JP2000327568A - アポトーシス誘導剤 - Google Patents

アポトーシス誘導剤

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JP2000327568A
JP2000327568A JP2000071639A JP2000071639A JP2000327568A JP 2000327568 A JP2000327568 A JP 2000327568A JP 2000071639 A JP2000071639 A JP 2000071639A JP 2000071639 A JP2000071639 A JP 2000071639A JP 2000327568 A JP2000327568 A JP 2000327568A
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ubenimex
alkoxy group
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JP2000071639A
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Inventor
Keiko Sekine
啓子 関根
Masayuki Kitagawa
正行 北川
Hideji Fujii
秀二 藤井
Masanobu Suzuki
政信 鈴木
Fuminori Abe
史紀 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新たな副作用の少ない臨床適用可能なアポトー
シス誘導剤の提供 【解決手段】一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは置換基を有してもよい低級アルキル基、置
換基を有してもよい低級アルコキシ基、アミノ基、置換
基を有してもよいモノまたはジ低級アルキルアミノ基も
しくはこれらのジ低級アルキルが環形成した(環内に酸
素原子が含まれてもよい)アミノ基、置換基を有しても
よい芳香族炭化水素低級アルキルアミノ基、置換基を有
してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい芳
香族炭化水素低級アルキル基、置換基を有してもよい芳
香族炭化水素低級アルコキシ基、置換基を有してもよい
芳香族炭化水素オキシ基、置換基を有してもよい芳香族
炭化水素アシル低級アルコキシ基または置換基を有して
もよい低級脂環式炭化水素オキシ基等を示す。〕で表わ
されるウベニメクス誘導体またはその薬理学上許容され
る塩を有効成分とするアポトーシス誘導剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品として特に
腫瘍や自己免疫疾患などアポトーシスの異常に伴う疾患
の治療に使用されるものであり、アポトーシス(細胞
死)の執行に重要とされるカスパーゼ類に属する種々の
プロテアーゼを活性化して、DNA修復酵素であるPA
RP(PolyADP−ribose Polymer
ase)の分解を促進し、DNA断片化を伴うアポトー
シスを誘導する作用を有するウベニメクス誘導体を有効
成分とするアポトーシス誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アポトーシスは個体発生の過程、組織の
形成、ホメオスタシスの維持、生体の防御などに深く関
わり、生命の維持に重要な役割をしている。しかし、遺
伝子により制御されたアポトーシスの過程が何らかの原
因で障害を受けるとアポトーシスが過剰に誘発されたり
あるいは強度に抑制されたりして、様々な臓器の機能障
害を引き起こし、病気となる。アポトーシスが過剰に誘
発された場合の疾患として臓器形成不全、エイズウイル
スによる免疫不全症等が知られている。逆にアポトーシ
スが抑制された疾患としては癌、自己免疫疾患等が知ら
れている。(例えば、細胞工学別冊;アポトーシス実験
プロトコール、26〜30頁、秀潤社、1994年発行
及びLancet,341巻、1251−1254、1
993年)
【0003】アポトーシスのシグナルの経路としてはF
AS受容体(CD95)やTNF受容体を介する経路が
あげられる(例えば、Cell,88巻 355−36
5頁、1977年)。これら受容体の細胞外ドメインは
FADD(Fas−associating prot
ein with a novel death do
main)やTRADD(Tumor necrosi
s factor receptor−assosia
ted death domain)と相互作用し、カ
スパーゼ類を次々に活性化してアポトーシスのシグナル
を伝達する。これらのアポトーシス関連分子を細胞に強
制発現させた場合アポトーシスを誘導することができ
る。従って、アポトーシス関連分子を修飾するような治
療及び薬剤はアポトーシスを誘導あるいは阻害すること
が期待され、現在までTNFやFASリガンド(抗FA
S抗体等)、ICE様プロテアーゼの活性化、遺伝子治
療など様々な試みがなされてきた。
【0004】一方、ウベニメクス、N−〔2S,3R)
−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリ
ル〕−L−ロイシンは放線菌Streptomyces
olivoreticuliから産生され免疫賦活作
用を有する制癌剤として知られている(例えば、特公昭
60−9487号公報)。ウベニメクス・低級アルキル
エステル誘導体についてはアミノペプチダーゼB阻害活
性を有すことから抗炎症作用を示すことが示唆されてい
る(特開昭52−116435号公報)。ウベニメクス
・ベンジルエステル誘導体についてはアミノペプチダー
ゼ阻害作用や免疫増強活性を有することが示唆されてい
