JP2000342260A - 目的遺伝子導入個体の再分化効率を上昇させた植物への遺伝子導入用ベクター - Google Patents

目的遺伝子導入個体の再分化効率を上昇させた植物への遺伝子導入用ベクター

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JP2000342260A
JP2000342260A JP2000092460A JP2000092460A JP2000342260A JP 2000342260 A JP2000342260 A JP 2000342260A JP 2000092460 A JP2000092460 A JP 2000092460A JP 2000092460 A JP2000092460 A JP 2000092460A JP 2000342260 A JP2000342260 A JP 2000342260A
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plant
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Keiko Watanabe
惠子 渡邊
Takehide Kasahara
健秀 笠原
Akiyoshi Kawaoka
明義 河岡
Kazuya Nanto
和也 南藤
Hiroyasu Ebinuma
宏安 海老沼
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Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選抜マーカー遺伝子として毛状根形成遺伝子
を用い、しかも、目的遺伝子導入個体を効率良く得るこ
とのできる、植物への遺伝子導入用ベクターを提供す
る。同時に、遺伝子導入細胞の選抜後は、その選抜マー
カー遺伝子の影響を排除する機能を備え、効率的に目的
遺伝子の導入を何度でも繰返すことができ、また、選抜
マーカー遺伝子の影響が排除された遺伝子導入植物を容
易に作成することができる、植物への遺伝子導入用ベク
ターを提供する。 【解決手段】 植物遺伝子導入用ベクターにおいて、選
抜マーカー遺伝子として毛状根形成遺伝子及び誘導型プ
ロモーターの制御下に置かれた不定芽再分化遺伝子を独
立して、又は脱離能を有するDNA因子と挙動を一つに
する位置に組込んで用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子工学的手法
により目的遺伝子を植物に導入して遺伝子導入植物を得
る際に有用な新規ベクターに関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学技術を利用した植物への遺伝
子導入は、目的とする遺伝子を直接、対象となる植物に
導入することを可能とするため、(a)改変すべき形質
のみが導入できる、(b)植物以外の種(微生物等)の
形質も植物に導入できる、(c)育種期間の大幅な短縮
ができるなど、交配を重ねて行う古典的な育種と比べて
多くのメリットを有している。従って、その応用は、植
物育種の飛躍的進歩をもたらすものと期待され、欧米を
中心として研究が進み、現在では、多くの有用な遺伝子
導入植物が作出されて市場に出回っている。
【0003】具体的に、目的遺伝子を対象植物に導入
し、遺伝子導入植物を作成するには(1)目的遺伝子の
植物細胞への導入(染色体、核等に導入される場合も含
む。)、(2)目的遺伝子が導入された細胞のみからな
る植物組織の選抜、(3)選抜された植物組織からの植
物体の再生、の3段階を必ず経ることになる。このうち
目的遺伝子導入組織の選抜にあたっては、一般に、目的
遺伝子の発現している組織(目的遺伝子が発現している
組織は、当然これが導入された細胞からなる組織であ
る。)を、植物体を再生することなく、しかも肉眼で確
認することが困難なことから、目的遺伝子は、細胞培養
の段階でその発現が容易に検出できる選抜マーカー遺伝
子と共に植物細胞に導入され、選抜マーカー遺伝子の発
現の有無(すなわち選抜マーカー遺伝子の導入の有無)
が目的遺伝子導入の指標として用いられるのが普通であ
る。例えば、このような選抜マーカー遺伝子としては、
抗生物質耐性を付与するカナマイシン抵抗性遺伝子(N
PTII:ネオマイシンリン酸化酵素遺伝子)やハイグ
ロマイシン抵抗性遺伝子(HPT:ハイグロマイシンリ
ン酸化酵素遺伝子)、アミノ酸合成に関与するノパリン
合成酵素遺伝子(NOS)やオクトピン合成酵素遺伝子
(OCS)、農薬耐性を付与するスルフォニルウレア系
抵抗性遺伝子(ALS:アセトラクテート合成酵素遺伝
子)などがある。
【0004】しかし選抜マーカー遺伝子の発現はまた、
このような遺伝子導入植物を食用等に供することを目的
とした場合、重大な障害となる。つまり、かかる選抜マ
ーカー遺伝子が発現することによって生ずる遺伝子産物
の、人体への安全性を担保することが非常に困難だから
である。従って、これら選抜マーカー遺伝子を指標とし
て作成された遺伝子導入植物を食品として販売する場合
には、その遺伝子産物の人体への影響について詳細な調
査が必要とされる。例えば、NPTII遺伝子は、既に
1980年代前半から、選抜マーカー遺伝子として実験
室レベルでは盛んに用いられてきたが、1994年にな
ってようやく、その遺伝子産物が米国食品衛生局(FD
A)により食品添加物として認可され、これを選抜マー
カー遺伝子として用い、形質転換された遺伝子導入植物
が食用等に供されるようになった。しかし、実際にこれ
を口にすることになる肝心の消費者レベルでは、このよ
うなNPTII遺伝子産物への不安感は、依然として拭
い去り難く存在し続けている。
【0005】また現在、選抜マーカー遺伝子として実用
化されているのは、このNPTII遺伝子を始め、植物
細胞に対する成長阻害物質の解毒作用に寄与する遺伝子
のみであり、それ故、目的遺伝子導入組織の選抜にあた
っては、これら成長阻害物質を含む培地でその培養を行
い、選抜マーカー遺伝子の発現の有無、つまりはかかる
物質に対する耐性を評価し、これを指標とすることにな
る。しかしこの場合、耐性がある、すなわちかかる物質
の存在下で植物組織が増殖するといっても、これは程度
の問題であり、このような阻害物質の存在下での培養
が、植物細胞にとって好ましからぬ影響を与えることは
避け難く、現実に、植物細胞の活性低下に伴う、遺伝子
導入組織の増殖や再分化率の低下等の副作用が問題とな
