JP2024503892A - ピロロピリジン-アニリン化合物の結晶形 - Google Patents

ピロロピリジン-アニリン化合物の結晶形 Download PDF

Info

Publication number
JP2024503892A
JP2024503892A JP2023544036A JP2023544036A JP2024503892A JP 2024503892 A JP2024503892 A JP 2024503892A JP 2023544036 A JP2023544036 A JP 2023544036A JP 2023544036 A JP2023544036 A JP 2023544036A JP 2024503892 A JP2024503892 A JP 2024503892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystalline form
compound
formula
nevi
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023544036A
Other languages
English (en)
Inventor
ステファン ディー. パレント
コートニー エス. ジョンソン
ジョン キンケイド
Original Assignee
エヌフレクション セラピューティクス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エヌフレクション セラピューティクス インコーポレイテッド filed Critical エヌフレクション セラピューティクス インコーポレイテッド
Publication of JP2024503892A publication Critical patent/JP2024503892A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/4353Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems
    • A61K31/437Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems the heterocyclic ring system containing a five-membered ring having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. indolizine, beta-carboline

Abstract

本開示は、そのそれぞれがX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴づけられる結晶形A、B、C、E、F、およびHである、式(I)を有する化合物の結晶形を提供する。本開示は、結晶形、特に形態Aを調製するための方法もまた提供する。本開示は、本開示の結晶形またはその薬学的組成物を使用して様々な皮膚障害を処置する方法をさらに提供する。TIFF2024503892000054.tif110128

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月21日出願の米国仮出願第63/139,975号の優先権を主張するものであり、あらゆる目的でその全体が組み入れられる。
開示の背景
神経線維腫症1型(NF1)は、出生数3,500人中約1人において発生しており、ヒトにおける神経機能に影響する最も一般的な常染色体優性遺伝単一遺伝子障害の1つである。臨床的には、NF1疾患は、NF1遺伝子の二対立遺伝子変異を伴うシュワン細胞が関与する、神経線維腫と呼ばれる良性末梢神経腫瘍の存在、ならびに他の腫瘍徴候および非腫瘍徴候の存在を特徴とする。Jousma et al. Pediatr. Blood Cancer 62: 1709-1716, 2015(非特許文献1)参照。NF1は皮膚神経線維腫; 叢状神経線維腫; カフェオレ斑; ならびに腋窩部および鼠径部のしみを含むいくつかの皮膚障害に関連している。皮膚神経線維腫は、NF1患者の95%超において発生するものであり、身体のどこにでも出現して、そう痒、刺激作用、感染症、身体的苦痛、および美観毀損を引き起こしうる。さらに、皮膚神経線維腫は社会的隔離および社会的不安に関連している。
NF1は、RAS経路を失活させる遺伝子であるNF1の、1つまたは複数の生殖細胞系列変異により引き起こされる。NF1遺伝子がRas-GAPタンパク質をコードすることから、NF1の欠損は高Ras-GTPを生じさせる。したがって、NF1研究は、Ras-MAPKカスケードを含むRasシグナル伝達経路中で阻害剤を試験することに専ら重点を置いている。Jousma et al. Pediatr. Blood Cancer 62: 1709-1716, 2015(非特許文献1)参照。4つの別々のMAPKカスケードがMAPKモジュールに従って同定および命名された。Akinleye et al. Journal of Hematology & Oncology 6:27, 2013(非特許文献2)参照。MEKタンパク質は、4つの各MAPキナーゼシグナル伝達経路中の特定のMAPK標的の上流にある酵素のファミリーに属する。これらのMEKタンパク質のうち2種であるMEK1およびMEK2は、このシグナル伝達経路カスケードに密接に関連し、かつ関与している。MEK1阻害剤およびMEK2阻害剤は、Rasの下流のMEKシグナル伝達を有効に阻害することが示されており、したがってNF1の処置においてMEKを標的とすることの理論的根拠を提供する。Rice et al. Medicinal Chemistry Letters 3:416-421, 2012(非特許文献3)参照。
