JP2000334846A - 3次元造形機 - Google Patents

3次元造形機

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JP2000334846A JP11147869A JP14786999A JP2000334846A JP 2000334846 A JP2000334846 A JP 2000334846A JP 11147869 A JP11147869 A JP 11147869A JP 14786999 A JP14786999 A JP 14786999A JP 2000334846 A JP2000334846 A JP 2000334846A
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祥二 大川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間積層体自体の温度の部位による不均一等
により、加熱手段によって素材シートを接着する際、素
材シートの接着剤に実質的に与えられる熱量、実質的な
加熱温度に不均一が生じ、中間積層体(または造形物)
の高さ方向の総厚みが均一にならなかった。 【解決手段】 加熱手段32に連動して素材シートPを
冷却する冷却手段35を設けた。 【効果】 従来、素材シートPに実質的に与えられる熱
量が多かった部位および実質的な加熱温度が高かった部
位が、冷却手段35で冷却されるので、素材シートの接
着剤に実質的に与えられる熱量、加熱温度の、部位によ
る不均一が解消または軽減され、中間積層体W(または
造形物)の高さ方向の総厚みの不均一が解消または軽減
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄い素材シートを
積層し、これを所望の形状に切断する動作を繰り返すこ
とにより、3次元形状を造形する3次元造形機に関し、
特に、熱溶融性の接着剤を付着した素材シートを用いる
3次元造形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の3次元造形機としては、例えば
特開平6−278214号公報(同公報の図23から図
25に係る実施例)に記載された技術がある。
【0003】このものは、加熱により溶融して接着力を
生じる熱溶融性の接着剤を裏面に付着した素材シート
(紙シート、ポリカーボネートシート等)を用い、これ
を積層し、所望の形状に切断する動作を繰り返す3次元
造形機である。
【0004】詳しくは、あらたな素材シートを、それま
でに積層されてできた中間生成物である中間積層体の最
上層に接着されている素材シート上に搬送、載置する素
材シート供給装置と、素材シートを加熱しつつ押圧し、
前記した最上層の素材シートの表面に接着させる加熱ロ
ーラと、接着された素材シートを、その高さ位置に対応
する造形物の輪郭形状に沿って切断する切断装置とを備
えたものである。
【0005】そして、素材シートを中間積層体上に供給
し、図6のように、加熱ローラ320を、同図で見て中
間積層体W0の右端を始点かつ終点として、矢印A6の
ように往復移動させることにより、素材シートを中間積
層体W0に接着して、所望の形状に切断するという動作
を繰り返し、3次元形状の造形物を製作する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのような従来の3次
元造形機を用いた場合、中間積層体W0(または造形
物)の高さ方向の総厚みが、全域で均一にならず、図6
に誇張して示すように、加熱ローラ320の往復移動の
両端縁部E0が跳ね上がるように厚みが大きくなる場合
がある。
【0007】しかも、加熱ローラ320の移動折り返し
点(以下、折り返し点と記す)となる側の縁部E10よ
りも、加熱ローラ320の移動始点かつ終点(以下、始
点終点と記す)となる側の縁部E20の厚みがさらに大
きくなることがある。
【0008】そこで、前記現象の原因について検討して
みる。
【0009】高温の加熱ローラ320による加熱を繰り
返すため、造形過程で中間積層体W0内に熱が蓄積され
ることとなる。そして、この熱は、積層された素材シー
ト間の接着剤層を伝わり、素材シートの平面方向(図6
