JP2000345277A - 低硫黄含有共晶組成鉄およびその製造方法 - Google Patents

低硫黄含有共晶組成鉄およびその製造方法

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JP2000345277A
JP2000345277A JP11156022A JP15602299A JP2000345277A JP 2000345277 A JP2000345277 A JP 2000345277A JP 11156022 A JP11156022 A JP 11156022A JP 15602299 A JP15602299 A JP 15602299A JP 2000345277 A JP2000345277 A JP 2000345277A
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Masahide Kawabata
將秀 川畑
Toshiki Yoshida
敏樹 吉田
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低硫黄含有共晶組成鉄およびその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 本発明の低硫黄含有共晶組成鉄は、重量
%で、C:3.0〜4.5%、Si:0.1〜4.0
%、その他組成、残部Feおよび不可避的不純物を含
み、4.0%<C%+(Si%/4)<4.5%を満足
し、その他組成のうちの硫黄含有量が0.002%以下
であることを特徴とする。この低硫黄含有共晶組成鉄
は、銑鉄または球状黒鉛鋳鉄である。また、本発明の低
硫黄含有共晶組成鉄の製造方法は、共晶組成の溶湯を球
状化処理した後、該溶湯に攪拌を付与しながら1250
〜1350℃の温度に所定時間保持することにより硫黄
含有量を0.002重量%以下にすることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低硫黄含有共晶組成
鉄およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硫黄は溶解原材料中に元来含まれてお
り、製造される金属材料に不可避的に含有されてくる。
硫黄は、金属材料の機械的強度を脆弱にし、また鋳造欠
陥の発生原因ともなること等から、通常金属材料中のS
含有量をできるだけ低く目標とする。機械切削性を重要
視するために意図的にS含有量を高くした快削鋼、例え
ばAISI記号 B1113ではS0.24〜0.33
(%)、は特殊な例である。
【0003】JIS G 2202(鋳物用銑鉄の化学
成分規格)では1種〜3種で化学成分が規格化されてい
る。この規格のうち3種1号Dでは、C:3.4以上、
Si:1.81〜3.50、Mn:0.40以下、P:
0.100以下、S:0.040以下、Cr:0.03
0以下、また同規格3種2号では、C:3.4以上、S
i:3.50以下、Mn:0.50以下、P:0.15
0以下、S:0.045以下、Cr:0.035以下と
規格化されている。Sについて言えば銑鉄ではS上限が
0.045(%)と規格されている。
【0004】また、JIS G 2201(製鋼用銑鉄
の化学成分規格)の3種1号は、砂鉄を原料として電気
炉によって製造される銑鉄で、Mnの値によってA及び
Bの2種類に分けられて規格化されている。この3種1
号Aの化学成分は、C:3.50以上、Si:0.50
以下、Mn:0.40以下、P:0.350以下、S:
0.050以下、Cr:0.02以下と規格化されてい
る。また3種1号Bの化学成分では、Mn:0.41以
下との規格値以外の化学成分は3種1号Aでの規格値と
同じである。以上のようにSについてみると、鋳物用銑
鉄ではS上限値が0.045(%)、製鋼用銑鉄ではS
上限値が0.050(%)と規格化されている。JIS
ではS下限値は規格化はなされていないが、通常製造す
る金属材料へのSの悪影響がなくなる許され得る含有量
まで作業性や経済性等を考慮して低くすることが行われ
ている。
【0005】溶解材料の配合計算において、S含有量が
極めて低い高純度銑鉄の配合量を増加すると、金属材料
中のS含有量を低目、例えば0.01重量%以下、にす
ることができるが、製造コストが高くなり経済性に劣
る。もっとも、S含有量が極めて低い高純度銑鉄は市場
で入手が困難になりつつあり、また非常に高価でもあ
る。このような実情から、通常製造コストに見合った銑
鉄の配合量(場合によっては、銑鉄の配合量をほとんど
ゼロとすることもありうる。)により溶解した溶融鉄
(以下、「溶湯」と記す。)から脱硫して、目標とする
S含有量とすることが行われている。例えば、球状黒鉛
鋳鉄を製造する場合には、溶湯をMg系球状化処理剤で
処理してMgSを生成、浮遊させて脱硫することが、通
常行なわれており、鋳造欠陥発生防止や黒鉛球状化の確
保の点から溶湯中のS量を約0.030%以下とするこ
とが好ましいとされている。溶湯からの脱硫率90%程
度の完全ともいえる脱硫は従来から難しいところである
が、多くは球状黒鉛鋳鉄溶湯からの脱硫について各種各
様の提案がなされている。
【0006】例えば、Mg系球状化処理剤を使用して、
溶融鉄からの脱硫を行う従来技術として、特開昭50−
44910号公報および特開昭50−35017号公報
がある。まず、前記特開昭50−44910号公報に
は、マグネシウム含漬多孔性鉄系金属体を用いて溶融鉄
の脱硫を行う技術を開示している。この開示技術では、
マグネシウム含漬ブリケットを溶融鉄に使用した例とし
て、初期硫黄含有量0.041%を含む溶融鉄を265
0°F(換算値約1454℃)で180秒の反応処理を
した結果、最終硫黄含有量0.013%(脱硫率を計算
すると、約68%である。)となった、との記述があ
る。また、初期硫黄含有量0.03%を含む溶融鉄を2
580°F(換算値約1416℃)で90秒の反応処理
をした結果、最終硫黄含有量0.010%(脱硫率を計
算すると、約67%である。)となった、との記述があ
る。
【0007】次に、前記特開昭50−35017号公報
には、「Mg系黒鉛球状化剤を用いる球状黒鉛鋳鉄の製
造において、溶湯の脱硫処理により生じ、かつ溶湯表面
を覆うスラグが、黒鉛球状化処理時のMgの蒸散及び酸
化を防止し得る厚さを有する層を形成するようにし、該
スラグ層下の溶湯を攪拌すると共に、前記スラグより比
重の大なるMg系黒鉛球状化剤をもって黒鉛球状化処理
することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄の製造法。」を開示
している。
【0008】前記特開昭50−35017号公報の開示
技術での実施例では、「C3.1〜3.8%、Si1.
