JP2000330325A - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

トナーおよびその製造方法

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JP2000330325A JP13893799A JP13893799A JP2000330325A JP 2000330325 A JP2000330325 A JP 2000330325A JP 13893799 A JP13893799 A JP 13893799A JP 13893799 A JP13893799 A JP 13893799A JP 2000330325 A JP2000330325 A JP 2000330325A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 諸特性に優れ、安定に製造できるトナーおよ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子
1の表面上に、無機微粒子2の少なくとも一部を熱気流
場中での加熱により固定化する。無機微粒子2が固定化
された芯粒子1は、トナーのBET比表面積をS、トナ
ーの比重をρ、トナーの体積平均粒径をDとすると、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρ
D)〕 ……(1) 上記の式(1)を満たしているトナーおよびその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、およびプリンター等の画像形成装置において、電
気的潜像または磁気的潜像を現像するのに用いられる一
成分現像または二成分現像用の表面改質処理が施された
トナーおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスは、プリンター、ファ
クシミリ、カラー複写機、あるいは高速複写機等の多く
の分野に用いられている。これらの機器に対する高画質
化の要求の高まりのなかで、様々な現像方式が提案さ
れ、また、それぞれの様式に適したトナー等の現像剤も
それぞれの分野や機能に応じて、帯電の極性制御、流動
特性の向上を始めとする種々の特性を兼ね備えたものが
必要とされている。
【0003】また、近年の情報化、ネットワーク化の進
展の中で、これらの機器には環境への負荷を最小限にす
ることが求められている。すなわち、現像剤としては、
低エネルギー定着(低温定着)、排出トナーの低減、さ
らには複写機、プリンター機器の現像槽、現像ユニット
の長寿命化、リサイクルの観点から現像剤のロングライ
フ化等の要求に答えた開発が望まれている。
【0004】これらの観点から、各機能を有する改質用
微粒子をトナー芯粒子表面に乾式あるいは湿式で固着さ
せ、添加された改質用微粒子によって効率よく十分な機
能を付与させたもの、軟化温度が低い芯粒子の表層に硬
化樹脂微粒子を被覆させてトナーの耐久性や定着特性を
改良したもの、球形化処理によって帯電特性や流動特性
を改良したもの等のいわゆる表面改質トナーが数多く検
討されている。
【0005】このような表面改質トナーとして、特開平
7−209910号公報には、少なくとも結着樹脂、着
色剤、外添剤から構成され、少なくとも混練処理、粉砕
処理されたトナー芯粒子(母粒子)に、前記外添剤を外
添混合して付着させた後、分散状態で熱風による表面改
質処理により、前記外添剤の前記トナー芯粒子への固定
化処理を施すことを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0006】また、表面改質トナーの製造方法として、
特開平4−3171号公報には、芯粒子表面上に表面改
質用微粒子を付着させ、これに機械的衝撃力を与えるこ
とにより、芯粒子表面に均一に固定させた後、さらに、
200℃〜600℃の熱気流場中で熱処理し、表面改質
用微粒子を芯粒子表面上に均一に定着または成膜化させ
る製造方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案は、何れも熱的処理を施すことによって、単に芯
粒子表面上に改質微粒子を固定化、成膜化する方法もし
くは単に固定化、成膜化された状態のトナーが得られる
ことを提案しているだけである。単に所定の条件で熱処
理を施した場合、その処理条件により添加微粒子の固定
化の割合が低いときには現像機内でのストレスにより簡
単に添加微粒子の剥離、離脱が起こり、帯電量の変動や
遊離微粒子の存在により画像濃度やカブリ等の画質に影
響を及ぼす可能性がある。
【0008】また、十分な固定化の処理が行われていた
としても、トナーの粒子形状が完全球状に近くなれば、
残留トナーに対するブレードクリーニング性が悪化しク
リーニング不良を引き起こす原因になり、画質の劣化を
生じる可能性がある。
【0009】実際には、芯粒子表面上の改質微粒子が実
使用上のストレスに耐え、剥離、離脱等の防止されたラ
イフ性能を備えた状態のトナーを得るためには、その処
理後の状態がどのようなものであるかが重要であり、そ
の状態を定量的に把握した上で目的とする機能を発現で
きるトナーが求められる。
【0010】上記従来では、表面改質されて得られたト
ナーの具体的な状態は、表面改質トナー粒子表面上のS
EM観察等による視覚的な判断によってのみなされてい
ることが多いが、このことはつまり製造過程や得られた
トナーの状態が定量的に把握されておらず、その製造に
おいては目的とする機能を十分に発現させた表面改質ト
ナーの成否の判断が困難であり、製造のたびに不均一で
安定性に欠けたトナーが得られる可能性が極めて高いと
いう問題点を生じている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の問
題点を解決するためになされたものであり、従来の表面
改質トナーの課題であった改質微粒子の剥離、離脱等に
よりフィルミング、トナー飛散、カブリ等の画質劣化の
発生、トナーが球形化されることによるクリーニング不
良の発生がなく、定量的な改質状態の把握ができないこ
とによる不均一で不安定な改質トナーの製造と開発とい
