JP2000335213A - タイヤ付きホイールおよびタイヤ - Google Patents

タイヤ付きホイールおよびタイヤ

Info

Publication number
JP2000335213A
JP2000335213A JP11144387A JP14438799A JP2000335213A JP 2000335213 A JP2000335213 A JP 2000335213A JP 11144387 A JP11144387 A JP 11144387A JP 14438799 A JP14438799 A JP 14438799A JP 2000335213 A JP2000335213 A JP 2000335213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
wheel
tread
sidewall
extending
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11144387A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Kimura
嘉昌 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topy Industries Ltd
Original Assignee
Topy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topy Industries Ltd filed Critical Topy Industries Ltd
Priority to JP11144387A priority Critical patent/JP2000335213A/ja
Publication of JP2000335213A publication Critical patent/JP2000335213A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗り心地と騒音を改善できるタイヤ付きホイ
ールまたはタイヤの提供。 【解決手段】 タイヤ部10とホイール部20とからな
り、タイヤ部10はダンパー部16と結合部15を有
し、ホイール部20は半径方向伸長部10と軸方向伸長
部20を有し、タイヤ部10は結合部15にてホイール
部20に固定されているタイヤ付きホイール。ダンパー
部16を有するタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用タイヤ付
きホイール(タイヤを加硫接着により一体に有するホイ
ール)およびタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境を守る観点から自動車の
燃費低減が重要課題となり、タイヤの転がり抵抗削減が
強く求められている。その手段は多々あるが、中でもタ
イヤのサイドウォール部の撓みを抑える方法は効果が大
きく、高空気圧化したタイヤや、高さが低いすなわち内
外径の差が小さいロープロファイルタイヤや、サイドウ
ォールの厚みをを増したタイヤ、等の採用が増加しつつ
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サイドウォー
ル部の撓みを抑制したタイヤでは、これまでタイヤが果
たしてきた路面から車体への振動伝達緩和の役割が低減
するので、つぎの問題を生じる。 乗り心地の悪化を生じる(いわゆる、ゴツゴツ
感)。その原因は、通常のタイヤに比べて、10Hz以
上の領域の上下方向振動があまり減衰されないことによ
る。 同じ理由でロードノイズ(路面を走行した時のザー
ッという騒音)が悪化する。車の構造上、200〜30
0Hzに共振点がある。 操安性はタイヤのコーナリングフォースが上がり全
般にはよくなるが、キャンバースラストが減り轍取られ
が悪化する。また、互いに別体のタイヤとホイールの組
み合わせからなる車輪では、一般につぎの問題がある。 アンバランス、ユニフォーミティ補償のために、バ
ランスウエイトの取付けとバランス取り作業が必要とな
る。 縁石に衝突してリムフランジに変形が生じた場合に
タイヤのエア洩れが生じないか生じにくい構造とされる
必要があり、リム厚が厚くなる。 急旋回時等においてリムが路面に接触し車両横転に
対する防止対策が必要となる。 リムとタイヤの接触によりエアシールをはかってい
るので、長期間の放置により空気圧の低減(エア抜け)
