JP2000331382A - 光ディスク及び光ピックアップ並びに光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク及び光ピックアップ並びに光ディスク装置

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JP2000331382A
JP2000331382A JP11134513A JP13451399A JP2000331382A JP 2000331382 A JP2000331382 A JP 2000331382A JP 11134513 A JP11134513 A JP 11134513A JP 13451399 A JP13451399 A JP 13451399A JP 2000331382 A JP2000331382 A JP 2000331382A
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birefringence
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optical disk
light
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JP11134513A
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Makoto Itonaga
誠 糸長
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストと情報容量のバランスのとれた光ディ
スクを提供すること及び複屈折量の異なる複数のディス
クを記録再生することができる光ピックアップ及びこの
光ピックアップを使用した光ディスク装置を提供するこ
とである。 【解決手段】 本発明の光ディスクは、ディスクの複屈
折量の増大に応じて、ディスクの情報容量を小さくし或
いは、ピット長またはトラックピッチを大きくする。ま
た、本発明の光ピックアップは、ディスクの複屈折量を
検出する検出器を有し、再生する光ディスクの複屈折量
によって、対物レンズの開口数を変化させる。本発明の
光ディスク装置は、ディスクの複屈折量を検出する検出
器を有し、再生する光ディスクの複屈折量によって、対
物レンズの開口数を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクおよび光ピ
ックアップ並びに光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の情報を高密度・大容量に記
憶できる記憶媒体として、CD・DVDの如き光ディス
クが知られている。この光ディスクは大量複製できる点
に優位性がある。従って光ディスク基板には、成型の容
易なプラスチック基板が用いられる。前記光ディスクの
成形の際には、良好な再生信号を得るために、様々な特
性に着目した精密な成形が行われる。この成形の際に着
目される主要な特性としては、例えば、光ディスクの厚
さ・表面の平坦度・複屈折特性・光の透過率・ゴミ等の
混入・成形所要時間が挙げられる。
【0003】成型されたディスクは、反射膜あるいは記
録膜が成膜された後、保護コート付着工程(又はDVD
の場合は貼り合わせ行程)を経て完成された光ディスク
となる。
【0004】なお光ディスク基板の特性としてさらに、
完成ディスクの反り角が挙げられる。従って、この反り
角を(経時変化含めて)小さな値に押さえるように、成
形工程・ディスク材料等が工夫される。
【0005】これらの諸特性を満足する材料の代表例
は、ポリカーボネートであり、コストが安いことも相ま
って CD・DVDの製造を始め広く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ディス
クにおいては、記録情報の高密度化が進展している。
【0007】またこの光ディスクを再生する光ディスク
装置に於いては、前記ディスクの高密度化に応じてレー
ザ波長の短波長化が進んでいる。そしてこのレーザの波
長の短波長化に伴い、精度が高いディスクが要求されて
いる。これは、ディスク材料の種々の光学特性がレーザ
