JP2000329645A - 光パルス発生器 - Google Patents

光パルス発生器

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JP2000329645A JP11139321A JP13932199A JP2000329645A JP 2000329645 A JP2000329645 A JP 2000329645A JP 11139321 A JP11139321 A JP 11139321A JP 13932199 A JP13932199 A JP 13932199A JP 2000329645 A JP2000329645 A JP 2000329645A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システムが小さく、発振を開始してから光パ
ルスが出力されるまでに要する時間を短くすることがで
きる光パルス発生器を提供すること。 【解決手段】 光パルス発生器10は、光ファイバ1
1、励起光源12、波長多重光合波器13、光増幅媒体
14、音響光学変調器19、光アイソレータ19、光ス
イッチ18を含んで構成されている。Qスイッチリング
レーザを構成するリング内の音響光学変調器19の損失
量を制御することによって、波形歪みの少ない光パルス
が光スイッチ18から出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光増幅媒体として
の光ファイバを含んで構成されたリングレーザを用いて
光パルスを発生する光パルス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】光パルス発生器を光線路の伝送損失を測
定するOTDR(Optical Time Domain Reflectmetry)
測定装置の光源として用いた場合、光源から出力される
光パルスの性能として、長距離まで測定可能であること
と、距離分解能が高精度であることが要求される。測定
可能距離を拡大するためにはパルス幅の広い高出力の光
パルスが必要であり、また、距離分解能を向上させるた
めには狭いパルス幅の光パルスが必要となる。
【0003】従来から、光増幅媒体としての光ファイバ
を用いて光ループを形成した光ファイバリングレーザに
よって所定の光パルスを発生させる光パルス発生器が知
られている。例えば、特開平6−249750号公報に
はQスイッチリングレーザと光スイッチ等を組み合わせ
た光パルス発生器が開示されている。
【0004】図12は、特開平6−249750号公報
に開示された従来の光パルス発生器の構成を示す図であ
る。図12に示す光パルス発生器900は、光ファイバ
111、励起光源112、光合波器113、光増幅媒体
114、光スイッチ115、光分岐器116および光ア
イソレータ117によって構成されるQスイッチリング
レーザと、光分岐器116によって分岐された光パルス
を整形して光パルス発生器900の出力とする光スイッ
チ118とを含んで構成されている。このQスイッチリ
ングレーザは、光ファイバ111、励起光源112、光
合波器113、光増幅媒体114、光スイッチ115、
光分岐器116および光アイソレータ117をリング状
に接続して光ループを形成し、励起光源112から出射
された光を光合波器113を介して光増幅媒体114に
導く構成を有している。
【0005】光増幅媒体114は、希土類元素が添加さ
れた光ファイバで構成されており、光合波器113の出
力光によって励起される。例えば、希土類元素としてエ
ルビウム(Er)を用いる場合には、励起光源112と
して、1.48μmの波長の光を用いることによって、
光増幅媒体114が励起される。光スイッチ115は、
タイミング発生器131から出力される同期信号に応じ
て動作し、一定時間オンとなって、その他の時間はオフ
となる。その損失は、オンのときは2dBであり、オフ
のときは60dB以上でほぼ完全遮断状態になる。光ス
イッチ115をオフ状態にして光増幅媒体114が励起
光により励起された状態で、光スイッチ115を所定周
期で所定時間オン状態にして正帰還系を構成すると、励
起されたエネルギーが光信号としてループ内を周回す
る。ループを周回する光は、光増幅媒体114内部で正
帰還増幅されるため、1周回する毎に強度が増加し、あ
る時間経過してピークに達した後に、光増幅媒体114
内に蓄積されたエネルギーの減少とともに減衰する。
【0006】図13は、光スイッチ115、118の動
作状態と光パルス波形との関係を示す図である。図13
(a)は光スイッチ115のオンオフタイミングを、図
13(b)は光分岐器116の第2の出力端子Bから出
力される光波形を、図13(c)は光スイッチ118の
オンオフタイミングを、図13(d)は光スイッチ11
8から出力される光パルス波形をそれぞれ示している。
図13(b)に示すように、光分岐器116の第2の出
力端子Bから出力される光パルスにおいて、ピークパワ
ーP0 をもつパルスのパルス幅(T8 −T0 )は、Qス
イッチリングレーザを発振光が一周回する時間TR に相
当する。そのため、リング長を変えることにより、任意
のパルス幅を設定することができる。なお、光スイッチ
115のオンオフ時間間隔は、Qスイッチリングレーザ
のリング長および光増幅媒体114の効率に応じて適宜
設定される。
【0007】Qスイッチリングレーザにおいて光分岐器
116から分岐出力される光パルスは、図13(b)に
示すようにピークパワーP0 をもつパルスを中心に、ピ
ークパワーP1 〜P14のサイドローブが存在する。この
状態の光パルスを光パルス発生器900の出力として取
り出して光パルス試験を行うと距離分解能が低下する。
このため、光スイッチ118を用いて、Qスイッチリン
グレーザから分岐出力される光パルスをそのピーク位置
を中心にして波形整形する。この光スイッチ118は、
Qスイッチリングレーザ内を周回する光パルスがピーク
となるタイミングでオンとなるようにタイミング制御が
なされる。これにより、光パルス発生器900からは、
矩形形状を有する単一の光パルスを出力することができ
る。
【0008】図14は、特開平6−249750号公報
