JP2000340431A - 静止誘導機器用巻線 - Google Patents

静止誘導機器用巻線

Info

Publication number
JP2000340431A
JP2000340431A JP11148488A JP14848899A JP2000340431A JP 2000340431 A JP2000340431 A JP 2000340431A JP 11148488 A JP11148488 A JP 11148488A JP 14848899 A JP14848899 A JP 14848899A JP 2000340431 A JP2000340431 A JP 2000340431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
duct piece
winding
plate
thickness
conductor layers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11148488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3933347B2 (ja
Inventor
Hiroshi Shioda
広 塩田
Takeyoshi Maya
岳良 真屋
Tatsuya Higuchi
達也 樋口
Masahiro Hamaguchi
昌弘 浜口
Tetsushi Okamoto
徹志 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP14848899A priority Critical patent/JP3933347B2/ja
Publication of JP2000340431A publication Critical patent/JP2000340431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3933347B2 publication Critical patent/JP3933347B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Transformer Cooling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダクトピースの耐電圧性能を十分高くすると
共に、ダクトピースを製造する場合の歩留まりの低下を
防止する。 【解決手段】 本発明の静止誘導機器用巻線は、導体を
筒状に且つ複数層重ねるように巻回して構成された多重
筒状巻線であって、導体層間に巻線冷却用の冷媒を流す
冷媒流路を設け、この冷媒流路のうちの導体層間に生ず
る電圧差が大きい部分の厚み寸法を厚くし、冷媒流路の
うちの導体層間に生ずる電圧差が小さい部分の厚み寸法
を薄くするように構成したものにおいて、冷媒流路を導
体層間に確保するための棒状のダクトピース11を、導
体層間に軸方向に沿って延びるように配設すると共に、
ダクトピース11の厚み寸法を段階的に変化させるよう
に構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば変圧器等に
使用されるものであって、多重円筒巻線または多重角筒
巻線と称される巻線構成を備えた静止誘導機器用巻線に
関する。
【0002】
【従来の技術】多重円筒巻線の一例を、図10に示す。
この図10に示すように、導体1を巻線軸方向に沿って
並ぶように円筒状に巻回して1つの導体層2を形成する
と共に、この導体層2の外側に必要に応じてシート状の
層間絶縁物3を介して次の導体層2を巻回して形成し、
以下、必要とするターン数に達するまで複数の導体層2
を同心円筒状に重ねることにより、多重円筒巻線4を構
成している。この多重円筒巻線4は、サージ電圧侵入時
の電位分布が均一で電位振動が小さいという優れた特性
を有していると共に、巻線の巻回の自動化が容易なた
め、小形変圧器は勿論大型の電力用変圧器にも使用され
ている。ここで、巻線が大型化した場合には、図10に
示すように、導体層2間に巻線冷却用の冷媒を流す冷媒
流路5を設けている。この冷媒流路5は、棒状のダクト
ピース6を導体層2間に配設することにより形成されて
いる。
【0003】図11は、上記多重円筒巻線4の断面図で
ある。この図11に示す構成の場合、巻線の内側から5
個の導体層2(即ち、第1層、第2層、第3層、第4
層、第5層)を重ねて巻回している。この場合、第1層
は導体1を上方から下方に向かって巻回して形成されて
おり、その後、渡り部7にて第2層へ渡り、第2層は導
体1を下方から上方に向かって巻回して形成されてい
る。以下、同様にして、第3層は上方から下方へ、第4
