JP2000327572A - スクアレンエポキシダーゼ阻害剤 - Google Patents

スクアレンエポキシダーゼ阻害剤

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JP2000327572A
JP2000327572A JP11136744A JP13674499A JP2000327572A JP 2000327572 A JP2000327572 A JP 2000327572A JP 11136744 A JP11136744 A JP 11136744A JP 13674499 A JP13674499 A JP 13674499A JP 2000327572 A JP2000327572 A JP 2000327572A
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squalene epoxidase
gallate
catechins
gallocatechin
epoxidase inhibitor
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JP11136744A
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English (en)
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Ikuro Abe
郁朗 阿部
Takahiro Seki
貴弘 関
Kaoru Umehara
薫 梅原
Toshio Miyase
敏男 宮瀬
Hiroshi Noguchi
博司 野口
Jun Sakakibara
順 榊原
Teruo Ono
輝夫 小野
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Mitsui Norin Co Ltd
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Mitsui Norin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクアレンエポキシダーゼに特異的に作用
し、その活性を阻害する組成物を提供すること。 【解決手段】 カテキン類を有効成分とするスクアレン
エポキシダーゼ阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクアレンエポキ
シダーゼ阻害剤に関し、詳しくはスクアレンエポキシダ
ーゼに特異的に作用し、その活性を阻害する組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】スクアレンエポキシダーゼ(EC 1.14.9
9.7) は、動植物および微生物のステロール生合成にお
ける律速酵素の一つである。本酵素が阻害されると、植
物ではシトステロールやカンペステロール等の植物ステ
ロールの、動物ではコレステロールの、微生物ではエル
ゴステロールの生合成がそれぞれ阻害される。
【0003】現在、ステロール生合成阻害剤は医薬や農
薬として幅広く利用されている。例えば、医薬として
は、メバロン酸の生合成を阻害するSimvastatin, Prava
statin, Lovastatinなどがヒトのコレステロール阻害剤
として、動脈硬化、高脂血症等の治療に使用されてい
る。また、真菌のエルゴステロール阻害剤であるイミダ
ゾール化合物は白癬やカンジダ症の治療薬として使用さ
れており、近年ではスクアレンエポキシダーゼ阻害剤で
ある terbinafine(アリルアミン抗真菌剤)が皮膚真菌
症の経口投与剤として試験されている。
【0004】一方、農薬としては、4,4−ジメチルフ
ェコステロールの合成を阻害するTriarimol, Triforin
e, Denmert などが、糸状菌のエルゴステロール阻害剤
として使用されている。
【0005】ところで、カテキン類にはラットの血漿や
肝臓におけるコレステロールレベルの上昇を抑制する作
用があることが既に知られている。例えば、Chemical a
bstracts, 95(13), p65(1981) には、ラットに高炭水化
物−高脂肪食を与えた場合に、エピカテキンが血漿およ
び肝臓のコレステロールレベル上昇を抑制することが記
載されている。また、日本栄養・食糧学会誌、39(6), 4
95-500(1986)には、ラットに高脂コレステロール食を与
えたとき、同時に摂取したエピガロカテキンガレートが
血漿および肝臓のコレステロール濃度の上昇を強く抑制
することが記載されている。
【0006】このような作用の機構に関して、カテキン
類がコレステロールの吸収を阻害することにより、糞中
へのコレステロールの排泄を促進することが示唆されて
いる。例えば、Biochimica et Biophysica Acta, 1127,
141-146(1992)には、カテキン類が腸からのコレステロ
ールの吸収を減少させることが記載されている。さら
に、特開昭60-156614 号公報には、ラットに脂質、特に
コレステロールを強制的に増加させた飼料を与えたと
き、同時に摂取したカテキン類が血中および肝臓中の脂
質、特にコレステロールの増加を顕著に抑制すること並
びに糞中のコレステロール量が増加することが記載され
ている。
【0007】上述したように、カテキン類による効果
は、該カテキン類を高コレステロール食と同時に摂取し
た場合に限られており、カテキン類の投与方法も錠剤や
カプセル剤として、もしくは飲料や食品に添加するなど