に開示された他の従来の光パルス発生器の構成を示す図
である。図14に示す光パルス発生器910は、光ファ
イバ111、励起光源112、光合波器113、光増幅
媒体114、1×2光スイッチとして用いる音響光学ス
イッチ121および光アイソレータ117により構成さ
れるQスイッチリングレーザと、音響光学スイッチ12
1の0次側出力端子から取り出された光パルスを整形し
て光パルス発生器910の出力とする光スイッチ118
とを有する。
【0009】このQスイッチリングレーザは、光ファイ
バ111を介して、光合波器113、光増幅媒体11
4、音響光学スイッチ121の1次側出力端および光ア
イソレータ117をリング状に接続して光ループを形成
し、励起光源112から出射された光を光合波器113
を介して光増幅媒体114に導く構成を有している。音
響光学スイッチ121は、タイミング発生器132から
出力される同期信号に応じて動作し、一定時間オンとな
ってその他の時間はオフとなる。光増幅媒体114が励
起光により励起された状態で、音響光学スイッチ121
を所定周期で所定時間だけオンにするQスイッチ動作を
させると、Qスイッチリングレーザとして所定の波長で
パルス発振する。その光パルス波形は、図13に示した
ものと同じである。但し、音響光学スイッチ121は、
オンのときに0次側出力端子から出力される光パルスの
損失は7dBであり、出力光パルスのピークパワーは図
12に示した光パルス発生器900の約半分になる。
【0010】図15は、音響光学スイッチ121の0次
側出力端子から分岐出力される光波形を示す図である。
図15に示すように、光パルスのピークパワーに対応す
る時点T0 で、音響光学スイッチ121をオフにして光
パルスを取り出せば、出力時の損失は3dBに抑えるこ
とができる。また、光スイッチ118を用いて、Qスイ
ッチリングレーザから分岐出力される光パルスをそのピ
ークを中心に整形する。このように、音響光学スイッチ
121を用いた場合でも、高出力光パルスを発生させる
ことができる。なお、この光パルスのパルス幅は、Qス
イッチリングレーザを発振光が一周回する時間に相当す
るので、リング長を変えることにより容易に任意のパル
ス幅を設定することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の光パルス発生器900、910には、以下に示す問
題があった。
【0012】(1)従来の光パルス発生器900、91
0においては、出力される光パルスのパルス幅は、Qス
イッチリングレーザを発振光が一周回する時間に相当す
る。このため、例えばリング長が20mであれば100
ns、100mでも500nsと比較的パルス幅が小さ
く、この光パルス発生器900、910をOTDR測定
に用いた場合には、100km程度の長距離の被測定フ
ァイバを測定するために必要とされる数μsのパルス幅
を得るには数百m〜数kmのリング長が必要となってシ
ステムが大きくなるとともに、発振を開始してから光パ
ルスが出力されるまでに時間がかかるという問題があっ
た。例えば、リング長20mで光パルスが出力されるま
でに6μsかかる場合には、リング長が800mになる
と光パルスが出力されるまでに240μsを要すること
になる。光パルスが出力されるまでに要する時間が長く
なるということは、特に繰返し測定により加算平均を行
う際のスループットに影響する。
【0013】(2)従来の光パルス発生器900、91
0のように光パルスの切り出しをQスイッチリングレー
ザ内の発振ピークに合わせたタイミングで行うと、希土
類元素が添加された光ファイバが飽和し、方形波に近い
綺麗な矩形パルスが得られないという問題があった。例
えば、Qスイッチリングレーザのリング長が比較的長い
場合、光パルス発生器900の光分岐器116から分岐
出力される光パルスを図16に示す。図16において、
ピークP0 のパワーは約1.0Wであり、ピークP0
ピークP2 の間隔から、Qスイッチリングレーザを発振
光が一周回する時間がTR が740nsで、リング長が
148mであることがわかる。光スイッチ118を用
い、ピークP0 を中心にT0 からT1 までの740ns
の幅で光パルスを切り出すと、出力される光パルスは図
16のピークP0 近傍の歪んだ矩形パルスとなり、光パ
ルスの半値幅PWHAは100nsにしかならないこと
がわかる。出力光パルスのパワーの変化をP(t)=P
p ・exp(−α(t−T0))で近似し(α=−(l
n0.5)/PWHM)、この光パルスのエネルギーE
aをピークパワーPp 、パルス幅PW=740nsの方
形波のエネルギーEbと比較すると、両者の比は、 Ea/Eb=−PWHM/(PW・ln0.5)・(1
−exp((PW・ln0.5)/PWHM)) で表される。図16に示した例では、歪んだ矩形波のエ
ネルギーは方形波の1/5以下となり、ピークパワー2
00mW、パルス幅740nsの方形波光パルスのエネ
ルギーに及ばないことがわかる。このように、歪んだ形
状を有する光パルスは、ピークパワーが十分でも実効的
なパルス幅は狭くなるので、光パルスのエネルギーが十
分でなく、方形波光パルスに比べるとOTDR測定にお
いて大きなダイナミックレンジが得られない欠点があ
る。また、歪んだ光パルスの先端の高出力パワーによ
り、光パルス発生器およびOTDR測定器等の光学部品
に損傷を与えたり、人体へ障害をもたらすおそれがある
などの問題があった。
【0014】(3)従来の光パルス発生器900、91
0では、希土類元素が添加された光ファイバを用いたQ
スイッチリングレーザのリング内に光フィルタを追加し
て発振波長を変えると、希土類元素が添加された光ファ
イバの利得の波長依存性等の特性上、励起パワー等の条
件が一定であっても光パルスのピークパワーが大きく変
化するという問題があった。図17に、光パルス発生器
910のリング内に光フィルタを挿入し、発振波長を1
530nmから1565nmまで変化させた場合のピー
クパワーの変化を示す。リングのループ長は160m、
出力光パルス幅は500ns、音響光学スイッチ121
のオン時間は3.70μsである。発振波長領域内(1
530nm〜1565nm)で励起光源112の出カパ
