JP2000341858A - 電源切換装置及び方法 - Google Patents

電源切換装置及び方法

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JP2000341858A
JP2000341858A JP11143545A JP14354599A JP2000341858A JP 2000341858 A JP2000341858 A JP 2000341858A JP 11143545 A JP11143545 A JP 11143545A JP 14354599 A JP14354599 A JP 14354599A JP 2000341858 A JP2000341858 A JP 2000341858A
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switch
supply system
switching
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Tomoe Takahashi
知恵 高橋
Hiroyuki Sasao
博之 笹尾
Yukimori Kishida
行盛 岸田
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源切換を高速に行い、安定した電力供給を
可能とするとともに、安価で小型の電源切換装置及び電
源切換方法を提供する。 【解決手段】 第1の電源系統に直列に接続された第1
の開閉器と、第2の電源系統に直列に接続された第2の
開閉器と、上記第1と第2の開閉器を切換制御する切換
制御部とからなり、上記第1と第2の開閉器は、機械式
の開閉器で構成し、上記切換制御部は、切換時に、第1
と第2の電源系統の周波数及び位相を一致させ、第2の
電源系統の電源電圧を第1の電源系統より高い電圧に昇
圧してから、上記第2の開閉器を閉極させ、第2の電源
系統から供給される電流と第1の電源系統から供給され
る電流とでつくられる電流ゼロ点で、第1の開閉器を開
極させ、第1の電源系統から切り離した後、電圧を通常
の運転電圧に降圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電力会社
から電力供給される商用電源系統などの第1の電源系統
と、自家用発電設備から電力供給される第2の電源系統
とを切り換えて、負荷に電力を供給するために用いる電
源切換装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の電源切換装置の一例を示
すブロック図である。図9において、1は一方の交流電
源系統、例えば電力会社から電力供給される商用電源系
統であり、以下、第1の電源系統と称す。2は他方の交
流電源系統、例えば自家用発電機から電力供給される系
統であり、以下、第2の電源系統と称す。また、第1の
電源系統から電力供給される母線Aを中心とする第1の
電源系統側と、第2の電源系統から電力供給される母線
Cを中心とする第2の電源系統側と、第1と第2の開閉
器の共通接続点に接続された母線Bを介して複数の負荷
6が接続されている。この母線Bを介して接続された負
荷6は、第1の電源系統側からも第2の電源系統側から
も電力を供給できる。
【0003】また、図9中、3は遮断器、4はトラン
ス、5は母線Aと母線Cとの間に接続され、第1の電源
系統と第2の電源系統とを切り換える電源切換部であ
る。この電源切換部5は、第1の電源系統に接続された
第1の開閉器5aと第2の電源系統に接続された第2の
開閉器5bとから構成されている。
【0004】図10は、図9に示す従来の電源切換装置
における第1の開閉器5a、第2の開閉器5bの動作及
び負荷6への電力供給状態を示す図であり、第1の開閉
器5aに開極指令を送出した後、実際に開極したことを
確認し、第2の開閉器5bに閉極指令を送出するように
なされ、この結果、第1の開閉器5aが開極した後、第
2の開閉器5bが閉極するまでの時間、負荷6には、ど
ちらの電源系統からも切り離された状態になる。
【0005】従来、このような2系統受電の電源切換装
置である第1の開閉器5aや第2の開閉器5bには、機
械式開閉器や静止型の半導体スイッチなどが用いられて
いる。従来の機械式スイッチには、気中開閉器、真空開
閉器、ガス開閉器などがあり、その駆動部には、バネの
蓄積力を利用したものが一般的である。このようなバネ
の蓄積力を利用したものは、例えば特開平5−1900
63号公報に開示されているものがある。
【0006】次に、図9に示す構成に係る動作について
述べる。負荷6への電力が第1の電源系統から供給され
ている場合、電源切換部5の第1の開閉器5aは閉極状
態、第2の開閉器5bは開極状態にある。この状態から
