JP2000329650A - 波長分散測定装置 - Google Patents

波長分散測定装置

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JP2000329650A
JP2000329650A JP11137881A JP13788199A JP2000329650A JP 2000329650 A JP2000329650 A JP 2000329650A JP 11137881 A JP11137881 A JP 11137881A JP 13788199 A JP13788199 A JP 13788199A JP 2000329650 A JP2000329650 A JP 2000329650A
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light
optical
chromatic dispersion
wavelength
pulse
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JP11137881A
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English (en)
Inventor
Motonori Imamura
元規 今村
Hiroaki Satomura
裕明 里村
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Advantest Corp
Original Assignee
Advantest Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 敷設後の光ファイバによって形成される光伝
送路の特定箇所又は特定の伝送経路における波長分散を
測定できるようにする。 【解決手段】 光伝送路に所定波長の光パルスを入射す
ると、各接続部5、6や光ファイバ先端部7で反射及び
散乱した反射光や後方散乱光が戻って来るので、波長分
散測定装置10は、その戻り光を検出し、その戻り光の
遅延量を測定する。この遅延量は被測定光ファイバに入
射した光パルスが各接続部5、6及び光ファイバ先端部
7で反射及び散乱して戻ってくるまでの時間に対応して
おり、それに基づいてさらに接続部間に設けられた個々
の光ファイバを通過することによって生じる遅延量を測
定することができる。波長分散測定装置10は、これら
の遅延量の測定を波長を所定単位毎に可変しながら行
い、所定波長における遅延量を順次測定し、その遅延量
を波長で微分して所定波長における分散を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバを用い
て構成された光通信システムにおいて、伝送路内を伝搬
する光パルスの特定箇所又は特定の伝送経路における波
長分散を測定する波長分散測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバに入射された光パルスは、光
ファイバの屈折率分布、光源のスペクトル幅、光ファイ
バの材料の分散性に依存した波形歪みを生じるため、受
信側で受信された光パルスの波形が全体的に拡がったよ
うになる。このような現象を光ファイバの分散という。
光ファイバの分散には、その要因に応じて、多モード分
散、材料分散、導波路分散(構造分散)、偏波モード分
散が存在する。これらの分散の中で、特に材料分散と導
波路分散を合成したものを波長分散という。材料分散
は、光ファイバの材料の屈折率が光の波長に対応して変
化することによって生じるものである。導波路分散は、
光ファイバの材料とは無関係のものであり、光ファイバ
の導波路の構造によって光ファイバ内を伝搬する光の伝
搬速度が波長毎に異なるために生じるものである。
【0003】波長分散測定装置は、このような光ファイ
バの分散特性を正確に測定するものである。従来から知
られている波長分散測定装置は、パルス法(時間領域
法)と位相法(周波数領域法)によって光ファイバの波
長分散を測定するものが存在する。パルス法を用いた波
長分散測定装置は、被測定光ファイバに光パルスを入射
し、そこから出射した光パルスの群遅延時間差を直接測
定し、それに基づいて波長分散を測定するものである。
位相法を用いた波長分散測定装置は、周波数fの正弦波
変調された2つの波長λ1及びλ2の光を被測定光ファ
イバに入射し、そこから出射した光パルスの位相差に基
づいて群遅延時間を測定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の波長分散測定装
置は、被測定光ファイバの一端側から光パルスを入射
し、その他端側から出射する光パルスに基づいて測定す
る透過法と呼ばれる方法で波長分散を測定していた。従
って、従来の波長分散測定装置は、透過法による測定が
可能な状態の敷設前の光ファイバに対して波長分散の測
定を行うことが多い。なお、敷設後の光ファイバに対し
ては、光パルスの入射側と出射側が比較的近距離の場合
に限って、透過法による測定が行われていた。
【0005】一般的に、敷設前の光ファイバは長尺なの
で、波長分散の測定は巻き取られた光ファイバに対して
行われていた。巻き取られた状態の光ファイバは実際の
敷設状態とは異なる応力が加わったりしているので、そ
の測定結果は敷設後の光ファイバが示す波長分散とは異
なった値を示し、事実上敷設後の光ファイバに対しては
正確な波長分散を測定することはできないのが現状であ
った。
【0006】また、光ファイバの波長分散を透過法を用
いて測定した場合、その測定結果は光伝送路全体に対す
る波長分散に過ぎず、その光伝送路の途中箇所における
波長分散を測定しようとしても、透過法では測定するこ
とはできなかった。すなわち、光ファイバの敷設された
光伝送路に対して透過法を用いて測定したとしても、そ
の測定結果は敷設後の光ファイバによって形成された伝
送路全体の波長分散を測定したことに過ぎず、各中継地
点や各区間を構成する光ファイバの波長分散を測定する
ことはできなかった。
【0007】最近では、幅の細い光パルスを用いて伝送
レートの向上を図ろうとしているが、この場合、光伝送
路の非線形的な現象によって結果的に光パルスの幅が広
がってしまい、伝送レートをあげることが困難であっ
た。そこで、光伝送路内に所定の波長分散を有する光フ
ァイバを故意に挿入し、その通過後の光パルスに対して
逆補償を行うような補償デバイスをさらに挿入して非線
形的な現象を抑制するという方法が行われている。しか
しながら、各区間の光ファイバの波長分散を制御するた
めには、敷設後の実際の光ファイバが示す波長分散を正
確に測定できなければ、どの箇所にどのような特性の補
償デバイスを設けてよいのかが分からないので、敷設後
の光ファイバの実際の波長分散を測定する必要性は非常
に高かった。また、光伝送路の各区間には光アンプ等が
配置されているが、これらの光アンプに分散特性を有し
ないものを用いるとノイズの影響が非常に強くなるの
で、ある程度の分散特性を有する光アンプを用いて、そ
の位相補償をその後段側で行っている。従って、敷設後
の光伝送路に配置された各光アンプの分散特性を測定す
る必要性もあった。また、敷設後の光ファイバがどのよ
うな波長分散特性を示すのか実際に知らないと、どこま
で伝送レートを上げることができるのか、そのシミュレ
ーションを行うこともできなかった。
【0008】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、敷設後の光ファイバによっ
て形成される光伝送路の特定箇所又は特定の伝送経路に
おける波長分散を測定することのできる波長分散測定装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載された波長分散測定装置は、所
定の波長を有する光パルスを被測定光ファイバの一方端
に入射する光パルス生成手段と、前記光パルスに対応し
て前記被測定光ファイバの一方端から出射される戻り光
を検出する光検出手段と、前記光検出手段によって検出
された前記戻り光の遅延量を測定する遅延量測定手段
と、前記遅延量測定手段によって測定された前記戻り光
の遅延量と、前記光パルス生成手段から前記被測定光フ
ァイバに入射された前記光パルスの波長とに基づいて、
前記被測定光ファイバの波長分散を求める解析手段と、
を備えるものである。被測定光ファイバは、複数の光フ
ァイバがコネクタ接続部などを介して接続されたもので
ある。このような被測定光ファイバに所定波長の光パル
スを入射すると、各接続部や光ファイバ先端部で反射及
び散乱した反射光や後方散乱光が戻って来るので、その
戻り光を光検出手段で検出し、その戻り光の遅延量を遅
延量測定手段で測定することによって、被測定光ファイ
バに入射した光パルスが各接続部及び光ファイバ先端部
