JP2000338619A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000338619A
JP2000338619A JP11299539A JP29953999A JP2000338619A JP 2000338619 A JP2000338619 A JP 2000338619A JP 11299539 A JP11299539 A JP 11299539A JP 29953999 A JP29953999 A JP 29953999A JP 2000338619 A JP2000338619 A JP 2000338619A
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fine particles
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JP11299539A
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English (en)
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Yukiko Mizuguchi
由紀子 水口
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Minolta Co Ltd
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  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 解像度の高いシャープな画像が得られるとと
もに、階調性を向上させた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 可逆的に光異性化して濡れ性変化を起こ
す光異性化部42を像担持ドラム12上に設け、この像
担持ドラム12上の光異性化部42に選択的に露光する
ことにより濡れ性をもつ潜像を形成し、この潜像にイン
クを付着させて現像し、現像されたインク画像を記録媒
体に転写して画像を印刷する画像形成装置であって、上
記像担持ドラム12の表面に、光異性化部42とそれ以
外の部分40とからなる表面エネルギーの異なる2種類
以上の表面が存在することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光異性化材料が露
光により濡れ性をもつ性質を利用して、像担持体上の光
異性化材料を選択的に露光して濡れ潜像を形成し、この
濡れ潜像をインクで現像した後に記録媒体に転写して画
像を印刷する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平1−255857号公報に
おいて、例えばアゾベンゼンを含む光異性化層を設けた
像形成体を有する画像形成装置が開示されている。この
画像形成装置では、像形成体表面の光異性化層に対して
画像情報に応じて選択的に露光し、これにより露光部の
濡れ性を増大させて化学的に潜像を形成し、その後、こ
の潜像をインクで現像してインク画像を形成し、このイ
ンク画像を像形成体から記録媒体に転写して画像印刷を
行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この画
像形成装置では、像形成体の表面全体に光異性化層が均
一に形成されており、しかも露光部と非露光部との濡れ
性の変化がそれほど大きくないため、ドット状の露光部
にインクが付着する際にその露光部の周囲の非露光部に
までかかる程度にインクが露光部に多く付着してしま
う。これにより、記録媒体上に形成される画像のドット
も大きくなるため、解像度が低下してシャープさに欠け
る画像になるとともに、階調を出しにくいという問題が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記問題を解決
するため本発明は、可逆的に光異性化して濡れ性変化を
起こす光異性化部を像担持体上に設け、この像担持体上
の光異性化部に選択的に露光することにより濡れ性をも
つ潜像を形成し、この潜像にインクを付着させて現像
し、現像されたインク画像を記録媒体に転写して画像を
印刷する画像形成装置において、上記像担持体の表面
に、光異性化部とそれ以外の部分とからなる表面エネル
ギーの異なる2種類以上の表面が存在することを特徴と
する。
【0005】本発明の画像形成装置では、上記像担持体
の表面を、所定パターンに配置された上記光異性化部
と、該光異性化部よりも低表面エネルギーの材料とで構