負荷6への電力供給を第1の電源系統から第2の電源系
統に切り換える。まず、図示しない制御部から第1の開
閉器5aに開極指令を送り、第1の開閉器5aを駆動す
る。次に、第1の開閉器5aの開極が完了し負荷6が第
1の電源系統が切り離されたことを確認してから、第2
の開閉器5bに図示しない制御部から閉極指令を送り、
第2の開閉器5bを駆動する。第2の開閉器5bの閉極
が完了すると、系統2から負荷6への電力供給が開始さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た従来の2系統受電の電源切換装置においては、第1の
電源系統から第2の電源系統に切り換える際に、負荷6
が第1の電源系統にも第2の電源系統にも接続されない
無電状態が長いという問題があった。
【0008】図11は、電協研46−3による「電子機
器の瞬低影響度」を示す図である。医用電子機器、パソ
コン、高圧放電ランプ、可変モータなど電子機器の中に
は、図に示すように、電圧の低下継続時間が0.01秒
から0.2秒と非常に短い時間で影響が出てくることが
わかる。すなわち、負荷が第1の電源系統にも第2の電
源系統にも接続されない無電状態が長く続くと、電子機
器の中には運転継続に重大な影響を受けるものがある。
系統を切り換える度に、負荷が運転を継続できず、再立
ち上げをしなければならないということは、致命的な問
題である。
【0009】例えば、従来の電源切換装置は、開閉駆動
源としてばねの蓄積力を利用した機械式スイッチが主流
であるが、このような機械式スイッチは、開極に10m
s、閉極に数10msという時間を要している。また、
開極動作が完了したことを確認するために、開閉器に設
置された機械式の補助接点を用いたり、保護リレーによ
って系統から切り離されたことを確認してから、開閉器
に閉極指令を送出するため、切換時に負荷が電源から切
り離されてしまう時間が数百msにも達してしまう場合
があった。
【0010】これを解決するために、例えば、特開平9
−326222号公報に開示されているような、開閉駆
動源として電磁反発力を利用した機械式高速スイッチを
上述のような従来例に適用することも考えられる。しか
し、単に、このような高速スイッチを適用するだけで
は、開極や閉極の時間を短くできても、従来の電源切換
装置で用いられていた図9に示す第1の開閉器5aの開
極が完了してから第2の開閉器5bを駆動(閉極)する
ような方法では、切り換え時間は、やはり長くなってし
まうという問題があった。
【0011】一方、事故などによる電圧低下時に瞬時に
電源を切り換える必要がある場合には、静止型の半導体
スイッチなどがよく用いられる。静止型の半導体スイッ
チには、サイリスタやIGBT(ゲートターンオフサイ
リスタ)などがある。これらを電源切換装置に使うこと
も可能であるが、半導体スイッチは、通電に伴うワット
ロスによる温度上昇を下げるための冷却設備などが必要
で、高価であり、また大きなスペースが必要であるとい
う問題がある。
【0012】上記のような問題を解決する手段として、
常時の通電は機械式の開閉器で行い、事故などによる電
圧低下時には半導体スイッチで他の系統へ高速に切り換
えるハイブリッド方式が採用されている。これは、図1
2に示すように、互いに逆並列されたサイリスタ対と該
サイリスタ対に並列接続された機械式開閉器とから構成
されている。通常の負荷電流は、機械式の開閉器を通じ
て流れ、サイリスタ開閉器には、電源切り換えを行う期
間だけに電流が流れるようにしたものであるため、サイ
リスタを用いても通電によるワットロスが少なく、温度
上昇を下げるための冷却設備などが不要で、半導体のみ
で構成される切換器よりも、安価な切換装置を提供でき
るものである。しかし、高速に切換はできるが、機械式
のみで構成される切換器よりも高価であり、また、その
制御方法は、事故などを高速に判別するため非常に複雑
で、高価な制御装置が必要であるという問題がある。通
常の切換業務においては、上記のような複雑な制御は不
要である。
【0013】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたもので、2系統受電の電源切換を高速に
かつ確実に行うことができ、安価に構成できる電源切換
装置及び方法を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電源切換
装置は、第1の電源系統に直列に接続された第1の開閉
器と、第2の電源系統に直列に接続された第2の開閉器
と、上記第1と第2の開閉器を切換制御する切換制御部
とからなり、上記第1と第2の開閉器の共通接続点に接
続された負荷に対して電力供給中の第1の電源系統から
第2の電源系統に切り換える電源切換装置であって、上
