JP2000336220A - スラッシュ成形用熱可塑性エラストマー組成物およびスラッシュ成形表皮。 - Google Patents

スラッシュ成形用熱可塑性エラストマー組成物およびスラッシュ成形表皮。

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JP2000336220A
JP2000336220A JP11147570A JP14757099A JP2000336220A JP 2000336220 A JP2000336220 A JP 2000336220A JP 11147570 A JP11147570 A JP 11147570A JP 14757099 A JP14757099 A JP 14757099A JP 2000336220 A JP2000336220 A JP 2000336220A
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slush
thermoplastic elastomer
resin
elastomer composition
plasticizer
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Hirohide Enami
博秀 榎並
Tateo Ono
健郎 小野
Kenji Kubomoto
謙二 久保本
Gakushiyu Okazawa
学秀 岡沢
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラッシュ成形時のシート性が良好で、また
成形回数にかかわらず粉体流動性を維持するスラッシュ
成形用熱可塑性エラストマー組成物、および放置及び熱
老化後においてもオリゴマー成分をはじめプロセスオイ
ルや安定剤等の表面移行を阻止したスラッシュ成形表皮
の提供を目的とする。 【解決手段】 少なくとも水素添加スチレンブタジエン
ランダム共重合体ゴム、ポリプロピレン樹脂、内部離型
剤に、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、クマロンーインデ
ン樹脂、そしてそれらの水素添加誘導体のうちから選ば
れた少なくとも1種の可塑剤を含むスラッシュ成形用熱
可塑性エラストマー組成物にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性エラストマ
ー組成物およびこれを用いたスラッシュ成形表皮に係
り、詳しくは成形回数にかかわらず粉体流動性を維持す
る熱可塑性エラストマー組成物と、熱老化による表面状
態の変化が少ないスラッシュ成形表皮、また放置しても
内層に含まれるオリゴマー成分をはじめ、可塑剤や安定
剤や触媒等の表面移行が少なく、発泡層になるウレタン
フォームとの接着性を充分に保持し、高温時の接着力が
優れる複合表皮などのスラッシュ成形表皮に関する。
【0002】
【従来の技術】軟質の粉末材料を用いた粉末成形法とし
て、軟質塩化ビニル樹脂粉末を用いた粉末スラッシュ成
形法がインストルメントパネル、コンソールボックス、
ドアートリム等の自動車内装品の表皮に広く採用されて
いる。これはソフトな感触であり、皮シボやステッチを
設けることができ、また設計自由度が大きいこと等の意
匠性が良好なことによる。
【0003】この成形方法は、他の成形方法である射出
成形や圧縮成形と異なり、賦形圧力をかけないので、成
形時には粉末材料を複雑な形状の金型に均一付着させる
ためには粉体流動性に優れることが必要であり、金型に
付着した粉体が溶融して無加圧下でも流動して皮膜を形
成するために、溶融粘度が低いことも条件になってい
る。更に、金型を冷却して成形された表皮を金型より容
易に離型できることも必要であった。
【0004】これを改善した一つの方法として、特開平
7−82433号公報には、ポリプロピレン樹脂と特定
のスチレン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/3
0〜30/70の割合で混合したものを粉砕して用いる
ことが提案されている。ここでは、スチレン系熱可塑性
エラストマーがスチレン含量20重量%以下のスチレン
・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、スチ
レン含量20重量%以下のスチレン・エチレンプロピレ
ン・スチレンブロック共重合体、そしてスチレン含量2
0重量%以下の水素添加スチレンブタジエンランダム共
重合体ゴムから選ばれたものであり、ポリプロピレン樹
脂との相溶性が良好で粉末成形に適した組成物になって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この組成物はポリプロ
ピレン樹脂と水素添加スチレンブタジエンランダム共重
合体ゴムの混合において水素添加スチレンブタジエンラ
ンダム共重合体ゴムがポリプロピレン樹脂中で微分散す
るので、物性の低下が少なくて表皮素材に適している。
しかし、スラッシュ成形表皮にした場合には、水素添加
スチレンブタジエンランダム共重合体ゴムが吸油能に劣
るため、組成物中のオリゴマー成分や、スラッシュ成形
に必要な溶融流動性を与えるための可塑剤として添加さ
れるプロセスオイルや安定剤が表面に移行して光沢した
り、粘着性をもったり、白化したりする欠点があった。
【0006】特に、スラッシュ成形表皮の表面を補強す
るために透明な塗装膜を形成し、熱処理した後、時間経
過とともに上記オリゴマー成分をはじめ、プロセスオイ
ルや安定剤等が表面に移行しやすくなる欠点があった。
また、熱可塑性エラストマー組成物の粉体は、スラッシ
ュ成形中に室温以上の雰囲気下にあるため、粉体表面に
組成物中のオリゴマー成分やプロセスオイルや安定剤等
が移行し、粉体が粘着性を持ち、日数経過とともにブロ
ッキングし易く、粉体流動性が悪くなっていた。また、
プロセスオイルを除外した場合、組成物のMFR値が2
30℃,荷重2.16kgfで20g/10分未満に低
下し、スラッシュ時のシート性が悪化する傾向が顕著で
あった。
【0007】スラッシュ成形表皮を120℃のオーブン
中で、100時間または200時間熱老化試験をおこな
うと、熱可塑性エラストマー組成物の熱酸化劣化が起こ
ることで、引張強度また伸びの低下が生じる欠点があっ
た。
【0008】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、スラッシュ成形時のシート性が良好で、また成
形回数にかかわらず粉体流動性を維持するスラッシュ成
形用熱可塑性エラストマー組成物、および放置及び熱老
