JP2000328415A - 短繊維不織布およびそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

短繊維不織布およびそれを用いた吸収性物品

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JP2000328415A
JP2000328415A JP14433199A JP14433199A JP2000328415A JP 2000328415 A JP2000328415 A JP 2000328415A JP 14433199 A JP14433199 A JP 14433199A JP 14433199 A JP14433199 A JP 14433199A JP 2000328415 A JP2000328415 A JP 2000328415A
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Japan
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nonwoven fabric
fiber
short
heat
fiber nonwoven
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JP14433199A
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Norihiro Nakai
徳宏 中井
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵩高で地合いが良好であり、且
つ、圧縮回復率が高く通液速度の速い不織布を提供する
こと。 【解決手段】 熱接着性複合繊維からなる短繊維
がランダムに分散配列され堆積し、且つ該繊維同士の交
点が熱接着されている不織布であって、熱接着性複合繊
維は顕在捲縮を有し、且つ繊維長が3〜40mm、繊度
が30〜80デニールであり、該不織布の密度が0.1
g/cm3以下で、圧縮回復率80%以上であることを
特徴とする短繊維不織布による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は短繊維不織布等に関
する。更に詳しくは短繊維不織布及び該短繊維不織布を
用いた短繊維不織布積層体、吸収性物品、或いはワイパ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来短繊維不織布として特公昭52−1
2830号公報に記載されたように、熱接着性複合繊維
をカード機を用い梳綿しウェブとした後、熱処理し、繊
維同士の交点を接着した不織布が知られている。しかし
ながら上記不織布は繊維長が比較的長い38mm以上の
短繊維を用い、針布により繊維を引っかけて機械方向に
配列させるため、大部分の繊維が機械方向に配向してお
り、幅方向や、厚み方向にはほとんど配向していないも
のであった。従って嵩高性や地合いの良さ及び高い圧縮
回復率や高い通液速度を同時に有する高機能な不織布は
得られていない。また、繊維長が短い繊維を用いた不織
布の存在は過去に見られるが、同様に上述したような高
機能の不織布は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの欠点を改良した嵩高で地合いが良好であり、且つ、
圧縮回復率が高く通液速度の大きい不織布を提供するこ
とにある。本発明者らは、上記目的を達成するために鋭
意検討を重ねた結果、繊維長3〜40mm、繊度30〜
80デニールの熱接着性複合繊維をランダムに積層さ
せ、密度0.1g/cm3以下で、繊維接合点が接合さ
れた短繊維不織布とすることが、嵩高、 地合い良好
で、圧縮回復率が高く、且つ、通液速度を速くすること
が有効であることを知り、本発明を完成させるに至っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成に
より前記課題を解決することができた。 (1) 熱接着性複合繊維からなる短繊維がランダムに
分散配列されて堆積し、且つ繊維交点が熱接着されてい
る不織布であって、該熱接着性複合繊維は顕在捲縮を有
し、且つ繊維長が3〜40mm、繊度が30〜80デニ
ールであり、該不織布の密度が0.1g/cm3以下
で、圧縮回復率80%以上であることを特徴とする短繊