る(特公昭63−25579号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】強力なアポトーシス誘
導能を有し、かつ副作用の少ない臨床的に投与できる新
たな薬剤が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、ウベニメクス誘導体またはその薬理学的に
許容される塩が、カスパーゼ類であるCPP32プロテ
アーゼを細胞内で活性化し、カスパーゼ基質の分解を促
進し、その結果DNA断片化を伴うアポトーシスを誘導
する活性を有することを見出したことにより、本発明に
到達した。
【0007】すなわち、本発明は 1.一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】〔式中、Rは置換基を有してもよい低級ア
ルキル基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、ア
ミノ基、置換基を有してもよいモノまたはジ低級アルキ
ルアミノ基もしくはこれらのジ低級アルキルが環形成し
た(環内に酸素原子が含まれてもよい)アミノ基、置換
基を有してもよい芳香族炭化水素低級アルキルアミノ
基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、置換基を
有してもよい芳香族炭化水素低級アルキル基、置換基を
有してもよい芳香族炭化水素低級アルコキシ基、置換基
を有してもよい芳香族炭化水素オキシ基、置換基を有し
てもよい芳香族炭化水素アシル低級アルコキシ基または
置換基を有してもよい低級脂環式炭化水素オキシ基等を
示す。〕で表わされるウベニメクス誘導体またはその薬
理学上許容される塩を有効成分とするアポトーシス誘導
剤。
【0010】2.Rが、低級アルコキシ基、低級シクロ
アルキル置換低級アルコキシ基、アミノ基、モノまたは
ジ低級アルキルアミノ基、もしくはこれらのジ低級アル
キルが環形成した(環内に酸素原子が含まれてもよい)
アミノ基、芳香族炭化水素低級アルキルアミノ基、芳香
族炭化水素アルコキシ基、芳香族炭化水素アシル低級ア
ルコキシ基または低級アルキル置換低級脂環式炭化水素
オキシ基である、前記1記載のアポトーシス誘導剤。 3.Rが、C1〜C14アルコキシ基、C3〜C8シク
ロアルキル置換C1〜C6アルコキシ基、アミノ基、モ
ノまたはジ低級アルキルアミノ基、モルフォリノ基、ピ
ロリジノ基、ピペリジノ基、フェニルC1〜C6アルキ
ルアミノ基、フェニルC1〜C6アルコキシ基、ベンゾ
イルC1〜C6アルコキシ基、C1〜C10アルキル置
換C3〜C8シクロアルキルオキシ基である、前記1記
載のアポトーシス誘導剤。 4.Rが、C1〜C10アルコキシ基、シクロヘキシル
C1〜C6アルコキシ基、ベンジルオキシ基、フェナシ
ルオキシ基、シクロヘキサノール基、メントール基、α
−テルピネオール基、ボルネオール基である、前記1記
載のアポトーシス誘導剤。 5.前記1〜4のいずれかに記載のウベニメクス誘導体
またはその薬理学上許容される塩を有効成分とするカス
パーゼ類活性化剤。 6.前記1〜4のいずれかに記載のウベニメクス誘導体
またはその薬理学上許容される塩を有効成分とするポリ
ADP−リボースポリメラーゼ(PARP)分解剤。 7.前記1〜4記載のウベニメクス誘導体またはその薬
理学上許容される塩(ただし、Rが置換基を有してもよ
い低級アルコキシ基、置換基を有してもよい芳香族アル
コキシ基の場合を除く)を有効成分とする抗癌剤。
【0011】8.一般式(1')
【0012】
【化4】
【0013】〔式中、R'はC7〜C14アルコキシ
基、C3〜C8シクロアルキル置換C1〜C6アルコキ
シ基、アミノ基、置換基を有してもよいモノまたはジ低
級アルキルアミノ基もしくはこれらのジ低級アルキルが
環形成した(環内に酸素原子が含まれてもよい)アミノ
基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素低級アルキル
アミノ基またはC1〜C10アルキル置換C3〜C8シ
クロアルキルオキシ基を示す。〕で表わされるウベニメ
クス誘導体またはその薬理学上許容される塩。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、一般式(1)に
おけるRとして示される低級アルキル基とは、C1〜C
14、好ましくはC1〜C10の直鎖又は分岐鎖状のア
ルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イ
ソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキ
シル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、テ
トラデカニル基、トリフルオロメチル基等である。アル
キル基は、置換されていても良く、置換基としては水酸
基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、スルフ
ォニル基、ニトロ基、C3〜C8シクロアルキル基、芳
香環基などが挙げられる。
【0015】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる低級アルコキシ基とは、C1〜C14、好ましくは
C1〜C10の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基を意味
し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、
sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、ネオヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキ
シ基、イソオクチルオキシ基、テトラデカニルオキシ
基、トリフルオロメトキシ基等である。アルコキシ基