化後においてもオリゴマー成分をはじめプロセスオイル
や安定剤等の表面移行を阻止したスラッシュ成形表皮の
提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、スラッシュ成形表皮の材料として使用す
る熱可塑性エラストマー組成物において、少なくともポ
リプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンランダ
ム共重合体ゴム、内部離型剤に、ポリテルペン樹脂、石
油樹脂、クマロンーインデン樹脂、そしてそれらの水素
添加誘導体のうちから選ばれた少なくとも1種の可塑剤
を含むスラッシュ成形用熱可塑性エラストマー組成物に
ある。上記熱可塑性エラストマー組成物は、メルトフロ
ーレート(MFR)が230℃、2.16kgfの荷重
で20g/10分以上であって溶融流動性に富みスラッ
シュ成形時のシート成形性が良好であり、またこの粉末
をスラッシュ成形して得られた表皮も放置及び熱老化後
においても、光沢・粘着・白化などの表面状態の変化が
なく優れている。
【0010】本願の請求項2記載の発明では、上記の可
塑剤がテルペン樹脂またはその水素添加誘導体であるス
ラッシュ成形用熱可塑性エラストマー組成物にあり、粉
体流動性に優れ、メルトフローレート(MFR)が23
0℃、2.16kgfの荷重で20g/10分以上であ
る。また、この粉末をスラッシュ成形した表皮は放置及
び熱老化後においても、光沢・粘着・白化などの表面状
態の変化がなく優れている。
【0011】本願の請求項3記載の発明では、上記請求
項1記載の組成物に吸油性に優れたエラストマーを添加
した熱可塑性エラストマー組成物にあり、請求項1の組
成物のMFR値より優れ、シート性がより良好である。
【0012】本願の請求項4記載の発明では、吸油性に
優れたエラストマーがエチレン・オクテン共重合体であ
るスラッシュ成形用熱可塑性エラストマー組成物にあ
る。
【0013】本願の請求項5記載の発明では、上記請求
項1〜4記載の組成物にプロセスオイルを添加した熱可
塑性エラストマー組成物にあり、請求項3、4記載の組
成物のMFR値がより優れ、シート性がより良好であ
る。
【0014】本願の請求項6記載の発明では、少なくと
もポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンラ
ンダム共重合体ゴム、内部離型剤に、ポリテルペン樹
脂、石油樹脂、クマロンーインデン樹脂、そしてそれら
の水素添加誘導体のうちから選ばれた少なくとも1種の
可塑剤を含む熱可塑性エラストマー組成物をスラッシュ
成形したスラッシュ成形表皮にある。上記スラッシュ成
形表皮は放置及び熱老化後においても、光沢・粘着・白
化などの表面状態の変化がなく優れている。
【0015】本願の請求項7記載の発明では、上記の可
塑剤がテルペン樹脂またはその水素添加誘導体であるス
ラッシュ成形表皮にあり、放置及び熱老化後において
も、光沢・粘着・白化などの表面状態の変化がなく優れ
ている。
【0016】本願の請求項8記載の発明では、吸油性の
優れたエラストマーを添加した熱可塑性エラストマー組
成物をスラッシュ成形したスラッシュ成形表皮にあり、
放置及び熱老化後においても、光沢・粘着・白化などの
表面状態の変化がなく優れている。
【0017】本願の請求項9記載の発明では、プロセス
オイルを添加した熱可塑性エラストマー組成物をスラッ
シュ成形したスラッシュ成形表皮にあり、放置及び熱老
化後においても、光沢・粘着・白化などの表面状態の変
化がなく優れている。
【0018】本願の請求項10記載の発明では、プロセ
スオイルを添加したスラッシュ成形表皮にある。
【0019】また、本願の請求項11記載の発明では、
スラッシュ成形に使用する粉末状の熱可塑性エラストマ
ー組成物であり、少なくともポリプロピレン樹脂、水素
添加スチレンブタジエンランダム共重合体ゴム、プロセ
スオイル、吸油能に優れたエラストマー、活性水素を有
するオレフィン系ポリマー、イソシアネ−トの反応を促
進する触媒、そして石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、又はそれらの水素添加誘導体のうちか
ら選ばれた少なくとも1種の可塑剤を含むスラッシュ成
形用熱可塑性エラストマー組成物にある。上記組成物は
外層と内層からなるスラッシュ成形表皮のうち特に内層
に使用されるものであり、スラッシュ成形に必要な溶融
流動性を与え、かつ成形回数にかかわらず、粉体流動性
を維持し、またスラッシュ成形表皮や成形体を放置して
も内層に含まれるオリゴマー成分をはじめ、可塑剤や安
定剤や触媒等の表面移行が少なく発泡層になるウレタン
フォームとの接着性を保持し、高温時の接着力が優れて
おり、スラッシュ成形表皮の引張物性が優れている。
【0020】本願の請求項12載の発明では、上記の可
塑剤がテルペン又はそれの水素添加誘導体であるスラッ
シュ成形用熱可塑性エラストマー組成物にある。
【0021】本願の請求項13載の発明では、吸油能に
優れたエラストマーが長鎖分岐構造をもつエチレン・オ
クテン共重合体であるスラッシュ成形用熱可塑性エラス
トマー組成物にある。
【0022】本願の請求項14載の発明では、少なくと
も外層と内層を積層した複合表皮において、上記外層と
して少なくともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレン
ブタジエンランダム共重合体ゴム、プロセスオイル、吸
油能に優れたエラストマー、そして内部離型剤からなる
熱可塑性エラストマー組成物の粉末をスラッシュ成形
し、更にその内層として少なくともポリプロピレン樹
脂、水素添加スチレンブタジエンランダム共重合体ゴ
ム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、活
性水素を有するオレフィン系ポリマー、イソシアネ−ト
の反応を促進する触媒、そして石油樹脂、テルペン樹
脂、クマロン−インデン樹脂、又はそれらの水素添加誘
導体のうちから選ばれた少なくとも1種の可塑剤を含む
粉末をスラッシュ成形した表皮ある。
【0023】上記スラッシュ成形表皮は外層と内層から
なる少なくとも2層を連続してスラッシュ成形により作
製され、外層が金型の離型性に優れた特性を付与し、一
方内層が例えば表面塗装処理のアニール後も、発泡層に
なるウレタンフォームとの接着性が良好に維持され、か
つ日数経過後もウレタンフォームとの剥離強度・剥離状
態が維持され、接着性に優れている。更に高温時の接着
力についても優れており、スラッシュ成形表皮の引張物
性が優れている。