った問題を解決できるトナーおよびその製造方法を提供
することを目的としている。
【0012】さらに、本発明は、無機微粒子の付与機能
が十分に発現できるトナー粒子表面近傍への固定化とト
ナー形状の制御を施す表面改質処理により、定着性、保
存安定性、耐湿環境性に優れ、かつ、現像槽内での耐久
性に強く、帯電性、流動性などが長期にわたって安定
し、二成分現像剤中でのキャリアの汚染や一成分現像剤
における帯電ブレードなどの電荷付与部材への固着や融
着がなく長寿命化を可能にしたトナーおよびその製造方
法を提供することを目的としている。
【0013】また、本発明は、熱風中での改質処理を施
す際に問題となるトナー同士の凝集や処理能力の低下を
抑制し生産性を向上させ、安価にトナーを製造できると
共に、流動性や帯電性の安定化と高い画像品質を維持で
きるトナーを提供することも目的としている。
【0014】本発明のトナーは、以上の課題を解決する
ために、着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の表面
上に、無機微粒子の少なくとも一部が熱気流場中での加
熱により固定化されており、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(1) S:トナーのBET比表面積、ρ:トナーの比重、D:
トナーの体積平均粒径、上記の式(1)を満たしている
ことを特徴としている。
【0015】上記構成に関し、まず、式(1)について
説明すると、粒子状のトナーが完全球形であり、粒度分
布がない、つまり粒径が単一であると仮定した場合、1
個のトナー粒子が有する表面積は、S1 =4π(D/
2)2 で表される。また、このトナー粒子の体積は、D
1 =〔4π(D/2)3 〕/3である。したがって、単
位重量当たりの表面積は、トナー粒子の比重をρとする
と、S1 /(ρD1 )=6/(ρD1 )と計算できる。
【0016】このことから、用いるトナー粒子において
は、実際上、粒度分布を有するので、粒度分布を有する
トナー粒子の比表面積Sは〔6/(ρD)〕となる。上
記のDは、上記のD1 に代えて用いた、粒度分布を有す
るトナー粒子の体積平均粒径である。
【0017】そして、製造の各条件を代えて製造した各
トナーについて、それぞれ評価したところ、上記の式
(1)を満たすものが好適であることが判った。
【0018】上記構成によれば、熱処理により芯粒子の
表面近傍に硬い無機微粒子を固定化すると共に、形状制
御を行い、上記範囲のBET比表面積値を有するトナー
を製造することで、トナーの表面状態を定量的に把握し
て安定した製品としての表面が改質されたトナーを供給
できる。
【0019】また、上記構成では、添加する無機微粒子
の剥離、離脱が抑制され、トナーの現像機内でのストレ
スに対する耐久性を大幅に向上させ、現像機の長寿命化
ができると共に、長期間にわたって帯電性、流動性、粒
度等のトナーの諸特性の変化が軽減されるので、安定し
た画像を得ることができるトナーを提供することが可能
となる。
【0020】上記無機微粒子のBET比表面積値は、8
0m2 /g以上であることが好ましい。上記構成によれ
ば、80m2 /g以上のBET比表面積値を有する無機
微粒子を固定化粒子に用いることで、芯粒子の表面上に
対し薄層状に効率よく被覆することができ、定着性能等
の阻害を回避しながら、かつ十分被覆固定が可能とな
る。80m2 /g未満のBET比表面積値を有する無機
微粒子を固定化粒子に用いた場合、例えば、芯粒子の表
面上に十分に被覆しようとすると、相当量の無機微粒子
の添加が必要であり、定着性能を著しく阻害したり、芯
粒子の表面からの離脱を起こし易い。
【0021】上記無機微粒子は、シリカ微粒子であり、
かつ、シリカ微粒子の表面の疎水化度が80%以上であ
ることが望ましい。上記構成によれば、表面の疎水化度
が80%以上有するシリカ微粒子を無機微粒子として用
いることで、得られたトナーは、耐湿環境性に優れ、帯
電性にも優れている。
【0022】すなわち、上記シリカ微粒子を無機微粒子
として、芯粒子の表面上に耐久性付与を目的として相当
量添加した場合、添加したシリカ微粒子の環境性がトナ
ー性能に大きく影響を与え、添加したシリカ微粒子の疎
水化度が80%以上であれば、高湿度環境下での帯電性
の変化は許容範囲内であるので、耐湿環境性に優れ、帯
電性にも優れたものとなる。
【0023】また、上記構成では、シリカ微粒子は帯電
能力も大きく、トナーへの帯電付与剤としても有効であ
ると共に分散性に優れ、流動性能の向上も可能であり、
本発明における表面改質用の無機微粒子として好適なも
のである。
【0024】上記無機微粒子は、芯粒子の体積平均粒径
の0.004倍以上、0.08倍以下である微粒子を含
むことが好ましい。上記構成によれば、熱処理するとき
に、トナー粒子同士の融着、凝集を防止できる効果によ
り、製造処理能力を高めることができ、生産性の向上に
より、より安価なトナーを製造できる。無機微粒子の平
均粒径が芯粒子の体積平均粒径の0.004倍未満であ
れば、不定形のトナー粒子同士の凝集防止材としては効
果がでない可能性があり、0.08倍を超えると、熱処
理後のトナーにおいてもほとんど固定化されることなる
遊離した状態で存在し、感光体ドラムのフィルミングや
画像カブリの原因となったり、現像機内の帯電付与部材
への固着が発生したりする可能性がある。
【0025】上記発明においては、芯粒子に対する無機
微粒子の配合量は、 0.05×Sa /(4S0 )≦M≦0.5×Sa /(4S0 ) ……(2) S0 :芯粒子のBET比表面積値、Sa :無機微粒子の
BET比表面積値、M:芯粒子100重量部に対する無
機微粒子の配合量(重量部)、上記式(2)を満たして
いることが望ましい。
【0026】上記構成に関し、まず式(2)について説
明すると、芯粒子の表面の全てに無機微粒子が1層で完
全に被覆されると仮定した場合に、無機微粒子は芯粒子
に比べ十分に小さいとすると、被覆面積は無機微粒子の
投影面積(平面近似)で計算できる。すなわち、添加し
た無機微粒子を完全球形であると仮定して、その投影面
積はπR2 であり、表面積は4πR2 である(Rは半
径)。
【0027】このことを元に実際の無機微粒子の投影面
