JP2000330332A - 静電荷像現像用トナー用添加剤およびトナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー用添加剤およびトナー

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JP2000330332A
JP2000330332A JP9303099A JP9303099A JP2000330332A JP 2000330332 A JP2000330332 A JP 2000330332A JP 9303099 A JP9303099 A JP 9303099A JP 9303099 A JP9303099 A JP 9303099A JP 2000330332 A JP2000330332 A JP 2000330332A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低エネルギー定着用トナーの定着時の離型性に
優れるとともに、耐ブロッキング性、定着性に優れ、し
かもオフセット現象を起こさずに、キャリア、感光体、
加熱ロール等を汚染することがない静電荷像現像用トナ
ーを与える添加剤、および上記諸特性に優れた静電荷像
現像用トナーを提供する。 【解決手段】(a)芳香族系炭化水素樹脂および脂環族
系炭化水素樹脂からなる群から選択される少なくとも1
種の樹脂であって、GPCで測定した数平均分子量が3
00〜2000の範囲にあり、環球法で測定した軟化点
が120〜160℃の範囲にある樹脂と、(b)鎖状炭
化水素系ワックスとを含有する静電荷像現像用トナー用
添加剤、およびこの添加剤を用いた静電荷像現像用トナ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電荷像現像用トナ
ー用添加剤およびそれを用いた静電荷像現像用トナーに
(以下、静電トナーという場合もある。)関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用現像材、いわゆる静電トナー
は、静電的電子写真において、帯電露光により形成され
た潜像を現像し、可視画像を形成するために用いられ
る。この静電トナーは、樹脂中にカーボンブラック、顔
料等の着色剤を分散させてなる帯電微粉末である。ま
た、この静電トナーは、鉄粉、ガラス粒子等のキャリヤ
ーと共に用いられる乾式二成分系トナー、イソパラフィ
ン等の有機溶媒を用いて分散系とした湿式トナー、さら
には磁性微粉末が分散された乾式一成分系トナーに大別
される。
【0003】ところで、静電トナーにより感光体上に現
像されて得られた画像は、紙に転写された後、また感光
層が形成された紙において直接現像により得られた画像
はそのままで、熱や溶媒蒸気によって定着される。中で
も、加熱ローラーによる定着は、接触型の定着法である
ため、熱効率が高く、比較的低温の熱源によっても確実
に画像を定着することができ、さらに高速複写に適して
いる等の長所を有している。
【0004】とくに、近年、モノクロ系に加えて、カラ
ー電子写真の利用範囲が拡がり、低エネルギー下での定
着の必要性がますます増大している。即ち、家庭用機器
や小型機器への進出が進むにつれて、加熱ローラー部の
消費電力の低減が要求され、コンピュータ等の高速機器
の端末として高速定着性の要求も高まっている。ところ
が、加熱ローラー等の加熱体を接触させて画像を定着さ
せる場合、加熱体に静電トナーの一部が付着して後続の
画像部分に転写される現象、いわゆるオフセット現象が
生ずることがある。特に、加熱ローラーの温度が低いと
静電トナーが十分に軟化しきれず印字用紙やフィルムへ
の定着性の低下と同時にオフセット現象を引き起こしや
すい。特に既存のワックス添加等でオフセット発生を防
止しにくいカラー複写機、カラープリンターでは、例え
ば、ローラー表面にシリコーンオイルを含浸させたり、
シリコーンオイルをローラー表面に供給する等の方法に
より、オフセット現象の解消を図っている。しかしこの
場合、逆にロールが汚れる、得られた画像がぎらつく、
機器が小型化できない、定期的なオイルの補充が必要等
の問題が発生している。
【0005】一方、静電トナーの主材である結着剤とし
ては、各種の熱可塑性樹脂が用いられているが、特に、
低分子量のスチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重
合体やビスフェノールA誘導体やフタル酸を用いた芳香
族系ポリエステル樹脂は、帯電性が良い、適当な軟化点
(100℃前後)を有するため定着性が良い、感光体の
洗浄が容易で汚染が少ない、吸湿性が小さい、着色剤で
あるカーボンブラックや顔料との混合性が良い、また粉
砕し易い等の特長を有する。しかしながら、前記従来の
静電トナーも、カラー化により、画像性維持の観点か
ら、よりシャープメルトでかつ高流動性の高い樹脂設計
をするようになり、広い定着温度範囲でオフセット発生
を防ぐことが困難となっている。
【0006】このような問題を解決するため、従来の静
電トナーでは、ポリオレフィンワックスを離型剤として
加えることが提案され、モノクロ用静電トナーでは、実
用化している(特公昭52−3304号公報、同52−
3305号公報、同57−52574号公報、同58−
58664号公報、特開昭58−59455号公報等参
照)。
【0007】しかし、上記特公昭52−3304号公報