波長に依存することに起因する。すなわちレーザ波長が
短くなると、前記光学特性の波長依存性のために、再生
信号の読み取りが劣化するからである。
【0008】前記レーザ波長の短波長化に伴う具体的問
題として、例えば以下のものが挙げられる。
【0009】1.青色レーザダイオードを用いた新シス
テムに於ける問題 近年、青色レーザダイオードを用いた新システムが提案
されているが、この新システムの為のディスクを作製す
る場合、前記に鑑み、高精度ディスクが作製される。し
かし、諸特性に優れたポリカーボネートで形成したディ
スクでも、ポリカーボネートの物性と不可分の関係にあ
る複屈折量のごとき光学特性を顕著に改良することは困
難である。従って、依然として再生信号の読み取り誤差
が発生する問題が残る。これに対して、ポリカーボネー
ト以外の材料を使用することも考えられるがコストが上
昇する問題がある。
【0010】2.前記青色レーザシステムで現行システ
ム用ディスクを使用する場合の問題 前記青色レーザを用いた新システムでたとえば赤色レー
ザを用いた現行システム用DVDを再生する例を考え
る。一般に、現行システム用DVDディスクは、規格で
定められたDVD再生を可能とする低い複屈折量に押さ
えられている。また、現行システム用DVDディスクの
記録密度は青色システム用ディスクのそれに比べて低
い。従って、現行システム用DVDディスクを、青色レ
ーザシステムで再生することは可能である。しかし、現
行システム用DVDディスクを、現行DVDシステムの
レンズと同程度の開口数を有するレンズを用いて青レー
ザで再生した場合は、ほとんど使用に耐えないような信
号になってしまう。前記複屈折の影響が波長の逆数に比
例するため、複屈折量が現行システムのそれの約1.6
倍になり、且つ、再生信号が非線形関係で劣化するた
め、特性が急激に低下するからである。
【0011】本発明は上記の点に着目してなされたもの
であり、第1の目的は、コストと情報容量のバランスの
とれた光ディスクを提供することである。
【0012】また、本発明の第2の目的は、複屈折量の
異なる複数のディスクを記録再生することができる光ピ
ックアップ及びこの光ピックアップを使用した光ディス
ク装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るための本発明の光ディスクは、ディスクの複屈折量の
増大に応じて、ディスクの情報容量を小さくし或いは、
ピット長またはトラックピッチを大きくする。
【0014】また、前記第2の目的を達成するための本
発明の光ピックアップは、ディスクの複屈折量を検出す
る検出器を有し、再生する光ディスクの複屈折量によっ
て、対物レンズの開口数を変化させる。
【0015】また、前記第2の目的を達成するための本
発明の光ディスク装置は、ディスクの複屈折量を検出す
る検出器を有し、再生する光ディスクの複屈折量によっ
て、対物レンズの開口数を変化させる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。添付図面において、同一又は類似の部材に
は同一又は類似の図面番号を付する。
【0017】<一>.はじめに、前記「発明が解決しよう
とする課題」の欄に於いて述べた複屈折の影響による再
生信号の読み取り劣化の原因を説明する。
【0018】1.このために、まず、前記光ディスクか
ら情報を読み出すための光ピックアップの構成を説明す
ると共に、前記光ディスクに於ける複屈折現象を説明す
る。
【0019】(一)図1は、光ディスク1に記録された
情報の読出・再生を行う光ディスク再生光学系としての
偏光分離型光ピックアップの一例を示す。この光ピック
アップは、レーザダイオード2、集光レンズ3、偏光ビ
ームスプリッタ4、コリメータレンズ5、立ち上げミラ
ー6、1/4波長板7、対物レンズ9、シリンドリカル
レンズ10、ホトダイオード11を備えて成る。
【0020】前記光ピックアップに於いては、前記光デ
ィスク1での複屈折が大きくなると、再生信号が劣化す
る。これはこの光ピックアップが、偏光現象を利用する
偏光ビームスプリッタ4及び1/4波長板7を用いてい
るからである。
【0021】(二)次に、前記光ピックアップにより光