が起こることがあり、空気圧のチェックが必要である。 本発明の目的は、乗り心地を改良できるタイヤ付きホイ
ールおよびタイヤを提供することにある。本発明の別の
目的は、乗り心地を改良できるとともに、ロードノイズ
を低減できるタイヤ付きホイールおよびタイヤを提供す
ることにある。本発明の別の目的は、乗り心地を改良で
きるとともに、操安性を改善できるタイヤ付きホイール
およびタイヤを提供することにある。本発明の別の目的
は、乗り心地を改良できるとともに、自動調芯を達成で
きるタイヤ付きホイールおよびタイヤを提供することに
ある。本発明の別の目的は、乗り心地を改良できるとと
もに、縁石衝突時のリムの変形の問題を除去できるタイ
ヤ付きホイールを提供することにある。本発明の別の目
的は、乗り心地を改良できるとともに、急旋回時のリム
タッチによる車両横転を防止できるタイヤ付きホイール
を提供することにある。本発明の別の目的は、乗り心地
を改良できるとともに、エアシールを向上できるタイヤ
付きホイールを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) タイヤ部とホイール部とからなり、前記タイヤ
部はトレッド部とトレッド部に連なるサイドウォール部
とサイドウォール部に連なりタイヤ軸方向内側に延びる
延設部とを有し、前記延設部はホイール部との結合部と
該結合部とサイドウォール部とを連結するダンパー部と
を有し、前記ホイール部は半径方向伸長部と該半径方向
伸長部からホイール部軸方向に延び前記タイヤ部の結合
部を支持する軸方向伸長部とを有する、タイヤ付きホイ
ール。 (2) タイヤ部とホイール部とからなり、前記タイヤ
部はトレッド部とトレッド部に連なるサイドウォール部
とサイドウォール部に連なるビード部とビード部からタ
イヤ軸方向内側に延びる延設部とを有し、前記延設部は
ホイール部との結合部と該結合部とビード部とを連結す
るダンパー部とを有し、前記ホイール部は半径方向伸長
部と該半径方向伸長部からホイール部軸方向に延び前記
タイヤ部の結合部を支持する軸方向伸長部とを有する、
タイヤ付きホイール。 (3) 前記タイヤ部の前記延設部の前記結合部は前記
ホイール部の前記軸方向伸長部に加硫接着されている
(1)または(2)記載のタイヤ付きホイール。 (4) 前記ホイール部の前記軸方向伸長部の、前記半
径方向伸長部から遠い側の端部またはその近傍に、前記
タイヤ部の結合部が前記ホイール部の前記半径方向伸長
部からホイール部軸方向に離れる方向にずれることを防
止するストッパー部が形成されている(1)または
(2)記載のタイヤ付きホイール。 (5) 前記ホイール部には、前記タイヤ部が上下また
は斜め上下方向に所定量以上前記ホイール部に対して変
位した時に前記タイヤ部に当たってそれ以上の変位を抑
制する過大変位抑制機構が設けられている(1)または
(2)記載のタイヤ付きホイール。 (6) 前記タイヤ部には、前記結合部に前記トレッド
部に向かって延びるランフラット部が形成されている
(1)または(2)記載のタイヤ付きホイール。 (7) 前記ホイール部には、2つの前記タイヤ部の結
合部の間の位置にエアバルブを装着する孔が形成されて
いる(1)または(2)記載のタイヤ付きホイール。 (8) トレッド部とトレッド部に連なるサイドウォー
ル部とサイドウォール部に連なりタイヤ軸方向内側に延
びる延設部とを有し、前記延設部はホイール部との結合
部と該結合部とサイドウォール部とを連結するダンパー
部とを有しているタイヤ。 (9) トレッド部とトレッド部に連なるサイドウォー
ル部とサイドウォール部に連なるビード部とビード部か
らタイヤ軸方向内側に延びる延設部とを有し、前記延設
部はホイール部との結合部と該結合部とビード部とを連
結するダンパー部とを有しているタイヤ。
【0005】上記(1)または(2)のタイヤ付きホイ
ールまたは上記(8)または(9)のタイヤでは、タイ
ヤ部がダンパー部を有するので、車体をマスとしダンパ
ー部をばねとした振動系の、ダンパー部の上下方向ばね
定数を、10Hz以上、たとえば10〜20Hzの振動
減衰用にチューニングすることにより、乗り心地が良く
なる(10〜20Hz域におけるごつごつ感が無くな
る)。また、ダンパー部をばねとし、トレッド部、サイ
ドウォール部、(ビード部)をマスとした振動系を考え
ダンパー部のばね定数をチューニングしてロードノイズ
上問題となる200〜300Hz域の振動伝達を低減
し、騒音低下をはかることができる。また、ダンパー部
は柔構造なので、タイヤトレッド部は路面形状に追随し