0〜2.0%、Mn0.2〜1.5%、Fe0.08
%、S0.06%、残部実質的にFeの1420℃にお
ける溶湯に、カルシウムカーバイト(比重1.2)を1
%添加し、攪拌機によって4分間攪拌脱硫してS0.0
04%とした。このときの脱硫滓層の厚みは50mmで
あった。これを除滓せず、攪拌機を回転させながら、1
380℃でFe−Si−Mg合金(Mg5%、比重約
4.8)を5%添加し(溶湯に対するMg量は0.02
5%)、1分間攪拌した。続いてFe−Siを0.5%
接種し、除滓後Yブロックに鋳込んで、残留Mg0.0
20%の球状黒鉛鋳鉄を得た。黒鉛球状化率は90%以
上であった。」と記述されている。上記のように、13
80℃でFe−Si−Mg合金添加、攪拌、続いてFe
−Si接種した後の残留Mg0.020%の球状黒鉛鋳
鉄を得たとの記述があるが、最終的なS%については記
述されていない。前記特開昭50−35017号公報の
開示技術は、溶湯の脱硫におけるスラグを利用し、溶湯
を攪拌することにより、Mgの歩留り向上を図り、黒鉛
球状化率を高め、しかも装置、操作も容易な球状黒鉛鋳
鉄の製造法である。
【0009】さらに、取鍋または保持炉を利用して球状
化処理を行う従来技術として、特開平3−502214
号公報(球状黒鉛鋳鉄製造での取鍋内溶湯の球状化処
理)および特開昭55−40066号公報(連続鋳造に
よる球状黒鉛鋳鉄製造での保持炉内溶湯の球状化処理)
がある。まず前記特開平3−502214号公報には、
オープンタイプの取鍋中での球状黒鉛鋳鉄の製造方法を
開示している。要約して述べると、「取鍋の底に、1:
10〜1:20の割合よりなるマグネシウム(粒径は
0.05〜0.3mm)とフェロシリコン(粒径は0.
05〜2.0mm)の混合物を置き、該混合物にスチー
ル片をかぶせて、溶融鋳鉄を注ぐことにより球状黒鉛鋳
鉄を製造する方法である。該混合物の組成が、質量%
で、5〜9マグネシウム−10〜50マグネサイト−残
りフェロシリコンである。処理方法は、溶融鋳鉄を、取
鍋の空いているセクション中に、1300〜1460℃
の温度で注ぐ、鋳鉄の最初の組成は、炭素3.0〜3.