の左右方向)に伝達されて中間積層体W0の縁部(外周
部)E0から大気に放出される。
【0010】このため、中間積層体W0の上面(最上
層)の温度は、中間積層体W0の縁部E0付近では、縁
部E0が比較的低温、その内側(中間積層体W0を平面
的に見た中央部C0側)が比較的高温、となる。
【0011】そして、このように部位によって温度の異
なる中間積層体W0に対して、あらたな素材シートを加
熱、押圧して接着することとなる。その際、加熱ローラ
320によって均一に加熱しても、中間積層体W0の上
面の温度が部位により異なっているため、あらたな素材
シートの接着剤に実質的に与えられる熱量は、中間積層
体W0の全域で均一とはならない。
【0012】ここで用いる熱溶融性の接着剤は、低温ほ
ど溶融しにくく、高温ほど溶融しやすい。そして、溶融
が足りず粘性の大きい接着剤は、被接着側である中間積
層体W0の最上層の素材シートに浸透しにくく、素材シ
ート間に接着剤層として残る厚みは大きくなる。一方、
十分に溶融して粘性の小さくなった接着剤は、前記最上
層の素材シートに浸透しやすく、接着剤層の厚みは小さ
くなる。
【0013】すなわち、素材シートの接着剤に実質的に
与えられる熱量が少ない縁部E0では、接着剤層の厚み
が大きく、実質的に与えられる熱量が多い縁部E0の内
側(中央部C0側)では、接着剤層の厚みが小さくな
り、この差が、縁部E0が跳ね上がるように厚みが大き
くなる現象をもたらしている。
【0014】また、加熱ローラ320による加熱の際、
折り返し点側の縁部E10に近い部位ほど、往復移動す
る加熱ローラ320の往路(始点終点から折り返し点へ
向かう行程)での加熱と復路(折り返し点から始点終点
へ向かう行程)での加熱がほぼ連続して行われ、始点終
点側の縁部E20に近い部位ほど、往路での加熱と復路
での加熱との間に時間的間隔があき、この間にある程
度、自然冷却されてしまう。
【0015】すなわち、折り返し点側の縁部E10側で
は、往路での加熱で溶融した接着剤が、直ちに復路での
加熱でより溶融される。このため、折り返し点側の縁部
E10に近い部位ほど、接着剤が、被接着側である中間
積層体W0の最上層の素材シートに浸透しやすく、接着
剤層の厚みは小さくなる。
【0016】逆に、始点終点側の縁部E20側では、往
路での加熱と復路での加熱との間に自然冷却が起こって
接着剤が溶融しにくいので、始点終点側の縁部E20に
近い部位ほど、中間積層体W0の最上層の素材シートに
浸透しにくく、接着剤層の厚みはおおきくなる。
【0017】このことが、折り返し点側の縁部E10と
始点終点側E20の縁部とでの造形物の総厚みの差、す
なわち、造形物の総厚みが、図6で見て、始点終点側E
20の縁部へ向けて右肩上がりに大きくなる現象をもた
らすこととなっている。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明においては、以下の手段を採用した。
【0019】請求項1の発明は、熱溶融性の接着剤を裏
面に塗布した素材シートをそれまでに積層された中間積
層体上に送り込む素材シート供給手段と、前記素材シー
ト上を往復移動して素材シートを加熱する加熱手段と、
この加熱手段に連動して移動し前記素材シートを押圧し
て前記中間積層体の上面に接着する押圧手段と、前記素
材シートを所定の形状に切断する切断手段とを備えた3
次元造形機において、前記加熱手段とともに移動して前
記素材シートを冷却する冷却手段を設けたことを特徴と
する3次元造形機を要旨とするものである。
【0020】請求項2の発明は、請求項1において、前
記冷却手段を、前記加熱手段に対して、この加熱手段の
往路進行方向に隣接して設けたことを特徴とする3次元
造形機を要旨とするものである。
【0021】請求項3の発明は、請求項1において、前
記冷却手段を、前記加熱手段に対して、この加熱手段の
復路進行方向に隣接して設けたことを特徴とする3次元
造形機を要旨とするものである。
【0022】請求項4の発明は、請求項1において、前
記冷却手段を、前記加熱手段に対して、この加熱手段の
往復移動方向の両側に隣接して設けたことを特徴とする
3次元造形機を要旨とするものである。
【0023】請求項5の発明は、請求項1から4のいず