ディスク1から情報を読み出す際に発生する複屈折を説
明する。
【0022】前記ポリカーボネートから成る光ディスク
1は、一般に2軸異方性を有する。そして、その主屈折
率に対応する特性軸(以下、このような軸を主軸と称す
る。)の一つは、ディスク1の面の法線方向とほぼ一致
する。従って、前記ディスク法線方向の主軸をz軸と
し、ディスク平面内の残りの主軸をx軸及びy軸とす
る。
【0023】この場合、3つの主屈折率のうち2つは、
z軸方向に進む光の電場面の方向がx軸方向、y軸方向
にある場合の主屈折率nx、nyとなる。そして、残り
の一つは、光がディスク1の面に平行に進む場合で電場
面がディスク法線方向に有る場合の主屈折率nzであ
る。この際、ポリカーボネート性ディスク1では、nx
とnyとの違いに比べてnzの違いが大きい。従って、
前記ディスク1で発生する複屈折には、ディスク1の平
面に対して垂直に入射する光線に対する複屈折(以下、
垂直入射複屈折と称する。)と、ディスク1の平面に対
して斜め方向から入射する光線に対する複屈折(以下、
斜め入射複屈折と称する。)との2種類の複屈折が考え
られる。そして、前記垂直入射複屈折の度合い(垂直入
射複屈折量)は、nxとnyとの差により定まり、前記
斜め入射複屈折の度合い(斜め入射複屈折量)は、n
z、nx、nyの関数として定まる。
【0024】そこでまず前記垂直入射複屈折量を説明す
る。
【0025】図2は、前記垂直入射複屈折を説明するた
めの説明図である。図2では前記と同様、主屈折率nz
に対応する主軸をディスク1に垂直なz軸とし、主屈折
率nx、nyに対応する主軸をディスク1の平面に平行
なx軸、y軸とする。
【0026】既に述べたように、前記垂直入射複屈折量
は前記主屈折率nxとnyとの差により定まる。より詳
細には前記複屈折量は、直交する2つの偏光成分の間の
位相差を長さの単位にして表される。特に、光ディスク
の場合には、前記複屈折量は、基板を光が往復した場合
の位相差で定義される。例えば、図2において、x方向
へ偏光した光に対する屈折率をnxとし、y方向へ偏光
した光に対する屈折率をnyとし、ディスクの厚さをd
とするとき、例えばCD・DVDの規格で使用されるダ
ブルパス複屈折の量は、式、 2d(nx―ny) で表される。この複屈折量は、DVD用ディスクの場合
には100nm以下に設定される。
【0027】後述するように、前記複屈折量が大きくな
ると、偏光分離型ピックアップでは、レーザダイオード
2から、光ディスク1を経てホトダイオード10へ入射
される光量が著しく低下する(すなわち再生信号の読取
りが劣化する。)。
【0028】次に、前記斜め入射複屈折量を説明する。
【0029】図3は、前記斜め入射複屈折を説明する説
明図である。以下に説明するように、この斜め入射複屈
折量が再生信号の読み取り程度に大きな影響を与える。
なお図3でも、主屈折率nzに対応する主軸をディスク
に垂直なz軸とし、主屈折率nxに対応する主軸をx
軸、主屈折率nyに対応する主軸をy軸とする。
【0030】ここにディスク1面内を当該面に平行に進
む光を考えると、図3に於いて、x軸、y軸に平行な方
向A、Bに沿ってディスク1を通過する光の屈折率は、
前記主屈折率nz、ny或いはnz、nxで決定され
る。また、x軸或いはy軸と異なる軸に沿ってディスク
1面に平行に進む光の屈折率は、当該光の偏光方向とx
軸或いはy軸との成す角度及び前記主屈折率nx、ny
により決定される。従って、図3に示すように、ディス
ク1の面に対して斜め方向からディスク1へ入射する入
射光Lの屈折率は前記主屈折率nx、ny、nzの関数
として決定される。
【0031】以上の通り、ポリカーボネートから成る光
ディスクでは垂直入射複屈折量と斜め入射複屈折量とが
考えられ、前記垂直入射複屈折量は、前記ディスク面に
平行な主軸についての主屈折率nx、nyの差により定
まり、前記斜め入射複屈折の量は、前記主屈折率nx、
nyと前記ディスク面に直交する主軸についての主屈折
率nzとの組み合わせにより定まるものである。
【0032】2.次に、前記光ディスクに於ける垂直入
射複屈折及び斜め入射複屈折に由来する再生信号の読み
取り劣化を説明する。
【0033】前記したように、前記ポリカーボネート製