維不織布。 (2) 熱接着性複合繊維が、融点差が10℃以上であ
る低融点樹脂と高融点樹脂からなり、且つ低融点樹脂が
繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して形成さ
れた熱接着性複合繊維である(1)項に記載の短繊維不
織布。 (3) 熱接着性複合繊維が低融点樹脂としてポリエチ
レンを用い、高融点樹脂としてポリプロピレンを用いた
複合繊維である(1)または(2)項に記載の短繊維不
織布。 (4) 熱接着性複合繊維が低融点樹脂としてポリオレ
フィンを用い、高融点樹脂としてポリエチレンテレフタ
レートを用いた複合繊維である(1)または(2)項に
記載の短繊維不織布。 (5) 熱接着性複合繊維が捲縮数3〜20山/25m
mである(1)〜(4)項の何れかに記載の短繊維不織
布。 (6) 短繊維不織布が、エアレイド法により得られる
不織布である(1)〜(5)項の何れかに記載の短繊維
不織布。 (7) (1)〜(6)項の何れかに記載の短繊維不織
布とシートを積層熱処理して得られる短繊維不織布積層
体。 (8) (1)〜(6)項の何れかに記載の短繊維不織
布若しくは(7)項に記載の短繊維不織布積層体を用い
た吸収性物品。 (9) (1)〜(6)項の何れかに記載の短繊維不織
布若しくは(7)項に記載の短繊維不織布積層体を用い
たワイパー。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の短繊維不織布には、繊維
長が比較的短い3〜40mmのものが用いられている。
繊維長が長い場合には、繊維が機械方向に配向し易く、
地合の良好なものが得られがたいからである。この様な
短い繊維をランダムに分散配列する事により繊維の配向
性を排除し、全方向に対して強度を有する不織布にする
ことができるのである。さらに繊度が30〜80デニー
ルと比較的太繊度の顕在捲縮を有する繊維を用いるこ
と、及びその繊維が熱接着性複合繊維であることによ
り、繊維交点の接着時不織布の嵩高さを維持し、且つ圧
縮回復率の高く、通液性の大きい不織布を得ることがで
きるのである。
【0006】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
で使用される熱接着性複合繊維については、少なくとも
2成分(以下A成分、B成分という)を原料として以下
の樹脂等が使用できる。例えば、ポリプロピレン、高密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンとαオレフ
ィン(含エチレン)との結晶性ポリプロピレン系共重合
体等のポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ジオー
ルとテレフタル酸/イソフタル酸等を共重合した低融点
ポリエステル、ポリエステルエラストマー等のポリエス
テル類、フッ素樹脂、上記樹脂の混合物等、その他紡糸
可能な樹脂等が使用できる。
【0007】A、B成分樹脂の融点差は10℃以上ある
ことが好ましい。これにより、低融点成分の融点以上、
高融点成分の融点未満の温度で熱処理すれば、複合繊維
の低融点成分が溶融されて繊維接合点が熱接合され、高
融点成分はそのままで残存した三次元のネットワーク構
造の熱接着した短繊維不織布を形成させることができ
る。このような、A、B成分樹脂の組合せとしては、例
えば、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポ
リエチレン/プロピレンを主としたエチレンとの結晶性
共重合体、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタ
レート、ナイロン−6/ナイロン66、低融点ポリエス
テル/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/
ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン/
ポリエチレンテレフタレート、線状低密度ポリエチレン
と高密度ポリエチレンの混合物/ポリプロピレン等を例
示できる。好ましくは、ポリエチレン/ポリプロピレ
ン、ポリオレフィン/ポリエチレンテレフタレートの組
合せが望ましい。ポリオレフィンを熱接着性複合繊維に
用いた場合、不織布の柔軟性等の 地合いが良くなり、
同時に、ポリオレフィン特有の軽量性、水浮上性等の性
