JP2000338208A - 光磁界センサ - Google Patents

光磁界センサ

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JP2000338208A
JP2000338208A JP2000137848A JP2000137848A JP2000338208A JP 2000338208 A JP2000338208 A JP 2000338208A JP 2000137848 A JP2000137848 A JP 2000137848A JP 2000137848 A JP2000137848 A JP 2000137848A JP 2000338208 A JP2000338208 A JP 2000338208A
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magneto
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lens
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JP2000137848A
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Nobuki Ito
伸器 伊藤
Takashi Minemoto
尚 峯本
Onori Ishikawa
大典 石河
Satoshi Ishizuka
石塚  訓
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界に対する直線性を向上し、室温付近での
温度特性が良く、高感度の磁気光学素子を用いて測定精
度の高い光磁界センサを実現すること。 【解決手段】 光の進行方向に沿って、偏光子と、磁気
光学素子と、前記偏光子に対して透過偏光方向を互いに
異ならしめた検光子を配置して被測定磁界を出力光強度
として検知する光磁界センサを、前記磁気光学素子の一
端に、前記偏光子を挟んで設けられた第1のレンズと、
前記磁気光学素子の一端であって、前記第1のレンズに
対向する面に、前記検光子を挟んで設けられた第2のレ
ンズを介して、前記第1のレンズに光を入力する入力光
ファイバと前記磁気光学素子、及び前記第2のレンズの
光を出力する出力光ファイバと前記磁気光学素子が共焦
点光学系で構成し、前記入力光ファイバと前記出力光フ
ァイバが前記磁気光学素子に対して線対称に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファラデー効果を有す
る磁気光学素子とそれを用いて磁界を検出し、その磁界
強度を測定する光磁界センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電流の周りに発生する磁界強度を光を用
いて測定する方法として、ファラデー効果を有する磁気
光学素子と光ファイバを組み合わせた光磁界センサがあ
る。そのような光磁界センサは、絶縁性が高く電磁誘導
ノイズの影響を受けない等の利点から、電力分野の高圧
配電線の事故検知用センサとして既に実用化されてい
る。近年、より計測器としての要求性能が高まってお
り、高精度で小型な光磁界センサが求められている。
【0003】ファラデー効果を利用した光磁界センサを
構成するために、一般に図8のようにコリメート光学系
で構成されるセンサヘッド部が使用される(Natio
nal Technical Report Vol.
38 No.2 P.127(1992)参照)。図8
において、磁界H中に磁気光学素子1が配置される。コ
リメートレンズには、0.25ピッチの分布屈折率レン
ズ7a,7bが使用されている。入力光ファイバ6aか
ら入射した光は、コリメートレンズ7aで平行光とな
り、偏光子2で直線偏光とされ、磁気光学素子1を通過
する。ファラデー効果により偏光面は磁界強度に比例し
て回転を受ける。回転を受けた直線偏光は、偏光子2と
透過偏光方向を45度に異ならしめた検光子3を通過
し、全反射ミラー4で反射された後、コリメートレンズ
7bで集光され、出力光ファイバ6bに結像する。この
様なセンサ光学系は、検光子を固定しており、その検光
子からの光出力を1ポートのみ利用する非差動固定検光
子法と呼ばれる。この光磁界センサでは、磁界強度の変
化が光量変化に変換されて計測が可能となる。この様な
コリメート光学系で構成されるセンサヘッド部に用いら
れている磁気光学素子として、一般式(式1)で示され
る希土類鉄ガーネット結晶が開示されている(電子情報
通信学会技術研究報告OQE92−105(1992)
参照)。この従来の技術においては、YをBiやGdで
置換することにより温度特性の良い磁気光学素子を実現
している。この従来例で用いられている結晶の化学式を
(式1)に示す。 Bi1.3Gd0.1La0.11.5Fe4.4Ga0.612(式1)
【0004】一方、光磁界センサに用いられる磁気光学
素子に希土類鉄ガーネット結晶を使用した場合、ガーネ
ット結晶に特有の磁区構造によって、結晶を透過した光
は回折される。ガーネット結晶の磁区構造がメイズ磁区
の場合には、回折光は図9に示すように同心円上に観測
され、中心から0次光9、1次光10、2次光11、・
・・と定義される。図8に示すようなコリメート光学系
で構成されたセンサヘッド部では、出力光ファイバ6b
での回折光の観測条件が0次光観測であるために、その
出力は(数1)で示され、印加磁界が大きくなるにつれ
てセンサ出力の非線形性が大きくなり、直線性が悪化す
るという問題点があった(日本応用磁気学会誌Vol.