ワーは一定であり、光フィルタ、光スイッチ118、音
響光学スイッチ121、光アイソレータ117の損失は
はぼ一定である。このピークパワーの波長依存性は、光
増幅媒体114の自然放出(ASE)光の波長依存性お
よび利得の波長依存性に起因することがわかっている。
この例では、1530nm〜1565nmの範囲で25
dB以上のピークパワーの変化が観測された。波長を変
えてOTDR測定を行う際にピークパワーの大きな変化
は、ダイナミックレンジや測定可能距離範囲に大きな変
化をもたらすことになる。
【0015】希士類元素が添加された光ファイバを用い
たQスイッチリングレーザでは、励起エネルギーを大き
くすることによって、ピークパワーで100W、エネル
ギーで1μJを越える十分な光パルスを発生できること
が報告されている。OTDR測定では、被測定光ファイ
バや被測定システム上の制約により、被測定光ファイバ
に入力できる光パルスのピークパワーは、+30dBm
(1W)以下であり、パワーをこれ以上大きくすること
はできない。OTDR測定で高ダイナミックレンジを達
成するためには、高エネルギー光パルスが必要であり、
ピークパワーだけでなく、光パルスの波形やパルス幅も
重要な要素である。
【0016】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的はシステムが小さく、発振を開
始してから光パルスが出力されるまでに要する時間を短
くすることができる光パルス発生器を提供することにあ
る。
【0017】また、本発明の他の目的は、方形波に近い
光パルスを得ることができる光パルス発生器を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、ピークパワー
の波長依存性を抑制した光パルス発生器を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の光パルス発生器は、リングレーザによ
って構成される光ループ内に減衰手段を挿入し、この光
ループを周回する光の減衰量を制御しており、光パルス
出力手段から出力される光パルスのパワーを調整して、
方形波に近い波形を有する光パルスを得ることができ
る。
【0019】また、制御対象となる減衰量に関する情報
をあらかじめ記憶手段に記憶しておいて、これを減衰量
制御手段によって読み出して減衰手段の減衰量の制御を
行うことが望ましい。減衰手段を用いない状態で光を周
回させたときの減衰特性をあらかじめ測定しておいて、
この減衰特性の変動を打ち消すような減衰量の情報を記
憶手段に記憶しておくことにより、この情報に基づいて
減衰手段の減衰量を設定するだけで容易にパワーがほぼ
一定に制御された光パルスを得ることができる。
【0020】特に、光パルス出力手段から出力される光
パルスのパワーが、リングレーザを1周回する時間より
も長い時間においてほぼ一定となるように減衰手段にお
ける減衰量を制御することにより、大きなパルス幅を有
し、その全域にわたって方形波に近い波形を有する光パ
ルスを得ることが容易となる。しかも、光パルスのパル
ス幅を大きくするためにリングレーザのリング長(光ル
ープ長)を長くする必要がないため、リングレーザの大
きさを小さくすることができ、光パルス発生器のシステ
ム構成を小型化することができる。また、短いリング長
のリングレーザを用いることができるため、リング長が
長いリングレーザを用いる場合に比べると、同じ光の周
回数を実現するまでの時間が短縮され、所望のパワーを
有する光パルスが出力されるまでの時間を短くすること
ができる。
【0021】また、光パルス出力手段から出力される光
パルスのパワーが、リングレーザを1周回する時間とほ
ぼ同じ時間、あるいはこれより短い時間においてほぼ一
定となるように減衰手段における減衰量を制御するよう
にしてもよい。この場合には、小さなパルス幅を有し、
その全域にわたって方形波に近い波形を有する光パルス
を得ることができる。
【0022】また、光フィルタが光ループ内に含まれて
いる場合、あるいはリングレーザの利得が波長依存性を
有する場合において、リングレーザを周回する光の波長
が変わった際の光の減衰量の変動分を減衰手段の減衰量
を制御することにより打ち消すことが望ましい。光パル
ス出力手段から出力される光パルスの波長を切り替えた
場合であっても、ほぼ一定のパワーの有する光パルスを
得ることができ、ピークパワーの波長依存性を抑制する
ことができる。
【0023】また、光パルス出力手段から出力される光
パルスのパワーを検出手段によって検出する場合に、こ
の検出された光パルスのパワーがほぼ一定になるように
減衰手段の減衰量を制御することが望ましい。経時変化
や温度変化によって、出力される光パルスのパワーが変
動する場合があるが、このパワーの変動の状態に応じて
減衰手段の減衰量を制御することにより、経時変化や温
度変化によってパワーが変化しない安定した光パルスを
得ることができる。
【0024】また、上述した減衰手段は音響光学変調器
によって構成することが望ましい。音響光学変調器は、
入力する高周波駆動信号のパワーを可変することにより
変調度が変化するため、これを用いてリングレーザを構
成することにより、リングレーザの光ループを周回する
光の減衰量を制御することが可能となる。また、音響光
学変調器の1次光出力端子から出力される光を光ループ
を介して光増幅媒体の入力側に帰還させるとともに、0
次光出力端子から出力される光を光パルス出力手段に入
力することが望ましい。入力端子と1次光出力端子とが
光ループに含まれるように音響光学変調器を接続するこ
とにより、この音響光学変調器を減衰手段および光スイ
ッチング手段として用いることができるため、これらの
手段に対応する部品を別々に備える場合に比べて、部品
点数の低減によるシステム構成の簡素化が可能になる。
しかも、0次光出力端子を光パルス出力手段に接続する
ことにより、光ループを周回する光を分岐する分岐手段
としてこの音響光学変調器を用いることができるため、
別に光分岐器を備える場合に比べてさらなる部品点数の
低減が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態の光パルス発生器について、図面を参照しながら説明
