JP2000331642A - 垂直加速型飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

垂直加速型飛行時間型質量分析装置

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JP2000331642A
JP2000331642A JP11138359A JP13835999A JP2000331642A JP 2000331642 A JP2000331642 A JP 2000331642A JP 11138359 A JP11138359 A JP 11138359A JP 13835999 A JP13835999 A JP 13835999A JP 2000331642 A JP2000331642 A JP 2000331642A
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voltage
ions
pulse
ion
push
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Satoshi Kitamura
敏 北村
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平坦なトップ部分を有するパルス電圧を発生さ
せることができるOA−TOFMSを提供する。 【解決手段】外部イオン源からイオン溜に導入されたイ
オンを、該イオン溜に沿って設けられた取り出し電極に
パルス的に加速電圧を印加することによって、質量分析
部に向けてパルス的に取り出すようにしたOA−TOF
MSにおいて、前記加速電圧の時間的変化を補正する補
正手段を設けた。この補正手段は、加速電圧の時間的変
化による最高電圧値の漸減現象を補正するランプ波形の
補正電圧を出力するランプ回路である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直加速型飛行時
間型質量分析装置(OA−TOFMS;Orthogonal Acc
eleration Time of Flight Mass Spectrometer)に関
し、特に、イオンの垂直加速を高精度に行なうことので
きるOA−TOFMSに関する。
【0002】
【従来の技術】OA−TOFMSは、連続的にイオンを
生成するイオン源からのイオンビームをイオン溜に導入
し、イオンビームの導入方向とは交差する方向にパルス
的にイオンビームを加速し、加速直後からイオンビーム
がイオン検出器で検出されるまでの時間を計測して質量
分析を行なう装置である。
【0003】図1は、OA−TOFMSの構成を模式的
に表わしたものである。図中1は、連続的に正イオンを
生成する外部イオン源である。外部イオン源1から正の
加速電位V1で出射されたイオンビームは、正の電位VF
が印加された収束レンズ2でZ方向に収束されて、y0
の有効長を持ったイオン溜3に導入される。イオン溜3
には、Push-outプレート4が備え付けられていると共
に、該Push-outプレート4に対向する位置に、接地電位
のグリッド5及び負の電位のグリッド6が設けられてい
て、イオンビームの導入方向(Y方向)に対して直交す
る方向(Z方向)に、イオンを押し出すための電界が形
成されるようになっている。
【0004】Push-outプレート4に正電圧Vpから成る
矩形波のPush-outパルス7を印加すると、Push-outプレ
ート4、接地電位のグリッド5、及び負電位のグリッド
6の間の空間に瞬時に連続的な電界勾配が形成され、イ
オン溜3のイオンは一斉にZ方向に加速されて排出さ
れ、MCP(マイクロチャンネルプレート)などで構成
されたイオン検出器8に向けて飛行する。尚、厳密に言
えば、イオンはイオン溜3に導入されたときのY方向の
速度を持っているため、Push-outプレート4とグリッド
5及びグリッド6の間に発生した電界によってZ方向の
力を受けても、飛行方向はZ方向からわずかにずれたも
のとなる。
【0005】上記加速を受ける際、イオンにはPush-out
プレート4とグリッド6の間の電位差に対応する一定の
エネルギーが等しく与えられるため、加速終了時には、
質量の小さなイオンほど速度が大きく、質量の大きなイ
オンほど速度が小さい。このような速度差が生まれる結
果、分光部電源9によって負の電位V2に設定されたT
OF分光部10をイオンが飛行する間に、イオンの質量
分散が行なわれて、軽いイオンから順番にイオン検出器
8に到達し、マススペクトルが測定される。
【0006】図2は、このようなOA−TOFMSにお
いて、Push-outプレート4に対してPush-outパルス7を
供給するイオン押し出し用パルススイッチの回路構成を
示したものである。回路の出力部は、高圧電源11、電
流制限用の抵抗12、電荷を大量に溜めるためのコンデ
ンサー13、Push-outプレート4への出力電圧を制御す
るためのMOSFET14と抵抗15、Push-outプレー
ト4に電圧を与える際のリンギング防止のための抵抗1
6で構成されている。