層は下方から上方へ、第5層は上方から下方へ巻回して
いる。そして、導体層2間には、冷媒流路5を適宜設け
ている。
【0004】上記構成の多重円筒巻線4においては、第
1層と第2層間では、巻線の上端に(2層分の巻回数)
×(1巻回当たりの誘起起電力)の電位差(電圧差)が
生じ、下端には電位差が生じない。これに対して、第2
層と第3層間では、巻線の下端に電位差が生じ、上端に
は電位差が生じない。このため、高電圧の多重円筒巻線
4では、層間絶縁物3や冷媒流路5の厚み寸法を、電位
差が生ずる側を厚くし、電位差が生じない側を薄くし
て、巻線の巻径寸法をできるだけ小さくするように構成
している。
【0005】ところで、導体層2間の絶縁性能につい
て、層間絶縁物3と冷媒流路5を比較すると、層間絶縁
物3が固体絶縁であるのに対して、冷媒流路5内を流れ
る冷媒は絶縁油等の液体や空気等の気体であるため、層
間絶縁物3の方が絶縁性能が優れている。従って、同じ
絶縁強度を得るためには、層間絶縁物3よりも冷媒流路
5の厚み寸法(絶縁距離)を厚くする必要がある。
【0006】また、層間絶縁物3を用いたときに、絶縁
上の最弱点となるのは、最大電位差を生ずる端部で電界
が集中する部分であり、具体的には、図12にてaで示
すくさびギャップ部である。このため、層間絶縁物3の
厚み寸法は、くさびギャップ部の電界が絶縁破壊許容値
以下となるように決める。このようにして決めた層間絶
縁物3の最大厚みは、層間絶縁物3の貫通絶縁破壊強度
よりもはるかに大きいことから、層間の電位差に従って
層間絶縁物3の厚さを変える際には、層間絶縁物3を構
成するシートの枚数を、厚い側は多くなるように、薄い
側は少なくなるように適宜変更するだけで、絶縁上問題
となることはなかった。
【0007】一方、冷媒流路5においては、図12に示
すような、くさびギャップ形状がないので、冷媒流路5
の絶縁強度はその厚さにより一義的に決まる。そして、
冷媒流路5の厚みを変えるに際しては、ダクトピース6
の厚み寸法に傾斜を設けて、最大厚から一定率で厚みを
減ずる構成が採用されている。ここで、ダクトピース6
の厚み寸法に傾斜を設ける方法として、図13に示す方
法と、図14に示す方法とが採用されている。
【0008】図13に示す方法では、ダクトピース6を
板状部材である原板8の積層体から切り出す際に、切断
線S1で示すように、所定の傾斜を設けている。これに
対して、図14に示す方法では、原板8の積層体から切
断線S2に沿って切り出したダクトピースに対して、機
械加工(例えば切削加工)を行うことにより、傾斜面6
aを設け、ダクトピース6の厚み寸法に所定の傾斜を設
けている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ダクトピース6は、板
状部材である例えば原板8を積層して構成されているの
で、図13に示す方法で製作されたダクトピース6を前
記した多重円筒巻線4に使用すると、ダクトピース6の
原板8の積層方向が導体層2間の電位差方向に沿う方向
となる。このため、ダクトピース6の耐電圧性能が低下
するという不具合があった。
【0010】一方、図14に示す方法で作成されたダク
トピース6を前記多重円筒巻線4に使用すると、ダクト
ピース6の原板8の積層方向が導体層2間の電位差方向
と直交するので、ダクトピース6の絶縁性能が向上し、
耐電圧性能が高くなる。しかし、図14に示す方法の場
合、機械加工により積層部材を切削する構成であるの
で、材料の歩留まりが低下するという不具合があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、ダクトピースの
耐電圧性能を十分高くすることができると共に、材料の
歩留まりの低下を防止することができる静止誘導機器用
巻線を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の静止誘導機器用
巻線は、導体を筒状に且つ複数層重ねるように巻回して
構成された多重筒状巻線であって、導体層間に巻線冷却
用の冷媒を流す冷媒流路を設け、この冷媒流路のうちの
導体層間に生ずる電圧差が大きい部分に対応する部分の
厚み寸法を厚くし、前記冷媒流路のうちの導体層間に生
ずる電圧差が小さい部分に対応する部分の厚み寸法を薄
くするように構成した静止誘導機器用巻線において、前
記冷媒流路を導体層間に確保するための棒状のダクトピ
ースを、導体層間に軸方向に沿って延びるように配設す
ると共に、前記ダクトピースの厚み寸法を段階的に変化
させるように構成したところに特徴を有する。
【0013】上記構成によれば、ダクトピースの厚み寸
法を段階的に変化させるように構成したので、ダクトピ
ースの板状部材の積層方向を導体層間の電位差方向と直
交するように構成しながら、板状部材の積層枚数を適宜