記第1と第2の開閉器は、機械式の開閉器で構成し、上
記切換制御部は、切換時に、第1と第2の電源系統の周
波数及び位相を一致させ、第2の電源系統の電源電圧を
第1の電源系統より高い電圧に昇圧してから、上記第2
の開閉器を閉極させ、第2の電源系統から供給される電
流と第1の電源系統から供給される電流とでつくられる
電流ゼロ点で、第1の開閉器を開極させ、第1の電源系
統から切り離した後、電圧を通常の運転電圧に降圧する
ことを特徴とするものである。
【0015】また、上記切換制御部は、上記第2の開閉
器を閉極し、第2の電源系統から電流が供給されている
ことを確認した後、上記第1の開閉器を開極し、上記第
1の電源系統から切り離す切換制御を行うことを特徴と
するものである。
【0016】また、上記切換制御部は、上記第2の開閉
器に閉極指令を送出してから、上記第2の開閉器が閉極
動作を完了し、上記第1の電源系統と上記第2の電源系
統から供給される電流がゼロになる時間に、上記第1の
開閉器の接点間が回復電圧の耐圧距離に十分達するよ
う、上記第1の開閉器に開極するための指令を送る時間
をあらかじめ設定した上で切換制御を行うことを特徴と
するものである。
【0017】また、上記第1の開閉器と上記第2の開閉
器は、事故電流も遮断できるような遮断能力を持つこと
を特徴とするものである。
【0018】また、上記第1の開閉器と上記第2の開閉
器は、開閉動作の駆動源として電磁反発力を用いると共
に、開閉器の閉極状態または開極状態を保持するバネ機
構として皿ばねを備えたことを特徴とするものである。
【0019】また、この発明に係る電源切換方法は、第
1の電源系統に直列に接続された第1の開閉器と第2の
電源系統に直列に接続された第2の開閉器との共通接続
点に接続された負荷に対して電力供給中の第1の電源系
統から第2の電源系統に切り換える電源切換方法であっ
て、上記第1の電源系統から上記第2の電源系統に切り
換えるときに、第1と第2の電源系統の周波数及び位相
を一致させ、第2の電源系統の電源電圧を第1の電源系
統より高い電圧に昇圧してから、上記第2の開閉器を閉
極させ、第2の電源系統から供給される電流と第1の電
源系統から供給される電流とでつくられる電流ゼロ点
で、第1の開閉器を開極させ、第1の電源系統から切り
離した後、電圧を通常の運転電圧に降圧することを特徴
とするものである。
【0020】また、上記第2の開閉器を開極し、第2の
電源系統から電流が供給されていることを確認した後、
上記第1の開閉器を開極し、第1の電源系統から切り離
す切換制御を行うことを特徴とするものである。
【0021】さらに、上記第2の開閉器に閉極指令を送
出してから、第2の開閉器が閉極動作を完了し、第1の
電源系統と第2の電源系統から供給される電流がゼロに
なる時間に、上記第1の開閉器の接点間が回復電圧の耐
圧距離に十分達するよう設定された時間に第1の開閉器
に開極指令を送出して、切換動作を行うことを特徴とす
るものである。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1による電源切換装置を示す構成図であ
る。図1において、1は一方の交流電源系統、例えば電
力会社から電力供給される商用電源系統であり、以下、
第1の電源系統と称す。2は他方の交流電源系統、例え
ば自家用発電機から電力供給される系統であり、以下、
第2の電源系統と称す。例えば、商用電源と非連系の自
家用発電機からなる電力系統の場合には、例えば排熱を
有効に利用するコ・ジェネレーション設備などがある。
この場合、商用電源と非連系の自家用発電機を切り換え
る切換器は、熱負荷が発生する昼間は自家用発電機側に
負荷を切り換え、排熱の発生が少ない夜間には商用電源
側に切り換えるという運用がなされる。
【0023】また、第1の電源系統から電力供給される
母線Aを中心とする第1の電源系統側と、第2の電源系
統から電力供給される母線Cを中心とする第2の電源系
統側と、第1と第2の開閉器の共通接続点に接続された
母線Bを介して複数の負荷6が接続されている。この母
線Bを介して接続された負荷6は、第1の電源系統側か
らも第2の電源系統側からも電力を供給できる。
【0024】また、3は遮断器、4はトランス、5は母
線Aと母線Cとの間に接続され、第1の電源系統と第2
の電源系統とを切り換える電源切換部である。この電源
切換部5は、第1の電源系統に接続された第1の開閉器
5aと第2の電源系統に接続された第2の開閉器5b及
び切換制御部5cとから構成され、切換制御部5cによ
って、第1の電源系統と第2の電源系統に切り換えるこ
とができる。第1及び第2の開閉器5a及び5bは、第
1及び第2の電源系統の各相のそれぞれについて接続さ
れている(例えば、3相であれば開閉器も3相分がそれ
ぞれ接続されている)。6は例えばモータなどの負荷で