14,No.4 P.642(1990)参照)。
【0005】 V=(1/2)〔cosθ+(M/M)sinθ ・・・・(数1)
【0006】ここで、θは磁気飽和状態でのファラデ
ー回転角であり、θ=F・Lと表される。Fは材料固
有のファラデー回転係数で、Lは素子の光路長である。
Mは材料の磁化であり、Mは飽和磁化である。一方、
非差動固定検光子法を用いて、回折光の全次数を受光す
る光学系で構成された光磁界センサの出力は(数2)で
示され、非線形項が含まれないので印加磁界に対して出
力が単純比例する。しかしながら、回折光の全次数を受
光するような小型で高精度な光磁界センサはこれまでに
実現されていない。
【0007】 Va11=(1/2)〔1+(M/M)sin2θ〕 ・・・・(数2)
【0008】そこで、センサ出力の非線形性を解決する
ために、図5に示すような球レンズ5a、5bを用いて
集光光学系を形成し、回折光の2次光まで受光して直線
性を改善する方法が提案されている(電気学会計測研究
会資料,資料番号IM−94−93,P.31(199
4)参照)。図5の光磁界センサが、図8のコリメート
光学系を用いた光磁界センサと異なる点は、球レンズ5
a,5bを使用することにより、センサヘッド内で集光
光学系を形成している点である。図5中の複数の軌跡
は、光線追跡の計算結果を示している。この様にセンサ
ヘッドを集光光学系とすることにより、磁気光学素子で
回折された光を2次光まで受光することが可能となって
いる。この方法では、図7に示すように約25Oeから
300Oeまでの磁界範囲で1.0%以下の良好な直線
性が実現されている。しかしながら、25Oe以下の弱
磁界を測定するには比誤差が大きく、実用上問題を有し
ている。
【0009】さらに、図5に示す光磁界センサに、従来
の式1で示されるコリメート光学系に適用される磁気光
学素子を用いても直線性は良好であるが、温度特性が大
きく変化するという問題があった。その従来の光磁界セ
ンサの温度特性を図6に示す。−20℃〜+80℃の温
度範囲で、−4.5%から+6.3%もの温度変化を示
すことがわかる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたよ
うに、これまでに直線性と温度特性を共に満足する測定
精度の高い光磁界センサがなかった。本発明はかかる点
に鑑みてなされたものであり、磁界に対する直線性を向
上し、かつ室温付近での温度特性が良く、高感度の磁気
光学素子を実現し、それを用いて測定精度の高い光磁界
センサを実現することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために、磁気光学素子によって回折された光を高
次光まで受光するようなセンサ光学系を実現して、広い
測定範囲に対して直線性を改良し、かつそのセンサ光学
系に対して特有の材料組成を見い出して温度特性を改良
する。
【0012】そのために本発明は、少なくとも光の進行
方向に沿って、偏光子と、磁気光学素子と、前記偏光子
に対して透過偏光方向を互いに異ならしめた検光子を配
置して被測定磁界を出力光強度として検知する光磁界セ
ンサにおいて、前記磁気光学素子の一端に、前記偏光子
を挟んで設けられた第1のレンズと、前記磁気光学素子
の一端であって、前記第1のレンズに対向する面に、前
記検光子を挟んで設けられた第2のレンズを介して、前
記第1のレンズに光を入力する入力光ファイバと前記磁
気光学素子、及び前記第2のレンズの光を出力する出力
光ファイバと前記磁気光学素子が共焦点光学系で構成さ
れ、前記入力光ファイバと前記出力光ファイバが前記磁
気光学素子に対して線対称に配置されていることを特徴
とする光磁界センサを要旨とする。
【0013】本発明では、下記一般式(式2)において