れか1項において、前記冷却手段が略室温に維持される
ように構成されたことを特徴とする3次元造形機を要旨
とするものである。
【0024】
【発明の実施形態】本発明の、第1の実施形態に係る3
次元造形機は、素材シートとして、加熱により溶融して
接着力を生じる熱溶融性の接着剤を裏面に付着した紙シ
ートを用い、これを積層して所望の形状に切断する動作
を繰り返すことにより、3次元形状を造形するものであ
り、図1から図3に示すように、以下を備えたものであ
る。
【0025】ただし、前記素材シートは、その裏面に熱
溶融性の接着剤を付着したものであればよく、裏面の全
域に接着剤があらかじめ塗布されたものでも、前記特開
平6−278214号公報に記載のもののように、積層
の都度、裏面の所望領域に接着剤を転写するもの、その
他であってもよい。
【0026】11は、それまでに積層されてできた中間
生成物である中間積層体Wを載置、保持する造形テーブ
ルを示す。この造形テーブル11は、その四隅を鉛直方
向に延びる4本の昇降送りねじ12で支持されており、
昇降送りねじ12は、モータ13によりベルト14を介
して回転駆動されるようになっている。
【0027】20は、あらたな素材シートPを、中間積
層体Wの最上層に接着されている素材シート上に搬送、
載置する素材シート供給装置(素材シート供給手段)を
示す。この素材シート供給装置20は、造形テーブル1
1の一側に配置された供給ロールPaと案内ローラ21
a、造形テーブル11の他側に配置された案内ローラ2
1b、送りローラ22、回収ロールPbとからなる。
【0028】送りローラ22、供給ロールPa、回収ロ
ールPbは、それぞれモータ23、24、25により駆
動されるものであり、供給ロールPaに巻かれている素
材シートPが、送りローラ22によって引き出され、案
内ローラ21a、21bによって中間積層体Wの上方を
通るように案内され、回収ロールPbに巻き取られるよ
うになっている。
【0029】30は、移動台31に取り付けられた加熱
冷却装置を示す。3次元造形機の機枠(図示省略)に
は、素材シートPの搬送方向であるX方向(図1の左右
方向)に延びる一対のガイドレール(図示省略)が設け
られており、このガイドレールにより移動台31の両端
が案内支持されている。
【0030】そして、移動台31は、プーリ33に懸架
された送りベルト34により、たとえば供給ロールPa
側を移動始点かつ終点(以下、始点終点と記す)とし、
巻取ロールPb側を移動折り返し点(以下、折り返し点
と記す)として、X方向に往復平行移動される。すなわ
ち、始点終点から折り返し点へ向かう行程が往路、折り
返し点から始点終点へ向かう行程が復路となる。
【0031】移動台31には、X方向と直交するY方向
に沿った軸線を有し、図示しないヒータにより所定温度
に加熱される円筒状の加熱ローラ32が回転自在に支持
されている。この加熱ローラ32の長さおよび直径は、
素材シートPの幅、製作しようとする造形物の大きさ等
により、適宜、設定される。
【0032】前記加熱ローラ32は、素材シートPを加
熱する加熱手段であるとともに、下向きに弾性的に付勢
されるか、あるいはその自重により、あらたな素材シー
トPを中間積層体Wの最上層の素材シートPに対して押
圧する、押圧手段としても機能する。
【0033】さらに移動台31には、加熱ローラ32に
対して往路進行方向へ隣接して設けられ、Y方向に沿っ
た軸線を有し、前記加熱ローラ32と略同径、略同長
の、冷却手段としての冷却ローラ35が回転自在に支持
されている。
【0034】前記冷却ローラ35は、鉄などの熱伝導率
のよい金属で形成された円柱物であり、自然冷却されて
室温に維持されるものである。この冷却ローラ35を備
えた点が、本実施形態の特徴とするところである。
【0035】また、加熱ローラ32と冷却ローラ35と
の間は、移動台31に植設された遮蔽部材36によって
隔絶され、加熱ローラ32から冷却ローラ35への空気
を介した熱伝達を遮断または軽減するようになってい
る。こうすることにより、加熱ローラ32の発散する熱
によって冷却ローラ35の冷却能力を損ねるようなこと
がない。
【0036】前記加熱ローラ32、冷却ローラ35は、
移動台31ごとベルト34によって移動され、中間積層
体Wの上方に送り込まれたあらたな素材シートP上をス