て変形するためグリップが向上し、轍取られが抑制さ
れ、操安性が向上する。また、ダンパー部は柔構造なの
で、タイヤ付きホイールは自分で回転中心を選択して回
転する、すなわち自動調芯機能を持ち、アンバランス、
ユニフォーミティ補償のためのバランスウエイト装着や
バランス取り作業が不要となる。また、上記(1)また
は(2)のタイヤ付きホイールでは、リムフランジとタ
イヤビードの接触でエアシールする構造ではないため、
縁石に衝突した時のリムフランジの変形、エア洩れの問
題が無い。また、上記(1)または(2)のタイヤ付き
ホイールでは、ホイール部にはリムフランジに対応する
ものがないので、車両急旋回時のリムフランジの路面接
触(リムタッチ)による車両横転等の問題が無い。上記
(3)のタイヤ付きホイールでは、タイヤ部の延設部の
結合部はホイール部の軸方向伸長部に加硫接着されてい
るので、接触によるシールと異なり、シールが向上し、
エア抜け、エア洩れの心配が少なくなる。上記(4)の
タイヤ付きホイールでは、ストッパー部が形成されてい
るので、車両旋回時の遠心力による横荷重に対しても、
タイヤ部とホイール部との接着強度が保証される。上記
(5)のタイヤ付きホイールでは、ホイール部に過大変
位抑制機構が設けられているので、タイヤ部が上下また
は斜め上下方向に所定量以上ホイール部に対して変位し
た時に過大変位抑制機構がタイヤ部に当たってそれ以上
の変位を抑制することができる。上記(6)のタイヤ付
きホイールまたは上記(8)または(9)のタイヤで
は、タイヤ部の結合部にトレッド部に向かって延びるラ
ンフラット部が形成されているので、たとえタイヤがパ
ンクしても過大な変形が抑制され車は走ることができ
る。上記(7)のタイヤ付きホイールでは、ホイール部
の2つのタイヤ部の結合部の間の位置にバルブを装着す
る孔が形成されているので、バルブ取付け構造が単純化
される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例のタイ
ヤ付きホイールおよびタイヤを示しており、図2は本発
明の第2実施例のタイヤ付きホイールおよびタイヤを示
している。図3〜図7は本発明のいずれの実施例にも適
用可能な特性を示している。本発明の第1実施例、第2
実施例に共通または類似する部分には、本発明の第1実
施例、第2実施例にわたって同じ符号を付してある。ま
ず、本発明の第1実施例、第2実施例にわたって共通ま
たは類似する部分を、図1を参照して説明する。
【0007】本発明のタイヤ付きホイールは、タイヤ部
10とホイール部20とを有する。本発明のタイヤは、
このタイヤ付きホイールのうち、タイヤ部10の部分の
みからなる(以下ではタイヤ付きホイールを説明するの
で、そのうちのタイヤ部10の説明が本発明のタイヤの
説明となる)。本発明のタイヤ付きホイールまたは本発
明のタイヤにおいて、タイヤ部10はゴム(スチールコ
ードを埋め込んだものを含む)であり、ホイール部20
は金属、たとえばアルミ合金またはスチール、あるいは
硬質の樹脂である。タイヤ部10は周方向に全周にわた
って連続している。タイヤ部10とホイール部20とは
互いに離脱不能に固定されており、たとえば加硫接着に
より一体化されている。固定は加硫接着の他に、機械的
結合であってもよい。
【0008】タイヤ部10は、タイヤ幅方向中心を通る
中心線に対して左右対称かまたはほぼ左右対称である。
タイヤ部10は、幅方向両端部を有するトレッド部11
(1つある)と、トレッド部11の幅方向各端部に連な
るサイドウォール部12(2つある)と、各サイドウォ
ール部12に連なる各ビード部13(2つある)と、各
ビード部13からタイヤ軸方向内側に延びる延設部14
(2つある)とを、有する。ここで、ビード部13は必
しも無くてもよく、ビード部13が無い場合は、延設部
14は直接サイドウォール部12に連なる。各延設部1
4は、ホイール部20との結合部15と、結合部15と
ビード部13(ビード部13が無い場合はサイドウォー
ル部12)とを連結するダンパー部16とを、有する。
2つの結合部15はタイヤ幅方向に離れている。
【0009】ホイール部20は、半径方向伸長部21
と、半径方向伸長部21からホイール部軸方向に延びタ
イヤ部10の結合部15を支持する軸方向伸長部22と
を有する。タイヤ部10は、ホイール部20に、軸方向
伸長部22にて加硫接着されて互いに一体化されてい
る。半径方向伸長部21には、ハブ孔23およびボルト
孔24が形成されている。軸方向伸長部22は、ほぼ直
線状にまたは半径方向に凹凸して、軸方向に延びてい