は、置換されていても良く、置換基としては水酸基、ハ
ロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、スルフォニル
基、ニトロ基、C3〜C8好ましくはC5〜C7シクロ
アルキル基、芳香環基などが挙げられる。置換基として
は、シクロアルキル基置換が好ましく、この場合の置換
された低級アルコキシ基としては、例えばシクロヘキシ
ルメトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基、シクロペン
チルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基などの、C
3〜C8シクロアルキル置換C1〜C6アルコキシ基が
挙げられる。
【0016】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れるモノまたはジ置換低級アミノ基もしくはこれらのジ
低級アルキルが環形成した(環内に酸素原子が含まれて
もよい)アミノ基とは、C1〜C14好ましくはC1〜
C10の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が1又は2個置
換したものか、又はこれらのアルキル基が環状を形成し
たもの(環内に酸素原子が含まれてもよい)を示す。具
体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルア
ミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、
ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルフォリノ基等であ
る。アミノアルキル基は、置換されていても良く、置換
基としては水酸基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素)、スルフォニル基、ニトロ基などが挙げられる。
【0017】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる置換基を有してもよい芳香族炭化水素低級アルキル
アミノ基とは、フェニル、ビフェニル、ナフチル基に上
記のC1〜C14好ましくはC1〜C10の直鎖又は分
岐鎖状のアルキルアミノ基が結合したものを示す。置換
基も上記と同様のものが挙げられる。本発明ではフェニ
ルメチルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、フェニル
イソプロピルアミノ基等のフェニルC1〜C6アルキル
アミノ基が好ましい。
【0018】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる置換基を有してもよい芳香族炭化水素基とは、具体
的にはフェニル、ビフェニル、ナフチル基であり、芳香
環にはアルキル基、水酸基、ハロゲン(フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素)、アミノ基、ニトロ基、スルホン酸基等
の置換基を有してもよい。
【0019】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる置換基を有してもよい芳香族炭化水素低級アルキル
基とは、フェニル、ビフェニル、ナフチル基に上記のC
1〜C14、好ましくはC1〜C10の直鎖又は分岐鎖
状のアルキル基が結合したものを示す。具体的にはベン
ジル基、ビフェニルメチル基、ナフチルメチル基、2−
フェニルエチル基、2−ビフェニルエチル基、2−ナフ
チルエチル基、3−フェニルプロピル基、3−ビフェニ
ルプロピル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられ
る。芳香環にはアルキル基、水酸基、ハロゲン(フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ基、ニトロ基、スル
ホン酸基等の置換基を有してもよい。
【0020】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる置換基を有してもよい芳香族炭化水素低級アルコキ
シ基とは、フェニル、ビフェニル、ナフチル基に上記の
C1〜C14、好ましくはC1〜C10の直鎖又は分岐
鎖状のアルコキシ基が結合したものを示す。具体的には
ベンジルオキシ基、ビフェニルメトキシ基、ナフチルメ
トキシ基、2−フェニルエトキシ基、2−ビフェニルエ
トシ基、2−ナフチルエトシ基、3−フェニルプロポキ
シ基、3−ビフェニルプロポキシ基、3−ナフチルプロ
ポキシ基等が挙げられる。芳香環にはアルキル基、水酸
基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ
基、ニトロ基、スルホン酸基等の置換基を有してもよ
い。本発明においては、特にベンジルオキシ基が好まし
い。
【0021】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる置換基を有してもよい芳香族炭化水素オキシ基と
は、具体的にはフェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフチ
ルオキシ基であり、芳香環にはアルキル基、水酸基、ハ
ロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ基、ニ
トロ基、スルホン酸基等の置換基を有してもよい。
【0022】また、一般式(1)におけるRとして示さ
れる置換基を有してもよい芳香族炭化水素アシル低級ア
ルコキシ基とは、ベンゾイル、ビフェニルアシル、ナフ
チルアシル基に上記のC1〜C14、好ましくはC1〜
C10の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基が結合したも