現在利用可能なMEK阻害剤は、全身送達に関して経口バイオアベイラビリティを示すように設計されており、また、左室駆出率の減少、クレアチンホスホキナーゼの上昇、間質性肺炎、腎不全、下痢、感染症、蕁麻疹、および斑状丘疹状皮疹を含む重症副作用に関連しており、いずれの副作用も用量制限的であるか、または恒久的使用中断を余儀なくさせる。さらに、臨床試験は、MEK阻害剤の長期高用量投与による副作用を示した。Huang et al. J. Ocul. Pharmacol. Ther. 25:519-530, 2009(非特許文献4)参照。例えば、現在臨床試験中のMEK阻害剤PD0325901は、運動失調、混乱、および失神を伴う神経副作用を示した。さらに、MEK阻害剤に対する全身曝露に関して、ざ瘡様発疹、CPK上昇、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、および疲労を含むいくつかの他の副作用が観察された。したがって、これらの重症副作用を制限する、NF1関連皮膚神経線維腫を処置するためにMEKを阻害する治療薬が求められている。
多くの場合、血管、角化細胞、およびメラニン細胞の区画の良性皮膚腫瘍は出生時または小児期に生じる。本出願において「あざ」と呼ばれるこれらの病変は、美容の悩み、外見の劣化、および社会的不安を引き起こすことがある。いくつかの場合では、これらの病変は個人にとって機能低下または将来の悪性腫瘍の素因となることがある。これらのあざは孤発性であることもあれば、基礎神経皮膚症候群の一部として生じることもある。
血管性母斑としては、例えばポートワイン母斑/毛細血管奇形、血管腫、小葉毛細血管腫、動脈血管奇形、リンパ管奇形、血管奇形、血管腫、および他の血管腫が挙げられる。角化細胞性母斑とは角化細胞性表皮母斑および脂腺母斑を意味する。色素性母斑(一般的には黒子として知られる)としては、例えば先天性母斑、多発性黒子(LEOPARDなどの症候群において生じうる)、雀卵斑(そばかす)、および扁平母斑が挙げられる。
あざとも呼ばれる神経皮膚症候群、例えばポートワイン母斑は、皮膚中の先天性低流量血管奇形(毛細血管奇形)に関連しており、この奇形は、未処置のままであれば肥大および小結節形成を発生させることがある(Minkis, K. et al, Lasers Surg Med. (2009) 41(6): pp423-426(非特許文献5))。通常、ポートワイン母斑の処置にはレーザー治療が使用されるが、多くの場合、完全には消散しない。表皮母斑は一般的な皮膚モザイク障害であり、角化細胞性母斑および器官母斑に細分される。器官母斑としては脂腺母斑(NS)が挙げられる。NSの免疫標識はリン酸化ERK染色の増加を伴うと報告されている(Aslam, A, et al., Clinical and Experimental Dermatology (2014) 39: pp 1-6(非特許文献6))。非器官角化細胞性表皮母斑(KEN)は良性で先天性の色素過剰皮膚病変を特徴とする。局在的な表皮肥厚を伴う表皮母斑は出生時に存在するか、または小児期に目に見えるようになる。やはり小児期のあざにおいて生じる他の皮膚障害としては母斑細胞母斑、小葉毛細血管腫、先天性母斑、雀卵斑(そばかす)、多発性黒子(LEOPARD症候群を含む多発性症候群において生じうる)、毛細血管腫、扁平母斑、動静脈奇形、リンパ管奇形、および先天性色素性母斑が挙げられる。RAS/MAPK経路を活性化する変異を示す黒子は、小児期に生じることがあり(LEOPARD症候群などの症候群において)、また、成人において後天的なこともある。いくつかの場合では、あざは外科的切除および/またはレーザー処置に適さない。いくつかの場合では、あざは、未処置である場合、病変および/または増殖性皮膚状態に進行することがある。
ERK/MEK経路の調節は、あざに対して治療効果を示しうる。RAS変異がモザイクRAS症、すなわち非器官KEN、および脂腺母斑において報告されている(Farschtschi S, et al., BMC Medical Genetics. (2015);16: pp 6(非特許文献7); およびSun, B.K. et. Al, Journal of Investigative Dermatology, (2013); 3: pp824-827(非特許文献8))。したがって、Ras-MAPKカスケードを含むRasシグナル伝達経路の阻害が、あざを処置する上で有用でありうる。