で反射及び散乱して戻ってくるまでの遅延量を測定する
ことができる。また、このようにして測定された各接続
部までの遅延量に基づいて、接続部間に設けられた個々
の光ファイバを通過することによって生じる遅延量も測
定することができる。そこで、これらの遅延量の測定を
波長を所定単位毎に可変しながら行い、所定波長におけ
る遅延量を順次測定し、その遅延量を所定波長で微分し
て所定波長における分散を測定する。このとき、遅延量
が各接続部で反射及び散乱した戻り光に対応するもので
ある場合は、その地点における波長分散が測定でき、遅
延量が各光ファイバを通過することによって生じたもの
である場合は、その光ファイバ自身の波長分散を測定す
ることができる。
【0010】請求項2に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1に記載された波長分散測定装置の一実
施態様として、前記光パルス生成手段が、前記光パルス
の波長を変更可能である。この発明は、例えば、152
0nm〜1580nmの間で波長を1nmや0.1nm
単位で変化させたり、1300nm〜1600nmの間
で30nm単位で変化させたりできるので、その測定精
度を種々変更することができる。
【0011】請求項3に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1または2に記載された波長分散測定装
置の一実施態様として、前記遅延量測定手段が、前記遅
延量の測定対象となるアナログ信号をデジタルデータに
変換するアナログ−デジタル変換器を含んでおり、変換
後のデジタルデータを用いたデジタル演算によって前記
遅延量を求めるものである。光検出手段によって検出さ
れた戻り光はアナログ信号なので、これに基づいて遅延
量を測定するとなると回路構成が複雑となるので、この
発明は、アナログ−デジタル変換器で一旦デジタル信号
に変換することによって、その後はそのデジタル信号を
記憶し、それに基づいて遅延量の測定などを行うように
した。
【0012】請求項4に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1〜3に記載された波長分散測定装置の
一実施態様として、前記遅延量測定手段によって複数回
測定された遅延量に対して同期加算を行う同期加算手段
をさらに備えるものである。一回の測定によって遅延量
を算出した場合だと、測定結果に誤差が多く含まれる場
合があるので、この発明は同期加算することによってそ
の測定精度を向上するようにした。
【0013】請求項5に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1〜4に記載された波長分散測定装置の
一実施態様として、前記光検出手段によって検出される
前記戻り光の強度を測定する強度測定手段をさらに備え
るものである。この発明は、波長分散を測定すると同時
に、戻り光の強度に基づいて通常のOTDR測定装置と
同様の光ファイバの損失等を測定するようにしたもので
ある。
【0014】請求項6に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項5に記載された波長分散測定装置の一実
施態様として、前記強度測定手段が、包絡線検波器で構
成されるものである。この発明は、包絡線検波器によっ
て通常のOTDR測定装置と同様の光ファイバの損失な
どを測定するようにしたものである。
【0015】請求項7に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1〜5に記載された波長分散測定装置の
一実施態様として、前記光パルス生成手段から出力され
る前記光パルスは、所定の強度を有するパルス光であ
り、前記遅延量測定手段は、前記光パルスが前記光パル
ス生成手段から出射されてから前記戻り光が前記光検出
手段によって検出されるまでの時間を遅延量として測定
することを特徴とするものである。この発明は、所定強
度の光パルスを用いているので、光ファイバの減衰特性
によってどの程度の強度の光パルスが戻り光として戻っ
てくるかが分かる。また、この発明は、光パルスが光パ
ルス生成手段から出射されてから光検出手段で検出され
るまでの時間を遅延量としているので、光パルス生成手
段に入力されるタイミング信号を基準にして容易に遅延
量を測定することができる。
【0016】請求項8に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項7に記載された波長分散測定装置の一実
施態様として、前記光パルス生成手段が、所定波長の光
を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出力され
る光を所定時間通過させることにより前記パルス光を出
射する光パルス発生部と、前記光パルス発生部によって
光を通過させる前記所定時間を指定するタイミング制御
部とを備えるものである。この発明は、光パルス生成手
段を具体的に限定したものであり、光パルスはタイミン
グ制御部によって指定された所定時間だけ出射されるの
で、このタイミング制御部が光パルス発生部に所定時間
を指定したタイミングを基準にして遅延量の測定を行う
ことができる。
【0017】請求項9に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1〜6に記載された波長分散測定装置の
一実施態様として、前記光パルス生成手段から出力され
る前記光パルスは、所定波長の光を所定周波数の変調信
号を用いて強度変調された光であり、前記光検出手段
は、前記戻り光の強度に対応した電気的な検出信号を出
力する光−電気変換器であり、前記遅延量測定手段は、
前記戻り光に対応する前記検出信号と前記変調信号との
間の位相差に基づいて前記遅延量を測定するものであ
る。この発明は、被測定光ファイバに入射される光パル
スの強度を所定周波数の変調信号によって変調すること
によって、戻り光の強度に対応した電気的な検出信号と
変調信号との間の位相差に基づいて遅延量を測定するよ
うにしたものである。
【0018】請求項10に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項9に記載された波長分散測定装置の一実
施態様として、前記光パルス生成手段は、所定波長の光
を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射され
る光に対して前記変調信号に基づいて強度変調を行う変
調器と、前記変調信号を発生して前記変調器に入力する
発振器とを備えるものである。この発明は、請求項9に
記載された光パルス生成手段を具体的に限定したもので
ある。
【0019】請求項11に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項1〜6に記載された波長分散測定装置の
一実施態様として、前記被測定光ファイバに入射される
前記光パルスは、前記光パルス生成手段から出射される
所定波長の光パルスが所定周波数の変調信号によって周
波数変調されたコヒーレント光であり、前記光検出手段
は、前記戻り光である前記コヒーレント光に対して前記
光パルス生成手段から出射された所定波長の光パルスを
用いてヘテロダイン検波を行うことにより、前記変調信
号と同じ周波数の電気的な検出信号を出力するヘテロダ
イン検波器で構成され、前記遅延量測定手段は、前記ヘ
テロダイン検波器から出力される前記検出信号と前記変
調信号との間の位相差に基づいて前記遅延量を測定する
ものである。この発明は、光パルス生成手段から出射さ
れる光パルスを周波数変調することによってコヒーレン
ト光とし、それを被測定光ファイバに入射し、その戻り
光と光パルス生成手段から出射される光パルスとをヘテ
ロダイン検波することによって得られた検出信号と変調
信号との間の位相差に基づいて遅延量を測定するように
したものである。
【0020】請求項12に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項11に記載された波長分散測定装置の一
実施態様として、前記光パルス生成手段が、所定波長の
光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出力さ
れる光に対して前記変調信号に基づいて周波数変調を行
う周波数シフタと、前記変調信号を発生して前記周波数
シフタに入力する発振器とを備えるものである。この発
明は、請求項11に記載のコヒーレント光を生成する光
パルス生成手段を具体的に限定したものである。
【0021】請求項13に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項11または12に記載された波長分散測
定装置の一実施態様として、前記被測定光ファイバが、
