JP2000340987A - 電磁波シールド性光透過窓材及びパネル貼合材 - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材及びパネル貼合材

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JP2000340987A
JP2000340987A JP11150133A JP15013399A JP2000340987A JP 2000340987 A JP2000340987 A JP 2000340987A JP 11150133 A JP11150133 A JP 11150133A JP 15013399 A JP15013399 A JP 15013399A JP 2000340987 A JP2000340987 A JP 2000340987A
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JP
Japan
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film
electromagnetic wave
wave shielding
heat ray
transparent conductive
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JP11150133A
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English (en)
Inventor
Masato Sugimachi
正登 杉町
Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDP用フィルター等として好適な、高透明
性で、電磁波シールド性及び熱線カット性が著しく良好
な電磁波シールド性光透過窓材と、このような窓材をP
DPに一体化したパネル貼合材を提供する。 【解決手段】 2枚の透明基板2A,2B又は透明基板
とPDP本体との間に電磁波シールド性熱線カットフィ
ルム3A,3Bを介在させて接着用中間膜4A〜4Cで
一体化した電磁波シールド性光透過窓材1又はパネル貼
合材。電磁波シールド性熱線カットフィルム3Aは、ベ
ースフィルム上に酸化物透明導電膜と金属薄膜とを5層
積層したものであり、電磁波シールド性熱線カットフィ
ルム3Bは、ベースフィルム上に酸化物透明導電膜と金
属薄膜とを7層積層したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁波シールド性光
透過窓材及びパネル貼合材に係り、特に、良好な電磁波
シールド性と熱線(近赤外線)カット性とを備え、かつ
光透過性で、PDP(プラズマディスプレーパネル)の
前面フィルタ等として有用な電磁波シールド性光透過窓
材と、PDPに電磁波シールド性熱線カット材を一体化
させることによりパネル貼合材自体に電磁波シールド性
と熱線カット性等の機能を付与し、パネル貼合材の軽
量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及びコス
トの低減を可能としたガス放電型パネル貼合材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器や通信機器等の普及にと
もない、これらの機器から発生する電磁波が問題視され
るようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸
念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題
となっている。
【0003】そこで、従来、OA機器のPDPの前面フ
ィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性
の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓
材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護する
ために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材とし
ても利用されている。
【0004】従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主
に、金網のような導電性メッシュ材を、アクリル板等の
透明基板の間に介在させて一体化した構成とされてい
る。
【0005】本出願人は、このような従来の電磁波シー
ルド性光透過窓材の特性や施工性を改善するものとし
て、2枚の透明基板の間に導電性メッシュを介在させ
て、透明接着樹脂で接合一体化してなる電磁波シールド
性光透過窓材を提案した(特開平11−74683号公
報)。
【0006】また、高透明性で、電磁波シールド性及び
熱線カット性が良好な電磁波シールド熱線カット性光透
過窓材として、本出願人は、2枚の透明基板間に、酸化
物透明導電膜と金属薄膜とを交互に積層した多層膜より
なる中間膜を介在させて、接着樹脂で接合一体化してな
る電磁波シールド熱線カット性光透過窓材を提案した
(特開平11−97880号公報)。
【0007】この酸化物透明導電膜と金属薄膜とを交互
に積層してなる多層膜であれば、透明性を損なうことな
く、良好な電磁波シールド性と熱線(近赤外線)カット
性を得ることができる。
【0008】ところで、放電現像を利用したPDP(p
lasma display panel)は、液晶デ
ィスプレイ(LCD)やブラウン管(CRT)に比べ
て、次のような利点を有することから、近年、テレビや
パソコン、ワープロ等のOA機器、交通機器、看板、そ
の他の表示板等のパネル貼合材として研究開発及び実用
化が進められている。 放電光利用であり自発光である。 0.1〜0.3mmの放電ギャップであるのでパネ
ル型にできる。 螢光体を利用してカラー発光できる。 大画面パネルが作り易い。