っている。
【0006】さらに、遺伝子導入組織を選抜した後にお
いては、選抜マーカー遺伝子の発現は、植物育種を目的
とする研究者のレベルにおいても、大きな障害を与え
る。すなわち、ある選抜マーカー遺伝子を用いて作成さ
れた遺伝子導入植物に対して、更に別の遺伝子を新たに
導入しようとする場合には、二度と、同一の選抜マーカ
ー遺伝子を用いて遺伝子導入を行うことができない。既
に、対象となる植物には、この選抜マーカー遺伝子が存
在しているため、再びこれを、新たな目的遺伝子と共に
その同じ植物に導入しても、新たな目的遺伝子が導入さ
れようがされまいが、その植物においてはこの選抜マー
カー遺伝子が恒常的に発現しており、これを目的遺伝子
導入の指標とすることは、もはやできないからである。
従って、ある植物に対して遺伝子導入を繰返すことがで
きる回数は、その植物に対して何種類の異なった選抜マ
ーカー遺伝子を使用できるかによって、自ずから制約を
受けることとなる。しかし、現在実用できる選抜マーカ
ー遺伝子の種類はさして多くない。しかも、これらの選
抜マーカー遺伝子全てが、対象となる植物に使用できる
わけではないのである。
【0007】これらの問題を解決する手段として、本出
願人は先に、特開平9−154580において新規なベ
クターを提案した。このベクターは選抜マーカー遺伝子
として、自然界においても植物中に存在し、人体への安
全性がある程度担保されている形態異常誘導遺伝子(植
物への形態異常を誘導する遺伝子)を使用する。しか
も、このベクターを用いて植物への遺伝子導入を行え
ば、遺伝子導入組織はその形態を指標として容易に選抜
することができる。すなわち、遺伝子導入操作後の組織
を適当な条件で培養し、その培養中に生じてくる、異常
な形態をした組織を検出し、これを選抜してやればよ
い。選抜のために、植物細胞活性を低下させる物質を培
地に添加して培養する必要もない。また、このベクター
において脱離能を有するDNA因子を選抜マーカー遺伝
子と組合せ、植物への遺伝子導入を行えば、選抜マーカ
ー遺伝子の影響が完全に排除された遺伝子導入組織を得
ることができる。このような組織の取得も、遺伝子導入
の際と同様に、遺伝子導入組織の形態を指標とした選抜
を行うだけで、容易にすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9-154580に記載のベクターにおいて形態異常誘
導遺伝子として毛状根形成遺伝子を用いた場合、このベ
クターによる遺伝子導入操作後、形成される組織の異常
形態(毛状根)を指標として選抜を行っても、選抜され
る組織、そしてこの組織から再生される植物体の中に、
目的遺伝子非導入組織・個体が混在することがあり、結
果的に、目的遺伝子導入個体が効率良く得られない、と
いう問題があった。
【0009】従って、本発明は、選抜マーカー遺伝子と
して毛状根形成遺伝子を用い、しかも、目的遺伝子導入
個体を効率良く得ることのできるベクターを提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、選抜マーカー遺伝子として、毛状根形成遺伝子と
共に誘導型プロモーターの制御下に置かれた不定芽再分
化遺伝子を使用することにより、上記課題が解決される
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明の目的は、目的遺伝子、
並びに、選抜マーカー遺伝子として毛状根形成遺伝子及
び誘導型プロモーターの制御下に置かれた不定芽再分化
遺伝子を含むベクターにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】ここで毛状根形成遺伝子とは、毛状根を形
成し、又は毛状根の形成を誘導する機能を有する遺伝子
のことをいい、rol遺伝子群がその代表的なものであ
る(F.F.White et al.、J.Bacteriol.、164:33、198
5)。rol遺伝子群は、本来的にはアグロバクテリウ
ム属に属する細菌に存在し、これが植物染色体中に導入
されると、その植物細胞において、植物ホルモンである
オーキシンの感受性を高める等して、細く、著しく分岐
した毛状の根を分化させる。
【0014】一方、不定芽再分化遺伝子とは、不定芽を
形成し、又は不定芽の形成を誘導する機能を有する遺伝
子のことをいう。不定芽とは、本来芽となるべきではな
い組織より、分化してくる芽のことである。不定芽再分
化遺伝子としては、アグロバクテリウム・ツメファシエ
ンス(以下、A.ツメファシエンスと略す。)由来のサ
イトカイニン合成遺伝子であるipt遺伝子(A.C.Smig
ocki、L.D.Owens、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5131、1
988)、不活性型サイトカイニンを活性化する遺伝子で
ある大腸菌由来のβ-glucuronidase遺伝子(Morten Joe
rsbo and FinnT.Okkels、Plant Cell Reports 16:219-2
21、1996)、シロイヌナズナ由来でサイトカイニン受容
体遺伝子と考えられているCKI1遺伝子(Kakimoto
T.Science 274:982-985、1996)等が代表的なものであ
る。本発明においては、これらのように、導入された植
物細胞においてサイトカイニンによる影響を増大する方
向に働く遺伝子を、サイトカイニン関連遺伝子と呼んで
いる。なお、こうしたサイトカイニン関連遺伝子の中で
も、ipt遺伝子は最も良くその機能が解明されてお
り、また、不定芽の再分化のみならず、その後に顕著な
異常形態を引起し、その導入が肉眼で容易に検出できる
ことから、本発明で使用する選抜マーカー遺伝子として
好ましい。
【0015】本発明においては、上記不定芽再分化遺伝
子を誘導型プロモーターの制御下に置く。本発明で利用
できる誘導型プロモーターとしては、化学物質誘導型の
プロモーターである、グルタチオン−S−トランスフェ
ラーゼI系遺伝子のプロモーター(特開平5−2689
65)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼII系
(GST−II)遺伝子のプロモーター(国際公開WO
93/01294号公報)、Tetリプレッサー融合型
カリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーター(C.