変えるだけで済み、切削等の機械加工が不要になる。従
って、ダクトピースの耐電圧性能を十分高くすることが
できると共に、材料の歩留まりの低下を防止することが
できる。
【0014】また、上記構成の場合、前記ダクトピース
を、市販の板状部材を積層して構成すると共に、前記ダ
クトピースの段差を、前記板状部材の厚み寸法にほぼ等
しくするように構成することが好ましい。更に、前記ダ
クトピースの段差部分の端部に、テーパ面部を設けるこ
とが良い構成である。
【0015】更にまた、前記ダクトピースを、板状部材
を積層して構成すると共に、前記ダクトピースの板状部
材のうちの一方の導体層に近接する板状部材を、前記ダ
クトピースの段差部分を跨ぐように配設することがより
一層好ましい構成である。
【0016】一方、前記ダクトピースを、板状部材を積
層して構成すると共に、前記ダクトピースの板状部材を
積層する場合に、前記板状部材のうちの最も長いもの以
外のものを長い順に内側から外側へ積層し、前記最も長
いものを最も外側に前記ダクトピースの段差部分を跨ぐ
ように積層することが良い構成である。
【0017】また、前記ダクトピースを、板状部材を積
層して構成すると共に、前記ダクトピースの板状部材の
うちの一部分を、それ以外の板状部材よりも耐熱性の高
い材料で構成することが良い構成である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を多重円筒巻線に適
用した第1の実施例について、図1ないし図3を参照し
ながら説明する。尚、従来構成(図10及び図11)と
同一部分には、同一符号を付している。即ち、多重円筒
巻線4は、導体1を円筒状に巻回して1つの導体層2を
形成すると共に、この導体層2を複数層重ねることによ
り構成されている。複数の導体層2の間には、シート状
の層間絶縁物3と、巻線冷却用の冷媒を流す冷媒流路5
とが必要に応じて設けられている。
【0019】さて、図1は、本実施例の多重円筒巻線4
の断面図である。この図1に示すように、第1層の導体
層2と第2層の導体層2との間に冷媒流路5aが設けら
れ、第2層の導体層2と第3層の導体層2との間に冷媒
流路5bが設けられている。この場合、冷媒流路5a
は、その上部(導体層間の電位差が大きい部分に対応す
る部分)が厚くなると共に、下部(導体層間の電位差が
小さい部分に対応する部分)が薄くなるように、厚み寸
法(巻線の径方向の寸法)が例えば3段階に変化されて
いる。同様にして、冷媒流路5bは、その上部(層間の
電位差が小さい部分に対応する部分)が薄くなると共
に、下部(層間の電位差が大きい部分に対応する部分)
が薄くなるように、厚み寸法が例えば3段階に変化され
ている。
【0020】ここで、導体層2間に発生する電位差と、
絶縁上冷媒流路5が有すべき厚さ寸法との関係を、図2
に示す。この図2において、斜めの直線Aは、絶縁上必
要とされる冷媒流路5の最小厚み寸法を示している。ま
た、横線の直線Bは、冷却のために必要な冷媒流路5の
最小厚み寸法を示している。そして、階段状の線Cは、
本実施例の冷媒流路5aの厚み寸法の変化を示してい
る。この図2から、本実施例の冷媒流路5aの厚み寸法
は、冷却のために必要な冷媒流路5の最小厚み寸法以上
あると共に、絶縁上必要とされる冷媒流路5の最小厚み
寸法以上あることがわかる。
【0021】また、第1層の導体層2と第2層の導体層
2との間には、冷媒流路5aを確保するために、棒状の
ダクトピース11(図3参照)が上記導体層2、2間に
巻線の軸方向に沿って延びるように配設されている。上
記ダクトピース11は、その厚み寸法(巻線の径方向の
寸法)が段階的に変化されている。具体的には、ダクト
ピース11の上部が厚くなると共に、下部が薄くなるよ
うに、ダクトピース11の厚み寸法は例えば3段階に変
化されている。
【0022】上記ダクトピース11の具体的構成を、図
3に示す。この図3に示すように、ダクトピース11
は、板状部材である例えば原板12を積層して構成され
ている。この場合、大きさが異なる3種類の原板12
a、12b、12cを2枚ずつ積み重ねている。ここ
で、原板12aの図3中上下方向の寸法は、ダクトピー
ス11の上下方向の寸法にほぼ等しく設定されている。
原板12bの上下方向の寸法は、ダクトピース11の上
段の凸部と中段の凸部を合わせたものの上下方向の寸法
にほぼ等しく設定されている。原板12cの上下方向の
寸法は、ダクトピース11の上段の凸部の上下方向の寸
法にほぼ等しく設定されている。尚、原板12として
は、従来構成のダクトピースに使用する原板と同じ材質
のものを使用すれば良い。
【0023】そして、上記3種類の原板12a、12
b、12cを2枚ずつ積み重ねた積層部材を切断線S3
で切断する(切り出す)ことにより、1個のダクトピー
