JP2000333105A - 画像圧縮データ記録装置及び画像圧縮データ記録・再生装置 - Google Patents

画像圧縮データ記録装置及び画像圧縮データ記録・再生装置

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JP2000333105A
JP2000333105A JP14160099A JP14160099A JP2000333105A JP 2000333105 A JP2000333105 A JP 2000333105A JP 14160099 A JP14160099 A JP 14160099A JP 14160099 A JP14160099 A JP 14160099A JP 2000333105 A JP2000333105 A JP 2000333105A
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Japan
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image data
picture
recording
gop
circuit
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JP14160099A
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Mitsuaki Fujiwara
原 光 章 藤
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生時にスキップ画像データを飛ばし、非ス
キップ画像データのみをつなぎ合わせて再生を行う場合
に、スキップ画像データから非スキップ画像データに切
り換わった直後の画像再生を正確に行えるようにする。 【解決手段】 音声モード検出回路13は、CM部分
(スキップ画像データ)から本編部分(非スキップ画像
データ)に切り換わる第1の切換時点と、本編部分から
CM部分に切り換わる第2の切換時点を検出する。第2
の切換時点になると、符号化タイプ決定回路15がIピ
クチャ選択指令をピクチャタイプ選択部23に出力す
る。したがって、CM部分終了直後の本編部分のGOP
は必ずIピクチャが先頭ピクチャとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常の放送番組中
に挿入されているコマーシャル番組等を再生時にスキッ
プすることが可能な画像圧縮データ記録装置及び画像圧
縮記録・再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コマーシャル(以下CMという)
が挿入されているテレビ番組をビデオテープレコーダ
(以下VTRという)により録画した場合、再生時には
このCMも再生されてしまい、見たい番組が途中で中断
されていた。そこで、テレビ番組を再生して見る多くの
ユーザーは、再生中にCM部分を早送りしたり、VTR
を2台用意してCM部分をカットしてダビングしたり、
あるいは予めCMをカットして録画するなどのVTR操
作を行っている。しかし、これらのVTR操作を面倒に
感じるユーザーが多く、従来から再生時のCMを自動カ
ットする機能を持つVTRが要望されていた。
【0003】このような要望に応えるものとして、最近
のテレビ放送におけるCMが殆どステレオ放送であるこ
とを利用してCMを自動カットする方法が考え出されて
いる。すなわち、2ケ国語放送や音声多重放送が行われ
ている洋画番組などを録画中に、これがステレオ放送や
モノラル放送に切換わった場合は、この切り換わってい
る期間をCM放送中と判断して録画を一時停止させ、再
び2ケ国語放送や音声多重放送に切換わった時点で録画
の再開を行うようにする方法である。
【0004】図8は、従来の民生用アナログVTRによ
るCM部分カット機能についての説明図である。テレビ
ジョン信号における放送番組は、近年、従来のモノラル
放送に加え、音声多重放送(ステレオ放送、2ケ国語放
送、さらに衛星放送ではデジタル音声放送である2ch
ステレオA,Bモード放送、ハイビジョン試験放送では
4chステレオAモード放送等)が盛んに行われてお
り、それに伴って、VTRについても音声多重放送の記
録が可能なVTRの販売、開発が行われている。この音
声多重放送は、番組内容によって異なり、例えば、洋画
等の外国語による番組については2ケ国語放送が用いら
れ、また、音楽番組等の音声が重視される番組について
はステレオ放送が用いられている。
【0005】また、CM放送についてもステレオ音声を
用いた迫力ある放送が行われている。いま、図8に示す
ような番組放送の記録・再生を行う場合を考えてみる。
一般に、洋画放送は2ケ国語音声であり、CM放送はス
テレオ音声が用いられている。そして、通常のVTRで
このような番組を記録した場合、洋画本編部分とともに
CM部分も記録されてしまう。しかし、洋画本編部分と
CM部分とではそれぞれの音声モードが異なることに注
目すると、音声モードが切り替わる点が本編部分とCM
部分との境目になることから、ある番組中のCM部分の
期間を特定することができる。
【0006】従来は、記録時に、この境目にVTRの頭
出しに用いられているVASS(Video Address Search
System)等のコントロールパルス信号を用いたインデ
ックス信号を書き込み、再生時に、このインデックス信
号で挟まれた区間のみ高速サーチを行うことによって、
再生時のCM部分のみの飛ばし見すなわち自動カットを
実行している。
【0007】以上の説明は、記録番組が2ケ国語放送の
場合であるが、要は番組部分とCM部分の音声モードの
違いを利用するものであるから、種々の音声モードの場
合についてCM部分の自動カットを行うことが可能であ
る。例えば、番組本編部分がモノラル放送で、CM部分
がステレオ放送である場合でもよい。なお、デジタル画
像圧縮技術は近年急速に進歩してきており、アナログ放
送データをディスク媒体にデジタル記録する装置も既に
実用化され発売されてきている。
【0008】上記したCM部分の自動カット機能は、最
近急速に普及してきているビデオ・ディスク・レコーダ
(VDR)においても採用されている。図9は、このV
DRの一般的な構成を示すブロック図である。この図に
おいて、記録モードでは、放送受信回路1が、図示を省
略してあるTV受像器から放送受信データを入力してこ
れを符号化器2に出力し、符号化器2は、入力放送受信
データの符号化を行う。そして、記録・再生制御回路3
は、符号化器2により符号化された符号化データ列を入
力し、これをDVD等の記録メディア4に記録する。ま
た、再生モードでは、記録・再生制御回路3が、記録メ
ディア4に記録されている符号化データ列を読み出し、