下り線と上り線とを有するループバック方式を用いた光
ファイバアンプ中継線路で構成され、前記所定周波数の
変調信号によって周波数変調することによって生成され
た前記コヒーレント光を前記光ファイバアンプ中継線路
の下り線に入射するとともに、前記光ファイバアンプ中
継線路の上り線の出射端に現れる前記戻り光である前記
コヒーレント光を用いて波長分散の測定を行うものであ
る。この発明は、被測定光ファイバがループバック方式
を用いた光ファイバアンプ中継線路で構成された場合
に、その波長分散を測定する場合を具体的に限定したも
のである。
【0022】請求項14に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項13に記載された波長分散測定装置の一
実施態様として、前記光パルス生成手段が、所定期間の
み前記コヒーレント光を出力し、前記所定期間以外につ
いては前記コヒーレント光とほぼ等しい光強度を有する
一定波長の非コヒーレント光を出射しており、前記ヘテ
ロダイン検波器から出力される前記検出信号に対して前
記変調信号の周波数近傍の信号のみを通過させる帯域通
過フィルタをさらに備えるものである。この発明は、請
求項13に記載の光ファイバアンプ中継線路に光パルス
を入射して波長分散を測定する場合に、光アンプによっ
て自動的にゲイン調整が行われるので、それを防止する
ために、光強度を一定に保持するためのローディング光
を出射するとともに、光アンプによって戻り光に含まれ
るノイズ成分が増加するので、そのノイズ成分を有効に
除去するために帯域通過フィルタを設けたものである。
【0023】請求項15に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項11に記載された波長分散測定装置の一
実施態様として、前記光パルス生成手段から出射される
前記光パルスの波長を測定する波長測定手段をさらに備
えるものである。この発明は、温度特性の変化や経時変
化によって光パルス生成手段から出射された光パルスが
所望の波長でない場合があり得るので実際に被測定光フ
ァイバに入射される光パルスの波長を波長測定手段で測
定するようにしたものである。
【0024】請求項16に記載された波長分散測定装置
は、前記請求項15に記載された波長分散測定装置の一
実施態様として、前記波長測定手段が、前記光パルスの
波長に近い所定の波長を有する基準光を出力する基準光
生成手段と、前記基準光生成手段から出力される前記基
準光を用いて前記光パルス生成手段から出力される前記
光パルスに対するヘテロダイン検波を行って、前記基準
光と前記光パルスのそれぞれの波長の差分相当の周波数
を有する差信号を出力する差信号出力手段と、前記差信
号の周波数を測定する周波数測定器と、を備えるもので
ある。この発明は、請求項15に記載の波長測定手段を
具体的に限定したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施の
形態に係る波長分散測定装置について、図面を参照しな
がら説明する。
【0026】〔第1の実施の形態〕本発明を適用した第
1の実施の形態に係る波長分散測定装置は、光パルスを
被測定光ファイバに出射し、戻ってきた光パルスの遅延
量を複数種類の波長について求め、それに基づいて波長
分散を測定するようにしたものである。
【0027】図1は、第1の実施の形態に係る波長分散
測定装置の構成を示す図である。この実施の形態では、
波長分散測定装置10を用いて、敷設済の光ファイバ2
〜4に関する波長分散を測定する場合について説明す
る。光ファイバ2の一端は溶着接続部(図示せず)を介
して波長分散測定装置10の入出力端18に接続され、
他端はコネクタ接続部5を介して光ファイバ3の一端に
接続されている。光ファイバ3の他端はコネクタ接続部
6を介して光ファイバ4の一端に接続されている。光フ
ァイバ4の他端はファイバ先端部7を形成している。
【0028】波長分散測定装置10は、タイミング制御
部111、波長可変光源12、光パルス発生回路13、
光方向性結合器14、光−電気(O/E)変換器15、
ディレイ比較器16、解析装置171を含んで構成され
る。
【0029】波長可変光源12は、光通信用として使用
される基本波長1.31μm,1.55μm,1.65
μmから前後にずれた複数の波長の光を連続的に可変し
て生成することができるレーザ光源である。例えば、波
長可変光源12は、1520nm〜1580nmの間で
波長を1nmや0.1nm単位で変化させた光や、13
00nm〜1600nmの間で30nm単位で変化させ
た光などを自由に出力することができる。なお、波長可
変光源12から出力される波長の値は、タイミング制御
部111から出力される波長設定信号によって設定され
る。
【0030】光パルス発生回路13は、可変波長光源1
2から出射される光が入射され、その入射光の1次回折
光を、タイミング制御部111から出力されるタイミン
グ信号に応じたタイミングで、光方向性結合器14に出
射する。光パルス発生回路13は、図示していない音響
光学変調器(AOM)、発振器、スイッチ回路等を含ん
で構成される。音響光学変調器は、入射光の1次回折光
を発振器から出力される駆動信号の周波数に応じた回折
角で出射する。発振器は、所定の超音波周波数の駆動信
号を出力する。スイッチ回路はタイミング制御部111
から出力されるタイミング信号に応じたタイミングで発
振器から出力される所定周波数の駆動信号を音響光学変
調器に印加する。これによって、光パルス発生回路13
は、タイミング信号の入力タイミングに同期した光パル
スを光方向性結合器14及び入出力端18を介して光フ
ァイバ2〜4に出射する。なお、波長可変光源12から
出射される種々の波長の光が音響光学変調器に入射され
るようになるので、光パルス発生回路13は、この音響
光学変調器の回折効率が最適な値となるように駆動信号
の超音波周波数及び電圧値を制御している。このように
波長に応じて駆動信号の超音波周波数及び電圧値を制御
するような光パルス発生回路については、本発明の発明
者が別途出願しているので、ここではその説明は省略す
る。
【0031】タイミング制御部111は、光パルスの出
力タイミングに対応したタイミング信号を光パルス発生
回路13及びディレイ比較器16に、光パルスの波長に
関する波長設定信号を波長可変光源12に、波長分散の
解析開始信号を解析装置171にそれぞれ出力する。こ
のタイミング信号はパルス状の信号である。光パルス発
生回路13はこのタイミング信号がハイレベルの状態に
あるときに光パルスを出力するので、このタイミング信
号のハイレベルの状態を制御することによって、光パル
スの幅を制御することができる。波長設定信号は、前述
のように波長可変光源12から出射される光の波長を1
520nm〜1580nmの間で1nm単位で変化させ
る場合には、その設定内容は、1520nm,1521
nm,1522nm,・・・のようなものとなり、13
00nm〜1600nmの間で30nm単位で変化させ
る場合には、その設定内容は、1300nm,1330
nm,1360nm,・・・のようなものとなる。解析
開始信号は、このような一連の波長設定信号による遅延
量の測定が終了した時点で出力されるものである。
【0032】光方向性結合器14は、光パルス発生回路
13から出射された光パルスが入射され、それを入出力
端18を介して、測定対象である光ファイバ2〜4に向
けて出射すると共に光ファイバ2〜4間のコネクタ接続
部5及び6やファイバ先端部7で反射及び散乱した反射
光及び後方散乱光を光−電気変換器15に出射するもの
である。光−電気変換器15は、光方向性結合器14か
ら出射される反射光及び後方散乱光が入射され、それを
電気信号に変換して、ディレイ比較器16に出力する。
ディレイ比較器16は、タイミング制御部111から光
パルス発生回路13に出力されるタイミング信号と、光
−電気変換器15から出力されるパルス信号とを比較
し、その遅延量を解析装置171に出力する。光−電気
変換器15から出力されるパルス信号は、各コネクタ接
続部5及び6やファイバ先端部7で反射及び散乱した反
射光及び後方散乱光に対応するものなので、タイミング
制御部111からタイミング信号が出力されてからパル
ス信号が入力されるまでのディレイタイムを測定するこ
とによって、光パルスが入出力端18から出射してから
各コネクタ接続部5及び6やファイバ先端部7で反射及
び散乱した反射光及び後方散乱光が入出力端18に戻っ
てくるまでの時間を測定することになる。この時間は、
波長の値によって異なるので、この時間を各波長毎に測
定し、それを波長で微分することによって、波長分散を
測定することができる。
【0033】従って、解析装置171は、ディレイ比較
器16から出力されるディレイタイムを順次記憶してお
き、タイミング制御部111から出力される解析開始信