る。ただし、軸方向伸長部22は、従来のリムのフラン
ジ部に対応する部分を有していない。軸方向伸長部22
は、図示例では、従来のドロップ部に対応する部分を有
していないが、ドロップ部に対応する部分を有していて
もよい。半径方向伸長部21の外周径は軸方向伸長部2
2の外周径と等しいかそれより小で、タイヤ部10とホ
イール部20の固定時に、タイヤ部10を半径方向伸長
部21側から軸方向伸長部22の外周に、挿入、装着す
ることができるようになっている。
【0010】ホイール部20の半径方向伸長部21の外
周とタイヤ部10のビード部13の内周との間には、半
径方向に所定量の隙間(ギャップ)δがある。ホイール
部20には、タイヤ部10が上下または斜め上下方向に
所定量δ以上ホイール部20に対して変位した時にタイ
ヤ部10に当たってそれ以上の変位を抑制する過大変位
抑制機構(バウンドストッパ機構)25が設けられてい
る。
【0011】ホイール部20の軸方向伸長部22の、半
径方向伸長部21から遠い側の端部またはその近傍に
は、タイヤ部10の結合部15がホイール部20の半径
方向伸長部21からホイール部軸方向に離れる方向にず
れることを防止するストッパー部26が形成されてい
る。また、ホイール部20には、2つのタイヤ部10の
結合部15の間の位置に、エアバルブを装着するエアバ
ルブ孔27が形成されている。
【0012】タイヤ部10の各部の剛性は、形状、材
質、スチールコードの埋め込みなどにより、部位に応じ
て自在に選定できる。ダンパー部16は結合部15およ
びビード部13に比べて柔らかく、ばねおよび減衰とし
て働くことができる部分である。ダンパー部16のばね
は、剪断または引張または曲げまたはこれらの少なくと
も2つの組み合わせとして作用する。ダンパー部16の
上下方向ば定数は、車体を質量としダンパー部16をば
ねとする振動系において、10〜20Hz、たとえば1
5Hz近傍の上下方向振動を減衰できるばね定数に選定
される。共振点は減衰領域より低振動数域にあるので、
車体を質量としダンパー部16をばねとする振動系にお
いて、15Hz近傍の上下方向振動を減衰するために、
共振点は8Hz〜10Hz程度の領域に設定される。
【0013】上記のようにばね定数を選定されたダンパ
ー部16を用いて、タイヤをマスととした振動モデルの
共振点を120〜180Hzにチューニングすることに
より、従来問題になっている200〜300Hz、たと
えば230Hz近傍のロードノイズ(路面を走行した時
のザーっという音)を抑え込むことができる(共振点よ
り少し上の領域の振動を抑え込むため)。
【0014】タイヤ部10には、結合部15にトレッド
部11に向かって延びるランフラット部17(図1で2
点鎖線で示した部分)が形成されてもよい。ランフラッ
ト部が形成される場合は、ランフラット部の先端は結合
部15の内周面から所定量隔たっている。ランフラット
機構はタイヤがパンクしてもその状態でしばらくの間走
行しても安全であるように設けられる機構である。
【0015】つぎに、本発明の全実施例に共通する部分
の作用を説明する。まず、本発明のタイヤ付きホイール
またはタイヤにおいて、ダンパー部16の上下方向ばね
定数を、車体をマスM、ダンパー部16をばねKとする
振動系の10Hz以上、たとえば15Hz前後の周波数
の振動の減衰用にチューニングすることにより(ダンパ
ー部16のばね定数を共振周波数で約8〜10Hzにす
ることにより)、乗り心地が改善され、10Hz以上、
たとえば15Hz前後の周波数域での、いわゆるゴツゴ
ツ感が低減される。
【0016】これをさらに説明するとつぎの通りであ
る。図4は自動車の質量をM、ゴム部材30の上下方向
剪断ばね定数をKとした場合の振動モデルを示してい
る。この振動モデルの共振周波数fは、 f=(1/2π)・(K/M)1/2 である。共振点が低減目標振動数の少し下の10Hzに
なる系を作るには、上記の式から K=1611N/mm となり、これは動ばね定数であり、同じダンパーの静ば
ね定数Ksはこれよりかなり小さく、1300N/mm
程度になる。このばねに400kgfの荷重がかかった
時の撓み量は、約3mmである(図3参照)従来のダン
パー付きホイールでは、この撓みをできる限り小とする
ために圧縮ゴムとしたが、本発明実施例では、この撓み
を許容するとの前提のもとにタイヤ部10にダンパー部
16を設けた。上記の振動系の振動特性は図5に示すよ
うになる。共振点より少し上の振動数領域(10Hz以
上、たとえば15Hz近傍)で振動低減が振動伝達低減