これを復号化器5に出力する。復号化器5は、入力した
符号化データ列を復号化し、復号化データ列を再生回路
6に出力する。再生回路6は、入力した復号化データ列
に基づいて再生データ列を、図示を省略してある再生回
路6に出力する。
【0009】ここで、VDRにおける従来の動き補償予
測符号化及びその復号化方法についての代表的な規格で
ある、ISO IEC/JTC1/SC2/WG11
(通称MPEG:Moving PictureExperts Groupとい
う)において決められた蓄積用動画像符号化の標準方式
(通称MPEG1という)について簡単に説明する。
【0010】MPEG1では、ある単位の動画像をまと
めてGOP(Group Of Picture)と呼んでいる。図10は
GOPの構成例を示す説明図である。GOP内のピクチ
ャは、通常、Iピクチャ(イントラ符号化画像:Intra-
coded picture ),Pピクチャ(前方予測符号化画像:
Predictive-coded picture),Bピクチャ(両方向予測
符号化画像:Bidirectionally Predictive-coded pictu
re)の3種類のピクチャにより構成されている。Iピク
チャは、フレーム内符号化ピクチャである。Pピクチャ
はフレーム間予測符号化ピクチャであり、最近の過去に
符号化されたIピクチャまたはPピクチャから動き予測
されて、この時の予測誤差が符号化される。Bピクチャ
は、双方向予測符号化ピクチャであり、過去のピクチャ
と未来のピクチャとの双方から動き予測されて、この時
の予測誤差が符号化される。GOPは、1又は複数枚の
Iピクチヤと、0又は複数枚の非Iピクチヤとから構成
される。なお、この図10において、Iピクチャは符号
Iで示し、Pピクチャは符号Pで示し、Bピクチャは符
号Bで示す。また、図10において、各ピクチャ間を結
ぶ矢印は、動き予測の方向を示している。
【0011】そして、MPEG1では、GOP単位での
ランダムアクセス(途中からの再生)を可能とするため
に、図11に示すように、各GOP(GOP1,GOP
2,GOP3,・・・,GOPN)に、それぞれGOP
ヘッダ(GOPヘッダ1,GOPヘッダ2,GOPヘッ
ダ3,・・・,GOPヘッダN)を付加することとして
いる。したがって、画像復号化装置は、供給された符号
化情報(入力ビットストリーム)の中から指定されたG
OPのGOPスタートコードを検出し、そのGOPの先
頭のIピクチャから復号を開始することにより、動画像
シーケンスの途中からの再生を可能としている。
【0012】そして、上記GOPヘッダには、クローズ
ドGOP(Closed GOP)フラグと、(ブロークンリンク
(Broken Link )フラグという2つのフラグが付加され
ている。ここで、Closed GOPフラグとは、符号化時に立
てられるフラグのことであり、このフラグが立てられた
GOPは、最初の数枚の(図10の場合には2フレーム
の)Bピクチャの予測時に、過去のGOPに属するPピ
クチャ(図10の場合には斜線で示したPピクチャ)に
基づく予測を行っていないことを示している。すなわ
ち、Closed GOPフラグが立っているGOPは、他のGO
Pから完全に独立したGOPであることを意味してい
る。
【0013】また、ブロークンリンクフラグは、Closed
GOPでないGOP(Open GOPともいう)のビットストリー
ムを編集により切りとってつなぎ合わせた場合に立てる
フラグのことである。したがって、画像復号化装置は、
ブロークンリンクフラグが立っているGOPでは先頭、
数枚のBピクチャの表示はできないことを認識する。
【0014】上記の2つのフラグはGOP先頭の数枚の
Bピクチャに関係するものであり、指定されたGOPか
らのランダムアクセス(途中からの再生)の時は、最悪
の場合で先頭のBピクチャを表示できないことがある
が、Iピクチャ以降の再生は可能である。なお、GOP
に関する詳細なビットストリームのコードや文法につい
ては、MPEG1の規格書に記載されている。
【0015】図12は、従来のVDRにより再生を行う
場合の、各スキップ部分及び各再生部分(非スキップ部
分)と各ピクチャとの対応関係を示した説明図であり、
図12(a)はスキップ部分についてのピクチャを省略
せずに図示したもの、図12(b)はスキップ部分につ
いてのピクチャを省略して図示したものである。図12
(a)に示すように、「スキップ部分1」、「再生部分
1」、「スキップ部分2」、「再生部分2」の順で再生
が可能なように各部分の符号化が行われている。そし
て、例えば「再生部分1」につき着目してみると、この
「再生部分1」は、クローズドGOP1の一部であるB
0,B1,I2,B3,B4,P5と、オープンGOP2の一
部であるB0,B1とにより構成されている。この場合、
クローズドGOP1のB0,B1,I2,B3,B4,P5の
符号化は、図12(a)の上段に示すように、I2,B
0,B1,P5,B3,B4の順で行われ、また、図12
(b)の上段に示すように、B0,B1,P5はI2に基
づき予測され符号化される。このような順で符号化され
た各ピクチャが、再生時には、B0,B1,I2,B3,B
4,P5の順で再生される。そして、再生時には、図12
(b)の下段に示すように、「スキップ部分1」及び
「スキップ部分2」がスキップされ、「再生部分1」に
続いて「再生部分2」が再生されるため、ユーザはCM
部分が飛ばされていることを特に意識することなく、本
編部分の洋画・ドラマを楽しむことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図12
(a)に示した場合は、「再生部分1」のいずれのピク
チャも「スキップ部分1」のピクチャの予測に基づき符
号化されていなかったために、全てのピクチャを問題な
く再生することが可能であった。しかし、もし「再生部
分1」のピクチャの中に「スキップ部分1」のピクチャ
の予測に基づき符号化されたものがあると、その部分の
ピクチャについては再生することができなくなる。
【0017】例えば、図13に示した場合、クローズド
GOP1の再生順は、図13(a)の下段に示すよう
に、B0,B1,P2,B3,B4,I5であり、符号化順
は、図13(a)の上段に示すように、P2,B0,B
1,I5,B3,B4である。そして、図13(b)の上段
に示したように、B0,B1はP2及びI5に基づき予測さ
れ復号化される。ところが、このP2はスキップされた
部分に属するピクチャであり、すでに存在しなくなって
いるため、B1,B2のピクチャの再生が不可能となって
いる。
【0018】このように、従来のVDRでは、スキップ
部分から再生部分(非スキップ部分)に切り換わった際
に、スキップされてしまうピクチャに基づき予測符号化
を行ってしまう場合があるために、切換直後の画像再生
が正確に行われないことがあるという第1の課題を有し
