JP2000331773A - セラミックス筒状体の把持構造およびその形成方法 - Google Patents

セラミックス筒状体の把持構造およびその形成方法

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ceramic
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heating
electric heater
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Akira Toriyama
彰 鳥山
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シール性能を低下させることなく、製造費用が
安い、しかも製造時間が短縮されたセラミックス筒状体
の把持構造を提供する。 【解決手段】セラミックス筒状体の把持構造であって、
加熱膨張性マット2に付設された加熱手段7で該マット
2を加熱することにより、該マットを膨張させた状態
で、セラミックス筒状体1の外面と筒状の内面を有する
金属部材3との間に介在させてセラミックス筒状体1を
把持する構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集塵機、除塵機、
熱交換器などに適用される、セラミックス筒状体の把持
構造と把持構造形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉塵発生量の多い加圧流動床複合発電、
電気炉、転炉等では、高温の排ガスから粉塵を除去する
ことが必要となる。近年、高温の排ガスをそのまま処理
できる集塵機のフィルタとして、高温ガスにも適用でき
るセラミックス管、筒状セラミックス繊維マットなどの
セラミックス筒状体が採用されてきている。また、フィ
ルタ以外にも、高温の排ガスから熱エネルギーを回収す
るための熱交換器としてセラミックス筒状体が検討され
ている。
【0003】しかし、これらのセラミックス筒状体の採
用に際しては種々の技術的困難が伴っている。すなわ
ち、セラミックス筒状体は金属材料と比較したとき、熱
膨張係数が小さく、脆く破損しやすい性質を有してお
り、引張強度や熱衝撃に弱く、設計や製作に際して細心
の注意を必要とする。
【0004】また、このようなセラミックス筒状体を使
用した除塵機ではセラミックス筒状体を金属部材に把持
させることが通常行われる。しかし、セラミックス筒状
体と金属部材とを単純に組み付けると、熱膨張係数の差
による伸縮が生じセラミックス筒状体に過大な応力が発
生して破損することが多い。さらにセラミックス筒状体
と金属部材との接続に際して溶接、ボルト締めなどの通
常の接続手段は採用できない。
【0005】このようなセラミックス筒状体の金属部材
への把持方法として、特公平6−100304が既に知
られている。これは、セラミックス筒状体外面を筒状の
加熱膨張性マットを介して筒状の内面を有する金属部材
にて把持し、該金属部材に把持されたセラミックス筒状
体を金属管板にダストタイトまたはガスタイトに取付け
る方法である。
【0006】この把持方法によれば、セラミックス筒状
体と金属部材との熱膨張係数の差に起因する熱応力を緩
和しながらシールできるが、使用前に加熱膨張性マット
を膨張させる必要がある。そのため、加熱膨張性マット
を介在させた、セラミックス筒状体と筒状の内面を有す
る金属部材のセット4を図4に示すように加熱炉5にセ
ットし、バーナ6で加熱することにより加熱膨張性マッ
トを膨張させることが行われている。
【0007】しかし、セラミックス筒状体の長さが数m
にもなると大型の加熱炉を必要とし、加熱炉の設置スペ
ース、購入費用や運転費用が高いなどの課題がある。ま
た、セラミックス筒状体を加熱炉で処理した後は、炉内
で長い時間をかけて徐冷する必要があり、冷却が完了し
て加熱炉からセラミックス筒状体を取出すまでに長い時
間がかかり、生産効率が悪い欠点もあった。
【0008】さらに大型の加熱炉を使用するため1回の
処理本数が少ないと1本あたりの加熱処理コストが高く
なり、一方、処理本数が多くなるとセラミックス筒状体
を加熱炉内にセットし、加熱処理終了時に加熱炉から取
出すことにかなりの労力と作業時間が必要となり、いず
れにしても費用と時間がかかる、という問題点があっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大型
の装置を用いずにセラミックス筒状体の把持構造を形成
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
筒状体の把持構造であって、加熱膨張性マットに付設さ
れた加熱手段で該マットを加熱することにより、該マッ
トを膨張させた状態で、セラミックス筒状体外面と筒状
の内面を有する金属部材との間に介在させることを特徴
とするセラミックス筒状体の把持構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】加熱膨張性マットとは、300℃
以上に加熱されるとマットの厚さ方向に2〜10倍程度
膨張し、その後昇降温を繰り返しても高温時には膨張状
態を維持する特性を有するものを意味する。通常、バー
ミキュライト等の加熱膨張剤を含むもので、かかる加熱
膨張性マットの具体例としては、例えばインタラムマッ
ト(商品名、住友スリーエム社製)などが挙げられる。
【0012】本発明のセラミックス筒状体の把持構造
(以下、本把持構造という)では、加熱膨張性マットに
加熱手段を付設し、該加熱手段で加熱することにより該
マットを膨張させた状態でセラミックス筒状体外面と筒
状の内面を有する金属部材との間に介在させることが必
要である。加熱手段を加熱膨張性マットに付設する方法
としては、加熱手段を加熱膨張性マット中に埋め込む方
法や、加熱膨張性マットの内面や外面に隣接させて設置