あり、母線Bを介して電源切換部5に接続されている。
さらに、母線A,B,Cに電流変成器(CT)や電圧変
成器(PT)などの検出器7a,7b,7cを備え、そ
の情報を切換制御部5cに送り、その情報を基に切換制
御を行うようになされている。
【0025】次に、上述した構成を備える実施の形態1
に係る電源切換装置の動作及び電源切換方法を、図2に
示す切換制御部5cの動作を示すフローチャート、図3
に示す第1の開閉器5aと第2の開閉器5bの動作及び
負荷6への通電状態のタイミングチャート、図4に示す
第1の開閉器5aと第2の開閉器5b及び負荷6に流れ
る電流波形、さらには、図5に示す第1及び第2の開閉
器5a、5bの構成図を参照して説明する。
【0026】今、この発明の電源切換装置に用いる第1
及び第2の開閉器5a、5bは、例えば特開平9−32
6222号公報に開示されているような、開閉駆動源と
して電磁反発力を利用した高速スイッチを用いるのが有
効である。図5は、第1及び第2の開閉器5a、5bを
示す構成図である。図5において、101はスイッチ、
102は反発部、103a、103bはコイル、104
は可動電動棒、105は可動電極、106は固定電極、
107はストッパー、108は皿バネ、109はコイル
押さえである。なお、スイッチ101は、固定電極10
5と可動電極106の接点部を真空容器内に収めたもの
である。
【0027】図5に示す構成を有する第1及び第2の開
閉器5a、5bは、次にように動作する。まず、図5の
上部に示す閉極状態で、コイル103aに急峻な電流が
流されると、反発部102に電流が誘起され、コイル1
03aとの間に反発力を生じ、この反発力で可動電動棒
104が紙面右方向へ移動し、可動電極105と固定電
極106が開極する。このとき、皿バネ108は開極状
態を保持する役目も果たす。
【0028】また、図5の下部に示す開極状態から図5
の上部に示す閉極状態になる場合も同じような動作で、
開極状態で、コイル103aに急峻な電流が流される
と、反発部102に電流が誘起され、コイル103aと
の間に反発力を生じ、この反発力で可動電極棒104が
紙面左方向へ移動し、可動電極105と固定電極106
が閉極する。
【0029】このように、開閉駆動源として電磁反発力
を用いているため高速なスイッチを実現できる。また、
皿バネ108は、可動電極105と固定電極106とを
所定の圧力で閉極状態に保持する保持機能と、所定の間
隔で開極状態に保持する保持機構を有している。これに
より、従来の機械式開閉器の複雑なリンク機構が不要と
なり、小型で安価なスイッチを実現できる。
【0030】次に、この発明の実施の形態1による電源
切換装置の切換制御部5cの動作について、図2を用い
て説明する。図2に示すように、まず、第1及び第2の
電源系統の周波数、位相などが一致しているか否かを確
認する(ステップS10,S11)。これは、もし、一
致しないまま第1の電源系統(商用電源)から第2の電
源系統(自家用発電機)へ切り換えると、切換時に自家
用発電機の回転軸に強いトルクが発生するなどして、ね
じれ振動やたわみなどの許容範囲を超えて機械的なダメ
ージを与えたり、同期はずれなどによって安定した電力
を供給することができず、負荷の脱落などが生じてしま
う場合があるからである。従って、第1及び第2の電源
系統の周波数、位相などが一致していない場合には、一
致させる作業が必要になる。その後、第2の電源系統の
電圧を第1の電源系統より高い電圧に昇圧する(ステッ
プS12)。
【0031】次に、切換制御部5cから第2の電源系統
側の開閉器5bに閉極指令を送出する。閉極指令は、各
相ばらばらであってもよいが、ばらばらに制御するより
も同時に行うのが制御としては簡単でよい。切換制御部
5cから閉極指令を出力した後、第2の開閉器5bが閉
極動作を開始する(ステップS13)。第2の電源系統
側に設置された電流変成器などの検出器7cにより、第
2の電源系統から電流供給されているかを確認する(ス
テップS13)。
【0032】もし、第2の電源系統側から電流供給され
ていない場合は、第2の開閉器5bが不動作などの不具
合が生じたと判断して、不具合が生じた原因を除去した
後、再び切換動作を行う(ステップS14〜S16→S
10)。第2の電源系統から電流供給されている場合
は、第2の電源系統側の開閉器5bが閉極動作を完了し
たと判断する。このとき、第1と第2の電源系統の両方
から連続して負荷6に電流が供給される。第2の電源系
統側の開閉器5bが閉極動作を完了後、第1の開閉器5
aに、切換制御部5cから開極指令を出力する(ステッ
プS17,S18)。
【0033】第1の開閉器5aが開極動作に入ると、第
1の電源系統側から流れる電流と第2の電源系統側から
流れる電流によってつくられる電流ゼロ点で、電流を遮