能を兼ね備えた不織布を得ることができる。また、ポリ
エチレンテレフタレートを高融点成分に用いることによ
って、高融点成分と低融点成分の融点差が大きくなるた
め不織布への加工性が容易となることや、嵩高な不織布
とすることができる。
【0008】本発明に関わるA成分及びB成分に使用さ
れる樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲内でさら
に、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造
核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防
止剤、顔料、可塑剤などの添加剤を適宜必要に応じて添
加してもよい。
【0009】複合繊維の形態は鞘芯型、並列型、三層以
上の多層型、中空多層型、異形多層型、海島型等で、且
つ前記A、B成分樹脂の中、低融点成分樹脂が繊維表面
の少なくとも一部を形成した構造であれば良く、繊維長
さ方向に連続されたものが好ましい。
【0010】該複合繊維において、低融点樹脂と高融点
樹脂の複合比は低融点樹脂が10〜90重量%、高融点
樹脂が10〜90重量%である。好ましくは、低融点樹
脂が30〜70重量%、高融点樹脂が30〜70重量%
である。低融点樹脂成分が10重量%未満の場合、熱接
着不足により、不織布強力が小さくなる。また、低融点
樹脂成分が90重量%を越えるとレギュラー熱接着性繊
維と類似の熱接着挙動を示すので、複合繊維の高融点成
分が繊維状形態を保持するという特性が減少することと
なる。
【0011】熱接着性複合繊維の繊度は30〜80デニ
ールであり、好ましくは40〜60デニールである。繊
度が小さくなるほど不織布の密度が小さくなり、嵩高に
なるが、単位体積当たりの不織布を形成する熱接着性複
合繊維の構成本数が多くなるため、不織布内の空隙の1
個当たりの体積が小さくなり、通液速度が小さくなる。
更には、圧縮回復率が低下する傾向である。また、繊度
が大きくなると通水速度が速くなる傾向であるが、繊度
が大きくなりすぎると不織布内の空隙率が低下し、ま
た、空隙の形状が種々様々な形となるため、通液速度が
低下したり、不織布の密度が大きくなり、厚みが小さく
なるので、良好な 地合いで嵩高な不織布とすることが
難しい。即ち、良好な 地合いで嵩高となり且つ圧縮回
復率が高く、通水速度を速くするためには、繊度が小さ
すぎても大きすぎてもバランスを損なうことなり、特に
30デニール未満では通水速度が低下し、80デニール
より大きくなると密度が大きくなりすぎる傾向となる。
【0012】熱接着性複合繊維の繊維長は、3〜40m
mを用いることができるが、好ましくは、3〜20m
m、更に好ましくは5〜15mmである。繊維長が3m
m未満の場合、不織布の強力が小さくなり、不織布の密
度が大きくなる。また、繊維長が40mmを大幅に越え
る場合、繊維間での絡みが大きくなりランダムな分散配
列が困難になりやすい。従って、均一な地合、均一な強
力とすることが困難となったり、不織布の厚みが小さく
なり、不織布の密度が大きくなる。
【0013】熱接着性複合繊維の捲縮数は、3〜20山
/25mmであることが好ましい。捲縮数が3山/25
mm未満であると、不織布とした場合の密度が高くな
り、20山/25mmをはるかに越えると繊維間の絡み
が大きくなり、均一な地合とすることが難しくなり、不
織布内の個々の空隙サイズが小さくなる。また、捲縮形
状は、ジグザグ型等の二次元捲縮、スパイラル型、オー
ム型等の立体三次元捲縮等を有するもの等何れの形状で
も使用できる。
【0014】本発明の短繊維不織布に使用される熱接着
性複合繊維は、例えば、以下の工程により製造可能であ
る。芯成分及び鞘成分の樹脂を溶融し、複合紡糸口金よ
り吐出させる。この時、口金直下を空冷することにより
未延伸糸を冷却する。吐出量及び引取速度を任意に設定
し、目標デニールの2〜7倍程度の太さの未延伸糸を作
製する。該未延伸糸を40℃〜120℃に加熱したロー
ル間の速度を1対2から1対7の間に設定し延伸するこ
とにより、30〜80デニールの延伸糸を作製する。該
延伸糸にタッチロールで表面剤を塗布したのち、ボック
ス型の捲縮加工機を通過させ、捲縮を付与したトウを作
製する。該トウは、乾燥機を用いて60℃〜120℃で
乾燥する。乾燥したトウを押し切りカッターを用いて、
繊維長3〜40mmの範囲で一定の繊維長に繊維をカッ