する。
【0026】〔第1の実施形態〕本発明を適用した第1
の実施形態の光パルス発生器は、Qスイッチリングレー
ザを構成するリング内のAOM(音響光学変調器)の損
失量を制御することによって、波形歪みの少ない方形波
に近い光パルスを出力することに特徴がある。
【0027】図1は、第1の実施形態の光パルス発生器
の構成を示す図である。図1に示す光パルス発生器10
は、光ファイバ11、励起光源12、波長多重光合波器
13、光増幅媒体14、AOM19、光アイソレータ1
7、光スイッチ18、タイミング発生器31、変調度制
御器32、AOM駆動回路33、記憶装置34を含んで
構成されている。
【0028】光増幅媒体14は、希土類元素が添加され
た光ファイバで構成されており、励起光源12から出力
される所定波長の励起光によって励起される。添加され
る希土類元素としてエルビウム(Er)を用いる場合に
は、励起光源12として、1.48μmの波長の半導体
レーザを用いることによって、光増幅媒体14が励起さ
れる。
【0029】波長多重光合波器13は、2つの入力端子
を有し、励起光源12の出力端が一方の入力端子に接続
されており、励起光源12から出力される光が光増幅媒
体14に導かれる。
【0030】AOM19は、1次光出力端子と0次光出
力端子とを有しており、AOM駆励回路33に接続され
た変調度制御器32の制御によって、光増幅媒体14か
ら入射された光を変調および減衰させて1次光出力端子
から出力するとともに、この入射された光の一部を0次
光出力端子から出力する。オフ状態(最大減衰時)のA
OM19の入力端子と1次光出力端子との間のアイソレ
ーションは通常60dB以上であり、ほぼ完全に遮断状
態となる。また、オン状態(最小減衰時)のAOM19
の入力端子と1次光出力端子との間の損失は、通常10
dB以下となる。また、AOM19の入力端子と0次光
出力端子との間の損失は、入力端子と1次光出力端子と
の間がオン状態(最小減衰時)のときに約7dB、オフ
状態(最大減衰時)のときに約3dBとなる。
【0031】光アイソレータ17は、2つの端子を有し
ており、一方の端子から他方の端子へは光を通すが、そ
の反対方向の光は遮断する。逆向きの光が存在すると、
光増幅媒体14による光増幅動作が妨げられるため、光
アイソレータ17によってこの反対方向の光が除去され
る。この光アイソレータ17を通すことにより、AOM
19の1次光出力端子から出力された光が波長多重光合
波器13の他方の入力端子側に導かれる。
【0032】光スイッチ18は、AOM19の0次光出
力端子から出力される光が入射され、オン状態のときに
この入射された光を出力し、オフ状態のときには入射さ
れた光を遮断する。
【0033】タイミング発生器31は、所定のタイミン
グ制御信号を変調度制御器32および光スイッチ18に
出力することにより、AOM19の変調度の変更タイミ
ングと光スイッチ18のオンオフタイミングとを制御す
る。変調度制御器32は、タイミング発生器31からタ
イミング制御信号が出力されると、予め記憶装置34に
記憶されていた変調度制御データに基づいて、AOM駆
動回路33の高周波出カパワーを増減させる。この変調
度制御データは、AOM19の減衰量に関する情報であ
り、AOM19を最小減衰となる状態でQスイッチリン
グレーザの光ループを光が周回した場合の光ループの利
得をあらかじめ測定しておいて、これを打ち消すような
減衰量の制御情報が設定されている。AOM駆動回路3
3の高周波出力パワーが大きいときはAOM19の回折
効率が上がり、AOM19の入力端子と1次光出力端子
との間の損失が減少する。逆に、AOM駆動回路33の
高周波出力が小さいときはAOM19の回折効率が下が
り、AOM19の入力端子と1次光出力端子との間の損
失が増大する。このようにして、AOM19の1次光出
力端子から出力される光の強度を時間的に制御すること
ができる。
【0034】図1に示した光パルス発生器10では、光
ファイバ11、波長多重光合波器13、光増幅媒体1
4、AOM19、光アイソレータ17によってリング状
の光ループが形成される。この光ループと励起光源12
とが組み合わされて光ファイバリングレーザが構成され
る。励起光源12から出力され、波長多重光合波器13
を介して光ループ内に入力される所定の光によって光増
幅媒体14が励起される。この状態で、AOM19を所
定周期で所定時間オン状態にすると、光増幅媒体14の
出力側から出射された自然放出光は、AOM19の0次
光出力端子によって一部が分岐出力されつつ、1次光出
力端子を通り、さらに光アイソレータ17、波長多重光
合波器13を通って光増幅媒体14の入力側に戻る正帰
還系が構成される。これにより、光増幅媒体14に励起
・蓄積されたエネルギーが光信号としてループ内を周回
する。光が周回するたびに光増幅媒体14に蓄積された
エネルギーが光に変換されて減少するが、そのエネルギ
ーの減少の度合いが残っているエネルギーに比べ十分小
さい間は、光増幅媒体14の利得はほぼ一定で飽和の起
こらないリニア領域とみなすことができる。光増幅媒体
14の利得が一定であれば、リング内に挿入されたAO
M19の減衰量を変化させてリング内の光の帰還量を制
御することによって、AOM19の0次光出力端子から
出力される光パルスの波形やピークパワーを容易に制御
することができる。さらに、光増幅媒体14の利得が変
化する場合でも、AOM19の減衰量を光増幅媒体14
の利得変化を打ち消すように詳細に制御することによっ
て、同等の効果が得られる。
【0035】上述したAOM19が光スイッチング手
段、減衰手段に、光スイッチ18、AOM19が光パル
ス出力手段に、変調度制御器32、AOM駆動回路33
が減衰量制御手段に、記憶装置34が記憶手段にそれぞ
れ対応する。
【0036】次に、本実施形態の光パルス発生器10の
動作について説明する。図2は、AOM19および光ス
イッチ18の動作状態と光パルス波形との関係を示す図
である。図2(a)はAOM19の減衰量を調整するこ
とで制御されるリング内の全損失量ΣLiのタイミング
波形を、図2(b)はAOM19の0次光出力端子から