断することができる。開極動作に入った後、それぞれが
迎える電流ゼロ点で、電流ゼロ点を迎える相の順に電流
が切れ、第1の電源系統と切り離され、順次第2の電源
系統に切り換えられていく。第1の電源系統から、全て
の相について電力供給がなされなくなると、第1の電源
系統側の開閉器5aが開極動作を完了したとして、第2
の電源系統の電圧を速やかに通常の運転電圧に降圧し、
切り換え動作を完了する(ステップS19〜S21)。
なお、第1の電源系統側の開閉器5aに開極指令を送出
したにも係わらず、第1の電源系統側から電流が供給さ
れ続けた場合には、第1の電源系統側の開閉器が不動作
を生じたとして、不具合が生じた原因を除去した後、再
び切り換え動作を行う(ステップS19→S22,S2
3→S10)。
【0034】この実施の形態1によれば、図3及び図4
に示すように、従来例と較べて、負荷がどちらの系統に
も接続されない無電状態を大幅に短縮できる。すなわ
ち、図3に示すように、第1の開閉器5aの開極指令
を、第2の開閉器5bの閉極指令後、実際に閉極したこ
とを確認した後に送出している。これにより、負荷6が
どちらの系統にも接続されない無電状態がなくなる。
【0035】また、図4は実施の形態1による効果を説
明するもので、シミュレータを用いて計算した波形図で
ある。通常、交流電力は、複数の相、一般に3層交流で
あるが、ここでは、そのある1相についての波形図であ
る。図4において、横軸は時間、縦軸は電流を示し、第
1の開閉器5aに流れる電流を実線、第2の開閉器5b
に流れる電流を点線、負荷6に流れる電流を一点鎖線で
示している。
【0036】まず、負荷6には、第1の電源系統1から
電力が供給されている。図4では20msまで実線で示
されているが、これは、第1の開閉器5aに流れる電流
と負荷6に流れる電流が同一であることを示している。
次に、第2の電源系統2に切り換えるため、第2の開閉
器5bに例えば時間13msの時点で閉極指令を送出す
る。第2の開閉器5bに閉極指令が送出されてから、接
点が動き始めて、閉極が完了する時間が20msとす
る。20msで閉極が完了すると、20ms以降は負荷
6には、第1の電源系統、第2の電源系統の双方から電
力が供給される。図中では、第1の開閉器5aに流れる
電流を実線で、第2の開閉器5bに流れる電流を一点鎖
線で示しており、負荷6には20ms以前、以後、連続
して電力供給がなされている。
【0037】また、ここでは、第2の電源系統の電圧が
第1の電源系統の電圧より高く設定したので、第2の電
源系統から流れる電流は、第1の開閉器5aを介して第
1の電源系統側に流入する。そして、第2の電源系統か
ら電流が流れ始めたことを20ms以後のいずれかの時
点、例えば1ms後に、CTなどによる電流の瞬時値を
計測するなどして確認した後、第1の開閉器5aに開極
指令を送出する。図4は、21ms後に開極指令を送出
したた場合の例についての計算結果である。
【0038】第1の開閉器5aが開極し始めて、充分な
接点間距離に達するまでの時間を仮に1msとして、図
中には第1の開閉器開極と示す。機械式の開閉器である
場合では、電流ゼロ点がこないと電流が遮断することが
できないので、第2の電源系統から流入する電流とでつ
くられる電流ゼロ点で遮断する。図中では、28msの
電流ゼロ点で第1の開閉器が電流を遮断している。電流
遮断後、第1の電源系統からの電力は遮断され、負荷に
は第2の電源系統からのみ電力供給がなされる。28m
s以降は、第2の開閉器と負荷に流れる電流を示してい
る(一点鎖線と点線が重なって実線状に見えている)。
この図からのわかるように、28msで第1の開閉器5
aから電力供給が絶たれても、負荷6への電力供給は連
続している。
【0039】なお、上記実施の形態1では、第1の電源
系統、第1の開閉器5aが商用電源からの受電、第2の
電源系統、第2の開閉器5bが自家用発電機からの受電
として説明したが、これが逆であっても同様の動作であ
り、同様の効果を得ることができる。
【0040】実施の形態2.この発明の形態2では、上
記実施の形態1とは別の切換制御部5cの動作について
説明する。図6は、この発明の実施の形態2による電源
切換装置の切換制御部5cの動作を示すフローチャート
である。また、図7は、この発明の実施の形態2による
電源切換装置の第1及び第2の開閉器の動作、負荷の通
電状態を示すタイミングチャートである。なお、装置の
構成は図1に示すものと同様である。
【0041】次に、動作及び電源切換方法について、図
1、図6及び図7を用いて説明する。まず、図6に示す
ように、第1及び第2の電源系統の周波数、位相などが
一致しているか否かを確認する(ステップS30)。一
致したことを確認して、切換動作に入るのであるが、切
換制御部5cでは、あらかじめ、以下のような設定がな