【0024】本願の請求項15載の発明では、上記の可
塑剤がテルペン又はそれの水素添加誘導体である表皮に
ある。
【0025】本願の請求項16載の発明では、吸油能に
優れたエラストマーが長鎖分岐構造をもつエチレン・オ
クテン共重合体である表皮にある。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリプロピレン
樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α−オレフィン
とのブロックあるいはランダム共重合体のいずれでもよ
いが、特にα−オレフィンとしてエチレンを用いたブロ
ックあるいはランダム共重合体が成形体の柔軟性の面か
らいって好ましい。また、圧力のかからない粉末スラッ
シュ成形に用いるためには、ポリプロピレン樹脂の溶融
流動性の指数としてJIS K7210により230°
C,荷重2.16kgfで測定したMFR(メルトフロ
ーレート)が100〜800g/10分であることが必
要である。上記のMFR値を有するポリプロピレン樹脂
は溶融流動性が良好であり、有機過酸化物を使用しなく
ても溶融流動性に優れ、溶融粘度が低く、引張強度の優
れ、熱老化により成形シート表面に粘着の光沢の発生が
ないものを得ることができる。
【0027】また、MFR値が100g/10分未満の
溶融流動性に欠けるポリプロピレン樹脂を使用する場合
には、有機過酸化物を0.02〜5.0重量部添加し、
120〜250°Cの温度で混練してMFR値を100
〜800g/10分になるようにポリプロピレン樹脂の
低分子量化を図ることができる。
【0028】また、MFR値が100g/10分未満の
溶融流動性に欠けるポリプロピレン樹脂を使用する場合
には、該ポリプロピレン樹脂に有機過酸化物を添加して
120〜250°Cの温度で溶融混練した後に、水素添
加スチレンブタジエンランダム共重合体ゴム(H−SB
R)を溶融混練することができる。H−SBRと有機過
酸化物を同時に溶融混練した場合、H−SBRが低分子
量化して成形シートの表面へ移行し、熱老化後に表面に
粘着性や光沢が発生する。
【0029】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2.5−ジメチル−
2.5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)
ベンゼン、1,1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1
分間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0030】該有機過酸化物は120〜250°Cの加
熱下で混練する過程で、ポリプロピレン樹脂の主鎖を切
断して分子量を低下させ、熱可塑性エラストマー組成物
に高い溶融流動性をもたせる。有機過酸化物の添加量は
熱可塑性エラストマー組成物中、0.02〜5.0重量
%であり、0.02重量%未満の場合にはポリプロピレ
ン樹脂の主鎖を切断する分解能力が少なく、熱可塑性エ
ラストマー組成物に高い溶融流動性を付与できなくな
る。一方、5.0重量%を越えると、分解が過剰にな
り、粉体成形品の引張強度等の機械的特性が低下する。
【0031】水素添加スチレンブタジエンランダム共重
合体ゴム(H−SBR)はポリプロピレン樹脂との相溶
性に優れており、ポリプロピレン樹脂に混練すると柔軟
になり、折曲げや白化しにくい熱可塑性エラストマー組
成物が得られる。H−SBRのスチレン含有量は30重
量%以下が好ましく、柔軟性に富む表皮を得るためには
5〜15重量%が適当である。
【0032】H−SBRは、スチレンとブタジエンがラ
ンダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを水素
添加している点で、ブロック共重合体であるSEBSと
異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム社製
の商品であるダイナロンシリーズがある。
【0033】ポリプロピレン樹脂とH−SBRとの混合
量は、重量比で80/20〜20/80の割合であり、
ポリプロピレン樹脂が多くなると、成形された表皮が硬
くなり、一方少なくなると引張強度が低下する。
【0034】本発明で使用する可塑剤としては、ポリテ
ルペン樹脂、石油樹脂、クマロンーインデン樹脂、そし
てそれらの水素添加誘導体のうちから選ばれた少なくと
も1種であり、上記テルペン樹脂は松、オレンジ等から
得られる天然精油を原料に合成される低分子量の天然系
の樹脂である。古くから粘・接着剤、フィルム、ポリマ
ー改質、インキ、塗料、ゴム等の幅広い分野に使用され
ているものであるが、ポリオレフィンとの相溶性が非常
に良好である。
【0035】上記水素添加テルペン樹脂はテルペン樹脂
よりも耐熱性、耐候性、色相、臭気を改善されている。
特に、水素添加テルペン樹脂は高度に精製されたテルペ
ンモノマーを原料に用いているため、不純物が存在しな
いことと分子構造上から、熱安定性が非常に良好であ
る。代表的なものとして、ヤスハラケミカル社製のクリ
アロンシリーズがある。
【0036】上記石油樹脂は石油類のクラッキングで副
生するジオレフィンまたはモノオレフィンのC5または
C9留分を重合させたものである。これを水素添加した
石油樹脂の使用が耐熱性および耐侯性に良好である。
【0037】上記の可塑剤を使用することによって、オ
イルや安定剤のブルーム防止効果があって、粉体時には
ブルームによる粘着が無くなり、粉体流動性が向上し、
ブロッキングもしなくなる。スラッシュ成形表皮におい
ては、放置や熱老化時にブルームによって生じる光沢・
粘着・白化が抑制される。添加量はエラストマー100
重量部に対して5〜200重量部が好ましい。
【0038】本発明では、プロセスオイルを添加するこ
とにより組成物中のエラストマー成分に吸収されて溶融
粘度を下げるとともに、表皮の硬度を下げ、柔軟性をも
たせる効果がある。上記プロセスオイルはゴム用に使用
されるものであり、パラフィン系、ナフテン系、アロマ
系に分類されるが、エラストマー成分との相溶性により
パラフィン系が好ましい。添加量は吸油能に優れたエラ
ストマー100重量部に対して5〜200重量部が好ま
しい。200重量部を越えると、引張物性が低下し、5
重量部未満になると、溶融粘度が下がらず表皮が硬くな
る。
【0039】吸油能に優れたエラストマーは、ポリプロ
ピレン樹脂と相溶性を有しており、プロセスオイルと組
成物中のオリゴマー成分を吸収する性質を有するもの