成してもよい。
【0006】また、本発明の画像形成装置では、上記光
異性化部が1種類以上の微粒子を含んでもよい。この場
合、上記微粒子の粒径は0.005〜20μmであるこ
とが好ましく、上記微粒子の含有量は上記光異性化部を
構成する微粒子以外の材料に対して10〜200wt%
であることが好ましい。
【0007】
【発明の効果】本発明の画像形成装置によれば、像担持
体の表面に、光異性化部とそれ以外の部分とからなる表
面エネルギーの異なる2種類以上の表面が存在するた
め、露光により濡れ性が増大した光異性化部と、これに
隣接する低表面エネルギーの表面との間の表面エネルギ
ーの差が大きくなる。これにより、像担持体の表面にイ
ンク薄層を接触させて露光部の光異性化部にインクを付
着させる際のインク切れがよくなり、上記露光部の光異
性化部の大きさに対応する適量のインクを付着させるこ
とができる。その結果、形成される画像のドットが小さ
くなるので、解像度の高いシャープな画像が得られると
ともに、階調性を向上させることができる。
【0008】また、上記光異性化部に1種類以上の微粒
子を含ませた場合には、光異性化部の表面がフラクタル
状に荒れることによって、露光により濡れ性が増大した
光異性化部の部分にはインクがより付着しやすくなる一
方、露光されていない光異性化部の部分はインクをより
はじきやすくなるため、印刷画像のシャープさと階調性
をより一層向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実
施形態である画像形成装置10の概略構成を示す。画像
形成装置10は、像担持ドラム(像担持体)12を備え
ている。像担持ドラム12は矢印14方向に回転駆動可
能になっている。像担持ドラム12の周囲には、その回
転方向に沿って順に、露光装置16、インク現像装置1
8、転写ローラ20、クリーニング装置22およびイレ
ーズランプ24がそれぞれ配置されている。
【0010】図2に示すように、像担持ドラム12は、
金属等からなるローラ状または円筒状の基体12aと、
この基体12aの外周に設けた光異性化層12bとから
なる。光異性化層12bの表面は、図2の部分拡大図に
示すように、インクをはじく低表面エネルギー材料40
と、直交格子状パターンに配置された光異性化部42と
で構成されている。光異性化部42は、可逆的に濡れ性
が変化する材料2種類以上を高分子材料中に分散したも
の、または、可逆的に濡れ性が変化する材料を高分子材
料の主鎖や側鎖に2種類以上化学的結合させたもので形
成されている。
【0011】なお、光異性化部42の配置パターンは、
直交格子状パターンに限定されるものではなく、例えば
図3(a)に示すような斜交格子状パターンでもよい
し、図3(b)に示すように光異性化部42の縦筋が横
筋に対してジグザグに交差する変形格子状パターンでも
よいし、あるいは、図3(c),(d)に示すように横
筋または縦筋のみからなるストライプパターンでもよい
し、これら以外のパターンであってもよい。
【0012】図2のIV−IV線断面図である図4に示
すように、矩形断面を有する光異性化部42はその表面
が露出した状態で低表面エネルギー材料40に埋設さ
れ、光異性化層12bは平坦な表面に形成されている。
低表面エネルギー材料40は、露光により濡れ性が増大
したときの光異性化部42に対して低表面エネルギーで
あればよいのであるが、後述するように印刷画像のエッ
ジをシャープにするためには、上記両者の表面エネルギ
ー(すなわち濡れ性)の差は大きい方が好ましい。ま
た、低表面エネルギー材料40の表面ではインクをより
はじきやすくするとともに光異性化部42の表面では露
光時のインクの濡れ性をより良くするために、光異性化
層12bの表面を適当な粗さに荒らしてもよい。
【0013】上記のように構成される光異性化層12b
の表面では、低表面エネルギー材料40が疎水性を有す
るためにインクが付着することはなく、光異性化部42
もまた通常は疎水性を有するためインクが付着すること
はない。ところが、光異性化部42は所定の光(例え
ば、紫外線)の照射を受けると化学的変化により濡れ性
が増大してその露光部にインクが付着可能になるという
性質を有する。一方、上記のように濡れ性が増大した光
異性化部42に可視光を照射すると、元の性質すなわち
表面が疎水性の状態に戻る。このような光異性化部42
の性質の可逆的な変化が「光異性化」と言われる。
【0014】像担持体12の表面すなわち光異性化層1
2bの表面に、表面エネルギーの異なる少なくとも2種
類の表面が存在すればよいので、上述したように低表面
エネルギー材料40と光異性化部42とが平坦な表面を