ス11が製造されるように構成されている。この構成の
場合、ダクトピース11の段差は、原板12の2枚分の
厚さ寸法に等しく設定されている。そして、上記積層部
材を同様にして切断していくことにより、多数のダクト
ピース11を製造することができる。
【0024】このような構成の本実施例においては、ダ
クトピース11の厚み寸法を段階的に変化させるよう
に、具体的には、3段階に変化させるように構成した。
これにより、ダクトピース11の原板12の積層方向を
導体層2間の電位差方向と直交するように構成しなが
ら、原板12の積層枚数を変えるだけで済み、切削等の
機械加工を不要にすることができる。従って、ダクトピ
ース11の耐電圧性能を十分高くすることができると共
に、従来技術(図14参照)とは異なり、材料の歩留ま
りの低下を防止することができる。
【0025】尚、上記実施例では、ダクトピース11の
段差を、原板12の2枚分の厚さ寸法に等しく設定した
が、これに限られるものではなく、原板12の1枚分ま
たは3枚分以上の厚さ寸法に等しく設定しても良い。要
は、必要とするダクトピース11の段差の寸法と、使用
する原板12の厚さ寸法とに応じて、原板12の枚数を
適宜決めれば良い。
【0026】また、上記実施例では、ダクトピース11
の厚み寸法を3段階に変化させるように構成したが、こ
れに代えて、2段階または4段階以上に変化させるよう
に構成しても良い。更に、上記実施例では、2つの導体
層2の間にダクトピース11を直接配置するように、即
ち、ダクトピース11の上に導体層2を直接巻回するよ
うに構成したが、これに代えて、ダクトピース11と導
体層2との間にシート状の絶縁物を介在させるように構
成しても良い。
【0027】図4は本発明の第2の実施例を示すもので
あり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第
1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。第
2の実施例では、図4に示すように、ダクトピース11
の段差を、板状部材である市販の原板13の標準板厚
(厚み寸法)にほぼ等しく設定した。この構成によれ
ば、ダクトピース11の段数に等しい枚数の原板13、
例えば3枚の原板13a、13b、13cを積層するこ
とにより、ダクトピース11を構成することができる。
従って、ダクトピース11の製造工程が一層簡単にな
る。
【0028】図5は本発明の第3の実施例を示すもので
あり、第2の実施例と異なるところを説明する。尚、第
2の実施例と同一部分には、同一符号を付している。第
3の実施例では、図5に示すように、ダクトピース11
の段差部分の端部をテーパ加工することにより、該端部
にテーパ面部14を設けている。この構成によれば、ダ
クトピース11の上に導体1を巻回する場合に、ダクト
ピース11の段差部分に導体1を巻回するときも、巻回
がスムーズに進む。このため、導体1を均一に巻回する
ことができ、また、導体1の絶縁被覆がダクトピース1
1の段差部分の角部で傷付くことを防止できる。
【0029】図6は本発明の第4の実施例を示すもので
あり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第
1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。第
4の実施例では、図6に示すように、ダクトピース11
の原板12のうちの外側の導体層2に近接する原板15
を、ダクトピース11の段差部分を跨ぐように配設して
いる。
【0030】この構成の場合、ダクトピース11の最も
低い段を1枚の原板12aで構成し、その上に中段及び
上段用の各2枚の原板12b及び12cを積層し、更
に、その上に、最も低い段の原板12aよりも少し長い
寸法の1枚の原板15をダクトピース11の段差部分を
跨ぐように積層している。このように構成することによ
り、最外層の原板15のうちのダクトピース11の段差
部分を跨ぐ部分15aは、ほぼ滑らかな斜面部となる。
【0031】上記した第4の実施例によれば、テーパ面
部14(第3の実施例)を設けなくても、ダクトピース
11の段差部分に導体1を巻回するときに、巻回をスム
ーズに行うことができ、従って、導体1を均一に巻回す
ることができ、また、導体1の絶縁被覆がダクトピース
11の段差部分の角部で傷付くことを防止できる。
【0032】図7は本発明の第5の実施例を示すもので
あり、第2の実施例と異なるところを説明する。尚、第
2の実施例と同一部分には、同一符号を付している。第
5の実施例では、図7に示すように、ダクトピース11
の原板12を積層する場合に、原板12a、12b、1
2cのうちの最も長いもの以外のもの、即ち、原板12