Xの値を1.00≦X≦1.30、かつYの値を0.4
2≦Y≦0.60、かつZの値を0.01≦Z≦0.0
5、かつWの値を0.40≦W≦0.62とした希土類
鉄ガーネット材料、または下記一般式(式3)におい
て、Xの値を1.10≦X≦1.30、かつYの値を
1.00≦Y≦1.80、かつZの値を0≦Z≦0.0
6とした希土類鉄ガーネット材料を磁気光学素子として
用いて、高次の回折光まで受光する光磁界センサを構成
するものである。 (BiGd3−X−Y−Z)(Fe5−WGa)O12 (式2) (BiGd3−X−Y−Z)Fe12 (式3)
【0014】さらに、本発明では高次の回折光まで受光
する光磁界センサの直線性について、磁気光学素子の膜
厚依存性を見い出した。磁気光学素子の膜厚を50μm
以上とすることにより、弱磁界の直線性を大きく改良す
ることができる。また、その磁気光学素子を用いて構成
する光磁界センサにおいて、磁気光学素子と入出力の光
ファイバ端がレンズを介して線対称な共焦点光学系とす
ることにより、さらに広い磁界範囲について優れた直線
性を実現するものである。
【0015】
【作用】本発明の磁気光学素子は、従来のコリメート光
学系に使用するための磁気光学素子に代わって、高次の
回折光まで受光する光学系に使用するためのものであ
る。光磁界センサの直線性を改良するために、高次の回
折光まで受光できるような光学系をセンサヘッドに採用
した場合、従来の0次光を受光する光磁界センサ用の磁
気光学素子は、組成制御による温度特性が適切ではな
く、温度が高くなるにつれて感度が高くなり使用できな
い。光磁界センサの温度特性は磁気光学素子の温度特性
が直接反映される。したがって、本発明の磁気光学素子
を用いることによって、光磁界センサは室温付近の温度
変化に対して安定な出力を与えることが可能である。
【0016】一方、n次の回折光の偏向角α(n)
(数3)で示され、磁気光学素子の磁区幅が大きくなる
と偏向角が小さくなる。
【0017】 sinα(n)=nλ/p ・・・・(数3)
【0018】ここで、λは使用する光の波長であり、p
は磁区のピッチ、すなわち磁区幅の2倍の値である。一
般に、磁気光学素子が希土類鉄ガーネット材料である場
合、素子の膜厚が厚くなるにつれて磁区幅は大きくな
る。したがって、磁気光学素子の膜厚を適切に調節する
ことによって、素子の磁区で回折される光の偏向角を変
化させることができ、出力光ファイバで受光される回折
光の次数が大きくなり、弱磁界における光磁界センサの
直線性を改良することが可能となる。
【0019】さらに、その磁気光学素子と入出力の光フ
ァイバ先端の光学的な位置関係が、共焦点の光学系であ
って、かつ素子に対して線対称な光学系とすることによ
って、出力光ファイバ端で受光される回折光の次数がさ
らに大きくなり、より広い磁界範囲で測定精度が高い光
磁界センサを提供することができる。
【0020】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の実施例について
図面と表を参照しながら説明する。
【0021】Bi−PbO−B系フラック
スを用いてCa−Mg−Zr置換型GdGa12
基板上に一般式式2で示される希土類鉄ガーネット結晶
をLPE法で結晶成長した。(表1)に実施例を示す。
数値は各元素に対する組成比を表す。(表1)に示す磁
気光学素子の温度特性を評価するために、磁気光学素子
を図5に示す光磁界センサに構成して、磁気光学素子の
飽和磁界以下の磁界範囲で、感度の温度変化を測定し
た。センサ感度の変化率を(表1)に示している。交流
磁界の周波数は、60Hzである。(表1)中の温度特
性に#印を付した試料は、本発明の範囲外のものであ
る。また、(表1)で*印を付した試料については、温