Gatz et al.、Mol.Gen.Genet.、227:229、1991)、La
cオペレーター/リプレッサー系プロモーター(R..Wil
de et al.、The EMBO Journal、11:1251、1992)、al
R/alcA系プロモーター(国際公開WO94/0
3619号公報)、グルココルチコイド系プロモーター
(青山卓史、蛋白質 核酸 酵素、41:2559、1996)、
par系プロモーター(T.Sakai et al.、Plant Cell P
hysiol.、37:906、1996)等、熱誘導型のプロモーター
であるhsp80プロモーター(特開平5−27695
1)等、光誘導型のプロモーターであるリブロース2リ
ン酸カルボキシラーゼ小サブユニット(rbcS)遺伝
子のプロモーター(R.Fluhr et al.、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA、83:2358、1986)、フルクトース−1、6−ビ
スホスファターゼ遺伝子のプロモーター(特表平7−5
01921号公報)、集光性クロロフィルa/b結合タ
ンパク質遺伝子のプロモーター(特開平5−89)等、
種々の誘導型のプロモーターを挙げることができるが、
特に光誘導型プロモーターを用いた場合には、より効率
良く目的遺伝子導入個体を得ることができる。中でも
bcSプロモーターは、高等植物の光誘導型プロモータ
ーとして最も研究が進んでおり、Chuaらにより詳細
な解析が行われている(例えば、松岡、植物細胞工学臨
時増刊、3:552 、1991を参照)ので、本発明の実施例で
もこの光誘導型プロモーターを使用した。
【0016】一方、その他の遺伝子(毛状根形成遺伝子
や目的遺伝子等)のプロモーター及びターミネーター、
不定芽再分化遺伝子のターミネーターについては、それ
ぞれ植物において機能するものでありさえすれば、別に
制限なく使用することができる。例えば、このようなプ
ロモーターとしては、カリフラワーモザイクウィルスの
35Sプロモーター(J.T.Odell et al.、Nature(Lond
on)、313:810、1985)、ノパリン合成酵素のプロモー
ター(W.H.R.Langridge et al.、Plant Cell Rep.、4:3
55、1985)等を、またターミネーターとしては、ノパリ
ン合成酵素のポリアデニル化シグナル(A.Depicker et
al.、J.Mol.Appl.Gen.、1:561、1982)、オクトピン合
成酵素のポリアデニル化シグナル(J.Gielen et al.、E
MBO J.、3:835、1984)等を使用することができる。
【0017】なお、本発明において選抜マーカー遺伝子
(すなわち、毛状根形成遺伝子及び誘導型プロモーター
の制御下に置かれた不定芽再分化遺伝子)は、脱離能を
有するDNA因子と組合せて使用してもよい。この場合
は、本発明の選抜マーカー遺伝子を脱離能を有するDN
A因子と挙動を一つにする位置に組込み、また、目的遺
伝子は脱離能を有するDNA因子と挙動を一つにしない
位置に組込んでベクターを構築する。このように構築さ
れたベクターを用いて植物への遺伝子導入を行うことに
より、選抜マーカー遺伝子の影響が完全に排除された遺
伝子導入組織を容易に得ることができる。
【0018】ここで脱離能を有するDNA因子とは、こ
れらが存在し、機能する染色体DNA等から、それ自身
が脱離し得る能力を有するDNA配列をいう。植物では
このような因子として、染色体上に存在するトランスポ
ゾンと呼ばれるものが知られており、その構造と働き、
そしてその挙動もほぼ判明している。すなわち、トラン
スポゾンが機能するためには、原則として、その内部に
ある遺伝子から発現し、それ自身の脱離及び転移を触媒
する酵素(転移酵素)と、やはりその内部の末端領域に
存在し、この転移酵素が結合し作用するDNA配列とい
う、2つの構成要素が必要とされる。これらの働きによ
り、トランスポゾンはその存在する染色体上から脱離
し、その後、普通はDNA上の新たな位置に転移する
が、一定の確率で転移できぬままその機能を失い、消失
等する場合も生ずるので、本発明ではこのようなトラン
スポゾンの転移ミスを利用する。
【0019】ちなみに、トランスポゾンには、このよう
な自律性トランスポゾン、すなわち、転移酵素とDNA
結合配列という2つの要素を保持していて、トランスポ
ゾン内部から発現する転移酵素が末端領域に存在するD
NA配列に結合して作用することにより、自律的にその
存在する染色体上から脱離して転移しうるものの他、非
自律性トランスポゾンと呼ばれるタイプもある。この非
自律性トランスポゾンとは、転移酵素が結合し作用する
末端のDNA配列は保持しているものの、内部にある転
移酵素遺伝子に変異が生じており、転移酵素の発現がな
いため、自律的に染色体上から脱離することができない
ものをいう。しかし、非自律性トランスポゾンも、自律
性トランスポゾンあるいはこれとは独立して存在する転
移酵素遺伝子から転移酵素が供給されると、自律性トラ
ンスポゾンと同様の挙動を示すこととなる。
【0020】現在、単離されている自律性トランスポゾ
ンとしては、トウモロコシより単離されたAcSpm
があり、詳細な解析がなされている(A.Gieri and H.Sa
edler、Plant Mol.Biol.、19:39、1992)。とりわけ
は、トウモロコシの染色体中、wx−m7遺伝子座を
制限酵素Sau3Aで切出すことにより得ることができ
る(U.Behrens et al.、Mol.Gen.Genet.、194:346、198
4)、植物トランスポゾンの中では最も解析の進んでい
る自律性トランスポゾンであり、そのDNAシーケンス
も既に解明されているので(M.Mueller-Neumann et a
l.、Mol.Gen.Genet.、198:19、1984)当業者が容易に取
得可能なことから、本発明に使用するDNA因子として
相応しい。一方、非自律性トランスポゾンとしては、そ
れぞれAcSpmの内部領域が欠損したものである、
DsdSpmを始め(H.-P.Doering and P.Starlinge
r、Ann.Rev.Genet.、20:175、1986)、トウモロコシ以
外にも、キンギョソウ、アサガオ等の多くの植物から単
離されている(例えば、Y.Inagaki et al.、Plant Cel
l、6:375、1994)。なお、これらのトランスポゾンは、