4つの別々のMAPKカスケードがMAPKモジュールに従って同定および命名された。Akinleye et al. Journal of Hematology & Oncology 6:27, 2013(非特許文献2)参照。MEKタンパク質は、4つの各MAPキナーゼシグナル伝達経路中の特定のMAPK標的の上流にある酵素のファミリーに属する。これらのMEKタンパク質のうち2種であるMEK1およびMEK2は、このシグナル伝達経路カスケードに密接に関連し、かつ関与している。MEK1阻害剤およびMEK2阻害剤は、Rasの下流のMEKシグナル伝達を有効に阻害することが示されており(Rice et al. Medicinal Chemistry Letters 3:416-421, 2012(非特許文献3))、したがってあざの処置においてMEKを標的とすることの理論的根拠を提供する。
現在利用可能なMEK経路阻害剤は、全身送達に関して経口バイオアベイラビリティを示すように設計されているが、左室駆出率の減少、クレアチンホスホキナーゼの上昇、間質性肺炎、腎不全、下痢、感染症、蕁麻疹、および斑状丘疹状皮疹を含む1つまたは複数の重症副作用に関連しており、いずれの副作用も用量制限的であるか、または恒久的使用中断を余儀なくさせる。さらに、臨床試験は、MEK阻害剤の長期高用量投与による1つまたは複数の副作用を示した(Huang et al. J. Ocul. Pharmacol. Ther. 25:519-530, 2009(非特許文献4))。例えば、臨床試験したMEK阻害剤PD0325901は、運動失調、混乱、および失神を伴う1つまたは複数の神経副作用を示した。さらに、MEK阻害剤に対する全身曝露に関して、ざ瘡様発疹、CPK上昇、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、および疲労を含むいくつかの他の副作用が観察された。したがって、あざを処置し、かつMEK/ERK経路阻害剤に対する全身曝露に関連する1つまたは複数の副作用を制限する、治療薬が求められている。
式(I)の化合物は、最初にWO 2018/213810(特許文献1)に、皮膚疾患またはそれに関連する皮膚障害の処置用のMEK阻害剤として開示された。しかし、式(I)の化合物の結晶形は不明である。したがって、MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害、およびあざなどの皮膚障害の処置用の薬物製剤の開発において、薬学的有効成分(API)として貯蔵可能な該化合物の安定な結晶形を開発することが求められている。
WO 2018/213810
Jousma et al. Pediatr. Blood Cancer 62: 1709-1716, 2015 Akinleye et al. Journal of Hematology & Oncology 6:27, 2013 Rice et al. Medicinal Chemistry Letters 3:416-421, 2012 Huang et al. J. Ocul. Pharmacol. Ther. 25:519-530, 2009 Minkis, K. et al, Lasers Surg Med. (2009) 41(6): pp423-426 Aslam, A, et al., Clinical and Experimental Dermatology (2014) 39: pp 1-6 Farschtschi S, et al., BMC Medical Genetics. (2015);16: pp 6 Sun, B.K. et. Al, Journal of Investigative Dermatology, (2013); 3: pp824-827
開示の概要
第1の局面では、本開示は、そのそれぞれが本明細書に記載のX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴づけられる結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである、式(I)を有する化合物の結晶形を提供する。
Figure 2024503892000002
いくつかの態様では、本開示は、5.3、8.0、18.3、18.5、および24.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)の化合物の結晶形Aを提供する。
第2の局面では、本開示は、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体とを組み合わせる工程を含む方法により調製される、薬学的組成物を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に定義および記載の通りである式(I)の化合物の結晶形Aと、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを組み合わせる工程を含む方法により調製される、薬学的組成物を提供する。