ていた。
【0019】また、従来のVDRは、再生時にスキップ
を行った場合に、復号化器内にあるVBV(Video Buf
fer Verifier)バッファと呼ばれる復号化バッファにお
いてアンダーフローが発生することがあるという第2の
課題を有している。次に、この第2の課題につき説明す
る。
【0020】図14は、図9における復号化器5の構成
を示すブロック図である。この図に示すように、復号化
器5は、復号化バッファ7、復号化回路8、逆量子化回
路9、逆DCT回路10、動き補償回路11、及び加算
器12を有している。そして、再生モードでは、記録メ
ディア4に記録されている画像データが再生回路6を介
して復号化バッファ7に送られる。復号化回路8は、復
号化バッファ7から画像データを順次取りだし、これを
復号化して逆量子化回路9に出力する。逆量子化回路9
は、この復号化されたデータを復号化回路8から与えら
れる量子化情報に基づき逆量子化を行い、これを逆DC
T回路10に出力する。逆DCT回路10は、この逆量
子化されたデータを逆DCTして加算器12の一方の入
力端子に出力する。動き補償回路11は、加算器12か
ら出力される前回分の画像データを入力し、復号化回路
8からの動き予測情報に基づき今回の動き補償データを
生成し、これを加算器12の他方の入力端子に出力す
る。そして、加算器12は、逆DCT回路10からの画
像データと動き補償回路11からの動き補償データとを
加算し、これを再生回路6に出力する。
【0021】上記のような復号化器5が復号化を行う場
合、復号化バッファ7にオーバーフロー及びアンダーフ
ローが発生しないように符号化器2が符号化を行ってい
ることから、通常はオーバーフロー及びアンダーフロー
が問題となることはない。ここで、オーバーフローと
は、復号化バッファ7の入力がその容量を超える状態と
なることをいい、アンダーフローとは、復号化バッファ
7に格納されるデータ量がゼロとなり復号化回路8がデ
ータを入力できない状態となることをいう。しかし、従
来のVDRでは、符号化器2がこのようなアンダーフロ
ー防止機能を持っているにもかかわらず、再生時にスキ
ップを行う場合にはしばしばアンダーフローが発生して
いた。
【0022】図15は、このアンダーフローが発生した
場合における復号化バッファ7のバッファ占有量の状態
を示す特性図である。符号化時には、符号化データ列A
と符号化データ列Bとの間にCM部分の符号化データ列
が存在していたが、このCM部分をスキップし、符号化
データ列Aに符号化データ列Bをつなげたために、符号
化データ列Bに図示のようなアンダーフロー部分が生じ
ている。このようなアンダーフロー部分が生じると再生
画像の一部が欠損したり、本来滑らかな連続画像となる
べきはずのものがコマ送りのような静止画像となったり
し、正確な画像再生が行われなくなる。なお、図15に
示した波形において、右斜め上がりの部分は復号化バッ
ファ7にデータが入力されている過程を示し、右斜め上
がりの頂部から谷部まで垂直に落下している部分は1フ
レーム分のデータ量が復号化回路8に対して吐き出され
る過程を示している。
【0023】図15に示したようなアンダーフローが発
生するのは次のような理由によるものである。すなわ
ち、図16は、本来スキップされるべきはずのCM部分
(点線部分)がスキップされずに復号化バッファ7に入
力された場合のバッファ占有量の変化を示すものである
が、この場合にはアンダーフローが発生していない。こ
れは、符号化器2が常に復号化バッファのバッファ占有
量を監視しながら(実際には、復号化バッファ占有量に
対応する符号化バッファ占有量を監視している。)符号
化を行っている結果である。例えば、符号化データ列A
とCM部分とが切り換わる第1の切換時点の位置P1で
はバッファ占有量がV1となっているが、符号化器2は
この時点でのバッファ占有量がV1になることを認識し
た上でその後の符号化を行っており、同様に、CM部分
と符号化データ列Bとが切り換わる第2の切換時点の位
置P2のバッファ占有量がV2になることを認識した上で
その後の符号化を行っている。
【0024】ところが、このように符号化された画像デ
ータを再生する際にCM部分をスキップしてしまうと、
符号化データ列の先頭部分である点P2が点P1に移動す
ることになるため、図15に示したような状態となって
アンダーフローが発生することになる。つまり、符号化
器2は、位置P2でのバッファ占有量がV2であることを
認識した上で符号化を行うことにより、符号化データ列
Bが復号化される際に復号化バッファ7にアンダーフロ
ーが発生するのを回避していたのであるが、CM部分を
スキップしてしまったので、符号化器2は、実際のバッ
ファ占有量がV1であるにもかかわらずV2であると誤認
識した状態でその後の符号化を行ってしまったのと同じ
結果となっている。このような理由により、符号化器2
が折角アンダーフローが発生しないように符号化を行っ
たにもかかわらず、CM部分をスキップした場合には復
号化バッファ7のアンダーフローが発生していたのであ
る。
【0025】なお、CM部分のスキップを行った場合、
アンダーフローが発生したのと同様の理由により、オー
バーフローも発生しそうに思えるが、実際にはオーバー
フローが発生することはない。つまり、図17に示すよ
うに、CM部分を飛ばして符号化データ列Aと符号化デ
ータ列Bとをつなげた場合、符号化データ列B側にオー
バーフローラインOFLを上回る量のデータが復号化バ
ッファ7に入力されそうになる(点線で示したオーバー
フロー分)。しかし、このような場合、復号化器5の機
能によって復号化バッファ7のデータ入力が停止される
ようになっており(バッファへのデータ入力が停止され
てもバッファからのデータ出力は行われているので復号
化動作に支障をきたすことはない。)、実際には図18
に示すように、復号化バッファ占有量がオーバーフロー
ラインOFLを上回ることなく復号化が行われる。した
がって、従来のVDRでは、CM部分のスキップを行っ
た場合に、アンダーフローのみの発生が問題となってい
た。
【0026】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、再生時にスキップ画像データを飛ばし、非スキッ
プ画像データのみをつなぎ合わせて再生を行う場合に、
スキップ画像データから非スキップ画像データに切り換
わった直後の画像再生を正確に行うことができないとい
う第1の課題を解決し、また、復号化バッファにアンダ
ーフローが発生してしまうという第2の課題を解決する
ことを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るための手段として、請求項1記載の発明は、入力画像
データに対して予測符号化を行い、Iピクチャ(イント
ラ符号化画像)、Bピクチャ(両方向予測符号化画