度変化の測定データを図2に示している。
【0022】
【表1】
【0023】本発明の磁気光学素子は、一般式式2で示
されるが、結晶組成が、Xの値が1.00≦X≦1.3
0、かつYの値が0.42≦Y≦0.60、かつZの値
が0.01≦Z≦0.05、かつWの値が0.40≦W
≦0.62では、−20℃から+80℃の温度範囲で
は、感度の温度変化が3%以下(±1.5%以下)に収
まっている。従来例の図6と比較すると著しく温度特性
が改善されることがわかる。(表1)の磁気光学素子
は、図5に示される集光光学系を用いた光磁界センサに
使用されているので、その出力の直線性を評価すると、
希土類鉄ガーネット結晶が飽和する磁界の約500Oe
まで2.0%以下の優れた直線性を示すことが確認され
た。
【0024】この様な良好な結果を得るための基本的な
理論は、次のようなものである。磁気光学素子による回
折光の0次光だけを受光する光学系で構成される光磁界
センサは、その出力が(数1)で与えられる。(数1)
において、M=χHで磁化率χは一定であると仮定し
て、交流磁界に対して考慮するために、H=HINsi
nωtを代入して変形すると、センサ出力の直流成分V
ODCと交流成分VOACは次式のように表される。た
だし、ここで比例定数を1として規格化している。
【0025】 VODC=A+(1/2)CHIN ・・・・(数4)
【0026】 VOAC=BHINsinωt+(1/2)CHIN sin(2ωt−π/2 ) ・・・・(数5)
【0027】ここで、定数A,B,Cは、
【0028】 A=cosθ/2, B=(cosθsinθ)/Hs, C=sinθ/2H ・・・・(数6)
【0029】である。変調度mはVOAC/VODC
で定義されるので、(数4)と(数5)から求められ
る。出力基本波ωに対する変調度mは、温度Tの関数
として次式のように表される。
【0030】 m(T)=B(T)HIN/(A(T)+C(T)HIN /2) ・・・・(数7)
【0031】一方、磁気光学素子による回折光の全次数
を受光する光学系で構成される光磁界センサは、その出
力が(数2)で与えられ、出力の直流成分Va11DC
と交流成分Va11ACは次式のように表される。
【0032】 Va11DC=1/2 ・・・・(数8)
【0033】 Va11AC=DHIN,D=sin2θ/H・・・・(数9)
【0034】したがって、変調度ma11は、温度Tの
関数として次式のように表される。
【0035】 ma11(T)=2D(T)HIN ・・・・(数10)
【0036】(数7)と(数10)から、光磁界センサ
の感度の温度特性は磁気光学素子の回折光の受光条件に
大きく依存することがわかる。つまり、従来の0次光の
みを受光するようなセンサ光学系において、(数7)で
表される変調度の温度変化が小さくなるように組成を改
良した磁気光学素子でも、全次数を受光するセンサ光学
系に適用すれば、その変調度は(数10)に従うので、
感度の温度特性が大きく変化することになる。
【0037】しかしながら、全次数を受光するセンサ光
学系に適用するために、本実施例の(表1)に示したよ
うに、適切に磁気光学素子の組成を調節すれば、その変
調度は(数10)に従うので、印加磁界HINの大きさ
が変化しても変調度の温度特性は変化しない。つまり、
直線性が温度によって変化しない高精度な光磁界センサ
を実現することができる。一方、0次光のみを受光する
光磁界センサでは、(数7)に従う変調度は磁界の2乗
項を含むので、印加磁界HINの大きさが変わると温度
特性が変化することになる。
【0038】したがって、希土類鉄ガーネット結晶を磁
気光学素子とする光磁界センサの測定精度を高めるため
に、高次の回折光を受光するセンサ光学系を採用する場