b、12cを長い順に内側から外側へ積層し、原板12
のうちの最も長いもの、即ち、原板12aを最も外側に
ダクトピース11の段差部分を跨ぐように積層した。
【0033】この構成の場合も、最外層の原板12aの
うちのダクトピース11の段差部分を跨ぐ部分は、ほぼ
滑らかな斜面部となる。従って、上記第5の実施例によ
れば、テーパ面部14(第3の実施例)を設けなくて
も、ダクトピース11の段差部分に導体1を巻回すると
きに、巻回をスムーズに行うことができる。このため、
導体1を均一に巻回することができ、また、導体1の絶
縁被覆がダクトピース11の段差部分の角部で傷付くこ
とを確実に防止できる。更に、ダクトピース11を構成
するために必要な原板12の枚数は、3枚のままであ
り、変更する必要もない。
【0034】図8は本発明の第6の実施例を示すもので
あり、第2の実施例と異なるところを説明する。尚、第
2の実施例と同一部分には、同一符号を付している。第
6の実施例では、図8に示すように、ダクトピース11
の原板12のうちの一部分16を、それ以外の部分より
も耐熱性の高い材料で構成している。具体的には、ダク
トピース11の原板12(12a、12b、12c)の
うちの上部16(図8中斜線領域で示す部分)だけを、
耐熱性の高い材料で構成した(尚、原板12cについて
は、その全体を耐熱性の高い材料で構成した)。これら
上部16は、冷却媒体の温度が高くなる巻線上部に対応
する部分である。
【0035】上記第6の実施例によれば、ダクトピース
11の耐熱性を十分高くすることができ、しかも、耐熱
性の高い材料(即ち、高価な材料)の使用量をできるだ
け低減することができる。
【0036】図9は本発明の第7の実施例を示すもので
あり、第4の実施例と異なるところを説明する。尚、第
4の実施例と同一部分には、同一符号を付している。第
7の実施例では、図9に示すように、ダクトピース11
の原板のうちの最も内側の原板12aと最も外側の原板
15とを、耐熱性の高い材料で構成した。これら原板1
2aと原板15は、導体層2に接触する部分、即ち、温
度が高くなる部分である。従って、第7の実施例におい
ても、第6の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることがで
きる。
【0037】尚、上記各実施例では、本発明を多重円筒
巻線4に適用したが、これに限られるものではなく、各
導体層をほぼ角筒状に巻回して成る多重角筒巻線に適用
しても良い。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、ダクトピースの厚み寸法を段階的に変化させるよう
に構成したので、ダクトピースの積層部材の積層方向を
導体層間の電位差方向と直交するように構成しながら、
積層部材の積層枚数を変えるだけで済み、ダクトピース
の耐電圧性能を十分高くすることができると共に、材料
の歩留まりの低下を防止することができるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す多重円筒巻線の断
面図
【図2】冷媒流路の厚さ寸法と巻線の高さとの関係を示
す図
【図3】ダクトピースの斜視図
【図4】本発明の第2の実施例を示すダクトピースの側
面図
【図5】本発明の第3の実施例を示すダクトピースの側
面図
【図6】本発明の第4の実施例を示すダクトピースの側
面図
【図7】本発明の第5の実施例を示すダクトピースの側
面図
【図8】本発明の第6の実施例を示すダクトピースの側
面図
【図9】本発明の第7の実施例を示すダクトピースの側
面図
【図10】従来構成を示す多重円筒巻線の一部破断斜視
【図11】多重円筒巻線の断面図
【図12】電界集中部を示す断面図
【図13】ダクトピースの製法の一例を示す斜視図
【図14】ダクトピースの製法の他の例を示す斜視図
【符号の説明】 1は導体、2は導体層、3は層間絶縁物、4は多重円筒
巻線(静止誘導機器用巻線)、5は冷媒流路、7は渡り
部、11はダクトピース、12は原板、13は原板、1
4はテーパ面部、15は原板を示す。
フロントページの続き (72)発明者 樋口 達也 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 浜口 昌弘 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 岡本 徹志 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 Fターム(参考) 5E044 AD03 CA06 CB07 CB09 DA02 5E050 CA02 HA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体を筒状に且つ複数層重ねるように巻