形成している場合に限られず、図5(a)に示すように
低表面エネルギー材料40の表面に断面矩形状の光異性
化部42を突出して設けてもよく、この場合には図5
(b)に示すように突出した光異性化部42の断面が丸
みを帯びた形状に形成されてもよい。なお、図5
(a),(b)に示すように低表面エネルギー材料40
の表面に光異性化部42を突出して設ける場合、光異性
化部42をスクリーン印刷などの方法で形成するが、予
め低表面エネルギー材料40の表面の光異性化部配置部
分だけに例えばプラズマ処理などを施して表面改質を行
うことにより濡れ性をよくして光異性化部42が良好に
付着するようにしてもよい。
【0015】光異性化部42を構成する可逆的に濡れ性
が変化する材料としては、イオン解離するトリフェニル
メタン系色素、シス−トランス異性化するアゾベンゼン
系、インジゴ系またはスチルベン系の化合物、ジアリー
ルエテン系、ケト−エノール互変異性するアゾヒドラゾ
ン系化合物、開閉環反応するフルギド系、スピロピラン
系またはスピロオキサジン系の化合物などを好適に用い
ることができるが、これらに限定されるものではない。
また、光触媒反応により疎水性と親水性の可逆変化を起
こす酸化チタン、酸化鉄、硫化カドミウム、硫化モリブ
デン、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化ジルコニウム、
酸化タングステンなどもまた、可逆的に濡れ性が変化す
る材料として用いることができる。酸化チタン等の光触
媒反応を起こす化合物の場合には、樹脂と混合せずにそ
のまま用いる(例えば、チタニウムアルコキシドなどの
形で塗布する。)。あるいは、光触媒性の化合物を混合
しても劣化や分解の起こらないテフロン等のフッ素樹
脂、シロキサン結合をもったシリコン系樹脂、またはシ
リカや水ガラスのような無機系化合物などをバインダー
として用いてもよい。
【0016】光異性化部42を構成する高分子材料とし
ては、可逆的に濡れ性が変化する材料の官能基の光異性
化が十分に行えれば特に制限されないが、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリメタクリレート、セルロース、
ポリビニルブチラール、ポリエステル、フェノキシ樹
脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリカーボネー
トなどが好ましい。
【0017】低表面エネルギー材料40としては、光異
性化部42より表面エネルギーが低ければ特に制限はな
いが、フッ素系やシリコン系の材料が好適に用いられ、
具体的にはポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフ
ルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリテトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体などが好ましい。
【0018】図1を再び参照すると、露光装置16は、
入力される画像情報に応じて像担持ドラム12の表面を
選択的に露光し、これにより露光部の光異性化部42の
濡れ性が増大して潜像が形成される。インク現像装置1
8は、内部にインク28を収容するとともに、矢印30
方向に回転駆動される現像ローラ32を備えており、現
像ローラ32の外周に薄層状態で保持されたインク28
が像担持ドラム12との対向部へと供給されるようにな
っている。
【0019】転写ローラ20は、図示しない給紙トレイ
から送られて来た記録紙等のシート(記録媒体)Sを像
担持ドラム12との間に挟持しながら矢印34方向に回
転駆動されることによりシートSを矢印36方向に搬送
する。なお、転写ローラ20に対してシート搬送方向下
流側に、図示しないインク定着装置を必要に応じて設け
てもよい。
【0020】クリーニング装置22は、像担持ドラム1
2の表面に残留付着するインクやゴミを簡易に回収す
る。
【0021】イレーズランプ24は、像担持ドラム12
上の光異性化層12bに可視光を一様に照射して潜像を
消去する。イレーズランプ24の光源には、ハロゲンラ
ンプ、キセノンランプ、白熱光源、蛍光灯、発光ダイオ
ード、レーザなどが使用できる。また、潜像消去は加熱
によっても促進されるため、イレーズランプ24と共に
加熱装置を併設してもよい。
【0022】次に、上記構成からなる画像形成装置10
の動作について説明する。矢印14方向に回転駆動され
る像担持ドラム12の表面に、露光装置16から例えば
紫外線が画像情報に応じて選択的に露光される。このと
き、光異性化層12bの露光部に位置する光異性化部4