積を、無機微粒子のBET比表面積値Sa とすると、S
a /4であると考える(近接粒子間での空隙はないもの
とする)。この仮定において、S0 のBET比表面積値
を有する芯粒子の表面を完全に被覆する無機微粒子の添
加量比kは、S0 :Sa /4=1:kとなる。したがっ
て、k=Sa /(4×S0 )となる。このとき、kは芯
粒子の1重量部当たりに対する添加される無機微粒子の
重量部で表される(比表面積は1g当たりの数値)。
【0028】そこで、添加した無機微粒子の添加量を種
々代えて、得られた各トナーについて種々評価試験を行
い、実際上の添加範囲を調べた結果、上記式(2)を満
たす範囲の添加量にすることで、芯粒子の表面近傍に剥
離、離脱なく耐久性を付与するに十分な無機微粒子が固
定化され、耐久性に優れ長期間にわたって安定したトナ
ー諸特性を維持したトナーを提供できる。
【0029】上記の範囲の下限未満の添加量では、無機
微粒子で覆われていない芯粒子の表面が多く露出してい
るため、キャリアや帯電ブレードへのトナー融着を引き
起し易い。また、上記の範囲の上限を超えると、芯粒子
の表面上に付着、固定化しきれない無機微粒子や十分に
芯粒子表面上に固定化されずに剥離、離脱して存在する
無機微粒子が多数発生し、キャリアや帯電ブレードへの
無機微粒子の固着を核とするトナー融着を引き起こした
り、トナー諸特性の安定性に劣ったりする。
【0030】本発明の他のトナーは、以上の課題を解決
するために、着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の
表面上に、無機微粒子の少なくとも一部が熱気流場中で
の加熱により固定化され、さらに、表面処理微粒子が添
加されており、 4.2×〔6/(ρD)〕≧Sb ≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(3) Sb :トナーのBET比表面積、ρ:トナーの比重、
D:トナーの体積平均粒径、上記の式(3)を満たして
いることを特徴としている。
【0031】上記構成によれば、無機微粒子で外郭構造
を備えた熱処理後の芯粒子に、さらに、流動化剤や研磨
剤等の機能を有する表面処理微粒子を添加することによ
り、上記表面処理微粒子を芯粒子に埋没させることを回
避して、上記表面処理微粒子による所望の機能を発揮さ
せることが可能となる。さらに、上記構成では、添加さ
れた表面処理微粒子は、芯粒子への埋没が生じ難いた
め、その機能を発現させるのに必要な添加量を軽減でき
る。
【0032】その上、上記構成では、得られたトナーに
おけるBET比表面積値を上記式(3)にて規定される
範囲内に設定されていることにより、トナーの表面状態
を定量的に把握して安定した製品としてのトナーを供給
できる。上記の範囲の上限を超えると、表面処理微粒子
は熱処理後の芯粒子の表面上に付着しきれず、感光体ド
ラムへのフィルミングや画像カブリの原因となる。
【0033】上記表面処理微粒子のBET比表面積値
は、80m2 /g以上であることが好ましい。上記構成
によれば、80m2 /g以上のBET比表面積値を有す
る表面処理微粒子を用いることで、芯粒子の表面上に対
し薄層状に効率よく被覆することができ、定着性能等の
阻害を回避しながら、かつ十分な被覆が可能となる。
【0034】80m2 /g未満のBET比表面積値を有
する表面処理微粒子を用いた場合、例えば、芯粒子の表
面上に十分に被覆しようとすると、相当量の表面処理微
粒子の添加が必要であり、定着性能を著しく阻害した
り、芯粒子の表面からの離脱を起こし易い。
【0035】上記表面処理微粒子は、シリカ微粒子であ
り、かつ、シリカ微粒子の表面の疎水化度が80%以上
であることが望ましい。上記構成によれば、表面の疎水
化度が80%以上有するシリカ微粒子を表面処理微粒子
として用いることで、得られたトナーは、耐湿環境性に
優れ、流動性や帯電性にも優れている。
【0036】すなわち、上記シリカ微粒子を表面処理微
粒子として、芯粒子の表面上に耐久性付与を目的として
相当量添加した場合、添加したシリカ微粒子の環境性が
トナー性能に大きく影響を与え、添加したシリカ微粒子
の疎水化度が80%以上であれば、高湿度環境下での帯
電性の変化は許容範囲内であるので、耐湿環境性に優
れ、帯電性にも優れたものとなる。
【0037】また、上記構成では、シリカ微粒子は帯電
能力も大きく、トナーへの帯電付与剤としても有効であ
ると共に分散性に優れ、流動性能の向上も可能であり、
本発明における表面改質用の表面処理微粒子として好適
なものである。
【0038】本発明のトナーの製造方法は、以上の課題
を解決するために、着色剤を有する結着樹脂からなる芯
粒子の表面上に、無機微粒子を分散させる分散工程と、
上記芯粒子の表面上に、無機微粒子の少なくとも一部を
熱気流場中での加熱により固定化する固定化工程とを含
み、上記固定化工程では、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(1) S:トナーのBET比表面積、ρ:トナーの比重、D:
トナーの体積平均粒径、上記の式(1)を満たすよう
に、芯粒子の表面に無機微粒子を固定化することを特徴
としている。
【0039】上記方法によれば、熱処理により芯粒子の
表面近傍に、芯粒子より硬い無機微粒子を固定化すると
共に、上記範囲のBET比表面積値を有するように、形
状制御を行ってトナーを製造することで、トナーの表面
状態を定量的に把握して、特性の安定した製品を供給で
きる。
【0040】また、上記方法では、添加する無機微粒子
の剥離、離脱が抑制され、トナーの現像機内でのストレ
スに対する耐久性を大幅に向上させ、現像機の長寿命化
ができると共に、長期間にわたって帯電性、流動性、粒
度等のトナーの諸特性の変化が軽減されるので、安定し
た画像を得ることができるトナーを、より確実に製造で
きる。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明のトナーは、図1に示すように、着色剤を有する
結着樹脂からなる芯粒子1の表面上に、無機微粒子2の
少なくとも一部が固定化されたものであって、さらに、
表面改質されたトナーの体積平均粒径から計算される、
トナーを完全球形と仮定した場合の比表面積値に対して