号に応じて蓄積されたディレイタイムを微分処理して、
コネクタ接続部5及び6、ファイバ先端部7の存在する
地点における波長分散、並びに光ファイバ2〜4に対応
する区間の波長分散をそれぞれ算出する。なお、どのよ
うにして各光ファイバ2〜4に対応する区間の波長分散
を算出するのかについては後述する。
【0034】上述したタイミング制御部111、波長可
変光源12及び光パルス発生回路13が光パルス生成手
段に、光方向性結合器14及び光−電気変換器15が光
検出手段に、ディレイ比較器16が遅延量測定手段に、
解析装置171が解析手段にそれぞれ対応する。波長可
変光源12がレーザ光源に、光パルス発生回路13が光
パルス発生部に、タイミング制御部111がタイミング
制御部に、光−電気変換器15が光−電気変換器にそれ
ぞれ対応する。
【0035】次に、第1の実施の形態に係る波長分散測
定装置10の動作について図面を用いて説明する。図2
は、図1の波長分散測定装置10によってコネクタ接続
部5及び6、ファイバ先端部7の存在する地点における
波長分散、並びに光ファイバ2〜4の波長分散がどのよ
うにして測定されるのかを示す波形図であり、横軸に時
間を示す。まず、タイミング制御部111は、波長可変
光源12に対して波長λ0の波長設定信号を出力する。
これによって、波長可変光源12は波長λ0の光を光パ
ルス発生回路13に出射する。次に、タイミング制御部
111は、図2(a)に示すようなタイミング信号(プ
ローブパルス)をタイミングt0で光パルス発生回路1
3及びディレイ比較器16に出力する。光パルス発生回
路13は、このタイミング信号の入力に同期したタイミ
ングt0で波長λ0の光パルスを光方向性結合器14及
び入出力端18を介して光ファイバ2〜4に出射する。
光ファイバ2〜4に入射された光パルスは、コネクタ接
続部5及び6並びにファイバ先端部7でそれぞれ反射及
び散乱し、光ファイバ2〜4をそれぞれ経由して入出力
端18に戻ってくる。入出力端18に戻ってきた光パル
スの反射光及び後方散乱光は光方向性結合器14を介し
て光−電気変換器15に入射され、そこで電気的なパル
ス信号に変換される。
【0036】図2(b)は、コネクタ接続部5及び6並
びにファイバ先端部7で反射及び散乱した波長λ0の光
パルスの戻り光が光−電気変換器15によって変換され
た場合における信号波形の一例を示す図である。図2
(b)において、信号波形a0はコネクタ接続部5、信
号波形b0はコネクタ接続部6、信号波形c0はファイ
バ先端部7でそれぞれ反射及び散乱した光パルスの戻り
光に対応するものである。なお、図1において、コネク
タ接続部5にはaの文字を、コネクタ接続部6にはbの
文字を、ファイバ先端部7にはcの文字を付して、それ
ぞれの波形との対応を示している。従って、ディレイ比
較器16は、光−電気変換器15によって変換された各
信号波形a0,b0,c0の立ち上がりタイミングと、
タイミング制御部111から出力されるタイミング信号
の立ち上がりタイミングt0とを比較し、そのディレイ
タイム(遅延量)d0a,d0b,d0cを測定し、そ
れを解析装置171に出力する。以下同様にして、タイ
ミング制御部111は、波長可変光源12に対して波長
λ1〜λnの波長設定信号を順次出力する。これによっ
て、ディレイ比較器16は、波長λ1〜λnの光パルス
に対するディレイタイムd1a〜dna,d1b〜dn
b,d1c〜dncを順次測定して解析装置171に出
力する。
【0037】以上の一連の処理を行うことによって、解
析装置171には波長λ0〜λnの光パルスが入出力端
18を出射してからコネクタ接続部5及び6、ファイバ
先端部7で反射及び散乱して再び入出力端18に戻って
来るまでのディレイタイムが集計される。ディレイタイ
ムd0a〜dnaは、入出力端18から出射された光パ
ルスが光ファイバ2だけを伝搬することによって生じた
ものであるのに対して、ディレイタイムd0b〜dnb
は光ファイバ2及び3を、ディレイタイムd0c〜dn
cは光ファイバ2〜4をそれぞれ伝搬することによって
生じたものである。従って、解析装置171は、光ファ
イバ3又は4だけを伝搬することによって生じるディレ
イタイムを次のような演算処理にて求める。光ファイバ
3だけを伝搬することによって生じるディレイタイムd
0ab〜dnabは、信号波形b0〜bnのディレイタ
イムd0b〜dnbから信号波形a0〜anのディレイ
タイムd0a〜dnaを各波長毎に減算することによっ
て得られる。同様に、光ファイバ4だけを伝搬すること
によって生じるディレイタイムd0bc〜dnbcも、
信号波形c0〜cnのディレイタイムd0c〜dncか
ら信号波形b0〜bnのディレイタイムd0b〜dnb
を各波長毎に減算することによって得られる。
【0038】このようにして得られたディレイタイム
は、波長をパラメータとした関数波形として表示するこ
とができる。従って、解析装置171はこのディレイタ
イムの変化を示す関数波形をさらにその波長自身で微分
することによって、各地点(コネクタ接続点5及び6、
ファイバ先端部7)における波長分散、並びに各光ファ
イバ3〜4の個別の波長分散分布を測定することができ
るようになる。すなわち、解析装置171は、ディレイ
タイムd0a〜dnaの変化を示す関数波形を波長で微
分することによって接続点5における波長分散を、ディ
レイタイムd0b〜dnbの変化を示す関数波形を波長
で微分することによって接続点6における波長分散を、
ディレイタイムd0c〜dncの変化を示す関数波形を
波長で微分することによってファイバ先端部7における
波長分散を測定することができる。また、解析装置17
1は、ディレイタイムd0a〜dna,d0ab〜dn
ab,d0bc〜dnbcのそれぞれの変化を波長で微
分することによって、光ファイバ2〜4のそれぞれの長
手方向における波長分散分布を測定することができる。
【0039】なお、第1の実施の形態では、光ファイバ
2〜4によって構成される光通信経路について説明した
が、これ以外の光通信経路のものについても同様に適用
できることはいうまでもない。また、解析装置171
は、各光ファイバに対応するディレイタイムを求めてか
ら波長分散を測定する場合について説明したが、各地点
の波長分散を先に求めて、それに基づいて各光ファイバ
の波長分散を求めるようにしてもよい。
【0040】〔第2の実施の形態〕本発明を適用した第
2の実施の形態に係る波長分散測定装置は、正弦波で強
度変調された光パルスを被測定光ファイバに出射し、戻
ってきた光パルスの位相を比較することによって複数種
類の波長に関する遅延量を求め、それに基づいて波長分
散を測定するようにしたものである。
【0041】図3は、第2の実施の形態に係る波長分散
測定装置の構成を示す図である。この実施の形態では、
波長分散測定装置20を用いて、敷設済の光ファイバ2
〜4に関する波長分散を測定する場合について説明す
る。波長分散測定装置20は、タイミング制御部11
2、波長可変光源12、光パルス発生回路13、正弦波
発振器21、正弦波変調器22、光方向性結合器14、
光−電気(O/E)変換器15、位相比較器23、解析
装置172を含んで構成される。図3において図1と同
じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説
明は省略する。
【0042】タイミング制御部112は、光パルスの出
力タイミングに対応したタイミング信号(プローブパル
ス)を光パルス発生回路13及び正弦波発振器21に、
光パルスの波長に関する波長設定信号を波長可変光源1
2に、波長分散の解析開始信号を解析装置172にそれ
ぞれ出力する。正弦波発振器21は、所定周波数の正弦
波信号をタイミング信号の入力に同期して正弦波変調器
22及び位相比較器23に出力する。なお、正弦波発振
器21は、所定の波長に対する位相比較が行われている
間は正弦波信号を位相比較器23に出力し続ける。正弦
波変調器22は、正弦波発振器21から出力される正弦
波信号に基づいて光パルス発生回路13から出力される
光パルスの強度を変調し、その強度変調された光パルス
を光方向性結合器14及び入出力端18を介して光ファ
イバ2〜4に出射する。位相比較器23は、正弦波発振
器21から出力される正弦波信号と、各コネクタ接続部
5及び6やファイバ先端部7で反射及び散乱した反射光
及び後方散乱光に対応する強度変調信号波形との位相を
比較し、その位相差信号を解析装置172に出力する。
解析装置172は、タイミング制御部112から出力さ
れる解析開始信号に応じて、位相比較器23から出力さ
れた位相差信号に基づいて、コネクタ接続部5及び6、
ファイバ先端部7の存在する地点における波長分散、並
びに光ファイバ2〜4に対応する区間の波長分散をそれ
ぞれ算出する。
【0043】上述したタイミング制御部112、波長可
変光源12、光パルス発生回路13、正弦波発振器21