    回して構成された多重筒状巻線であって、導体層間に巻
    線冷却用の冷媒を流す冷媒流路を設け、この冷媒流路の
    うちの導体層間に生ずる電圧差が大きい部分に対応する
    部分の厚み寸法を厚くし、前記冷媒流路のうちの導体層
    間に生ずる電圧差が小さい部分に対応する部分の厚み寸
    法を薄くするように構成した静止誘導機器用巻線におい
    て、 前記冷媒流路を導体層間に確保するための棒状のダクト
    ピースを、導体層間に軸方向に沿って延びるように配設
    すると共に、 前記ダクトピースの厚み寸法を段階的に変化させるよう
    に構成したことを特徴とする静止誘導機器用巻線。
  2. 【請求項2】 前記ダクトピースは、市販の板状部材を
    積層して構成されていると共に、 前記ダクトピースの段差を、前記板状部材の厚み寸法に
    ほぼ等しくなるように構成したことを特徴とする請求項
    1記載の静止誘導機器用巻線。
  3. 【請求項3】 前記ダクトピースの段差部分の端部に、
    テーパ面部を設けたことを特徴とする請求項1または2
    記載の静止誘導機器用巻線。
  4. 【請求項4】 前記ダクトピースは、板状部材を積層し
    て構成されていると共に、 前記ダクトピースの板状部材のうちの外側の導体層に近
    接する板状部材は、前記ダクトピースの段差部分を跨ぐ
    ように配設されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の静止誘導機器用巻線。
  5. 【請求項5】 前記ダクトピースは、板状部材を積層し
    て構成されていると共に、 前記ダクトピースの板状部材を積層する場合に、前記板
    状部材のうちの最も長いもの以外のものを長い順に内側
    から外側へ積層し、前記最も長いものを最も外側に前記
    ダクトピースの段差部分を跨ぐように積層したことを特
    徴とする請求項1または2記載の静止誘導機器用巻線。
  6. 【請求項6】 前記ダクトピースは、板状部材を積層し
    て構成されていると共に、 前記ダクトピースの板状部材のうちの一部分は、それ以
    外の板状部材よりも耐熱性の高い材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    静止誘導機器用巻線。
JP14848899A 1999-05-27 1999-05-27 静止誘導機器用巻線 Expired - Fee Related JP3933347B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14848899A JP3933347B2 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 静止誘導機器用巻線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14848899A JP3933347B2 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 静止誘導機器用巻線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000340431A true JP2000340431A (ja) 2000-12-08
JP3933347B2 JP3933347B2 (ja) 2007-06-20

Family

ID=15453888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14848899A Expired - Fee Related JP3933347B2 (ja) 1999-05-27 1999-05-27 静止誘導機器用巻線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3933347B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010267768A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Denso Corp リアクトル
CN102385975A (zh) * 2010-09-06 2012-03-21 苏州东源天利电器有限公司 一种绝缘结构改进的变压器
JP2012069621A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Mitsubishi Electric Corp 静止誘導器における冷却構造、及び該冷却構造を有する静止誘導器