1.1倍から2倍までの比表面積値を有する状態となる
ように、芯粒子1の表面に対し、熱気流場中にて、無機
微粒子2を付着固定化した、不定形の粒子状のものであ
る。上記不定形とは、破砕等により形成されるものであ
り、完全球形以外の形状である。
【0042】このような表面改質によって、得られたト
ナーを完全に球形化せずに、無機微粒子2を芯粒子1の
表面近傍に固定化し、かつ、表面改質されたトナーのN
2 吸着法によるBET比表面積値で、その表面改質状態
を定量的に把握でき、状態の制御が可能である。
【0043】具体的には、粉砕法等によって得られた不
定形の芯粒子1の表面上に予め表面改質用の無機微粒子
2を付着、均一に分散させ、例えば図2に示すように、
その混合粒子表面上に150℃〜450℃の熱風を利用
して瞬間的に熱を加えることで芯粒子1の表面上の無機
微粒子2を芯粒子1の表面近傍上に固定化し、かつ、芯
粒子1の形状は不定形を保持したままの状態を維持でき
ることが判った。
【0044】本発明における表面改質処理において、1
50℃未満の温度では固定化させるに十分な熱エネルギ
ーを加えることができず、また、450℃を超える温度
では芯粒子1の球形化が進行すると共に、表面改質処理
時にトナー粒子同士の融着・凝集が起こり所定粒径のト
ナーが得られない場合があり、これを避けるために処理
速度を遅くすると生産効率が悪くなり、生産コストが高
くなるなどの問題が生じる。
【0045】また、表面改質されたトナーの状態は、上
記製造方法による種々の操作パラメーター、例えば温
度、処理時間、処理量等の装置条件や、芯粒子1や表面
改質用の無機微粒子2の組成、芯粒子1と無機微粒子2
との混合比率、それらの各粒径や、各形状、芯粒子1の
ガラス転移点(Tg)や分子量などを変えた場合に、そ
の融着度合いや熱の加わり方による改質の度合いの差
が、N2 吸着法によるBET比表面積値により把握でき
る。
【0046】本発明者らによって見出した良好な表面改
質されたトナーの状態は、具体的には、製造された表面
改質されたトナーの体積平均粒径から計算される、トナ
ーを完全球形と仮定した場合の比表面積値に対して1.
1倍から2倍までの比表面積値を有する状態となるよう
に、芯粒子1の表面に対し無機微粒子2を付着固定化し
た状態であり、これらの数値は添加する無機微粒子2の
量や種類さらに複数種のものを調合した場合でも、それ
らの条件に関わらず規定されるものである。
【0047】これらの方法によって得られたトナーで
は、表面改質用の無機微粒子2が芯粒子1の表面上から
剥離したり、または離脱したりすることによって感光体
ドラム上に付着して起こるフィルミング、互いに遊離し
た無機微粒子2や芯粒子1の存在に起因するトナー飛散
や画像カブリ等の現象を防止できて、安定した画像を示
し、トナー形状の球形化によるクリーニング不良の発生
も回避できるようになっている。
【0048】また、本発明のトナーは、二成分系現像剤
におけるキャリアや一成分系現像における帯電ブレード
などへのトナー融着や添加の無機微粒子2を核とする固
着を防止できて、トナーのライフ性が大幅に向上できる
と共に、長期にわたりその帯電性、流動性などの変化を
抑制して安定したトナー諸特性を維持したままで、良好
な画像を安定に得ることができるものである。
【0049】該表面改質処理における添加される無機微
粒子2としては、後述する芯粒子1の材質に対し親和性
を有する、例えば、シリカ、チタン、アルミナ、マグネ
タイト、フェライト等の金属酸化物微粒子、チッ化けい
素、チッ化ホウ素等の金属チッ化物微粒子等の微粉末が
挙げられ、さらにこれらの微粉末の表面をジメチルジク
ロルシラン、アミロシラン等のシランカップリング処理
やシリコーンオイル処理を施したもの、フッ素含有成分
などを付与したものなどが使用でき、これらの内の1種
あるいは複数種を添加すればよい。
【0050】また、該表面改質処理において得られたト
ナーに対し、図3に示すように、さらに、流動性やドラ
ム研磨剤の機能付与を目的とした、表面処理微粒子3を
添加混合して、所望の複数処理されたトナーを得てもよ
い。表面処理微粒子3としては、先に挙げた熱処理によ
り固定化される無機微粒子2と同一のものでよく、これ
らの内1種あるいは複数種を添加すればよい。この場合
においても、電荷付与部材等への汚染をより防止でき
て、さらに長期にわたりその帯電性、流動性などの変化
をより回避できて、安定したトナー諸特性を維持したま
まで良好な画像を得ることができる。
【0051】上記トナーは、現像剤の長寿命化による現
像機の長寿命化が図れ、さらには現像機のリサイクルや
トナーリサイクルを容易にし、乾式現像剤を使用する電
子写真機器の環境への負荷を最小限にとどめることがで
きるものとなっている。
【0052】トナー製造には、付着混合分散の状態を得
る装置として、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、
スーパーミキサー(川田社製)、メカノミル(岡田精工
社製)等のヘンシェルタイプの混合装置、オングミル
(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシ
ステム(奈良機械製作所製)、コスモシステム(川崎重
工業社製)等の装置が使用できる。トナー製造では、熱
処理装置としては、サーフュージングシステム(日本ニ
ューマチック工業社製)等の熱気流場を発生させること
ができる装置を用いることが好ましい。
【0053】使用する熱処理装置としては、例えば図2
に示すように、熱処理用の熱気流場Aを形成するための
熱風発生装置11、芯粒子1と無機微粒子2とが混合さ
れた混合粒子である被処理粒子を一時的に貯え、かつ、
定量的に供給するためのホッパー12、被処理粒子を熱
気流場Aに噴霧分散供給する材料供給装置14、被処理
粒子が熱気流場Aへ分散供給された直後に急速冷却する
冷却風導入部分を有する被処理材料の回収装置13のそ
れぞれを具備し、連続的に処理できるものを用いること
が望ましい。
【0054】さらに、上記熱処理装置においては、冷却
を急速に行うために熱処理後のトナーの回収部部並びに
その流路である配管部分を冷却水の通水などにより冷却