その由来する植物と異なる種類の植物の染色体に導入さ
れた場合でも、その能力を発揮して脱離し、転移するこ
とが多くの例で知られている(例えば、B.Baker et a
l.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:4844、1986)。
【0021】本発明においては、自律性、非自律性のい
ずれのトランスポゾンを使用することもできる。非自律
性のトランスポゾンを用いる場合には、その内部に、選
抜マーカー遺伝子の他、自律性トランスポゾン等から取
得、又は合成した転移酵素遺伝子を挿入して使用すれば
よい。
【0022】さらに、植物以外に存在する脱離能を有す
るDNA因子としては、部位特異的組換え系(site-spe
cific recombination system)に由来するものが知られ
ている。この部位特異的組換え系は、組換え配列と呼ば
れる特徴的なDNA配列を有する組換え部位(本発明の
脱離能を有するDNA因子にあたる。)、及びこの組換
え配列に特異的に結合して、その配列が2つ以上存在し
たとき、その配列間の組換えを触媒する酵素(組換え酵
素)、という2つの要素からなっている。そして、この
組換え配列が同一DNA分子上に、同一方向を向いてあ
る一定の間隔で二つ存在している場合には、これに挟ま
れた領域がこのDNA分子(プラスミド、染色体等)か
ら脱離し、また、この配列が対向する方向を向いて二つ
存在している場合には、この領域が反転する、という挙
動を示す。本発明では、この前者の脱離作用を利用する
が、このような組換え部位内部の脱離・反転は、部位特
異的組換え系によるいわゆる相同的組換えの結果として
生ずるものであり、これが、転移の過程としてその脱離
を起こす、トランスポゾンを用いた場合の機構と最も異
なる点である。なお組換え酵素をコードする遺伝子は、
必ず組換え部位と同一のDNA分子上に存在する必要は
なく、これと同一細胞内に存在し、発現していさえすれ
ば、この組換え配列間の脱離・反転を生ぜしめ得ること
が知られている(N.L.Craig、Annu.Rev.Genet.、22:7
7、1988)。
【0023】現在、部位特異的組換え系はファージ、細
菌(例えば大腸菌)、酵母等の微生物から分離されたC
re/lox系、R/RS系、FLP系、cer系、
im系等が知られているが(総説として、N.L.Craig、A
nnu.Rev.Genet.、22:17、1988)、高等生物ではまだそ
の存在を知られていない。しかし、これらの微生物から
分離された部位特異的組換え系も、その由来する生物種
と異なる生物種(植物を含む)に導入された場合に、そ
のそもそもの生物内における挙動と同一の挙動をとるこ
とが明らかとなっている。ちなみに本発明の実施例で
は、酵母(Zygosaccharomyces rouxii)の部位特異的組
換え系であるR/RS系(H.Matsuzaki etal.、J.Bacte
riology、172:610、1990)を、その組換え部位に組換え
酵素を挿入して利用したが、このR/RS系もまた、高
等植物においてその本来の機能を維持することが既に報
告されている(H.Onouchi et al、Nucleic Acid Res.、
19:6373、1991)。
【0024】また、脱離能を有するDNA因子と組合せ
て使用する場合、選抜マーカー遺伝子を挿入する場所
は、脱離能を有するDNA因子と共に、これが脱離し得
る位置でありさえすればよい。例えば、脱離能を有する
DNA因子としてトランスポゾンを用いた場合には、転
移酵素遺伝子のプロモーター領域より上流で、この転移
酵素が結合する末端領域よりは下流の、トランスポゾン
の脱離に影響を及ぼさない位置にこれを挿入することが
できる。一方、R/RS系を用いた場合には、組換え部
位の領域内で、組換え酵素の発現を阻害しない位置であ
りさえすれば、これをどこにでも挿入することができ
る。
【0025】本発明のベクターは、遺伝子工学的手法に
より遺伝子導入が可能な、いかなる植物に対しても用い
ることができる。また、本発明のベクターにより植物に
導入できる目的遺伝子は、農業的に優れた形質を付与で
きる遺伝子、農業的に優れた形質を付与するとは限らな
いが、遺伝子発現機構の研究に必要とされる遺伝子等、
目的に応じて種々選択することができる。
【0026】本発明において使用する遺伝子は、cDN
A又はゲノムDNAのクローニングにより得ることがで
きる。また、あらかじめそのシーケンスが明らかにされ
ているものであれば、これを化学合成して得てもよい。
【0027】本発明のベクターの植物細胞への導入は、
植物に感染するウイルスや細菌を介して間接的に行うこ
とも、物理的・化学的手法によって直接的に行うことも
できる(I.Potrykus、Annu.Rev.Plant Physiol.Plant M
ol.Biol.、42:205、1991)。例えば、前者による方法に
おいては、カリフラワーモザイクウィルス、ジェミニウ
イルス、タバコモザイクウイルス、ブロムモザイクウイ
ルス、A.ツメファシエンス、アグロバクテリウム・リ
ゾジェネス等による感染を利用することができ、また、
後者による方法においては、マイクロインジェクション
法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコー
ル法、細胞融合法、高速バリスティックベネトレーショ
ン法等を適用することができる。
【0028】
【作用】選抜マーカー遺伝子として毛状根形成遺伝子を
用いたベクターにより、目的遺伝子を植物細胞に導入し
た場合には、目的遺伝子が導入された細胞は毛状根を形
成する。従って、目的遺伝子導入個体を得るためには、
この毛状根から植物体を再生しなければならない。従来
は、植物ホルモンとしてサイトカイニンを添加した培地
で選抜した毛状根を培養し、まず、この毛状根から不定
芽を発生させ、これから植物体を再生させていた。しか
し、この場合、発生した不定芽の中には、目的遺伝子が
全く導入されていないものも存在することがあった。
【0029】これは、毛状根形成遺伝子が選抜マーカー
として十分に機能していないためであると考えられた。
すなわち、毛状根形成遺伝子の導入により発生する毛状
根の組織の中には、毛状根形成遺伝子が導入されていな
い細胞、つまりは目的遺伝子非導入細胞もある程度混入
し、こうした細胞も、サイトカイニン添加培地での培養
