JP2000328128A - スラグカット用耐火成形物とその成形方法 - Google Patents

スラグカット用耐火成形物とその成形方法

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JP2000328128A
JP2000328128A JP12950299A JP12950299A JP2000328128A JP 2000328128 A JP2000328128 A JP 2000328128A JP 12950299 A JP12950299 A JP 12950299A JP 12950299 A JP12950299 A JP 12950299A JP 2000328128 A JP2000328128 A JP 2000328128A
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refractory
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slag
molded product
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JP12950299A
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English (en)
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Masahiko Hataji
正彦 畑地
Tomokazu Sakai
友和 酒井
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Kinsei Matec Co Ltd
Original Assignee
Kinsei Matec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度を有しながら焼成による乾燥工程を無
くしてエネルギーコストや設備費用を低減でき、しかも
短時間で十分乾燥した状態に成形できるようにする。 【解決手段】 粒度調整した耐火性骨材に粉末状の珪素
含有物質と珪酸アルカリ塩とを添加して所定の形状に成
形し、上記珪素含有物質と珪酸アルカリ塩との反応によ
り水分を除去して全体を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉の出鋼末期に
スラグが金属溶湯と共に流出するのを防止する目的で用
いる、ボール状やダーツ状等に形成したスラグカット用
の耐火成形物に関し、さらに詳しくは、高強度を有しな
がら焼成による乾燥工程を無くしてエネルギーコストや
設備費用を低減でき、しかも短時間で十分乾燥した状態
に成形できる耐火成形物に関する。
【0002】
【従来技術】従来、この種のスラグカット用耐火成形物
は、例えば特開平7−126734号公報に開示のよう
に、比重調整用の芯金の外表面をキャスタブル耐火物で
被覆することにより成形していた。このキャスタブル耐
火物は耐火性骨材と水硬性セメントとを混合したもの
で、これに水を加えて混練して型枠内に鋳込み、脱型し
たのち乾燥して水分が除去される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記スラグカット用耐
火成形物は、取扱い時の強度や溶鋼流による摩耗等への
耐用性から高強度が要求され、結合材である水硬性セメ
ントにはアルミナセメントが用いられる。このアルミナ
セメントは混練水を多く必要とし、成型硬化後の含水量
(自由水及び結晶水)が多くなるが、スラグカット用耐火
成形物に水分が多く残っていると転炉内へ投入したとき
に急激な脱水を生じ、溶鋼中でボイリングや、割れ、爆
発等を引き起こしてスラグカットを効率よく行えなくな
る虞れがある。
【0004】そこで、上記乾燥は、例えば24時間程度
自然乾燥したのち300〜500℃に保持した乾燥炉に
3〜5時間入れて焼成するなど、十分に水分を除去する
必要があり、特に成形物が大型化した場合は乾燥不良を
生じないように乾燥温度を高めたり焼成による乾燥時間
を長くしたりする必要がある。この結果、焼成のための
設備コストやエネルギーコストが高価につくうえ、作業
工程が長時間化する問題があった。また、含水量を多く
して硬化させた場合には、多量の水分の蒸発により気孔