する方法などがある。
【0013】加熱膨張性マットに付設される加熱手段と
しては、電気ヒータを用いることが簡便性、制御しやす
さ、費用の点で好ましい。電気ヒータとしては、加熱膨
張性マットに付設できるものであれば特に制限はない
が、電気ヒータの形状が金属箔や金属線からなるものを
使用すると加熱膨張性マットに付設しやすいので好まし
い。また、電気ヒータの材質としては、加熱膨張性マッ
トを加熱できるものであれば特に制限はなく、値段、入
手しやすさなどからニッケル−クロム合金や鉄−クロム
−アルミニウム系合金などが使用される。
【0014】本把持構造の形成方法は、セラミックス筒
状体と筒状の内面を有する金属部材との間に、加熱膨張
性マットと該マットに付設された加熱手段とを介在さ
せ、次に該加熱手段を加熱させることにより該マットを
膨張させて該筒状体を該金属部材に把持させるものであ
る。本把持構造の形成方法における加熱手段としては、
金属箔および/または金属線からなる電気ヒータが好ま
しく使用される。
【0015】本発明におけるセラミックス筒状体の材質
としては、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などのセラミ
ックス繊維やガラス繊維等の無機繊維が使用できる。ま
た、コージェライト、チタン酸アルミニウム、β−スポ
ジュメンなどの低熱膨張性セラミックスあるいはアルミ
ナ、ジルコニア、ムライトなどの酸化物セラミックスや
炭化ケイ素や窒化ケイ素などの非酸化物セラミックスを
それぞれ単独または複合させた多孔質のセラミックス管
をセラミックス筒状体としてもよい。
【0016】
【実施例】[例1]本把持構造を実施した例を図1に示
す。セラミックス筒状体1としては、外径170mm、
内径140mm、長さ2m、気孔率90%で主成分がア
ルミナ及びシリカの化合物からなるセラミックス繊維を
円筒状に成形したものを使用した。加熱膨張性マット2
としては、初期厚3mmの住友スリーエム社製、商品名
「インタラムマット」を使用し、電気ヒータ7として
は、直径1mmのニッケル−クロム系合金からなる金属
線を発熱体として用いた。ヒーター1本あたりの出力
は、約1kWである。また筒状の内面を有する金属部材
3は、SUS403製で外径179mm、内径173m
m、高さ7cmで端にツバ部を有する。
【0017】次にセラミックス筒状体の把持構造を形成
する方法を説明する。セラミックス筒状体1の上下端外
周に加熱膨張性マット2を1層巻きつけ、次に電気ヒー
タ7をその上から数cm間隔で図2のように巻きつけ、
更にその上から加熱膨張性マット2を巻きつける。な
お、電気ヒータの端部9はセラミックス筒状体端部から
外にでて外部電源と接続される。このようにして加熱膨
張性マット2と電気ヒータ7を巻き付けたセラミックス
筒状体を該金属部材3の内部の所定位置にセットする。
【0018】このような状態で外部電源から電気ヒータ
に10分間通電したところ加熱膨張性マット2の内部温
度は、約500℃まで上昇し加熱膨張性マット2も充分
膨張していることが確認された。なお、把持力を測定す
るため常温でセラミックス筒状体1を垂直に保持してお
き該金属部材3のツバ部に50kgのおもりを釣り下げ
たが、特に変化は認められなかった。
【0019】
【発明の効果】本把持構造によれば、大型の加熱炉を必
要とせず、したがって加熱炉の設置スペース、購入費用
や運転費用が節約できる。したがって、シール性能を低
下させることなく処理コストを大幅に下げることができ
る。また、加熱炉で処理する場合に比較して徐冷時間も
必要とせず生産サイクルが大幅に短縮され、生産効率が
上昇する効果もある。さらに、加熱炉を必要とせず、外
部電源が利用できれば場所の制約を受けないため、現場
で処理することも可能となり生産コストが低減される利
点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本把持構造の実施例を示す断面図。
【図2】加熱膨張性マットに埋め込まれる電気ヒータの
一例を示す説明図。
【図3】加熱膨張性マットに埋め込まれる電気ヒータの
別の例を示す説明図。
【図4】従来の把持方法の説明図。
【符号の説明】
1:セラミックス筒状体 2:加熱膨張性マット 3:筒状の内面を有する金属部材 4:加熱膨張性マットを介在させたセラミックス筒状体
と筒状の内面を有する金属部材のセット 5:加熱炉 6:バーナ 7:電気ヒータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス筒状体の把持構造であって、
    加熱膨張性マットに付設された加熱手段で該マットを加
    熱することにより、該マットを膨張させた状態で、セラ
    ミックス筒状体外面と筒状の内面を有する金属部材との
    間に介在させることを特徴とするセラミックス筒状体の
    把持構造。
  2. 【請求項2】加熱手段が電気ヒータである請求項1に記
    載のセラミックス筒状体の把持構造。
  3. 【請求項3】電気ヒータが金属箔および/または金属線
    からなる請求項1または2に記載のセラミックス筒状体
    の把持構造。
  4. 【請求項4】セラミックス筒状体の把持構造形成方法で
    あって、セラミックス筒状体外面と筒状の内面を有する
    金属部材との間に、加熱膨張性マットと該マットに付設
    された加熱手段を介在させ、次に該加熱手段で加熱する
    ことにより該マットを膨張させて該筒状体を該金属部材
    に把持させることを特徴とするセラミックス筒状体の把
    持構造形成方法。
  5. 【請求項5】加熱手段が金属箔および/または金属線か
    らなる電気ヒータである請求項4に記載のセラミックス
    筒状体の把持構造形成方法。
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