の方法で、コレステロールを多量に含む食事と同時に経
口投与する方法が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スクアレン
エポキシダーゼに特異的に作用し、その活性を阻害する
組成物の提供を目的としている。この組成物は、前記の
ような高コレステロール食と同時に摂取することを、効
果発現の条件としないものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、茶抽出物である茶
ポリフェノール、特にカテキン類が強いスクアレンエポ
キシダーゼ阻害活性を有していることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、請求項1記載の本発明
は、カテキン類を有効成分とするスクアレンエポキシダ
ーゼ阻害剤である。請求項2記載の本発明は、カテキン
類が、(−)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキ
ン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテ
キンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレート
よりなる群から選択される1種もしくは2種以上の化合
物であるスクアレンエポキシダーゼ阻害剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るカテキン類は、茶樹
(Camellia sinensis)から得られる葉、茎、木部、根、
実並びにこれらの混合物を原料とするが、通常は飲用茶
葉を原料として用いる。飲用茶葉には、その製法の相違
により、紅茶、プアール茶などの発酵茶;ウーロン茶、
包種茶などの半発酵茶;緑茶、釜煎り緑茶、ほうじ茶な
どの不発酵茶あるいはこれらの混合物があるが、本発明
にはいずれも使用することができる。
【0011】カテキン類は、上記の原料から水、熱水、
有機溶媒、含水有機溶媒などにより抽出することによっ
て得られる。その方法は、例えば特公平 1-44232号公
報、同2-12474号公報、同 2-22755号公報、特開平 4-20
589号公報、同5-260907号公報、同8-109178号公報など
に記載されている。本発明には、この茶抽出物の他、該
抽出物から有機溶媒分画や吸着樹脂などを用いて所望の
程度に精製したものも用いられる。
【0012】カテキン類としては、フラバン−3−オー
ルの基本骨格を有するカテキン類、すなわち(+)−カ
テキン、(−)−カテキン、(+)−ガロカテキン、
(+)−エピガロカテキン、(+)−ガロカテキンガレ
ート、(+)−エピガロカテキンガレート、(−)−エ
ピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−
カテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)
−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレート、
(−)−ガロカテキンガレートおよびこれらの重合体で
あるテアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガ
レートB、テアフラビンジガレート、遊離型テアフラビ
ンを挙げることができるが、本発明ではこれらのうち
(−)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、
(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキン
ガレート、(−)−エピガロカテキンガレートが好まし
く、(−)−ガロカテキンガレートと(−)−エピガロ
カテキンガレートは特に好ましい。これらのカテキン類
は、市販品を使用することができる。また、カテキン類
は単独で使用してもよく、2種以上の混合物として使用
することもできる。
【0013】本発明のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤
は、上記のカテキン類を有効成分として含有するもので
あり、その形態は使用目的により適宜に決めればよい。
例えば、動脈硬化、高脂血症等の予防・治療に用いる場
合には、粉剤、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤などとし
て経口投与する。本発明のスクアレンエポキシダーゼ阻
害剤の使用は、脂肪やコレステロールを多く含む食品と
同時に経口投与する場合に限定されるものではく、空腹
時に投与したり、点滴薬や注射剤等として応用すること
もできる。また、動脈硬化、高脂血症等の予防・治療に
適用する場合、食事療法による治療効果が現れない患者
や、食事が十分に摂れない患者に対しても本発明のスク
アレンエポキシダーゼ阻害剤は有効である。勿論、食事
療法を行っている患者についても、このスクアレンエポ
キシダーゼ阻害剤による治療を平行して実施することが
可能であり、より一層の効果が期待できる。
【0014】本発明のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤
を白癬やカンジダ症等の抗真菌剤として使用する場合に
は、有効成分であるカテキン類を含む溶液、クリーム、
軟膏等を外用薬として用いる他、前記の形態で経口投与
することにより予防・治療することができる。一方、殺
菌剤、除草剤などの農薬として使用する場合には、本発
明のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤の対象細胞への浸
透性を高めるため、各種界面活性剤や有機溶媒を併用す
ることにより、その効果を高めることができる。上記し
た各種の使用形態において、カテキン類の使用量、使用
時期などについては、目的に応じて適宜選択すればよ
い。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 0.1M トリス塩酸緩衝液(pH7.4)200μL
にスクアレンエポキシダーゼ(Nagumo et al., J.Lipid
Res., 36, 1489-1497(1995)に記載の方法で精製したも
の) 1.5μg/mL、NADPH−チトクローム P45
0 還元酵素0.05ユニット、NADPH 1mM、フ
ラビンアデニンジヌクレオチド(FAD) 0.1mM、Trit
on X-100 0.1%(v/v) を加え、酵素反応液を調製し
た。一方、精製水またはエタノール10μLに溶解した
阻害剤サンプルを用意し、これを上記酵素反応液に添加
した。酵素反応は、14C標識したスクアレン(5μM、
20000dpm)を基質として37℃で実施した。1
時間後、10%水酸化カリウムのメタノール溶液200
μLを加えて反応を停止し、ヘキサンで抽出、濃縮した
のち、反応生成物を薄層クロマトグラフィーにより分
離、さらにラジオTLCスキャナーで分析することによ
り、スクアレンから2,8−オキシドスクアレンへの変
換能を測定した。
【0016】各阻害剤サンプルのスクアレンエポキシダ
ーゼに対する50%阻害濃度を第1表に示す。表から明
らかなように、(−)−ガロカテキン、(−)−エピガ
ロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−
ガロカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキン
ガレートに強いスクアレンエポキシダーゼ阻害活性が認
められた。
【0017】
【表1】第 1 表
【0018】
【発明の効果】本発明により、茶の主要成分の一つであ
るカテキン類を有効成分として含有するスクアレンエポ
キシダーゼ阻害剤が提供される。カテキン類は天然物に
由来するものであり、安全性に問題がない。スクアレン
エポキシダーゼは、動植物の他に真菌類等の微生物に存
在することから、食品、医薬品、農薬などの幅広い分野
で使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 薫 静岡県静岡市谷田52番1号 静岡県立大学 薬学部内 (72)発明者 宮瀬 敏男 静岡県静岡市谷田52番1号 静岡県立大学 薬学部内 (72)発明者 野口 博司 静岡県静岡市谷田52番1号 静岡県立大学 薬学部内 (72)発明者 榊原 順 新潟県新潟市旭町通1番町757 新潟大学 医学部内 (72)発明者 小野 輝夫 新潟県新潟市旭町通1番町757 新潟大学 医学部内 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BA08 GA17 MA01 MA04 NA14 ZA45 ZC20 ZC33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテキン類を有効成分とするスクアレン
    エポキシダーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 カテキン類が、(−)−ガロカテキン、
    (−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレ
    ート、(−)−ガロカテキンガレートおよび(−)−エ
    ピガロカテキンガレートよりなる群から選択される1種
    もしくは2種以上の化合物である請求項1記載のスクア
    レンエポキシダーゼ阻害剤。
JP11136744A 1999-05-18 1999-05-18 スクアレンエポキシダーゼ阻害剤 Abandoned JP2000327572A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523242A (ja) * 2001-11-28 2005-08-04 ナシャイ・バイオテック・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー テアフラビン、テアフラビン−3−ガレート、テアフラビン−3’−ガレートおよびテアフラビン3,3’−ジガレートおよびそれらの混合物の製法および使用法
JP2006104213A (ja) * 2003-02-10 2006-04-20 Ito En Ltd 血清コレステロールを低下させるために用いる飲食物およびその製造方法
US8039510B2 (en) 2001-11-28 2011-10-18 Nashai Biotech, Llc Methods of making and using theaflavin, theaflavin-3-gallate, theaflavin-3′-gallate and theaflavin 3,3′-digallate and mixtures thereof
CN108904643A (zh) * 2018-08-09 2018-11-30 简能茶业开发有限公司 用于降血脂的含植物成分混合物及其制备方法与应用

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