率が増加し、成形体の強度や耐熱耐食性が低下を来す虞
れもあった。
【0005】本発明は上記問題点を解消し、高強度を有
しながら焼成による乾燥工程を無くしてエネルギーコス
トや設備費用を低減でき、しかも短時間で十分乾燥した
状態に成形できるスラグカット用耐火成形物を提供する
ことを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、スラグカット用耐火成形物を次のように構成
したものである。すなわち本発明は、粒度調整した耐火
性骨材に粉末状の珪素含有物質と珪酸アルカリ塩とを添
加して所定の形状に成形し、上記珪素含有物質と珪酸ア
ルカリ塩との反応により水分を除去して全体を硬化させ
たことを特徴とする。
【0007】上記耐火性骨材としては、シャモット、ム
ライト、コランダム、ロウ石、シリマナイト、ジルコ
ン、ジルコニヤ、クロム鉱石、カンラン石、マグネシ
ヤ、クロムマグネシヤ、珪石、溶融シリカ、ルチール、
砂鉄などや、これらを含む耐火レンガ屑等、耐火物とし
て一般に使用されるものから適宜単独または2種以上を
組み合わせて用いることができるが、耐火性を有する骨
材であればよく、これらに限定されるものではない。な
お、この耐火性骨材の粒度は、通常、50mm以下に調整
して使用される。また、これら耐火性骨材は通常は乾燥
状態で用いられるが、屋外での貯蔵状態等により10%
以下の水分を含んでいる場合には、配合材を調節するこ
とにより十分に硬化させて適用可能な成形体を作成する
ことができる。
【0008】上記スラグカット用耐火成形物は、スラグ
よりは重く、溶鋼よりは軽くなるように、全体の比重が
2.7〜5.5に調整される。上記耐火性骨材の比重が軽
い場合には、成形物の内部に比重調整材が配置される。
上記比重調整材は、鋼材などで丸状や角状等に形成した
芯金を用いてもよく、高比重の耐火物、例えば比重4以
上のクロム鉱石、ジルコン、砂鉄、粒状や繊維状、粉末
状の鉄等を骨材と兼用させてもよい。なお、金属である
鉄を用いる場合は、骨材中の1〜90重量%、好ましく
は10〜50重量%の耐火物に置き換えて使用される。
【0009】上記珪素含有物質とは、例えば金属シリコ
ン、フェロシリコン、カルシウムシリコン等の、珪素、
珪素を含む合金および珪化物のうちの少なくとも一種で
あればよい。この珪素含有物質は、Si値が50%以上
で粒度が150μm以下のものを使用すると、耐火性骨
材間へ確実に分散できるので、硬化後の成形物の強度を
高めるうえで有利である。なお上記珪素含有物質は、上
記耐火性骨材に対して0.5〜10重量%添加される。
【0010】上記珪酸アルカリ塩は、ソーダ水ガラスや
カリ水ガラス等の液状水ガラスと、メタ珪酸ソーダやメ
タ珪酸カリ等の結晶性水ガラスとのいずれかを用いるこ
とができ、また、硬化時間や作業性等の調節のために液
状水ガラスと結晶性水ガラスの両者を混合して用いても
よい。これらの珪酸アルカリ塩は、耐火性骨材に対して
1〜15重量%が添加される。
【0011】上記液状水ガラスはJIS1号、2号、3
号のものを適用でき、比重は1.7〜1.1の範囲が使用
される。この液状水ガラスを用いた場合、耐火性骨材や
珪素含有物質との混練物は粘りのある状態となる。この
ため、型枠への充填は突き固めやスタンプ成型、プレス
成型などで行われるが、上記混合物の保形性が良いの
で、例えば成型直後であっても型崩れを起こさずに抜型
でき、型枠による成型効率を向上させることができる。
これらの液状水ガラス100重量部に対し、1〜60%
濃度の苛性ソーダ又は苛性カリ溶液を1〜100重量部
の範囲で添加すると硬化を促進できるので反応速度を調
節することができる。また、比重が1.4〜1.6のJI
S2号の液状水ガラスを用いる場合、この液状水ガラス
100重量部に対し40〜50%濃度の苛性ソーダを4
5〜65重量部添加すると、混練中に結晶性の珪酸ソー
ダが生成し、混練物の流動性が向上するので型枠内への
成形作業等が容易となる。
【0012】また、上記結晶性水ガラスを用いる場合、
反応速度を高める目的で水を0.1〜5.0重量%添加す
るとよい。この結晶性水ガラスを用いた場合、耐火性骨
材や珪素含有物質との混合物は流動性のある乾式又は半
乾式状態となり、型枠内へ流し込みにより充填して成形
できるので成形作業を簡略にできる。またこの場合、バ
イブレータ等の補助的な振動機具を使用すると充填性は
更に向上し、硬質の成形体を得るのに有利となる。