等に記載されている技術を適用した場合でも、近年のカ
ラートナーを用いた場合は、過酷な低エネルギー定着の
条件に耐えてオフセット現象を防止することには対応し
きれていない。また、多量のワックスの添加は、カラー
トナーの場合、画質の低下や白抜け等の原因となってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、低エ
ネルギー定着用トナーの定着時の離型性に優れるととも
に、耐ブロッキング性、定着性に優れ、しかもオフセッ
ト現象を起こさずに、キャリア、感光体、加熱ロール等
を汚染することがない静電荷像現像用トナーを得ること
ができる静電荷像現像用トナー用添加剤を提供すること
である。本発明の他の課題は、上記添加剤を含有し、上
記特性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の静電荷像
現像用トナー用添加剤および静電荷像現像用トナーであ
る。 (1)(a)芳香族系炭化水素樹脂および脂環族系炭化
水素樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹
脂であって、GPCで測定した数平均分子量が300〜
2000の範囲にあり、環球法で測定した軟化点が12
0〜160℃の範囲にある樹脂と、(b)鎖状炭化水素
系ワックスとを含有する静電荷像現像用トナー用添加
剤。 (2)樹脂(a)は、(i)下記式(I)
【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
て、水素原子または炭素数4以下のアルキル基である)
で表されるスチレン系モノマーと、下記式(II)
【化4】 (式中、R5、R6およびR7は、同一または異なって、
水素原子または炭素数6以下のアルキル基である)で表
されるインデン系モノマー、および/または石油精製も
しくは石油分解の際に副生する炭素数4〜5の留分に含
有される重合性モノマーとからなる芳香族系炭化水素樹
脂であり、(ii)前記スチレン系モノマーから導かれる
単位と、インデン系モノマーおよび/または石油精製も
しくは石油分解の際に副生する炭素数4〜5の留分に含
有される重合性モノマーから導かれる単位とのモル比
(スチレン系モノマー単位/インデン系モノマーおよび
/または石油精製もしくは石油分解の際に副生する炭素
数4〜5の留分に含有される重合性モノマー単位)が9
5/5〜40/60であり、かつ(iii)数平均分子量
が400〜2000の範囲にある上記(1)に記載の静
電荷像現像用トナー用添加剤。 (3)鎖状炭化水素系ワックス(b)が、ポリエチレン
ワックスである上記(1)または(2)に記載の静電荷
像現像用トナー用添加剤。 (4)ポリエチレンワックスは、GPCで測定した数平
均分子量が300〜2000の範囲にあり、DSCで測
定した融点が70〜120℃の範囲にある上記(3)に
記載の静電荷像現像用トナー用添加剤。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載される静電
荷像現像用トナー用添加剤、結着樹脂(c)および着色
剤(d)を含有し、配合割合が結着樹脂100重量部に
対して静電荷像現像用トナー用添加剤1〜40重量部、
着色剤(d)1〜10重量部である静電荷像現像用トナ
ー。 (6)メルトフローレート(125℃、2.14kg荷
重)が1〜100g/10分の範囲にあり、ガラス転移
温度が50〜70℃の範囲にある結着樹脂(c)を含有
する上記(5)に記載の静電荷像現像用トナー。
【0010】以下、本発明の静電荷像現像用トナー用添
加剤(以下、「本発明の添加剤」ともいう)およびこれ
を用いた静電荷像現像用トナーについて詳細に説明す
る。
【0011】本発明の添加剤は、芳香族系炭化水素樹脂
および脂環族系炭化水素樹脂からなる群から選択される
少なくとも1種の樹脂であって、GPCで測定した数平
均分子量が300〜2000、好ましくは400〜20
00の範囲にあり、かつ環球法で測定した軟化点が12
0〜160℃、好ましくは140〜160℃の範囲にあ
る樹脂(a)と、鎖状炭化水素系ワックス(b)とを含
有する静電荷像現像用トナー用の添加剤である。樹脂
(a)と鎖状炭化水素系ワックス(b)との混合比
((a)/(b))は、静電トナーの離型性能の観点か
ら、重量比で好ましくは20/80〜80/20、より
好ましくは40/60〜60/40の割合が好ましい。
【0012】本発明の添加剤に含有される樹脂(a)成
分としては、良好な耐オフセット性、および定着ローラ
ー等への耐汚染性を有する静電トナーが得られる点で、
芳香族系炭化水素樹脂の使用が好ましい。
【0013】樹脂(a)として用いる芳香族系炭化水素
樹脂は、上記式(I)で表されるスチレン系モノマー
と、上記式(II)で表されるインデン系モノマー、およ
び/または石油精製もしくは石油分解の際に副生する炭
素数4〜5の留分に含有される重合性モノマーとの共重
合体であり、カチオン重合によって得ることができる。
この芳香族系炭化水素樹脂は、スチレン系モノマーと、
インデン系モノマーおよび/または石油精製もしくは石
油分解の際に副生する炭素数4〜5の留分に含有される
重合性モノマーとを組み合わせることにより得られる二
元共重合体、三元共重合体、四元共重合体等の多元共重
合体のいずれでもよい。上記スチレン系モノマーから導
かれる単位と、上記インデン系モノマーおよび/または