トする。
【0015】本発明の短繊維不織布は、密度が0.1g
/cm3以下である。密度が0.1g/cm3を大きく越
えた場合、不織布内部の空隙率が小さくなり、通液速度
が著しく低下してしまうため好ましくない。
【0016】本発明の短繊維不織布は、圧縮回復率が8
0%以上である。圧縮回復率が80%を大きく下回る
と、短繊維不織布が圧力により圧縮されたまま復元し難
くなり、不織布密度が増大し、通液速度を低下させてし
まうため好ましくない。
【0017】本発明の短繊維不織布の目付は特に限定さ
れることはないが、目付が5〜1000g/m2である
ものが好ましく、より好ましくは300〜600g/m
2が使用される。しかし、各種用途により、使用範囲が
異なり、例えば、液吸収性物品の表面材等の場合、5〜
60g/m2、吸収性物品及びワイパー、或いは衣類の
充填材等の場合、10〜500g/m2、フィルターの
場合、8〜1000g/m2である。
【0018】本発明の短繊維不織布は、前記熱接着性複
合繊維等を使用し、該繊維を分散して降り積もらせるよ
うないわゆる短繊維分散落下型である例えば、エアレイ
ド法や該繊維を液体中で分散堆積させる抄造法等のウェ
ブ製造装置を用い、ウェブを形成し、更に熱処理機で熱
接着温度以上の温度で熱処理し繊維の交点を熱接着させ
ることにより得られる。ウェブ製造装置としては、繊維
を分散して降り積もらせるエアレイド法が好ましい。エ
アレイド法で得られた短繊維不織布は嵩が高くなり、不
織布の密度を小さいものとすることが容易となる。前記
のような繊維を分散して降り積もらせるようないわゆる
短繊維分散落下型である例えば、エアレイド法のウェブ
製造装置としては、例えば、前後、左右、上下、水平円
状等の何れかに振動し、短繊維を篩の目から分散落下さ
せる箱型篩タイプの装置が使用できる。又、ネット状の
金属多孔板が円筒状に成形され且つその側面に繊維の投
入口を有し、繊維をその目から分散落下させるネット状
筒型タイプの装置等が使用できる。
【0019】前記ウェブ製造装置を用い、その篩の目か
ら短繊維をランダム分散落下させ、その下部に配置され
たネットコンベアー等のようなウェブ捕集装置上に積層
するように捕集し、更に熱処理機を用い低融点成分以
上、つまり熱接着温度以上高融点成分の融点以下の温度
に加熱し短繊維の交点を接着し、本発明の短繊維不織布
とする。前記ウェブの熱処理機は、エアースルー型熱処
理機、エンボスロール型熱処理機、フラットロール型熱
処理機等及び、その何れかの組合せた装置等が使用でき
る。特にエアースルー型熱処理機を用いた場合、嵩高な
不織布が得られる。
【0020】本発明の短繊維不織布は、繊維長の極めて
短い短繊維を使用しているので、各々の繊維が種々異方
性を持ってランダムな分散配列をして積層されている。
この状態で複合繊維同士の交点が熱接着されているので
構造的に極めて通水性に適したマトリクス構造が形成さ
れているのである。しかも30〜80デニールという比
較的中繊度領域の繊維を使用しているので、従来吸収性
物品で使用されるような10デニール未満の細繊度と比
較して、剛性率が高いので荷重付加してもマトリクス構
造が破壊されにくい。その結果、圧縮回復率が大きくな
る。従って、吸収性物品を貯蔵時または運搬時にコンパ
クト化させても、嵩回復性に優れるので、良好な通水性
を維持することができるのである。このため、尿、経血
などを吸収体内部へ速く通水させるので肌触り感にも優
れる。
【0021】本発明の短繊維不織布は、それ単独で又は
他の様々なシート、例えば他の不織布、液吸収体、布、
フィルム、木質板、金属板等と併用し、様々な複合形態
例えば、積層、縫製、熱接着等をし、本発明の短繊維不
織布積層体を得ることができる。この様にして得られた
本発明の短繊維不織布、若しくは短繊維不織布積層体は
各種の用途に使用できる。例えば、本発明の吸収性物品
としては、使い捨てオムツの一部材として使用する場
合、吸水速度と吸水保持の両方が要求される部位、例え
ば吸収体、トップシート等を挙げることができる。もち
ろんオムツ等に使用する場合、胴部や脚部を密着させる
ための伸縮部材等、他の部材と併用し、種々の部位例え
ば、表面材、カバー材、裏面材等での使用ができる。
【0022】本発明の吸収性物品として、本発明の短繊
維不織布を紙オムツ等の液吸収性物品の材料として使用
することができる。その様な吸収性物品の具体例として
尿及び軟便等を吸収する新生児用紙オムツ、尿を主とし