CN104361983A (zh) * 2014-12-05 2015-02-18 山东英博电力设备有限公司 一种变压器线圈及其绕制方法和自动绕线机
JP2019029521A (ja) * 2017-07-31 2019-02-21 株式会社日立産機システム 変圧器、静止誘導機器およびその巻線方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010267768A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Denso Corp リアクトル
CN102385975A (zh) * 2010-09-06 2012-03-21 苏州东源天利电器有限公司 一种绝缘结构改进的变压器
JP2012069621A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Mitsubishi Electric Corp 静止誘導器における冷却構造、及び該冷却構造を有する静止誘導器
CN104361983A (zh) * 2014-12-05 2015-02-18 山东英博电力设备有限公司 一种变压器线圈及其绕制方法和自动绕线机
JP2019029521A (ja) * 2017-07-31 2019-02-21 株式会社日立産機システム 変圧器、静止誘導機器およびその巻線方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3933347B2 (ja) 2007-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2962679A (en) Coaxial core inductive structures
US7573362B2 (en) High current, multiple air gap, conduction cooled, stacked lamination inductor
US9123461B2 (en) Reconfiguring tape wound cores for inductors
US20150155749A1 (en) Method of manufacturing a laminated winding and a laminated winding
JP2000340431A (ja) 静止誘導機器用巻線
JP2004153874A (ja) モータの固定子
JP6552779B1 (ja) 静止誘導器
US7746208B2 (en) Interleaved planar transformer primary and secondary winding
EP1865588B1 (en) Separator for separating windings
US10283260B2 (en) Transformer for reducing eddy current losses of coil
KR101925216B1 (ko) 판상 적층형 리액터 장치 및 그 제조 방법
JP2000277353A (ja) 変圧器巻線
CN110915107A (zh) 具有导体布置和用于所述导体布置的绝缘部的电机
US3466582A (en) Magnetic yoke for shunt reactor
JP5388975B2 (ja) 静止誘導器における冷却構造、及び該冷却構造を有する静止誘導器
KR102133104B1 (ko) 스틸그라파이트 하이브리드 적층으로 제조된 농형 유도 전동기
JP2018117046A (ja) 変圧器
US20200066434A1 (en) Reducing reluctance in magnetic devices
JP3522290B2 (ja) 円板巻線
JPH09190934A (ja) 直流送電用変圧器
EP3349225A1 (en) Core for an electric shunt reactor
JPS59155108A (ja) 自然冷却誘導電器巻線
JPS59211207A (ja) 油入誘導電器巻線
JP2019179849A (ja) 静止誘導機器
JPH0719693B2 (ja) 超電導コイル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070313

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3933347

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140330

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees