JP2000344624A - ステインリムーバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種染毛剤にによる皮膚染着物に対して、十
分な汚れ落とし性能を有するステインリムーバーを提供
する。 【解決手段】 発色抑制物質を緩衝液中に配合して形成
した水性組成物からなることを特徴とするステインリム
ーバー。発色抑制物質とカチオン性物質を緩衝液中に配
合して形成した水性組成物からなることを特徴とするス
テインリムーバー。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、新規なステインリ
ムーバー（皮膚汚染除去剤）に関するものであり、各種
染毛剤（永久染毛剤、半永久染毛剤、一次染毛剤）を施
術する際の皮膚汚染を除去するためのものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、毛染め製品には多くの分類がある
が、これらの共通の欠点として、施術時に頭髪以外につ
いてしまった染料が、皮膚等を染め汚してしまうという
欠点があげられる。このような皮膚染着物（ステイン）
を除去するための脱色剤として、発色抑制物質としての
チオグリコール酸／キレート剤を配合したものが提案さ
れているが（特開昭４９−８１５４８号公報）、永久染
毛剤である酸化染料による染着のみを対象としており、
現在染毛剤のおよそ半分を占めるようになっている半永
久染毛剤であるヘアマニキュアやヘアカラー染料への効
果は、期待されにくい。これを行うために、亜硫酸塩類
／ベンジルアルコール／カチオン界面活性剤による毛髪
用脱染剤も提案されているが（特開平４−３５６４１３
号公報）、これは毛髪に対する作用のみに限定されてお
り、皮膚染着物の除去剤としては未だ満足しうるもので
はない。

【０００３】また、皮膚染着物に対する除去剤として、
尿素及び／又はチオ尿素／亜硫酸塩類及び／又はアルカ
リ成分による除去剤も提案されているが（特開平８−２
３９３０９号公報）、アルカリ領域となることから皮膚
への刺激等もやはり懸念され、未だ満足しうるものでは
ない。なお、半永久染毛剤（特に陰イオン染料を使用し
た染毛剤）で染色する際の皮膚汚染を防止するために、
特定のアンモニウム塩を配合したものが提案されている
が（特開昭５８−１８０４２１号公報）、該防止剤は染
毛剤で染色する際に髪の生え際に予め塗布することによ
って皮膚の汚染を防止するものであって、皮膚に付着し
た染毛剤を除去するステインリムーバーとは使用方法が
異なり、該防止剤をそのままステインリムーバーに適用
することはできない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種染毛剤
にによる皮膚染着物に対して、十分な汚れ落とし性能を
有するステインリムーバーを提供することをその課題と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、発色抑制物質を緩衝
液中に配合して形成した水性組成物で染着物をふき取る
ことにより、その汚れを大幅に除去できることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれ
ば、発色抑制物質を緩衝液中に配合して形成した水性組
成物からなることを特徴とするステインリムーバーが提
供される。また、本発明によれば、発色抑制物質とカチ
オン性物質を緩衝液中に配合して形成した水性組成物か
らなることを特徴とするスティンリムーバが提供され
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明で用いる緩衝液には、クエ
ン酸−クエン酸Ｎａ、フタル酸Ｋ−ＮａＯＨ、クエン酸
二Ｎａ−ＨＣｌ、クエン酸水素二Ｎａ−ＮａＯＨ、クエ
ン酸二水素Ｋ−ＮａＯＨ、こはく酸−四ほう酸Ｎａ、ク
エン酸二Ｋ−四ほう酸Ｎａ、リン酸水素二Ｎａ−クエン
酸、酢酸−酢酸Ｎａ等が包含される。本発明では、特
に、クエン酸−リン酸一水素ナトリウムの使用が好まし
い。

【０００７】本発明で用いる発色抑制物質とは、色素中
の発色団を破壊し、有色色素の発色を抑制することがで
きる物質を意味する。前記発色抑制物質には、前記した
発色抑制性能を有する各種の物質、例えば、フェノール
系化合物、キノン系化合物、アミン系化合物、有機酸、
アルコール、エステル、イオウ系化合物等が包含され
る。

【０００８】前記フェノール系化合物としては、グアヤ
ク脂、ノルヒドログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロ
ピル等が挙げられる。前記キノン系化合物としては、ヒ
ドロキノン、トコフェノール、酢酸トコフェノール等が
挙げられる。前記アミン系化合物としては、アルカノー
ルアミン、リン脂質等が挙げられる。前記有機酸、アル
コール、エステルとしては、ソルビトール、グリセリ
ン、プロピレングリコール、アジピン酸、クエン酸、ア
スコルビン酸等が挙げられる。前記無機酸及び無機塩と
しては、リン酸、リン酸塩等が挙げられる。前記イオウ
系化合物としては、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ジ
チオジグリコール酸ジアンモニウム、システイン、Ｎ−
アセチル−Ｌ−システイン等が挙げられる。本発明で
は、発色抑制物質としては、特に、無機塩の使用が好ま
しい。