のを示す。具体的にはフェナシルオキシ基(ベンゾイル
メトキシ基)、ビフェニルアシルメトキシ基、ナフチル
アシルメトキシ基、フェナシルメトキシ基(ベンゾイル
エトキシ基)、ビフェニルアシルエトキシ基、ナフチル
アシルエトキシ基、2−フェナシルエトキシ基(2−ベ
ンゾイルプロポキシ基)、2−ビフェニルアシルプロポ
キシ基、2−ナフチルアシルプロポキシ基、3−フェナ
シルプロポキシ基(3−ベンゾイルブトキシ基)、3−
ビフェニルアシルブトキシ基、3−ナフチルアシルブト
キシ基等が挙げられる。芳香環にはアルキル基、水酸
基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ
基、ニトロ基、スルホン酸基等の置換基を有してもよ
い。本発明においては、特にフェナシルオキシ基が好ま
しい。
【0023】また、また、一般式(1)におけるRとし
て示される置換基を有してもよい低級脂環式炭化水素オ
キシ基とは、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘキセン、シクロペンテン等のC3〜C8、好ましくは
C5〜C7の不飽和結合を有してもよいシクロアルキル
環に水酸基が結合したものを示す。これらC3〜C8シ
クロアルキルオキシ基は置換基を有してもよく、置換基
としてはC1〜C10、好ましくはC1〜C6の低級ア
ルキル基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)が
挙げられる。これら置換基は複数個が置換されても良
い。特に本発明では、具体的にはシクロペンタン基、シ
クロヘキサノール基およびこれらのC1〜C6アルキル
置換体、更にはメントール基、ボルネオール基、α−テ
ルピネオール基等が好ましい。
【0024】本願のウベニメクス誘導体は酸と塩を形成
し、薬理学上許容されるものであれば、いずれも使用す
ることができる。酸との塩としては、例えば塩酸、硫
酸、リン酸などとの塩が使用される。
【0025】一般式(1)で示される化合物及びその塩
としては例えば次のものが挙げられる。N−〔(2S,
3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブ
チリル〕−L−ロイシン−メチルエステル及びその許容
される塩、N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒ
ドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシン−エ
チルエステル及びその許容される塩、N−〔(2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル〕−L−ロイシン−tert−ブチルエステル及びその
許容される塩、N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシン
−n−オクチルエステル及びその許容される塩、
【0026】N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシン−
シクロヘキシルエステル及びその許容される塩、N−
〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フェニルブチリル〕−L−ロイシン−シクロヘキシルメ
チルエステル及びその許容される塩、N−〔(2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル〕−L−ロイシン−L−(−)−メンチルエステル
及びその許容される塩、
【0027】N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシン−
ベンジルエステル及びその許容される塩、N−〔(2
S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチリル〕−L−ロイシン−フェニルエチルエステル
及びその許容される塩、N−〔(2S,3R)−3−ア
ミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−
ロイシン−フェニルプロピルエステル及びその許容され
る塩、
【0028】N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシン−
フェナシルエステル及びその許容される塩、N−〔(2
S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチリル〕−L−ロイシン−フェナシルメチルエステ
ル及びその許容される塩、N−〔(2S,3R)−3−
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L
−ロイシン−フェナシルエチルエステル及びその許容さ
れる塩、
【0029】N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシニル
−アミド及びその許容される塩及びその許容される塩、
N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−フェニルブチリル〕−L−ロイシニル−メチルアミ
ド及びその許容される塩。N−〔(2S,3R)−3−
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L
−ロイシニル−モルフォリノアミド及びその許容される
塩。N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシニル−ピロリ
ジノアミド及びその許容される塩。N−〔(2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル〕−L−ロイシニル−ピペリジノアミド及びその許