石油精製もしくは石油分解の際に副生する炭素数4〜5
の留分に含有される重合性モノマーから導かれる単位と
のモル比(スチレン系モノマー単位/インデン系モノマ
ーおよび/または石油精製もしくは石油分解の際に副生
する炭素数4〜5の留分に含有される重合性モノマー単
位)は、トナーの離型性を向上させる点および共重合性
の点から、95/5〜40/60、好ましくは90/1
0〜40/60、より好ましくは80/20〜50/5
0である。
【0014】各モノマー単位の含有割合の測定は、重合
後の溶液中の残存モノマーをガスクロマトグラフィーで
定量することによって行なうことができる。また、上記
芳香族系炭化水素系樹脂の数平均分子量は、GPCで測
定されポリスチレン換算値として、好ましくは400〜
2000、より好ましくは500〜1000である。
【0015】スチレン系モノマーを表す前記式(I)に
おいて、R1、R2、R3およびR4は、同一でも異なって
もよく、水素原子または炭素数4以下のアルキル基であ
る。炭素数4以下のアルキル基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ
る。式(I)で表されるスチレン系モノマーの具体例と
して、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、イソプロペニルトルエン等が挙げられる。
【0016】これらのスチレン系モノマーの中でも、入
手の容易さ、価格等の点から、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエンを使
用することが好ましい。前記式(I)で表されるスチレ
ン系モノマーは、1種単独でも2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0017】また、インデン系モノマーを表す前記式
(II)おいて、R5、R6およびR7は、同一でも異なっ
てもよく、水素原子または炭素数6以下のアルキル基で
ある。炭素原子数6以下のアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基等が挙げられる。インデン系モノマ
ーの具体例として、インデン、メチルインデン、エチル
インデン、ジメチルインデン、アセナフテン、インデン
のシクロペンタジエン付加物、テトラシクロドデセン等
が挙げられる。
【0018】これらのインデン系モノマーの中でも、入
手の容易さ、価格等の点から、インデンが好ましい。前
記式(II)で表されるインデン系モノマーは、1種単独
でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】また、石油精製もしくは石油分解の際に副
生する炭素数4〜5の留分に含有される重合性モノマー
としては、C4 留分では、1−ブテン、2−ブテン、イ
ソブテン、ブタジエン等、C5 留分では、ペンテン、メ
チルブテン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、イ
ソプレン、シクロペンテン、シクロペンタジエン等があ
げられる。芳香族系炭化水素樹脂における炭素数4〜5
の留分の重合性成分から導かれる単位の含有割合は、静
電トナーが良好な画像性を保つ点で、20モル%以下の
割合であることが好ましく、より好ましくは5モル%以
下である。
【0020】芳香族系炭化水素樹脂の製造は、前記スチ
レン系モノマーと、インデン系モノマーおよび/または
石油精製もしくは石油分解の際に副生する炭素数4〜5
の留分に含有される重合性モノマーとを、カチオン重合
触媒の存在下に共重合反応させて行なうことができる。
重合に用いられるカチオン重合触媒は、一般にフリーデ
ルクラフツ触媒として知られるものであり、例えば、塩
化アルミニウム、臭化アルミニウム、ジクロルモノエチ
ルアルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、三フッ化
ホウ素の各種錯体等を挙げることができる。カチオン重
合触媒の使用量はスチレン系モノマーとインデン系モノ
マーおよび/または石油精製もしくは石油分解の際に副
生する炭素数4〜5の留分に含有される重合性モノマー
の合計量に対して、0.01〜5.0重量%の範囲にあ
ることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3.0
重量%の範囲である。
【0021】重合反応の際に、反応熱の除去や反応混合
物の高粘度化の抑制等のために、芳香族炭化水素、脂肪
族炭化水素および脂環式炭化水素から選ばれた少なくと
も1種の炭化水素溶媒中で重合反応を行うことが好まし
い。好ましい炭化水素溶媒として、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン等の
芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物、またはこれ
らとペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素および/またはシクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素との混
合物を挙げることができる。また、重合の際には、反応
混合物中のモノマーの初期濃度が10〜70重量%の範
囲になるように、炭化水素溶媒の量を調整することが好