することが望ましい。また、上記熱処理装置では、熱気
流場Aは上方から下方に向かって熱風が形成されること
が好ましい。
【0055】また、上記熱処理装置においては、熱処理
に伴うトナーの凝集を防止して、処理量を向上させるた
めに、材料供給装置14には複数の分散ノズルを熱気流
場Aの周囲に等間隔に配置し、圧縮エアー等の気流を利
用して噴霧させればよい。また、熱気流場Aの熱風の風
量と分散供給エアーの風量の比は概ね3:1から20:
1程度までが望ましい。
【0056】以下に、上記熱処理装置を用いた、トナー
の製造方法例を示すと、まず、上記被処理粒子を圧縮空
気と共にホッパー12から材料供給装置14の分散ノズ
ルを通して、熱風発生装置11から発生された熱風によ
って形成される熱気流場A中へ噴霧させる。このとき、
上記熱風は所定温度に調整されており、被処理粒子はこ
の熱気流場Aによって瞬間的に熱エネルギーを受ける。
【0057】その後、被処理粒子における無機微粒子2
を芯粒子1の表面上に固定化させるために、熱エネルギ
ーを受けた被処理粒子を回収装置13に導入し、冷却エ
アーによって直ちに冷却する。ここで、冷却エアーは、
常温(25℃前後)の外気あるいは温度調整された冷風
とする。このような熱処理装置で表面改質された所定状
態のトナーは、芯粒子1の主樹脂のガラス転移点以下の
温度で捕集され、製品とされる。
【0058】上記の芯粒子1に使用できる結着樹脂とし
ては、無機微粒子2と親和性を有し、熱処理による加熱
により軟化または溶融するものであればよい。上記結着
樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アク
リル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオ
レフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂等を単独あるいは混合物として使
用できるほか、ブロック重合体、グラフト重合体として
使用することができる。また、結着樹脂として、1山あ
るいは2山分布等の公知の分子量分布を有するトナー用
結着樹脂がすべて使用可能である。
【0059】また、上記芯粒子1としての結着樹脂中に
は、カーボンブラック、アゾ系染料、鉄黒、ニグロシン
系染料、ベンジンイエロー、及びフタロシアニンブルー
等の着色剤が必要に応じて含有されているが、さらに、
特に限定せずに公知である各種の機能付与剤、例えば、
カルボン酸金属錯体、四級アンモニウム化合物、及びニ
グロシン系染料等の帯電制御剤、、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン重合体等のオフセッ
ト防止剤等の内の1種または複数種を混合分散させてお
いてもよく、また、磁性粉を含有せしめてもよい。
【0060】芯粒子1の熱的特性としては、ガラス転移
点(Tg)が40℃〜70℃であるものがよい。これに
より、トナーの低温定着性を向上させることができる。
これに対して、40℃未満のガラス転移点を有するもの
では、トナー製造過程において150℃以上の熱処理を
施した場合に容易に溶融し、球形化が進行するために実
写においてクリーニング不良が発生し、感光体ドラム上
でのフィルミングといった不具合を生じる。
【0061】また、70℃を超える温度のガラス転移点
を有するものでは、通常の熱定着において紙面上へ融解
定着させるときに十分にトナーが溶融せずに紙面との接
着性が劣るために、十分な定着強度が得られないことに
よる画像の剥離や接触部への付着等が起こり、実使用上
に耐えない。
【0062】また、芯粒子1の粒径は通常の粉体トナー
として使用する場合の粒径のものでよく、体積平均粒径
で4μm〜15μm程度のものが適当である。
【0063】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図3に
基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例にお
いて使用したトナーの製造方法の一例を以下に示す。芯
粒子1の製造は、スチレン−アクリル共重合体(三洋化
成工業社製)100重量部に対し、着色剤としてのカー
ボンブラック(Printex70:デグサ社製) 6重量部、帯電
制御剤としてのクロム錯塩型アゾ染料(S34:オリエント
化学社製)1重量部、オフセット防止剤としてのポリエ
チレン(PE130:クラリアント社製)2重量部を加え、ヘ
ンシェルミキサーで10分間混合した後、所定の条件で
混練し、粗砕、粉砕、分級工程をへて体積平均粒径を7
μmに調整して行った。
【0064】得られた芯粒子1への無機微粒子2の混合
分散には、スーパーミキサー(川田社製)を用い、5分
間の混合分散により、芯粒子1の表面上に無機微粒子2
を均一分散させた。用いた無機微粒子2の詳細について
は、後述する。
【0065】続いて、添加した無機微粒子2の加熱、固
定化には、図2に示すように、サーフュージングシステ
ム(日本ニューマチック工業社製)を用い、後述する各
条件による熱処理に基づく表面改質処理を行った。
【0066】さらに、表面改質処理後のトナー粒子へ
の、表面処理微粒子3の分散、混合には、前記の混合処
理と同様に、スーパーミキサー(川田社製)を用い、5
分間の混合分散により、芯粒子1の表面上に表面処理微
粒子3を均一分散させ、付着させた。
【0067】以下に、各測定値の評価方法についてそれ
ぞれ説明する。 〔表面積、粒径〕芯粒子1のBET比表面積値
(S1 )、無機微粒子2のBET比表面積値(S2 )、
および得られたトナーのBET比表面積値(S)の測定
には、BET比表面積測定装置ジェミニ2360(島津製作
所製)を用い、3点測定法での値を採用した。芯粒子1
の体積平均粒径、および得られたトナーの体積平均粒径
(D)の測定には、マルチサイザーII(コールター社
製)を使用した。
【0068】〔耐久性〕トナーの耐久性とは、実機にお
ける長期間にわたる使用により、帯電ブレード等の電荷
付与部材へのトナー融着や添加された無機微粒子2を核
とする固着を防止できて、安定した画質を供給できる期
間つまりライフ性により示されるものである。例えば、
シャープ社製の複写機(AR-5030)を一成分現像に変更し