2は化学的に変化してその表面の濡れ性が増大し、これ
により潜像が形成される。
【0023】上記潜像は像担持ドラム12の回転にした
がってインク現像装置18の対向部に移動し、そこで現
像ローラ32の外周に保持されているインク薄層と接触
する。このとき、インクは光異性化層12bの低表面エ
ネルギー材料40の表面および非露光部の光異性化部4
2の表面にはその疎水性により付着せず、濡れ性の大き
い潜像部にのみインクが付着する。これにより潜像がイ
ンクで現像されてインク画像となる。インク画像は像担
持ドラム12の回転にしたがって転写ローラ34の対向
部に移動し、そこでシートSに転写されて画像が印刷さ
れる。画像が印刷されたシートSは、図示しない排紙ト
レイ上に排出される。
【0024】上記潜像へのインク付着時において、潜像
を構成する光異性化部42とこれに隣接する低表面エネ
ルギー材料40の表面との間での表面エネルギーの差が
大きいため、インク薄層を接触させて露光部の光異性化
部42にインクが付着するときのインク切れがよくな
る。これにより、露光部の光異性化部42の大きさに対
応する適量のインクを付着させることができる。その結
果、形成される画像のドットが小さくなるので、解像度
の高いシャープな画像を得ることができると共に、階調
性を向上させることができる。
【0025】インク画像が転写された後に像担持ドラム
12上に残留して付着したインクやゴミは、クリーニン
グ装置22により除去される。その後、潜像は像担持ド
ラム12の回転にしたがってイレーズランプ24の対向
部に移動し、そこで可視光が照射されることにより消去
される。これにより、次の印刷工程の準備が完了する。
【0026】次に、上記像担持ドラム12の各種変形例
について説明する。上記像担持ドラム12の光異性化層
12bでは、光異性化部42を格子状に形成したが、図
2と同様の部分拡大図である図6に示すように、光異性
化部42をドット状に形成してもよい。この場合、ドッ
ト状光異性化部42は、図6(a)に示すようにマトリ
ックスパターンに配置されてもよいし、図6(b)に示
すように千鳥パターンに配置されてもよいし、または図
6(c)に示すようにランダムパターンに配置されてい
てもよい。なお、図6(a)のVI−VI線断面は、図
4または図5と同様である。
【0027】また、図7に示すように、ドット状の光異
性化部42を、可逆的に濡れ性が変化する物質Aを含む
光異性化部42Aと、可逆的に濡れ性が変化する物質B
を含む光異性化部42Bの2種類で構成してもよい。こ
の場合、光異性化部42Aと42Bとは表面エネルギー
が若干異なるため、像担持ドラム12の表面には、低表
面エネルギー材料40、光異性化部42A、光異性化部
42Bの3種類の表面エネルギーが異なる部分が存在す
ることになる。なお,図7(a),(b),(c)に示
す配置パターンは、図6(a),(b),(c)にそれ
ぞれ対応する。
【0028】さらに、図4と同様の断面図である図8に
示すように、光異性化層12bを、低表面エネルギー材
料40中に可逆的に濡れ性が変化する化合物の粒子を分
散したもので構成してもよい。
【0029】図8に示す場合は、低表面エネルギー材料
40中に、可逆的に濡れ性が変化する化合物Aの粒子4
4Aと、可逆的に濡れ性が変化する化合物Bの粒子44
Bとが分散されており、これらの粒子の一部が光異性化
層12bの表面に露出している。この場合の部分拡大平
面図は図7(c)と同様になる。このように、像担持ド
ラム12の表面は、低表面エネルギー材料40と、可逆
的に濡れ性が変化する化合物Aの粒子44Aと、可逆的
に濡れ性が変化する化合物Bの粒子44Bとの3種類の
表面エネルギーが異なる表面で構成されている。
【0030】ここで、上記画像形成装置10を用いて第
1の印刷実験を行った。この実験では、像担持ドラム1
2の光異性化層12bを図5(a)および図6(a)に
示すように形成した。低表面エネルギー材料40には、
ポリテトラフルオロエチレンを用い、光異性化部42を
配置する部分にプラズマ処理を予め施した。光異性化部
42の形成は、東京化成工業(株)社製 スピロピラン
(1,3,3-Trimetylindolino-β-naphthopyrylospiran)
と、ACROS ORGANICS社製 スピロピラン
(1,3,3-trimethyl-6-hydroxyspiro(2H-1-benzopyran-
2,2'-indoline))と、ポリカーボネートとを重量比で
1:1:2の割合で溶剤であるテトラヒドロフラン(T
HF)中で混合したものを像担持ドラム12のポリテト
ラフルオロエチレン層上にスクリーン印刷することによ
