JP2000344219A - 樹脂製容器 - Google Patents

樹脂製容器

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JP2000344219A
JP2000344219A JP15785999A JP15785999A JP2000344219A JP 2000344219 A JP2000344219 A JP 2000344219A JP 15785999 A JP15785999 A JP 15785999A JP 15785999 A JP15785999 A JP 15785999A JP 2000344219 A JP2000344219 A JP 2000344219A
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opening
angle
peripheral edge
resin
cap
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Application number
JP15785999A
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English (en)
Inventor
Takefumi Iwanami
健文 岩波
Toshinari Matsunami
俊成 松波
Toshio Nakazawa
利夫 中澤
Jiro Kobayashi
二郎 小林
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Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Calpis Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容器の亀裂や破損等を発生させることなく高い
密封性を得ることができ、且つ密封後の容器内腔に微細
な溝状の空隙を生じず加熱殺菌を簡便且つ確実に行うこ
とができる樹脂製容器を提供する。 【解決手段】樹脂製ボトルと樹脂製蓋とを含み、前記ボ
トルの開口の内壁が密封に際し前記蓋と90〜135度
の角度で接する形状であり、前記開口の前記蓋に接する
面が、その内周縁端から外周縁端に向かって低くなるよ
う傾斜し、前記開口の前記蓋に接する面の、内周縁端に
おける傾斜角が、0度以上35度未満であることを特徴
とする樹脂製容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱殺菌を低温で簡便
に十分行うことができる、飲食品等を充填するための樹
脂製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種飲料等の液体の飲食品を充填
するための容器として、ペットボトル等の樹脂製容器、
特にボトル及び蓋のいずれもが樹脂製であるものが、軽
量、低コスト、簡便性等の観点から消費者に評価され多
く用いられている。
【0003】しかし、樹脂は金属、ガラス等の材料に比
べて物理的強度において劣り、樹脂製ボトルに樹脂製蓋
を螺着又は打栓する際の印加力を高くすると亀裂や破損
等を招くため、かかる印加力が制限される。従って、容
器の亀裂や破損等を発生させることなく高い密封性を得
ることが困難であるという問題点がある。
【0004】容器の亀裂や破損等を発生させずに高い密
封性を得るために、図1に示すように、ボトル11の口部
開口端面15が、外周縁部17から内周縁部16に向かって低
くなる(なお、本明細書において、ボトル開口面の位置
の「高い」及び「低い」とは、図面において図示される
通り、ボトル開口を上側に向けた場合の高さを意味す
る。)傾斜を設け、この面において蓋のシール材12とボ
トル11の開口端面とが接するようにした樹脂製容器が、
従来より提案されている。また、図2に示すように、ボ
トル21の口部開口端面25の内周縁部と外周縁部の両方に
傾斜(26,27)を設けた樹脂製容器が、従来より用いられ
ている。これらのような容器を採用した場合、容器の亀
裂や破損等を発生させず且つ密封性が良好となる。
【0005】しかしながら、このような樹脂製容器の場
合、ボトルの内壁(13,23)とシール材(12,22)との接する
線(14,24)付近において、微細な溝状の空隙が生じやす
い。このような溝状の空隙は、容器の密封性には影響し
ないものの、密封後の殺菌の工程においてそこに気泡が
付いたままの状態になりやすく、真菌等の微生物が液体