【０００９】本発明の組成物には、好ましくはカチオン
性物質が配合される。このカチオン性物質には、カチオ
ン界面活性剤、カチオン性高分子及びカチン化窒素化合
物が包含される。前記カチオン界面活性剤としては、脂
肪族アミン塩（一級、二級、三級アミン塩、四級アンモ
ニウム塩、ヒドロキシアンモニウム塩、エーテルアンモ
ニウム塩）、芳香族四級アンモニウム塩（ベンザルコニ
ウム塩、ベンセトニウム塩、ピリジニウム塩）がある。
その具体例を示すと、以下の通りである。 （１）第４級アンモニウム塩

【化１】 （２）第１級アミン塩

【化２】 （３）第２級アミン塩

【化３】 （４）第３級アミン塩

【化４】 （５）ヒドロキシアンモニウム塩

【化５】 （６）エーテルアンモニウム塩

【化６】 （７）ベンザルコニウム塩

【化７】 （８）ベンゼトニウム塩

【化８】 （９）ピリジニウム塩

【化９】 （１０）イミダゾリニウム塩

【化1０】

【００１０】前記式中、Ｒ₁は炭素数１２〜２４のアル
キル基又はアルケニル基を示し、Ｒ₂〜Ｒ₄は炭素数１〜
３又は１２〜２４のアルキル基又はアルケニル基を示
す。Ｒは炭素数１〜１２、好ましくは１〜６のアルキル
基を示す。Ｘは塩化塩、臭化塩、ヨウ化塩、メチル硫酸
塩、エチル硫酸塩等の塩から誘導されるアニオンを示
す。

【００１１】カチオン性高分子としては、カチオン化グ
アガム、カチオン化セルロース、ポリアルキルビニルピ
リジニウム、塩化Ｎ，Ｎ，Ｎ’,Ｎ’−テトラメチル−
Ｎ−ヘキサメチレン−トリメチレン−ジアンモニウム共
重合体、Ｎ−ビニルピロリドン−Ｎ，Ｎ−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。

【００１２】カチオン化窒素化合物としては、ベタイ
ン、アルキルベタイン、ジメチル尿素、アミノ酸塩酸塩
類等が挙げられる。

【００１３】前記発色抑制物質の使用量は、組成物中、
０．０１〜１０重量％であり、低温安定性を考慮する
と、０．３〜３重量％の範囲にするのが好ましい。カチ
オン性化合物の使用量は、０．０１〜１０重量％、好ま
しくは０．１〜５重量％である。多量配合すると組成物
に刺激感が生じるので好ましくない。本発明の組成物
は、液状、ジェル状、クリーム状等の形態において用い
られる。

【００１４】本発明の組成物には、必要に応じて慣用の
補助成分を本発明の目的を阻害しない範囲で含有するこ
とができる。このような補助成分には、保湿剤、油剤、
非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、殺菌剤、香
料、色素、防腐剤、ｐＨ調整剤等が包含される。

【００１５】保湿剤は、皮膚をしっとりさせる作用をも
つが、その配合量は、通常約３０重量％以下である。そ
の具体例としては、例えば、プロピレングリコール、グ
リセリン、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレン
グリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリオキ
シエチレングリコール＃３００、＃４００、＃１００
０、＃１５００、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、ヘキシレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール＃２００、＃４００、ソルビトール、シ
ュウクロース、マルトース等を挙げることができる。こ
れらの１種又は２種以上が使用される。油剤としては、
通常約２〜３０重量％配合される。その具体例として
は、エステル系油分（イソプロピルミリステート、イソ
プロピルパルミテート、ミリスチルミリステート、乳酸
セチル、イソプロピレングリコールモノステアレートな
ど）、炭化水素系油分（固形パラフィン、流動パラフィ
ン、ワセリン、スクワランなど）及びシリコーン系油分
を挙げることができる。これらの１種又は２種以上が使
用される。上記油剤中、炭化水素系油分が好ましい。非
イオン界面活性剤は、均一な分散液、乳化液又はクリー
ムを与える。

【００１６】

【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。

【００１７】実施例１〜５、比較例１〜６ 表１に示す成分組成（重量％）のステインリムーバ液を
作り、その性能評価を以下のようにして行った。

【００１８】（評価方法） （１）ヘアマニキュア（半永久染毛剤）での評価 市販のヘアマニキュア＜ダークブラウン＞０．２ｍＬを
前腕内側部に塗布し、１５分間室温で放置する。その
後、ステインリムーバー液１．５ｍＬをコットンパフに
含浸させ、３分湿布を２回くり返す。ステインリムーバ
ー液使用前と使用後の汚染部位の色差（ΔＥ）を測定
し、除去率（％）を求めた（パネル３名の平均値）。 除去率（％）＝｛１−(リムーバー液使用後のΔＥ／リ
ムーバー液使用前のΔＥ)｝×100

【００１９】（２）ヘアカラー（永久染毛剤）での評価 市販のヘアカラー＜６トーン＞の１液、２液の１：１混
合液０．２ｍＬを混合後すみやかに前腕内側部に塗布
し、３０分間室温で放置する。その後、ステインリムー
バー液１．５ｍＬをコットンパフに含浸させ、３分湿布
を２回くり返す。ステインリムーバー液使用前と使用後
の汚染部位の色差（ΔＥ）を測定し、除去率（％）を求
めた（パネル３名の平均値）。 除去率（％）＝｛１−(リムーバー液使用後のΔＥ／リ
ムーバー液使用前のΔＥ)｝×100

【００２０】なお、前記色差（ΔＥ）の測定は、日本電
色社製 Spectro Color Meter SE2000を用いて行った。

【００２１】（３） 還元剤残量の測定量 リムーバー液を５ｍＬ測り取り、０．０５ｍｏｌ／Ｌヨ
ウ素溶液で滴定した。フレッシュ品の滴定量を１００％
とし、各還元剤の量を算出した。 （４） 液外観の測定法 −５℃高温相から透明容器に入れたサンプルを出した直
後に目視判定した。 （５）総合評価 ヘアマニキュア及びヘアカラーの汚染部除去率が高く、
５０℃保存においても還元剤量の減少率が小さく、−５
℃において液外観が無色透明なもの・・・◎ 除去率は高く、高温での還元剤量の減少量が少さいが、
低温で系が不安定であるもの・・・○ 除去率は高いが、高温での還元剤残量が少ないもの・・
・△ 系の安定性は保たれているものの、除去率が中程度のも
の・・・△ 除去率が小さいもの・・・×

【００２２】

【表１】

【００２３】 実施例６ 炭酸水素ナトリウム １．０（％） 塩化ベンザルコニウム １．０ 尿素 ２．０ クエン酸 ０．５ リン酸二水素ナトリウム ５．０ エタノール １５．０ 精製水 残 部

【００２４】 実施例７ 亜硫酸ナトリウム １．０（％） 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム ０．５ チオ尿素 ０．５ リン酸 １．５ リン酸一水素ナトリウム ４．０ エタノール ２０．０ ヒドロキシエチルセルロース １．５ 精製水 残 部

【００２５】 実施例８ ピロ亜硫酸ナトリウム １．０（％） 塩化セチルジメチルアンモニウム １．０ グリセリン ５．０ 香料 ０．２ クエン酸 １．２ リン酸一水素ナトリウム ４．５ エタノール １５．０ 精製水 残 部

【００２６】 実施例９ チオグリコール酸 １．０（％） ジチオジグリコール酸 ０．５ 塩化セチルピリジニウム １．０ アスコルビン酸 ０．５ クエン酸ナトリウム ０．５ エタノール １５．０ キサンタンガム １．５ 精製水 残 部

【００２７】 実施例１０ ピロ亜硫酸ナトリウム ０．５（％） 炭酸水素ナトリウム ０．５ 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム １．０ リン酸一水素ナトリウム ５．０ クエン酸 １．３ プロピレングリコール ５．０ エタノール ５．０ 精製水 残 部

【００２８】

【発明の効果】本発明のステインリムーバーによれば、
ヘアマニキュアや、ヘアカラーによる皮膚染着物を高い
除去率で除去することができる。また、本発明のステイ
ンリムーバーは、安定性の高いもので、５０℃の温度に
保存してもその発色抑制物質の減少が小さく、かつ良好
な透明性を有する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 睦 東京都墨田区本所一丁目３番７号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 西田 勇一 東京都墨田区本所一丁目３番７号 ライオ ン株式会社内 Ｆターム(参考） 4C083 AB282 AB312 AB352 AC102 AC122 AC152 AC302 AC482 AC682 AC692 AC772 AD282 AD352 AD642 BB44 BB60 CC22 CC31 CC50 DD23 EE11

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発色抑制物質を緩衝液中に配合して形成
   した水性組成物からなることを特徴とするステインリム
   ーバー。
2. 【請求項２】 発色抑制物質とカチオン性物質を緩衝液
   中に配合して形成した水性組成物からなることを特徴と
   するステインリムーバー。