合には、必然的に本発明と同様な方法で希土類鉄ガーネ
ット結晶の組成を改良する必要がある。実施例1の(表
1)のように希土類元素に対して置換する元素がBi+
Gd+La+Yの組み合わせだけでなく、これまでに開
示されている温度特性の制御しやすい置換の組み合わ
せ、例えばBi+Gd+Y、Bi+Gd、Bi+Tb、
Bi+Yb+Tb、Bi+Eu+Ho、Bi+Nd+T
b、Bi+Ho+Tb、Bi+Er+Pb等の希土類元
素の組み合わせや、その上さらにFe元素をGa、A
l、Sc、In、Ptから選ばれる少なくとも1種類の
元素で置換した元素の組み合わせを有する希土類鉄ガー
ネット結晶に対しても本願と同様な方法で、感度の温度
特性を低減し、直線性の良い光磁界センサを構成するこ
とも可能である。
【0039】(実施例2)そこで、上述の希土類元素の
組み合わせのうち、Bi+Gd+Yの組み合わせを持
ち、Fe元素に対して非磁性元素が置換されず飽和磁界
HSが大きい磁気光学素子の実施例について(表2)に
示す。(表1)と同様に、Bi−PbO−B
系フラックスを用いてCa−Mg−Zr置換型Gd
Ga12基板上に一般式式3で示される希土類鉄ガ
ーネット結晶をLPE法で結晶成長した。数値は各元素
に対する組成比を表す。(表2)に示す磁気光学素子の
温度特性を評価するために、図5に示す光磁界センサに
構成して、磁気光学素子の飽和磁界以下の磁界範囲で、
感度の温度変化を測定した。センサ感度の変化率を(表
2)に示している。交流磁界の周波数は、60Hzであ
る。(表2)中の温度特性に#印を付した試料は、本発
明の範囲外のものである。
【0040】
【表2】
【0041】本発明の磁気光学素子は、一般式(式3)
で示されるが、結晶組成が、Xの値が1.10≦X≦
1.30、かつYの値が1.00≦Y≦1.80、かつ
Zの値が0≦Z≦0.06では、−20℃から+80℃
の温度範囲では、感度の温度変化が3%以下(±1.5
%以下)に収まっている。従来例の図6と比較すると温
度特性が改善されることがわかる。(表2)の磁気光学
素子は、図5に示される集光光学系を用いた光磁界セン
サに使用されているので、その出力の直線性を評価する
と、希土類鉄ガーネット結晶が飽和する約1500Oe
の磁界範囲まで2.0%以下の優れた直線性を示すこと
が確認された。
【0042】なお、本実施例1および2では、格子整合
性をとるために置換する元素としてLaを用いた例につ
いて記述したが、一般式式2または式3のR元素に1種
類以上の希土類元素を用いることも可能であった。その
際、希土類鉄ガーネット結晶の飽和磁化に対して影響の
ない非磁性元素であることが良好な結果を与える。ま
た、ガーネット結晶基板に格子定数の異なるCa−Mg
−Zr置換型GdGa12結晶基板以外のものを
用いた場合も、格子整合性をとるために、一般式式2ま
たは式3のR元素に1種類以上の希土類元素を置換し
て、直線性と温度特性の良い希土類鉄ガーネット結晶を
成長することができた。
【0043】なお、この直線性と温度特性の改善は0.
8μm帯の光源だけでなく、希土類鉄ガーネット結晶を
透過する1.3μm帯や1.5μm帯の他の波長につい
ても認められた。また、周波数60Hzだけでなく、D
C磁界から数100kHz程度まで精度良く磁界を測定
することができた。さらに、以上はCa−Mg−Zr置
換型GdGa12基板上に磁気光学素子を成長さ
せたものであるが、NdGa12基板上にも成長
条件を変えて成長し、同様な結果が得られた。また、気
相成長法を用いてこれらの基板上にエピタキシャル成長
させることも可能である。
【0044】ただし、いずれの成長法においても成長条
件によって、一般式式2で示され、その結晶組成におい
てXの値が1.00≦X≦1.30、かつYの値が0.