像)、及びPピクチャ(前方向予測符号化画像)のうち
少なくともIピクチャを含む複数のピクチャで構成され
るGOPを生成する符号化器と、記録モードでは前記符
号化器により生成されたGOPの記録メディアへの記録
を行う記録制御回路と、備えた画像圧縮データ記録装置
において、前記符号化器は、再生時においてスキップさ
れるべきものとされるスキップ画像データから再生時に
おいてそのまま再生すべきものとされる非スキップ画像
データへの切換時点におけるピクチャをIピクチャにし
てGOPを生成すると共に、このIピクチャがそのGO
Pでの先頭ピクチャとなることを示す先頭ピクチャ情報
をGOPヘッダに付すものである、ことを特徴とする。
【0028】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記符号化器は、符号化を行うときの入力
画像データがスキップ画像データである場合に、符号化
速度を変更するように量子化の際の量子化ステップの大
きさを調整することが可能な量子化ステップ調整回路を
有するものである、ことを特徴とする。
【0029】請求項3記載の発明は、入力画像データに
対して予測符号化を行い、Iピクチャ(イントラ符号化
画像)、Bピクチャ(両方向予測符号化画像)、及びP
ピクチャ(前方向予測符号化画像)のうち少なくともI
ピクチャを含む複数のピクチャで構成されるGOPを生
成する符号化器と、記録モードでは前記符号化器により
生成されたGOPの記録メディアへの記録を行い、再生
モードではこの記録メディアに記録されたGOPの読み
出しを行う記録・再生制御回路と、前記記録・再生制御
回路により読み出されたGOPの復号化を行う復号化器
と、を備え、再生モードではスキップされるべきものと
されるスキップ画像データを飛ばし、そのまま再生すべ
きものとされる非スキップ画像データのみをつなぎ合わ
せて再生を行うことが可能な画像圧縮データ記録・再生
装置において、前記符号化器は、前記スキップ画像デー
タと前記非スキップ画像データとを入力音声モードに基
づき識別し、その識別情報を再生インデックスデータと
して前記記録・再生制御回路に出力するものであり、さ
らに、前記識別に基づき前記スキップ画像データから前
記非スキップ画像データへの切換時点におけるピクチャ
をIピクチャにしてGOPを生成すると共に、このIピ
クチャがそのGOPでの先頭ピクチャとなることを示す
先頭ピクチャ情報をGOPヘッダに付すものであり、前
記記録・再生制御回路は、記録モードでは前記識別情報
を再生インデックスデータとして前記記録メディアに記
録すると共に、再生モードでは、非スキップ画像データ
であることを示す再生インデックスデータが付されたG
OPのみの読み出しを行うものであり、前記復号化器
は、前記記録・再生制御回路により読み出されたGOP
の復号化を行うことにより、非スキップ画像データのみ
をつなぎ合わせた復号化信号を出力するものである、こ
とを特徴とする。
【0030】また、上記第2の課題を解決するための手
段として、請求項4記載の発明は、入力画像データに対
して予測符号化を行いGOPを生成する符号化器と、記
録モードでは前記符号化器により生成されたGOPの記
録メディアへの記録を行い、再生モードではこの記録メ
ディアに記録されたGOPの読み出しを行う記録・再生
制御回路と、前記記録・再生制御回路により読み出され
たGOPの復号化を行う復号化器と、を備え、再生モー
ドでは、スキップすべきものとされているスキップ画像
データを飛ばし、そのまま再生すべきものとされている
非スキップ画像データのみをつなぎ合わせて再生を行う
ことが可能な画像圧縮データ記録・再生装置において、
前記符号化器は、非スキップ画像データからスキップ画
像データに切り換わる第1の切換時点、及びスキップ画
像データから非スキップ画像データに切り換わる第2の
切換時点の双方の時点における復号化バッファ占有量を
検出可能なものであり、第2の切換時点における復号化
バッファ占有量を第1の切換時点における復号化バッフ
ァ占有量以下とした後に第2の切換時点以降の符号化を
行うものである、ことを特徴とする。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記符号化器は、非スキップ画像データか
らスキップ画像データに切り換わる第1の切換時点、及
びスキップ画像データから非スキップ画像データに切り
換わる第2の切換時点の双方の時点における復号化バッ
ファ占有量を検出する復号化バッファ値検出回路と、非
スキップ画像データからスキップ画像データに切り換わ
った第1の切換時点における前記復号化バッファ値検出
回路の検出値を記憶しておき、その後スキップ画像デー
タから非スキップ画像データに切り換わった第2の切換
時点における前記復号化バッファ値検出回路の検出値が
第1の切換時点における検出値以下となるように量子化
の際の量子化ステップの大きさを調整する量子化ステッ
プ調整回路と、を有するものである、ことを特徴とす
る。
【0032】請求項6記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記符号化器は、DCT変換及び量子化が
行われた後の画像データに対して可変長符号化を行う可
変長符号化回路と、非スキップ画像データからスキップ
画像データに切り換わる第1の切換時点、及びスキップ
画像データから非スキップ画像データに切り換わる第2
の切換時点の双方の時点における復号化バッファ占有量
を検出する復号化バッファ値検出回路と、非スキップ画
像データからスキップ画像データに切り換わった第1の
切換時点における前記復号化バッファ値検出回路の検出
値を記憶しておき、その後スキップ画像データから非ス
キップ画像データに切り換わった第2の切換時点におけ
る前記復号化バッファ値検出回路の検出値が第1の切換
時点における検出値以下となるような無効データを作成
し、これを前記可変長符号化回路に出力する無効データ
作成回路と、を有するものである、ことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づき説明する。図1は、第1の課題を解決するための発
明に係る実施形態の要部である符号化器2Aの構成を示
すブロック図である。図4は、この符号化器2Aを用い
た画像圧縮データ記録・再生装置全体の構成を示すブロ
ック図である。図4が図9と異なる点は、符号化器2が
符号化器2Aに変わっている点と再生インデックスデー
タベース29及び再生モード設定器30が追加されてい
る点である。
【0034】図1において、符号化器2Aは、音声入力
系統の構成要素として、音声モード検出回路13、GO
Pスタート指示回路14、及び符号化タイプ決定回路1
5を有しており、また、画像入力系統の構成要素とし
て、フレームメモリ16、減算器17、差分信号符号化