り行った。このときの光異性化部42の寸法は、直径2
0μm、高さ10μm、縦横のピッチ35μmとした。
【0031】一方、露光装置16の光源に紫外線ランプ
を用い、このランプから照射された紫外線をキノ・メレ
スグリオ(株)社製のフィルタ(03FIU008)を通
して波長340nmの紫外線で潜像形成を行った。
【0032】これらの条件の下で階調画像を印刷し、こ
の画像についてサクラ濃度計PDA−65を用いて反射
率を測定することにより階調性の評価を行ったところ、
1.5と0.8の2種類の濃度をつくることができた。
【0033】これに対し、第1の比較実験では、上記光
異性化部42と同じ材料を像担持ドラム12のポリテト
ラフルオロエチレン層上に均一に塗布して光異性化層を
形成し、他の条件は上記と同様にして階調画像を印刷し
た。この画像についてサクラ濃度計PDA−65を用い
て階調性の評価を行ったところ、1.4と1.2という
濃度差の小さい2つの濃度をつくれるにとどまった。し
たがって、本実施形態の画像形成装置の方が従来構成の
画像形成装置よりも階調表現に優れていることが確認で
きた。
【0034】また、像担持ドラム12のさらに別の変形
例として、図2〜8に示す光異性化部42または可逆的
に濡れ性が変化する化合物の粒子44A,44Bに1種
類以上の微粒子を含ませてもよい。図9に、図5におけ
る光異性化部42に微粒子46を分散した場合の例を示
す。このようにすれば、光異性化部42の表面がフラク
タル状に荒れることによって、露光により濡れ性が増大
した光異性化部42の部分にはインクがより付着しやす
くなる一方、露光されていない光異性化部42の部分は
インクをよりはじきやすくなるため、印刷画像のシャー
プさと階調性をより一層向上させることができる。
【0035】上記微粒子46としては、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、チタン
酸カルシウム、ガラス等の無機微粒子やそれらの表面を
有機処理した微粒子、ポリスチレン、メタクリル系樹
脂、フッ素樹脂等からなる有機微粒子などが考えられる
が、これらに限定されない。
【0036】上記微粒子46の含有量が、光異性化部4
2を構成する微粒子46以外の材料に対して、10wt
%(光異性化部42を構成する微粒子46以外の材料:
微粒子46=1:0.1)より少ないと光異性化部42
の表面に凹凸を形成するのが困難であり、一方、200
wt%(光異性化部42を構成する微粒子46以外の材
料:微粒子46=1:2)より多くなると光異性化部4
2の可逆的に濡れ性変化する作用が阻害されることにな
る。したがって、微粒子46の含有量は、光異性化部4
2を構成する微粒子46以外の材料に対して、10〜2
00wt%が好ましく、さらに好ましくは30〜120
wt%が適当である。
【0037】また、上記微粒子46の粒径が、0.00
5μmより小さいと光異性化部42の表面に凹凸を形成
するのが困難であり、一方、20μmを越えると凹凸が
大きくなりすぎて濡れ性変化を起こすのに適当な荒れを
形成できない。したがって、微粒子46の粒径は、0.
005〜20μmであることが好ましく、さらに好まし
くは0.015〜5μmが適当である。
【0038】さらに、上記微粒子46は1種類でもよい
が、フラクタル状の表面を形成するためには2種類以上
であることが好ましい。この場合、最も小さい微粒子の
平均粒径は最も大きい微粒子の平均粒径の1/2〜1/
10000であることが好ましい。
【0039】ここで、微粒子46を含む光異性化部42
を形成した像担持ドラム12を有する画像形成装置10
を用いて第2の印刷実験を行った。この実験では、像担
持ドラム12の光異性化層12bを図5(a)および図
6(a)に示すように形成した。低表面エネルギー材料
40には、ポリテトラフルオロエチレンを用い、光異性
化部42を配置する部分にプラズマ処理を予め施した。
光異性化部42の形成は、スピロピランA(1',3'-Dihyd
ro-3',3'-dimethyl-6-nitro-1'-octadecylspiro[2H-1-b
enzopiran-2,2'-[2H]indole])と、スピロピランB(1',
3'-Dihydro-1',3',3'- trimethyl-6-nitrospiro[2H-1-b
enzopiran-2,2'-[2H]indole])と、ポリスチレンと、粒
径0.016μmの微粒子A(化学的に表面をCH3
で覆って疎水化したSiO2(日本アエロジル社製R9
72))と、粒径1〜2μmの有機微粒子B(ポリメタ
クリル酸メチル・メタクリル系架橋物(日本触媒社製エ
ポスターMA1001))とを重量比で1.5:0.