に接液されず、加熱殺菌に際し加えた熱が伝達しにくく
なりうる。もしそのような微生物が残存した場合、その
後密封性が損なわれなくても微生物が繁殖しうることと
なるので、接液されない微生物をも十分殺菌するために
は、比較的高温、長時間の殺菌を行なう必要がある。
【0006】一方、金属製又はガラス製容器に比べて樹
脂製容器は、耐熱性が劣り、加熱殺菌温度を高温にする
と容器の変形を招くので、加熱殺菌を行う場合の加熱温
度が制限される。さらに樹脂製容器は熱伝導性も低い。
そのため、樹脂製容器では、容器に飲食品を充填した後
に加熱殺菌を行う場合、前記の溝状の空隙等における殺
菌をも十分に行え、且つ容器の変形を防ぐことができる
よう、温度を厳密に制御し、長時間で殺菌をする必要が
あり、コストがかかるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容器
の亀裂や破損等を発生させることなく高い密封性を得る
ことができ、且つ密封後の容器内腔に微細な溝状の空隙
を生じず加熱殺菌を簡便且つ確実に行うことができる樹
脂製容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、種々の形状の開口部を有する樹脂製
容器において加熱殺菌処理時の生残微生物の試験を行な
ったところ、特定の形状の開口部を有する容器が上記課
題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明によれば、樹脂製ボトルと樹
脂製蓋とを含み、前記ボトルの開口の内壁が密封に際し
前記蓋と90〜135度の角度で接する形状であり、前
記開口の前記蓋に接する面が、その内周縁端から外周縁
端に向かって低くなるよう傾斜し、前記開口の前記蓋に
接する面の、内周縁端における傾斜角が、0度以上35
度未満であることを特徴とする樹脂製容器が提供され
る。
【0010】また、本発明によれば、前記開口の前記蓋
と接する面が前記内周縁端から前記外周縁端にわたり平
坦であり、前記内周縁端における傾斜角が5度以上35
度未満である前記樹脂製容器が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、前記開口の前記
蓋と接する面が前記内周縁端から前記外周縁端にわたり
凸状の曲面であり、前記内周縁端における傾斜角が0度
以上35度未満である前記樹脂製容器が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂製容器を、具
体的な態様の例を図示する図3及び図4等を参照しなが
ら説明する。
【0013】本発明の樹脂製容器は、樹脂製ボトル(31,
41)と樹脂製蓋とを含む。これらを構成する樹脂として
は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(P
E)等の各種の樹脂を用いることができる。樹脂製蓋の
形態は、ボトルの開口を密封できるものであれば特に限
定されず、螺着又は打栓等により開口を覆うことができ
る各種の形態とすることができ、図3及び図4において
図示されるシール材(32,42)を含むか、または蓋とシー
ル材とを一体のものとして成形したもの等とすることが
できる。図3及び図4において、シール材はボトル開口
の外径と同一の寸法のものとして図示されているが、こ
れより大きいもの、又は小さいものとすることもでき
る。前記シール材の材質は特に限定されないが、PE
T、PP、PE等のボトル等を構成しうる材質に加えて
ポリスチレン(PS)等を用いることができる。
【0014】本発明の樹脂製容器においては、ボトル(3
1,41)の開口の内壁(33,43)は、密封に際し蓋と90〜1
35度の角度で接する形状である。具体的には、内壁(3
3,43)と蓋本体又は蓋に含まれるシール材(32,42)とがな
す角θ1は、90度〜135度の範囲であり、好ましく
は90〜120度とすることができる。θ1が90度未
満の場合、内壁(33,43)と蓋とが接する線(34,44)上に気
泡が溜まりやすくなり加熱殺菌に際し加えた熱が伝達し
にくくなりうる部分が生じ、135度を越える場合先端
部の強度が低下して品質管理上のトラブルを招きやすく
なる等の不都合がある。
【0015】なお、内壁(33,43)とボトルの開口の蓋に
接する面(35,45)とは、内周縁端(36,46)において直角若
しくは鋭角をなすが、実質的に内壁(33,43)が蓋と前記
特定の角度で接し、気泡が溜まることを防ぐことができ
る限りにおいて、内周縁端を面取りした形状とすること
ができる。
【0016】本発明の樹脂製容器においては、ボトルの
開口の蓋に接する面(35,45)が、その内周縁端(36,46)か
ら外周縁端(37,47)に向かって低くなるよう傾斜する。
本明細書において、ボトル開口の面の位置の「高い」及
び「低い」とは、前述の通りボトル開口を上側に向けた
場合の高さを意味する。内周縁端と外周縁端とを結ぶ線
(39,49)が、ボトルの開口の面(38,48)となす角θ3は、
特に限定されないが、5度以上45度未満の角とするこ
とが好ましい。
【0017】本発明の樹脂製容器においては、面(35,4
5)の内周縁端(36,46)における傾斜角が、0度以上35
度未満である。ここで面の内周縁端における傾斜角と
は、内周縁端(36,46)において面(35,45)と開口の面(38,
48)とがなす角θ2をいう。
【0018】本発明の樹脂製容器における、開口の蓋に
接する面の態様は、特に限定されないが、具体的には例
えば、図3に示す通り、面35を、前記内周縁端から前記
外周縁端にわたり平坦とすることができる。つまり、こ
の場合面35は、開口が円形であれば、円錐台形状の形状
となる。この場合、面35と開口の面38とがなす角が傾斜
角となる。このように開口の蓋に接する面が平坦である
場合、角θ2は、0度を超える角度となる必要があり、
5度以上35度未満であることが好ましい。
【0019】また、例えば図4に示す通り面45を凸状の
曲面とすることもできる。この場合、前記傾斜角θ2
は、0度以上35度未満とすることができ、また、内周
縁端46と外周縁端47とを結ぶ線49が、ボトルの開口の面
48となす角θ3は、特に限定されないが、5度以上45
度未満の角とすることが好ましい。
【0020】さらに、例えば図5に示す通り、面55を多
角形状の凸状の形状とすることもできる。この場合も、
前記傾斜角θ2は、0度以上35度未満とすることがで
き、また、内周縁端56と外周縁端57とを結ぶ線59が、ボ
トルの開口の面58となす角θ3は、特に限定されない
が、5度以上45度未満の角とすることが好ましい。
【0021】本発明の樹脂製容器は、清涼飲料、スープ
等の飲食品をボトルに充填した後、蓋により密封してか
ら加熱殺菌に供することができる。樹脂製容器に樹脂製
蓋を螺着又は打栓し、滅菌処理後の樹脂製容器の開口部
における微生物検査方法としては、寒天培地を用いたス
タンプ試験法、キャップシール材に対する重層寒天培地
法等があるが、本発明の樹脂製容器は、過剰な高温を適
用しなくても、加熱殺菌処理後にこれらのような方法等
により検査した場合、前記溝状の空隙において、残存し
た微生物が確認されないものとすることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の樹脂製容器は、容器の亀裂や破
損等を発生させることなく高い密封性を得ることがで
き、且つ密封後の容器内腔に微細な溝状の空隙を生じな
いため、過剰な高温を適用しなくても簡便に十分な加熱
殺菌を行うことができ、微生物汚染製品の発生を予防す
ることができる。従って、清涼飲料、スープ等の飲食品
を充填するための樹脂製容器として有用である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0024】
【実施例1】図3に模式的に示される開口の形状を有
し、傾斜角θ2が30°であり、容量500mlの樹脂
製容器を調製した。
【0025】乳性酸性飲料溶液(R.Brix 11.
0、pH3.5、酸度0.2%)を液温85°Cまで加
熱し、前記樹脂製容器20本にそれぞれ500g熱充填
し、予めカビ(Penicillium fumicu
losum ATCC−9644)の胞子懸濁液(3×
104個/ml)0.5mlを付着させ風乾させたキャ
ップシール材(Φ24.3mm)を内面装着した樹脂製
蓋を螺着した後に、直ちに樹脂製容器を倒置して30秒
間保持した。その後、正置状態に戻し25°Cまで冷却
し、25°C恒温機中で21日間保存した。保存期間終
了後に、樹脂製容器20本それぞれのキャップシール材
を取り出し、それぞれシャーレ中に載置した。その上に
ポテトデキストローズ寒天培地(栄研化学(株)製)
を、キャップシール材が浸漬して覆われるまで重層した
後に25°C、5日間培養した。その結果、カビの生育
は全てのキャップシール材から検出されなかった。
【0026】
【比較例1】図1に模式的に示される、内周縁部よりも
外周縁部が高い形状の開口を有し、傾斜角度θ4が30
°であり、容量500mlの樹脂製容器を調製した。
【0027】乳性酸性飲料溶液(R.Brix 11.