【0013】混合した各材料を型枠に充填して成型する
際、早期に抜型して成形効率を高めるために、賦形材を
0.1〜5.0重量%添加しておいて離型の際の型崩れを
防止してもよい。これらの賦形材としては、ベントナイ
ト、モンモリロナイト、耐火粘土、でんぷん、デキスト
リン、PVA、酢酸ビニルエマルジョン等をあげること
ができる。
【0014】
【作用】耐火性骨材に添加した珪酸アルカリ塩は粘結剤
として作用するが、その一部が次式のように加水分解を
起こしていると考えられる。即ち、液状水ガラスはその
一部が次式(1)の加水分解を起こしてアルカリと酸とに
分解されており、生成した珪酸はゾルになっていると考
えられる。
【0015】
【数1】
【0016】一方、結晶性水ガラスであるメタ珪酸ソー
ダの場合は、次式(2)及び(3)のように反応していると
考えられる。
【0017】
【数2】
【0018】
【数3】
【0019】上記遊離のH2SiO3はさらに大きな分子
を形成して、重合あるいは水の放出により縮合を起こす
ことになり、場合によってはゲルを生成することが知ら
れている。
【0020】一方、上記粉末状の珪素含有物質は硬化剤
として作用し、この珪素含有物質中の珪素が上記各反応
により生じた苛性ソーダと次式(4)のように反応して珪
酸ソーダと水素ガスを発生する。
【0021】
【数4】
【0022】この(4)式の反応により苛性ソーダが消費
されると上記(1)〜(3)式の平衡が破れて右辺側へ移行
し、苛性ソーダを生じて更に珪素との反応が継続的に進
行し、ゾル状の珪酸分がしだいに増加して行くと考えら
れる。
【0023】上記(4)式の反応は発熱反応であり、例え
ば型枠による成型後20〜120分程度経過すると発熱
して80℃以上になり、水蒸気が激しく発生する。この
結果、成形体に含まれる水分は上記反応の分解と上記蒸
発作用とにより内部から全体に亘って除去され、例えば
残留水分が1%以下となる。そして、この水分の除去に
より上記ゾル状の珪酸がゲル状となって上記耐火性骨材
が強固に結合され、例えば30kgf/cm2以上の高い強度
が得られる。なお、珪酸カリの場合も同様の発熱脱水硬
化反応が生ずると考えられる。
【0024】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1から図5は本発明の第1実施形態を示
し、図1はスラグカットボールに適用した場合の耐火成
形物の斜視図、図2はスラグカットダーツに適用した場
合の耐火成形物の斜視図、図3は上記スラグカットダー
ツの断面図、図4はスラグカットボールを転炉に使用し
た場合の説明図、図5はスラグカットダーツを転炉に使
用した場合の説明図である。
【0025】この第1実施形態の耐火成形物(1)は比重
調整用の芯金を用いておらず、50mm以下に粒度調整し
た耐火性骨材として、真比重が4以上のクロム鉱石やジ
ルコン、そのレンガ屑、鉄切り粉、粒等を単独で又は複
数種を組み合わせて用いる。そしてこの耐火性骨材に、
硬化剤として粉末状の珪素含有物質と、粘結剤として珪
酸アルカリ塩を添加し、さらに必要に応じて水や苛性ソ
ーダを添加してモルタルミキサー等で混合し、これを型
枠内に充填して突き固め、スタンプ成型、プレス成型等
の手段によって、図1に示すスラグカットボール(1a)や
図2に示すスラグカットダーツ(1b)のヘッド部(15)の形
状に成型する。
【0026】図3に示すように、上記スラグカットダー
ツ(1b)のヘッド部(15)に取り付ける脚部(16)は、例えば
直径50mm、長さ1150mmの紙管(12)内に直径10mm
の鉄筋(17)を配置し、この鉄筋(17)の周囲に各材料の混
合物を充填して硬化させる。この混合物の充填は、投入
作業を容易にし、充填性を向上させるために流動性のあ
る状態が要求される。従って、この脚部(16)に充填する
混合物は5mm以下の骨材を使用して調製するのがより好
ましい。またこの混合物の充填は、少量ずつ充填する操
作を繰り返すのが好ましく、この場合に補助手段として
振動機具を使用すれば充填性が一層向上して優れた硬化
物を得ることができる。なお、ここでは紙管(12)を用い
て脚部を成型する場合について説明したが、これに代え
て金型や木型、樹脂型等の半割り型を使用して脚部を成
型し、硬化させたのち離型して成型体にしてもよい。
【0027】上記成型されたヘッド部(15)と脚部(16)
は、図2や図3に示すように、ヘッド部(15)の上面から