ましい。
【0022】重合温度は、使用するモノマー、ならびに
触媒の種類およびその量によって異なるが、通常、−3
0〜50℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時
間は一般に0.5〜5時間程度であり、通常1〜2時間
で重合はほとんど完結する。重合様式としては、回分式
または連続式のいずれを採用することもできる。さら
に、多段重合を行うこともできる。
【0023】樹脂(a)として用いる脂環族系炭化水素
樹脂としては、例えばジシクロペンタジエン、メチルジ
シクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン等
のジシクロペンタジエン誘導体の1種または2種以上の
混合物を主原料として重合して得られる炭化水素樹脂等
が挙げられる。これらのジシクロペンタジエン誘導体を
含有する混合留分を重合して得られる炭化水素樹脂でも
よい。また、樹脂(a)として用いられる芳香族系炭化
水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂は、必要に応じて水素
添加したものを使用することができる。
【0024】本発明の添加剤の(b)成分である鎖状炭
化水素系ワックスとしては、例えばパラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス等の石油精製系ワッ
クス;サゾールワックス、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックスのような合成系ワックス;石炭系ワ
ックスのような鉱物系ワックス;さらにカルナウバワッ
クスのような植物性ワックスを含む。これらは、必要に
応じて不飽和カルボン酸および/またはその誘導体(エ
ステル、アミド、ハライド等)、芳香族ビニル化合物等
で変性して使用することができる。なかでも、無水マレ
イン酸、フマル酸エステル、スチレンで変性して使用す
るのが好ましい。価格および離型性能の面で、ポリエチ
レンワックスが好ましい。なかでも、ポリエチレンワッ
クスのうち、数平均分子量が400〜2000であり、
かつDSCで測定した融点が70〜120℃の範囲にあ
るものがさらに好ましい。
【0025】本発明の静電荷像現像用トナー(以下、静
電トナーという場合がある)は、前記本発明の添加剤、
結着樹脂(c)および着色剤(d)、ならびに必要に応
じて帯電制御剤(e)等を含む静電荷像現像用のトナー
である。
【0026】上記の結着樹脂(c)は、この種の静電ト
ナーに配合される熱可塑性樹脂であれば、いずれのもの
でもよく、特に制限されない。例えば、スチレン系樹
脂、スチレン−アクリル酸共重合樹脂、アクリル樹脂、
スチレン−ブタジエン樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン
樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、テルペン樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルポリオール樹脂、
ロジン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中
では、適当な軟化点(90℃〜120℃)で定着性が良
いスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
およびポリエーテルポリオール樹脂が特に好ましい。
【0027】結着樹脂(c)として用いるスチレン系樹
脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタ
レン等のスチレンもしくはスチレン誘導体の単独重合
体、またはこれらを主成分とし、その他のα,β−不飽
和重合性モノマーとの共重合体等を例として挙げること
ができる。
【0028】また、結着樹脂(c)として用いるアクリ
ル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t
ert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
グリシジル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸
フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボ
ン酸エステル類もしくはその誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単独重合
体、またはこれらを主成分とし、その他のα,β−不飽
和重合性モノマーとの共重合体等が例として挙げられ
る。
【0029】また、結着樹脂(c)として用いるポリエ
ステル樹脂としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、
テトラカルボン酸等の多価カルボン酸とジオール、トリ
オール等の多価アルコールとのエステル化反応によって
得られるものが挙げられる。上記多価アルコール成分と
してはプロピルオキシレート化ビスフェノールA、エチ
レングリコール、グリセリン、1,2−プロピレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジエタノール、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0030】上記多価カルボン酸成分としてはフマル
酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、オクチルコハク酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサ
ントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸等が挙げられる。
【0031】結着樹脂(c)として用いるポリエーテル
ポリオール樹脂としては、プロピルオキシレート化ビス
フェノールAやエチルオキシレート化ビスフェノールA
等の化合物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロ
ロヒドリンでグリシジル化したものを、ジハライド、ジ
イソシアネート、ジアミン、ジチオール、多価フェノー
ルまたはジカルボン酸と反応させて得られる化合物等が
挙げられる。
【0032】結着樹脂(c)としては、耐久性、粉砕
性、画像性、保存性、トナー流動性に優れたカラー用静
電トナーを得ることができるので、ポリエステル樹脂お
よびポリエーテルポリオール樹脂が特に好ましい。ま
た、結着樹脂(c)は、JIS K 7210に従って測
定される125℃でのメルトフローレート(2.14k
g荷重)が1〜100g/10分であり、DSCで測定
したガラス転移温度が50〜70℃の範囲ものが好まし
い。
【0033】上記着色剤(d)は、この種のカラー用静
電トナーに配合されるものであればいずれのものでもよ
く、特に制限されない。例えば、カーボンブラック、フ
タロシアニンブルー、アニリンブルー、アルコオイルブ
ルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、キノリ
ンイエロー、ランプブラック、ローズベンガル、ジアゾ
イエロー、ローダミンBレーキ、カーミン6B、キナク
リドン誘導体等の顔料または染料が挙げられ、これらは
1種単独でも2種以上を組合せても用いられる。
【0034】帯電制御剤(e)は、トナー粒子とキャリ
アとの摩擦によって発生する帯電量を制御する作用を有
するものが使用でき、この種のカラー用静電トナーに配
合されるものであればいずれのものでもよく、特に制限
されない。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメ
タン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キ
レート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、
4級アンモニウム塩、アルキルアミド、リンの単体また
は化合物、サリチル酸の金属錯体等が挙げられる。
【0035】また、帯電制御剤(e)には、補色や荷電
制御を目的として、アジン系ニグロシン、インジュリ
ン、アゾ系染料、アントラキノン系染料、トリフェニル
メタン系染料、キサンテン系染料、フタロシアニン系染
料等の油溶性染料を配合してもよい。
【0036】本発明の静電トナーを構成する各成分の配
合割合は、結着樹脂(c)100重量部に対して、着色
剤(d)1〜10重量部、好ましくは1〜6重量部;帯
電制御剤(e)0〜5重量部、好ましくは0.5〜2重
量部;本発明の添加剤1〜40重量部、好ましくは10
〜20重量部である。
【0037】また、本発明の静電トナーには、必要に応
じて上記以外の離型剤、可塑剤、帯電制御剤を加えても
よい。
【0038】本発明の静電トナーは、二成分系静電トナ
ー、一成分系静電トナー等のいずれの静電トナーとして
も用いられる。本発明の静電トナーを二成分系静電トナ
ーとして用いる場合、この二成分系静電トナーは結着樹
脂(c)、着色剤(d)、帯電制御剤(e)、本発明の
添加剤、および必要に応じて配合されるその他の成分
を、ボールミル、アトライタ等を用いる公知の方法で混
合した後、加熱二本ロール、加熱ニーダー、2軸押出機
等を用いて混練した後、冷却固化し、さらに得られた固
化物をハンマーミル、クラッシャー等を用いて粗砕した
後、ジェットミル、振動ミルで、あるいは水を加えてボ
ールミル、アトライタ等で微粉砕して、平均粒径を5〜
35μm、好ましくは7〜15μmにし、この微粉砕物
にキャリヤーを加えて二成分系静電トナーを調製するこ
とができる。微粉砕物は分級機で分級することにより特
定の平均粒径を有するものを得ることもできる。用いら
れるキャリヤーは、公知のものでよく、特に制限されな
い。例えば、粒径200〜700μmの硅砂、ガラスビ
ーズ、鉄球、あるいは鉄、ニッケル、コバルト等の磁性
材料粉末等が挙げられる。
【0039】この二成分系静電トナーの場合、本発明の
添加剤の添加量は、結着樹脂(c)100重量部に対し
て、1〜30重量部、好ましくは10〜20重量部であ
る。
【0040】また、本発明の静電トナーを一成分系静電
トナーとして用いる場合、この一成分系静電トナーは、
結着樹脂(c)、着色剤(d)、帯電制御剤(e)およ
び本発明の添加剤、ならびに磁性材料粉末、その他必要
に応じて配合される添加剤および他の熱可塑性樹脂を、
前記二成分系静電トナーの調製と同様の方法にしたがっ
て処理して調製することができる。
【0041】この一成分系静電トナーにおける本発明の