【0009】PDPの基本的な表示機構は、2枚のガラ
ス板間に隔成した多数の放電セル内の螢光体を選択的に
放電発光させることで文字や図形を表示するものであ
り、例えば、図4に示すような構成とされている。図4
において21は前面板(フロントガラス)、22は背面
板(リヤガラス)、23は隔壁、24は表示セル(放電
セル)、25は補助セル、26は陰極、27は表示陽
極、28は補助陽極であり、各表示セル24の内壁に
は、赤色螢光体、緑色螢光体又は青色螢光体(図示せ
ず。)が膜状に設けられ、これらの螢光体が電極間に印
加された電圧による放電で発光する。
【0010】PDPの前面からは、電圧印加、放電、発
光により、周波数:数kHz〜数GHz程度の電磁波が
発生するため、これを遮蔽する必要がある。また、表示
コントラスト向上のためには、前面における外部光の反
射を防止する必要がある。更に、機器の本体側からの熱
で画面が過熱するという問題もあった。
【0011】このため、従来においては、PDPからの
電磁波等を遮蔽するために、電磁波シールド性等の機能
を有する透明板をPDPの前面に配置している。
【0012】PDPと別体の透明板をPDPの前面に設
けたものでは、次のような欠点がある。 2つの板材を配置するため構造が複雑となる。 PDPにも電磁波シールド性の透明板にも、ガラス
等の透明基板を必要とするため、PDPと電磁波シール
ド性の透明板とを設けることで厚肉となり、また、重量
が重くなる。 部品点数、生産工程数が増え、コストアップを招
く。
【0013】このような問題を解決し、PDPに電磁波
シールド材を一体化させることによりパネル貼合材と
し、それ自体に電磁波シールド性等の機能を付与するこ
とで軽量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及
びコストの低減を可能とし、更には、電磁波シールド性
と共に、近赤外線カット性を兼備するものを提供するべ
く、本出願人は先に、PDP本体と、該PDP本体の前
面に透明接着剤により接着された電磁波シールド材と、
該電磁波シールド材の前面に透明接着剤により接着され
た透明基板とを備えてなる表示パネルであって、該透明
基板とPDP本体との間に、更に、熱線カット層を設け
たものを提案した(特開平11−119666号公
報)。
【0014】この特開平11−119666号公報の表
示パネルは、PDPと電磁波シールド材、熱線カット層
及び透明基板とが透明接着剤で一体化されているため、
軽量、薄肉化、部品数の低減による生産性の向上及びコ
ストの低減を図ることができる。しかも、電磁波シール
ド材と共に熱線カット層を積層一体化しているため、電
磁波シールド性のみならず、良好な近赤外線カット性を
得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような電磁波シー
ルド性光透過窓材や表示パネルにあっては、リモコンの
誤作動等をより確実に防止する目的で熱線カット性能が
極めて重要な要求特性とされている。特に、最近では、
PDPの輝度の向上に伴って、近赤外線の発生量も多く
なっていることから、より一層高度な熱線カット性能が
必要とされている。
【0016】一方で、構成を簡易なものとして、製造工
程の簡略化、製造コストの低減、生産効率の向上を図る
点においては、電磁波シールド材としては導電性メッシ
ュを用いるよりも透明導電性膜を用いる方が有利であ
る。
【0017】前述の特開平11−97880号公報に記
載される酸化物透明導電膜と金属薄膜とを交互に積層し
てなる多層膜であれば、導電性メッシュを用いることな
く、電磁波シールド性と熱線カット性を有する多層膜を
介挿させて電磁波シールド性と熱線カット性能とを得る
ことができるが、未だ十分な性能が得られているとは言
えず、より一層電磁波シールド性と熱線カット性に優
れ、しかも可視光領域の透過率が高く、鮮明な画像を得
ることができる電磁波シールド性光透過窓材及びパネル
貼合材が望まれる。
【0018】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、著しく良好な電磁波シールド性と熱線
カット性を有し、しかも可視光領域の透過率が高く、鮮
明な画像を得ることができる電磁波シールド性光透過窓
材及びPDP一体型パネル貼合材を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
性光透過窓材は、2枚の透明基板を、該透明基板間に電
磁波シールド性熱線カット層を介して透明接着剤で接合
一体化してなる電磁波シールド性光透過窓材において、
該電磁波シールド性熱線カット層は、酸化物透明導電膜
/金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明
導電膜の5層積層膜よりなる第1の電磁波シールド性熱
線カット層と、酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透
明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸
化物透明導電膜の7層積層膜よりなる第2の電磁波シー
ルド性熱線カット層とで構成されることを特徴とする。
【0020】本発明のパネル貼合材は、プラズマディス
プレイパネル本体と透明基板とを、該プラズマディスプ
レイパネル本体の前面と透明基板との間に電磁波シール
ド性熱線カット層を介して透明接着剤で接合一体化して
なるパネル貼合材において、該電磁波シールド性熱線カ
ット層は、酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導
電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜の5層積層膜よりな
る第1の電磁波シールド性熱線カット層と、酸化物透明
導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化