鉄筋(17)の一部が突出する状態に組みつけられ、上記混
合物やキャスタブルからなる接着剤(13)で固定される。
なお、ヘッド部(15)の上面から突出した鉄筋(17)の上部
は把持部(9)を構成している。
【0028】次に、上記スラグカットボール(1a)やスラ
グカットダーツ(1b)の使用操作について説明する。上記
スラグカットボール(1a)には上部に吊り具(2)が突設さ
れており、この吊り具(2)を掴んで搬送され、図4(a)
に示すように転炉(3)内に投入される。このスラグカッ
トボール(1a)全体のかさ比重は溶鋼(4)よりも軽いがス
ラグ(5)よりも重く、例えば3.5〜5.5に調整されて
おり、溶鋼(4)とスラグ(5)のほぼ中間を浮遊してい
る。溶鋼(4)を取鍋(6)などへ流出していくとスラグカ
ットボール(1a)は出鋼口(7)を徐々に塞ぐ状態になる。
そして図4(b)に示す出鋼後の状態では、スラグカット
ボール(1a)が出鋼口(7)を塞いでしまうのでスラグ(5)
は転炉(3)内にとり残される。
【0029】また、上記スラグカットダーツ(1b)は、上
部に突出する把持部(9)掴んで図5(a)に示すように転
炉(3)内に投入される。このときスラグカットダーツ(1
b)の下部に延設した脚部(16)が出鋼口(7)内に挿入され
るので、図5(b)に示す出鋼終了時にはこの出鋼口(7)
がスラグカットダーツ(1b)で正確に閉塞され、スラグ
(5)は転炉(3)内にとり残される。
【0030】図6及び図7は、内部に比重調整用の芯金
を配置した、本発明の第2実施形態のスラグカット用耐
火成形物を示し、図6はスラグカットボールに適用した
場合の耐火成形物の断面図、図7はスラグカットダーツ
に適用した場合の耐火成形物の断面図である。
【0031】図6に示すように、このスラグカットボー
ル(1a)は、内部に比重調整用の鋼鉄製芯金(11)を配置し
て成形してあり、全体のかさ比重が3.5〜5.0となる
ように調整してある。上記スラグカットボール(1a)は、
芯金(11)を型枠内に配置してこの芯金(11)の周囲に、5
0mm以下の粒度に調整した耐火性骨材と珪素含有物質と
珪酸アルカリ塩との混合物を充填し、上記珪素含有物質
と珪酸アルカリ塩との反応により硬化させて成形体に成
型される。
【0032】前記第1実施形態では真比重が4以上の耐
火性骨材を用いたが、この第2実施形態では内部に比重
調整材として芯金を配置してあるので、上記耐火性骨材
にはシャモット、ムライト、マグネシア等の比較的真比
重の小さいものを使用することが多い。なお、上記鋼鉄
製芯金(11)の外面には金属製のフック(14)が溶接により
取り付けてあり、上記混合物と良好に一体化させてあ
る。また、ここでは直方体状の芯金(11)を用いたが、円
柱状や球状など他の形状の芯金を用いてもよいことは言
うまでもない。
【0033】図7に示すスラグカットダーツ(1b)には、
ヘッド部(15)の内部に比重調整用の鋼鉄製芯金(11)を配
置してあり、全体のかさ比重が3.5〜5.0となるよう
に調整してある。脚部(16)の成型やヘッド部(15)との組
付けは前記第1実施形態と同様であり、説明を省略す
る。
【0034】次に、真比重が比較的大きい骨材を多く用
いる前記第1実施形態について、耐火性骨材や珪素含有
物質、珪酸アルカリ塩等の原料組成を具体的に設定して
硬化させ、これら実施例の硬化条件や強度、残留水分等
について従来技術のものと比較した。なお、比較試験
は、耐火性骨材10kgに対して所定量の珪素含有物質と
珪酸アルカリ塩を添加し、さらに必要に応じて水や苛性
ソーダを添加したのちモルタルミキサーで混合し、この
混合物を内径200mm、高さ150mmの型枠内、又は内
径50mm、長さ1150mmの型枠内に充填して成型し
た。発熱温度はこの成形体の中心部に温度計を差し込ん
で測定した。又、成型時に内径50mm、高さ50mmの塩
ビパイプ(割型)を上記型枠内に配置しておき、硬化後に
これを成形体から切り出して硬化物の強度と残留水分を
測定した。
【0035】
【実施例1】耐火性骨材としてクロム鉱石(粒度50mm
以下)を用い、これに液状水ガラスを5重量%、珪素合
金粉末を3重量%添加して混合し、この混合物を型枠に
充填した。上記混合物は最高90℃まで発熱しながら4
5分で硬化し、この硬化物の圧縮強度は50kgf/cm2
残留水分は0.9%であった。
【0036】
【実施例2】耐火性骨材としてクロム鉱石(粒度3mm以