回路18、差分信号復号化回路19、加算器20、復号
化フレームメモリ21、動き予測補償回路22、動き予
測補償回路22内のピクチャタイプ選択部23、DCT
回路24、量子化回路25、可変長符号化回路26、符
号化バッファ27、及び量子化ステップ調整回路28を
有している。
【0035】画像入力系統の各構成要素につき説明する
と、まず、放送受信回路1からの画像入力信号はフレー
ムメモリ16を介して減算器17に送られるようになっ
ており、減算器17は、このフレームメモリ16からの
画像データと、動き予測補償回路22で作成された画像
データとの差分を取り、これを差分信号符号化回路18
に出力するようになっている。差分信号符号化回路18
は、この差分を符号化し符号化データをDCT回路24
に出力するようになっているが、同時に差分信号復号化
回路19にもこの符号化データを出力するようになって
いる。差分信号復号化回路19は、この符号化データを
復号化し、その復号化データを加算器20に出力するよ
うになっており、加算器20は、この復号化データと、
動き予測補償回路22からの前回分の画像データとを加
算するようになっている。加算器20は加算した復号化
データを復号化フレームメモリ21を介して動き予測補
償回路22に送り、動き予測補償回路22は動き予測補
償を行ったピクチャを生成するようになっている。この
ときピクチャタイプ選択部23は符号化タイプ決定回路
15からの指令により、Iピクチャ、Bピクチャ、Pピ
クチャのうちのいずれか一のピクチャタイプを選択して
おり、動き予測補償回路22はこの選択がなされたタイ
プのピクチャを生成するようになっている。そして、動
き予測補償回路22により生成されたピクチャの画像デ
ータが、前述したように、減算器17及び加算器20に
送られるようになっている。
【0036】そして、差分信号符号化回路18で符号化
されたデータは、DCT回路24、量子化回路25、及
び可変長符号化回路26によりそれぞれDCT変換、量
子化、及び可変長符号化が行われた後、符号化データ列
として符号化バッファ27を介して記録・再生制御回路
3(図4)に出力される。このとき量子化ステップ調整
回路28は、符号化バッファ27のある特定の領域を監
視して可変長符号化回路26から符号化バッファ27へ
出力されるデータ量を検出している。この可変長符号化
回路26から符号化バッファ27へのデータ量は前述し
た復号化バッファ占有量に対応するものであり、この監
視に基づき量子化ステップ調整回路28は量子化回路2
5が量子化を行うときの量子化ステップ数を調整し、ア
ンダーフロー及びオーバーフローの発生を防止してい
る。
【0037】また、音声入力系統の各構成要素につき説
明すると、音声モード出力回路13は放送受信回路1か
らの音声入力信号を入力し、この信号がステレオ放送信
号であるか音声多重放送信号であるか否かを判別するこ
とにより音声モードを判別している。ここで、本実施形
態では、音声多重信号からステレオ放送信号に切り換わ
った時点すなわち本編部分からCM部分に切り換わった
時点を第1の切換時点とし、一方、ステレオ放送信号か
ら音声多重信号に切り換わった時点すなわちCM部分か
ら本編部分に切り換わった時点を第2の切換時点として
いる。
【0038】そして、量子化ステップ調整回路28は、
音声モード検出回路13から第1の切換時点検出信号を
入力すると、その後に第2の切換時点検出信号を入力す
るまでは、量子化回路25に対して量子化ステップ数を
大きくすべき旨の指令信号を出力する。これにより、量
子化回路25は、量子化を行う際のステップ数を大きく
し、CM部分放送期間中の画質を劣化させるようになっ
ている。
【0039】また、符号化タイプ決定回路15は、音声
モード検出回路13から第2の切換時点の検出信号を入
力した時点でIピクチャ選択指令信号をピクチャタイプ
選択部23に出力する。これにより、動き予測補償回路
22はIピクチャについての画像データを生成するよう
になっている。また、GOPスタート指示回路14は、
音声モード検出回路13から第2の切換時点検出信号を
入力すると、この入力時点で符号化したピクチャが先頭
ピクチャであることを知らせる先頭ピクチャ情報を可変
長符号化回路26に出力し、可変長符号化回路26はこ
の先頭ピクチャ情報をGOPヘッダに付するようになっ
ている。
【0040】次に、上記のように構成される図1の動作
につき説明する。いま、放送受信回路1が本編部分の番
組を受信中であり、画像入力系統の各構成要素は、既述
したような符号化データ列を生成するための通常の動作
を行っているものとする。やがて、本編部分の番組が中
断してCM部分の番組が開始され、音声モードが音声多
重モードからステレオモードに切り換わる第1の切換時
点となる。音声モード検出回路13は、この第1の切換
時点を検出し第1の切換時点検出信号を出力するが、量
子化ステップ調整回路28はこの第1の切換時点検出信
号に基づき量子化ステップ数を大きくすべき旨の指令信
号を量子化回路25に対して出力する(符号化タイプ決
定回路15及びGOPスタート指示回路14は、このと
きの第1の切換時点検出信号の入力によっては特に動作
を行わない。)。これにより、量子化回路25は、量子
化を行う際のステップ数を大きくし、CM部分放送期間
中の画質を劣化させるようにする。したがって、再生時
にはスキップされてしまうCM部分に対して徒に符号化
量が増大するのを防止することができる。
【0041】なお、CM部分のみを鑑賞したいというユ
ーザも存在するものと考えられる。例えば、CMに起用
されるタレントのファン等である。そこで、このような
ユーザの意向を重視し、再生時にCM部分がスキップさ
れないようにすると共に、CM部分の符号化時の量子化
ステップ数を小さくすることにより、逆に画質を向上さ
せる構成とすることも本発明に係る画像圧縮データ記録
・再生装置では可能である。なお、音声モード検出回路
13からの第1の切換時点検出信号に基づき、量子化ス
テップ調整回路28が量子化回路25に対して行わせる
量子化ステップ数の調整は、あくまでCM部分の画質を
意図的に劣化又は向上させるための調整であり、前述し
たアンダーフロー及びオーバーフローの発生を防止する
ためのものとは別個に行われる調整である。
【0042】さて、上記のように、第1の切換時点以降
において画質が劣化するようにCM部分の符号化が行わ
れた後第2の切換時点となり、音声モード検出回路13
は第2の切換時点検出信号を出力する。符号化タイプ決
定回路15は、この第2の切換時点の検出信号を入力す
ると、Iピクチャ選択指令信号をピクチャタイプ選択部
23に出力し、これにより、動き予測補償回路22はI
ピクチャについての画像データを生成する。このとき、
GOPスタート指示回路14も音声モード検出回路13
から第2の切換時点検出信号を入力しており、この入力