物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜の7層積層
膜よりなる第2の電磁波シールド性熱線カット層とで構
成されることを特徴とする。
【0021】本発明に従って、電磁波シールド性熱線カ
ット層を酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電
膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜の5層積層膜よりなる
第1の電磁波シールド性熱線カット層と、酸化物透明導
電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物
透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜の7層積層膜
よりなる第2の電磁波シールド性熱線カット層とで構成
することにより、高透明性で電磁波シールド性、熱線カ
ット性に著しく優れた電磁波シールド性光透過窓材及び
パネル貼合材を得ることができる。
【0022】本発明において、電磁波シールド性熱線カ
ット層は、ベースフィルム上に第1の電磁波シールド性
熱線カット層が形成された第1の電磁波シールド性熱線
カットフィルムと、ベースフィルム上に第2の電磁波シ
ールド性熱線カット層が形成された第2の電磁波シール
ド性熱線カットフィルムとで形成するのが好ましい。
【0023】また、接着一体化に通常の接着剤を用いる
と、衝撃等で窓材又はパネル貼合材が破損した場合、破
片が飛散し、安全性の面で問題となるが、透明接着剤と
して透明弾性接着剤を用いることにより、衝撃等で窓材
又はパネル貼合材が破損した場合の破片の飛散を防止す
ることができ、安全性が高められる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の電
磁波シールド性光透過窓材の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0025】図1,2は各々本発明の電磁波シールド性
光透過窓材及びパネル貼合材の実施の形態を示す模式的
な断面図であり、図3(a),(b)は本発明に係る電
磁波シールド性熱線カットフィルムの実施の形態を示す
模式的な断面図である図1の電磁波シールド性光透過窓
材1は、2枚の透明基板2A,2B間に、接着剤となる
接着用中間膜4A,4B,4Cを用いて第1の電磁波シ
ールド性熱線カットフィルム3Aと、第2の電磁波シー
ルド性熱線カットフィルム3Bを積層させて一体化した
ものである。
【0026】また、図2に示すパネル貼合材10は、透
明基板2とPDP本体20(このPDP本体としては図
4に示す構成、その他の一般的なPDP本体を適用でき
る。)との間に、図1と同様の、接着剤となる接着用中
間膜4A,4B,4Cと、第1の電磁波シールド性熱線
カットフィルム3Aと、第2の電磁波シールド性熱線カ
ットフィルム3Bの積層構造が形成されていること以外
は、図1の電磁波シールド性光透過窓材1と同様の構成
とされている。
【0027】本発明において、透明基板2A,2B,2
の構成材料としては、ガラス、ポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ア
クリル板、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、
トリアセテートフィルム、ポリビニルアルコール、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金
属イオン架橋エチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリ
ウレタン、セロファン等、好ましくは、ガラス、PE
T、PC、PMMAが挙げられる。
【0028】透明基板2A,2B,2の厚さは得られる
窓材の用途による要求特性(例えば、強度、軽量性)等
によって適宜決定されるが、通常の場合、0.1〜10
mmの範囲とされる。
【0029】透明基板2A,2Bは、必ずしも同材質で
ある必要はなく、例えば、PDP前面フィルタのよう
に、表面側のみに耐傷付性や耐久性等が要求される場合
には、この表面側となる透明基板2Aを厚さ0.1〜1
0mm程度のガラス板とし、裏面側(電磁波発生源側)
の透明基板2Bを厚さ1μm〜10mm程度のPETフ
ィルム又はPET板、アクリルフィルム又はアクリル
板、ポリカーボネートフィルム又はポリカーボネート板
等とすることもできる。
【0030】本実施例の電磁波シールド性光透過窓材1
では、裏面側となる透明基板2Bの周縁部にアクリル樹
脂をベースとする黒枠塗装6が設けられている。
【0031】また、本実施例の電磁波シールド性光透過
窓材1及びパネル貼合材10では、表面側となる透明基
板2A,2の表面に反射防止膜5が形成されている。こ
の透明基板2A,2の表面側に形成される反射防止膜5
としては、下記(1)の単層膜や、高屈折率透明膜と低
屈折率透明膜との積層膜、例えば、下記(2)〜(5)
のような積層構造の積層膜が挙げられる。 (1) 透明基板よりも屈折率の低い透明膜を一層積層
したもの。 (2) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層ずつ合
計2層に積層したもの。 (3) 高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を2層ずつ交
互に合計4層積層したもの。 (4) 中屈折率透明膜/高屈折率透明膜/低屈折率透
明膜の順で1層ずつ、合計3層に積層したもの。 (5) 高屈折率透明膜/低屈折率透明膜の順で各層を
交互に3層ずつ、合計6層に積層したもの。
【0032】高屈折率透明膜としては、ITO(スズイ
ンジウム酸化物)又はZnO、AlをドープしたZn
O、TiO2、SnO2、ZrO等の屈折率1.8以上の
薄膜、好ましくは透明導電性の薄膜を形成することがで
きる。また、低屈折率透明膜としてはSiO2、Mg