容される塩。N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−
ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシニル
−(S)−1−フェニルエチルアミド及びその許容され
る塩。
【0030】本発明記載のウベニメクス誘導体は、通常
の化学的合成方法を用いて得ることができる。ウベニメ
クスエステル誘導体は特開昭52−116435号公報
の記載に従い、得ることができるほか、例えばエステル
体は種々のアルコールと脱水縮合反応を行うことによっ
て作成することができる。アシルアルコキシ体は種々の
アシルブロミド(例えばフェナシルブロミド)と縮合反
応を行うことによって作成することができる。アミド体
はウベニメクスのハロゲノ体もしくはエステル体を各種
アミンで処理することにより合成することができる。一
方アルキル体はウベニメクスのエステル体をリチウムや
マグネシウムと共にハロゲノ化アルキル体と反応させる
こと等によって合成できる。さらにロイシンに上記反応
を行った後、(2S,3R)−3アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フェニルブチリックアシッドのアミノ基保護体
と縮合させ、最後に脱保護を行うことによっても作成す
ることが可能である。
【0031】また、本発明の一般式(1')で表される
ウベニメクス誘導体は新規な化合物である。すなわち、
本発明のウベニメクス誘導体またはその薬理学上許容さ
れる塩は、一般式(1’)においてR’がC7〜C14
アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル置換C1〜C
6アルコキシ基、アミノ基、置換基を有してもよいモノ
またはジ低級アルキルアミノ基もしくはこれらのジ低級
アルキルが環形成した(環内に酸素原子が含まれてもよ
い)アミノ基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素低
級アルキルアミノ基またはC1〜C10アルキル置換C
3〜C8シクロアルキルオキシ基を示す化合物又はその
塩である。R’として示されるC7〜C14アルコキシ
基とは、C7〜C14の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ
基を意味し、具体的にはn−ヘプチルオキシ基、イソヘ
プチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチル
オキシ基、ノナニルオコシ基、デカニルオキシ基、テト
ラデカニルオキシ基などが挙げられる。R’として示さ
れるC3〜C8シクロアルキル置換C1〜C6アルコキ
シ基、アミノ基、置換基を有してもよいモノまたはジ低
級アルキルアミノ基もしくはこれらのジ低級アルキルが
環形成した(環内に酸素原子が含まれてもよい)アミノ
基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素低級アルキリ
アミノ基、C1〜C10アルキル置換C3〜C8シクロ
アルキルオキシ基については、各々上記一般式(1)の
Rとして説明した同様の基である。
【0032】一般式(1’)で示される化合物及びその
塩としては例えば次のものが挙げられる。N−〔(2
S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチリル〕−L−ロイシン−n−オクチルエステル及
びその許容される塩、N−〔(2S,3R)−3−アミ
ノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロ
イシン−シクロヘキシルメチルエステル及びその許容さ
れる塩、N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシン−L−
(−)−メンチルエステル及びその許容される塩、N−
〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フェニルブチリル〕−L−ロイシニル−アミド及びその
許容される塩及びその許容される塩、N−〔(2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル〕−L−ロイシニル−メチルアミド及びその許容さ
れる塩。N−〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイシニル−モ
ルフォリノアミド及びその許容される塩。N−〔(2
S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチリル〕−L−ロイシニル−ピロリジノアミド及び
その許容される塩。N−〔(2S,3R)−3−アミノ
−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル〕−L−ロイ
シニル−ピペリジノアミド及びその許容される塩。N−
〔(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フェニルブチリル〕−L−ロイシニル−(S)−1−フ
ェニルエチルアミド及びその許容される塩。これら一般
式(1’)の化合物は各々上記した公知技術の常法の製
造法により合成できる。具体的には後記する実施例に示
した通りである。
【0033】本発明のウベニメクス誘導体またはその塩
をアポトーシス誘導剤、カスパーゼ類活性化剤、PAR
P分解剤又は抗癌剤として使用するには、単独または賦
形剤あるいは担体と混合して注射剤、経口剤または坐剤
などとして投与される。賦形剤及び担体としては薬剤学
的に許容されるものが選ばれ、その種類及び組成は投与
経路や投与方法により、適宜決めることができる。賦形
剤もしくは担体としては、例えば液状担体として水、ア
ルコールもしくは大豆油、ピーナツ油、ゴム油、ミネラ