5;シリコン1.0〜2.0;マンガン0.2〜0.5
5;硫黄0.02〜0.1;クロム0.12〜0.20
(%)である。改質プロセスの時間は、処理される鋳鉄
のマスで変化する。例えば、5トンの鋳鉄を1380℃
で改質するためには、4〜5分が必要である。温度は3
0〜40℃低下する。」との記載がある。上述の鋳鉄の
最初の組成中の硫黄0.02〜0.1が、処理後にいか
ほどになったかは記述されていない。
【0010】また、前記特開昭55−40066号公報
には、連続鋳造機による球状黒鉛鋳鉄の製造方法を開示
している。すなわち、「鋳鉄連続鋳造機の保持炉におい
て、保持炉内の溶湯に、黒鉛球状化剤、ないし接種剤を
添加し、溶湯中の黒鉛の球状化の崩れを防止し、また
は、球状化を回復させて、鋳造する連続鋳造機による球
状黒鉛鋳鉄の製造方法。」である。なお、溶湯中の硫黄
含有量に関しては、「高純度銑を使用してS0.01%
以下を目標とした。」との記述がある。また、保持炉内
の溶湯保持時間に関しては、「保持炉は、バーナーで約
1300℃保持保温される。」との記述がある。しか
し、最終製品または処理後の溶湯の硫黄含有量の値につ
いては記述されていない。
【0011】さらに、Mgによる脱硫についての原理・
効果等について開示した従来技術として、特開昭61−
37907号公報および特開昭52−97318号公報
がある。前記特開昭61−37907号公報には、「球
状黒鉛を有する鋳鉄を転炉法により製造する場合、硫化
マグネシウムの形でスラグが生成される。そして、14
50〜1550℃の処理温度の場合は、空気酸素は、硫
化マグネシウムを酸化することができ、Sが遊離して溶
湯中に戻り、極端な場合には球状晶子の劣化を導きう
る。」旨を記述し、「溶鉄を金属マグネシウムで処理す
ることにより球状黒鉛を有する鋳鉄を製造する方法にお
いて、スラグ中に存在する硫黄を、溶湯中への硫黄の戻
りを阻止するために添加剤により安定化する球状黒鉛鋳
鉄の製造方法。添加剤による安定化は硫化マグネシウム
から熱力学的に安定な硫化物、例えばCaS、CeSへ
のSの変換によって行われる。その添加剤としてはCa
Siを溶湯中に導入する。CaSiの添加によって、不
安定なMgSは、CaS+Mgとなってスラグ中に残留
するのでSの戻りを阻止できる。添加剤としてはCaS
i以外に、カルシウム+弗化セリウムおよび弗化マグネ
シウム、カルシウム金属、カルシウム−アルミン酸カル
シウム−CaCL2−スラグ、が適当である。なお、S
の戻りは、30分間で最大0.006〜0.008に減
少する。」旨を開示している。
【0012】次に前記特開昭52−97318号公報に
は、溶鉄の脱硫および鋳鉄の黒鉛球状化処理に使用する
溶鉄処理剤を開示している。すなわち、「マグネシウ
ム、カルシウム、マグネシウム合金、カルシウム合金ま
たは希土類元素の群から選らばれる低沸点金属の細片お
よび/または粉粒状物と、炭素質物質と、結合剤とから
なる均質組成物を造粒あるいは成形してなる溶鉄処理
剤。また、該造粒物あるいは成形物を炭素物質と結合剤
とからなる組成物で被覆してなる溶鉄処理剤。」であ
る。同公報中での脱硫の程度の記述の例を示すと、「処
理前S含有率(%)0.036が処理後S含有率(%)
0.004となり(脱硫率88.9%)、また処理前S
含有率(%)0.045が処理後S含有率(%)0.0
05(脱硫率88.9%)となった。」との記載があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のとおり、通常製
造する金属材料へのSの悪影響がなくなる許され得る低
い含有量まで溶湯から脱硫処理されており、各種各様の
提案がなされているが、硫黄含有量が0.002重量%
以下のような小数点3桁の位より低い硫黄含有量までの
脱硫を簡単な手段で可能とする技術は提案されていな
い。本発明の課題は、非常に簡単な手段により硫黄含有
量が0.002重量%以下の低硫黄含有量共晶鉄を製造
することができる製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、共晶組成
の溶湯からの脱硫について鋭意研究した。その結果、ま
ず共晶組成の溶湯を通常の手段で球状化処理を行い、そ
の後球状化処理を行った溶湯を攪拌しながら1250〜
1350℃に所定時間保持することにより、球状化処理
により生成されたMgSの濃縮促進が図れるとの知見を
得て本発明に想到した。
【0015】すなわち、本発明の低硫黄含有共晶組成鉄
は、重量%で、C:3.0〜4.5%、Si:0.1〜
4.0%、その他組成、残部Feおよび不可避的不純物
を含み、4.0%<C%+(Si%/4)<4.5%を
満足し、その他組成のうちの硫黄含有量が0.002%
以下であることを特徴とする。また、該低硫黄含有共晶
組成鉄が、銑鉄または球状黒鉛鋳鉄であることを特徴と
する。
【0016】また、本発明の低硫黄含有共晶組成鉄の製
造方法は、共晶組成の溶湯を球状化処理した後、該溶湯
に攪拌を付与しながら1250〜1350℃の温度に保
持することにより硫黄含有量を0.002重量%以下に
することを特徴とする。そして、該共晶組成の溶湯が、
重量%で、C:3.0〜4.5%、Si:0.1〜4.