されている。つまり、第2の開閉器5bに閉極指令を送
出してから、第2の開閉器5bが閉極動作を完了し、第
1の電源系統と第2の電源系統から供給される電流がゼ
ロになる時間に、第1の開閉器5aの接点間が回復電圧
の耐圧距離に十分達するよう、切換制御部5cから第1
の開閉器5aに開極するための制御信号を送る時間をあ
らかじめ設定されている。
【0042】従って、第1の電源系統と第2の電源系統
の周波数、位相などが一致したことを確認した後(ステ
ップS31)、第2の系統電源の電圧を昇圧し(ステッ
プS32)、上記の予め設定された時間に従って、第1
の電源系統の開閉器、第2の電源系統の開閉器に動作指
令を送出する(ステップS33〜S37)。このように
制御することにより、第2の開閉器5bが閉極されて初
めて迎える電流ゼロ点で、第1の開閉器5aの固定電極
と可動電極間が電流を遮断するだけの十分な接点間距離
になっていれば、それぞれ迎える電流ゼロ点で確実に電
流が切れ、非常に早い時間で切換を完了することができ
る。最後に、第2の電源系統の電圧を降圧する(ステッ
プS38)。これにより、両方の電源系統に繋がってい
る時間を短縮することができ、その間で、短絡などの事
故が発生する確率を減らすことができる。すなわち、こ
れにより、電力供給の信頼性をあげることができる。
【0043】すなわち、図7において、t1は第1の開
閉器5aへの開極指令から当該第1の開閉器5aの接点
間距離が回復電圧の耐圧距離に達する時間、t2は第2
の開閉器5bへの閉極指令から当該第2の開閉器5bが
閉極までの時間、Aは尤度を示し、切換制御部5cは、
A>0という条件で、あらかじめΔt=t2+t1+A
−t1を設定しており、第1の開閉器5aの開極指令を
第2の開閉器5bの閉極指令によりΔt遅らせて送出し
ている。
【0044】図8は図4に示す実施の形態1に対応して
示す実施の形態2に係る効果を説明するもので、シミュ
レータを用いて計算した波形図であり、横軸は時間、縦
軸は電流を示し、第1の開閉器5aに流れる電流を実
線、第2の開閉器5bに流れる電流を点線、負荷6に流
れる電流を一点鎖線で示している。
【0045】まず、負荷6には、第1の電源系統1から
電力が供給されている。実施の形態1と同様に、第2の
電源系統2に切り換えるため、第2の開閉器5bに例え
ば時間13msの時点で閉極指令を送出する。第2の開
閉器5bに閉極指令が送出されてから、接点が動き始め
て、閉極が完了する時間は図4と同様に20msとす
る。第2の開閉器5bに閉極指令を送出してから接点が
動き始めて閉極が完了する時間、第1の開閉器5aに開
極指令を送出してから開極するまでの時間が予めわかっ
ている場合には、第2の系統電源から電流が流れ始めた
ことを確認する前に、第1の開閉器5aに開極指令を送
出ことができる。
【0046】すなわち、時間が20msである時点で第
2の開閉器5bが閉極され、第2の系統電源から電流が
流れ始めた後に、第1の開閉器5aが開極し、接点間に
十分な耐圧間距離があれば、すぐに迎える電流ゼロ点で
第1の開閉器5aは電流を遮断することができる。具体
的な数値で示せば、第1の開閉器5aに19msで開極
指令を送出すると、2ms後の21msには、十分な耐
圧間距離に達しているものとする。なお、耐圧間距離に
達するまでの時間は、開閉器の開極速度などによって異
なるが、予めその速度を測定しておけば、時間を設定す
ることが可能である。21msに十分な耐圧間距離に達
しているのであれば、第1の開閉器5aを流れる電流と
第2の電源系統から流入する電流とでつくられる電流ゼ
ロ点、つまり、22msで迎える電流ゼロ点で、第1の
開閉器5aは電流を遮断できる。
【0047】この場合、負荷6への電力供給は、実施の
形態1と同様に連続であるが、第1の電源系統、第2の
電源系統のどちらにも繋がっている期間を非常に短くで
きる。これは、電源(例えば、自家用発電機)への影響
や、電源が商用電源で、他の需要家へ電力を供給してい
る場合には、他の需要家への影響を非常に小さくするこ
とができるという効果がある。
【0048】なお、第2の開閉器5bの閉極と第1の開
閉器5aの開極時間が図7に示すように設定されていな
いと、どちらにも繋がらない時間が発生してしまうおそ
れがある。従って、予めそれぞれの動作ばらつきなどを
考慮して尤度Aを0以上で、かつ十分信頼性のある値に
設定しておく必要がある。
【0049】従って、実施の形態2によれば、負荷6が
どちらの系統にも接続されない無電状態がなくなるのは
勿論のこと、両方の電源系統に繋がっている時間を短縮
することができ、その間で、短絡などの事故が発生する
確率を減らすことができ、これにより、電力供給の信頼
性をあげることができる。
【0050】実施の形態3.この実施の形態3では、切