て、変更した上記複写機を用いて空転試験を行い、10
時間以上、帯電ブレードなどの電荷付与部材へのトナー
融着や、無機微粒子2を核とする固着を引き起こすとい
った不都合の発生が防止されている場合を○と評価し、
10時間未満にて上記不都合が発生した場合を×と評価
した。
【0069】〔画像評価、クリーニング性〕シャープ社
製の複写機(AR-5030)を一成分現像に変更して、その変
更した複写機を用いて、一万枚実写試験を行い、実写で
の白地画像カブリ、クリーニング性不良の発生の有無を
評価した。白地画像カブリは目視にて実用上問題ないレ
ベルであれば○と評価し、問題となるレベルであれば×
と評価し、また、クリーニング性不良については、感光
体の表面上でのフィルミングが発生なき場合を○と評価
し、フィルミングが発生した場合を×と評価した。
【0070】〔定着性〕シャープ社製の複写機(AR-S33
0)を用い、ネコサ紙上に未定着のまま、当所規定グレー
スケールチャートを画出し、シャープ社製の定着機(AL
-1001)にて160℃で定着させた画像に対し、1kgの荷
重を印加した消しゴムを上記画像上にて3往復させる擦
り試験を行った。この試験における擦る前と後との画像
濃度変化をマクベス反射濃度計によってそれぞれ測定
し、画像の残存率を算出した。濃度の違う7点からグラ
フを描かせ、ID=0.50のときの残存率60%以上
を○と評価し残存率60%未満を×と評価した。
【0071】〔凝集率〕フロー式粒子像分析装置を用い
た視覚的判断結果により、凝集率が15%以下のとき、
○と評価し、凝集率が15%を超えるとき、×と評価し
た。
【0072】〔ボールミル帯電性評価〕250mlボトル
にキャリアと所定濃度のトナーを合わせて、400g 装
填し、所定速度で30分間回転混合させた後のトナーを
ブローオフ法により帯電量の測定を行った。
【0073】(処理温度)芯粒子1(体積平均粒径7.
0μmまたは7.3μm)100重量部に対し、無機微
粒子2としてのシリカ微粒子R972(日本アエロジル社
製、平均粒径16nm)2重量部を添加混合し、5kg/hの
処理速度にて、下記の表1に記載の各温度にて熱処理を
それぞれ施した各トナーについて種々評価を行った。
【0074】
【表1】
【0075】得られたトナーの体積平均粒径より、トナ
ーが完全球形の場合での比表面積計算値〔3/(ρD/
2)〕を計算すると、D=7.0μm、ρ=1.1×10
6 g/m3のときの比表面積計算値は0.779m2/gであ
り、D=7.3μm、ρ=1.1×106 g/m3のときの比
表面積計算値は0.747m2/gであった。表1の結果か
ら、得られたトナーのBET比表面積値は、比表面積計
算値に対し、1.1倍から2.0倍までの値となるよう
に、処理速度や処理温度を設定することが好ましいこと
が判った。
【0076】(添加される無機微粒子2の比表面積値)
芯粒子1(体積平均粒径7.0μm)100重量部に対
し、表2に記載の種々のBET比表面積値を有する各シ
リカ微粒子を2重量部添加混合し、300℃の処理温
度、5kg/hの処理速度にて熱処理をそれぞれ施した各ト
ナーについて、耐久性、定着性に関する評価をそれぞれ
行った。
【0077】
【表2】
【0078】得られた結果から、用いる無機微粒子2に
おいては、そのBET比表面積値が40m2/gから180
m2/gまでが好ましいことが判った。
【0079】(添加される無機微粒子2の疎水化度)芯
粒子1(体積平均粒径7.0μm)100重量部に対
し、表3に記載の疎水化度の相異なる種々の各シリカ微
粒子を2重量部添加混合し、300℃の処理温度、5kg
/hの処理速度にて熱処理をそれぞれ施した各トナーにつ
いて、帯電量のよる評価をそれぞれ行った。
【0080】評価条件としては、25℃/50%RHの
温湿度環境(N/N 環境)、および35℃/85%RHの
温湿度環境(H/H 環境)をそれぞれ用い、平均粒径60
μmの鉄粉キャリアにトナー濃度が6重量%となるよう
に調整し、その混合物(二成分トナー)をボールミルに
装填し、30分間、ボールミルを作動させた後のトナー
の帯電量をブローオフ法により測定した。
【0081】
【表3】
【0082】得られた結果から、用いる無機微粒子2に
おいては、その疎水化度が80%以上の無機微粒子2を
用いた場合、環境差での帯電量変化の許容量である20
%以内で良好であることが判った。
【0083】(無機微粒子2の平均粒径)芯粒子1(体
積平均粒径7.0μm)100重量部に対し、表4に記
載のごとく無機微粒子2を総量で2重量部添加混合し、
300℃の処理温度、5kg/hまたは10kg/hの処理速度
にて熱処理をそれぞれ施した各トナーについて、表4に
記載の評価をそれぞれ行った。それらの結果を表4にそ
れぞれ示した。なお、10kg/hの処理速度にて第一無機
微粒子としてシリカ(平均粒径16nm)のみを添加混合
して熱処理したものは、凝集したので、耐久性テストお
よび画像カブリの評価ができなかった。
【0084】
【表4】
【0085】表4に記載の結果より、平均粒径16nmの
シリカ微粒子(第一無機微粒子)に加えて、30nmのシ
リカ微粒子、または500nmのチタン微粒子を第2無機
微粒子として添加した場合、処理速度の向上が図れた。
このことから、無機微粒子2には、第一無機微粒子に加
えて、第一無機微粒子と異なる平均粒径、好ましくは、
第一無機微粒子より大きな平均粒径を有し、かつ、芯粒
子1の体積平均粒径の0.004倍から0.08倍まで
の平均粒径を有する第2無機微粒子を含むことことが処
理速度の向上の点から好ましいと判った。
【0086】また、このように互いに異なる平均粒径を
有する第一無機微粒子および第二無機微粒子を添加する
場合、第1無機微粒子および第2無機微粒子を合わせた
重量平均粒径が、芯粒子1の体積平均粒径の0.002
倍から0.02倍までが好ましいと判った。
【0087】重量平均粒径Zは以下の式(3)にて算出
した。まず、第1無機微粒子の平均粒径をXnm、第二無
機微粒子の平均粒径をYnm、第1無機微粒子の配合重量
部を、W1 、第二無機微粒子の配合重量部をW2 とし
た。
【0088】 Z=(X×W1 +Y×W2 )÷(W1 +W2 ) ……(3) (無機微粒子2の添加量)芯粒子1(体積平均粒径7.