出力される光波形をそれぞれ対数表示したものである。
また、図2(c)は光スイッチ18のオンオフタイミン
グを、図2(d)は光スイッチ18から出力される光パ
ルス波形をそれぞれ示している。ここでは、光増幅媒体
14の利得が常に一定であるものとして説明する。
【0037】図2(a)に示すように、光増幅媒体14
の出力側から自然放出光(PASE )が出射された状態に
おいて、AOM19が最大減衰(オフ)状態から最小減
衰(オン)状態に変わると、AOM19の0次光出力端
子から図2(b)に示すP3のパワーに相当する光が分
岐出力される。AOM19の最小減衰(オン)状態にお
ける入力端子と0次光出力端子との間の損失をLjとす
ると、P3 は、P3 [dBm]=PASE [dBm]−L
j[dB]となる。リング内を光が1〜2周回する間
は、リング内の全損失ΣLiはLminで一定であるか
ら、光増幅媒体14の一定の利得をG0とすると、2周
期目、3周期目にAOM19の0次光出力端子から分岐
出力される光のパワーP2 、P1は、 P2 [dBm]=PASE [dBm]+G0[dB] −ΣLi[dB]−Lj[dB] =PASE [dBm]+G0[dB] −Lmin [dB]−Lj[dB] P1 [dBm]=PASE [dBm]+2(G0[dB]
−Lmin [dB])−Lj[dB] となる。リング内を光が3周回する間、リング内の全損
失ΣLiはL1であるから、4周期目にAOM19の0
次光出力端子から分岐出力される光のパワーP0は、 P0 [dBm]=PASE [dBm]+3G0[dB]−
L1[dB]−2Lmin [dB]−Lj[dB] となる。P3 〜P0 の右辺はリング内の全損失ΣLi
(L1、Lmin )の項以外は一定値であるから、AOM
19の減衰量の制御をリング長に相当する時間の周期で
行うことによって、AOM19の0次光出力端子から分
岐出力される光は、きれいな階段状にパワーが増加し、
4周回目で所望する一定の出カパワーP0 に到達する。
5周回目以降は、リング内の全損失L0を光増幅媒体1
4の利得G0と等しく、すなわちリング全体の総利得を
1とすることによって、一定のパワーP0 で所望のパル
ス幅の光パルスが得られる。このような光パルスを得る
ために必要なAOM19の制御データは、予め測定して
おいて、記憶装置34に記憶しておくことが望ましい。
この制御データを記憶装置34から読み出すだけで、A
OM19のオンオフ動作を制御することができるため、
制御が容易となる。
【0038】なお、AOM19は、図2にVIIIで示
す期間に最大損失になって、それ以後にリング内を周回
する光は減衰するが、最大損失になる直前の光がリング
を1周回してAOM19の0次出力からパワーP0 の光
パルスとして出力されるため、0次光出力端子から出力
される光パルスの減衰はAOM19の損失変化から1周
期分遅れる。
【0039】AOM19から分岐出力された図2(b)
に示す光パルスを、図2(c)に示すタイミングで光ス
イッチ18によって切り出して整形することにより、図
2(d)に示されるようなリング長に相当するより大き
なパルス幅でパワーが一定(Pout )の方形波に近い光
パルスを出力することができる。
【0040】どれだけのパワーでどれだけの周回数まで
一定のパワーが保持できるかは、励起光源12がどれだ
け光増幅媒体14を励起でき、その励起されたエネルギ
ーを光増幅媒体14が光に変換できるかに依存する。よ
って、励起光源12に高出力のもの、光増幅媒体14に
変換効率の高いものを用いることによって、高エネルギ
ー化は容易に可能である。
【0041】図3は、図1に示した光パルス発生器10
を用いて実際に得られた光波形の一例を示す図である。
ここでは、リング長50mのときにリングを光が一周す
る時間が250nsであり、リング4周回分の1μsで
ピークパワー200mWの方形波に近い光パルスが得ら
れている。
【0042】さらに、報告されているような1μJを越
えるエネルギーの光パルスを発生する能力のあるQスイ
ッチリングレーザで構成された光パルス発生器10を用
いれば、パワーが1Wで一定であって、パルス幅1μs
以上の方形波に近い光パルスを得ることもできる。
【0043】このように、本実施形態の光パルス発生器
10は、AOM19を駆動するために用いられるAOM
駆動回路33の高周波出力のパワーを調整してAOM1
9を介して周回する光の減衰量を制御することにより、
AOM19の0次光出力端子から出力されて光スイッチ
18を介して取り出される光パルスの波形を整形してお
り、方形波に近い光パルスを得ることができる。また、
光スイッチ18から出力される光パルスの波形整形を、
光ファイバリングレーザのリング内を光が複数回周回す
る時間にわたって行うことにより、光がリングを1周回
する時間よりも長いパルス幅を有する光パルスを容易に
得ることができる。
【0044】次に、光増幅媒体14の利得が変化する場
合に、AOM19の減衰量を光増幅媒体14の利得変化
を打ち消すように調整する光パルス発生器10の他の動
作について説明する。
【0045】図4は、AOM19および光スイッチ18
の動作状態と光パルス波形との関係を示す図である。図
4(a)はAOM19の減衰量を調整することで制御さ
れるリング内の全損失量ΣLiのタイミング波形を、図
4(b)はAOM19の0次光出力端子から出力される
光波形をそれぞれ対数表示したものである。また、図4
(c)は光スイッチ18のオンオフタイミングを、図4
(d)は光スイッチ18から出力される光パルス波形を
それぞれ示している。
【0046】図4(a)に示すように、AOM19が最
大減衰(オフ)状態から最小減衰(オン)状態に変わる
と、光増幅媒体14の出力側から出射した自然放出光
は、AOM19の0次光出力端子からその一部が図4
(b)に示すパワーP6 の光パルスとして分岐出力され
つつ、1次光出力端子から出力され、さらに光アイソレ
ータ17、波長多重光合波器13を通って光増幅媒体1
4の入力側に戻る正帰還系が構成される。これにより、
光増幅媒体14に励起・蓄積されたエネルギーが光信号
としてループ内を周回する。光増幅媒体14に蓄積され
たエネルギーは、光が周回するたびに光に変換されて一