が得られる。
【0017】ダンパー部16を上下方向振動に対して体
積を拘束されずに変形できるようにしたので、ばねの荷
重/変位特性は、図3に示すように線型となる。図3に
は従来のダンパーの圧縮ゴムの非線型特性が合わせて示
してある。通常のサイズの自動車の荷重(たとえば、M
=400kgf)がダンパー部16にかかった状態で
は、初期状態で3mm撓んでおり、3mm変位点近傍で
は従来の圧縮ばねの場合は勾配が急で硬いばねになって
いるが、体積を拘束されないばねの場合は変位の全域で
比較的緩やかで柔らかい線型ばねとなっており、荷重が
かかっているにかかわらず10Hz以上、たとえば15
Hz前後の周波数の振動を効果的に抑えることができ
る。
【0018】図6は、実際の自動車に本発明実施例のタ
イヤ付きホイールまたはタイヤを装着して悪路を走行し
た場合の、低周波数領域における、ばね上(運転席シー
トレール部位)の上下加速度(dB表示)対周波数(H
z)の実測値を示している。図6から明らかなように、
本発明実施例のタイヤ付きホイールまたはタイヤでは、
10〜20Hzの領域でかなりの加速度低減が見られ
る。それに対応して、実際の走行において、走行中の1
0Hz以上、たとえば15Hz前後でのゴツゴツ感が解
消された。
【0019】本発明実施例のタイヤ付きホイールまたは
タイヤにおいて、車体をマスとする考えでなくタイヤ部
10のトレッド部11、サイドウォール部12、ビード
部13をマスm(m=約20kgf)とする考えをする
と、ダンパー部16をばねK(周波数が高い領域では動
ばね定数が高くなり、約2600N/mm程度となると
推定される)とする振動モデルの共振点は180Hz近
傍にあり、それより少し周波数が高い領域の、従来問題
になっている200〜300Hz、たとえば230Hz
近傍のロードノイズ(路面を走行した時のザーっという
音)を抑え込むことができる(共振点より少し上の領域
の振動を減衰するため)。ここで、ロードノイズとは、
路面からの振動がボデーに伝わり、ボデーパネルを振動
させて音になり、この音が車室の気柱共鳴と重なって生
じる音であり、車の構造上、200〜300Hzに共振
点がある。 図7は、高周波数領域における車内騒音
(dB表示)対周波数(Hz)特性を示している。図7
からわかるように、本発明実施例のタイヤー付きホイー
ルまたはタイヤを装着して路面を走行した場合は通常ホ
イールに比べて200〜300Hz、たとえば230H
z近傍のロードノイズが効果的に低減されている。これ
は、自動車のように多共振点を有するものに、多数の振
動数の総合波を入力した場合、180Hz近傍の共振点
の振動系が選択的に共振して、その少し上の200〜3
00Hz、たとえば230Hz近傍の振動を低減するた
めである。
【0020】また、車体に入る振動をホイール部で対策
できるため、源流対策となり、車体に入った後で車体側
で対策する場合に比べて、根本的な振動対策となる。車
体に入った後の対策では、多共振点体である自動車で
は、個々の車両で対応策が異なり一般に高価で重く、振
動対策が困難である。
【0021】また、本発明実施例のタイヤ付きホイール
またはタイヤにおいて、ダンパー部16が柔構造なの
で、タイヤ部10のトレッド部11が地面から浮きにく
く、トレッド部11の路面グリップ性が向上し、轍取ら
れが抑制され、操安性が向上する。また、本発明実施例
のタイヤ付きホイールまたはタイヤにおいて、ダンパー
部16が柔構造なので、タイヤ付きホイールまたはタイ
ヤは回転時に自分で回転中心を選択して回転する、すな
わち自動調芯機能を持つ。その結果、従来必要であっ
た、アンバランス、ユニフォーミティ補償のためのバラ
ンスウエイト装着やバランス取り作業が、不要となる。
【0022】また、本発明実施例のタイヤ付きホイール
において、ホイール部10には従来のリムフランジとタ
イヤビード部の接触でエアシールする構造と異なるの
で、縁石に衝突した時のリムフランジの変形が無く、リ
ムフランジの変形が変形した時に生じるエア洩れの問題
が無い。また、本発明のタイヤ付きホイールにおいて、
ホイール部10には従来のリムフランジに対応するもの
がないので、車両旋回時のリムフランジの路面接触(リ
ムタッチ)による車両横転等の問題が無い。
【0023】また、本発明実施例のタイヤ付きホイール
において、ホイール部10には、ストッパー部26が形
成されているので、車両旋回時の遠心力による横荷重に
対しても、タイヤ部10とホイール部20との接着強度
が保証される。また、本発明実施例のタイヤ付きホイー