42≦Y≦0.60、かつZの値が0.01≦Z≦0.
05、かつWの値が0.40≦W≦0.62の範囲であ
る希土類鉄ガーネット材料や一般式式3で示され、結晶
組成がXの値が1.10≦X≦1.30、かつYの値が
1.00≦Y≦1.80、かつZの値が0≦Z≦0.0
6の範囲である希土類鉄ガーネット材料が、エピタキシ
ャル成長せずに多結晶体として形成されることもある
が、そのような多結晶体の磁気光学素子でも光吸収損失
が少し大きくなるものの充分に使用可能である。
【0045】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の
第3の実施例を示す弱磁界における光磁界センサの直線
性について、その膜厚依存性を示す図である。すなわ
ち、図5に示すような回折光を高次まで受光することの
できる光磁界センサの弱磁界における直線性は、使用す
る磁気光学素子の膜厚に大きく依存することを示してい
る。磁気光学素子の膜厚が厚くなるにつれて、弱磁界の
比誤差が極端に改良されていくことがわかる。
【0046】これは既に記述したように、磁気光学素子
の膜厚を調整することによって、磁気光学素子における
回折光の偏向角を変化させることができ、光磁界センサ
の光学系において出力光ファイバ端で受光できる回折光
の次数を増大できることが原因となっている。図4で微
少磁界で比誤差が正の無限大に大きくなるのは、光磁界
センサの信号処理回路の出力に、零磁界状態でも回路の
ノイズ成分が含まれるためである。図4から約5Oeか
ら50Oe以下の磁界で±2.0%以下の精度で測定す
るためには、50μm以上の膜厚を有する磁気光学素子
を使用すれば良いことがわかる。
【0047】特に、膜厚の厚い75μmの磁気光学素子
を使用した場合には、最も直線性が良好であり、2%以
下の比誤差を示すだけである。この直線性の膜厚依存性
は、さらに膜厚が大きくなっても確認された。図4で使
用した磁気光学素子は、式2または式3で表される希土
類鉄ガーネット材料であるが、この膜厚依存性は磁区を
有する磁気光学素子のすべてに適用できると考えられ
る。
【0048】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第
4の実施例を示す光磁界センサを示す図である。図1の
磁気光学素子には、式2または式3で表される希土類鉄
ガーネット材料を使用している。図1中の複数の軌跡
は、光線追跡の計算結果を示している。直線性を改良す
るためには、固定検光子法において検光子からの光出力
を2ポート使用する差動構成のセンサ光学系も考えられ
る。
【0049】しかし、ここでも図5と同様に実用的な観
点から入出力の光ファイバを各1本とするために、光出
力を1ポートとした非差動構成を採用した。光線追跡か
らわかるように、図1の本実施例が従来の光磁界センサ
である図5と異なる点は、検光子3としてガラス製偏光
板を用いて、入力光ファイバ6aと磁気光学素子1、磁
気光学素子1と出力光ファイバ6bの光学的配置が、レ
ンズを介して共焦点系で構成され、磁気光学素子を中心
としてほぼ線対称に構成されている点である。このよう
に磁気光学素子に対して線対称な共焦点の光学系を構成
することによって、磁区を有する磁気光学素子の回折光
を高次光まで受光することができる。これらの実施例と
光線追跡の結果から、センサ光学系の光挿入損失が最小
になる条件は、偏光子2と全反射ミラー4が5mm角
で、ガラス材質BK7の球レンズ5a、5bが直径3m
mの場合、図1に示すyの距離が1.0mmの時にxが
1.0〜1.4mmであることがわかった。そのときの
光挿入損失は−13dBであった。本実施例による光磁
界センサの直線性を図3に示す。図3から明らかなよう
に、本実施例による光磁界センサは、従来の図7よりも
広い磁界範囲で優れた直線性を示し、300Oeまでの
磁界範囲で比誤差がわずかに1%以下であることがわか
る。なお、この様な共焦点光学系を実現する光学系であ
れば、各構成部品にサイズの小さなものを使用して、小
型な光磁界センサを構成しても同様に高精度な測定結果
を得ることが可能である。
【0050】さらに、入力光ファイバ6aと磁気光学素
子1、磁気光学素子1と出力光ファイバ6bの光学的配