0%、Mn:0.30〜0.40%、Mg:0.035
〜0.042%、残部Feおよび不可避的不純物を含
み、4.0%<C%+(Si%/4)<4.5%を満足
する組成であることを特徴とする。
【0017】以下、本発明における低硫黄含有共晶組成
鉄の製造方法についての限定理由について説明する。 (1)共晶組成の溶湯にまず球状化処理を行う:共晶組
成の溶湯は4.0%<C%+(Si%/4)<4.5%
を満足するものとする。C%+(Si%/4)の値が
4.0%以下では溶湯の湯流れ性が劣る。一方、上限の
値は実用性を勘案して4.5%未満とする。まず4.0
%<C%+(Si%/4)<4.5%を満足する共晶組
成の溶湯に球状化処理を行うことにより、溶湯中の硫黄
(S)をMgSとするのは従来技術と同様である。 (2)攪拌しながら、溶湯温度1250〜1350℃で
保持:次いで球状化処理した溶湯に攪拌を付与しながら
溶湯温度1250〜1350℃で所定時間たとえば15
〜60分保持する。このことにより、球状化処理で生成
されたMgSが濃縮し、炉壁に付着して脱硫が促進さ
れ、溶湯中に復硫しない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、球状化処理した共晶
組成の溶湯に誘導電流による攪拌を付与しながら、溶湯
温度を1250〜1350℃に所定時間保持することに
より、溶湯中のS含有量を0.001wt%付近まで低
下させた共晶組成鉄を得ることができる。この脱硫現象
は、球状化処理により生成されたMgSが、溶湯温度1
250〜1350℃の温度範囲では溶湯攪拌により濃縮
が促進されて炉の内壁に付着し、溶湯中への復硫を阻止
できるためと考える。 以下、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。本発明では、球状化処理後で共晶組成と
なるような元湯を高周波炉で溶解し、約1500℃で取
鍋に出湯してサンドイッチ法により球状化処理を行っ
た。取鍋内で球状化処理を行った後、ノロを除去し、高
周波炉に戻した(この時の溶湯温度は1350℃)。そ
して、脱硫現象に及ぼす溶湯保持温度の影響(実施の形
態その1:図1〜図4)、高周波炉のライニング材の影
響(実施の形態その2:図5)、および高周波炉の誘導
電流による溶湯攪拌の有無の影響(実施の形態その3:
図6〜図7)等を調査、確認した。
【0019】なお、サンドイッチ法による球状化処理
は、取鍋の底に塊状の球状化剤(Fe−45Si−6M
g合金、添加量0.92wt%。)と粒径3〜10mm
の接種剤(Fe−75Si−15Ca−2Al合金、添
加量0.1wt%。球状化剤の上に載置。)を予め配置
し、出湯流による急な浮揚を防止して徐々に反応するよ
うにするために、球状化剤と接種剤の上を鋼のポンチ屑
で覆った。また、使用した原材料の配合比はスチールス
クラップ75〜55%、リターンスクラップ25〜30
%、銑鉄0〜15%とし、適用した溶湯は、重量%で、
C:3.0〜4.5、Si:0.1〜4.0、Mn:
0.30〜0.40、P:0.01〜0.02、S:
0.009〜0.013、Cu:0.03〜0.05、
Cr:0.03〜0.05、Mg:0.035〜0.0
42、残部Feおよび不可避的不純物を含み、4.0<
C+(Si/4)<4.5を満足する共晶組成よりなる
ものである。
【0020】(実施の形態その1)実施の形態その1で
は、球状化処理剤としてFe−45%Si−6%Mg合
金を使用し、サンドイッチ法により球状化処理した溶湯
を高周波炉内で誘導電流により攪拌しながら各種所定温
度に保持し、溶湯保持時間の経過による溶湯中のS量
(%)の変化を調査した(実施の形態その1:図1〜図
4)。縦軸に溶湯中のS量(%)を、横軸に出湯からの
時間(秒)をとり、溶湯中のS量(%)の変化を黒丸で
示す図1は、98〜99%SiO2よりなる酸性ライニ
ング材でライニングされた高周波炉内で、電源をON
(通電20KW)の状態にして誘導電流により、球状化
処理した溶湯を攪拌しながら溶湯保持温度を1250℃
に保持した場合における脱硫の変化を示す図である。
【0021】図1において、S量約0.010%を含有
する球状化処理前溶湯を1500℃で出湯(横軸0秒の
位置)し、取鍋を用いてサンドイッチ法により1400
℃で球状化処理行い(図1中の1番左の黒丸印の位
置)、ノロを除去した後球状化処理した1350℃の溶
湯を高周波炉内に戻し(図1中の左から2番目の黒丸印
の位置)、次いで高周波炉通電開始(図1中の左から3
番目の黒丸印の位置で、出湯後約600秒)して誘導電
流により、球状化処理した溶湯を攪拌しながら溶湯温度
を1250℃に保持した。共晶組成の溶湯であるので1