ディスク1においては、主屈折率nx、nyに対して主
屈折率nzが大きく異なる。従ってこの主屈折率の相違
が、図3の斜め入射光Lに対して大きな複屈折率量を与
え、これにより再生信号の読み取り劣化が発生する。
【0034】より詳細には以下の通りである。
【0035】一例として前記光ディスク1は、次の特性
を有するとする。すなわち、貼り合わせ前の厚さはd=
0.6mmであり、主屈折率はnx=1.55000、
ny=1.55008、nz=1.54950であると
する。また、再生信号の読み取りに使用するレーザー光
の波長は現行システムに用いられる赤色レーザの波長λ
=650nmであるとする。
【0036】この場合、前記垂直入射複屈折量(2d
(nx―ny))は96nmである。これは、DVDの
再生専用ディスクの規格である100nmより小さく、
再生信号の読み取り劣化は発生させない。
【0037】これに対して、図4は、図1に示す光ピッ
クアップに於いて、光ディスク1から反射され偏光ビー
ムスプリッタ4から出射される光の光量Iを開口数NA
の関数として示すグラフである。このグラフは、前記デ
ィスク厚さd、主屈折率nx、ny、nz、レーザー波
長λに基づいて、前記光量を理論的に計算したものであ
る。図4に於いて、曲線101はx軸方向の光量を表
し、曲線103はy軸方向の光量を表す。また縦軸Iは
複屈折がない場合の光量を100としてある。
【0038】図4のグラフから、開口数NAが大きくな
るとy軸方向の光量103が大きく減少し、読み取り劣
化が生ずることが理解される。ここに前記開口数NAは
図3に於けるディスク1への光Lの入射角に対応する。
従って、図4のグラフから、前記ポリカーボネート製デ
ィスク1においては、主屈折率nx、nyに対して主屈
折率nzが大きく異なり、ディスク1への光Lの入射角
が増大するにつれて、複屈折量が増大し、もってy軸方
向の光量が減少し、読み取り劣化が生ずることが理解さ
れる。
【0039】図5は、図4のグラフを俯瞰的に示すため
の模式図であり、対物レンズ9の瞳9a上での光量分布
を示す。図4に於けると同様に曲線101がx軸方向で
の光量分布を表し、曲線103がy軸方向での光量分布
を表す。これにより、方向がx軸方向かy軸方向かによ
り複屈折の影響が異なることが理解される。
【0040】前記大きな開口数NAでのy軸方向での光
量の減少、すなわち再生信号の読み取り劣化は、レーザ
光の波長が短くなるにつれて更に顕著になる。
【0041】図6は、前記厚さd、主屈折率nx、n
y、nzを有する光ディスク1について、新システムに
用いられる青色レーザ光の波長を400nmとして計算
した場合のx軸方向の光量105及びy軸方向の光量1
07を示すグラフである。図6から理解されるように、
斜め入射光に対する複屈折の影響は、波長が650nm
の場合(図4)に比べて、遙かに大きいことが分かる。
すなわち波長が400nmの場合は、y軸方向では、N
A=0.6での光の透過率はほとんどゼロとなる。これ
は、この部分において、再生のための信号がほとんど検
出できないことを意味する。このため、エラーレートが
増えシステムが破綻する。従って、高密度を狙いNAを
高くすると複屈折の影響が大きくなる。
【0042】なお図6から、垂直入射の光線の光量は、
400nmのレーザ光でも、x軸方向、y軸方向ともほ
ぼ50程度である。従って、垂直入射複屈折量はそれほ
ど大きく無く、再生信号劣化にはさほど影響を与えな
い。
【0043】以上の事から、複屈折の影響による再生信
号の読み取り劣化は、以下の原因により発生することが
分かる。すなわち、ポリカーボネート製光ディスクの複
屈折量は、入射光の入射角すなわち開口数が大きくなる
につれて著しく増大し、且つ、この複屈折量はレーザ光
の波長が短くなるにつれて更に大きくなる。そしてこれ
により、例えば前記光ディスク1から反射され偏光ビー
ムスプリッタ4から射出される光の光量はNAが大きな
値を有する位置に於いて著しく減少し、再生信号の読み
取り劣化が発生する。
【0044】<二>.前記再生信号の読み取り劣化の原因
或いは機構に鑑み、本発明の光ディスクは、以下の点を
特徴とする。
【0045】すなわち、ディスクの複屈折量の増大に応