によって不定芽を形成し得る。こうして得られた不定芽
及びこれから再生された植物体は目的遺伝子非導入組織
であり、また目的遺伝子非導入個体である。そして、こ
のような不定芽発生は、結果として、目的遺伝子導入個
体の再分化率を低下させる原因となっていた。
【0030】そこで、本発明においては、目的遺伝子導
入組織の二段階選抜を行うべく、選抜マーカー遺伝子と
して、毛状根形成遺伝子の他に誘導型プロモーターの制
御下に置かれた不定芽再分化遺伝子を採用し、ベクター
を構築した。
【0031】本発明のベクターを用いて目的遺伝子導入
組織・個体を得るには、遺伝子導入操作後の組織から毛
状根を発生させ、この毛状根をサイトカイニン無添加の
培地で、不定芽再分化遺伝子を制御する誘導型プロモー
ターに対応した、適当な刺激の存在下で培養して不定芽
を形成させ、これを選抜し、植物体を再生させればよ
い。不定芽再分化遺伝子を制御する誘導型プロモーター
として光誘導型プロモーターを使用した場合には、何ら
複雑な操作を行うことなく、毛状根の発生・増殖に適し
た暗所下から明所へと培養物を移動させ、又は光条件を
切替えるだけで、毛状根形成から不定芽形成へと培養物
の分化の方向を切替えることができ、効率が良い。
【0032】本発明のベクターを用いた上記方法によれ
ば、発生した毛状根の組織中に、目的遺伝子非導入細胞
が含まれていたとしても、かかる細胞は不定芽再分化遺
伝子を有していないため、サイトカイニン無添加の培地
上では不定芽を形成しない。従って、目的遺伝子非導入
組織・個体の発生を防止し、結果として目的遺伝子導入
組織・個体の再分化率を上昇させることができる。しか
も、この方法では、毛状根の発生から不定芽の形成・選
抜に到る、目的遺伝子導入組織選抜のための一連の過程
において、選抜は、組織の形態変化を肉眼で検出するこ
とのみによって行うことができ、そのために植物細胞活
性を低下させる植物細胞成長阻害物質を使用する必要も
ない。
【0033】また、本ベクターで使用する毛状根形成遺
伝子及び不定芽再分化遺伝子は、いずれも、植物が本来
保持しているか、あるいは細菌等の感染により植物に自
然に導入されてきた遺伝子であるので、その遺伝子産物
の人体への安全性はかなり信頼できると考えられる。
【0034】さらに本発明では、選抜マーカー遺伝子で
ある毛状根形成遺伝子と誘導型プロモーターの制御下に
置かれた不定芽再分化遺伝子を、脱離能を有するDNA
因子と挙動を一つにする位置に組込んで使用することも
できる。かかる構成を有するベクターを用いて植物に遺
伝子を導入すれば、導入後、選抜マーカー遺伝子は、脱
離能を有するDNA因子と共に、それらが導入され機能
していたDNA上から、一定の確率で脱離してその機能
を失う一方、このDNA因子とは挙動を一つにしない目
的遺伝子は同じDNA上に残留して機能を保持し続け
る、つまり、目的遺伝子のみが発現可能に導入されてい
る細胞が得られることになる。そして、この細胞が再分
化して得られる植物体は、選抜マーカー遺伝子の影響が
完全に排除され、目的遺伝子のみが発現可能に導入され
ている植物体である。
【0035】加えて、選抜マーカー遺伝子の機能の消失
は、遺伝子導入の際と同様に、培養されている遺伝子導
入組織の形態を指標として検出できることから、上記植
物体は、培養組織の段階で確実・容易に選抜できること
となる。例えば、不定芽再分化遺伝子としてipt遺伝
子を用いた場合、まず、目的遺伝子が導入された組織を
得るため、遺伝子導入操作後の細胞を培養して、選抜マ
ーカー遺伝子の働きにより最終的に生じる不定芽を選抜
し、これを分離する。この不定芽は、継続して培養する
ことにより多芽体を形成する。そして、この多芽体を構
成する細胞のうち、選抜マーカー遺伝子がその機能を失
ったものが生ずると、この細胞から今度は正常な形態の
シュート(芽が伸長して生じた若い茎葉。)が分化する
ので、多芽体から生じてくるこのシュートを選抜すれば
よい。目的遺伝子のみが導入された植物体は、このシュ
ートを再分化させることにより得ることができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。なお、以下の実施例において、更に詳細な実験操作
は、特に述べる場合を除き、モレキュラー・クローニン
グ第2版(Sambrook et al.eds.、Cold Spring Harbar
Laboratory Pres、New York、1989)、又は製造業者の
取扱い説明書に従い行われた。
【0037】[実施例1]I.プラスミドpIROL10の作成 プラスミドpIPT3(特願平10−202335)を
制限酵素SseIにて切断し、当該切断部位をT4ポリ
メラーゼにより平滑化した後再結合して、プラスミドp
RB4を得た。このプラスミドより、光誘導型プロモー
ターであるrbcS遺伝子のプロモーター(rbcS−
P)に連結されたipt遺伝子を制限酵素HindII
Iで切出し、これをpUC18(宝酒造(株)より購
入。)のHindIII制限酵素部位に挿入して、プラ
スミドpRB5を得、更にこのプラスミドより、再び
indIII制限酵素を用いてrbcS−Pに連結され
ipt遺伝子を切出し、これをpBI121(東洋紡
績(株)より購入。)のHindIII制限酵素部位に
挿入して、プラスミドpRBIP3を得た。
【0038】目的とするプラスミドは、このpRBIP
3のEcoRI制限酵素部位に、プラスミドpBlue
scriptIISK+(東洋紡績(株)より購入。)
よりEcoRIにて切出した、rolArolB及び
rolC遺伝子を含む全長7.6kbのrol遺伝子群
(S.Kiyokawa、Plant Physiol.、104:801、1994)を挿
入して得られ、これをプラスミドpIROL10と命名
した。
【0039】なお、このプラスミドpIROL10は、
大腸菌(Escherichia coli)DH5α株に導入し、この
大腸菌をE.coli DH5α(pIROL10)と
して、国内寄託に付した(受託番号:FERM P−1
7315号)。
【0040】pIROL10の作成スキムを図1〜3
に、また、pIROL10の制限酵素地図を図3に示
す。図3中、Nos−P及びTはノパリンシンセターゼ
遺伝子のプロモーターとポリアデニル化シグナルを、3
5S−Pはカリフラワーモザイクウィルスの35Sプロ
モーターを、GUSはβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を示