第3の局面では、本開示は、皮膚障害を処置する方法を提供する。本方法は、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物を投与することで、皮膚疾患を処置する段階を含む。いくつかの態様では、本開示は、皮膚障害を処置する方法であって、いずれも本明細書に定義および記載の通りである式(I)の化合物の結晶形Aまたはその薬学的組成物を投与する段階を含む、方法、を提供する。
第4の局面では、本開示は、本明細書に記載の結晶形Aを調製するための方法であって、
a) 式(I)の化合物とテトラヒドロフラン(THF)とを含む第1の混合物を、第1の温度約50℃~約65℃で形成する工程;
b) 第1の混合物を、第2の温度約35℃~約45℃に冷却する工程;
c) 結晶形Aの1個または複数の種結晶を、第2の混合物を形成するために工程d)の前に加える工程、または工程d)の間に加える工程;
d) 第3の混合物を形成するために、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加える工程;
e) 析出物を含む第4の混合物を形成するために、第3の混合物を、第3の温度約25℃以下に冷却する工程; および
f) 結晶形Aを得るために、第4の混合物から析出物を単離する工程を含み、
工程c)およびd)がそれぞれ第2の温度に維持される、方法、を提供する。
第5の局面では、本開示は、本明細書に記載の結晶形Aを調製するための方法であって、
a) 式(I)を有する化合物と、テトラヒドロフラン(THF)と、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)とを含む第3のスラリーを形成する工程;
b) 第4のスラリーを形成するために、結晶形Aの1個または複数の種結晶を加える工程;
c) 第5のスラリーを形成するために、第4のスラリーを攪拌する工程; および
d) 結晶形Aを得るために、第5のスラリーから析出物を単離する工程を含み、
結晶形Aの1個または複数の種結晶が、式(I)の化合物の少なくとも約5重量%の量で存在し; 工程a)~c)がそれぞれ温度約40℃~約50℃に維持される、方法、を提供する。
結晶形AのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 結晶形Aの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 結晶形Aの動的水蒸気吸着(DVS)サイクルを示す。 結晶形EのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 結晶形Eの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 結晶形Eの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 結晶形FのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 結晶形Fの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 結晶形Fの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 結晶形BのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 結晶形Bの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。 結晶形CのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。 結晶形Cの1H NMRスペクトルを示す。図15Aはフルスペクトルを示す。 結晶形Cの1H NMRスペクトルを示す。図15Bは拡大芳香族領域を示す。 結晶形HのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
開示の詳細な説明
I. 一般
本開示は、結晶形A、B、C、E、F、およびHである、式(I)を有する化合物の結晶形を提供する。結晶形A、B、C、E、F、およびHはそれぞれX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴づけられる。選択される結晶形は示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的水蒸気吸着(DVS)サイクル、および/またはカールフィッシャー(KF)法による含水量によってさらに特徴づけられる。本開示はまた、結晶形、特に形態Aを調製するための方法を提供する。本開示はさらに、本開示の結晶形(例えば形態A)またはその薬学的組成物を使用して様々な皮膚障害を処置する方法を提供する。
II. 定義
「実質的に含まない」とは、10%以下の量の別の形態または不純物、好ましくは8%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、またはそれ以下の量の別の形態または不純物を意味する。