て吸収する幼児用紙オムツ、生理用ナプキン、傷パッ
ト、汗取りパット、液を吸い取るワイパー、液を吸い取
るシート等が例示できる。要は液を吸収する物品であれ
ばよい。
【0023】本発明の短繊維不織布を用いた吸収性物品
は、吸収性物品として使用する際に、通液速度が優れて
いるため液状物の吸収性が良好で且つ、圧縮回復率が優
れていることにより、着用時にかかる微加圧時でも吸収
性を保持することができる。
【0024】本発明のワイパーは、各種の潤滑剤等を付
着させる事が可能であり、家具、車等に使用することが
できる。例えば、繊維径が10μm以下の極細繊維不織
布と短繊維不織布が積層されその両層が接着された複合
構造の不織布積層体とすることができる。この複合構造
の不織布積層体はワイパーや、紙オムツ等に使用でき
る。また、短繊維不織布をひだ折りしたり、さらに筒状
に成形したり、短繊維不織布を巻いて筒状に成形した
り、短繊維不織布を加熱しながら巻いて、その層が熱接
着した筒状に成形する等の後加工で濾材とすることがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中に示された物性値の測定法または定義をま
とめて示しておく。 捲縮数:JIS-L-1015に準じて測定した。 単糸繊度:JIS-L-1015に準じて測定した。 目付:50cm角に切った成形体の重量を秤量し、単位面積
当たりの重量(g/m2)で表わした。 密度:以下の式によって求めた。 密度(g/cm3)=1/{厚み(mm)/目付(g/
2)×1000} 圧縮回復率:10cm×10cmに切った不織布成形体
の厚み(A)を測定し、5kgのおもりを載せ24時間
放置後、おもりを取り除き15分後の厚み(B)を測定
し、荷重前後での厚みの変化を以下の式で表した。 圧縮回復率(%)=(B)/(A)×100 通液速度:リキッドストライクスルータイム法(EDA
NA−ERT §150.3)に準じて、試験溶液を人
工尿(72mN/m、20℃)、測定液量を15mlと
して測定した。単位は、秒である。即ち試験溶液が15
ml通液する時間(秒)で表したものである。
【0026】「実施例1〜11、比較例1〜6」第1表
に示す、第1成分と第2成分を使用し、鞘芯型若しくは
並列型紡糸口金を用いて複合繊維とし、所定の長さにカ
ットして、第1表に示す条件で加工を施して短繊維不織
布を得た。紡糸は、紡糸温度については、PPが250
℃,PETが300℃、PEが220℃(鞘芯に関わら
ず)で、鞘芯比を5:5(重量比)で溶融紡糸した。
尚、実施例2は同様の条件で並列型に紡糸した。延伸
は、ロール温度を100℃として、3〜5倍の延伸倍率
でクリンパーを用いて捲縮を付与した。ただし、実施例
2の場合はクリンパーを用いず自然捲縮とした。結果は
第1表に示し、第1表に示した短繊維不織布の通液速度
を第2表に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例12 実施例1の不織布を15cm×15cmのサイズにカッ
トし、同サイズのポリエチレンフィルムと積層し、12
5℃でエンボス熱処理を施して床拭き掃除用ワイパーと
した。
【0030】実施例13 実施例1の不織布を10cm×25cmのサイズにカッ
トし、カットした不織布全体をティッシュペーパーで包
んで紙おむつ用吸収体とした。
【0031】実施例14 実施例1の不織布の片面に目付10g/m2のメルトブ
ローン不織布を熱接着させ短繊維不織布積層体とし10
cm×25cmのサイズにカットし、カットした不織布
全体をティッシュペーパーで包んで紙おむつ用吸収体と
した。
【0032】比較例6 比較例1の不織布を15cm×15cmのサイズにカッ
トし、同サイズのポリエチレンフィルムと積層し、12
5℃でエンボス熱処理を施して床拭き掃除用ワイパーと
した。
【0033】比較例7 比較例2の不織布を15cm×15cmのサイズにカッ
トし、同サイズのポリエチレンフィルムと積層し、12
5℃でエンボス熱処理を施して床拭き掃除用ワイパーと
した。
【0034】比較例8 比較例1の不織布を10cm×25cmのサイズにカッ
トし、カットした不織布全体をティッシュペーパーで包
んで紙おむつ用吸収体とした。
【0035】比較例9 比較例2の不織布を10cm×25cmのサイズにカッ
トし、カットした不織布全体をティッシュペーパーで包
んで紙おむつ用吸収体とした。
【0036】第2表から明らかな通り、本発明の短繊維