し、黒い鏃形はそれぞれT−DNA領域を画するRBサ
イトとLBサイトを示している。
【0041】図3より明らかなように、このプラスミド
はT−DNA領域、すなわち植物染色体に組込まれるこ
とになる領域内に、選抜マーカー遺伝子としてrol
伝子と光誘導型プロモーターの制御下に置かれたipt
遺伝子を、目的遺伝子のモデルとしてNPTII遺伝子
及びGUS遺伝子を有している。このNPTII遺伝子
は、前記した通りカナマイシン抵抗性に寄与する遺伝子
として、GUS遺伝子はこれを有する細胞が特殊な基質
を代謝して青色の色素を生産することから、ともに植物
における遺伝子発現の解析に汎用されている遺伝子であ
る。
【0042】II.アグロバクテリウムへのpIROL
10の導入 A.ツメファシエンスLBA4404株(CLONTH
CH社より購入。)を、10mlのYEB液体培地(ビ
ーフエキス5g/l、酵母エキス1g/l、ペプトン1
g/l、ショ糖5g/l、2mM MgSO4、22℃
でのpH7.2(以下、特に示さない場合は、22℃で
のpHとする。))に接種し、OD630が0.4から
0.6の範囲に至るまで、28℃で培養した。培養液を
6900×g、4℃、10分間遠心して集菌した後、菌
体を20mlの10mMのHEPES(pH8.0)に
懸濁して、再度6900×g、4℃、10分間の遠心で
集菌し、次いでこの菌体を200μlのYEB液体培地
に懸濁して、これをプラスミド導入用菌液とした。
【0043】アグロバクテリウムへのプラスミドpIR
OL10の導入は、エレクトロポレーション法にて行っ
た。すなわち、Iで作成したpIROL10 0.3μ
gを混合したプラスミド導入用菌液50μlに対し、電
極間距離0.1cmにて2.5kV、25μF、200
Ωの電気パルスを付与することにより、pIROL10
をアグロバクテリウムに導入した(バイオラッド社製
GENE PULSER IIを使用。)。エレクトロ
ポレーション操作後の菌体は、200μlのYEB液体
培地を加えて25℃、1時間振とう培養した後、50m
g/lカナマイシン添加YEB寒天培地(寒天1.5w
/v%)に播種し、28℃で2日間培養することにより
pIROL10導入株を選抜した。pIROL10導入
の最終的な確認は、選抜された株よりアルカリ法で抽出
したプラスミドを制限酵素EcoRIにて切断し、その
切断断片の電気泳動パターンを比較することで行った。
【0044】III.アグロバクテリウムからタバコへ
のpIROL10の導入 温室内で生育させたタバコ(Nicotiana tabacum L.cv.P
etit Havana SR-1(特に記載する場合を除き、以下同
じ。))の成葉を、1v/v%次亜塩素酸ナトリウム水
溶液に5分間浸漬して殺菌し、滅菌水で3回洗浄した
後、中脈を取り除いてコルクボーラーにて打抜き、直径
約6mmとなるよう円盤状の葉片を調整した。
【0045】タバコへのpIROL10の導入は、この
葉片に、IIにおいて作成したpIROL10導入A.
ツメファシエンスを感染させることにより行った。すな
わち、このタバコ葉片を、IIにおいてpIROL10
を導入したA.ツメファシエンスLBA4404株の菌
液(OD630=0.25、YEB液体培地にて一夜培養
後、滅菌水で希釈して菌体濃度を調整。)に約1分間浸
してこれに感染させ、pIROL10をタバコ細胞に導
入した。
【0046】感染後の葉片は、滅菌した濾紙の上に置い
て余分な菌液を除いてから、アセトシリンゴン50mg
/lを添加した植物ホルモンを含まない(ホルモンフリ
ー)MS寒天培地(T.Murashige and F.skoog、Physio
l.Plant.、15:473、1962、但し、寒天0.8w/v%を
添加。)に、葉の裏が上になるように置床して、暗所で
2日間、25℃(以下、特に記さない限り、植物組織の
培養温度は全て25℃にて行った。)で前培養を行った
後、ティカロシリン500mg/lを含む同組成の培地
に移植して、培養を続けた。
【0047】その結果、約1ヶ月後には、A.ツメファ
シエンス感染葉片60片から毛状根14本が得られた。
そこで、これらの毛状根をティカロシリン500mg/
l添加ホルモンフリーMS寒天培地にて更に1ヶ月間培
養した後、GUS遺伝子の発現試験をJeffersonらの方
法に準拠して行ったところ、14本の毛状根のうち、1
2本でGUS遺伝子の発現が認められ、pIROL10
の導入が確認された。
【0048】IV.pIROL10が導入されたタバコ
の解析 IIIでpIROL10の導入が確認された毛状根につ
いて、ホルモンフリーMS寒天培地を用い、照度約25
00lux(全明)で培養を行ったところ、毛状根12
本のうち9本から不定芽が再分化した。これらの不定芽
についてはいずれも、PCR法によりGUS遺伝子の存
在が確認された。すなわち、これらの不定芽にはいずれ
も目的遺伝子が導入されていた。
【0049】[比較例1]実施例1と同様に、pBlu
escriptIISK+より、全長7.6kbのro
遺伝子群を制限酵素EcoRIで切出し、これをpB
I121のEcoRI制限酵素部位に挿入して、プラス
ミドpB1121rolを作成した。図4に、pBI1
21rolの作成スキムと制限酵素地図を示す。
【0050】実施例1のII、IIIと同様にして、p
BI121rolをタバコに感染させ、感染葉片60片
から毛状根16本を得た。これらの毛状根について、や
はり実施例1のIIIと同様にしてGUS遺伝子の発現
試験を行ったところ、16本のうち12本でGUS遺伝
子の発現が認められた。そこで、これら12本の毛状根
について、実施例1のIVと同様にして明所下で培養を
行ったが、いずれの毛状根からも不定芽の再分化は認め
られず、かかる培養条件のもとでは、不定芽再分化遺伝
子が導入されていない場合は、毛状根からの不定芽再分
化は起こり得ないことが確認された。
【0051】[実施例2]I.プラスミドpMAT205の作成 pBI121を制限酵素SseIにて切断し、当該切断
部位をT4ポリメラーゼにより平滑化して再結合した
後、更にこれを制限酵素SmaIにて切断してその切断
部位に5´リン酸化SseIリンカー(宝酒造(株)よ
り購入。)を挿入し、プラスミドpNPI105を得
た。
【0052】一方、プラスミドpTH12(静岡県立大
学 丹羽康夫助手より譲渡)から、制限酵素EcoRI
KpnIを用いて蛍光タンパク(GFP)遺伝子を切