置が、レンズを介して共焦点系で構成され、磁気光学素
子を中心としてほぼ線対称に構成される直線型の光磁界
センサの実施例を図10に示す。図10においては、直
線型とするために偏光子2と検光子3にガラス製偏光板
を使用している。この実施例においても、磁気光学素子
からの回折光を高次光まで受光することができ、図3と
同様に良好な直線性を得ることができる。図10の実施
例では、図1よりも各構成部品をサイズの小さなものを
使用しており、球レンズ5a、5bにBK7の直径2m
mのものを使用し、磁気光学素子1、偏光子2、検光子
3に直径2mmの円板を使用している。この場合、集光
光学系で構成されるセンサの光挿入損失が最小になる条
件は、球レンズ5aと偏光子2の距離と球レンズ5bと
検光子3の距離が共に1.5mmの場合、入力光ファイ
バ6aと球レンズ5aの距離と球レンズ5bと出力光フ
ァイバ6bの距離が共に1.4mm〜1.8mmである
ことがわかった。そのときの光挿入損失は−13dBで
あった。
【0051】なお、本発明で示した光磁界センサを空隙
付きコアと組み合わせれば、従来にない測定精度の高い
光変流器等の光学式の電流測定装置を実現することが可
能となり、工業的に広範囲にわたる応用性を有する装置
を提供することができる。
【0052】
【発明の効果】以上述べてきたことから明らかなよう
に、本発明の磁気光学素子とセンサ光学系によれば、従
来よりも広い磁界範囲にわたって、良好な直線性と優れ
た温度特性を実現し、高精度に磁界を計測することでき
る光磁界センサを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁界センサの実施例と光線迫跡を示
す図
【図2】本発明の磁気光学素子を用いた光磁界センサの
感度の温度依存性を示す図
【図3】本発明の磁気光学素子と光磁界センサを用いた
センサ出力の直線性を示す図
【図4】本発明の光磁界センサにおいて、直線性の膜厚
依存性を示す図
【図5】従来の光磁界センサの構成と光線追跡を示す図
【図6】従来の光磁界センサの温度特性を示す図
【図7】従来の光磁界センサの直線性を示す図
【図8】従来の光磁界センサの構成を示す図
【図9】希土類鉄ガーネット結晶による光の回折現象を
説明した模式図
【図10】本発明の光磁界センサの他の実施例を示す図
【符号の説明】
1 磁気光学素子 2 偏光子 3 検光子 4 全反射ミラー 5a 入力側ボールレンズ 5b 出力側ボールレンズ 6a 入力光ファイバ 6b 出力光ファイバ 7a 入力側コリメートレンズ 7b 出力側コリメートレンズ 8 スクリーン 9 0次光 10 1次光 11 2次光 12 3次光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石河 大典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石塚 訓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも光の進行方向に沿って、偏光子
    と、磁気光学素子と、前記偏光子に対して透過偏光方向
    を互いに異ならしめた検光子を配置して被測定磁界を出
    力光強度として検知する光磁界センサにおいて、前記磁
    気光学素子の一端に、前記偏光子を挟んで設けられた第
    1のレンズと、前記磁気光学素子の一端であって、前記
    第1のレンズに対向する面に、前記検光子を挟んで設け
    られた第2のレンズを介して、前記第1のレンズに光を
    入力する入力光ファイバと前記磁気光学素子、及び前記
    第2のレンズの光を出力する出力光ファイバと前記磁気
    光学素子が共焦点光学系で構成され、前記入力光ファイ
    バと前記出力光ファイバが前記磁気光学素子に対して線
    対称に配置されていることを特徴とする光磁界センサ。
  2. 【請求項2】磁気光学素子が希土類鉄ガーネット材料で
    あることを特徴とする請求項1記載の光磁界センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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