ルにおいて、ホイール部10に過大変位抑制機構(バウ
ンドストッパー機構)25が設けられているので、タイ
ヤ部10が上下または斜め上下方向に所定量以上ホイー
ル部20に対して変位した時に過大変位抑制機構25が
タイヤ部10に当たってそれ以上の変位を抑制すること
ができる。
【0024】また、本発明実施例のタイヤ付きホイール
において、タイヤ部10の延設部14の結合部15は、
ホイール部20の軸方向伸長部22に加硫接着されてい
るので、従来のような接触によるシールと異なり、シー
ル性が向上し、エア抜け、エア洩れの心配がなくなる。
また、本発明実施例のタイヤ付きホイールまたはタイヤ
において、タイヤ部10の結合部15にトレッド部11
に向かって延びるランフラット部17が形成されている
場合には、たとえタイヤがパンクしても過大な変形を抑
制しながら車はしばらく走ることができる。また、本発
明実施例のタイヤ付きホイールにおいて、ホイール部2
0の、2つのタイヤ部10の結合部15の間の位置にバ
ルブを装着する孔27が形成されているので、バルブ取
付け構造が単純化される。
【0025】つぎに、本発明の各実施例に特有な部分を
説明する。本発明の第1実施例では、図1に示すよう
に、ホイール部20がアルミ合金から作製されている。
従来のホイールに比べてリムフランジが無く、幅方向に
短縮されている。また、軸方向伸長部22が、従来のホ
イールのリムに比べて半径方向凹凸が少ないので、形状
が単純である。この短縮化、単純化により、ホイール部
20の軽量化、低コスト化がはかられる。
【0026】本発明の第2実施例では、図2に示すよう
に、ホイール部20が鋼板の成形体(1ピースであって
もよいし、複数ピースの溶接または機械的結合物であっ
てもよい)から作製されている。従来のホイールに比べ
てリムフランジが無く、幅方向に短縮されている。ま
た、軸方向伸長部22が、従来のホイールのリムに比べ
て半径方向凹凸が少ないので、形状が単純である。この
短縮化、単純化により、ホイール部20の軽量化、低コ
スト化がはかられる。
【0027】
【発明の効果】請求項1または請求項2のタイヤ付きホ
イールまたは請求項8または請求項9のタイヤによれ
ば、タイヤ部がダンパー部を有するので、車体をマスと
しダンパー部をばねとした振動系の、ダンパー部の上下
方向ばね定数を、10Hz以上の振動減衰用にチューニ
ングすることにより、乗り心地が良くなる(10以上の
領域におけるごつごつ感が無くなる)。また、請求項1
または請求項2のタイヤ付きホイールまたは請求項8ま
たは請求項9のタイヤによれば、上記のようにダンパー
部のばね定数をチューニングすると、ダンパー部をばね
とし、トレッド部、サイドウォール部、ビード部をマス
とした振動系を考えた場合、共振点が200Hz以下に
くるので、ロードノイズ上問題となる200〜300H
z域の振動伝達を低減でき、騒音低下をはかることがで
きる。また、請求項1または請求項2のタイヤ付きホイ
ールまたは請求項8または請求項9のタイヤによれば、
ダンパー部が柔構造なので、タイヤトレッド部の路面グ
リップ性が向上し、轍取られが抑制され、操安性が向上
する。また、請求項1または請求項2のタイヤ付きホイ
ールまたは請求項8または請求項9のタイヤによれば、
ダンパー部が柔構造なので、タイヤ付きホイールは自分
で回転中心を選択して回転する、すなわち自動調芯機能
を持ち、アンバランス、ユニフォーミティ補償のための
バランスウエイト装着やバランス取り作業が不要とな
る。また、請求項1または請求項2のタイヤ付きホイー
ルによれば、ホイール部には、タイヤビードとリムフラ
ンジの接触でエアシールする構造ではないので、縁石に
衝突した時のリムフランジの変形、エア洩れの問題が無
い。また、請求項1または請求項2のタイヤ付きホイー
ルによれば、ホイール部にはリムフランジに対応するも
のがないので、車両急旋回時のリムフランジの路面接触
(リムタッチ)による車両横転の問題が無い。請求項3
のタイヤ付きホイールによれば、タイヤ部の延設部の結
合部はホイール部の軸方向伸長部に加硫接着されている
ので、接触によるシールと異なり、シールが向上し、エ
ア抜け、エア洩れの心配が少なくなる。請求項4のタイ
ヤ付きホイールによれば、ストッパー部が形成されてい
るので、車両旋回時の遠心力による横荷重に対しても、
タイヤ部とホイール部との接着強度が保証される。請求
項5のタイヤ付きホイールによれば、ホイール部に過大
変位抑制機構が設けられているので、タイヤ部が上下ま