及び正弦波変調器22が光パルス生成手段に、光方向性
結合器14及び光−電気変換器15が光検出手段に、位
相比較器23及び解析装置172が遅延量測定手段に、
解析装置172が解析手段にそれぞれ対応する。波長可
変光源12がレーザ光源に、正弦波変調器22が変調器
に、正弦波発振器21が発振器にそれぞれ対応する。
【0044】次に、第2の実施の形態に係る波長分散測
定装置20の動作について図面を用いて説明する。図4
は、図3の波長分散測定装置20によって、コネクタ接
続部5及び6、ファイバ先端部7の存在する地点におけ
る波長分散、並びに光ファイバ2〜4の波長分散がどの
ようにして測定されるのかを示す波形図であり、横軸に
時間を示す。まず、タイミング制御部112は、波長可
変光源12に対して波長λ0の波長設定信号を出力す
る。これによって、波長可変光源12は波長λ0の光を
光パルス発生回路13に出射する。次に、タイミング制
御部112は、図4(a)に示すようなタイミング信号
(プローブパルス)をタイミングt0で光パルス発生回
路13及び正弦波発振器21に出力する。光パルス発生
回路13は、このタイミング信号の入力に同期したタイ
ミングt0で波長λ0の光パルスを正弦波変調器22に
出射する。これと同じタイミングt0で正弦波発振器2
1は図4(c)のような正弦波信号を正弦波変調器22
及び位相比較器23に出力する。正弦波変調器22は、
正弦波発振器21から出力された正弦波信号に応じて光
パルス発生回路13から入射された光パルスの強度を変
調し、図4(b)のような強度変調光パルスを光方向性
結合器14及び入出力端18を介して光ファイバ2〜4
に出射する。光ファイバ2〜4に入射した強度変調光パ
ルスは、コネクタ接続部5及び6並びにファイバ先端部
7でそれぞれ反射及び散乱して光ファイバ2〜4をそれ
ぞれ経由して入出力端18に戻ってくる。入出力端18
に戻ってきた強度変調光パルスは光方向性結合器14を
介して光−電気変換器15に入射され、そこで電気的な
信号に変換される。光−電気変換器15によって変換さ
れた電気的な信号は図4(d)〜(f)に示すように強
度変調光パルスに対応したものである。
【0045】図4(d)は、コネクタ接続部5及び6並
びにファイバ先端部7で反射した波長λ0の強度変調光
パルスの戻り光が光−電気変換器15によって変換され
た信号波形を示す図である。信号波形g0はコネクタ接
続部5で、信号波形h0はコネクタ接続部6で、信号波
形i0はファイバ先端部7で、それぞれ反射した強度変
調光パルスの戻り光に対応する。なお、図3において、
コネクタ接続部5にはgの文字を、コネクタ接続部6に
はhの文字を、ファイバ先端部7にはiの文字を付し
て、それぞれの波形との対応を示している。従って、位
相比較器23は、光−電気変換器15から出力される各
信号波形g0,h0,i0と、正弦波発振器21から出
力される正弦波信号との位相を比較し、得られた位相差
信号p0g,p0h,p0iを解析装置172に出力す
る。以下同様にして、タイミング制御部112は、波長
可変光源12に対して波長λ1〜λnの波長設定信号を
順次出力する。これによって、位相比較器23は、波長
λ1〜λnの場合における位相差信号p1g〜png,
p1h〜pnh,p1i〜pniを測定して解析装置1
72に順次出力する。
【0046】以上の一連の処理を行うことによって、解
析装置172には波長λ0〜λnの強度変調光パルスが
入出力端18を出射してからコネクタ接続部5及び6、
ファイバ先端部7で反射及び散乱して再び入出力端18
に戻って来るまでのディレイタイムに相当する位相差信
号p0g〜png,p0h〜pnh,p0i〜pniが
集計される。この位相差信号p0g〜png,p0h〜
pnh,p0i〜pniは、正弦波発振器21から出力
される正弦波信号に対する相対的な位相を示すものなの
で、解析装置172は、例えば波長λ0の強度変調光パ
ルスが光ファイバ2〜4に対して出射された場合に位相
比較器23から出力される位相差信号p0g,p0h,
p0iを基準として、各波長λ1〜λnの強度変調光パ
ルスが光ファイバ2〜4に対して出射された場合に位相
比較器23から出力される位相差信号p1g〜png,
p1h〜pnh,p1i〜pniがどれだけ遅れている
のか、又は進んでいるのかを示すディレイタイムを求め
る。すなわち、波長λ1〜λnの強度変調光パルスに対
応する位相差信号p1g〜png,p1h〜pnh,p
1i〜pniから波長λ0の強度変調光パルスに対応す
る位相差信号p0g,p0h,p0iを減算し、その減
算値と正弦波発振器21から出力される周波数に基づい
てディレイタイムの変動値を求める。
【0047】このようにして求められるディレイタイム
の変動値は、前述の第1の実施の形態の場合と同様に、
入出力端18から出射された各波長λ0〜λnの強度変
調された光パルスが光ファイバ2だけ、光ファイバ2及
び3、光ファイバ2〜4をそれぞれ伝搬することによっ
て生じた波長分散に相当するものとなる。そこで、解析
装置172は、第1の実施の形態に係る解析装置171
と同様にして光ファイバ3又は4だけを伝搬することに
よって生じるディレイタイムの変化を演算処理にて求
め、それを波長で微分することによって各光ファイバ3
〜4の個別の波長分散分布を求めることができる。
【0048】図5は、第2の実施の形態に係る波長分散
測定装置の変形例の構成を示す図である。この変形例に
係る波長分散測定装置30は、解析装置172内に同期
加算部172aを有し、前述のような位相比較処理を複
数回実行して位相比較器23から出力される位相差信号
の同期加算を同期加算部172aで算出するようにした
ものである。これによって、正確なディレイタイムの測
定を行うことができる。上述した同期加算部172aが
同期加算手段に対応する。
【0049】なお、正弦波発振器21から位相比較器2
3に出力される正弦波信号の位相(位相比較の基準とな
る正弦波信号の位相)を前後にずらして、位相測定のタ
イミングを可変することによって、光ファイバ3又は4
だけを伝搬することによって生じる波長分散を容易に測
定することができる。すなわち、波長λ0〜λ1の強度
変調光パルスに対応する位相差信号p0g〜pngの値
がゼロになるように、正弦波発振器21から出力される
正弦波信号の位相を前後にずらして、その位相のずれた
正弦波信号と、波長λ0〜λnの強度変調光パルスがコ
ネクタ接続部6で反射して戻って来た信号波形h0〜h
nとの位相を比較することによって、光ファイバ3だけ
を伝搬することによって生じるディレイタイムの変動値
を測定することができる。同様にして、波長λ0〜λ1
の強度変調光パルスに対応する位相差信号p0h〜pn
hの値がゼロになるように、正弦波発振器21から出力
される正弦波信号の位相を前後にずらして、その位相の
ずれた正弦波信号と、波長λ0〜λnの強度変調光パル
スがファイバ先端部7で反射して戻って来た信号波形i
0〜inとの位相を比較することによって、光ファイバ
4だけを伝搬することによって生じるディレイタイムの
変動値を測定することができる。このようして得られた
ディレイタイムの変動値を波長で微分することによっ
て、光ファイバ3又は4だけによって生じる波長分散を
測定することができる。
【0050】〔第3の実施の形態〕本発明を適用した第
3の実施の形態に係る波長分散測定装置は、所定の周波
数で変調されたコヒーレント光パルスを被測定光ファイ
バに出射し、戻ってきたコヒーレント光パルスの位相を
ヘテロダイン方式で比較することによって複数種類の波
長に関する遅延量を求め、それに基づいて波長分散を測
定するようにしたものである。
【0051】図6は、第3の実施の形態に係る波長分散
測定装置の構成を示す図である。この実施の形態では、
波長分散測定装置40を用いて、敷設済の光ファイバ2
〜4に関する波長分散を測定する場合について説明す
る。波長分散測定装置40は、タイミング制御部11
3、波長可変光源12、光方向性結合器31、光周波数
シフタ32、光パルス発生回路13、正弦波発振器3
3、光方向性結合器14、ヘテロダイン光レシーバ3
4、位相比較器23、解析装置173を含んで構成され
る。図6において図3と同じ構成のものには同一の符号
が付してあるので、その説明は省略する。
【0052】タイミング制御部113は、正弦波発振器
33から出力される正弦波信号に同期して、光パルスの
タイミング信号(プローブパルス)を光パルス発生回路
13に出力する。また、タイミング制御部113は、光
パルスの波長に関する波長設定信号を波長可変光源12
に、波長分散の解析開始信号を解析装置173にそれぞ
れ出力する。光方向性結合器31は、波長可変光源12
から出力される各波長の光の一部をヘテロダイン光レシ
ーバ34に導く。正弦波発振器33は、所定周波数fL
0(例えば、100MHz〜150MHz)の正弦波信
号を光周波数シフタ32、タイミング制御部113及び
位相比較器23に出力する。なお、正弦波発振器33
は、所定の波長λ0〜λnに対する位相比較が行われて
いる間は正弦波信号を位相比較器23に出力し続ける。
光周波数シフタ32は、音響光学変調器(AOM)など
から構成され、正弦波発振器33から出力される周波数
fL0の正弦波信号に基づいて、光パルス発生回路13
から出力される光パルスの周波数をシフトし、シフトさ
れた光パルスを光方向性結合器14及び入出力端18を
介して光ファイバ2〜4に出射する。ヘテロダイン光レ
シーバ34は、光方向性結合器31から取り込まれた周
波数シフト前の波長λ0〜λnの光(周波数f0〜fn
の光)と、光方向性結合器14から取り込まれた各コネ
クタ接続部5及び6やファイバ先端部7で反射及び散乱
した反射光及び後方散乱光の戻り光、すなわち周波数シ
フトされた波長λ0〜λnの光(周波数f0+fL0〜
fn+fL0の光)とが入射され、両者の周波数差に相
当するビート信号を位相比較器23に出力する。ヘテロ
ダイン光レシーバ34から出力されるビート信号は正弦
波発振器33から出力される周波数fL0と同じ周波数
の信号である。しかしながら、ヘテロダイン光レシーバ
34から出力されるビート信号は、周波数シフトされた
光パルスが入出力端18から出射されて、各コネクタ接
続部5及び6やファイバ先端部7で反射及び散乱した結
果、反射光及び後方散乱光として再び入出力端18に戻
って来た戻り光に基づいて生成されたものなので、正弦
波発振器33から出力される周波数fL0の正弦波信号
に対して通過経路に応じただけの位相差を有する。位相
比較器23は、正弦波発振器33から出力される正弦波
信号と、ヘテロダイン光レシーバ34から出力されるビ
ート信号の位相を比較し、その位相差信号を解析装置1
73に順次出力する。
【0053】解析装置173は、タイミング制御部11
3から出力される解析開始信号に応じて、位相比較器2
3から出力された位相差信号に基づいて、コネクタ接続
部5及び6、ファイバ先端部7の存在する地点における
波長分散、並びに光ファイバ2〜4に対応する区間の波
長分散を前述の第2の実施の形態と同様にして算出す
る。
【0054】上述したタイミング制御部113、波長可
変光源12、光パルス発生回路13、光周波数シフタ3
2及び正弦波発振器33が光パルス生成手段に、光方向
性結合器14,31及びヘテロダイン光レシーバ34が
光検出手段に、位相比較器23及び解析装置173が遅
延量測定手段に、解析装置173が解析手段にそれぞれ
対応する。可変波長光源12がレーザ光源に、光周波数
シフタ32が周波数シフタに、正弦波発振器33が発振
器に、ヘテロダイン光レシーバ34がヘテロダイン検波
器に、それぞれ対応する。
【0055】次に、第3の実施の形態に係る波長分散測
定装置40の動作について図面を用いて説明する。ま
ず、タイミング制御部113は、波長可変光源12に対
して波長λ0(周波数f0)の波長設定信号を出力す
る。これによって、波長可変光源12は波長λ0の光を
光方向性結合器31を介して光周波数シフタ32に出射
する。光周波数シフタ32は、波長λ0の光の周波数を
正弦波発振器33から出力される周波数fL0の周波数
でシフトし、シフトされた周波数λ0(周波数f0+f
L0)光を光パルス発生回路13に出射する。なお、光
周波数シフタ32によって周波数がシフトしたことによ
って実際には波長λ0は微妙に変化するが、周波数fL
0が周波数f0に比べて非常に小さいのでその変化は無
視できる値である。次に、タイミング制御部113は、
正弦波発振器33から出力される正弦波信号の位相0に
同期してタイミング信号(プローブパルス)を光パルス
発生回路13に出力する。光パルス発生回路13は、こ
のタイミング信号の入力に同期して、光周波数シフタ3
2から出力される波長λ0(周波数f0+fL0)の光
パルスを光方向性結合器14及び入出力端18を介して
光ファイバ2〜4に出射する。光ファイバ2〜4に入射
した周波数シフトされた光パルスは、コネクタ接続部5
及び6並びにファイバ先端部7でそれぞれ反射及び散乱
して光ファイバ2〜4をそれぞれ経由して入出力端18
に戻ってくる。入出力端18及び光方向性結合器14を
介して戻ってきた光パルスと、光方向性結合器31から
導かれた波長λ0(周波数f0)の光とが入射されたヘ
テロダイン光レシーバ34は、周波数fL0のビート信
号を位相比較器23に出力する。位相比較器23は、周
波数fL0のビート信号と、正弦波発振器33から出力
される正弦波信号との位相を比較し、その位相差信号を
解析装置173に出力する。以下同様にして、タイミン
グ制御部113は、波長可変光源12に対して波長λ1
〜λnの波長設定信号を順次出力する。これによって、
位相比較器23は、波長λ1〜λnの場合における位相
差信号を測定して解析装置173に順次出力する。
【0056】以上の一連の処理を行うことによって、解
析装置173には周波数fL0で周波数変調された波長
λ0〜λnの光パルスがコネクタ接続部5及び6、ファ
イバ先端部7で反射して戻って来た場合の各ディレイタ
イムに相当する位相差信号が集計される。この位相差信
号は、前述の第2の実施の形態の場合と同様に、正弦波
発振器33から出力される正弦波信号に対する相対的な
位相を示すものなので、解析装置173は、例えば波長
λ0の周波数シフトされた光パルスが光ファイバ2〜4
に対して出射された場合に位相比較器23から出力され
る位相差信号を基準として、各波長λ1〜λnの周波数
シフトされた光パルスが光ファイバ2〜4に対して出射
された場合に位相比較器23から出力される位相差信号
がどれだけ遅れているのか、又は進んでいるのかを示す
ディレイタイムを求める。
【0057】解析装置173は、例えば波長λ0の周波
数変調された光パルスが光ファイバ2〜4に対して出射
された場合に位相比較器23から出力される位相差信号
を基準として、各波長λ1〜λnの周波数変調された光
パルスが光ファイバ2〜4に対して出射された場合に位
相比較器23から出力される位相差信号がどれだけ遅延
しているのかを示すディレイタイムを求める。すなわ
ち、波長λ1〜λnの周波数シフトされた光パルスに対
応する位相差信号から波長λ0の周波数シフトされた光
パルスに対応する位相差信号を減算し、その減算値と正
弦波発振器33から出力される正弦波信号の周波数fL
0に基づいてディレイタイムの変動値を求める。そし
て、求められたディレイタイムの変動値に基づいて、前
述の第2の実施の形態の場合と同様に、光ファイバ3又
は4だけを伝搬することによって生じるディレイタイム
の変化を演算処理にて求め、それを波長で微分すること
によって各光ファイバ3、4の個別の波長分散分布を求
める。
【0058】なお、この実施の形態では、タイミング制
御部113が、正弦波発振器33から出力される正弦波
信号に同期して光パルスの出力タイミングを制御する場
合について説明したが、必ずしも同期をとる必要はな
い。なぜなら、位相差比較器23によって検出される位
相差信号は、基準となる波長λ0の光パルスに対して相
対的にディレイタイムがどの程度変化しているかを示す
ものに過ぎないからである。なお、第2の実施の形態の
場合と同様に、正弦波発振器33から出力される正弦波
信号の位相を前後にずらして、その位相比較の測定タイ
ミングを可変することによって、光ファイバ3又は4だ
けを伝搬することによって生じる波長分散を容易に測定
することができることはいうまでもない。
【0059】図7は、第3の実施の形態に係る波長分散
測定装置の第1の変形例の構成を示す図である。この第
1の変形例では、包絡線検波器35を新たに設け、ヘテ
ロダイン光レシーバ34から出力されるビート信号の包
絡線を検出し、通常のOTDR(optical time domain
reflectometry )測定装置と同様に後方散乱光の強度も
同時に測定可能な構成になっている。従って、解析装置
174は、包絡線検波器35から出力される波形信号を
対数変換して、各光ファイバ2〜4の損失及び破断点の
位置などの認識が可能な波形を表示する。なお、OTD
R測定装置の動作については公知なのでその詳細な説明
は省略する。このように波長分散測定装置による波長分
散の測定過程でOTDR測定装置によって光ファイバの
損失等を測定することによって、コネクタ接続点5及び
6、ファイバ先端部7などのような、測定された波長分
散の正確な位置を把握することができるようになる。上
述した包絡線検波器35が強度測定手段に対応する。
【0060】図8は、第3の実施の形態に係る波長分散
測定装置の第2の変形例の構成を示す図である。この第
2の変形例に係る波長分散測定装置60は、光ファイバ
が光アンプでつながった光ファイバアンプ通信システム
に対して、その波長分散を測定するように構成されたも
のである。図8において図7と同じ構成のものには同一