じて、ディスクの情報容量を小さくする。或いは、ディ
スクの複屈折量の増大に応じて、ピット長またはトラッ
クピッチを大きくする。
【0046】より好適には、ディスクの複屈折量に応じ
て、ディスクの情報容量の最大値を定義する。すなわ
ち、複屈折が大きいディスクは所定情報容量より小さい
情報容量とする。
【0047】また、複屈折が限度を超えて大きくない場
合は、最短ピット長さを延ばしたり或いは、トラックピ
ッチを広げて情報容量を下げることもできる。これによ
り記録再生のマージンが増加し、複屈折の大きなディス
クでも安定に再生することが出来る。
【0048】更に具体的には、例えば表1に示すよう
に、トラックピッチ(ディスク半径方向に於けるトラッ
ク間の間隔)を一定に保ちながら、垂直入射複屈折量
(2d(nx―ny))の増大に応じて、最短ピット長
(トラック方向におけるピットの間隔)を順次大きくす
ることにより情報容量を順次小さくすることができる。
【0049】
【表1】 この場合、最短ピット長が長くなることにより、再生信
号の空間周波数が下がるため、再生に余裕が出来、大き
な複屈折に耐えうるようになる。
【0050】なお表1における最短ピット長・トラック
ピッチ・情報容量は、垂直入射複屈折が50nmの時の
値を1として規格化した値である。
【0051】表1では、トラッキングの便を考えて最短
ピット長を長くしているが、これに限定されるものでな
い。例えば表2に示すように、前記垂直入射複屈折量の
増大に応じて、最短ピット長・トラックピッチを共に順
次大きくし、もって情報容量を順次小さくすることもで
きる。
【表2】 或いは複屈折に応じて、最短ピッチ長を一定に保持して
トラックピッチを長くすることもできる。これら最短ピ
ット長・トラックピッチ値の調整は、トラッキングに対
する影響等のシステム設計により変わり得る。
【0052】さらに、前記最短ピット長・トラックピッ
チ値を1枚のディスク内で記録場所に応じて変動させる
こともできる。例えば、トラックの内側と外側とで複屈
折量が異なる場合、その複屈折量の変化に応じて、段階
的にあるいは連続的に前記最短ピット長及び/又はトラ
ックピッチを変化させることもできる。
【0053】さらにディスク毎に、複屈折が最悪の場合
に破綻しないような固定値を定めることもできる。
【0054】なお表1及び表2では、複屈折の程度を垂
直入射複屈折量(2d(nx―ny))で表したが、斜
め入射複屈折量を用いて複屈折の程度を表すこともでき
る。
【0055】前記本発明のディスクは、複屈折量が大き
い場合小さい情報容量を有する(すなわち小さい記録密
度を有する)。
【0056】このような記録密度の小さいディスクは、
分解能がそれほど高くない小さな開口数の対物レンズで
記録再生することができる。一方、対物レンズの開口数
が小さくなると、ディスクに入射する光線の入射角は小
さくなり、複屈折のうちでも、現実に記録再生特性に大
きな影響を与える斜め入射による複屈折の影響は著しく
小さくなる。
【0057】従って、本発明のディスクは、複屈折量が
大きくても再生信号の劣化を生ずることなく容易に再生
することが出来る。
【0058】図7は、本発明のディスクを再生するため
の光ピックアップの一例を示す。図7の光ピックアップ
に於いて、図1の光ピックアップと異なるところは、1
/4波長板7と対物レンズ9の間に、対物レンズ9の開
口数を調整するための開口数制御部8を設けた点であ
る。この開口制御部8は、様々な手段で作成することが
出来るが、特開平9―32010号に開示された開口制
限方式を使用するのが好ましい。
【0059】また前記開口制御部8として、フォトクロ
ミック膜・液晶と偏光子の組み合わせ・機械的な絞り等
を用いることも出来る。
【0060】前記光ピックアップによれば、複屈折量が
大きい材料から形成されたディスクでも、開口制御部8
により対物レンズ9の開口数を小さく調整することによ
り、再生信号を安定して再生することができる。
【0061】図8は、開口数をNA=0.37に調整し
た場合に於ける、ディスクから反射され偏光ビームスプ
リッタ4から出射される光の光量を示すグラフである。
ここにディスクの貼り合わせ前の厚さは0.6mmであ
り、主屈折率はそれぞれ、nx=1.55、ny=1.