添加剤の添加量は、結着樹脂(c)100重量部に対し
て、1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部の割合
となる量である。
【0042】また、この一成分系静電トナーに配合され
る磁性材料粉末としては、通常、粒径1μm以下のマグ
タイト微粉末が用いられるが、コバルト、鉄、ニッケル
等の金属、それらの合金、酸化物、フェライトおよびこ
れらの混合物等の粉末等も使用することができる。この
一成分系静電トナーにおける磁性材料粉末の配合量は、
得られる静電トナーの電気抵抗が下がることなく静電ト
ナーの電化保持性が良好で、画像が滲むことがなく、し
かも軟化点が適度な範囲に保持されるため定着を好適に
行なうことができ、さらに所要の帯電値が得られ、飛散
もし難い点で、通常、結着樹脂(c)100重量部に対
して磁性材料粉末40〜120重量部の割合となる量で
ある。前記二成分系静電トナーまたは一成分系静電トナ
ーには、必要に応じて公知の荷電制御剤を添加してもよ
い。
【0043】また、本発明の添加剤は、それ単独で、ま
た界面活性剤等の乳化剤を添加することにより、容易に
微粒子水分散体とすることができるため、いわゆる重合
トナーの一成分として用いるのにも好適である。
【0044】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナー用添加剤
は芳香族系炭化水素樹脂および脂環族系炭化水素樹脂か
らなる群から選択される樹脂と鎖状炭化水素系ワックス
とを含有しているので、低エネルギー定着用トナーの定
着時の離型性に優れるとともに、耐ブロッキング性およ
び定着性に優れ、しかもオフセット現象を起こさずに、
キャリア、感光体、加熱ロール等を汚染することがない
静電荷像現像用トナーを得ることができる。本発明の静
電荷像現像用トナーは、上記添加剤を特定量含有してい
るので、上記諸特性に優れている。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例および比較
例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、これらの実施
例はいかなる点においても本発明の範囲を限定するもの
ではない。
【0046】合成例1(芳香族系炭化水素樹脂(a)の
合成) 各例において、撹拌翼を備えた実容量1270mlのオ
ートクレーブに、表1に示す供給割合で、イソプロペニ
ルトルエン(IPT)とインデン(ID)の合計供給量
が1.0l/hrとなるように、イソプロペニルトルエ
ン、インデン、脱水精製したトルエンおよび脱水精製し
たトルエンで10倍に希釈したボロントリフロライドフ
ェノラート錯体(フェノール1.6倍当量)を、連続的
に供給して反応温度5℃で重合反応させた。引き続き反
応混合物を2段目のオートクレーブに移送し、5℃で重
合反応を続けた後、1段目と2段目のオートクレーブ中
での合計滞留時間が2時間になったところで、連続的に
反応混合物を排出し、滞留時間の3倍となったところで
重合反応を終了させた。
【0047】合成例2(芳香族系炭化水素樹脂(a)の
合成) 表2に示す供給割合で、イソプロペニルトルエン(IP
T)、インデン(ID)および1,3−ペンタジエン
(PD)を供給する以外は、合成例1と同様に重合反応
を行った。
【0048】合成例1、2において重合終了後、反応混
合物に1NのNaOH水溶液を添加し、重合反応を停止
させた。得られた反応混合物を多量の水で5回洗浄した
後、エバポレーターで溶媒および未反応モノマーを減圧
留去して、イソプロペニルトルエン・インデン共重合体
a−1ないしa−4およびイソプロペニルトルエン・イ
ンデン・1,3−ペンタジエン共重合体a−5、a−6
を得た。このときの重合条件(モノマー供給比,触媒濃
度,樹脂組成,収率)を表1、2に示し、また、得られ
た共重合体の樹脂物性(色相,分子量、ガラス転移点、
軟化点、溶融粘度)を下記の方法に従って測定した。結
果を表3に示す。
【0049】(1)色相 ASTM D154−58に準拠して、ガードナーナン
バーを測定した。 (2)分子量(Mw、Mn) 重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を
用い、下記の条件で測定した。 溶媒:THF(流速1.0ml/分、試料濃度0.25
%) 温度:40℃ カラム:東ソー(株)製 TSK gel G7000HXL TSK gel G4000HXL 2本 TSK gel G2000HXL TSK guard colum HXL 検出器:SHODEX RI−71S (3)ガラス転移点 ASTM D3418−75に準拠して、DSCを用い
て測定した。
【0050】(4)軟化点 JIS K 2207に準拠して環球法によって測定し
た。 (5)溶融粘度 エミラー型粘度計(デンマーク・レシプロター社製)を
用いて下記測定条件で測定した。
【0051】また、脂環族系炭化水素樹脂(a)とし
て、水添ジシクロペンタジエン系樹脂(a−7)(商品
名 マイカレッツM−140B、丸善石油(株)製)を
用いた。この樹脂(a−7)の物性も上記方法で測定し
た。結果を表3に示す。
【0052】
【表1】 IPT:イソプロペニルトルエン ID :インデン
【0053】
【表2】 IPT:イソプロペニルトルエン ID :インデン PD :1,3−ペンタジエン
【0054】
【表3】 *1 ガードナーNo.