の符号が付してあるので、その説明は省略する。図8の
第2の変形例が図7のものと異なる点は、被測定光ファ
イバとして、ループバック方式採用の光ファイバアンプ
中継伝送路で構成された光ファイバアンプ通信システム
の波長分散を測定するようにした点である。光ファイバ
アンプ通信システムは、複数の光ファイバ2a,2b
と、各中継点に設けられた複数の光アンプ8a,8b
と、ループバックパス9とによって構成されている。な
お、図ではループバックパス9だけを示したが、実際は
複数のループバックパスが設けられている。さらに、こ
の第2の変形例では、波長可変光源36、光パルス発生
回路37、光方向性結合器38、エルビウム添加光ファ
イバ増幅器(Erbium-Doped Fiber Amplifier:EDF
A)39及びバンドパスフィルタ3aが新たに設けられ
ている。
【0061】波長可変光源36及び光パルス発生回路3
7は、海底ケーブルなどを測定する場合に、波長可変光
源12から出力される波長λ0〜λnの光パルスを送出
していないときでも、この光パルスと光強度がほぼ等し
く、しかも互いに識別可能な波長λqの非コヒーレント
な光パルス(ローディング光)を出射するものである。
これは、光ファイバアンプ通信システム内の光アンプ8
a,8bによって自動的にゲイン調整が行われるように
なるので、波長分散測定装置60から出射される光の強
度を一定に保つためである。光方向性結合器38は、光
パルス発生回路37から出射されるローディング用の光
パルスをEDFA39を介して入出力端181に導入す
るものである。なお、タイミング制御部114は、光パ
ルス発生回路37及び13に出力するタイミング信号を
適宜調整することによって、常に一定強度の光が光ファ
イバアンプ通信システムに供給されるように制御する。
バンドパスフィルタ3aは、検出したい周波数成分以外
のノイズを除去するものである。光ファイバアンプ通信
システムのように光アンプを用いたものは、戻り光に含
まれるノイズ成分が増加する傾向にあるので、バンドパ
スフィルタ3aはこれらのノイズ成分を有効に除去する
ために設けられている。
【0062】上述したタイミング制御部114、波長可
変光源12、光パルス発生回路13、光周波数シフタ3
2及び正弦波発振器33が光パルス生成手段に、光方向
性結合器14、光方向性結合器31及びヘテロダイン光
レシーバ34が光検出手段に、位相比較器23及び解析
装置175が遅延量測定手段に、解析装置175が解析
手段に、包絡線検波器35が強度測定手段に、光ファイ
バ2a,2b、ループバックパス9及び光アンプ8a,
8bから構成される光ファイバアンプ通信システムが光
ファイバアンプ中継線路に、ヘテロダイン光レシーバ3
4がヘテロダイン検波器に、バンドパスフィルタ3aが
帯域通過フィルタに、それぞれ対応する。
【0063】図9は、第3の実施の形態に係る波長分散
測定装置の第3の変形例の構成を示す図である。この第
3の変形例に係る波長分散測定装置70は、A/D変換
器(アナログ−デジタル変換器)3bが正弦波発振器3
3から出力される正弦波信号を、A/D変換器3cがヘ
テロダイン光レシーバ34から出力されるビート信号
を、それぞれアナログ−デジタル変換して解析装置17
6に出力するように構成されたものである。図9におい
て図7と同じ構成のものには同一の符号が付してあるの
で、その説明は省略する。図9において、タイミング制
御部115は、A/D変換器3b及び3cに共通のサン
プリング信号を出力する。A/D変換器3b及び3c
は、このサンプリング信号に同期して、正弦波発振器3
3から出力される正弦波信号及びヘテロダイン光レシー
バ34から出力されるビート信号(アナログ信号)をサ
ンプリングしてデジタルデータに変換し、解析装置17
6に出力する。解析装置176は、A/D変換器3b及
び3cから出力されるデータを保持して所定の演算を行
い、両者の位相差を検出し、この位相差に基づいて波長
分散を算出する。
【0064】なお、図3、図5〜図8の位相比較器23
をこのA/D変換器3b及び3cで置き換えて構成して
もよい。このように位相比較器をA/D変換器で置き換
えることによって、位相比較処理を容易に行うことがで
きるようになる。
【0065】図10は、第3の実施の形態に係る波長分
散測定装置の第4の変形例の構成を示す図である。この
第4の変形例に係る波長分散測定装置は、被測定光ファ
イバに出射される光パルスの周波数(波長)を周波数検
出手段で検出し、検出された周波数(波長)に関する遅
延量として波長分散を測定するようにしたものである。
図10において図7と同じ構成のものには同一の符号が
付してあるので、その説明は省略する。図10のものが
図7のものと異なる点は、基準光を出力する波長可変光
源41、光方向性結合器42及び43、ヘテロダイン光
レシーバ44及び周波数測定器45が新たに設けられて
いる点である。図10において、波長可変光源41は、
光通信に使用される波長帯の光を安定的に出射するもの
であり、波長可変光源12のように細かなレンジで波長
を可変できるものではないが、波長可変光源12から出
力される光に近い値の波長を段階的に正確に出力できる
ように構成されている。タイミング制御部116は、光
パルスの出力タイミングに対応したタイミング信号を光
パルス発生回路13に出力すると共に出射される光パル
スの波長に関する波長設定信号を波長可変光源12及び
41に出力する。波長可変光源41は、タイミング制御
部116から出力される波長設定信号に最も近い値の波
長をヘテロダイン光レシーバ44に出射する。例えば、
波長可変光源12が、1520nm〜1580nmの間
で1nmや0.1nm単位で変化させた波長の光を出射
することができるのに対して、波長可変光源41は15
20nm〜1580nmの間で10nm単位で変化させ
た波長を正確に出力することができる。光方向性結合器
31は、波長可変光源12から出射される光パルスをヘ
テロダイン光レシーバ34に分波する。光方向性結合器
42は、光方向性結合器31によって分波された光をさ
らに分波する。光方向性結合器43は、光方向性結合器
42によって分波された光を波長可変光源41から出射
された光に合波して、ヘテロダイン光レシーバ44に導
入する。すなわち、波長可変光源12から出射された光
の一部は、光方向性結合器31、42及び43を介して
ヘテロダイン光レシーバ44に導入される。ヘテロダイ
ン光レシーバ44は、波長可変光源12及び41から出
射される両方の光の合成光によってできるビート信号を
周波数測定器45に出力する。周波数測定器45は、光
スペクトルアナライザで構成され、ヘテロダイン光レシ
ーバ44から出力されるビート信号の周波数(波長)を
測定するものである。周波数測定45で測定されたビー
ト信号の周波数(波長)は解析装置177に出力され
る。すなわち、周波数測定器45で測定された周波数は
波長可変光源12から出射された光パルスの波長が、波
長可変光源41から出射された基準光に対してどれだけ
ずれているかを正確に表したものであり、このビート信
号の周波数に基づいて波長可変光源12から出射された
光の波長を正確に把握することができる。
【0066】上述した波長可変光源41が基準光生成手
段に、光方向性結合器31,42,43、及びヘテロダ
イン光レシーバ44が差信号出力手段に、周波数測定器
45が周波数測定器にそれぞれ対応する。
【0067】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形実
施が可能である。例えば、図10のように波長可変光源
12から出射される光の周波数を波長可変光源41、光
方向性結合器42,43、ヘテロダイン光レシーバ4
4、周波数測定器45を用いて検出するような構成を、
図3、図5〜図9の波長分散測定装置に適用してもよい
ことはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、敷設
後の光ファイバによって形成される光伝送路の特定箇所
又は特定の伝送経路における波長分散を容易に測定する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る波長分散測定装置の構
成を示す図である。
【図2】図1の波長分散測定装置によって波長分散がど
のようにして測定されるのかを示す波形図である。
【図3】第2の実施の形態に係る波長分散測定装置の構
成を示す図である。
【図4】図3の波長分散測定装置によって、波長分散が
どのようにして測定されるのかを示す波形図である。
【図5】第2の実施の形態に係る波長分散測定装置の変
形例の構成を示す図である。
【図6】第3の実施の形態に係る波長分散測定装置の構
成を示す図である。
【図7】第3の実施の形態に係る波長分散測定装置の第
1の変形例の構成を示す図である。
【図8】第3の実施の形態に係る波長分散測定装置の第
2の変形例の構成を示す図である。