250℃に保持した場合でも溶湯の流動性を維持でき、
溶湯の攪拌は円滑に行われた。
【0022】図1中に溶湯のS量を黒丸で示すように、
高周波炉通電開始(出湯後約600秒)からすぐに脱硫
がはじまり、高周波炉通電開始から約300秒(出湯後
900秒、図1中の左から5番目の黒丸印の位置)には
S量0.004%にまで低下し、さらに時間の経過とと
もに脱硫が進行して、高周波炉通電開始から1400秒
(出湯後2000秒、図1中の右から2番目の黒丸印の
位置)にはS量は約0.001%以下まで脱硫された。
高周波炉での溶湯面とほぼ同一位置の内壁には溶湯滴が
多量に付着していた。炉内壁への付着物を分析調査した
結果、球状化処理前のS含有量の約20倍となってい
た。なお、実施の形態その1〜実施の形態その5におい
て、S量はLECO社製の炭素硫黄同時分析装置による
測定値である。
【0023】次に、図2は溶湯保持温度を1300℃と
した以外は、図1に示す条件と同じにした場合の脱硫の
変化を示す図である。図2(溶湯保持温度:1300
℃)で示す脱硫の変化も図1(溶湯保持温度:1250
℃)の場合と同様に、その脱硫の開始時期、変化および
程度はほぼ同様で、顕著な脱硫を示している。特に、脱
硫は高周波炉通電開始(図2中の左から3番目の黒丸印
の位置で、出湯後450秒)して誘導電流により、球状
化処理した溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1300℃に
保持後ただちに急速にはじまり、高周波炉通電開始から
約150秒(出湯後600秒経過直後、図2中の左から
5番目の黒丸印の位置)にはS量約0.004%にまで
低下し、さらに時間の経過とともに脱硫が進行して、高
周波炉通電開始から1650秒(図2の横軸で示す出湯
後2100秒の位置)にはS量は約0.001%まで脱
硫された。高周波炉での溶湯面とほぼ同一位置の内壁に
は溶湯滴が多量に付着していた。炉内壁への付着物を分
析調査した結果、球状化処理前のS含有量の約20倍と
なっていた。
【0024】次に、図3は溶湯保持温度を1350℃と
した以外は、図1に示す条件と同じにした場合の脱硫の
変化を示す図である。図3(溶湯保持温度:1350
℃)で示す脱硫の変化および程度は、図1(溶湯保持温
度:1250℃)と図2(溶湯保持温度:1300℃)
の場合に比べると、それほど急速かつ顕著ではないが、
S量0.002%近くまで脱硫された。詳述すると、脱
硫は高周波炉通電開始(図3中の左から2番目の黒丸印
の位置で、出湯後約200秒)して誘導電流により、球
状化処理した溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1350℃
に保持後緩やかにはじまり、高周波炉通電開始から約1
300秒(横軸で示す出湯後約1500秒の位置)経過
時にはS量0.003%まで低下し、さらに脱硫が少し
進行して、高周波炉通電開始から約1900秒(横軸で
示す出湯後2100秒の位置)にはS量は0.002%
近くまで脱硫された。
【0025】次に、図4は溶湯保持温度を1400℃と
した以外は、図1に示す条件と同じにした場合の脱硫の
変化を示す図である。図4(溶湯保持温度:1400
℃)では、高周波炉通電開始(図4中の左から2番目の
黒丸印の位置)から約300秒経過までは(横軸で示す
出湯後600秒経過直後の位置)、少しの脱硫が生じた
が、それ以後脱硫現象は起こらず、時間の経過につれて
逆にS量の増加がみられた。このS量の増加の原因は、
球状化処理により生成されたMgSが、溶湯保持温度1
400℃の影響を受けて分離し、Sが溶湯中に戻る復硫
現象を生じたためと考えられる。なお、炉内壁への溶湯
滴の付着はほとんど認められなかった。以上の図1〜図
4に示す結果から、共晶組成溶湯の脱硫を効果ならしめ
る溶湯保持温度は1250〜1350℃であることがわ
かった。特に好ましい溶湯保持温度は1300℃である
ことがわかった。
【0026】(実施の形態その2)前述の実施の形態そ
の1においては、98〜99%SiO2よりなる酸性ラ
イニング材でライニングされた高周波炉内で、電源をO
N(通電20KW)の状態にして、球状化処理した溶湯
を攪拌しながら溶湯保持温度を1300℃に保持した場
合が、最も急速かつ顕著な脱硫を達成できることが確認
できた。そこで、次に実施の形態その2においては、脱
硫現象に及ぼす高周波炉のライニング材の影響を確認す
るために、Al23(49%)・MgO(50%)より
なる中性ライニング材でライニングされた高周波炉を適
用し、高周波炉の電源をON(通電20KW)の状態に
して、球状化処理した共晶組成の溶湯を攪拌しながら溶
湯保持温度を1300℃に保持した場合における脱硫の