下)を用い、これに結晶性水ガラスを5重量%、珪素合
金粉末を3重量%添加して混合し、この混合物を型枠に
充填した。上記混合物は最高95℃まで発熱しながら7
0分で硬化し、この硬化物の圧縮強度は50kgf/cm2
残留水分は0.6%であった。
【0037】
【実施例3】耐火性骨材としてクロム鉱石(粒度3mm以
下)を用い、これに結晶性水ガラスを4重量%、珪素合
金粉末を3重量%、水を1重量%添加して混合し、この
混合物を型枠に充填した。上記混合物は最高90℃まで
発熱しながら80分で硬化し、この硬化物の圧縮強度は
45kgf/cm2、残留水分は0.7%であった。
【0038】
【実施例4】耐火性骨材としてクロム鉱石(粒度50mm
以下)を用い、これに液状水ガラスを3重量%、金属珪
素粉末を3重量%、水を4重量%添加して混合し、この
混合物を型枠に充填した。上記混合物は最高85℃まで
発熱しながら70分で硬化し、この硬化物の圧縮強度は
50kgf/cm2、残留水分は1.0%であった。
【0039】
【実施例5】耐火性骨材としてクロム鉱石(粒度3mm以
下)を用い、これに液状水ガラスを3重量%、珪素合金
粉末を3重量%、50%濃度の苛性ソーダを2重量%添
加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上記混合
物は最高90℃まで発熱しながら70分で硬化し、この
硬化物の圧縮強度は40kgf/cm2、残留水分は0.8%で
あった。
【0040】
【実施例6】耐火性骨材としてジルコンレンガ屑(粒度
10mm以下)を用い、これに液状水ガラスを5重量%、
珪素合金粉末を3重量%添加して混合し、この混合物を
型枠に充填した。上記混合物は最高90℃まで発熱しな
がら80分で硬化し、この硬化物の圧縮強度は50kgf/
cm2、残留水分は0.9%であった。
【0041】
【実施例7】耐火性骨材としてクロム鉱石(粒度3mm以
下)70重量%と粒度5mm以下の鉄切り粉30重量%と
の混合物を用い、これに液状水ガラスを5重量%、珪素
合金粉末を3重量%添加して混合し、この混合物を型枠
に充填した。上記混合物は最高85℃まで発熱しながら
85分で硬化し、この硬化物の圧縮強度は50kgf/c
m2、残留水分は0.8%であった。
【0042】
【比較例1】クロム鉱石(粒度50mm以下)85重量%に
アルミナセメント15重量%を混合し、これに水を7重
量%添加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上
記混合物は硬化まで12時間の養生が必要であったが、
この硬化物の圧縮強度は25kgf/cm2、残留水分は3.5
%であった。
【0043】上記実施例1〜7と比較例1の試験結果を
対比して図8に示す。上記対比から明らかなように、本
発明の各実施例では従来法による比較例に比べて硬化に
要する時間が著しく短縮されており、成型に要する工数
を大幅に減少することができる。また、圧縮強度につい
ても比較例よりも高く、実用上有利である。さらに、硬
化後の形成体中の残留水分は1%以下と低い値を示して
おり、硬化前に含まれていた最大5%程度の水分は、硬
化時の80℃以上の発熱反応によってその殆どが消費さ
れ蒸発していることが明らかである。この結果、前記従
来技術では必要であった焼成による乾燥が不要となるの
で、安価に実施することができる。
【0044】上記実施例1〜7の各原料組成でそれぞれ
3kgの成形体を成型して脱型し、この成形体を1500
℃に加温した電気炉に入れて急加熱したところ、亀裂の
発生は認められなかった。またこれらの各原料組成で4
0kgのスラグカットダーツのヘッド部と6kgの脚部を成
形して組付け、これを転炉内に投入して状態を調べたと
ころ、破損や爆発等の異常は何ら認められず、高いスラ
グカット率を達成することができた。
【0045】次に、真比重が比較的小さい骨材を多く用
いる前記第2実施形態についても、耐火性骨材や珪素含
有物質、珪酸アルカリ塩等の原料組成を具体的に設定し
て硬化させ、これら実施例の硬化条件や強度、残留水分
等について、上記第1実施形態の場合と同様の測定方法
で従来技術のものと比較した。
【0046】
【実施例8】耐火性骨材としてシャモットを用い、これ
に液状水ガラスを6重量%、珪素合金粉末を2.5重量
%添加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上記