時点で符号化したピクチャが先頭ピクチャであることを
可変長符号化回路26に知らせている。そして、可変長
符号化回路26はこの先頭ピクチャ情報をGOPヘッダ
に付す。
【0043】図2は、このようにして符号化器2Aから
生成される符号化データ列の構成例を示すものである。
この図に示すように、第1の切換時点直後のCM部分に
おける先頭ピクチャはBピクチャになっているが、第2
の切換時点直後の本編部分における先頭ピクチャはIピ
クチャになっている。
【0044】また、図3は、各番組切換時点と各GOP
のタイプとの対応関係を示した説明図である。この図に
示すように、CM部分終了直後の本編部分のGOPは必
ずIピクチャが先頭ピクチャとなるクローズドGOPと
なっている。また、復号化時には、GOPヘッダに付さ
れた先頭ピクチャ情報によって、復号化器はこのIピク
チャが先頭ピクチャであることを識別することができる
ために、CM部分をスキップした場合においてもCM部
分から切り換わった直後の本編部分の画像再生が正確に
行われることになる。
【0045】次に、図4に示した再生インデックスデー
タベース29及び再生モード設定器30につき説明す
る。符号化器2Aは、上述した符号化動作を行うにあた
り、各本編部分及び各CM部分に対応する再生インデッ
クスデータを再生インデックスデータベース29に書き
込むようにしている。図5は、この再生インデックスデ
ータと各本編部分及び各CM部分との間の対応関係を示
す説明図である。この図に示すように、交互に放送され
る本編部分及びCM部分に対して、index0,index1,inde
x2,index3…等の再生インデックスデータが付される。
そして、再生画像データ又はスキップ画像データがどの
再生インデックスデータの番号に対応するかは予め設定
されている。図5の例では、index0,index2が再生画像
データであり、index1,index3がスキップ画像データで
あることを示している。
【0046】記録・再生制御回路3は、記録モードにお
いては符号化器2Aからの符号化データ列と共に、この
再生インデックスデータベース29に書き込まれている
再生インデックスデータを記録メディア4に記録する。
そして、再生インデックスデータベース29は、再生モ
ードにおいては記録メディア4に記録されている符号化
データ列を読み出すが、この時、index1,index3が付さ
れている符号化データ列の読み出しは行わない。したが
って、記録・再生制御回路3からは、index0,index2が
付されている符号化データ列のみが出力されることにな
る。
【0047】再生モード設定器30は、記録モード又は
再生モードのいずれかの設定や再生時の倍速等の設定、
さらには、再生時におけるCM部分のスキップ実行の有
無の設定などを行うためのものである。スキップ実行を
行うように設定した場合は、CM部分の再生は行われな
い。一方、スキップ実行を行わないように設定した場合
は、CM部分についても再生されるが、この場合のCM
部分の画質は劣化したもの(あるいは逆に画質が向上し
たもの)である。
【0048】図6は、第2の課題を解決するための発明
に係る実施形態の要部である符号化器2Bの構成を示す
ブロック図である。但し、図1と同様の構成要素には同
一符号を付することとし、重複した説明を省略する。図
6が図1と異なる主な点は、図1におけるGOPスター
ト指示回路14、符号化タイプ決定回路15、ピクチャ
タイプ選択部23が削除されると共に、復号化バッファ
値検出回路31及び無効データ作成回路32が追加され
ている点である。
【0049】復号化バッファ値検出回路31は、符号化
バッファ27の特定エリアを監視することにより可変長
符号化回路26の符号化量を検出するものであり、その
検出結果を量子化ステップ調整回路28及び無効データ
作成回路32に出力するようになっている。この符号化
量は、復号化器5(図14参照)における復号化バッフ
ァ7のバッファ占有量にほぼ対応しているので、本明細
書ではこのように「復号化バッファ値検出回路」と呼ん
でいる。図1では、この復号化バッファ値検出回路31
の図示は省略されていたが、実際には、一般的機能とし
てオーバーフロー及びアンダーフローの発生を防止する
ために、図1においてもこの復号化バッファ値検出回路
31に相当する回路が設けられている。
【0050】無効データ作成回路32は無効データを作
成し、これを可変長符号化回路26に出力するものであ
る。無効データとは、ゼロから成る画像データのことで
あり、これを付加することにより見かけ上の符号化量を
増大させることができる。したがって、復号化時に復号
化バッファ7(図14参照)から復号化回路8に吐き出
されるデータ量が増大し、復号化バッファ占有量を低下
させることが可能になる。
【0051】次に、図6の動作を、図7の特性図を参照
しつつ説明する。本実施形態における符号化器2Bは、
復号化時に図7のように推移する復号化バッファ占有量
を復号化バッファ値検出回路31により監視しながら符
号化を行うものである。
【0052】いま、本編部分を符号化しているうちに第
1の切換時点を通過したとすると、音声モード検出回路
13は第1の切換時点検出信号を復号化バッファ値検出
回路31及び無効データ作成回路32に出力する。復号
化バッファ値検出回路31は、この時の復号化バッファ
占有量の値V1を検出してこれを無効データ作成回路3
2に出力する。そして、無効データ作成回路32は、こ
の第1の切換時点における値V1を記憶しておく。
【0053】次いで、CM部分の符号化が行われて第2
の切換時点を通過すると、音声モード検出回路13は、
前と同様に、第2の切換時点検出信号を復号化バッファ
値検出回路31及び無効データ作成回路32に出力す
る。復号化バッファ値検出回路31は、この時の復号化
バッファ占有量の値V2を検出してこれを無効データ作
成回路32に出力する。そして、無効データ作成回路3
2は、第2の切換時点における値V2が第1の切換時点
における値V1よりも相当程度高くなっていることを検
知し、占有量V2をV1以下のレベルまで強制的に低下さ
せるためにV2−V1に相当する量の無効データを作成
し、これを可変長符号化回路26に出力する。これによ
り、第2の切換時点すなわちCM部分終了時点は位置P
2(復号化バッファ占有量V2)からP1(復号化バッフ
ァ占有量V1)以下のレベルの位置P3まで低下する。し
たがって、量子化回路25及び可変長符号化回路26
は、第2の切換時点における位置がP3にあることを認
識した上でアンダーフローが発生しないように量子化及
び符号化を行って符号化データ列Bを生成する。
【0054】そして、このように、符号化を行った後に
再生時にCM部分のスキップを行う場合、符号化データ
列Bの先頭位置P3が符号化データ列Aの最後尾の位置
P1につながることになるが、位置P3の元の高さは位