出し、これをプラスミドpRZ11(特願平10−19
9360)のEcoRI−KpnI制限酵素部位間に挿
入してpRZ−GFPを得、次いで、このプラスミドを
制限酵素EcoRIとHindIIIにて切断して再び
GFP遺伝子を切出し、これをpNPI128(特開平
10−327860)のEcoRI−HindIII制
限酵素部位間に挿入して、プラスミドpNGFP/RS
を得た。
【0053】また、ユーカリゲノムDNAを鋳型とし、
プライマーとして5−GCATTCGCCACCTAC
GTAT−3及び5−AAAGGAGGGGTCGAC
TCTAA−3を用い、PCR法により得られたヒスト
ンH3遺伝子の第1イントロンを、制限酵素SnaBI
PvuIIにて切断し、この切断片を、pNPI12
5(特願平10−199360)のR遺伝子(酵母の部
位特異的組換え系であるR/RS系の組換え酵素遺伝
子)中に存在するEco47III制限酵素部位に挿入
して、プラスミドp35RINTを得た。このようにし
て、R遺伝子中に敢えてイントロンを介在させたのは、
R遺伝子が、植物への導入を媒介するアグロバクテリウ
ム中で発現してしまうのを抑制し、導入された植物細胞
においてこれを安定的に発現させるためである。
【0054】得られたp35RINTは制限酵素Eco
RIにて切断し、その切断部位をT4ポリメラーゼによ
り平滑化した後、そこに5´リン酸化KpnIリンカー
(宝酒造(株)より購入。)を挿入した。次いで、この
プラスミドp35RINTpKpnIを制限酵素Kpn
IとHindIIIで切断して、ヒストンH3遺伝子の
イントロンが挿入されたR(Rint)遺伝子を切出
し、これをpNGFP/RSのKpnI−HindII
I制限酵素部位間に挿入して、プラスミドpNGFP−
35RINT/RSを得た。更に、実施例1と同様にし
て切出したpBluescriptIISK+の全長
7.6kbのrol遺伝子群、及び、実施例1で作成し
たpRB5より制限酵素HindIIIで切出したrb
cS−Pに連結されたipt遺伝子を、それぞれ、この
pNGFP−35RINT/RSのEcoRI制限酵素
部位及びHindIII制限酵素部位に挿入し、プラス
ミドpNGFP−35RINT−rol−ipt/RS
を作成した。
【0055】目的とするプラスミドは、このpNGFP
−35RINT−rol−ipt/RSを制限酵素Ss
Iで切断してR/RS系の組換え配列Rsに挟まれた
領域を切出し、pNPI105のSseI制限酵素部位
に挿入することにより得られ、これをプラスミドpMA
T205と命名した。
【0056】なお、このプラスミドpMAT205は、
大腸菌(Escherichia coli)DH5α株に導入し、この
大腸菌をE.coli DH5α(pMAT205)と
して、国内寄託に付した(受託番号:FERM P−1
7316号)。
【0057】pMAT205の作成スキムを図5〜10
に、また、pMAT205の制限酵素地図を図10に示
す。図10中、矩形で囲まれた三角形は組換え配列Rs
とその配列方向を表しており、他の記号は図3で用いた
ものと同様の意味を示している。
【0058】図10より明らかなように、このプラスミ
ドは、実施例1で作成したpIROL10と同様に、T
−DNA領域内に選抜マーカー遺伝子として、rol
伝子と光誘導型プロモーターに連結されたipt遺伝子
を有し、また、目的遺伝子のモデルとしてNPTII遺
伝子及びGUS遺伝子を有している。しかし、このプラ
スミドは、組換え配列及び組換え酵素遺伝子を有し、更
に、選抜マーカー遺伝子が組換え酵素遺伝子と共に組換
え配列間に存在している点で、pIROL10とは大き
く異なっている。従って、このプラスミドをベクターと
して植物への遺伝子導入を行った場合、いったん植物染
色体に組込まれた選抜マーカー遺伝子は、この組換え配
列及び組換え酵素と共に脱離し、一方、目的遺伝子はそ
のまま染色体上に残留して機能し続けることとなる。な
お、選抜マーカー遺伝子と同じく、このプラスミドにお
いて組換え配列に挟まれて存在しているGFP遺伝子
は、遺伝子導入細胞の生体観察のため導入されたもので
ある。
【0059】II.タバコへのpMAT205の導入及
びpMAT205が導入されたタバコの解析 Iにおいて作成したプラスミドpMAT205を、実施
例1のII、IIIと同様にしてタバコに感染させ、感
染葉片64片から毛状根17本を得た。得られた毛状根
について、ティカロシリン250mg/l添加ホルモン
フリーMS寒天培地を用い、照度約2500lux(全
明)で培養を行ったところ、毛状根17本のうち10本
から不定芽が再分化した。
【0060】次いで、これらの不定芽を分離し、同組成
の培地に移植して培養を続けることにより多芽体を誘導
し、異なる5個の不定芽に由来する多芽体5系統からC
TAB法にてそのDNAを抽出した。得られたDNAに
対して、NPTII遺伝子とGUS遺伝子にそれぞれ結
合するよう設計された一組のプライマーを用いてPCR
を行ない、増幅されたDNA断片について電気泳動を行
ってそのパターンを比較し、1系統の多芽体において、
NPTII遺伝子及びGUS遺伝子の存在、そして、R
遺伝子、rol遺伝子群及びrbcS−Pに連結された
ipt遺伝子の脱離を確認した。すなわち、この多芽体
においては、選抜マーカー遺伝子である毛状根形成遺伝
子と光誘導型プロモーターの制御下に置かれた不定芽再
分化遺伝子がそのDNA上から脱離し、目的遺伝子のみ
が同じDNA上に残留していることが確認された。従っ
て、この多芽体について、同組成の培地にて更に培養を
継続すれば、正常な形態をした芽が得られるものと予測
される。
【0061】
【発明の効果】本発明のベクターによれば、選抜マーカ
ー遺伝子として毛状根形成遺伝子を用いた場合でも、目
的遺伝子導入組織の再分化率を向上させることができ、
従って、目的遺伝子導入組織を効率良く取得することが
できる。なお、最終的に目的遺伝子が導入された植物体
を得るには、得られた目的遺伝子導入組織から、定法に
従い、植物体を再分化させればよい。
【0062】加えて、目的遺伝子導入組織の選抜・取得
は、遺伝子導入操作後の組織の形態変化を肉眼で検出す
ることのみによって行うことができ、また、そのために
植物細胞活性を低下させる植物細胞成長阻害物質を使用
する必要もない。
【0063】従って、本発明によれば、既に遺伝子導入
系がほぼ確立しており、そのための多くのスキルが蓄積