変化を調査した。図5は高周波炉のライニング材をAl
23(49%)・MgO(50%)とした以外は、実施
の形態その1での図2に示す条件と同じにした場合の脱
硫の変化を示す図である。
【0027】その結果、実施の形態その1での図2で示
した場合と同様、図5において黒丸印で示すように、顕
著な脱硫が急速に生じ、最終的S量は実施の形態その1
での図2の場合とほとんど同様に非常に低レベルまで脱
硫が行われた。このことから、ライニング材の種類は脱
硫現象には影響を及ぼさないものと考えられる。因に、
図5において詳述すると、脱硫は高周波炉通電開始(図
5中の左から3番目の黒丸印の位置で、出湯後約300
秒直後)して誘導電流により、球状化処理した溶湯を攪
拌しながら溶湯温度を1300℃に保持後急速にはじま
り、高周波炉通電開始から約900秒(横軸で示す出湯
後1200秒の位置)経過時には非常に低いS量0.0
007%(7ppm)まで低下し、さらに脱硫が進行し
て、高周波炉通電開始から約1500秒(横軸で示す出
湯後1800秒の位置)にはS量は0.0004%(4
ppm)(図5中の右から2番目の黒丸印で示すS量で
ある。)まで脱硫された。
【0028】(実施の形態その3)実施の形態その3に
おいては、高周波炉の電源をOFFの状態にして、高周
波炉内の溶湯を攪拌しなくても、脱硫を進行できるかど
うかを調査、確認した。図6は、実施の形態その1と同
様に球状化処理を行った溶湯を高周波炉に戻し(この時
の溶湯温度は1350℃)、高周波炉の電源をOFFの
状態にして、高周波炉内の溶湯を静止状態(攪拌なし)
にした場合の脱硫の変化を示した図である。
【0029】その結果、図6に溶湯中のS量%を黒丸印
で示すように、横軸で示す時間が経過してもS量の低
下、即ち脱硫現象は認められなかった。なお、実施の形
態その3において適用した高周波炉は、実施の形態その
1での図2の場合に適用したのと同様に98〜99%S
iO2よりなるライニング材でライニングされたもので
ある。高周波炉に戻した溶湯温度1350℃(図6中の
左から2番目の黒丸印の位置での溶湯温度)は、高周波
炉の電源をOFFの状態としているために溶湯の攪拌は
生じず、徐々に低下して出湯から900秒経過直後で1
190℃まで下がり、溶湯表面に薄い酸化皮膜が生成し
た。尚、図6中の白丸印は、球状化処理前の共晶組成溶
湯のS含有量約0.013wt%である。
【0030】図7は図6の場合に適用した98〜99%
SiO2よりなるライニング材でライニングされた高周
波炉に代えて、Al23(49%)・SiO2(40
%)よりなる中性ライニング材でライニングした注湯取
鍋を適用した場合の脱硫の変化を示した図である。その
結果、図6中に黒丸印で示すように、横軸で示す時間が
経過してもS量の低下、即ち脱硫現象は認められなかっ
た。なお、球状化処理した溶湯を注湯取鍋に戻した時の
溶湯温度1350℃(図7中の左から2番目の黒丸印の
位置での溶湯温度)は、溶湯が静止状態(攪拌なし)の
ために出湯から約1400秒経過時に1220℃(図7
中の1番右の黒丸印の位置での溶湯温度)まで下がり、
溶湯表面に薄い酸化皮膜が生成した。尚、図7中の白丸
印は、球状化処理前の共晶組成溶湯のS含有量0.01
0wt%である。
【0031】実施の形態その3で説明したように、球状
化処理した溶湯を静止(攪拌なし)の状態で保持した場
合には脱硫現象が生じなかったこと、および前記実施の
形態その1で高周波炉の電源ONにして誘導電流により
溶湯を攪拌しながら溶湯保持温度を1250℃〜135
0℃とした場合には脱硫現象が生じたこと、とを比較し
てみると、脱硫の促進には球状化処理を行った溶湯の攪
拌が不可欠であると考えられる。ここで言う攪拌とは、
球状化処理を行った溶湯を誘導電流による攪拌について
述べたが、たとえば金属製羽根や鉄棒を溶湯中に入れて
機械的方法で溶湯を攪拌してもよいことは当然である。
【0032】(実施の形態その4)前記実施の形態その
1においては、球状化処理剤としてFe−45%Si−
6%Mg合金を使用したが、実施の形態その4において
は、球状化処理剤としてFe−Si−Mg−Ca−RE
M合金を使用して、球状化処理剤が脱硫に及ぼす影響を
調査、確認した。図8はC3.7%、Si2.3%、S
0.01%、その他組成を含む共晶組成の溶湯をFe−
Si−Mg−Ca−REM合金を使用してサンドイッチ
法で球状化処理を行った後、高周波炉に戻し(図8中の
左から2番目の黒丸印の位置、溶湯温度は1350
℃)、出湯後約450秒に高周波炉に通電(20KW)
(図8中の左から3番目の黒丸印の位置)して溶湯を攪
拌させながら溶湯温度を1300℃に保持した場合の脱