ムーズに転動するようになっている。
【0037】移動台31には、リミットスイッチ37が
設けられており、造形テーブル11とともに上昇する中
間積層体Wおよび素材シートPの上面が所定の高さに達
すれば、このリミットスイッチ37が当接し、その高さ
位置を図略のエンコーダで検出するように構成されてい
る。
【0038】40は、接着された素材シートPを、前記
高さ位置に対応する造形物の輪郭形状に沿って、レーザ
ビームにより切断する切断装置(切断手段)を示す。
【0039】切断装置40は、レーザトーチ41とミラ
ーボックス42aを備えた移動ヘッド43を備えてい
る。この移動ヘッド43は、Y方向に延びる細長いガイ
ドプレート44上に、駆動機構46によってY方向に沿
って往復移動可能に案内支持されている。さらに、この
ガイドプレート44は、その両端が前記ガイドレールに
より案内支持され、プーリ46に懸架された送りベルト
47によりX方向に往復平行移動される。
【0040】これにより、レーザトーチ41は、移動ヘ
ッド43、ガイドプレート44ごと、中間積層体Wを載
置する造形テーブル11に対しX方向およびY方向に移
動され、その軌跡は制御装置55により制御される。
【0041】図2に示すように、レーザ発振器47から
のレーザビームLは、ミラーボックス42b、42a
(ミラーボックス42bは、ガイドプレート44の一端
部に取り付けられる)に内蔵されたミラーにより反射さ
れ、レーザトーチ41から下向きに照射されて、中間積
層体Wの上面に接着された素材シートPを切断するよう
になっている。
【0042】次に、この実施形態の作動を説明する。
【0043】まず、中間積層体Wの上方にあらたな素材
シートPが搬送、保持されている状態で、加熱冷却装置
30の移動台31を前進させ、リミットスイッチ37だ
けが中間積層体Wの平面投影領域にかかる位置で停止さ
せる。
【0044】そして、造形テーブル11を上昇させ、中
間積層体Wの上面があらたな素材シートPの裏面に当接
し、これをわずかに押し上げたところでリミットスイッ
チ37が素材シートPの表面に当接して、造形テーブル
11を停止させるとともに、その高さ位置を検出する。
【0045】ついで、移動台32を一旦、始点終点とな
る位置(図1に示す位置)まで後退させ、中間積層体W
を通り越した折り返し点となる位置まで前進(図1で見
て左動)させてから、再び始点終点となる位置まで後退
(図1で見て右動)させる。
【0046】これにより、所定温度に加熱されている加
熱ローラ32は、中間積層体Wの最上層の素材シートに
当接されている、あらたな素材シートPを加熱、押圧し
ながら往復転動し、素材シートPは、裏面の熱溶融性の
接着剤が加熱溶融されるとともに、中間積層体Wの最上
層の素材シートに対して押圧され、接着される。
【0047】その際、本実施形態に係る3次元造形機で
は、加熱ローラ32に対して往路進行方向へ隣接して冷
却ローラ35を備えており、図3に示す位置を始点終点
として、矢印A3のように、中間積層体W上を往復転動
する。このため、冷却装置30が始点終点から折り返し
点へ向けて移動する往路においては冷却ローラ35が先
行し、折り返し点から始点終点へ向けて移動する復路に
おいては加熱ローラ32が先行することとなる。
【0048】中間積層体Wの上面(最上層)の温度は、
縁部E付近では、縁部Eが比較的低温、その内側(中間
積層体Wを平面的に見た中央部C側)が比較的高温とな
っている(従来の技術参照)。
【0049】このため、往路では、中間積層体Wの上面
の温度が比較的高温の縁部Eの内側(中央部C側)を、
冷却ローラ35によって、すなわち中間積層体Wから冷
却ローラ35への熱伝導によって冷却した上で、加熱ロ
ーラ32が加熱し、復路では、加熱ローラ32によって
加熱され、過熱状態となった縁部Eの内側(中央部C
側)を、冷却ローラ35が直ちに冷却することとなる。
【0050】一方、中間積層体Wの上面の温度が比較的
低温の縁部Eにあっては、冷却ローラ35の温度が室温
程度のため、過冷却されてしまうものではなく、従来の
3次元造形機とほぼ同様の、加熱ローラ32による加熱
が行われる。
【0051】これにより、中間積層体Wの上面の温度が
比較的高温の縁部Eの内側(中央部C側)へ実質的に与