されているrol遺伝子の選抜マーカーとしての実用性
を、より向上させることができる。
【0064】しかも、本発明のベクターで使用する、
ol遺伝子を始めとする選抜マーカー遺伝子は、その遺
伝子産物についての人体への安全性が、経験的に担保さ
れている。
【0065】さらに、本発明のベクターにおいて、脱離
能を有するDNA因子をその構成に加え、選抜マーカー
遺伝子をこの脱離能を有するDNA因子と挙動を一つに
する位置に組込んで、目的遺伝子の導入を行えば、目的
遺伝子のみが導入された細胞・組織を得ることができ
る。
【0066】そして、この場合も、目的遺伝子のみが導
入された組織の選抜・取得は、植物成長阻害物質を使用
することなく、遺伝子導入操作後の組織の形態変化を肉
眼で検出することのみによって行うことができ、こうし
て取得された組織から植物体を再生することにより、目
的遺伝子のみが導入された植物体も容易に取得すること
ができる。
【0067】従って、本発明によれば、目的遺伝子のみ
が導入された植物体を、培養組織の段階で確実・容易に
選抜することができる。これは特に、同一の対象に遺伝
子導入操作を繰返すことにより、複数個の目的遺伝子が
導入された植物体を作成する場合に有利である。
【0068】さらに、このようにして得られた植物体
は、選抜マーカー遺伝子の影響が排除され、その遺伝子
産物がもたらす危惧から完全に解放された目的遺伝子導
入個体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】pIROL10作成スキムのうち、pRB5の
作成までを示す図である。
【図2】pIROL10作成スキムのうち、pRB5か
らpRBIP3の作成までを示す図である。
【図3】pIROL10作成スキムのうち、pRBIP
3からpIROL10の作成まで、及び、作成されたp
IROL10の構造を示す図である。
【図4】pBI121rolの作成スキム、及び、作成
されたpBI121rolの構造を示す図である。
【図5】pMAT205作成スキムのうち、pNPI1
05の作成までを示す図である。
【図6】pMAT205作成スキムのうち、pNGFP
/RSの作成までを示す図である。
【図7】pMAT205作成スキムのうち、p35RI
NTpKpnIの作成までを示す図である。
【図8】pMAT205作成スキムのうち、pNGFP
/RS及びp35RINTpKpnIからpNGFP−
35RINT/RSの作成までを示す図である。
【図9】pMAT205作成スキムのうち、pNGFP
−35RINT/RSからpNGFP−35RINT−
rol−ipt/RSの作成までを示す図である。
【図10】pMAT205作成スキムのうち、pNPI
105及びpNGFP−35RINT−rol−ipt
/RSからpMAT205の作成まで、並びに、作成さ
れたpMAT205の構造を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 河岡 明義 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 (72)発明者 南藤 和也 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 (72)発明者 海老沼 宏安 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA08 BA80 CA03 DA01 DA05 EA04 FA02 FA10 FA11 GA11 HA01 4B065 AA11X AA11Y AA89X AB01 BA02 CA53

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的遺伝子、並びに、選抜マーカー遺
    伝子として毛状根形成遺伝子及び誘導型プロモーターの
    制御下に置かれた不定芽再分化遺伝子を含むことを特徴
    とする、植物への遺伝子導入用ベクター。
  2. 【請求項2】 目的遺伝子、選抜マーカー遺伝子とし
    て毛状根形成遺伝子及び誘導型プロモーターの制御下に
    置かれた不定芽再分化遺伝子、更に、脱離能を有するD
    NA因子を含み、かつ、選抜マーカー遺伝子はこの脱離
    能を有するDNA因子と挙動を一つにする位置に存在
    し、また目的遺伝子は、この脱離能を有するDNA因子
    とは挙動を一つにすることがない位置に存在する、植物
    への遺伝子導入用ベクター。
  3. 【請求項3】 脱離能を有するDNA因子が部位特異
    的組換え系に由来するものである、請求項2に記載の植
    物への遺伝子導入用ベクター。
  4. 【請求項4】 毛状根形成遺伝子がrol遺伝子群よ
    り選ばれた1以上の遺伝子よりなる、請求項1、2又は
    3に記載の植物への遺伝子導入用ベクター。
  5. 【請求項5】 毛状根形成遺伝子がアグロバクテリウ
    ム・リゾジェネス(Agrobacterium rhizogenes)のT
    −DNA上に存在する遺伝子、rolArolB及び
    rolCを含むrol遺伝子群よりなる、請求項1、2
    又は3に記載の植物への遺伝子導入用ベクター。
  6. 【請求項6】 不定芽再分化遺伝子がサイトカイニン
    関連遺伝子である、請求項1、2、3、4又は5に記載
    の植物への遺伝子導入用ベクター。
  7. 【請求項7】 サイトカイニン関連遺伝子がアグロバ
    クテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefa
    ciens)のT−DNA上に存在するipt(isopentenyl
    transferase)遺伝子である、請求項6に記載の植物へ
    の遺伝子導入用ベクター。
  8. 【請求項8】 不定芽再分化遺伝子を制御する誘導型
    プロモーターが光誘導型プロモーターある、請求項1、
    2、3、4、5、6又は7に記載の植物への遺伝子導入
    用ベクター。
  9. 【請求項9】 不定芽再分化遺伝子を制御する光誘導
    型プロモーターが、リブロース2リン酸カルボキシラー
    ゼの小サブユニット遺伝子(rbcS)のプロモーター
    である、請求項8に記載の植物への遺伝子導入用ベクタ
    ー。
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