【0007】また、Push-outプレート4への出力電圧を
制御するための制御部は、入力パルス信号を発生させる
パルス発生器17、受け取った入力パルス信号に基づい
てパルス電流を発生する高速コンパレーター18、MO
SFET14と制御回路の電位をアイソレートするため
のパルストランス19、MOSFET14を高速に駆動
するためのMOSFETドライバー20で構成されてい
る。
【0008】そして、パルス発生器17で発生させた入
力パルス信号は、高速コンパレーター18、パルストラ
ンス19、MOSFETドライバー20を介してMOS
FET14に与えられ、この信号によってMOSFET
14はON、OFFする。
【0009】MOSFET14がONになったとき、コ
ンデンサー13に蓄えられた電荷は抵抗15を通して一
気にGNDへ流れる。このとき、A点の電圧は上昇し、
この電圧はリンギング防止用の抵抗16を通して、Push
-outプレート4に印加される。一方、MOSFET14
がOFFになったとき、コンデンサー13からの電荷の
供給は止まり、Push-outプレート4に溜まった電荷は、
2つの抵抗15及び16を通して放電され、Push-outプ
レート4の電圧は下降する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような構成におい
て、OA−TOFMSにおけるイオン押し出し用のPush
-outパルス7は、数十ns程度の高速の立ち上がり時間
が要求されているため、高圧電源11から供給される電
荷を低インダクタンスの高容量のコンデンサー13に一
時蓄えて、MOSFET14がONになったときに大電
流で放電させる構造になっている。
【0011】その実際のPush-outパルス7のパルス波形
を図3に示す。図3の(a)は入・出力パルス波形の全
体図、(b)は出力パルス波形の最高電圧値近傍(トッ
プ部分)を拡大した図である。(a)の入力パルスは、
横軸の1目盛が20μs、縦軸の1目盛が2ボルト、
(a)の出力パルスは、横軸の1目盛が20μs、縦軸
の1目盛が200ボルト、(b)の出力パルスは、横軸
の1目盛が1μs、縦軸の1目盛が20ボルトで測定さ
れている。尚、(a)と(b)では、パルスの出力条件
が異なっているため、観測されたパルス幅が異なってい
る。
【0012】図3の(b)から明らかなように、入力パ
ルス信号によってMOSFET14がONになったと
き、コンデンサー13からは、MOSFET14を通し
て、抵抗15に向けて電荷が一気に放電されるため、出
力パルスの波形は、トップ部分が平坦ではなく、時間と
共に徐々に最高電圧が低下していくことが判る。
【0013】このため、Push-outプレート4によってイ
オン溜3から押し出されるイオンは、質量数の違いによ
って受け取るエネルギーが変化し、イオンの収束条件が
ずれるため、マススペクトルを測定したときに、イオン
の質量数の違いによって分解能にばらつきが生じてしま
うという問題があった。
【0014】本発明の目的は、上述した点に鑑み、Push
-outプレート4に対してパルス電圧を印加して、イオン
溜3からTOF分光部10に向けてイオンを押し出す際
に、イオンの質量数に違いがあっても、イオンが受け取
るエネルギーが同じ量になるような平坦なトップ部分を
有するパルス電圧を発生させることができるOA−TO
FMSを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかるOA−TOFMSは、外部イオン源
からイオン溜に導入されたイオンを、該イオン溜に沿っ
て設けられた取り出し電極にパルス的に加速電圧を印加
することによって、質量分析部に向けてパルス的に取り
出すようにしたOA−TOFMSにおいて、前記加速電
圧の時間的変化を補正する補正手段を設けたことを特徴
としている。
【0016】また、前記補正手段は、加速電圧の時間的
変化による最高電圧値の漸減現象を補正するランプ波形
の補正電圧を出力するランプ回路であることを特徴とし
ている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図4は、本発明にかかるOA−
TOFMSのパルススイッチの一実施例を表わしたもの
である。図中、回路の出力部は、高圧電源11、電流制
限用の抵抗12、電荷を大量に溜めるためのコンデンサ
ー13、Push-outプレート4への出力電圧を制御するた
めのMOSFET14と抵抗15、Push-outプレート4
に電圧を与える際のリンギング防止のための抵抗16で
構成されている。
【0018】また、Push-outプレート4への出力電圧を
制御するための制御部は、パルス信号を発生させるパル
ス発生器17、受け取ったパルス信号に基づいてパルス
電流を発生する高速コンパレーター18、MOSFET
14と制御回路の電位をアイソレートするためのパルス
トランス19、MOSFET14を高速に駆動するため
のMOSFETドライバー20で構成されている。
【0019】さらに、本実施例では、従来の出力部にお
いて、MOSFET14と1本の抵抗15との分圧で電
圧を出力させていたのを改めて、抵抗部分にもう1本の