置P1以下であったことから、CM部分スキップ後の符
号化データ列Bにアンダーフローが生じることはない。
これに対し、もし上記のように無効データを作成するこ
となくCM部分終了時点の位置をP2にしたままで符号
化データ列Bの符号化を行った場合、符号化データ列B
の先頭位置はP2になるので、CM部分のスキップを行
わずに再生する場合はアンダーフローが生じることはな
いが、CM部分のスキップを行った場合には符号化デー
タ列Bの先頭位置P2が位置P1につながることになるた
めアンダーフローが生じるおそれがある。
【0055】上述したのは、第2の切換時点におけるC
M部分の終了位置を位置P2からP3まで強制的に低下さ
せる手段として、無効データ作成回路32を用いた場合
につき説明したが、量子化ステップ調整回路28の機能
を利用して位置P2からP3まで強制的に低下させること
もできる。すなわち、量子化ステップ調整回路28は、
第1及び第2の切換時点におけるバッファ占有量の値V
1,V2を復号化バッファ値検出回路31から入力し、量
子化ステップ数を小さくすることにより(CM部分最後
のピクチャの画質を向上させることにより)CM部分終
了時点の位置を位置P2から位置P3以下に低下させるこ
とができる。あるいは、無効データ作成回路32及び量
子化ステップ調整回路28の双方を機能させてCM部分
終了時点の位置を位置P2から位置P3以下に低下させる
ようにしてもよい(実際の形態としては、まず、量子化
ステップ調整回路28によりCM部分終了時点の位置を
低下させるようにし、それでも未だ充分に低下させるこ
とができない場合に無効データ作成回路32に無効デー
タを作成させる構成にすることが考えられる。)。
【0056】なお、図6に示した符号化器2Bは第2の
課題を解決するためだけの構成を備えたものであり、図
1に示したGOPスタート指示回路14、符号化タイプ
決定回路15、及びピクチャタイプ選択部23等の構成
要素が削除されているが、もちろん、第1及び第2の課
題を同時に解決できるように、図6においてもこれらの
構成要素を削除せず、そのまま残した構成とすることも
可能である。
【0057】また、上記各実施形態では、入力画像デー
タについての記録機能及び再生機能の双方を具備した画
像圧縮データ記録・再生装置につき説明したが、本発明
の技術は、記録機能のみを具備した画像圧縮データ記録
装置に対してももちろん適用することが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、符号化
器が、スキップ画像データから非スキップ画像データへ
の切換時点におけるピクチャをIピクチャにして生成す
ると共に、このIピクチャがそのGOPでの先頭ピクチ
ャとなることを示す先頭ピクチャ情報をGOPヘッダに
付す構成としたので、再生時にスキップ画像データを飛
ばし、非スキップ画像データのみをつなぎ合わせて再生
を行う場合に、スキップ画像データから非スキップ画像
データに切り換わった直後の画像再生を正確に行うこと
が可能になる。
【0059】また、符号化器が、非スキップ画像データ
がスキップ画像データに切り換わる第1の切換時点、及
びスキップ画像データが非スキップ画像データに切り換
わる第2の切換時点の双方の時点における復号化バッフ
ァ占有量を検出可能なものであり、第2の切換時点にお
ける復号化バッファ占有量を第1の切換時点における復
号化バッファ占有量以下とした後に第2の切換時点以降
の符号化を行う構成としたので、再生時にスキップ画像
データを飛ばし、非スキップ画像データのみをつなぎ合
わせて再生を行う場合に、復号化バッファにアンダーフ
ローが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の課題を解決するための発明に係る実施形
態の要部である符号化器2Aの構成を示すブロック図。
【図2】図1の符号化器2Aにより生成される符号化デ
ータ列の構成例を示す説明図。
【図3】図1の符号化器2Aを用いた場合の各番組切換
時点と各GOPのタイプとの対応関係を示した説明図。
【図4】図1の符号化器2Aを用いた画像圧縮データ記
録・再生装置全体の構成図。
【図5】図4における再生インデックスデータベース2
9に書き込まれる再生インデックスデータと各本編部分
及び各CM部分との間の対応関係を示す説明図。
【図6】第2の課題を解決するための発明に係る実施形
態の要部である符号化器2Bの構成を示すブロック図。
【図7】図6の動作を説明するための復号化バッファ占
有量についての特性図。
【図8】従来の民生用アナログVTRによるCM部分カ
ット機能についての説明図。
【図9】VDRの一般的な構成を示すブロック図。
【図10】図9における符号化器2により生成されるG
OPの構成例を示す説明図。
【図11】GOPヘッダの配置例についての説明図。
【図12】従来のVDRにより再生を行う場合の、各ス
キップ部分及び各再生部分と各ピクチャとの対応関係を
示した説明図。
【図13】従来のVDRにおける第1の課題についての
説明図。
【図14】図9における復号化器5の構成を示すブロッ
ク図。
【図15】従来のVDRにおける第2の課題についての
説明図。
【図16】従来のVDRにおける第2の課題についての
説明図。
【図17】従来のVDRにおける第2の課題についての
説明図。
【図18】従来のVDRにおける第2の課題についての
説明図。
【符号の説明】
1 放送受信回路 2,2A,2B 符号化器 3 記録・再生制御回路 4 記録メディア 5 復号化器 6 再生回路 7 復号化バッファ 8 復号化回路 9 逆量子化回路 10 逆DCT回路 11 動き補償回路 12 加算器 13 音声モード検出回路 14 GOPスタート指示回路 15 符号化タイプ決定回路 16 フレームメモリ 17 減算器 18 差分信号符号化回路 19 差分信号復号化回路 20 加算器 21 復号化フレームメモリ 22 動き予測補償回路 23 ピクチャタイプ選択部 24 DCT回路 25 量子化回路 26 可変長符号化回路 27 符号化バッファ 28 量子化ステップ調整回路 29 再生インデックスデータベース 30 再生モード設定器 31 復号化バッファ値検出回路 32 無効データ作成回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C052 AA03 AB03 AB04 AC10 CC11 DD04 5C059 KK35 MA00 MA05 MA14 MA23 MC11 NN01 NN21 PP05 PP06 PP07 RB15 RC24 SS13 TA17 TA25 TA46 TB03 TC00 TC16 TD00 TD05 UA02 UA05 UA32 UA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像データに対して予測符号化を行
