値が所定の値を維持するように、前記撮像工程における露光時間を調整する時間調整工程を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の車両検知方法。
- 前記エッジ抽出工程においては、前記エッジ画像において特定の方向のエッジを強調することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の車両検知方法。
- 前記車両検知工程においては、前記輝度分布に基づいて前記領域の平均輝度値を求め、該平均輝度値がしきい値以下であるとき、その旨を報知するとともに車両検知結果を無効にすることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の車両検知方法。
- 前記撮像工程において得られる画像を複数の領域毎に分配する画像分配工程を含み、前記輝度分布算出工程、前記エッジ抽出工程、前記背景除去工程、前記車両検知工程およびエッジ画像更新工程は、前記複数の領域に対応して複数の工程からなり、それぞれの前記工程においては、分配された画像に基づいて輝度分布計算、エッジ抽出、背景除去、車両検知およびエッジ画像更新を並列的に行うことを特徴とする請求項7に記載の車両検知方法。
- 請求項7〜12のいずれか一つに記載の車両検知方法における工程をコンピュータに実行させるための車両検知プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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