たは斜め上下方向に所定量以上ホイール部に対して変位
した時に過大変位抑制機構がタイヤ部に当たってそれ以
上の変位を抑制することができる。請求項6のタイヤ付
きホイールまたは請求項8または請求項9のタイヤによ
れば、タイヤ部の結合部にトレッド部に向かって延びる
ランフラット部が形成されているので、たとえタイヤが
パンクしても過大な変形を抑制して車は走ることができ
る。請求項7のタイヤ付きホイールによれば、ホイール
部の2つのタイヤ部の結合部の間の位置にバルブを装着
する孔が形成されているので、バルブ取付け構造が単純
化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のタイヤ付きホイール(本
発明の第1実施例のタイヤを含む)の断面図である。
【図2】本発明の第2実施例のタイヤ付きホイール(本
発明の第2実施例のタイヤを含む)の断面図である。
【図3】本発明の第1実施例、第2実施例のタイヤ付き
ホイールまたはタイヤを装着した自動車の振動モデル図
である。
【図4】本発明の第1実施例、第2実施例のタイヤ付き
ホイールまたはタイヤの振動伝達対周波数特性図であ
る。
【図5】本発明の第1実施例、第2実施例のタイヤ付き
ホイールまたはタイヤのばね特性図(荷重対変位特性
図)である。
【図6】本発明実施例のタイヤ付きホイールまたはタイ
ヤを装着して悪路を走行した場合と従来の基準ホイール
(ダンパー部無しダイヤ装着ホイール)またはタイヤを
装着して悪路を走行した場合の、低周波数領域(0〜4
5Hz)におけるばね上(運転席シートレール)の振動
レベル(dB表示)対周波数(Hz)特性図である。
【図7】本発明実施例のタイヤ付きホイールまたはタイ
ヤを装着して路面を走行した場合と従来の基準ホイール
(ダンパー部無しタイヤ装着ホイール)またはタイヤを
装着して路面を走行した場合の、高周波数領域(100
〜500Hz)における騒音レベル(dB表示)対周波
数(Hz)特性図である。
【符号の説明】
10 タイヤ部 11 トレッド部 12 サイドウォール部 13 ビード部 14 延設部 15 結合部 16 ダンパー部 17 ランフラット部 20 ホイール部 21 半径方向伸長部 22 軸方向伸長部 23 ハブ穴 24 ボルト穴 25 過大変位抑制機構 26 ストッパー部 27 エアバルブ孔

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ部とホイール部とからなり、 前記タイヤ部はトレッド部とトレッド部に連なるサイド
    ウォール部とサイドウォール部に連なりタイヤ軸方向内
    側に延びる延設部とを有し、前記延設部はホイール部と
    の結合部と該結合部とサイドウォール部とを連結するダ
    ンパー部とを有し、 前記ホイール部は半径方向伸長部と該半径方向伸長部か
    らホイール部軸方向に延び前記タイヤ部の結合部を支持
    する軸方向伸長部とを有する、タイヤ付きホイール。
  2. 【請求項2】 タイヤ部とホイール部とからなり、 前記タイヤ部はトレッド部とトレッド部に連なるサイド
    ウォール部とサイドウォール部に連なるビード部とビー
    ド部からタイヤ軸方向内側に延びる延設部とを有し、前
    記延設部はホイール部との結合部と該結合部とビード部
    とを連結するダンパー部とを有し、 前記ホイール部は半径方向伸長部と該半径方向伸長部か
    らホイール部軸方向に延び前記タイヤ部の結合部を支持
    する軸方向伸長部とを有する、タイヤ付きホイール。
  3. 【請求項3】 前記タイヤ部の前記延設部の前記結合部
    は前記ホイール部の前記軸方向伸長部に加硫接着されて
    いる請求項1または請求項2記載のタイヤ付きホイー
    ル。
  4. 【請求項4】 前記ホイール部の前記軸方向伸長部の、
    前記半径方向伸長部から遠い側の端部またはその近傍
    に、前記タイヤ部の結合部が前記ホイール部の前記半径
    方向伸長部からホイール部軸方向に離れる方向にずれる
    ことを防止するストッパー部が形成されている請求項1
    または請求項2記載のタイヤ付きホイール。
  5. 【請求項5】 前記ホイール部には、前記タイヤ部が上
    下または斜め上下方向に所定量以上前記ホイール部に対
    して変位した時に前記タイヤ部に当たってそれ以上の変
    位を抑制する過大変位抑制機構が設けられている請求項
    1または請求項2記載のタイヤ付きホイール。
  6. 【請求項6】 前記タイヤ部には、前記結合部に前記ト