換器を構成する第1の開閉器と第2の開閉器の機能につ
いて説明する。通常の系統切換では、切換器を構成する
第1の開閉器と第2の開閉器は、通常の負荷電流を遮断
する能力を持っていれば、十分その機能を果たすので、
短絡などの事故時の電流、例えば負荷電流の数十倍の電
流を遮断する能力は持っていない。一般に、高圧の配電
系統では、母線事故などに対し、切換器の上位側に遮断
能力を持つ遮断器が配置されている。本切換器を構成す
る開閉器を、事故電流も遮断できるような遮断器で構成
すれば、上位の遮断器が不要となり、システムとして低
コスト化が可能となる。
【0051】上述した実施の形態1ないし3によれば、
系統の切換動作を高速に行うと共に、負荷への安定した
電力供給を可能にする。また、切換装置を電磁反発を利
用した二台の機械式スイッチで構成することで、半導体
を用いた切換装置に比べ、安価で小型・省スペース化が
図れる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第2
の電源系統から供給される電流と第1の電源系統から供
給される電流とで作られる電流ゼロ点で、第1の電源系
統を切り離すようにしたので、系統の切換動作を高速に
行うと共に、負荷への安定した電力供給を可能にする。
【0053】また、第2の開閉器を閉極し、第2の電源
から電流が供給されていることを確認した後、第1の開
閉器を開極する一連の切換制御を行うことで、系統の切
換動作を高速に行うと共に負荷への安定した電力供給を
可能にする。
【0054】また、あらかじめ設定した時間に基づい
て、第1及び第2の開閉器に指令を送出し、一連の切換
制御を行うことで、系統の切換動作を高速に行うと共
に、負荷への安定した電力供給を可能にする。
【0055】また、開閉器に、事故電流も遮断できるよ
うな遮断能力を持たせることで、別途遮断器を設ける必
要がなく、安価なシステムを提供することができる。
【0056】また、開閉器の駆動源として電磁反発力を
用いることで、系統の切換を高速に行うと共に、半導体
を用いたものより、安価で小型、省スペースな切換器を
提供でき、開閉器の固定電極と可動電極を所定の圧力で
閉極状態や開極状態に保持するバネ機構として皿ばねを
備えているので、開閉軸を直線的に移動させるのに効率
がよく、瞬時にしかも確実に系統の切換を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における電源切換装
置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における電源切換装
置の切換制御部の動作及び電源切換方法を示すフローチ
ャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1における電源切換装
置の第1及び第2の開閉器の動作、負荷の通電状態を示
すタイミングチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1による電源切換装置
により切換制御された場合の負荷に流れる電流波形を示
す波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における電源切換装
置の第1及び第2の開閉器を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における電源切換装
置の制御部の動作及び電源切換方法を示すフローチャー
トである。
【図7】 この発明の実施の形態2における電源切換装
置の第1及び第2の開閉器の動作、負荷の通電状態を示
すタイミングチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態2による電源切換装置
により切換制御された場合の負荷に流れる電流波形を示
す波形図である。
【図9】 従来の電源切換装置を示す構成図である。
【図10】 従来の電源切換装置における第1及び第2
の開閉器の動作、負荷の通電状態を示すタイミングチャ
ートである。
【図11】 電子機器の瞬低影響度(電協研の調査結
果)を示す図である。
【図12】 従来の電源切換装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 第1の電源系統(商用電源)、2 第2の電源系統
(自家用発電機)、3 遮断器、4 トランス、5 電
源切換装置、5a 第1の開閉器、5b 第2の開閉
器、5c 切換制御部、6 負荷、101 スイッチ、
102 反発部、103a コイル、103b コイ
ル、104 可動電動棒、105 可動電極、106
固定電極、107 ストッパー、108 皿バネ、10