えられる熱量が減じられるので、あらたな素材シートP
の接着剤に実質的に与えられる熱量の、縁部Eとその内
側(中央部C側)とでの不均一が解消または軽減され
る。
【0052】これに伴い、素材シートP裏面の熱溶融性
の接着剤の溶融具合が、中間積層体Wの縁部Eとその内
側(中央部C側)とで同等または同等に近くなる。これ
により、被接着側である中間積層体Wの最上層の素材シ
ートに浸透せずに、素材シート間に接着剤層として残る
厚みも、縁部Eとその内側(中央部C側)とで同等また
は同等に近くなる。
【0053】したがって、従来の3次元造形機において
散見された、造形物の縁部Eの高さ方向の総厚みが、そ
の内側(中央部C側)に対して跳ね上がるように厚くな
る現象が、除去または軽減されるので、より平坦度の高
い、精度のよい3次元造形物を製作できる。
【0054】図4に示す第2の実施形態は、冷却ローラ
35を、第1の実施形態とは逆に、加熱ローラ32に対
して復路進行方向へ隣接して設けたものである。その他
の構成は前記第1の実施形態と同一であるので、重複す
る説明および図は省略する。
【0055】このものにあっては、加熱ローラ32に対
して復路進行方向へ隣接して冷却ローラ35を備えてお
り、図4に示す位置を始点終点として、矢印のように中
間積層体W上を往復転動する。このため、加熱冷却装置
30の往路においては加熱ローラ32が先行し、復路に
おいては冷却ローラ35が先行することとなる。
【0056】そして、中間積層体Wの、折り返し点側の
縁部E1においては、往路での加熱ローラ32による加
熱が行われると、直ちに冷却ローラ35による冷却が行
われ、その上で、復路での加熱ローラ32による加熱が
行われる。すなわち、この実施形態のものにあっては、
従来の3次元造形機のように、加熱ローラによる往路で
の加熱と復路での加熱がほぼ連続して行われることがな
い。
【0057】一方、中間積層体Wの、始点終点側の縁部
E2においては、従来の3次元造形機と同様、往路での
加熱後、ある程度、自然冷却された上で、復路での加熱
が行われる。ただし、冷却ローラ35の温度が室温程度
のため、縁部E2が冷却ローラ35で過冷却されてしま
うものではない。
【0058】すなわち、往路での加熱後、中間積層体W
の全域が冷却ローラ35でほぼ均一に冷却されるため、
復路での加熱による接着剤の溶融具合もほぼ均一とな
る。
【0059】これに伴い、素材シートP裏面の熱溶融性
の接着剤の溶融具合が、中間積層体Wの、折り返し点側
の縁部E1と始点終点側の縁部E2とで同等または同等
に近くなる。
【0060】これにより、被接着側である中間積層体W
の最上層の素材シートに浸透せずに、素材シート間に接
着剤層として残る厚みも、素材シート間に接着剤層とし
て残る厚みも、折り返し点側の縁部E1と始点終点側の
縁部E2とで同等または同等に近くなる。
【0061】したがって、従来の3次元造形機において
散見された、造形物の高さ方向の総厚みが、折り返し点
側の縁部E1から始点終点側の縁部E2へ向けて右肩上
がりに大きくなる現象が、除去または軽減されるので、
より平坦度の高い、精度のよい3次元造物を製作でき
る。
【0062】さらに、図5に示すものは第3の実施形態
である。このものは、加熱ローラ32に対して、往路進
行方向、復路進行方向それぞれへ隣接して冷却ローラ3
5a、35bを設けたものである。その他の構成は前記
第1、第2の実施形態と同一であるので、重複する説明
および図は省略する。
【0063】この構成により、第3の実施形態にあって
は、冷却ローラを加熱ローラに対して往路進行方向へ隣
接して設けた第1の実施形態における効果と、冷却ロー
ラを加熱ローラに対して復路進行方向へ隣接して設けた
第2の実施形態における効果とが、あわせて得られるこ
ととなる。
【0064】以上の各実施例において、加熱ローラ32
の温度は、製作しようとする造形物の大きさ、熱溶融性
の接着剤の成分、素材シートPの厚み等によって異な
る。これら諸条件に基づいて、加熱ローラ32の温度を
高めに設定して用いると、冷却ローラ35(35a、3
5b)を自然冷却するだけでは、冷却ローラ35(35
a、35b)自体を冷却しきれず、中間積層体Wに対し
て十分な冷却効果を発揮できないケースも想定される。