55008、nz=1.5495であり、使用レーザー
波長は400nmである。図8から理解されるように、
前記開口数をNA=0.37に調整することによりy軸
方向の光量111は、周辺部で24.5%の光量になっ
ている。従って、開口数をNA=0.37程度に絞るこ
とにより再生可能な実用的信号を得ることができる。
【0062】図9は、本発明のディスクを再生するため
の光ピックアップの他の例を示す。図9の光ピックアッ
プに於いて、図7の光ピックアップと異なるところは、
再生する光ディスクの複屈折量を検出するための検出器
21を備えたことである。この光ピックアップに依れ
ば、前記検出器21からの検出信号に基づいて、前記開
口制御部8を制御することができる。すなわち、この光
ピックアップによれば、前記光ディスクの複屈折量に応
じて対物レンズの開口数を変化させることができる。
【0063】前記複屈折量の検出には様々な方法がある
が、図9の例では、光ピックアップに容易に搭載できる
一例として、ディスク1で反射されて、対物レンズ9へ
戻ってくる光の強度分布を検知する方法を採用した。
【0064】より詳細には以下の通りである。すなわ
ち、図9に示す様に、前記偏光ビームスプリッタ4とシ
リンドリカルレンズ10との間に第1、第2のビームス
プリッタ4、22を設け、この前記第2のビームスプリ
ッタ22の側方に、当該ビームスプリッタ22から射出
される光線の強度分布を検出するための複屈折検出器と
してのホトダイオード21を設けた。
【0065】なお図9の光ピックアップにおいては、ホ
トダイオード21の小型化を図るために、集束レンズ
(図示せず)が設けられている。これにより前記ビーム
スプリッタ22からの光線はホトダイオード21へ収束
光として入射される。ただし前記ホトダイオード21は
前記収束光の焦点位置から外れた位置に配置される。こ
れにより、集束レンズによる回折の効果が抑制され、デ
ィスクから戻ってくる光の強度分布が、形を変えずにホ
トダイオード21で検出される。
【0066】なお、図9の装置においてディスク1から
の光を収束させず大型のホトダイオードで検知すること
もできる。図10は、前記ホトダイオード21の分割パ
ターンを示す。より詳細には、前記ホトダイオード21
は、5個の分割センサー21A、21B、21C、21
D、21Eから成る。ここに、前記5個のセンサは、中
央のセンサー21Aが中心部分の光量を検出し、周辺部
のセンサ21B、21Dがディスクトラック方向の光量
を検出し、他の周辺部のセンサ21C、21Eがディス
ク半径方向の光量を検出する様に配置されている。この
配置パターン或いは分割パターンにより、射出成形で作
成された光ディスク1のからの光線における複屈折の影
響が最適に検出される。これは、射出成形で作製された
光ディスク1の場合、複屈折の影響による光強度の変化
が半径方向とトラック方向とに強く出るからである。
【0067】なお図10に於いて、破線25は、前記ホ
トダイオード21へ入射される光線のビームスポットを
示す。
【0068】前記各センサ21A、21B、21C、2
1D、21Eから信号強度をA、B、C、D、Eとする
とき、前記ディスクの複屈折量は次の値H1、H2に基
づいて決定される。
【0069】H1=(E+C)/A H2=(B+D)/A 図11は、前記垂直入射複屈折量DRと前記値H1,H
2の関係を示すグラフである。このグラフは、図4のグ
ラフを計算するために用いたディスク厚さd及び主屈折
率nx、ny、nzを用いて理論的に計算したものであ
る。図11から分かる様に、垂直入射複屈折量DR=2
d(nx―ny)が0から正方向へシフトするにつれて
H1は増大するとともにH2は減少し、垂直入射複屈折
量DRが0から負方向へシフトするにつれてH1は減少
するとともにH2は増大する。
【0070】従って、前記センサ21A、21B、21
C、21D、21Eからの信号値A、B、C、D、Eに
より値H1、H2を計算し、この計算値H1、H2に基
づき図11を参照して前記ディスク1の複屈折量DRを
決定することができる。
【0071】以上のようにして検出した複屈折量DRを
用いて、ピックアップ1の開口制御部8の開口数を変化
させることができる。すなわち例えば、複屈折量DRが
増大するに従って前記開口数NAを小さくすることがで
きる。
【0072】図9の光ピックアップを使用することによ
り、青色レーザダイオードを使用しない現行システムに
対応した光ディスクを、再生信号の劣化を伴うことなく
青色レーザダイオード用新システムで使用することもで
きる。
【0073】すなわち前記したように現行システムに対
応した光ディスクは、複屈折は大きいがその記録容量は
比較的低い。従って、図9の光ピックアップでは、前記
光ディスクの複屈折率を検出しこの検出した複屈折量に