9 コイル押さえ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸田 行盛 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5G028 AA01 AA08 DB01 5G066 AB01 AC01 AC02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電源系統に直列に接続された第1
    の開閉器と、 第2の電源系統に直列に接続された第2の開閉器と、 上記第1と第2の開閉器を切換制御する切換制御部とか
    らなり、上記第1と第2の開閉器の共通接続点に接続さ
    れた負荷に対して電力供給中の第1の電源系統から第2
    の電源系統に切り換える電源切換装置であって、 上記第1と第2の開閉器は、機械式の開閉器で構成し、 上記切換制御部は、切換時に、第1と第2の電源系統の
    周波数及び位相を一致させ、第2の電源系統の電源電圧
    を第1の電源系統より高い電圧に昇圧してから、上記第
    2の開閉器を閉極させ、第2の電源系統から供給される
    電流と第1の電源系統から供給される電流とでつくられ
    る電流ゼロ点で、第1の開閉器を開極させ、第1の電源
    系統から切り離した後、電圧を通常の運転電圧に降圧す
    ることを特徴とする電源切換装置。
  2. 【請求項2】 上記切換制御部は、上記第2の開閉器を
    閉極し、第2の電源系統から電流が供給されていること
    を確認した後、上記第1の開閉器を開極し、上記第1の
    電源系統から切り離す切換制御を行うことを特徴とする
    請求項1に記載の電源切換装置。
  3. 【請求項3】 上記切換制御部は、上記第2の開閉器に
    閉極指令を送出してから、上記第2の開閉器が閉極動作
    を完了し、上記第1の電源系統と上記第2の電源系統か
    ら供給される電流がゼロになる時間に、上記第1の開閉
    器の接点間が回復電圧の耐圧距離に十分達するよう、上
    記第1の開閉器に開極するための指令を送る時間をあら
    かじめ設定した上で切換制御を行うことを特徴とする請
    求項1に記載の電源切換装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の開閉器と上記第2の開閉器
    は、事故電流も遮断できるような遮断能力を持つことを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電源切
    換装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の開閉器と上記第2の開閉器
    は、開閉動作の駆動源として電磁反発力を用いると共
    に、開閉器の閉極状態または開極状態を保持するバネ機
    構として皿ばねを備えたことを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載の電源切換装置。
  6. 【請求項6】 第1の電源系統に直列に接続された第1
    の開閉器と第2の電源系統に直列に接続された第2の開
    閉器との共通接続点に接続された負荷に対して電力供給
    中の第1の電源系統から第2の電源系統に切り換える電
    源切換方法であって、上記第1の電源系統から上記第2
    の電源系統に切り換えるときに、第1と第2の電源系統
    の周波数及び位相を一致させ、第2の電源系統の電源電
    圧を第1の電源系統より高い電圧に昇圧してから、上記
    第2の開閉器を閉極させ、第2の電源系統から供給され
    る電流と第1の電源系統から供給される電流とでつくら
    れる電流ゼロ点で、第1の開閉器を開極させ、第1の電
    源系統から切り離した後、電圧を通常の運転電圧に降圧
    することを特徴とする電源切換方法。
  7. 【請求項7】 上記第2の開閉器を開極し、第2の電源
    系統から電流が供給されていることを確認した後、上記
    第1の開閉器を開極し、第1の電源系統から切り離す切
    換制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の電源切
    換方法。
  8. 【請求項8】 上記第2の開閉器に閉極指令を送出して
    から、第2の開閉器が閉極動作を完了し、第1の電源系
    統と第2の電源系統から供給される電流がゼロになる時
    間に、上記第1の開閉器の接点間が回復電圧の耐圧距離
    に十分達するよう設定された時間に第1の開閉器に開極
    指令を送出して、切換動作を行うことを特徴とする請求
    項6に記載の電源切換方法。
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