部がパワーP5 、P4 、P3 、…、P0 の光としてAO
M19の0次光出力端子から出力されるため、次第に減
少する。そのエネルギーの減少の度合いが、光増幅媒体
14に残っているエネルギーに比べ十分小さい間は、光
増幅媒体14の利得はほぼ一定であるが、出力される光
エネルギーが大きくなれば、光増幅媒体14の利得が徐
々に減少する。それにより、オン状態で全くリング内の
損失を制御しないQスイッチリングレーザーから出力さ
れる光波形は、きれいな階段状ではなく、図15や図1
6に示したような指数関数的に減衰する波形となる。
【0047】図4(a)に示すように、光増幅媒体14
の利得の変化を打ち消すようにAOM19の減衰量を調
整することにより、周回ごとのリング内の損失をほぼ一
定に制御することができるため、図4(b)に示すよう
なきれいな階段状の光出力を得ることができる。例え
ば、VIIで示す期間内の光増幅媒体14の利得の変化
をG(t)=G0 ・exp(−α(t−t0 ))とす
る。ここで、t0 は期間VIIの開始時間、αは光増幅
媒体14の利得減衰定数である。この利得の変化を打ち
消すには、期間VIのAOM19の減衰量の制御をL
(t)=L1 ・exp(−α(t−t0 −TR ))のよ
うに行えばよい。これらの制御データは、前もって測定
しておいて、記憶装置34に記憶しておく。その後、光
スイッチ18を用いて、図4(b)の光波形を所望のパ
ルス幅で切り出して整形すればよい。
【0048】このように、図1に示した光パルス発生器
10は、リング長に相当するより長いパルス幅を有する
ほぼ方形波の光パルスを得るだけでなく、リング長に相
当する、あるいはこれよりも短いパルス幅を有するほぼ
方形波の光パルスを出力することができる。
【0049】〔第2の実施形態〕Qスイッチリングレー
ザにおいて、光増幅媒体14の利得がほぼ一定で飽和の
起こらないリニア領域であっても、リングに光フィルタ
を挿入し、発振波長を変化させると、光増幅媒体14の
特性上、光増幅媒体14の自然放出光のパワーおよび利
得が変化する。これらの変化をAOM19の減衰量を調
整してキャンセルすることによって、広い波長範囲でパ
ワーが一定で方形波に近い光パルスを発生することがで
きる。
【0050】図5は、本発明を適用した第2の実施形態
の光パルス発生器110の構成を示す図である。図5に
示す光パルス発生器110は、光ファイバ11、励起光
源12、波長多重光合波器13、光増幅媒体14、光フ
ィルタ16、AOM19、光アイソレータ17、光スイ
ッチ18、タイミング発生器31、変調度制御器32、
AOM駆動回路33、記憶装置34を含んで構成されて
いる。この光パルス発生器110は、図1に示した光パ
ルス発生器10のリング内に光フィルタ16を挿入した
ものであり、その他の構成は基本的に同じである。光フ
ィルタ16は、光増幅媒体14から出力される光が入力
されており、所定の波長成分を通過させる。
【0051】図6は、図5に示した光パルス発生器11
0におけるAOM19および光スイッチ18の動作状態
と光パルス波形との関係を示す図である。図6(a)は
AOM19の減衰量を調整することで制御されるリング
内の全損失量ΣLiのタイミング波形を、図6(b)は
AOM19の0次光出力端子から出力される光波形をそ
れぞれ対数表示したものである。また、図6(c)は光
スイッチ18のオンオフタイミングを、図6(d)は光
スイッチ18から出力される光パルス波形をそれぞれ示
している。
【0052】本実施形態の光パルス発生器110におい
ては、発振波長を変えたことによって光増幅媒体14の
自然放出光のパワーおよび利得が変化する場合に、AO
M19の減衰量を調整することによってリング内の全損
失量ΣLiを波長ごとに変えて、AOM19の0次光出
力の変化を打ち消している。
【0053】まず、図6(a)に示すリング内の全損失
量L14を、図に示すようなタイミングで波長ごとに変え
ることにより、5周回目の出カパワーを所望の一定値P
10に保つ。6周回以降は、波長ごとに変わる光増幅媒体
14の利得をリング内の全損失L10でキャンセルしてリ
ング全体の総合利得を1とすることで、図6(b)に示
すように、出カパワーを一定値P10に保持する。AOM
19の波長ごとの減衰量の制御データは、予め測定して
求めておいて、記憶装置34に記憶しておくとよい。
【0054】また、AOM19の0次光出力端子から出
力される光パルスを、光スイッチ18によって図6
(c)に示すようなタイミングで切り出して整形するこ
とにより、図6(d)に示されるようなリング長に相当
するより大きなパルス幅を有し、発振波長によらずパワ
ーが一定(Pout )であるほぼ方形波の光パルスを出力
することができる。
【0055】図7は、本実施形態の光パルス発生器11
0に含まれるAOM19の減衰量と波長との関係を示す
図であり、波長を変えても出カパワーを一定に保つ目的
でリング内の全損失量L14を制御するために用いられる
AOM19の減衰量の波長依存性が示されている。AO
M19の減衰量に図7に示すような波長依存性を持たせ
るために必要な減衰量制御データを予め記憶装置34に
記憶しておくことにより、光フィルタ16を通過させる
波長を変えて発振波長を変更したときに、AOM19の
減衰量がこの変更後の波長に対応した値となるように制
御される。
【0056】図8は、減衰量が図7に示した波長依存性
を有するようにAOM19を制御した場合に、上述した
光パルス発生器110から出力される光パルスの出力パ
ワーと波長との関係を示す図である。なお、このときに
出力される光パルスのパルス幅は500nsに設定され
ている。このように、従来では図17に示したような波
長ごとに大きく変化していた出力パワーの波長依存性
が、本実施形態の光パルス発生器110において十分に
改善され、それぞれの波長に対応する出力パワーがほぼ
一定になっていることがわかる。
【0057】〔第3の実施形態〕温度変化や経時変化等
により、Qスイッチリングレーザの出力パワーが変動す
ることが知られており、次に、出力パワーのレベルを監
視してその値を一定に制御する光パルス発生器について
説明する。
【0058】図9は、本発明を適用した第3の実施形態