応じて、前記開口数NAを小さくすることにより、再生
信号を劣化させることなく良好な信号再生を行うことが
できる。より詳細には、例えば図8に示すように前記開
口数をNA=0.37に制限することにより前記ビーム
スプリッタ4からの光量を所定値以上に保持し、再生信
号の劣化を防止することができる。
【0074】なおこの場合、現行システムのディスクは
情報容量が低いため、開口数を下げても再生精度が低下
することはない。また、スポットの大きさで考えると、
現行システムを、波長が650nmでNA=0.6とす
れば、この条件でスポットの大きさは同等となる。よっ
て、MTF(光学的な伝達特性)的に見ても、再生は問
題ない。
【0075】以上述べたように、前記図9の光ピックア
ップに依れば、開口数を下げることにより、現行システ
ム用ディスクに対する再生或いは記録を安定して行うこ
とが出来る。
【0076】この発明は、以上の態様に限定されること
なく他の態様でも実施することができる。
【0077】例えば図10に示す複屈折検出器としての
ホトダイオード21によれば、複屈折の大きさのみなら
ず方向も検出することができる。すなわち光ディスクの
形状は、半径方向とトラック方向とで異なっており、そ
の複屈折も異方性を有するのが一般である。従って例え
ば、光ディスクの半径方向の複屈折はH1の0からの偏
倚として検出され、トラック方向の複屈折はH2の0か
らの偏倚として検出される。よって、前記H1、H2の
値を独立に用いることにより、複屈折の量の情報に方向
の情報を付加して、開口絞りを異方的に制御し最適な再
生を行うこともできる。
【0078】前記開口絞りの異方的制御のためには、前
記開口絞り8を楕円形に制御可能なパターンとすること
ができる。
【0079】また、図10に於いては、ホトダイオード
21は、5個の分割センサーから構成されるとしたが、
5個以上の分割センサから構成することもできる。これ
により前記複屈折量の異方性を更に高精度に検出するこ
とができる。
【0080】図12は、このような複屈折量異方性をよ
り高精度に検出するための複屈折検出器としてのホトダ
イオード21を示す。図12に示すように、このホトダ
イオード21は、7個のセンサ21A〜S21Iから構
成される。このホトダイオード21においては、各セン
サ21A〜21Iからの信号値をA、B、C、D、E、
F,G,H,Iとするとき、ディスクの複屈折の量は次
の値H1、H2、H3、H4に基づいて決定される。
【0081】H1=(E+C)/A H2=(B+D)/A H3=(F+H)/A H4=(G+I)/A この検出器によれば、H1、H2の値に基づいて光ディ
スクの半径方向及びトラック方向の複屈折が検出され、
H3、H4の値に基づいて、光ディスクの半径方向或い
はトラック方向に対して45°の角度を成す方向に於け
る複屈折が検出される。従ってこの検出機からの検出信
号に依れば、光ディスクの半径方向或いはトラック方向
に対して45°の角度を成す方向に於ける複屈折も考慮
に入れて開口絞りを制御することができる。
【0082】さらに例えば、図10、図11に示す実施
態様おいては、対物レンズ9に入射する光の強度分布は
一様であるとした。しかし実際には、レーザーの強度分
布はガウス分布している。従ってこのレーザ強度分布に
応じて前記センサ21A、B、C、D、E上での光も変
動分布を有する。このレーザ強度変動に対応するために
は、前記ピックアップの形式毎あるいは1台毎に校正し
た値を用いる事ができる。
【0083】前記分布は複屈折だけでなく、ピットの形
状によっても変わる。したがって、誤差がでにくいとい
う点からはピットが形成されていないミラー部が最適で
ある。しかしながら、ミラー部は、ディスクの最内周あ
るいは最外周にしかない場合が多く、変化をリアルタイ
ムに検出したいという目的には適合しない面がある。こ
れの対策としては、記録部分において、長いランドの部
分の信号をサンプリングして抽出する方法がある。具体
的な例では、CDで使われるEFM信号の場合、11T
のランド部分等を用いれば良い。このサンプリングは、
信号検出ホトダイオードの信号を用いれば良い。またこ
こで、複屈折が大きい場合は、このサンプリングがうま
く働かないことも考えられる。このような場合は、十分
複屈折が大きくサンプリングなしでも概略の大きさはつ
かめるので、まずそれに基づき開口を制御し、しかる後
にサンプリング信号を得て再度検出し適正な信号を得る
ようにすればよい。
【0084】さらに、ピットの影響は前記の方法よりや
や大きくなるが、すべてのランド部あるいは、一定の長
さ(たとえば5T)より長いランド部の信号を抽出する
方法によれば、検出のS/Nを向上することができる。
【0085】また、前記で述べた検出方法によれば、検
出値と複屈折は深い関係があるものの、必ずしも厳密に