で、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックコ
ポリマー(SEBS)やスチレン・エチレンプロピレン
・スチレンブロックコポリマー(SEPS)等のスチレ
ン系ブロック共重合熱可塑性エラストマー、オレフィン
結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポ
リマー(CEBC)、エチレンプロピレンゴム(EP
R)、そしてエチレン・オクテン共重合体(POE)が
ある。
【0040】上記SEBSはスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体(SBS)を水素添加したもの
であり、シエル化学社製の商品であるクレイトンGシリ
ーズ、旭化成社製の商品であるタフテックHシリーズ等
が挙げられる。このSEBSではスチレン含量が増える
につれて強度が上昇するが、柔軟性が低下する。また、
同SEBSではスラッシュ成形時に溶融してスチレンハ
ードセグメントが凝集し、平滑なシート状成形体を得に
くいことがある。従って、スチレン含量は40%重量以
下がよい。
【0041】SEPSはスチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は40重量%以下がよい。
【0042】尚、上記吸油能に優れたエラストマーは、
H−SBRに比べてポリプロピレン樹脂に対する相溶性
が劣っており、ポリプロピレン樹脂に混練、添加する
と、μm単位の大きさで分散するので、引張物性が低下
する傾向にある。一方、ポリプロピレン樹脂にH−SB
Rとプロセスオイルを添加した場合には、H−SBRが
吸油能に劣るため、組成物中のオリゴマー成分が表面に
移行(ブリード)して粘着性をもち、これを用いて粉末
スラッシュ成形用に粉砕したエラストマー粉も粘着性を
もつため、ブロッキングしやすくなって粉体流動性、ま
た表皮も金型からの離型性に欠ける。しかし、ポリプロ
ピレン樹脂にH−SBR、プロセスオイルに吸油能に優
れたエラストマーを添加した場合には、組成物中のオリ
ゴマー成分とオイルを吸収してブリードをかなり阻止す
ることができる。ただし、完全ではなく多少ブリードし
ていた。そこで、上記の可塑剤を添加した場合は、プロ
セスオイルを減量することが可能となり、ブリードをほ
ぼ完全に無くすことができる。
【0043】上記吸油能に優れたエラストマーの添加量
は、H−SBR100重量部に対して20〜250重量
部である。20重量部未満になると、組成物中のオリゴ
マー成分とオイルを充分に吸収できなくなり、また25
0重量部を越えると、ポリプロピレン樹脂との分散が悪
くなり、引張物性が低下する傾向にある。
【0044】熱安定剤としては、通常のポリオレフィン
に用いられるものが使用できる。一般的には、フェノー
ルとリン系の酸化防止剤を併用して使用するが、特に限
定されるものではない。また、光安定剤としては、ラジ
カル捕捉剤であるヒンダードアミン、ベンゾトリアゾー
ル系のものが使用されることもある。顔料は通常のオレ
フィン系に適した有機、無機のものが使用される。更
に、脂肪酸金属塩等の滑剤や炭酸カルシウム、タルク等
の充填剤等が必要に応じて添加される。
【0045】これらの配合物の混合は下記の6つの方法
によって溶融混練される。 (1)MFR(メルトフローレイト JIS K721
0)が100〜800g/10分のポリプロピレン樹脂
に、H−SBRと、ポリエチレン樹脂等を同時に添加
し、これらを120〜250°Cの温度で混練する方法
であり、この場合には有機過酸化物を添加しない。
【0046】(2)MFR(メルトフローレイト JI
S K7210)が100〜800g/10分のポリプ
ロピレン樹脂に、H−SBR、ポリエチレン樹脂、吸油
能に優れたエラストマー等を同時に添加し、これらを1
20〜250°Cの温度で混練する方法であり、この場
合には有機過酸化物を添加しない。 (3)MFR(メルトフローレイト JIS K721
0)が100〜800g/10分のポリプロピレン樹脂
に、H−SBRと、ポリエチレン樹脂、プロセスオイ
ル、吸油能に優れたエラストマー等を同時に添加し、こ
れらを120〜250°Cの温度で混練する方法であ
り、この場合には有機過酸化物を添加しない。 (4)予めMFRが100g/10分未満のポリプロピ
レン樹脂に有機過酸化物を0.02〜5.0重量部添加
し、120〜250°Cの温度で混練してMFRを10
0〜800g/10分に調整したポリプロピレン樹脂
に、H−SBR、ポリエチレン樹脂等を同時に添加し、
これらを120〜250°Cの温度で混練する方法があ
る。
【0047】(5)MFRが100g/10分未満のポ
リプロピレン樹脂と吸油能に優れたエラストマーに有機
過酸化物を0.02〜5.0重量部添加し、120〜2
50°Cの温度で混練した後、更にこれにH−SBR、
ポリエチレン樹脂等を添加して120〜250°Cの温
度で混練する方法がある。
【0048】(6)MFRが100g/10分未満のポ
リプロピレン樹脂と吸油能に優れたエラストマーとプロ
セスオイルに有機過酸化物を0.02〜5.0重量部添
加し、120〜250°Cの温度で混練した後、更にこ
れにH−SBR、ポリエチレン樹脂等を添加して120
〜250°Cの温度で混練する方法がある。
【0049】添加混練方法は添加剤をV型ブレンダー、
タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いてドライブレ
ンドしたものを原料供給ホッパーより供給し、プロセス
オイルはベント口より注入し、120〜250°Cの範
囲に温度調節した二軸押出機で溶融混練してペレット化
する。
【0050】また、密閉式混練機であるニーダー、バン
バリーミキサー等によってエラストマー成分であるH−
SBRと吸油能に優れたエラストマーにプロセスオイル
を添加して混練してペレット化した後、このペレットと
ポリプロピレン樹脂とドライブレンドして、120〜2
50°Cの範囲に温度調節した一軸あるいは二軸押出機
で溶融混練してペレット化することもできる。
【0051】得られたペレットの溶融粘度であるMFR
は230℃、2.16kgfの荷重で20g/10分以
上が好ましい。これ未満になると、組成物の溶融流動性
が小さくなって表皮にピンホールが発生する傾向があ
る。
【0052】上記の配合から得られたペレットは、ター
ボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機を
用いて微粉砕される。この時通常では液体窒素を用いて
冷凍粉砕される。また、配合によっては溶融樹脂をスプ