ル油等の動植物油、または合成油が用いられる。固体担
体としてマルトース、シュクロースなどの糖類、アミノ
酸類ヒドロキシプロピルセルロースなどセルロース誘導
体、バレイショ澱粉などの澱粉類、ステアリン酸マグネ
シウムなどの有機酸塩などが使用される。注射剤の場合
一般に生理食塩水、各種緩衝液、グルコース、イノシト
ール、マンニトール等の糖類溶液、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等のグリコール類が望まし
い。また、イノシトール、マンニトール、グルコース、
マンノース、マルトース、シュクロース等の糖類、フェ
ニルアラニン等のアミノ酸類の賦形剤と共に凍結乾燥剤
とし、それを投与時に注射用の適当な溶剤、例えば滅菌
水、生理食塩水、ブドウ糖液、電解質溶液、アミノ酸等
の静脈投与用液体に溶解して投与することもできる。
【0034】製剤中におけるウベニメクス誘導体又はそ
の塩の含量は製剤により種々異なるが、通常0.01〜
100重量%好ましくは0.02〜90重量%である。
経口投与する場合には、前記固体担体もしくは液状担体
とともに錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、液剤、ドラ
イシロップ剤等の形態で用いられる。カプセル、錠剤、
顆粒、粉剤の場合は一般にウベニメクス誘導体又はその
塩の含量は約0.02〜90重量%好ましくは0.3〜
20重量%であり、残部は担体である。投与量は、患者
の年齢、体重、症状、治療目的等により決定されるが、
治療量は一般に非経口投与で1〜300mg/成人・
日、経口投与で5〜500mg/成人・日である。
【0035】
【実施例】次に、実施例として本願発明による薬理実験
例、本発明化合物の製造例及び製剤例を示すが本願では
これらに限定されるものではない。
【0036】実験例1 ウベニメクス誘導体のU937細胞に対する増殖阻害活
性および細胞内アミノペプチダーゼ阻害活性の比較 実験方法 U937細胞(ヒト組織球性リンパ腫;ATCC CR
L−1593・2)を10%FCSを含むRPMI−1
640培地に1.0×10 /mlに調製し、24穴
プレートに播いた。37℃で2時間培養した後に生理食
塩水で希釈したウベニメクス誘導体を添加し、更に4日
間培養した。培養終了後にコールターカウンターで細胞
数を測定した。生理食塩水のみ添加したものをコントロ
ールとし、増殖率(%)は次式より求めた。 %=(薬剤添加後細胞数−培養前細胞数)×100/
(コントロール細胞数−培養全細胞数) 更に被験薬の50%阻害濃度(IC50値)をLitch
Field法により算出した。
【0037】上記で用いたU937細胞を回収し、低調
の緩衝液で細胞を破壊し、細胞質画分を得た。ローリー
法によりタンパク量を定量し、5μg/20μlに調製
した。アミノペプチダーゼの基質として、合成基質であ
るアラニン−MCA、ロイシン−MCA、メチオニン−
MCAを用いた。MCAはメチルクマリルアミドを示
す。細胞質画分20μlに生理食塩水で希釈したウベニ
メクス誘導体10μlを添加し80μMに調製した合成
基質20μlを加え37℃で反応させた。アミノペプチ
ダーゼ様酵素により分解され遊離したAMC(アミノメ
チルクマリン)を螢光光度計により経時的(0、15
分)に測定し、1分あたりの酵素活性を算出した。生理
食塩水のみ添加したものをコントロールとし、薬剤によ
る酵素活性阻害率(%)は次式より求めた。 %=(1−薬剤添加酵素活性/コントロール酵素活性)
×100 更に被験薬の50%阻害濃度(IC50値)をLitch
Field法により算出した。
【0038】結果を表1に示した。U937細胞の増殖
に対するウベニメクス誘導体のIC 50値は0.17〜
12300ng/mlであった。特に、ウベニメクスメ
チルエステル、ウベニメクスエチルエステル、ウベニメ
クスオクチルエステル、ウベニメクス−tret−ブチルエ
ステル、ウベニメクスシクロヘキシルメチルエステル、
ウベニメクスメンチルエステル、ウベニメクスベンジル
エステルで著明な増殖阻害活性示した。また、これらウ
ベニメクス誘導体はアミノペプチダーゼ活性においても
阻害活性を示した。特に、ウベニメクスシクロヘキシル
メチルエステル、ウベニメクスメンチルエステルはアミ
ノペプチダーゼ阻害効果が最も強力であった。ウベニメ
クス誘導体はアミノペプチダーゼ阻害活性を有し、細胞
増殖阻害活性が強いことが示された。
【0039】
【表1】
【0040】実験例2 ウベニメクス誘導体のU937細胞を用いたDNA断片
化作用 アポトーシス誘導能の指標であるDNA断片化について
以下の方法により検出して解析した(Biochemi
cal and Biophysical Resea
rch communications,Vol.20
9,page907−915,1995)。 実験方法 U937細胞(ATCC CRL−1593・2)を1
0%FCSを含むRPMI−1640培地に1.0×1
4 /mlに調製し、37℃で2時間培養した後に生
理食塩水で希釈したウベニメクスメチルエステル(本発
明化合物)あるいはコントロールには生理食塩水を添加
し培養した。2日後と4日後に1.0×10 個の細
胞を回収し、DNAラダー検出法(アガロース電気泳動
法)により解析を行った。結果を図1示した。
【0041】ウベニメクスメチルエステルには添加後2
日目で10μg/mlで著しいDNA断片化が認めら
れ、この作用はウベニメクスメチルエステルの用量に依
存していた。
【0042】実験例3 ウベニメクス誘導体のU937細胞によるCPP32誘
導能作用 本発明化合物によるカスパーゼ類活性をCPP32誘導
能を指標にして文献(Nature,376巻,37〜
43頁,1995)に準じて測定した。 実験方法 U937細胞を10%FCSを含むRPMI−1640
培地に1.0×10/mlに調製し、37℃で2時間
培養した後に生理食塩水希釈したウベニメクスメチルエ