2、Al23等の屈折率が1.6以下の低屈折率材料
よりなる薄膜を形成することができる。これらの膜厚は
光の干渉で可視光領域での反射率を下げるため、膜構
成、膜種、中心波長により異なってくるが4層構造の場
合、透明基板側の第1層(高屈折率透明膜)が5〜50
nm、第2層(低屈折率透明膜)が5〜50nm、第3
層(高屈折率透明膜)が50〜100nm、第4層(低
屈折率透明膜)が50〜150nm程度の膜厚で形成さ
れる。
【0033】また、このような反射防止膜5の上に更に
汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を高めるように
しても良い。この場合、汚染防止膜としては、フッ素系
薄膜、シリコン系薄膜等よりなる膜厚1〜1000nm
程度の薄膜が好ましい。
【0034】本発明の電磁波シールド性光透過窓材及び
パネル貼合材では、表面側となる透明基板2A,2に
は、更に、シリコン系材料等によるハードコート処理、
或いはハードコート層内に光散乱材料を練り込んだアン
チグレア加工等を施しても良い。また、透明基板2A,
2に前述の反射防止フィルム、ハードコートフィルム、
アンチグレアフィルム等を透明粘着剤や透明接着剤で貼
り付けることもできる。裏面側となる透明基板2Bに
は、金属薄膜又は透明導電性膜等の熱線反射コート等を
施して機能性を高めることができる。透明導電性膜は表
面側の透明基板2A,2に形成することもできる。
【0035】第1の電磁波シールド性熱線カットフィル
ム3Aは、図3(a)に示す如く、ベースフィルム11
上に、酸化物透明導電膜12と金属薄膜13とを交互に
積層してなる5層の積層膜を設けたものである。また、
第2の電磁波シールド性熱線カットフィルム3Bは、図
3(b)に示す如く、ベースフィルム11上に、酸化物
透明導電膜12と金属薄膜13とを交互に積層してなる
7層の積層膜を設けたものである。
【0036】このベースフィルム11としては、前述の
透明基板の構成材料と同様の樹脂フィルム、好ましく
は、PET、PC、PMMA等よりなるフィルムを用い
ることができる。このフィルムは、得られる窓材の厚さ
を過度に厚くすることなく、取り扱い性、耐久性を確保
する上で1μm〜5mm程度とするのが好ましい。
【0037】このベースフィルム11上に形成される酸
化物透明導電膜12としては、ITO、ZnO、Alを
ドープしたZnO、SnO2等の薄膜を形成することが
でき、その膜厚は、通常の場合、5〜5000Å程度で
ある。
【0038】また、金属薄膜13としては、銀、銅、ア
ルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム等の単独膜、
真鍮、ステンレス等の合金膜等の膜を光透過性を損なわ
ない薄さで形成することができ、その膜厚は、通常の場
合、2〜2000Å程度である。
【0039】これらの酸化物透明導電膜12及び金属薄
膜13は、スパッタ法や真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法、CVD法等、好ましくは膜厚制御が容易なスパ
ッタ法により、ベースフィルム11上に容易に形成する
ことができる。
【0040】本発明においては、電磁波シールド性熱線
カットフィルムと共に、更に透明導電性フィルムを透明
基板間又は透明基板とPDP本体との間に設けても良
く、この場合、透明導電性フィルムとしては、導電性粒
子を分散させた樹脂フィルム、又はベースフィルムに透
明導電性層を形成したものを用いることができる。
【0041】フィルム中に分散させる導電性粒子として
は、導電性を有するものであれば良く特に制限はない
が、例えば、次のようなものが挙げられる。 (i) カーボン粒子ないし粉末。 (ii) ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウ
ム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、アルミ、銅、チ
タン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはこれらの導
電性酸化物の粒子ないし粉末。 (iii) ポリスチレン、ポリエチレン等のプラスチック
粒子の表面に上記(i),(ii)の導電性材料のコーティン
グ層を形成したもの。
【0042】これらの導電性粒子の粒径は、過度に大き
いと光透過性や透明導電性フィルムの厚さに影響を及ぼ
すことから、0.5mm以下であることが好ましい。好
ましい導電性粒子の粒径は0.01〜0.5mmであ
る。
【0043】また、透明導電性フィルム中の導電性粒子
の混合割合は、過度に多いと光透過性が損なわれ、過度
に少ないと電磁波シールド性が不足するため、透明導電
性フィルムの樹脂に対する重量割合で0.1〜50重量
%、特に0.1〜20重量%、とりわけ0.5〜20重
量%程度とするのが好ましい。
【0044】導電性粒子の色、光沢は、目的に応じ適宜
選択されるが、表示パネルのフィルタとしての用途か
ら、黒、茶等の暗色で無光沢のものが好ましい。この場
合は、導電性粒子がフィルタの光線透過率を適度に調整
することで、画面が見やすくなるという効果もある。
【0045】ベースフィルムに透明導電性層を形成した
ものとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVD等により、スズインジウム酸化物、亜鉛
アルミ酸化物等の透明導電層を形成したものが挙げられ
る。この場合、透明導電層の厚さが0.01μm未満で
は、電磁波シールドのための導電性層の厚さが薄過ぎ、
十分な電磁波シールド性を得ることができず、5μmを
超えると光透過性が損なわれる恐れがある。
【0046】なお、透明導電性フィルムのマトリックス
樹脂又はベースフィルムの樹脂としては、ポリエステ
ル、PET、ポリブチレンテレフタレート、PMMA、
アクリル板、PC、ポリスチレン、トリアセテートフィ
ルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレ
ン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン
等、好ましくは、PET、PC、PMMAが挙げられ
る。
【0047】このような透明導電性フィルムの厚さは、
通常の場合、1μm〜5mm程度とされる。
【0048】透明導電性フィルムを設けることにより、
より一層優れた電磁波シールド性を得ることができる。
【0049】透明基板2Aと透明基板2B、又は、透明
基板2とPDP本体20を電磁波シールド性熱線カット
フィルム3A,3Bを介して接着する接着樹脂として
は、透明で弾性のあるもの、例えば、通常、合せガラス
用接着剤として用いられているものが好ましく、具体的
には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金
属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、
部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重
合体が挙げられる(なお、「(メタ)アクリル」は「ア
クリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニ
ルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂等も用いることができるが、性能面で
最もバランスがとれ、使い易いのはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)である。また、耐衝撃性、耐貫通
性、接着性、透明性等の点から自動車用合せガラスで用
いられているPVB樹脂も好適である。
【0050】PVB樹脂は、ポリビニルアセタール単位
が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重
量%で、平均重合度が200〜3000、好ましくは3
00〜2500であるものが好ましく、PVB樹脂は可
塑剤を含む樹脂組成物として使用される。
【0051】PVB樹脂組成物の可塑剤としては、一塩
基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐
酸系可塑剤が挙げられる。
【0052】一塩基酸エステルとしては、酪酸、イソ酪
酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オ
クチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−
ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコ
ールとの反応によって得られるエステルが好ましく、よ
り好ましくは、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレー
ト、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエ
ート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、ト
リエチレングリコール−ジ−n−オクトエート等であ
る。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又は
トリプロピレングリコールとのエステルも使用可能であ
る。
【0053】多塩基酸エステル系可塑剤としては、例え
ば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸
と炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコールとのエス
テルが好ましく、より好ましくは、ジブチルセバケー
ト、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジ
ペート等が挙げられる。
【0054】燐酸系可塑剤としては、トリブトキシエチ
ルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェー
ト、トリイソプロピルフォスフェート等が挙げられる。
【0055】PVB樹脂組成物において、可塑剤の量が
少ないと製膜性が低下し、多いと耐熱時の耐久性等が損
なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対して可塑剤を5〜50重量部、好ましくは10〜4
0重量部とする。
【0056】PVB樹脂組成物には、更に劣化防止のた
めに、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が
添加されていても良い。
【0057】以下に、樹脂としてEVAを用いた場合を
例示して本発明に係る接着用中間膜についてより詳細に
説明する。
【0058】EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜5
0重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用さ
れる。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと耐候性
及び透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械
的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィ
ルム相互のブロッキングが生ずる。
【0059】架橋剤としては加熱架橋する場合は、有機
過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯
蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物と
しては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブ
チルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイ
ド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオ
キシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブ
チルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5
−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1
−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサ
イド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオ
キシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイ
ド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロル
ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソ
ブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロ
ルヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。これら
の過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通
常EVA100重量部に対して、10重量部以下、好ま
しくは0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0060】有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、
ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニ
ルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法によ
り添加しても良い。
【0061】なお、EVAの物性(機械的強度、光学的
特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良
のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及
びアリル基含有化合物を添加することができる。この目
的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリ
ル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般
的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデ
シル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シク
ロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙
げられる。また、エチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールと
のエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイ
アセトンアクリルアミドが代表的である。
【0062】より具体的には、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又
はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタ
ル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジア
リル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種
を単独で、或いは2種以上を混合して、通常EVA10
0重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは0.5
〜5重量部用いられる。
【0063】EVAを光により架橋する場合、上記過酸
化物の代りに光増感剤が通常EVA100重量部に対し
て10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部使用
される。
【0064】この場合、使用可能な光増感剤としては、
例えばベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジ
ベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシク
ロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロア
ニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベ
ンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−
1,9−ベンズアンスロンなどが挙げられ、これらは1
種を単独で或いは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0065】また、この場合、促進剤としてシランカッ
プリング剤が併用される。このシランカップリング剤と
しては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニル
トリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシランなどが挙げられる。
【0066】これらのシランカップリング剤は通常EV