レあるいはディスクアトマイザーによって噴霧し冷却す
ることによって粉体化することができる。粉砕されたも
のは篩い等によって粒径が少なくとも1,000μmの
篩を通過し、平均粒径が100〜800μmのものが集
められ、これに有機あるいは無機の粉体性改良剤を添
加、混合して粉末スラッシュ成形用に使用する。
【0053】次いで、エラストマー組成物を用いて粉末
スラッシュ成形を行う。この成形では組成物の融点以上
に加熱された型にこれを主として重力で落下させて投入
し、一定時間経過後に型を反転し、余分の組成物を回収
箱に集める。型表面には組成物が層となって付着してお
り、時間経過とともに溶融してスキン層が形成される。
そして、型を冷却してスキン層を脱型するものであり、
これが繰り返し行われる。
【0054】型の加熱方法としては、オイル循環あるい
は熱風炉へ入れる方法が一般的である。オイル循環はパ
イプ配管配置により型温度調整が容易であるが、型面か
らのみ加熱される。一方、熱風炉を用いると、型面およ
び成形物裏面の両面からの加熱が可能であるが、生産性
を考慮して熱風を300°C以上に設定することが多い
ため、成形物裏面の熱酸化劣化を起こさないように処方
や条件を配慮する必要がある。
【0055】熱風方式は、粉末スラッシュ成形を多層
(2ないし3)に行う時に有効である。即ち、加熱され
た型に最外層となる1回目の粉末をスラッシュ成形し、
半溶融状態で2回目の粉末を付着させ、そして必要なら
3回目もスラッシュ成形し、その後加熱溶融する。この
場合、型面側のみからの加熱では、熱伝達が不充分なの
で成形物裏面からの加熱も可能な熱風炉方式が用いられ
ることが多い。
【0056】また、本実施例では、内層と外層を積層し
た複合表皮を成形体の一つである自動車用インストルメ
ントパネルに適用することができる。図1は自動車用イ
ンストルメントパネルの全体外観斜視図、図2は図1の
X−X断面図、そして図3は図2のA部拡大図である。
【0057】これによると、インストルメントパネル1
はソフト部2とハード部3に区分され、ソフト部2にお
いては表面にはシボ付き模様をもった外層4aと内層4
bの2層からなるスラッシュ成形表皮4で覆われ、裏面
には合成樹脂からなる芯材5が位置し、スラッシュ成形
表皮4と芯材5の間にはポリウレタンフォームを用いた
発泡層6が設けられている。他方、ハード部3では外層
4aと内層4bの2層からなるスラッシュ成形表皮4と
芯材5が密着した状態になっている。
【0058】上記スラッシュ成形表皮4は外層4aと内
層4bからなる複合表皮であり、外層4aはポリプロピ
レン樹脂、水素添加スチレンブタジエンランダム共重合
体ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマ
ー、そして内部離型剤からなる熱可塑性エラストマー組
成物の粉末をスラッシュ成形したものである。
【0059】一方、内層4bは少なくともポリプロピレ
ン樹脂、水素添加スチレンブタジエンランダム共重合体
ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
活性水素を有するオレフィン系ポリマー、イソシアネ−
トの反応を促進する触媒、そして少なくとも石油樹脂、
テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、又はそれらの
水素添加誘導体のうちから選ばれた少なくとも1種類の
可塑剤を添加した熱可塑性エラストマー組成物の粉末を
スラッシュ成形したものである。
【0060】外層4aは内部離型剤を含んでいるため金
型との脱型性も向上し、内層4bは活性水素を有するオ
レフィン系ポリマー(接着改良剤)やイソシアネートと
の反応を促進する触媒を含んでいるため、発泡層6や芯
材5との接着力が向上する。
【0061】また、上記外層4aの表面には、ウレタン
系或いはアクリルウレタン系からなる塗装膜(図示せ
ず)を形成し、外層4aの表面を補強して外傷を阻止す
ることが出来る。外層4aに塗装膜を強固に接着させる
ための表面処理剤を使用することが望ましい。
【0062】上記スラッシュ成形表皮4の内層4bに使
用する活性水素を有するオレフィン系ポリマーとして、
酸変性ポリプロピレン樹脂、水酸基含有ポリプロピレン
樹脂、エチレン・酢酸ビニルコポリマーの加水分解物、
末端カルボキシル基ポリブタジエン、末端水酸基ポリブ
タジエン、末端カルボキシル基ポリブタジエン水素添加
物、末端水酸基ポリブタジエンの水素添加物、酸変性ス
チレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アク
リル酸共重合体を挙げることができる。尚、実施例では
OH変性ポリオレフィンを使用している。この添加量は
2〜20重量%が好ましく、2重量%未満では接着性の
改良効果が少なく、一方20重量%を越えると引張強度
の低下が大きくなる。
【0063】スラッシュ成形表皮4の内層4bに使用す
るイソシアネ−トの反応を促進する触媒としては、ジブ
チルチンジラウレート、ジブチルチンジステアレート等
の有機錫化合物、テトラアルキルエチレンジアミン、
N,N’−ジアルキルベンジルアミン等の3級アミン化
合物、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の脂肪
酸塩、アルカリ金属のカルボン酸塩等を挙げることがで
きる。上記触媒の添加量は、ポリプロピレン樹脂、水素
添加スチレンブタジエンランダム共重合体ゴム、吸油能
に優れたエラストマー、及び活性水素を有するオレフィ
ン系ポリマーからなる熱可塑性エラストマー組成物10
0重量部に対して0.01〜2重量部配合され、0.0
1重量部未満では発泡層との接着力が小さくて効果が乏
しく、また2重量部を越えると表面移行による悪影響が
でる。
【0064】本発明のスラッシュ成形表皮4の内層4b
に使用できる熱安定剤としては、前述の通りであり、通
常のポリオレフィンに用いられるものが使用できる。一
般的には、フェノールとリン系の酸化防止剤を併用して
使用するが、特に限定されるものではない。また、光安
定剤としては、ラジカル捕捉剤であるヒンダードアミ
ン、ベンゾトリアゾール系のものが使用されることもあ
る。顔料は通常のオレフィン系に適した有機、無機のも
のが使用される。更に、脂肪酸金属塩等の滑剤や炭酸カ
ルシウム、タルク等の充填剤等が必要に応じて添加され
る。
【0065】次いで、上記エラストマー組成物の粉体を
用いてスラッシュ成形を行う。この成形では外層4aに
使用する組成物の融点以上に加熱された型にこれを主と
して重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反