    い、Iピクチャ(イントラ符号化画像)、Bピクチャ
    (両方向予測符号化画像)、及びPピクチャ(前方向予
    測符号化画像)のうち少なくともIピクチャを含む複数
    のピクチャで構成されるGOPを生成する符号化器と、 記録モードでは前記符号化器により生成されたGOPの
    記録メディアへの記録を行う記録制御回路と、 備えた画像圧縮データ記録装置において、 前記符号化器は、再生時においてスキップされるべきも
    のとされるスキップ画像データから再生時においてその
    まま再生すべきものとされる非スキップ画像データへの
    切換時点におけるピクチャをIピクチャにしてGOPを
    生成すると共に、このIピクチャがそのGOPでの先頭
    ピクチャとなることを示す先頭ピクチャ情報をGOPヘ
    ッダに付すものである、 ことを特徴とする画像圧縮データ記録装置。
  2. 【請求項2】前記符号化器は、符号化を行うときの入力
    画像データがスキップ画像データである場合に、符号化
    速度を変更するように量子化の際の量子化ステップの大
    きさを調整することが可能な量子化ステップ調整回路を
    有するものである、 ことを特徴とする請求項1記載の画像圧縮データ記録装
    置。
  3. 【請求項3】入力画像データに対して予測符号化を行
    い、Iピクチャ(イントラ符号化画像)、Bピクチャ
    (両方向予測符号化画像)、及びPピクチャ(前方向予
    測符号化画像)のうち少なくともIピクチャを含む複数
    のピクチャで構成されるGOPを生成する符号化器と、 記録モードでは前記符号化器により生成されたGOPの
    記録メディアへの記録を行い、再生モードではこの記録
    メディアに記録されたGOPの読み出しを行う記録・再
    生制御回路と、 前記記録・再生制御回路により読み出されたGOPの復
    号化を行う復号化器と、 を備え、再生モードではスキップされるべきものとされ
    るスキップ画像データを飛ばし、そのまま再生すべきも
    のとされる非スキップ画像データのみをつなぎ合わせて
    再生を行うことが可能な画像圧縮データ記録・再生装置
    において、 前記符号化器は、前記スキップ画像データと前記非スキ
    ップ画像データとを入力音声モードに基づき識別し、そ
    の識別情報を再生インデックスデータとして前記記録・
    再生制御回路に出力するものであり、さらに、前記識別
    に基づき前記スキップ画像データから前記非スキップ画
    像データへの切換時点におけるピクチャをIピクチャに
    してGOPを生成すると共に、このIピクチャがそのG
    OPでの先頭ピクチャとなることを示す先頭ピクチャ情
    報をGOPヘッダに付すものであり、 前記記録・再生制御回路は、記録モードでは前記識別情
    報を再生インデックスデータとして前記記録メディアに
    記録すると共に、再生モードでは、非スキップ画像デー
    タであることを示す再生インデックスデータが付された
    GOPのみの読み出しを行うものであり、 前記復号化器は、前記記録・再生制御回路により読み出
    されたGOPの復号化を行うことにより、非スキップ画
    像データのみをつなぎ合わせた復号化信号を出力するも
    のである、 ことを特徴とする画像圧縮データ記録・再生装置。
  4. 【請求項4】入力画像データに対して予測符号化を行い
    GOPを生成する符号化器と、 記録モードでは前記符号化器により生成されたGOPの
    記録メディアへの記録を行い、再生モードではこの記録
    メディアに記録されたGOPの読み出しを行う記録・再
    生制御回路と、 前記記録・再生制御回路により読み出されたGOPの復
    号化を行う復号化器と、 を備え、再生モードでは、スキップすべきものとされて
    いるスキップ画像データを飛ばし、そのまま再生すべき
    ものとされている非スキップ画像データのみをつなぎ合
    わせて再生を行うことが可能な画像圧縮データ記録・再
    生装置において、 前記符号化器は、非スキップ画像データからスキップ画
    像データに切り換わる第1の切換時点、及びスキップ画
    像データから非スキップ画像データに切り換わる第2の
    切換時点の双方の時点における復号化バッファ占有量を
    検出可能なものであり、第2の切換時点における復号化
    バッファ占有量を第1の切換時点における復号化バッフ
    ァ占有量以下とした後に第2の切換時点以降の符号化を
    行うものである、 ことを特徴とする画像圧縮データ記録・再生装置。
  5. 【請求項5】前記符号化器は、 非スキップ画像データからスキップ画像データに切り換
    わる第1の切換時点、及びスキップ画像データから非ス
    キップ画像データに切り換わる第2の切換時点の双方の
    時点における復号化バッファ占有量を検出する復号化バ
    ッファ値検出回路と、 非スキップ画像データからスキップ画像データに切り換
    わった第1の切換時点における前記復号化バッファ値検
    出回路の検出値を記憶しておき、その後スキップ画像デ
    ータから非スキップ画像データに切り換わった第2の切
    換時点における前記復号化バッファ値検出回路の検出値
    が第1の切換時点における検出値以下となるように量子
    化の際の量子化ステップの大きさを調整する量子化ステ
    ップ調整回路と、 を有するものである、 ことを特徴とする請求項4記載の画像圧縮データ記録・
    再生装置。
  6. 【請求項6】前記符号化器は、 DCT変換及び量子化が行われた後の画像データに対し
    て可変長符号化を行う可変長符号化回路と、 非スキップ画像データからスキップ画像データに切り換
    わる第1の切換時点、及びスキップ画像データから非ス
    キップ画像データに切り換わる第2の切換時点の双方の
    時点における復号化バッファ占有量を検出する復号化バ
    ッファ値検出回路と、 非スキップ画像データからスキップ画像データに切り換
    わった第1の切換時点における前記復号化バッファ値検
    出回路の検出値を記憶しておき、その後スキップ画像デ
    ータから非スキップ画像データに切り換わった第2の切
    換時点における前記復号化バッファ値検出回路の検出値
    が第1の切換時点における検出値以下となるような無効
    データを作成し、これを前記可変長符号化回路に出力す
    る無効データ作成回路と、 を有するものである、 ことを特徴とする請求項4記載の画像圧縮データ記録・
    再生装置。
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