0、pH3.5、酸度0.2%)を液温85°Cまで加
熱後に、前記樹脂製容器20本にそれぞれ500g熱充
填し、予めカビ(Penicillium fumic
ulosum ATCC−9644)の胞子懸濁液く3
×104個/ml)0.5mlを付着し風乾させたキャ
ップシール材(Φ24.3mm)を内面装着した樹脂製
蓋を螺着した後に、直ちに樹脂製容器を倒置して30秒
間保持した。その後、正置状態に戻し25°Cまで冷却
し、25°C恒温機中で21日間保存した。保存期間終
了後に、樹脂製容器20本それぞれのキャップシール材
を取り出し、それぞれシャーレ中に載置した。その上に
ポテトデキストローズ寒天培地(栄研化学(株)製)
を、キャップシール材が浸漬して覆われるまで重層した
後に25°C、5日間培養した。その結果、カビの生育
は全てのキャップシール材の開口端の内周縁部から検出
された。
【0028】
【実施例2】図4に模式的に示される開口の形状を有
し、傾斜角θ2が12°であり、θ3が30°である、
容量500mlの樹脂製容器を調製した。
【0029】果汁100%還元オレンジジュース(R.
Brix 12.0、pH3.80、酸度0.7%)を
品温85°Cまで加熱後に、前記樹脂製容器20本にそ
れぞれ500g熱充填し、予めカビ(Penicill
ium fumiculosum ATCC−964
4)の胞子懸濁液(3×104個/ml)0.5mlを
付着し風乾させたキャップシール材(Φ24.3mm)
を内面装着した樹脂製蓋を螺着した後に、直ちに樹脂製
容器を倒置して30秒間保持した。その後、正置状態に
戻し25°Cまで冷却し、25°C恒温機中で21日間
保存した。保存期間終了後に、樹脂製容器20本それぞ
れのキャップシール材を取り出し、それぞれシャーレ中
に載置した。その上にポテトデキストローズ寒天培地
(栄研化学(株)製)を、キャップシール材が浸漬して
覆われるまで重層した後に25°C、5日間培養した。
その結果、カビの生育は全てのキャップシール材から検
出されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の樹脂製容器の口部の開口端の一例を示す
断面図である。
【図2】従来の樹脂製容器の口部の開口端の別の一例を
示す断面図である。
【図3】本発明の樹脂製容器の口部の開口端の一例を示
す断面図である。
【図4】本発明の樹脂製容器の口部の開口端の別の一例
を示す断面図である。
【図5】本発明の樹脂製容器の口部の開口端の別の一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51:樹脂製ボトル 12,22,32,42,52:樹脂製蓋のキャップシ
ール材 13,23,33,43:ボトルの開口の内壁 14,24,34,44:ボトル内壁とキャップシール
材とが接する線 15,25,35,45,55:開口のキャップシール
材に接する面 16,36,46,56:内周縁端 26:外周縁部の傾斜 27:内周縁部の傾斜 17,37,47,57:外周縁端 38,48,58:開口の面 39,49,59:内周縁端と外周縁端とを結ぶ線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中澤 利夫 神奈川県相模原市淵野辺5−11−10 カル ピス株式会社品質保証部内 (72)発明者 小林 二郎 神奈川県相模原市淵野辺5−11−10 カル ピス株式会社品質保証部内 Fターム(参考) 3E033 AA01 BA13 BA15 BA16 BA18 BA22 DA07 GA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製ボトルと樹脂製蓋とを含み、 前記ボトルの開口の内壁が密封に際し前記蓋と90度〜
    135度の角度で接する形状であり、 前記開口の前記蓋に接する面が、その内周縁端から外周
    縁端に向かって低くなるよう傾斜し、 前記開口の前記蓋に接する面の、内周縁端における傾斜
    角が、0度以上35度未満であることを特徴とする樹脂
    製容器。
  2. 【請求項2】 前記開口の前記蓋と接する面が前記内周
    縁端から前記外周縁端にわたり平坦であり、前記内周縁
    端における傾斜角が5度以上35度未満である請求項1
    記載の樹脂製容器。
  3. 【請求項3】 前記開口の前記蓋と接する面が前記内周
    縁端から前記外周縁端にわたり凸状の曲面であり、前記
    内周縁端における傾斜角が0度以上35度未満である請
    求項1記載の樹脂製容器。
JP15785999A 1999-06-04 1999-06-04 樹脂製容器 Pending JP2000344219A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005085077A1 (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Kirin Brewery Company, Limited 密封容器及びその製造方法
JP2013215230A (ja) * 2012-04-04 2013-10-24 Terumo Corp 医療用容器およびその製造方法
JP7570783B2 (ja) 2021-03-23 2024-10-22 株式会社吉野工業所 キャップ付き容器

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