転し、余分の組成物を回収箱に集める。型表面には組成
物が層となって付着しており、時間経過とともに溶融し
て厚さ0.3〜1.0mmの外層が形成される。続い
て、内層4bに使用する組成物を外層の上に落下させて
投入し、一定時間経過後に型を反転し、余分の組成物を
回収箱に集める。外層4aに付着した層は時間経過とと
もに溶融して厚さ0.1〜0.5mmの内層が形成され
る。そして、型を冷却してスラッシュ成形表皮4を脱型
するものであり、これが繰り返し行われる。
【0066】型の加熱方法としては、前述の通り、オイ
ル循環あるいは熱風炉へ入れる方法が一般的である。
【0067】上記の粉末スラッシュ成形によって得られ
たスラッシュ成形表皮4を外層4aが型面に触れるよう
に一方の型に装着する。そして、他方の型にポリプロピ
レン、ABS、ポリスチレンのような合成樹脂からなる
芯材5を設置し、これらの間にポリウレタンのような発
泡原液を注型して発泡層6を形成してスラッシュ成体表
皮付き成形体を形成する。
【0068】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1〜2、比較例1 二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)で2回混練り
を行っている。1回目の混練りではポリプロピレン樹
脂、吸油能に優れたエラストマー、有機過酸化物、離型
剤、をタンブラーでドライブレンドしたものを、二軸押
出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原料供給ホッパー
より供給し、プロセスオイルをベント口より注入しなが
ら230°C、100rpmで混練して押出しペレット
化した。続いて、1回目の混練りで作製したペレットに
H−SBR、水素添加テルペン樹脂、安定剤をタンブラ
ーでドライブレンドしたものを、二軸押出機(池貝鉄鋼
社製、PCM45)の原料供給ホッパーより供給し、2
20°C、300rpmで混練して押出しペレット化し
た。表1には各材料の重量部数を示す。尚、表中の括弧
はこの2回目の混練時に添加したものを示す。上記で得
られたペレットを液体窒素に浸し、ターボミルT250
−4J(ターボ工業社製)に投入して粉砕し、1,00
0μmの篩い通過分のみを集めた。
【0069】実施例3〜5、比較例2 実施例3、5では、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM
45)で2回混練りを行っている。1回目の混練りでは
ポリプロピレン樹脂、有機過酸化物をタンブラーでドラ
イブレンドしたものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、P
CM45)の原料供給ホッパーより供給し、230°
C、100rpmで混練して押出しペレット化した。
続いて、1回目の混練りで作製したペレットにH−SB
R、ポリエチレン樹脂、吸油能に優れたエラストマー、
水素添加テルペン樹脂、離型剤、安定剤をタンブラーで
ドライブレンドしたものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社
製、PCM45)の原料供給ホッパーより供給し、22
0°C、300rpmで混練して押出しペレット化し
た。尚、表中の括弧はこの2回目で添加したものを示
す。実施例4、比較例2では、ポリプロピレン樹脂、H
−SBR、水素添加テルペン樹脂、離型剤、安定剤をタ
ンブラーでドライブレンドしたものを、二軸押出機(池
貝鉄鋼社製、PCM45)の原料供給ホッパーより供給
し、220°C、300rpmで混練して押出しペレッ
ト化した。表2には各材料の重量部数を示す。尚、表中
の括弧はこの2回目で添加したものを示す。上記で得ら
れたペレットを液体窒素に浸し、ターボミルT250−
4J(ターボ工業社製)に投入して粉砕し、1,000
μmの篩い通過分のみを集めた。
【0070】次に、上記粉体組成物を用いて粉末スラッ
シュ成形を行った。粉末スラッシュ成形の方法として
は、まず皮シボ模様のついた150mm×150mm×
3mmの板をオーブン中で280°Cに加熱し、その上
に上記粉体組成物を約800gのせて10分間置いて付
着させた後、溶融付着しなかった粉体を除いて、350
°Cに調節したオーブン中で30秒間加熱し、オーブン
より取り出し水冷して、厚さ約0.8mmの表皮を脱型
した。
【0071】上記ペレットの溶融粘度、粉体流動性、表
皮の引張物性、熱老化後の表皮表面の粘着と光沢の有無
の評価を下記の方法で行った。得られた結果を表1、2
に示す。
【0072】溶融粘度はペレットをJIS K7210
により230°C、2.16kgfの荷重でメルトフロ
ーレートを測定した。
【0073】粉体流動性は、ブロッキングのし易さを触
手で判定した。ブロッキングの無いものを○、あるもの
を×とし、表1、2に併記する。
【0074】スラッシュシートの成形性は、スラッシュ
成形で得られた表皮のピンホールが目視で見られないも
のを○、多数見られるものを×とした。
【0075】引張物性は、スラッシュ成形で得られた表
皮をJIS3号ダンベルで打ち抜き、引張速度200m
m/分で引張強度と伸びを測定した。
【0076】熱老化後の物性については、表皮を120
°Cに調節したオーブン中で100時間および200時
間熱老化した後、引張強度と伸びを測定した。これらの
結果と熱老化前の物性に対する引張強度保持率、伸び保
持率を表1、2に併記する。
【0077】熱老化後の表皮表面の粘着と光沢の有無に
ついては、表皮を120°Cに調節したオーブン中で1
00時間または200時間熱老化した後、その表面の粘
着性は触手で、光沢性は目視により優劣を判断した。表
面に光沢性の見られないものを○、多少見られるものを
×にした。 これらの結果を表1、2に併記する。
【0078】
【表1】
【0079】この結果、実施例1〜2では、ペレットの
MFRがJIS K7210により230℃,2.16
kgfの荷重で20g/10分以上で溶融流動性に富み
シート成形性が良く、熱老化後の表皮表面には粘着性と
光沢性が見られなかった。また、熱老化後の引張強度お
よび伸びの保持率が非常に優れている。
【0080】
【表2】
【0081】また、実施例3〜5では水素添加テルペン
樹脂を添加することでペレットのMFRがJIS K7
210により230℃,2.16kgfの荷重で20g
/10分以上となり溶融流動性に富みシート成形性が良
くなっている。比較例2では、MFRがJIS K72
10により230℃,2.16kgfの荷重で20g/