A100重量部に対して0.001〜10重量部、好ま
しくは0.001〜5重量部の割合で1種又は2種以上
が混合使用される。
【0067】なお、本発明に係る接着用中間膜4A〜4
Cには、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防
止剤、塗料加工助剤を少量含んでいてもよく、また、フ
ィルター自体の色合いを調整するために染料、顔料など
の着色剤、カーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カル
シウム等の充填剤を適量配合してもよい。
【0068】また、接着性改良の手段として、シート化
された接着用中間膜面へのコロナ放電処理、低温プラズ
マ処理、電子線照射、紫外光照射などの手段も有効であ
る。
【0069】本発明に係る接着用中間膜は、接着樹脂と
上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した
後カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション
等の成膜法により所定の形状にシート成形することによ
り製造される。成膜に際してはブロッキング防止、透明
基板との圧着時の脱気を容易にするためエンボスが付与
される。
【0070】なお、電磁波シールド性熱線カットフィル
ム3A,3Bと接着用中間膜4A〜4Cとで形成される
接着層の厚さは、電磁波シールド性光透過窓材又はパネ
ル貼合材の用途等によっても異なるが、通常の場合2μ
m〜2mm程度とされる。従って、接着用中間膜4A〜
4Cは、このような厚さの接着層が得られるような厚さ
に成形される。
【0071】図1,2に示す電磁波シールド性光透過窓
材1及びパネル貼合材10を製造するには、反射防止膜
5を形成した透明基板2A,2と、黒枠塗装6を設けた
透明基板2B又はPDP本体20と電磁波シールド性熱
線カットフィルム3A,3Bと接着用中間膜4A〜4C
を準備し、透明基板2Aと透明基板2Bとの間、又は透
明基板2とPDP本体20との間に、電磁波シールド性
熱線カットフィルム3A,3Bを各々接着用中間膜4
A,4B,4Cの間に挟んだものを積層し、接着用中間
膜4A〜4Cの硬化条件で加圧下、加熱又は光照射して
一体化すれば良い。
【0072】なお、図1,2に示す電磁波シールド性光
透過窓材及びパネル貼合材は本発明の電磁波シールド性
光透過窓材及びパネル貼合材の一例であって、本発明は
図示のものに限定されるものではない。例えば、電磁波
シールド性熱線カット層としての前述の5層積層膜及び
7層積層膜は、図1,2に示す如く、透明基板等とは別
体のフィルムとして2枚の透明基板間又は透明基板とP
DP本体との間に介在させる他、一方又は双方の透明基
板或いはPDP本体の接着面側に、直接、形成したもの
であっても良い。5層積層膜と7層積層膜の位置には特
に制限はなく、例えば、図1,2において、電磁波シー
ルド性熱線カットフィルム3Aと電磁波シールド性熱線
カットフィルム3Bとを入れ換えた構成としても良い。
【0073】また、前述の如く、近赤外線カットフィル
ムと共に透明導電性フィルムを設けたものであっても良
く、更には、透明基板の板面に直接透明導電性膜を形成
したものであっても良い。このような電磁波シールド性
光透過窓材又はパネル貼合材としては、透明基板に次の
ような透明導電性膜を形成したものが挙げられる。
【0074】 透明基板の板面に、フォトレジストの
コーティング、パターン露光及びエッチングの工程によ
り所定パターンにエッチングして形成した格子状又はパ
ンチングメタル状の金属膜。 透明基板の板面に導電性インキをパターン印刷して
形成した格子状又はパンチングメタル状の印刷膜。
【0075】また、本発明の電磁波シールド性光透過窓
材又はパネル貼合材は、透明導電性フィルムの代りに、
パターンエッチングにより格子状又はパンチングメタル
状とした金属箔を透明基板に接着したものであっても良
く、更には導電性メッシュを用いることを何ら排除する
ものではない。
【0076】本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、
PDPの前面フィルタとして、或いは、病院や研究室等
の精密機器設置場所の窓材等として有効に利用可能であ
る。
【0077】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0078】なお、実施例及び比較例で用いた接着用中
間膜及び電磁波シールド性熱線カットフィルムは、次の
ようにして製造した。
【0079】[接着用中間膜の製造]エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(東洋曹逹社製ウルトラセン634:酢酸
ビニル含量26%、メルトインデックス4)100重量
部に、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂社製パー
ヘキサ3M)1重量部、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン0.1重量部、ジアリルフタレート2
重量部、及び紫外線吸収剤としてスミソルブ130(住
友化学工業社製)0.5重量部とを混合し、40mm押
出機にて500μm厚さの両面エンボスの接着用樹脂フ
ィルム4A,4B,4Cを作製した。
【0080】[電磁波シールド性熱線カットフィルム]
厚さ100μmのPETフィルム上にマグネトロンスパ
ッタリング法により厚さ400ÅのITO膜と厚さ10
0ÅのAg膜とを図3(a),(b)に示す如くそれぞ
れ5層,7層に交互に積層して電磁波シールド性熱線カ
ット層を形成して電磁波シールド性熱線カットフィルム
3A,3Bとした。
【0081】実施例1 表面側透明基板2Aとして厚さ3.0mmのガラス板を
用い、この透明基板2Aの表面に、SiO2/ITO/
SiO2/ITOよりなる反射防止膜(総膜厚約250
0Å)5を形成し、裏面側透明基板2Bとして厚さ0.