    レッド部に向かって延びるランフラット部が形成されて
    いる請求項1または請求項2記載のタイヤ付きホイー
    ル。
  7. 【請求項7】 前記ホイール部には、2つの前記タイヤ
    部の結合部の間の位置にエアバルブを装着する孔が形成
    されている請求項1または請求項2記載のタイヤ付きホ
    イール。
  8. 【請求項8】 トレッド部とトレッド部に連なるサイド
    ウォール部とサイドウォール部に連なりタイヤ軸方向内
    側に延びる延設部とを有し、前記延設部はホイール部と
    の結合部と該結合部とサイドウォール部とを連結するダ
    ンパー部とを有しているタイヤ。
  9. 【請求項9】 トレッド部とトレッド部に連なるサイド
    ウォール部とサイドウォール部に連なるビード部とビー
    ド部からタイヤ軸方向内側に延びる延設部とを有し、前
    記延設部はホイール部との結合部と該結合部とビード部
    とを連結するダンパー部とを有しているタイヤ。
JP11144387A 1999-05-25 1999-05-25 タイヤ付きホイールおよびタイヤ Pending JP2000335213A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11144387A JP2000335213A (ja) 1999-05-25 1999-05-25 タイヤ付きホイールおよびタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11144387A JP2000335213A (ja) 1999-05-25 1999-05-25 タイヤ付きホイールおよびタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000335213A true JP2000335213A (ja) 2000-12-05

Family

ID=15360967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11144387A Pending JP2000335213A (ja) 1999-05-25 1999-05-25 タイヤ付きホイールおよびタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000335213A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100358344B1 (ko) 자동차용 댐퍼가 달린 휠과 그 제조방법
JP2002234304A (ja) 中子付きリムホイール及びタイヤ・リムホイール組立体
JP2002178727A (ja) タイヤ用中子体、中子付きリムホイール及びタイヤ・リム組立体
JP2006256531A (ja) 中空タイヤ
JP4651036B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2000343912A (ja) ダンパー部を有するタイヤ
US6732775B1 (en) Elastic wheel
JP2000335213A (ja) タイヤ付きホイールおよびタイヤ
KR20030020293A (ko) 탄성 휠
JP2001055003A (ja) ダンパー付きホイールのダンパー組み付け構造
EP1247660B1 (en) Elastic wheel
EP1462275A1 (en) Noise reducer for vehicle wheel
JP2000343901A (ja) 自動車用ダンパー付きホイール
JP2002115745A (ja) ブッシュ型マウント
US20020063468A1 (en) Sound absorbing wheel
KR20140062628A (ko) 부시 구조
CN114435030B (zh) 自适应免充气轮胎
JP2001080303A (ja) ダンパー付きホイール
JP2001213102A (ja) ダンパー付きホイール
JP2001287501A (ja) 自動車用ダンパー付きホイール
CN218913559U (zh) 用于车辆副车架的衬套组件、副车架及车辆
JP2001277804A (ja) 自動車用ダンパー付きホイール
JP2003104001A (ja) 弾性ホイール
JP2006193042A (ja) 車両用ホイール構造
JP2001294004A (ja) 自動車用ダンパー付きホイール