不織布は通水性に優れるとともに、外観上地合が良好で
あり、吸収性物品としても有効である。比較例1〜5
は、短繊維不織布内の空隙サイズが良好でないために、
通水速度が小さくなる。比較例1は、短繊維不織布の密
度が0.13であるために、不織布内の空隙サイズが小
さくなっている。比較例2、3は、繊維のデニールが細
いために、圧縮回復率が63%、71%となり、不織布
内の空隙サイズが均一でなく、部分的に偏りができて通
水速度が小さくなる。また、空隙のサイズが小さくな
る。従って、溶液の通液時の抵抗が大きくなり、通液速
度が小さくなる。また、さらに粘度が高い溶液では、よ
り一層通液速度が小さくなる。比較例4は、繊維に捲縮
がないため、密度が0.19g/cm3となり、空隙サ
イズが非常に小さくなるため、通水速度が著しく低下す
る。比較例5に関しては、繊維長が長いために通水速度
が小さくなっている。
【0037】実施例12と比較例6、7を比較すると、
実施例12は通水速度が比較例6、7より大きいため、
ワイパーとして使用した場合余分な水分の除去が迅速で
且つ、作業性が著しく向上した。また、比較例7は、圧
縮回復率が低いため、ワイパーとして使用した場合、形
状の維持が難しく、目的とする拭き取り等の効果が著し
く低下してしまう。
【0038】実施例13、14と比較例8、9を比較す
ると、実施例13、14は通液速度が大きいため、吸収
体として向いており、更には空隙サイズが良好であるた
め、尿のみならず軟便等でも十分な吸収性効果も得られ
る。また、通液速度が大きいことにより、表面での濡れ
感が発現せず、オムツとして必要とされる項目である不
快感を抑えることができる。
【0039】
【本発明の効果】本発明で開示された短繊維不織布は、
従来から製造が困難であった嵩高で、良好な地合を有
し、高い圧縮回復率と通液速度を有する極めて高機能な
不織布であり、各種吸収性物品、ワイパー、フィルター
に有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱接着性複合繊維からなる短繊維がラン
    ダムに分散配列されて堆積し、且つ繊維交点が熱接着さ
    れている不織布であって、該熱接着性複合繊維は顕在捲
    縮を有し、且つ繊維長が3〜40mm、繊度が30〜8
    0デニールであり、該不織布の密度が0.1g/cm3
    以下で、圧縮回復率80%以上であることを特徴とする
    短繊維不織布。
  2. 【請求項2】 熱接着性複合繊維が、融点差が10℃以
    上である低融点樹脂と高融点樹脂からなり、且つ低融点
    樹脂が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して
    形成された熱接着性複合繊維である請求項1に記載の短
    繊維不織布。
  3. 【請求項3】 熱接着性複合繊維が低融点樹脂としてポ
    リエチレンを用い、高融点樹脂としてポリプロピレンを
    用いた複合繊維である請求項1または2に記載の短繊維
    不織布。
  4. 【請求項4】 熱接着性複合繊維が低融点樹脂としてポ
    リオレフィンを用い、高融点樹脂としてポリエチレンテ
    レフタレートを用いた複合繊維である請求項1または2
    に記載の短繊維不織布。
  5. 【請求項5】 熱接着性複合繊維が捲縮数3〜20山/
    25mmである請求項1〜4の何れかに記載の短繊維不
    織布。
  6. 【請求項6】 短繊維不織布が、エアレイド法により得
    られる不織布である請求項1〜5の何れかに記載の短繊
    維不織布。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の短繊維不
    織布とシートを積層熱処理して得られる短繊維不織布積
    層体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載の短繊維不
    織布若しくは請求項7に記載の短繊維不織布積層体を用
    いた吸収性物品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6の何れかに記載の短繊維不
    織布若しくは請求項7に記載の短繊維不織布積層体を用
    いたワイパー。
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