混合物は最高90℃まで発熱しながら50分で硬化し、
この硬化物の圧縮強度は45kgf/cm2、残留水分は0.9
%であった。
【0047】
【実施例9】耐火性骨材としてムライトを用い、これに
液状水ガラスを5重量%、珪素合金粉末を2.5重量%
添加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上記混
合物は最高85℃まで発熱しながら60分で硬化し、こ
の硬化物の圧縮強度は50kgf/cm2、残留水分は0.8%
であった。
【0048】
【実施例10】耐火性骨材としてコランダムを用い、こ
れに液状水ガラスを5重量%、珪素合金粉末を2.5重
量%添加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上
記混合物は最高87℃まで発熱しながら60分で硬化
し、この硬化物の圧縮強度は45kgf/cm2、残留水分は
0.7%であった。
【0049】
【実施例11】耐火性骨材としてクロムマグネシアレン
ガを用い、これに液状水ガラスを2重量%、結晶性水ガ
ラスを5重量%、珪素合金粉末を3重量%、水を1重量
%添加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上記
混合物は最高85℃まで発熱しながら60分で硬化し、
この硬化物の圧縮強度は40kgf/cm2、残留水分は0.7
%であった。
【0050】
【実施例12】耐火性骨材としてジルコンシャモットレ
ンガを用い、これに液状水ガラスを5重量%、珪素合金
粉末を3重量%、50%濃度の苛性ソーダを2重量%、
水を1重量%添加して混合し、この混合物を型枠に充填
した。上記混合物は最高90℃まで発熱しながら70分
で硬化し、この硬化物の圧縮強度は50kgf/cm2、残留
水分は0.8%であった。
【0051】
【実施例13】耐火性骨材としてシャモット70重量%
と5mm以下の鉄切り粉30重量%との混合物を用い、こ
れに液状水ガラスを6重量%、金属珪素粉末を3重量%
添加して混合し、この混合物を型枠に充填した。上記混
合物は最高90℃まで発熱しながら50分で硬化し、こ
の硬化物の圧縮強度は50kgf/cm2、残留水分は0.9%
であった。
【0052】
【比較例2】シャモットを骨材とするキャスタブルに水
を10重量%添加して混合し、この混合物を型枠に充填
した。上記混合物は硬化まで12時間の養生が必要であ
り、この硬化物の圧縮強度は20kgf/cm2、残留水分は
4.0%であった。
【0053】上記実施例8〜13と比較例2の試験結果
を対比して図9に示す。上記対比から明らかなように、
本発明の第2実施形態においても、上記第1実施形態の
場合と同様、上記各実施例のものは従来法による比較例
に比べて硬化に要する時間が著しく短縮されており、圧
縮強度についても従来の比較例よりも高く、硬化後の形
成体中の残留水分も1%以下であった。
【0054】上記実施例8及び実施例9の各原料組成で
それぞれ3kgの成形体を成型して脱型し、この成形体を
1500℃に加温した電気炉に入れて急加熱したとこ
ろ、亀裂の発生は認められなかった。またこれらの各原
料組成で90kgのスラグカットボールを成形し、これを
転炉内に投入して状態を調べたところ、前記第1実施形
態のものと同様、破損や爆発等の異常は何ら認められ
ず、高いスラグカット率を達成することができた。
【0055】なお、上記各実施形態ではスラグカットボ
ールやスラグカットダーツについて説明したが、本発明
はスラグカットに用いる耐火成形物であればよく、特定
の形状に限定されない。また、芯金の形状や構造、耐火
性骨材や珪素含有物質、珪酸アルカリ塩等の種類、配合
組成等は、上記実施形態のものに限定されないことはい
うまでもない。
【0056】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0057】(イ)耐火性骨材等を混合して形成した成
形体に含まれる水分は、添加した珪素含有物質と珪酸ア
ルカリ塩との反応による分解と発熱作用により減少し蒸
発することから、外部からの加熱を要することなく成形
体全体から除去でき、短時間で十分乾燥した状態に成形
することができる。即ち、前記従来技術で必要とされた
焼成工程が不要となり、設備コストやエネルギーコスト
を軽減できるうえ、成形に要する期間を短縮することが
できる。
【0058】(ロ)粉末状の珪素含有物質と珪酸アルカ