【0055】実施例1〜5および比較例1〜4(添加剤
A〜Gの調製) (a)成分として表3の樹脂(a−1ないしa−7)
と、(b)成分として鎖状炭化水素系ワックス(三井化
学(株)製ハイワックスHW100P:ポリエチレンワ
ックス、数平均分子量500、融点116℃)とを表4
に示すような割合で、150℃、常圧下の攪拌ドラム内
で溶融混練、粉砕(平均粒径500μm)後、添加剤A
〜Iを得た。
【0056】
【表4】 *1 100P:ハイワックス HW100P
【0057】実施例6〜10および比較例5〜9(ポリ
エステル樹脂系カラートナーの調製と評価) (ポリエステル樹脂(結着樹脂)の合成)ポリオキシプ
ロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン1191g、トリメチロールプロパン
9g、安息香酸71g、テレフタル酸452g、アジピ
ン酸50gおよびジブチル錫オキサイド5gをガラス製
2literの4つ口フラスコに入れ、温度計、ガラス製窒
素導入管、ステンレス製攪拌棒、還流用冷却管を備えた
脱水管を取り付け、電熱マントル中で窒素気流およびキ
シレン還流下にて240℃で攪拌しつつ反応せしめた。
酸価を測定しながら反応を追跡し、所定の酸価に達した
時点で約20mmHgの減圧下で脱キシレンを行い反応
を終了した。調製したポリエステル樹脂(BIN−1)
の基本物性を表5に示す。
【0058】基本物性の測定は、下記の通りである。 (1)メルトフローレート JIS K 7210に従い、125℃、荷重2.14K
gの条件下に行った。 (2)ガラス転移点 ASTM D3418−75に準拠して、DSCを用い
て測定した。 (3)酸価 JIS K5902に従って測定した。 (4)水酸基価 アセチル化後、電位差滴定法によって測定した。
【0059】(5)分子量 重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および
ピーク値をゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)を用い、下記の条件で測定した。 溶媒:THF(流速1.0ml/分、試料濃度0.25
%) 温度:40℃ カラム:東ソー(株)製 TSK gel G7000HXL TSK gel G4000HXL 2本 TSK gel G2000HXL TSK guard colum HXL 検出器:SHODEX RI−71S (6)軟化開始温度 フローテスターを用いて、下記の条件で測定した。 荷重:20Kg、昇温速度:6℃/分
【0060】
【表5】
【0061】(トナーの調製)上記で合成した結着樹脂
(c)(ポリエステル樹脂BIN−1)100重量部、
黄色顔料(d)(CI pigment Yellow12)6重量部、帯
電制御剤(e)(芳香族系4級アンモニウム塩タイプ)
0.5重量部および上記実施例1〜5および比較例1〜
4で調製した添加剤(A〜I)を、表6に示す配合比率
で、ヘンシェルミキサーで予備混合した後、熱ロールを
用いて100℃で混練した後、冷却、粗粉砕、さらに分
級機で分級し、10μm(50%平均粒径)のトナーを
得た。
【0062】次いで、上記トナーに対して、疎水性シリ
カ(R−972、アエロジル社製)を0.5重量%とな
る割合で外部から添加し、これをヘンシェルミキサーに
より混合してトナーを得た。上記トナー10重量部に対
して、キャリヤーとして平均粒径50〜80μmの鉄粉
を100重量部の割合で混合して二成分系静電トナーを
調製した。
【0063】(評価)この二成分系静電トナーについ
て、定着画像の定着性、耐オフセット性、耐ブロッキン
グ性、画像再現性、耐フィルミング性、現像耐久性の評
価を、下記の方法にしたがって行った。結果を表6、表
7に示した。
【0064】(1)定着画像の定着性 得られた二成分系静電トナーを用いて、電子写真法によ
りセレン感光体上にテスト画像を複写、現像させる。得
られた画像を転写紙に転写し、表面がポリテトラフルオ
ロエチレン(デュポン社製)で形成された定着ローラー
と、表面がシリコンゴム(信越化学(株)製、KE−1
300RTV)で形成された圧着ローラーとを用いて定
着速度を50mm/secとし、定着ローラーの温度を5℃
ずつ変化させて画像の定着を行った。得られた定着画像
の表面を、500gの荷重を載せた底面が15mm×
7.5mmの砂消しゴム(トンボ鉛筆社製)で10回摩
擦し、その前後にマクベス社製の反射濃度計で表面の光
学反射密度を測定し、下記式にしたがって、定着画像の
定着性を算出した。 定着性(%)={(摩擦後の画像濃度)/(摩擦前の画
像濃度)}×100
【0065】各温度での画像濃度の変化率が70%以上
となった最低の定着温度をもって最低定着温度とした。
評価基準は下記の通りである。なお、ここに用いた熱ロ
ーラー定着装置は、カラーコピー機で通常用いられてい
る定着装置であり、オフセット防止用のシリコーンオイ
ル供給機能は有さないものである。また、環境条件は、
常温常圧(温度22℃、相対温度55%)とした。 ○:最低定着温度=90℃未満 △:最低定着温度=90℃以上、120℃以下 ×:最低定着温度=120℃を超える
【0066】(2)耐オフセット性 耐オフセット性の評価は、上記最低定着温度の測定に準
ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナ
ー像を転写して上述の熱ローラー定着装置により定着処
理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱
ローラー定着装置に送って転写紙上にトナー汚れが生ず
るか否かを目視観察する操作を、前記熱ローラー定着装
置の熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り
返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもっ
てオフセット発生温度とした。評価基準は下記の通りで
ある。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対
湿度55%)とした。 ○:オフセット発生温度 160℃以上 △:160℃ > オフセット発生温度 ≧ 140℃ ×:オフセット発生温度 140℃未満
【0067】(3)耐ブロッキング性 静電トナーを温度45℃、相対湿度50%の環境条件下
に48時間放置後、150メッシュのふるいに5gの
せ、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵
抗機の目盛りを3にして、1分間振動を加える。振動後
の150メッシュのふるいの上に残った重量を測定し、
残存重量比を求めた。評価基準は下記の通りである。 ○:20%未満 △:20%以上35%以下 ×:35%を越える
【0068】(4)画像再現性 紙に定着される前の線幅と定着後の線幅を5点測定し平
均値を出し比較した。評価基準は下記の通りである。 ○:定着後の線幅が定着前の線幅と比較して拡がりが1
0μmより小さい △:定着後の線幅が定着前の線幅と比較して拡がりが1
0μm以上15μm以下 ×:定着後の線幅が定着前の線幅と比較して拡がりが1
5μmより大きい
【0069】(5)耐フィルミング性 上記複写機により連続して100,000枚にわたる実
写テストを行った後、キャリア粒子の表面、感光体の表
面、クリーニングブレードをそれぞれ目視により観察
し、付着物の有無により判定した。評価基準は下記の通
りである。 ○:付着物が認められない △:付着物が若干認められる ×:付着物が相当に認められる
【0070】(6)現像耐久性 耐フィルミング性試験と同様の実写テストを行った後、
画像濃度、画質が劣化し始める枚数により評価した。評
価基準は下記の通りである。 ○:7万枚以上でも劣化しない △:5〜7万枚で劣化 ×:5万枚以上で劣化
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)芳香族系炭化水素樹脂および脂環
    族系炭化水素樹脂からなる群から選択される少なくとも
    1種の樹脂であって、GPCで測定した数平均分子量が
    300〜2000の範囲にあり、環球法で測定した軟化
    点が120〜160℃の範囲にある樹脂と、(b)鎖状
    炭化水素系ワックスとを含有する静電荷像現像用トナー
    用添加剤。
  2. 【請求項2】 樹脂(a)は、(i)下記式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
    て、水素原子または炭素数4以下のアルキル基である)
    で表されるスチレン系モノマーと、下記式(II) 【化2】 (式中、R5、R6およびR7は、同一または異なって、
    水素原子または炭素数6以下のアルキル基である)で表
    されるインデン系モノマー、および/または石油精製も
    しくは石油分解の際に副生する炭素数4〜5の留分に含
    有される重合性モノマーとからなる芳香族系炭化水素樹
    脂であり、(ii)前記スチレン系モノマーから導かれる
    単位と、インデン系モノマーおよび/または石油精製も
    しくは石油分解の際に副生する炭素数4〜5の留分に含
    有される重合性モノマーから導かれる単位とのモル比
    (スチレン系モノマー単位/インデン系モノマーおよび
    /または石油精製もしくは石油分解の際に副生する炭素
    数4〜5の留分に含有される重合性モノマー単位)が9
    5/5〜40/60であり、かつ(iii)数平均分子量
    が400〜2000の範囲にある請求項1に記載の静電
    荷像現像用トナー用添加剤。
  3. 【請求項3】 鎖状炭化水素系ワックス(b)が、ポリ
    エチレンワックスである請求項1または2に記載の静電
    荷像現像用トナー用添加剤。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンワックスは、GPCで測定
    した数平均分子量が300〜2000の範囲にあり、D
    SCで測定した融点が70〜120℃の範囲にある請求
    項3に記載の静電荷像現像用トナー用添加剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載される静
    電荷像現像用トナー用添加剤、結着樹脂(c)および着
    色剤(d)を含有し、配合割合が結着樹脂100重量部
    に対して静電荷像現像用トナー用添加剤1〜40重量
    部、着色剤(d)1〜10重量部である静電荷像現像用
    トナー。
  6. 【請求項6】 メルトフローレート(125℃、2.1
    4kg荷重)が1〜100g/10分の範囲にあり、ガ
    ラス転移温度が50〜70℃の範囲にある結着樹脂
    (c)を含有する請求項5に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
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