【図9】第3の実施の形態に係る波長分散測定装置の第
3の変形例の構成を示す図である。
【図10】第3の実施の形態に係る波長分散測定装置の
第4の変形例の構成を示す図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70 波長分散
測定装置 111,112,113,114 タイミング制御部 12,36,41 波長可変光源 13,37 光パルス発生回路 14,31,38,42,43 光方向性結合器 15 光−電気変換器 16 ディレイ比較器 171,172,173,174,175,176,1
77 解析装置 172a 同期加算部 21,33 正弦波発振器 22 正弦波変調器 23 位相比較器 32 光周波数シフタ 34,44 ヘテロダイン光レシーバ 35 包絡線検波器 39 エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA) 3a バンドパスフィルタ 3b,3c A/D変換器 2,3,4,2a,2b 光ファイバ 45 周波数測定器 8a,8b 光アンプ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の波長を有する光パルスを被測定光
    ファイバの一方端に入射する光パルス生成手段と、 前記光パルスに対応して前記被測定光ファイバの一方端
    から出射される戻り光を検出する光検出手段と、 前記光検出手段によって検出された前記戻り光の遅延量
    を測定する遅延量測定手段と、 前記遅延量測定手段によって測定された前記戻り光の遅
    延量と、前記光パルス生成手段から前記被測定光ファイ
    バに入射された前記光パルスの波長とに基づいて、前記
    被測定光ファイバの波長分散を求める解析手段と、 を備えることを特徴とする波長分散測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記光パルス生成手段は、前記光パルスの波長を変更可
    能であることを特徴とする波長分散測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記遅延量測定手段は、前記遅延量の測定対象となるア
    ナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジ
    タル変換器を含んでおり、変換後のデジタルデータを用
    いたデジタル演算によって前記遅延量を求めることを特
    徴とする波長分散測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記遅延量測定手段によって複数回測定された遅延量に
    対して同期加算を行う同期加算手段をさらに備えること
    を特徴とする波長分散測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記光検出手段によって検出される前記戻り光の強度を
    測定する強度測定手段をさらに備えることを特徴とする
    波長分散測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記強度測定手段は、包絡線検波器で構成されることを
    特徴とする波長分散測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記光パルス生成手段から出力される前記光パルスは、
    所定の強度を有するパルス光であり、 前記遅延量測定手段は、前記光パルスが前記光パルス生
    成手段から出射されてから前記戻り光が前記光検出手段
    によって検出されるまでの時間を遅延量として測定する
    ことを特徴とする波長分散測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記光パルス生成手段は、所定波長の光を出力するレー
    ザ光源と、前記レーザ光源から出力される光を所定時間
    通過させることにより前記パルス光を出射する光パルス
    発生部と、前記光パルス発生部によって光を通過させる
    前記所定時間を指定するタイミング制御部とを備えるこ
    とを特徴とする波長分散測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかにおいて、 前記光パルス生成手段から出力される前記光パルスは、
    所定波長の光を所定周波数の変調信号を用いて強度変調
    された光であり、 前記光検出手段は、前記戻り光の強度に対応した電気的
    な検出信号を出力する光−電気変換器であり、 前記遅延量測定手段は、前記戻り光に対応する前記検出
    信号と前記変調信号との間の位相差に基づいて前記遅延
    量を測定することを特徴とする波長分散測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記光パルス生成手段は、所定波長の光を出射するレー
    ザ光源と、前記レーザ光源から出射される光に対して前
    記変調信号に基づいて強度変調を行う変調器と、前記変
    調信号を発生して前記変調器に入力する発振器とを備え
    ることを特徴とする波長分散測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれかにおいて、 前記被測定光ファイバに入射される前記光パルスは、前
    記光パルス生成手段から出射される所定波長の光パルス
    が所定周波数の変調信号によって周波数変調されたコヒ
    ーレント光であり、 前記光検出手段は、前記戻り光である前記コヒーレント
    光に対して前記光パルス生成手段から出射された所定波
    長の光パルスを用いてヘテロダイン検波を行うことによ
    り、前記変調信号と同じ周波数の電気的な検出信号を出
    力するヘテロダイン検波器で構成され、 前記遅延量測定手段は、前記ヘテロダイン検波器から出
    力される前記検出信号と前記変調信号との間の位相差に
    基づいて前記遅延量を測定することを特徴とする波長分
    散測定装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記光パルス生成手段は、所定波長の光を出力するレー
    ザ光源と、前記レーザ光源から出力される光に対して前
    記変調信号に基づいて周波数変調を行う周波数シフタ
    と、前記変調信号を発生して前記周波数シフタに入力す
    る発振器とを備えることを特徴とする波長分散測定装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項11または12において、 前記被測定光ファイバは、下り線と上り線とを有するル
    ープバック方式を用いた光ファイバアンプ中継線路で構
    成され、 前記所定周波数の変調信号によって周波数変調すること
    によって生成された前記コヒーレント光を前記光ファイ
    バアンプ中継線路の下り線に入射するとともに、前記光
    ファイバアンプ中継線路の上り線の出射端に現れる前記
    戻り光である前記コヒーレント光を用いて波長分散の測
    定を行うことを特徴とする波長分散測定装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 前記光パルス生成手段は、所定期間のみ前記コヒーレン
    ト光を出力し、前記所定期間以外については前記コヒー
    レント光とほぼ等しい光強度を有する一定波長の非コヒ
    ーレント光を出射しており、 前記ヘテロダイン検波器から出力される前記検出信号に
    対して前記変調信号の周波数近傍の信号のみを通過させ
    る帯域通過フィルタをさらに備えることを特徴とする波
    長分散測定装置。
  15. 【請求項15】 請求項11において、 前記光パルス生成手段から出射される前記光パルスの波
    長を測定する波長測定手段をさらに備えることを特徴と
    する波長分散測定装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記波長測定手段は、 前記光パルスの波長に近い所定の波長を有する基準光を
    出力する基準光生成手段と、 前記基準光生成手段から出力される前記基準光を用いて
    前記光パルス生成手段から出力される前記光パルスに対
    するヘテロダイン検波を行って、前記基準光と前記光パ
    ルスのそれぞれの波長の差分相当の周波数を有する差信
    号を出力する差信号出力手段と、 前記差信号の周波数を測定する周波数測定器と、 を備えることを特徴とする波長分散測定装置。
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