【0065】その場合には、送風手段である冷却ファン
を例えば移動台に設け、この冷却ファンで冷却ローラ3
5を強制冷却する、あるいは、水冷手段であるチラーを
用い、冷却ローラ内に冷却水を循環させて強制冷却する
など、種々の手段により対応可能である。
【0066】次に、前記各実施形態および別例から把握
できる、請求項に記載した発明以外の技術的思想につい
て、それらの効果とともに以下に記載する。
【0067】(a) 請求項1から5のいずれかに記載
の構成において、冷却手段が略円筒状の冷却ローラであ
る3次元造形機。こうすることにより、前記各請求項の
いずれかに記載のものと同様の作用効果が得られるとと
もに、冷却手段を、スムーズに素材シート上を移動させ
ることができる。
【0068】(b) 請求項1から5のいずれかに記載
の構成において、加熱手段と冷却手段との間に、加熱手
段から冷却手段への空気を介した熱伝達を遮断または軽
減する遮蔽部材を設けた3次元造形機。こうすることに
より、冷却手段の冷却能力を損ねないので、前記各請求
項の効果がより確実に得られる。
【0069】(c) 請求項5に記載の構成において、
冷却手段が自然冷却により略室温に維持されるように構
成された3次元造形機。こうすることにより、請求項5
に記載のものと同様の作用効果が得られる。
【0070】(d) 請求項5に記載の構成において、
冷却手段が送風手段により略室温に維持されるように構
成された3次元造形機。こうすることにより、請求項5
に記載のものと同様の作用効果が得られるとともに、冷
却手段をより確実に略室温に維持できる。
【0071】(e) 請求項5に記載の構成において、
冷却手段が水冷手段により略室温に維持されるように構
成された3次元造形機。こうすることにより、請求項5
に記載のものと同様の作用効果が得られるとともに、冷
却手段をより確実に略室温に維持できる。
【0072】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1の発明
は、加熱手段とともに移動して素材シートを冷却する冷
却手段を設けたことを特徴とする3次元造形機である。
【0073】従来の技術においては、中間積層体上面の
温度の部位による不均一等により、加熱手段によって素
材シートを接着する際、素材シートの接着剤に実質的に
与えられる熱量、実質的な加熱温度に不均一が生じ、中
間積層体(または造形物)の高さ方向の総厚みが均一に
ならなかった。
【0074】対する請求項1の発明においては、前記構
成を採用したことにより、従来、素材シートの接着剤に
実質的に与えられる熱量が多かった部位、および実質的
な加熱温度が高かった部位が冷却手段で冷却されるの
で、前記熱量、加熱温度の部位による不均一が解消また
は軽減される。
【0075】したがって、中間積層体(または造形物)
の高さ方向の総厚みの不均一が解消または軽減され、よ
り平坦度の高い、精度のよい3次元造形物を製作でき
る。
【0076】請求項2の発明は、請求項1において、冷
却手段を、加熱手段に対して、この加熱手段の往路進行
方向に隣接して設けたことを特徴とする3次元造形機で
ある。
【0077】こうすることにより、中間積層体上面の温
度に、部位による不均一があっても、温度の高い部位
を、往路では、冷却手段で冷却した上で加熱手段で加熱
し、復路では、加熱手段で加熱され、加熱状態となった
ら直ちに冷却することとなる。
【0078】これにより、中間積層体上面の温度の高い
部位へ実質的に与えられる熱量が減じられるので、素材
シートの接着剤に実質的に与えられる熱量の、部位によ
る不均一が解消または軽減される。
【0079】したがって、中間積層体(または造形物)
の高さ方向の総厚みの不均一、具体的には、中間積層体
の縁部の高さ方向の総厚みが、その内側(平面的に見た
中央部側)に対して跳ね上がるように厚くなる現象が、
解消または軽減される。よって、より平坦度の高い、精
度のよい3次元造形物を製作できる。
【0080】請求項3の発明は、請求項1において、冷
却手段を、加熱手段に対して、この加熱手段の復路進行
方向に設けた3次元造形機である。
【0081】こうすることにより、加熱手段の移動が往
路から復路へ折り返す部位(折り返し点)では、往路で
の加熱手段による加熱が行われると、直ちに冷却手段に