1mmのPETシートを用い、これらの間に2枚の接着
用樹脂フィルム4A,4B,4Cに図1に示す如く、電
磁波シールド性熱線カットフィルム3A,3Bを挟んだ
ものを介在させ、これをゴム袋に入れて真空脱気し、9
0℃の温度で10分加熱して予備圧着した。その後、こ
の予備圧着体をオーブン中に入れ、150℃の条件下で
15分間加熱処理し、架橋硬化させて一体化した。
【0082】得られた窓材について下記方法により、3
0MHz〜300MHzにおける電磁波シールド性、光
透過率、熱線カット性を調べ、結果を表1に示した。
【0083】[電磁波シールド性]KEC法(関西電子
工業振興センター)に準拠したアンリツ社製EMIシー
ルド測定装置(MA8602B)を用いて電界の減衰測
定を行った。サンプルの大きさは90mm×110mm
であった。
【0084】[光透過率(%)]日立製可視紫外光分光
測定装置(U−4000)を用い、380nm〜780
nm間の平均可視光透過率を求めた。
【0085】[熱線カット性]上記日立製可視紫外光分
光測定装置(U−4000)を用い、850〜1100
nm間の平均近赤外光透過率を求めた。
【0086】比較例1,2 比較のため、電磁波シールド性熱線カットフィルム3A
又は3Bのいずれか一方のみを用いたこと以外は実施例
1と同様にして窓材を製造し、同様にその評価を行っ
て、結果を表1に示した。
【0087】
【表1】
【0088】表1より、5層積層膜の電磁波シールド性
熱線カット層と7層積層膜の電磁波シールド性熱線カッ
ト層とを併用することにより、透明性、電磁波シールド
性、熱線カット性のすべてにおいて良好な特性を得るこ
とができることがわかる。
【0089】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、P
DP用フィルター等として工業的に極めて有用な、高透
明性で、電磁波シールド性及び熱線カット性が著しく良
好な電磁波シールド性光透過窓材と、このような窓材と
PDPとを一体化させたパネル貼合材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の電磁波シールド性光透過窓材の
実施の形態を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明のパネル貼合材の実施の形態を示す模式
的な断面図である。
【図3】本発明に係る電磁波シールド性熱線カットフィ
ルムの実施の形態を示す模式的な断面図である。
【図4】一般的なPDPの構成を示す一部切欠斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 電磁波シールド性光透過窓材 2,2A,2B 透明基板 3A,3B 電磁波シールド性熱線カットフィルム 4A,4B,4C 接着用中間膜 5 反射防止膜 10 パネル貼合材 11 ベースフィルム 12 酸化物透明導電膜 13 金属薄膜 20 PDP本体 21 前面板 22 背面板 23 隔壁 24 表示セル 25 補助セル 26 陰極 27 表示陽極 28 補助陽極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の透明基板を、該透明基板間に電磁
    波シールド性熱線カット層を介して透明接着剤で接合一
    体化してなる電磁波シールド性光透過窓材において、 該電磁波シールド性熱線カット層は、酸化物透明導電膜
    /金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明
    導電膜の5層積層膜よりなる第1の電磁波シールド性熱
    線カット層と、酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透
    明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸
    化物透明導電膜の7層積層膜よりなる第2の電磁波シー
    ルド性熱線カット層とで構成されることを特徴とする電
    磁波シールド性光透過窓材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、2枚の透明基板間
    に、ベースフィルム上に第1の電磁波シールド性熱線カ
    ット層が形成された第1の電磁波シールド性熱線カット
    フィルムと、ベースフィルム上に第2の電磁波シールド
    性熱線カット層が形成された第2の電磁波シールド性熱
    線カットフィルムとが介在されていることを特徴とする
    電磁波シールド性光透過窓材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該透明接着剤
    が透明弾性接着剤であることを特徴とする電磁波シール
    ド性光透過窓材。
  4. 【請求項4】 プラズマディスプレイパネル本体と透明
    基板とを、該プラズマディスプレイパネル本体の前面と
    透明基板との間に電磁波シールド性熱線カット層を介し
    て透明接着剤で接合一体化してなるパネル貼合材におい
    て、 該電磁波シールド性熱線カット層は、酸化物透明導電膜
    /金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透明
    導電膜の5層積層膜よりなる第1の電磁波シールド性熱
    線カット層と、酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸化物透
    明導電膜/金属薄膜/酸化物透明導電膜/金属薄膜/酸
    化物透明導電膜の7層積層膜よりなる第2の電磁波シー
    ルド性熱線カット層とで構成されることを特徴とするパ
    ネル貼合材。
  5. 【請求項5】 請求項4において、プラズマディスプレ
    イパネル本体と透明基板との間に、ベースフィルム上に
    第1の電磁波シールド性熱線カット層が形成された第1
    の電磁波シールド性熱線カットフィルムと、ベースフィ
    ルム上に第2の電磁波シールド性熱線カット層が形成さ
    れた第2の電磁波シールド性熱線カットフィルムとが介
    在されていることを特徴とするパネル貼合材。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、該透明接着剤
    が透明弾性接着剤であることを特徴とするパネル貼合
    材。
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