0μm)100重量部に対し、無機微粒子2としてのシ
リカ微粒子R972(日本アエロジル社製、平均粒径16n
m)を表5に記載の重量部にて添加混合し、300℃の
処理温度、5kg/hの処理速度により熱処理をそれぞれ施
して得られた各トナーについて表5に示したように種々
評価をそれぞれ行った。芯粒子1のBET比表面積値S
0 は、3.02m2/gであり、シリカ微粒子R972のBET
比表面積値Sa は、110m2/gであった。このことか
ら、芯粒子1を完全に被覆する無機微粒子2の添加量比
k(無機微粒子2が完全球形の場合)については、上記
の場合では、k=Sa /4S0 =110/(4×3.0
2)=9.106となった。
【0089】
【表5】
【0090】この表5の結果から、明らかなように、芯
粒子100重量部に対する無機微粒子の配合量(重量
部)Mは、0.05kから0.5kまでの範囲内が好ま
しいことが判った。
【0091】(処理後のトナーへの表面処理微粒子3の
添加量)芯粒子1(体積平均粒径7.0μm)100重
量部に対し、無機微粒子2としてのシリカ微粒子R972を
(日本エアロジル社製、平均粒径16nm)2重量部にて
添加混合し、300℃の処理温度、5kg/hの処理速度に
より熱処理を施し、平均粒径7μm、比表面積1.01
3m2/gの処理後のトナーを得た。上記の処理後のトナー
100重量部に対し、さらに、表6に記載の各添加量に
て、それぞれ、シリカ微粒子R974(日本アエロジル社
製)を添加混合分散した複数処理後の各トナーについて
表6に示したように種々評価をそれぞれ行った。
【0092】
【表6】
【0093】得られたトナーの体積平均粒径から、上記
トナーが完全球形であるときの比表面積値S0 を示す
〔3/(ρD/2)〕を計算すると、D=7μm、ρ=
1.1×106 g/m3であるから、S0 は0.779m2/gで
あった。これに基づき、かつ、表6の結果から、上記の
複数処理されたトナーの比表面積値Sb は、4.2×S
0 以下、1.1×S0 以上が好ましいことが判った。
【0094】(処理後のトナーへの表面処理微粒子3の
BET比表面積値)芯粒子1(体積平均粒径7.0μ
m)100重量部に対し、無機微粒子2(第一無機微粒
子)としてのシリカ微粒子R972を(日本エアロジル社
製、平均粒径16nm)2重量部にて添加混合し、300
℃の処理温度、5kg/hの処理速度により熱処理を施し、
平均粒径7μm、比表面積1.013m2/gの処理後のト
ナーを得た。
【0095】続いて、上記の処理後のトナー100重量
部に対し、さらに、表7に記載の、相異なる各BET比
表面積値を有するシリカ微粒子(表面処理微粒子3、第
二無機微粒子)を1重量部、それぞれ添加混合分散した
複数処理後の各トナーについて、それぞれ表7に示した
ように種々な評価をそれぞれ行った。
【0096】
【表7】
【0097】表7の結果から明らかなようにから、表面
処理微粒子3(第二無機微粒子)としては、BET比表
面積値が80m2/g以上が好ましいことが判った。
【0098】(処理後のトナーへの表面処理微粒子3の
疎水化度)芯粒子1(体積平均粒径7.0μm)100
重量部に対し、無機微粒子2(第一無機微粒子)として
のシリカ微粒子R972を(日本エアロジル社製、平均粒径
16nm)2重量部にて添加混合し、300℃の処理温
度、5kg/hの処理速度により熱処理を施し、平均粒径7
μm、比表面積1.013m2/gの処理後のトナーを得
た。
【0099】続いて、上記の処理後のトナー100重量
部に対し、さらに、表8に記載の、相異なる各疎水化度
を有するシリカ微粒子(表面処理微粒子3、第二無機微
粒子)を1重量部、それぞれ添加混合分散した複数処理
後の各トナーについて、それぞれ表8に示したように種
々な評価をそれぞれ行った。
【0100】評価条件としては、25℃/50%RHの
温湿度環境(N/N 環境)、および35℃/85%RHの
温湿度環境(H/H 環境)をそれぞれ用い、平均粒径60
μmの鉄粉キャリアにトナー濃度が6重量%となるよう
に調整し、その混合物(二成分トナー)をボールミルに
装填し、30分間、ボールミルを作動させて撹拌した後
のトナーの帯電量をブローオフ法により測定した。
【0101】
【表8】
【0102】表8の結果から明らかなようにから、表面
処理微粒子3(第二無機微粒子)として、疎水化度が8
0%以上のシリカ微粒子を用いた場合、環境差での帯電
量変化の許容量である20%以内で良好であることが判
った。
【0103】
【発明の効果】本発明のトナーは、以上のように、着色
剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の表面上に、無機微
粒子の少なくとも一部が熱気流場中での加熱により固定
化されており、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(1) S:トナーのBET比表面積、ρ:トナーの比重、D:
トナーの体積平均粒径、上記の式(1)を満たしている
構成である。
【0104】それゆえ、上記構成は、熱処理により芯粒
子の表面近傍に、芯粒子より硬い無機微粒子を固定化す
ると共に、形状制御を行い、上記範囲のBET比表面積
値を有するトナーを製造することで、トナーの表面状態
を定量的に把握して安定した製品を供給できる。
【0105】また、上記構成では、添加する無機微粒子
の剥離、離脱が抑制され、トナーの現像機内でのストレ
スに対する耐久性を大幅に向上させ、現像機の長寿命化
ができると共に、長期間にわたって帯電性、流動性、粒
度等のトナーの諸特性の変化が軽減されるので、安定し
た画像を得ることができるという効果を奏する。
【0106】本発明の他のトナーは、以上のように、着
色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の表面上に、無機
微粒子の少なくとも一部が熱気流場中での加熱により固
定化され、さらに、表面処理微粒子が添加されており、 4.2×〔6/(ρD)〕≧Sb ≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(3) Sb :トナーのBET比表面積、ρ:トナーの比重、
D:トナーの体積平均粒径、上記の式(3)を満たして