1対1に対応しているわけではないため、検出に多少の
エラーが出る。これについては、複屈折の信号再生に与
える影響は複屈折が小さい場合は、急激に小さくなるこ
とより、エラーに基づき、対処(開口制御)がなされた
後では、十分許容できる範囲に収まっている。
【0086】この制御の早さは、ディスクの複屈折自体
の変化は、マクロ的に見て急峻な変化がないことより、
一般的にはそれほど高速である必要はない。さらに通常
は、厳密に複屈折にあわせて高速な制御をするよりも、
同じ再生半径付近の複屈折変化の中心値にあわせて制御
を行い、平均的に再生信号の特性を向上させることしい
で十分良好な補正特性を得ることができる。
【0087】ただし、再生中に、高速に変化させること
も、開口の変化の応答速度が間に合えば、可能ではあ
る。
【0088】また、前記実施例では、信号検出、トラッ
キング、フォーカス検出をするホトダイオードと複屈折
検出ホトダイオードを別体としたが、ホトダイオードの
分割形状を工夫することで、1つのセンサーで検出する
ことも可能である。また、回折光学素子等を用いること
で、光線を分割し、1つのホトダイオード上に形成し
た、複数の光検出部で、おのおのの信号を検出するよう
にすることもできる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ディスク
よれば、光ディスクが比較的大きな複屈折量を有してい
ても良好な再生信号を得ることができる。
【0090】また本発明の光ディスク装置或いは光ピッ
クアップに依れば、光ディスクが比較的大きな複屈折量
を有していても良好な信号を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスクの再生を行う偏光分離型光
ピックアップの概略図である。
【図2】垂直入射複屈折を説明するための説明図であ
る。
【図3】斜め入射複屈折を説明するための説明図であ
る。
【図4】図1に示す光ピックアップに於いて、偏光ビー
ムスプリッタから出射される光の光量を対物レンズの開
口数の関数として示すグラフである。
【図5】図4のグラフを俯瞰的に示すための模式図であ
り、対物レンズ9の瞳9a上での光量分布を示す。
【図6】図4に於ける光ディスクと同じ厚さ・主屈折率
を有する光ディスクについて、レーザ光の波長を400
nmとして計算した場合のx軸方向の光量曲線及びy軸
方向の光量曲線を示すグラフである。
【図7】本発明の光ピックアップの一実施形態を示す概
略図である。
【図8】図7の光ピックアップに於いて、偏光ビームス
プリッタから出射される光の光量を対物レンズの開口数
の関数として示すグラフである。
【図9】本発明の光ピックアップの他の実施形態を示す
概略図である。
【図10】図9に示された光ピックアップに使用される
複屈折量検出器としてのホトダイオードの一実施形態の
正面図である。
【図11】図10のホトダイオードからの出力信号と垂
直入射複屈折量との関係を示すグラフである。
【図12】図9に示された光ピックアップに使用される
複屈折量検出器としてのホトダイオードの他の実施形態
の正面図である。
【符号の説明】
1:光ディスク 2:レーザダイオード 3:集光レンズ 4:偏光ビームスプリッタ 5:コリメータレンズ 6:立ち上げミラー 7:1/4波長板 8: 開口制御部 9:対物レンズ 10:シリンドリカルレンズ 11:ホトダイオード 21:複屈折検出器 (ホトダイオード) 22:ビームスプリッタ 25:ビームスポット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ディスク材料の複屈折量に応じて、光デ
    ィスクの情報容量或いはピット長またはトラックピッチ
    を変化させたことを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】再生する光ディスクの複屈折量を検出する
    検出器を有し、当該複屈折量に応じて対物レンズの開口
    数を変化させることを特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】再生する光ディスクの複屈折量を検出する
    検出器を有し、当該複屈折量に応じて対物レンズの開口
    数を変化させることを特徴とする光ディスク装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008133204A1 (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Nec Corporation 光ディスク装置、及び、複屈折補正方法

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