硫の変化を黒丸印で示したものである。その結果、図8
に示すように、実施の形態その1での図2(溶湯を攪拌
させながら溶湯温度を1300℃に保持)に示したのと
同様、脱硫が急速に進行して、高周波炉通電開始から約
1800秒(横軸で示す出湯後2300秒の位置)には
S量は0.001%レベル(図8中の右から2番目の黒
丸印で示すS量である。)まで脱硫された。前記実施の
形態その1での図2と実施の形態その4での図8を比べ
てみると、球状化処理剤の違いによって脱硫の速度、程
度等に関してはほとんど差異はないと考えられる。
【0033】(実施の形態その5)実施の形態その5に
おいては、C+(Si/4)=約4.3の共晶組成の溶
湯ではあるが、低C・高Siの溶湯と高C・低Siの溶
湯との脱硫に及ぼす影響を調査、確認した。図9は白丸
印で示すS量約0.012%の低C・高Si(C3.7
%、Si2.3%)の共晶組成の溶湯を、球状化処理剤
Fe−Si−Mg−Ca−REM合金を使用して、サン
ドイッチ法により球状化処理(図9中の1番左の黒丸印
の位置、溶湯温度は1400℃)し、高周波炉に戻し
(図9中の左から2番目の黒丸印の位置、この時の溶湯
温度は1350℃)、通電(20KW)して溶湯を攪拌
しながら溶湯温度を1300℃に保持した場合の溶湯中
のS量を、出湯からの時間(秒)に対応して黒丸印で示
したものである。
【0034】図9に示した脱硫の調査に適用した低C・
高Siの共晶組成の溶湯は、重量%で、C:3.7、S
i:2.3、Mn:0.40、P:0.01、S:0.
012、Cu:0.02、Cr:0.01、Mg:0.
040、残部Feおよび不可避的不純物を含み、C+
(Si/4)=4.27のものである。通電開始(図9
中の左から3番目の黒丸印の位置、出湯から約450
秒)して溶湯を攪拌すると、直ちに急速に脱硫が生じ、
通電開始から約150秒(出湯から600秒)にはS量
が0.004%に低下し、以後徐々に脱硫が進行して通
電開始から約1850秒(出湯から2300秒)経過時
にはS量が約0.001%まで脱硫された。なお、高周
波炉は、実施の形態その1での図2の場合に適用したの
と同様に98〜99%SiO2よりなるライニング材で
ライニングされたものである。
【0035】図10はC+(Si/4)=4.32の高
C・低Si(C4.2%、Si0.5%)および球状化
処理前溶湯のS量0.014%の共晶組成の溶湯である
以外は、図9に示すものと同様の条件で調査を行い、溶
湯中のS量を出湯からの経過時間(秒)に対応して黒丸
印で示したものである。球状化処理(図10中の左から
2番目の黒丸印の位置)した溶湯を高周波炉に戻し、高
周波炉通電開始(図10中の左から3番目の黒丸印の位
置、出湯後約400秒)して溶湯を攪拌すると、直ちに
急速に脱硫が生じ、通電開始から約800秒(出湯から
1200秒)には溶湯中のS量が0.004%に低下
し、以後時間が経過しても脱硫は進行せず、むしろS量
が若干増加し、通電開始から約2200秒(出湯から約
2650秒)経過時にはS量が約0.006%になっ
た。
【0036】球状化処理前のS量%はほとんど同じ共晶
組成の溶湯ではあるが、低C・高Si(C3.7%、S
i2.3%)の溶湯の脱硫の変化を示す図9と、高C・
低Si(C4.2%、Si0.5%)の溶湯の脱硫の変
化を示す図10とを比べてみると、両溶湯とも脱硫現象
は発生している。そして、低C・高Si(C3.7%、
Si2.3%)の溶湯の脱硫の程度が、高C・低Si
(C4.2%、Si0.5%)の溶湯の脱硫の程度より
も顕著で、非常に低いS量約0.001%まで脱硫され
た。なお、日本金属学会会報によると、鉄鋼の分野での
S量の最小含有量は2ppmと示されている。この2p
pmがどのような技術で達成されたかは分からないが、
原価の制約をやや緩めた場合の数値としている。以上の
実施の形態その1〜実施の形態その5で詳細に説明した
ように、本発明によれば、球状化処理した共晶組成溶湯
を攪拌しながら1250〜1350℃に所定時間保持す
るという非常に簡単な手段により著しい脱硫効果を達成
することができる。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明のとおり、本発明の低硫
黄含有共晶組成鉄は、4.0%<C%+(Si%/4)
<4.5%を満足し、硫黄含有量が0.002%以下で
ある。このために銑鉄や球状黒鉛鋳鉄等に適用できる。
また、本発明の低硫黄含有共晶組成鉄の製造方法は、共
晶組成の溶湯を球状化処理した後、該溶湯に攪拌を付与
しながら1250〜1350℃の温度に所定時間保持す
るという非常に簡単な手段により著しい脱硫効果が得ら
れると共に、復硫を阻止することができ、硫黄含有量を