ステルあるいはコントロールには生理食塩水を添加し培
養した。薬剤添加後3、6、9、12時間後に細胞を回
収し、低調の緩衝液で細胞を破壊し、細胞質画分を得
た。ローリー法によりタンパク量を定量し、5μg/2
0μlに調製した。CPP32の基質としてPARPの
部分配列を含む合成基質(DEVD−MCA)を用い
た。MCAはメチルクマリルアミドを示す。細胞質画分
20μlに40μMに調製した合成基質20μlを加え
37℃で反応させた。CPP32様酵素により分解され
遊離したAMC(アミノメチルクマリン)を螢光光度計
により経時的(0、15、30、60分)に測定した。
結果を表2に示した。 算出方法 反応時間と螢光強度よりグラフを作成し、一定の速度で
酵素反応が進行している範囲で直線を描きその傾きを反
応速度とする。濃度が既知のAMCでAMCと螢光強度
の一次式を作成し、反応速度をAMC量に換算する。
【0043】
【表2】
【0044】ウベニメクスメチルエステル10μg/m
lでは薬剤添加後6時間から著しいDEVD−MCA分
解活性の上昇が認められ、12時間後がピークでコント
ロールに比し88.5倍の活性の上昇が認められた。本
発明化合物ウベニメクスメチルエステルはCPP32様
活性を強く示すことにより、PARP分解を強く引き起
こすことが判明した。
【0045】次に本発明の製造例を示す。なお製造例は
これらに限定されるものではない。 製造例1 ウベニメクスシクロヘキシルメチルエステル/塩酸塩 ベスタチン(25mg)を、1.4-ジオキサン(1ml)、4N-塩
酸/ジオキサン(0.5ml)に懸濁後、4-シクロヘキシル
メタノール(160mg)を加え室温にて1日攪拌した。反応液
にヘキサン(10ml)を加えた後、析出した沈殿をヘキサン
にて洗浄し、真空乾燥を施すことによって目的物(30mg)
を得た。 Ms(FAB,positive,m/z);405[M+H]+,809[2M+H]+
【0046】製造例2 ウベニメクス−L−(−)−メンチルエステル/塩酸塩 ベスタチン(20mg)を、1.4-ジオキサン(1ml)、4N-塩
酸/ジオキサン(0.5ml)に懸濁後、L-(-)メントール
(140mg)を加え50度にて2日攪拌した。反応液にヘキサン
(10ml)を加えた後、析出した沈殿をヘキサンにて洗浄し
た。得られた沈殿物を酢酸エチルにて抽出し、飽和重曹
水及び飽和食塩水で洗浄後酢酸エチルを留去した。残査
に1.4-ジオキサン(0.5ml)、4N-塩酸/ジオキサン
(0.1ml)を加えた後、凍結乾燥処理を施すことによ
って目的物(5.5mg)を得た。 Ms(FAB,positive,m/z);447[M+H]+,894[2M+H]+
【0047】製造例3 ウベニメクスモルフォリノアミド/トリフルオロ酢酸塩 Bocベスタチン(20mg)及びモルフォリン(6.4mg)
を、DMF(1ml)に溶解後、1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール (10mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−カルボジイミド塩酸塩(18.8mg)を加え室温
にて1日攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、
水、飽和重曹水及び飽和食塩水の順で洗浄後酢酸エチル
を留去した。残査にトリフルオロ酢酸(1ml)を加え室
温にて1時間放置した後、反応液に1.4-ジオキサン(2m
l)を加え、凍結乾燥処理を施すことによって目的物(1
8.6mg)を得た。 Ms(FAB,positive,m/z);378[M+H]+
【0048】製造例4 ウベニメクスピロリジノアミド/トリフルオロ酢酸塩 Bocベスタチン(20mg)及びピロリジン(5.2mg)を、D
MF(1ml)に溶解後、1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル (10mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミド塩酸塩(18.8mg)を加え室温にて1日
攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、水、飽和重
曹水及び飽和食塩水の順で洗浄後酢酸エチルを留去し
た。残査にトリフルオロ酢酸(1ml)を加え室温にて1時
間放置した後、反応液に1.4-ジオキサン(2ml)を加
え、凍結乾燥処理を施すことによって目的物(16.7mg)を
得た。 Ms(FAB,positive,m/z);362[M+H]+
【0049】製造例5 ウベニメクスピロリジノアミド/トリフルオロ酢酸塩 Bocベスタチン(20mg)及びS−(−)−1−フェニルエチ
ルアミン(8.9mg)を、DMF(1ml)に溶解後、1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール (10mg)、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(1
8.8mg)を加え室温にて1日攪拌した。反応液を酢酸エチ
ルにて抽出し、水、飽和重曹水及び飽和食塩水の順で洗
浄後酢酸エチルを留去した。残査にトリフルオロ酢酸
(1ml)を加え室温にて1時間放置した後、反応液に1.4-
ジオキサン(2ml)を加え、凍結乾燥処理を施すこと
によって目的物(20.1mg)を得た。 Ms(FAB,positive,m/z);412[M+H]+
【0050】次に本発明の製剤例を示す。なお製剤例は
これらに限定されるものではない。 製剤例1 ウベニメクスメチルエステル 20部 バレイショ澱粉 77部 結晶乳糖 100部 ステアリン酸マグネシウム 8部 以上を混合し、3号カプセル1カプセル当り、約220
mg当り充填し、カプセル剤とした。
【0051】製剤例2 錠剤 ウベニメクスメチルエステル30重量部、結晶乳糖12