の光パルス発生器120の構成を示す図である。図9に
示す光パルス発生器120は、光ファイバ11、励起光
源12、波長多重光合波器13、光増幅媒体14、光フ
ィルタ16、AOM19、光アイソレータ17、光スイ
ッチ18、タイミング発生器31、変調度制御器32、
AOM駆動回路33、記憶装置34、光分岐器35、受
光器36を含んで構成されている。この光パルス発生器
120は、図5に示した光パルス発生器110に対し
て、出力側に光分岐器35と受光器36を付加したもの
であり、その他の構成は基本的に同じである。
【0059】光分岐器35は、光スイッチ18から出力
される光パルスを分岐し、2つの出力端子のそれぞれか
ら出力する。一方の出力端子から出力される光パルス
は、光パルス発生器120の出力として取り出される。
また、他方の出力端子は受光器36に接続されており、
この他方の出力端子から出力される光パルスが受光器3
6に導かれる。受光器36は、光分岐器35から入力さ
れる光パルスのパワーを検出する検出手段として機能
し、この検出値を変調度制御器32に向けて出力する。
【0060】光パルス発生器120から出力される光パ
ルスのパワーが受光器36によって検出されると、変調
度制御器32は、この検出された光パルスのパワーを、
記憶装置34に予め記憶しておいた適正基準値と比較
し、比較結果に応じてAOM19の減衰量を制御する。
具体的には、検出された光パルスのパワーがこの基準値
よりも小さい場合には、AOM19の減衰量を小さくし
て図6(a)に示したリング内の全損失量L14を小さく
し、出力される光パルスのパワーが増すような制御が行
われる。反対に、検出された光パルスのパワーがこの基
準値よりも大きい場合には、AOM19の減衰量を大き
くしてリング内の全減衰量L14を大きくし、出力される
光パルスのパワーを減じるような制御が行われる。
【0061】このようにして、出力される光パルスのパ
ワーと記憶装置34に記憶されている適正基準値とが異
なる場合には、AOM19の減衰量が調整されるため、
出力される光パルスのパワーが常に適正基準値に一致す
るように制御される。したがって、出力される光パルス
のパワーが温度変化や経時変化等によらずに初期状態で
設定した所定値に保たれる。なお、受光器36によって
光パルスのパワーを検出する場合に、光パルス列のピー
クを検出する方法と光パルス列を時間的に平均化する方
法とが考えられるが、いずれの方法を用いるようにして
もよい。
【0062】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した各種の実施形態では、
光パルス発生器のリングの外部に光スイッチ18を設け
たが、これをAOS(音響光学スイッチ)に置き換える
とともにリング内に挿入して配置してもよい。図10
は、リング内において光スイッチの代わりにAOSを用
いた光パルス発生器の構成を示す図である。図10に示
す光パルス発生器130は、光ファイバ11、励起光源
12、波長多重光合波器13、光増幅媒体14、光フィ
ルタ16、AOS20、AOM19、光アイソレータ1
7、タイミング発生器31、変調度制御器32、AOM
駆動回路33、記憶装置34、AOS駆動回路37を含
んで構成されている。この光パルス発生器130は、図
5に示した光パルス発生器110の光スイッチ18をA
OS20に置き換えるとともに、このAOS20をリン
グ内に挿入したものである。また、AOS20にはAO
S駆動回路37が接続されており、このAOS駆動回路
37は、タイミング発生器31から出力されるタイミン
グ制御信号に応じてAOS20を駆動する。AOS20
の入力端子と0次光出力端子とを含んで光ファイバリン
グレーザのループが形成されており、AOS20の1次
光出力端子から出力される光パルスが光パルス発生器1
30の出力として外部に取り出される。なお、この場合
にはAOM19の0次光出力端子からは光パルスを取り
出す必要がないため、AOM19においては1次光出力
端子のみが使用される。
【0063】また、上述した各種の実施形態では、リン
グ内にAOM19を備えることにより、リングを周回す
る光の減衰量を制御するようにしたが、他の部品を用い
てリングを周回する光の減衰量を制御するようにしても
よい。図11は、光スイッチ、光減衰器および光分岐器
を組み合わせた光パルス発生器の構成を示す図である。
図11に示す光パルス発生器140は、光ファイバ1
1、励起光源12、波長多重光合波器13、光増幅媒体
14、光フィルタ16、光スイッチ15、18、光分岐
器16、光減衰器21、光アイソレータ17、タイミン
グ発生器31、変調度制御器32、記憶装置34を含ん
で構成されている。この光パルス発生器140は、リン
グを周回する光のオンオフ動作を光スイッチ15によっ
て行うとともに、この周回する光の減衰量を光減衰器2
1によって調整している。この光減衰器21における減
衰量は、タイミング発生器31に接続された変調度制御
器32によって、光分岐器16から分岐出力されて光ス
イッチ18を介して切り出される光パルスのパワーがほ
ぼ一定となるように制御される。
【0064】また、図11に示した光パルス発生器14
0に含まれる光減衰器21をAOMに置き換えたり、図
10に示した光パルス発生器130に含まれるAOM1
9を光減衰器に置き換えるようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、リン
グレーザによって構成される光ループ内に減衰手段を挿
入し、この光ループを周回する光の減衰量を制御してお
り、光パルス出力手段から出力される光パルスのパワー
を調整して、方形波に近い波形を有する光パルスを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の光パルス発生器の構成を示す
図である。
【図2】音響光学変調器および光スイッチの動作状態と
光パルス波形との関係を示す図である。
【図3】図1に示した光パルス発生器を用いて実際に得
られた光波形の一例を示す図である。
【図4】音響光学変調器および光スイッチの動作状態と
光パルス波形との関係を示す図である。