10分以下であり、溶融流動性が悪くピンホールが多数
見られる。
【0082】実施例6〜7、比較例3〜4(複合表皮) 外層として、表1(実施例6〜7、比較例3〜4)に示
すようにポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、吸油能に優
れたエラストマー(POE)、内部離型剤、エチレンビ
スベヘニン酸アマイド、有機過酸化物をタンブラーでド
ライブレンドしたものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、
PCM45)の原料供給ホッパーより供給し、プロセス
オイルをベント口より注入しながらシリンダー温度21
0°C、スクリュー回転数300rpmで混練し、更に
続いてH−SBR、プロセスオイル、フェノール系抗酸
化剤、ホスファイト系酸化剤をドライブレンドしたもの
を同様の二軸押出機の原料供給ホッパーより供給し、プ
ロセスオイルをベント口より注入しながら同一の条件で
混練し、押出してペレット化した。尚、表中の重量部数
に括弧を付けた材料は2回目に添加したものである。そ
して、ターボミルT250−4J(ターボ工業社製)に
液体窒素に浸したペレットを投入して粉砕し、1,00
0μmの篩い通過分のみを集めた。
【0083】また、内層の1成分である可塑剤として水
素添加テルペン樹脂クリアロンP−125(安原ケミカ
ル社製)を添加し、外層と同様の条件にて二軸押出機で
混練を行い、押出してペレット化し、そしてターボミル
T250−4J(ターボ工業社製)に液体窒素に浸した
ペレットを投入して粉砕し、1,000μmの篩い通過
分のみを集めた粉末を使用した。
【0084】次に、上記外層用の粉体を用いてスラッシ
ュ成形を行った。スラッシュ成形の方法としては、例え
ば皮シボ模様のついた150mm×150mm×3mm
の板をオーブン中で250°Cに加熱し、その上に上記
粉体を約800gのせて10秒前後置いて付着させた
後、溶融付着しなかった粉体を除いて、300°Cに調
節したオーブン中で60秒間加熱して厚さ0.6mmの
外層を成形した。続いて、この外層の上に約800gの
内層用の粉体を約10秒間載せると、0.2mmの層が
形成した。その後、再度300°Cに調節したオーブン
にて60秒程度溶融させ、その後オーブンより取り出し
水冷して、厚さ約0.8mmの表皮を脱型した。
【0085】外層の耐スクラッチ性を向上させるため
に、外層の表面に大日精化工業社製の表面処理剤レザロ
イドLU−775SPをスプレーで塗布し、その上にウ
レタン系透明塗料レザロイドLU−2408をスプレ−
により表面塗装後、80℃のオーブンで30分乾燥加熱
した。その表皮を用いた接着性評価では、300×20
0×8mmの窪みを有する340×200×12mmの
鉄板を金型として用い、40°Cのオーブンで加熱後、
窪み底部に表皮を置き、予め配合した半硬質ウレタンフ
ォーム原料液約100g注入し、直ちにアルミ板で密封
し、40°Cのオーブンで4分間加熱して表皮とウレタ
ンフォーム積層体を得た。これを幅25mm、長さ15
0mmに切り出し、評価用サンプルとした。
【0086】表皮とウレタンフォーム層間における18
0°剥離強度と剥離状態を引張速度200mm/秒で評
価した。剥離状態は全面ウレタンフォームの凝集破壊の
場合を100%、部分的凝集破壊の場合をその%で表し
た。また、その表皮を用いた接着性評価は、表面塗装処
理後の日数経過後(7日)にも行った。高温時の接着性
は120℃雰囲気中で上記評価サンプルの表皮側に15
0g/2.5cmの荷重をかけ30分間放置し、表皮と
ウレタンフォームが剥離せず保持しているかどうかを評
価した。引張物性は、スラッシュ成形で得られた表皮を
JIS3号ダンベルで打ち抜き、引張速度200mm/
分で引張強さと伸びを測定した。
【0087】溶融粘度はペレットをJIS K7210
により230°C、2.16kgfの荷重でメルトフロ
ーレートを測定した。これらの結果を表3(実施例6〜
7、比較例3〜4)に併記する。粉体性試験は、パウダ
ーテスター(ホソカワミクロン社製)を用い、粉体性改
良剤を添加した粉体組成物及び20枚以上成形後の粉体
組成物の安息角を測定した。
【0088】
【表3】
【0089】この結果、実施例では、水素添加テルペン
樹脂を添加した内層は溶融流動性が向上していることが
わかる。また表皮の金型からの脱型性も良好で、表皮の
内層とウレタンフォームとの剥離強度が高く、高温時の
接着力も高いサンプルが得られた。また、水素添加テル
ペン樹脂を添加した内層は表面塗装処理のアニール後
も、ウレタンフォームとの接着性が良好で、かつ日数経
過後もウレタンフォームとの剥離強度・剥離状態が維持
されていることがわかる。高温時の接着力も同様の現象
が見られた。また、粉体性に関しても、水素添加テルペ
ン樹脂を添加した内層側の粉末は、粉体流動性を維持し
ていることが判る。また、引張物性に関しても、水素添
加テルペン樹脂を添加した内層は優れている。
【0090】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1〜10記載
の発明では、溶融流動性に富んでシート性が良好で、溶
融流動性に優れ、引張強度に優れ、熱老化後も成形シー
ト表面に粘着の光沢の発生がないものを得ることができ
る。熱老化後の物性に関しても、引張強度および伸びの
保持率が非常に優れている。更に、上記熱可塑性エラス
トマー組成物は、メルトフローレート(MFR)が23
0℃、2.16kgfの荷重で20g/10分以上であ
って溶融流動性に富みスラッシュ成形時のシート成形性
が良好であり、またこの粉末をスラッシュ成形して得ら
れた表皮も放置及び熱老化後においても、光沢・粘着・
白化などの表面状態の変化がなく優れている。
【0091】また、本願の請求項11〜16記載の発明
では、外層と内層からなる少なくとも2層を連続してス
ラッシュ成形され、外層が金型の離型性に優れた特性を
付与し、一方内層が接着性に優れ、またスラッシュ成形
表皮の外層が金型の離型性に優れた特性をもち、金型か
ら脱型しても表皮の変形も少なく、一方内層が接着性に
優れ、発泡層や芯材と良好に接合する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表皮を用いた自動車用インストルメン
トパネルの全体外観斜視図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【符合の説明】