0部、結晶セルロース147部及びステアリン酸マグネ
シウム3部をV型混合機で混合した後、打錠し、1錠3
00mgの錠剤を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明により、ウベニメクス誘導体又は
その薬理学上許容される塩は細胞内のカスパーゼ類活性
の上昇、PARP分解作用を強く示し、またDNAの断
片化を強く示したことから、アポトーシス誘導剤等とし
て有用であることが判明した。また、本発明化合物は制
癌剤として有用であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化合物のU937細胞を用いてのDNA
断片化作用
【符号の説明】
1 コントロール(2日目) 2 ウベニメクスメチルエステル10μg/ml(2日
目) 3 ウベニメクスメチルエステルlμg/ml(2日
目) 4 ウベニメクスメチルエステル0.lμg/ml(2
日目) 5 コントロール(4日目) 6 ウベニメクスメチルエステル10μg/ml(4日
目) 7 ウベニメクスメチルエステル1μg/ml(4日
目) 8 ウベニメクスメチルエステル0.1μg/ml(4
日目)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 A61P 43/00 105 111 111 C07C 237/20 C07C 237/20 C07D 295/16 C07D 295/16 Z (72)発明者 安部 史紀 東京都北区志茂4−31−11−203

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは置換基を有してもよい低級アルキル基、置
    換基を有してもよい低級アルコキシ基、アミノ基、置換
    基を有してもよいモノまたはジ低級アルキルアミノ基も
    しくはこれらのジ低級アルキルが環形成した(環内に酸
    素原子が含まれてもよい)アミノ基、置換基を有しても
    よい芳香族炭化水素低級アルキルアミノ基、置換基を有
    してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい芳
    香族炭化水素低級アルキル基、置換基を有してもよい芳
    香族炭化水素低級アルコキシ基、置換基を有してもよい
    芳香族炭化水素オキシ基、置換基を有してもよい芳香族
    炭化水素アシル低級アルコキシ基または置換基を有して
    もよい低級脂環式炭化水素オキシ基等を示す。〕で表わ
    されるウベニメクス誘導体またはその薬理学上許容され
    る塩を有効成分とするアポトーシス誘導剤。
  2. 【請求項2】Rが、低級アルコキシ基、低級シクロアル
    キル置換低級アルコキシ基、アミノ基、モノまたはジ低
    級アルキルアミノ基、もしくはこれらのジ低級アルキル
    が環形成した(環内に酸素原子が含まれてもよい)アミ
    ノ基、芳香族炭化水素低級アルキルアミノ基、芳香族炭
    化水素アルコキシ基、芳香族炭化水素アシル低級アルコ
    キシ基または低級アルキル置換低級脂環式炭化水素オキ
    シ基である、請求項1記載のアポトーシス誘導剤。
  3. 【請求項3】Rが、C1〜C14アルコキシ基、C3〜
    C8シクロアルキル置換C1〜C6アルコキシ基、アミ
    ノ基、モノまたはジ低級アルキルアミノ基、モルフォリ
    ノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、フェニルC1〜C
    6アルキルアミノ基、フェニルC1〜C6アルコキシ
    基、ベンゾイルC1〜C6アルコキシ基、C1〜C10
    アルキル置換C3〜C8シクロアルキルオキシ基であ
    る、請求項1記載のアポトーシス誘導剤。
  4. 【請求項4】Rが、C1〜C10アルコキシ基、シクロ
    ヘキシルC1〜C6アルコキシ基、ベンジルオキシ基、
    フェナシルオキシ基、シクロヘキサノール基、メントー
    ル基、α−テルピネオール基、ボルネオール基である、
    請求項1記載のアポトーシス誘導剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のウベニメ
    クス誘導体またはその薬理学上許容される塩を有効成分
    とするカスパーゼ類活性化剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載のウベニメ
    クス誘導体またはその薬理学上許容される塩を有効成分
    とするポリADP−リボースポリメラーゼ(PARP)
    分解剤。
  7. 【請求項7】請求項1〜4記載のウベニメクス誘導体ま
    たはその薬理学上許容される塩(ただし、Rが置換基を
    有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい
    芳香族アルコキシ基の場合を除く)を有効成分とする抗
    癌剤。
  8. 【請求項8】一般式(1') 【化2】 〔式中、R' はC7〜C14アルコキシ基、C3〜C8
    シクロアルキル置換C1〜C6アルコキシ基、アミノ
    基、置換基を有してもよいモノまたはジ低級アルキルア
    ミノ基もしくはこれらのジ低級アルキルが環形成した
    (環内に酸素原子が含まれてもよい)アミノ基、置換基
    を有してもよい芳香族炭化水素低級アルキルアミノ基ま
    たはC1〜C10アルキル置換C3〜C8シクロアルキ
    ルオキシ基を示す。〕で表わされるウベニメクス誘導体
    またはその薬理学上許容される塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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