抵抗21とバイパスコンデンサー22を追加して、Push
-outプレート4の補正電圧を外部から加算できるように
した。また、B点に、パルス発生器17からの入力パル
ス信号に同期してランプ波形を発生するランプ回路23
を設けた。
【0020】本実施例の動作原理を図5に示す。(a)
は、パルス発生器17からの入力パルス信号、(b)
は、従来の回路から出力されるパルス波形である。
(b)から明らかなように、従来回路では、出力パルス
波形の最高値近傍には、コンデンサーの放電によって時
間と共に最高電圧値が漸減していく「サグ」と呼ばれる
現象が見られる。
【0021】図5の(c)は、本実施例で新たに追加し
たランプ回路23が発生するランプ波形の電圧である。
このランプ波形の電圧が、図4のB点から抵抗15及び
16を介して、Push-outプレート4に印加されることに
より、図5(b)の「サグ」は相殺されて、図5(d)
に示すような、最高値近傍が平坦な形をした出力パルス
波形を得ることができるようになる。これにより、イオ
ン溜3からTOF分光部10に向けてイオンを押し出す
際に、イオンの質量数に違いがあっても、イオンが受け
取るエネルギーを同じ量に制御することができ、当初の
目的を達成することができる。
【0022】尚、図6の(c)及び(d)に示すよう
に、ランプ回路から出力されるランプ波形の傾きを自由
に変化させて、それを従来の出力パルス波形に加算させ
ることにより、出力パルス波形の最高値近傍の平坦部に
意図的に傾きをつけることができるようにすると、OA
−TOFMSの構造上の歪みなどで生じる可能性のある
誤差を補正させることもできる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明のOA−TO
FMSによれば、出力パルス波形の最高値近傍の「サ
グ」を補正できるので、質量数の相違によらず、イオン
に同じエネルギーを与えることができ、質量数の違いに
よって分解能にばらつきが生じるのを防ぐことができ
る。また、ランプ回路から出力されるランプ波形の傾き
を自由に変化させて、それを従来の出力パルス波形に加
算させることができるので、OA−TOFMSの構造上
の歪みなどで生じる可能性のある誤差を補正させること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の垂直加速型飛行時間型質量分析装置を示
す図である。
【図2】従来の垂直加速型飛行時間型質量分析装置のパ
ルススイッチを示す図である。
【図3】従来の垂直加速型飛行時間型質量分析装置のパ
ルススイッチにおける入出力パルス波形を示す図であ
る。
【図4】本発明にかかる垂直加速型飛行時間型質量分析
装置のパルススイッチの一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる垂直加速型飛行時間型質量分析
装置のパルススイッチの一実施例における動作原理を示
す図である。
【図6】本発明にかかる垂直加速型飛行時間型質量分析
装置のパルススイッチの一実施例における動作原理を示
す図である。
【符号の説明】
1・・・外部イオン源、2・・・収束レンズ、3・・・イオン
溜、4・・・Push-outプレート、5・・・グリッド、6・・・グ
リッド、7・・・Push-outパルス、8・・・イオン検出器B、
9・・・分光部電源、10・・・TOF分光部、11・・・高圧
電源、12・・・抵抗、13・・・コンデンサー、14・・・M
OSFET、15・・・抵抗、16・・・抵抗、17・・・パル
ス発生器、18・・・高速コンパレーター、19・・・パルス
トランス、20・・・MOSFETドライバー、21・・・抵
抗、22・・・バイパスコンデンサー、23・・・ランプ回
路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部イオン源からイオン溜に導入されたイ
    オンを、該イオン溜に沿って設けられた取り出し電極に
    パルス的に加速電圧を印加することによって、質量分析
    部に向けてパルス的に取り出すようにした垂直加速型飛
    行時間型質量分析装置において、前記加速電圧の時間的
    変化を補正する補正手段を設けたことを特徴とする垂直
    加速型飛行時間型質量分析装置。
  2. 【請求項2】前記補正手段は、加速電圧の時間的変化に
    よる最高電圧値の漸減現象を補正するランプ波形の補正
    電圧を出力するランプ回路であることを特徴とする請求
    項1記載の垂直加速型飛行時間型質量分析装置。
JP11138359A 1999-05-19 1999-05-19 垂直加速型飛行時間型質量分析装置 Withdrawn JP2000331642A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105355533A (zh) * 2015-11-24 2016-02-24 安图实验仪器(郑州)有限公司 适于质谱仪的高压脉冲发生器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Effective date: 20060801