いる構成である。
【0107】それゆえ、上記構成は、無機微粒子で外郭
構造を備えた熱処理後の芯粒子に、さらに、流動化剤や
研磨剤等の機能を有する表面処理微粒子を添加すること
により、上記表面処理微粒子を芯粒子に埋没させること
を回避して、上記表面処理微粒子による所望の機能を発
揮させることが可能となる。さらに、上記構成では、添
加された表面処理微粒子は、芯粒子への埋没が生じ難い
ため、その機能を発現させるのに必要な添加量を軽減で
きる。
【0108】その上、上記構成では、得られたトナーに
おけるBET比表面積値を上記式(3)にて規定される
範囲内に設定されていることにより、トナーの表面状態
を定量的に把握して安定した製品を供給できるという効
果を奏する。
【0109】本発明のトナーの製造方法は、以上のよう
に、着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の表面上
に、無機微粒子を分散させる分散工程と、上記芯粒子の
表面上に、無機微粒子の少なくとも一部を熱気流場中で
の加熱により固定化する固定化工程とを含み、上記固定
化工程では、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(1) S:トナーのBET比表面積、ρ:トナーの比重、D:
トナーの体積平均粒径、上記の式(1)を満たすよう
に、芯粒子の表面に無機微粒子を固定化する方法であ
る。
【0110】それゆえ、上記方法は、熱処理により芯粒
子の表面近傍に、芯粒子より硬い無機微粒子を固定化す
ると共に、上記範囲のBET比表面積値を有するよう
に、形状制御を行ってトナーを製造することで、トナー
の表面状態を定量的に把握して、特性の安定した製品を
供給できる。
【0111】また、上記方法では、添加する無機微粒子
の剥離、離脱が抑制され、トナーの現像機内でのストレ
スに対する耐久性を大幅に向上させ、現像機の長寿命化
ができると共に、長期間にわたって帯電性、流動性、粒
度等のトナーの諸特性の変化が軽減されるので、安定し
た画像を得ることができるトナーを、より確実に製造で
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの概略断面図である。
【図2】上記トナーを製造するための熱気流場を発生す
る表面改質処理用の熱処理装置の概略構成図である。
【図3】本発明の他のトナーの概略断面図である。
【符号の説明】
1 芯粒子 2 無機微粒子 3 表面処理微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 武 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森西 康晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 AB09 CB13 EA05 EA07 EA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の
    表面上に、無機微粒子の少なくとも一部が熱気流場中で
    の加熱により固定化されており、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(1) S:トナーのBET比表面積 ρ:トナーの比重 D:トナーの体積平均粒径 上記の式(1)を満たしていることを特徴とするトナ
    ー。
  2. 【請求項2】無機微粒子のBET比表面積値が、80m
    2 /g以上であることを特徴とする請求項1記載のトナ
    ー。
  3. 【請求項3】無機微粒子は、シリカ微粒子であり、か
    つ、シリカ微粒子の表面の疎水化度が80%以上である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のトナー。
  4. 【請求項4】無機微粒子は、芯粒子の体積平均粒径の
    0.004倍以上、0.08倍以下である微粒子を含む
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のトナー。
  5. 【請求項5】芯粒子に対する無機微粒子の配合量は、 0.05×Sa /(4S0 )≦M≦0.5×Sa /(4S0 ) ……(2) S0 :芯粒子のBET比表面積値 Sa :無機微粒子のBET比表面積値 M:芯粒子100重量部に対する無機微粒子の配合量
    (重量部) 上記式(2)を満たしていることを特徴とする請求項1
    ないし4の何れか一項に記載のトナー。
  6. 【請求項6】着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の
    表面上に、無機微粒子の少なくとも一部が熱気流場中で
    の加熱により固定化され、さらに、表面処理微粒子が添
    加されており、 4.2×〔6/(ρD)〕≧Sb ≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(3) Sb :トナーのBET比表面積 ρ:トナーの比重 D:トナーの体積平均粒径 上記の式(3)を満たしていることを特徴とするトナ
    ー。
  7. 【請求項7】表面処理微粒子のBET比表面積値が、8
    0m2 /g以上であることを特徴とする請求項6記載の
    トナー。
  8. 【請求項8】表面処理微粒子は、シリカ微粒子であり、
    かつ、シリカ微粒子の表面の疎水化度が80%以上であ
    ることを特徴とする請求項6または7に記載のトナー。
  9. 【請求項9】着色剤を有する結着樹脂からなる芯粒子の
    表面上に、無機微粒子を分散させる分散工程と、上記芯
    粒子の表面上に、無機微粒子の少なくとも一部を熱気流
    場中での加熱により固定化する固定化工程とを含み、上
    記固定化工程では、 2.0×〔6/(ρD)〕≧S≧1.1×〔6/(ρD)〕 ……(1) S:トナーのBET比表面積 ρ:トナーの比重 D:トナーの体積平均粒径 上記の式(1)を満たすように、芯粒子の表面に無機微
    粒子を固定化することを特徴とするトナーの製造方法。
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