5:1:0.6:0.6の割合で溶剤であるテトラヒド
ロフラン(THF)中で混合したものを像担持ドラム1
2のポリテトラフルオロエチレン層上にドット状にスク
リーン印刷することにより行った。このときの光異性化
部42の寸法は、直径20μm、高さ10μm、縦横の
ピッチ35μmとした。
【0040】一方、露光装置16の光源に紫外線ランプ
を用い、このランプから照射された紫外線をキノ・メレ
スグリオ(株)社製のフィルタ(03FIU008)を通
して波長340nmの紫外線で潜像形成を行った。
【0041】これらの条件の下で階調画像を印刷し、こ
の画像についてサクラ濃度計PDA−65を用いて反射
率を測定することにより階調性の評価を行ったところ、
1.6と0.7の2種類の濃度をつくることができた。
これにより、上記第1の印刷実験の結果と比べてさらに
階調性が向上していることが分かる。
【0042】これに対し、第2の比較実験では、上記微
粒子A及び微粒子Bを分散した光異性化材料を像担持ド
ラム12のポリテトラフルオロエチレン層上に均一に塗
布して光異性化層を形成し、他の条件は上記と同様にし
て階調画像を印刷した。この画像についてサクラ濃度計
PDA−65を用いて階調性の評価を行ったところ、
1.4と1.0という2つの濃度をつくれるにとどまっ
た。これらの濃度は、上記第2の印刷実験の結果よりも
濃度差が小さいものではあるが、上記第1の比較実験で
の値(1.4と1.2)に比べて階調性が向上したもの
になっている。
【0043】なお、上記光異性化層12bを図4または
図8に示すように構成した場合には、クリーニング装置
22をクリーナーブレードとして形成し、このクリーナ
ーブレードを用いて可逆的光異性化反応の繰り返しによ
り劣化した光異性化部の表層部を低表面エネルギー材料
40と共に、各印刷ごとに連続して又は所定枚数の印刷
ごとに定期的に削り取ることにより、上記劣化に起因し
て発生する画像のかぶりや濃度むらを防止でき、鮮明な
画像を長期にわたって安定して得ることができる。
【0044】また、図2,3,6,7において、低表面
エネルギー材料40と光異性化部42,42A,42B
の配置を逆にしてもよい。
【0045】さらに、上記画像形成装置10では、像担
持体12をドラム状としたが、これに限らず、例えばベ
ルト状にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる画像形成装置の概略構成図。
【図2】 像担持ドラムの表面の部分拡大図。
【図3】 光異性化部の配置パターンの各種変形例を示
す部分拡大図。
【図4】 図2のIV−IV線断面図。
【図5】 光異性化部の配置および形状が異なる2つの
変形例を示す部分拡大断面図。
【図6】 ドット状光異性化部の3つの配置パターンを
示す部分拡大平面図。
【図7】 2種類のドット状光異性化部を用いた3つの
配置パターンを示す部分拡大平面図。
【図8】 可逆的に濡れ性が変化する化合物の粒子を低
表面エネルギー材料中に分散したもので光異性化層を構
成した状態を示す部分拡大断面図。
【図9】 光異性化部に微粒子を分散した場合の部分拡
大図。
【符号の説明】
10…画像形成装置、12…像担持ドラム(像担持
体)、12a…基体、12b…光異性化層、16…露光
装置、18…インク現像装置、20…転写ローラ、22
…クリーニング装置、24…イレーズランプ、40…低
表面エネルギー材料、42…光異性化部、46…微粒
子。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可逆的に光異性化して濡れ性変化を起こ
    す光異性化部を像担持体上に設け、この像担持体上の光
    異性化部に選択的に露光することにより濡れ性をもつ潜
    像を形成し、この潜像にインクを付着させて現像し、現
    像されたインク画像を記録媒体に転写して画像を印刷す
    る画像形成装置において、 上記像担持体の表面に、光異性化部とそれ以外の部分と
    からなる表面エネルギーの異なる2種類以上の表面が存
    在することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 上記像担持体の表面が、所定パターンに
    配置された上記光異性化部と、該光異性化部よりも低表
    面エネルギーの材料とで構成されていることを特徴とす
    る請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 上記光異性化部が1種類以上の微粒子を
    含むことを特徴とする請求項2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 上記微粒子の粒径が0.005〜20μ
    mであることを特徴とする請求項3の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 上記微粒子の含有量が、上記光異性化部
    を構成する微粒子以外の材料に対して10〜200wt
    %であることを特徴とする請求項3または4の画像形成
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282990A (ja) * 2005-03-10 2006-10-19 Jsr Corp 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法、および光アクチュエータ材料
JP2013184434A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Toppan Printing Co Ltd 印刷方法および印刷装置

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