よる冷却が行われ、その上で、復路での加熱ローラによ
る加熱が行われる。
【0082】これにより、折り返し点に近い部位ほど接
着剤が溶融しやすく、始点終点に近い部位ほど接着剤が
溶融しにくかった従来のものと比べ、本発明のものは、
素材シートの接着剤に与えられる加熱温度の折り返し点
と始点終点とでの不均一が解消または軽減される。
【0083】したがって、中間積層体(または造形物)
の高さ方向の総厚みの不均一(折り返し点から始点終点
へ向けて厚みが大きくなる)が、解消または軽減され、
より平坦度の高い、精度のよい3次元造形物を製作でき
る。
【0084】請求項4の発明は、請求項1において、加
熱手段の往復移動方向に両側に設けた3次元造形機であ
る。こうすることにより、請求項2および請求項3の作
用効果が合わせて得られる。
【0085】請求項5の発明は、請求項1から4のいず
れか1項において、冷却手段が略室温に維持されるよう
に構成された3次元造形機である。
【0086】こうすることにより、中間積層体の冷却必
要部位を冷却し、冷却不要部位は過冷却することなく、
前記各請求項の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る3次元造形機
の、概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に係る3次元造形機の、部分断面を含む全
体正面図である。
【図3】図1、2に係る3次元造形機の作用を示す模式
図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る3次元造形機
の、概略構成と作用を示す、部分断面を含む模式図であ
る。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る3次元造形機
の、概略構成を示す部分断面図である。
【図6】従来の3次元造形機の作用を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
P 素材シート 20 素材シート供給装置(素材シート供給手段) 30 加熱冷却装置 31 移動台 32 加熱ローラ(加熱手段、押圧手段) 35、35a、35b 冷却ローラ(冷却手段) 36 遮蔽部材 40 切断装置(切断手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性の接着剤を裏面に付着した素材
    シートをそれまでに積層された中間積層体上に送り込む
    素材シート供給手段と、前記素材シート上を往復移動し
    て素材シートを加熱する加熱手段と、この加熱手段に連
    動して移動し前記素材シートを押圧して前記中間積層体
    の上面に接着する押圧手段と、前記素材シートを所定の
    形状に切断する切断手段とを備えた3次元造形機におい
    て、前記加熱手段とともに移動して前記素材シートを冷
    却する冷却手段を設けたことを特徴とする3次元造形
    機。
  2. 【請求項2】 前記冷却手段を、前記加熱手段に対し
    て、この加熱手段の往路進行方向に隣接して設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の3次元造形機。
  3. 【請求項3】 前記冷却手段を、前記加熱手段に対し
    て、この加熱手段の復路進行方向に隣接して設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の3次元造形機。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段を、前記加熱手段に対し
    て、この加熱手段の往復移動方向の両側に隣接して設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の3次元造形機。
  5. 【請求項5】 前記冷却手段が略室温に維持されるよう
    に構成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれ
    かに記載の3次元造形機
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