1 インストルメントパネル 2 ソフト部 3 ハード部 4 複合表皮 4a 外層 4b 内層 5 芯材 6 発泡層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡沢 学秀 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 3D054 AA03 AA14 BB09 BB10 BB30 FF01 FF02 FF03 4J002 AC11X AE05U BA00Y BA01Y BB08Z BB12W BK00Y GN00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラッシュ成形表皮の材料として使用す
    る熱可塑性エラストマー組成物において、少なくともポ
    リプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンランダ
    ム共重合体ゴム、内部離型剤に、ポリテルペン樹脂、石
    油樹脂、クマロンーインデン樹脂、そしてそれらの水素
    添加誘導体のうちから選ばれた少なくとも1種の可塑剤
    を含むことを特徴とするスラッシュ成形用熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  2. 【請求項2】 上記の可塑剤がテルペン樹脂またはその
    水素添加誘導体である請求項1記載のスラッシュ成形用
    熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 吸油性に優れたエラストマーを添加した
    請求項1または2記載のスラッシュ成形用熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  4. 【請求項4】 吸油性に優れたエラストマーがエチレン
    ・オクテン共重合体である請求項3記載のスラッシュ成
    形用熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 プロセスオイルを添加した請求項1、
    2、3または4記載のスラッシュ成形用熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  6. 【請求項6】 少なくともポリプロピレン樹脂、水素添
    加スチレンブタジエンランダム共重合体ゴム、内部離型
    剤に、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、クマロンーインデ
    ン樹脂、そしてそれらの水素添加誘導体のうちから選ば
    れた少なくとも1種の可塑剤を含む熱可塑性エラストマ
    ー組成物をスラッシュ成形したことを特徴とするスラッ
    シュ成形表皮。
  7. 【請求項7】 上記の可塑剤がテルペン樹脂またはその
    水素添加誘導体である請求項6記載のスラッシュ成形表
    皮。
  8. 【請求項8】 吸油性の優れたエラストマーを添加した
    熱可塑性エラストマー組成物をスラッシュ成形した請求
    項6または7記載のスラッシュ成形表皮。
  9. 【請求項9】 プロセスオイルを添加した熱可塑性エラ
    ストマー組成物をスラッシュ成形した請求項6、7また
    は8記載のスラッシュ成形表皮。
  10. 【請求項10】 プロセスオイルを添加した請求項6、
    7、8または9記載のスラッシュ成形表皮。
  11. 【請求項11】 スラッシュ成形に使用する粉末状の熱
    可塑性エラストマー組成物であり、少なくともポリプロ
    ピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエンランダム共重
    合体ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマ
    ー、活性水素を有するオレフィン系ポリマー、イソシア
    ネ−トの反応を促進する触媒、そして石油樹脂、テルペ
    ン樹脂、クマロン−インデン樹脂、又はそれらの水素添
    加誘導体のうちから選ばれた少なくとも1種の可塑剤を
    含むことを特徴とするスラッシュ成形用熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  12. 【請求項12】 上記の可塑剤がテルペン又はそれの水
    素添加誘導体である請求項11記載のスラッシュ成形用
    熱可塑性エラストマー組成物。
  13. 【請求項13】 吸油能に優れたエラストマーが長鎖分
    岐構造をもつエチレン・オクテン共重合体である請求項
    11または12記載のスラッシュ成形用熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  14. 【請求項14】 少なくとも外層と内層を積層した複合
    表皮において、上記外層として少なくともポリプロピレ
    ン樹脂、水素添加スチレンブタジエンランダム共重合体
    ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れたエラストマー、
    そして内部離型剤からなる熱可塑性エラストマー組成物
    の粉末をスラッシュ成形し、更にその内層として少なく
    ともポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジエン
    ランダム共重合体ゴム、プロセスオイル、吸油能に優れ
    たエラストマー、活性水素を有するオレフィン系ポリマ
    ー、イソシアネ−トの反応を促進する触媒、そして石油
    樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、又はそ
    れらの水素添加誘導体のうちから選ばれた少なくとも1
    種の可塑剤を含む粉末をスラッシュ成形したことを特徴
    とするスラッシュ成形表皮。
  15. 【請求項15】 上記の可塑剤がテルペン又はそれの水
    素添加誘導体である請求項14記載のスラッシュ成形表
    皮。
  16. 【請求項16】 吸油能に優れたエラストマーが長鎖分
    岐構造をもつエチレン・オクテン共重合体である請求項
    14または15記載の複合表皮。
JP11147570A 1999-03-17 1999-05-27 スラッシュ成形用熱可塑性エラストマー組成物およびスラッシュ成形表皮。 Abandoned JP2000336220A (ja)

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