リ塩との反応により硬化した成形体は、例えば30kgf/
cm2以上の高い強度が得られ、しかも十分に乾燥してい
ることから溶鋼への投入によっても破損等の異常を何ら
生じることがなく、高いスラグカット率を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、スラグカットボ
ールに適用した場合の耐火成形物の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す、スラグカットダ
ーツに適用した場合の耐火成形物の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す、スラグカットダ
ーツに適用した場合の耐火成形物の断面図である。
【図4】スラグカットボールを転炉に使用した場合の説
明図であり、図4(a)は出鋼状態を示し、図4(b)は出
鋼後の状態を示す。
【図5】スラグカットダーツを転炉に使用した場合の説
明図であり、図5(a)は出鋼状態を示し、図5(b)は出
鋼後の状態を示す。
【図6】本発明の第2実施形態を示す、内部に芯金を配
置したスラグカットボールに適用した場合の耐火成形物
の縦断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示し、内部に芯金を配
置したスラグカットダーツに適用した場合の耐火成形物
の断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態における、各原料成分を
所定の配合に設定した場合の成形条件と物性を示す対比
表である。
【図9】本発明の第2実施形態における、各原料成分を
所定の配合に設定した場合の成形条件と物性を示す対比
表である。
【符号の説明】
1…スラグカット用耐火成形物、 1a…スラグカットボール、 1b…スラグカットダーツ、 2…吊り具、 3…転炉、 4…溶鋼、 5…スラグ、 6…取鍋、 7…出鋼口、 9…把持部、 11…芯金、 12…紙管、 13…接着剤、 14…金属製フック、 15…スラグカットダーツ(1b)のヘッド部、 16…スラグカットダーツ(1b)の脚部、 17…鉄筋。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度調整した耐火性骨材に粉末状の珪素
    含有物質と珪酸アルカリ塩とを添加して所定の形状に成
    形し、 上記珪素含有物質と珪酸アルカリ塩との反応により水分
    を除去して全体を硬化させたことを特徴とする、スラグ
    カット用耐火成形物。
  2. 【請求項2】 内部に比重調整材を配置した、請求項1
    に記載のスラグカット用耐火成形物。
  3. 【請求項3】上記耐火性骨材の粒度を50mm以下に調整
    した、請求項1又は請求項2に記載のスラグカット用耐
    火成形物。
  4. 【請求項4】上記珪素含有物質のSi値を50%以上と
    し、その粒度を150μm以下とした、請求項1から請
    求項3のいずれか1項に記載のスラグカット用耐火成形
    物。
  5. 【請求項5】 上記珪素含有物質の添加量を0.5〜1
    0重量%とし、珪酸アルカリ塩の添加量を1〜15重量
    %とした、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載
    のスラグカット用耐火成形物。
  6. 【請求項6】上記珪酸アルカリ塩を液状水ガラスで構成
    し、この液状水ガラスに苛性ソーダまたは苛性カリを添
    加した、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の
    スラグカット用耐火成形物。
  7. 【請求項7】粒度調整した耐火性骨材に粉末状の珪素含
    有物質と珪酸アルカリ塩とを添加して混合したのち所定
    形状に成形し、 上記珪素含有物質と珪酸アルカリ塩とを反応させて水分
    を消費するとともにその反応熱で水分を蒸発させること
    により、水分を除去して全体を硬化させることを特徴と
    する、スラグカット用耐火成形物の成形方法。
  8. 【請求項8】Si値が50%以上で粒度が150μm以
    下の珪素含有物質を用いた、請求項7に記載のスラグカ
    ット用耐火成形物の成形方法。
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