0.002重量%以下にすることができる。このため、
硫黄含有量の高い原材料でも使用できることから製造コ
ストの低減にも寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】球状化処理した溶湯を酸性ライニング材(Si
2)でライニングされた高周波炉内で、誘導電流によ
り溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1250℃に保持した
場合における脱硫の変化を示す図である。
【図2】球状化処理した溶湯を酸性ライニング材(Si
2)でライニングされた高周波炉内で、誘導電流によ
り溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1300℃に保持した
場合における脱硫の変化を示す図である。
【図3】球状化処理した溶湯を酸性ライニング材(Si
2)でライニングされた高周波炉内で、誘導電流によ
り溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1350℃に保持した
場合における脱硫の変化を示す図である。
【図4】球状化処理した溶湯を酸性ライニング材(Si
2)でライニングされた高周波炉内で、誘導電流によ
り溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1400℃に保持した
場合における脱硫の変化を示す図である。
【図5】球状化処理した溶湯を中性ライニング材(Al
23(49%)・MgO(50%))でライニングされ
た高周波炉内で、誘導電流により溶湯を攪拌しながら溶
湯温度を1300℃に保持した場合における脱硫の変化
を示す図である。
【図6】球状化処理した溶湯を酸性ライニング材(Si
2)でライニングされた高周波炉内で、静止状態(攪
拌なし)に保持した場合における脱硫の変化を示す図で
ある。
【図7】図7は図6の場合に適用した98〜99%Si
2よりなるライニング材でライニングされた高周波炉
に代えて、Al23(49%)・SiO2(40%)よ
りなる中性ライニング材でライニングされた注湯取鍋を
適用した場合における脱硫の変化を示す図である。
【図8】図8はC3.7%、Si2.3%、S0.01
%、その他組成を含む共晶組成の溶湯をFe−Si−M
g−Ca−REM合金を使用してサンドイッチ法で球状
化処理を行った後、高周波炉に戻し、通電(20KW)
して溶湯を攪拌しながら溶湯温度を1300℃に保持し
た場合における脱硫の変化を示す図である。
【図9】S含有量0.012wt%の低C・高Si(C
3.7%、Si2.3%)の共晶組成の溶湯を、球状化
処理剤Fe−Si−Mg−Ca−REM合金を使用し
て、サンドイッチ法により球状化処理を行った後、高周
波炉に戻し、通電(20KW)して溶湯を攪拌しながら
溶湯温度を1300℃に保持した場合における脱硫の変
化を示す図である。
【図10】S含有量0.014wt%の高C・低Si
(C4.2%、Si0.5%)の共晶組成の溶湯である
以外は、図9に示すものと同様の条件で調査を行った場
合における脱硫の変化を示す図である。
【符号の説明】
(なし)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:3.0〜4.5%、S
    i:0.1〜4.0%、その他組成、残部Feおよび不
    可避的不純物を含み、4.0%<C%+(Si%/4)
    <4.5%を満足し、その他組成のうちの硫黄含有量が
    0.002%以下であることを特徴とする低硫黄含有共
    晶組成鉄。
  2. 【請求項2】 前記共晶組成鉄が、銑鉄または球状黒鉛
    鋳鉄であることを特徴とする請求項1記載の低硫黄含有
    共晶組成鉄。
  3. 【請求項3】 共晶組成の溶湯を球状化処理した後、該
    溶湯に攪拌を付与しながら1250〜1350℃の温度
    に保持することにより硫黄含有量を0.002重量%以
    下にすることを特徴とする低硫黄含有共晶組成鉄の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記共晶組成の溶湯が、重量%で、C:
    3.0〜4.5%、Si:0.1〜4.0%、Mn:
    0.30〜0.40%、Mg:0.035〜0.042
    %、残部Feおよび不可避的不純物を含み、4.0%<
    C%+(Si%/4)<4.5%を満足する組成である
    ことを特徴とする請求項3記載の低硫黄含有共晶組成鉄
    の製造方法。
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