【図5】本発明を適用した第2の実施形態の光パルス発
生器の構成を示す図である。
【図6】図5に示した光パルス発生器における音響光学
変調器および光スイッチの動作状態と光パルス波形との
関係を示す図である。
【図7】第2の実施形態の光パルス発生器に含まれる音
響光学変調器の減衰量と波長との関係を示す図である。
【図8】図7に示した波長依存性を有するように音響光
学変調器の減衰量を制御した場合における光パルスの出
力パワーと波長との関係を示す図である。
【図9】本発明を適用した第3の実施形態の光パルス発
生器の構成を示す図である。
【図10】リング内において光スイッチの代わりにAO
Sを用いた光パルス発生器の構成を示す図である。
【図11】光スイッチ、光減衰器および光分岐器を組み
合わせた光パルス発生器の構成を示す図である。
【図12】従来の光パルス発生器の構成を示す図であ
る。
【図13】図12に示す光パルス発生器における光スイ
ッチの動作状態と光パルス波形との関係を示す図であ
る。
【図14】他の従来の光パルス発生器の構成を示す図で
ある。
【図15】図14に示す光パルス発生器において音響光
学スイッチの0次側出力端子から分岐出力される光波形
を示す図である。
【図16】Qスイッチリングレーザのリング長が比較的
長い場合に、光パルス発生器の光分岐器から分岐出力さ
れる光パルスの波形を示す図である。
【図17】光パルス発生器のリング内に光フィルタを挿
入し、発振波長を1530nmから1565nmまで変
化させた場合のピークパワーの変化を示す図である。
【符号の説明】
10、110、120、130、140 光パルス発生
器 11 光ファイバ 12 励起光源 13 波長多重光合波器 14 光増幅媒体 17 光アイソレータ 18 光スイッチ 19 AOM(音響光学変調器) 31 タイミング発生器 32 変調度制御器 33 AOM駆動回路 34 記憶装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周回する光を増幅する光増幅媒体と前記
    光増幅媒体から出力される光の周回動作を所定のタイミ
    ングでオンオフする光スイッチング手段とを含むリング
    レーザと、前記リングレーザを周回する光を分岐して波
    形整形を行うことにより光パルスを取り出す光パルス出
    力手段とを備える光パルス発生器において、 前記リングレーザによって形成される光ループ内に、減
    衰量が制御可能であって前記リングレーザを周回する光
    を減衰させる減衰手段を挿入したことを特徴とする光パ
    ルス発生器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記減衰手段の減衰量を制御する減衰量制御手段と、 前記減衰量制御手段によって制御される前記減衰手段の
    減衰量に関する情報を記憶する記憶手段と、 をさらに備えることを特徴とする光パルス発生器。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記減衰量制御手段によって前記減衰手段における減衰
    量を制御することにより、前記光パルス出力手段から出
    力される光パルスのパワーが、前記リングレーザを1周
    回する時間よりも長い時間においてほぼ一定に設定され
    ることを特徴とする光パルス発生器。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、 前記減衰量制御手段によって前記減衰手段における減衰
    量を制御することにより、前記光パルス出力手段から出
    力される光のパワーが、前記リングレーザを1周回する
    時間とほぼ同じ時間、あるいはこれより短い時間におい
    てほぼ一定に設定されることを特徴とする光パルス発生
    器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記光ループ内に、光フィルタが含まれており、前記減
    衰量制御手段によって前記減衰手段における減衰量を制
    御することにより、前記光パルス出力手段から出力され
    る光パルスの波長を変化させたときに、各波長に対応し
    た前記光パルスのパワーをほぼ一定にすることを特徴と
    する光パルス発生器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記光パルス出力手段から出力される光パルスのパワー
    を検出する検出手段をさらに備えており、 前記減衰量制御手段は、前記検出手段によって検出され
    る光パルスのパワーがほぼ一定となるように前記減衰手
    段における減衰量を制御することを特徴とする光パルス
    発生器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、 前記減衰手段は音響光学変調器であり、 前記減衰量制御手段は、前記音響光学変調器を駆動する
    ために印加される高周波駆動信号のパワーを可変するこ
    とにより、前記音響光学変調器の減衰量を制御すること
    を特徴とする光パルス発生器。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記音響光学変調器は、1次光出力端子と0次光出力端
    子とを有しており、前記1次光出力端子から出力される
    光を前記光ループを介して前記光増幅媒体の入力側に帰
    還させるとともに、前記0次光出力端子から出力される
    光を前記光パルス出力手段に入力することを特徴とする
    光パルス発生器。
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CN100444479C (zh) * 2005-10-21 2008-12-17 中国科学院西安光学精密机械研究所 全光纤环形腔主动调q激光器
CN105870769A (zh) * 2016-06-12 2016-08-17 西北大学 一种基于石墨烯电光调制的主动调q光纤激光器

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