「結晶形」とは、構成分子が規則的配列の繰り返しパターンでパッキングされた、化合物の固体形態を意味する。結晶形は三斜晶、単斜晶、斜方晶、正方晶、三方晶、六方晶、および立方晶の結晶幾何形状を含みうる。結晶形は、明瞭な結晶境界を伴う1つまたは複数の領域、すなわち粒子を含みうる。結晶形は2つ以上の結晶幾何形状を含みうる。
「非晶形」とは、明確な結晶構造を有さない、すなわち構成分子の規則的配列の繰り返しパターンを欠いた、化合物の固体形態を意味する。
「溶媒和物」とは、非共有結合的分子間力によって結合している化学量論的または非化学量論的量の溶媒をさらに含む、本明細書において提供される化合物またはその塩を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
「水和物」とは、水分子と複合体形成される化合物を意味する。本開示の化合物は1/2個の水分子または1~10個の水分子と複合体形成されうる。
XRPDパターンは、構造の解明に好適な単結晶の非存在下で指数付けされうる[McClurg, Richard B.; Smit, Jared P. X-ray Powder Diffraction Pattern Indexing for Pharmaceutical Applications. Pharm. Tech. Europe, Jan. 2013; およびX'Pert High Score Plus 2.2a (2.2.1)]。指数付けは、回折パターン中のピーク位置を前提として結晶単位格子のサイズおよび形状を確定するプロセスである。この用語は、個々のピークにミラー指数ラベルを割り当てることから名付けられたものである。XRPD指数付けはいくつかの目的を果たす。パターン中のすべてのピークが1つの単位格子により指数付けされる場合、これは試料が1つの結晶相を含むことの強力な証拠となる。指数付けの解を前提として、単位格子の体積を直接計算することができる。また、指数付けは、結晶形の確固とした記述であり、特定の熱力学状態地点における当該の相のすべての利用可能なピーク位置の簡潔な概要を示すものである。
「粗生成物」とは、所望の化合物(例えば式(I)の化合物)および少なくとも1つの他の化学種(例えば溶媒、酸もしくは塩基などの試薬、出発原料、または所望の化合物を生じさせる反応の副生成物)を含む、混合物を意味する。
別途具体的に指示がない限り、「純度%」または「純度面積%」(例えば95%または95面積%)とは、HPLC法またはUPLC法(例えば本明細書に記載の化学現像HPLC法またはUPLC法)により確定される曲線下面積(AUC)内の化合物(例えば式(I)の化合物)の純度を意味する。
「第1の混合物」、「第2の混合物」などは、本開示の態様に記載の混合物を意味する。混合物命名規則は、本明細書に記載の方法の工程においてわかりやすくする目的でのみ使用されるものであり、数字順である必要はない。本明細書に記載の本開示の選択される態様では、いくつかの混合物は存在しないことがある。当業者は、本明細書中の態様および特許請求の範囲において当該用語が使用される文脈内での、これらの混合物命名規則(例えば「第1の混合物」、「第2の混合物」)の意味を理解するであろう。
「第1のスラリー」、「第2のスラリー」などは、本開示の態様に記載のスラリーを意味する。スラリー命名規則は、本明細書に記載の方法の工程においてわかりやすくする目的でのみ使用されるものであり、数字順である必要はない。本明細書に記載の本開示の選択される態様では、いくつかのスラリーは存在しないことがある。当業者は、本明細書中の態様および特許請求の範囲において当該用語が使用される文脈内での、これらのスラリー命名規則(例えば「第1のスラリー」、「第2のスラリー」)の意味を理解するであろう。
「第1の温度」、「第2の温度」などは、本開示の態様に記載の温度を意味する。温度命名規則は、本明細書に記載の方法の工程においてわかりやすくする目的でのみ使用されるものであり、数字順である必要はない。当業者は、本明細書中の態様および特許請求の範囲において当該用語が使用される文脈内での、これらの温度命名規則(例えば「第1の温度」、「第2の温度」)の意味を理解するであろう。
「アルキルアルコール」とは、鎖の炭素に結合したヒドロキシ基を有するアルキル基を意味し、ここでアルキル基は、指示された数の炭素原子を有する(すなわち、C1~4とは1~4個の炭素を意味する)、直鎖状または分岐状の飽和脂肪族基として定義される。例えば、C1~4アルキルアルコールとしてはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、イソブタノール、およびtert ブタノールが挙げられる。本開示において有用なアルキルアルコールは完全飽和している。当業者は、他のアルコールが本開示において有用であることを認識するであろう。
「析出させること」とは、溶液中の化合物を物質の固体形態(すなわち析出物)に集合させるプロセスを意味する。溶液中の化合物の全体、またはその任意の一部分が析出しうる。物質の固体形態は非晶質または結晶性でありうる。
「単離すること」とは、第1の物質(例えば析出物)の少なくとも一部分を、該物質および少なくとも1つのさらなる物質を含む混合物から単離するプロセスを意味する。いくつかの場合では、単離された物質は、当初の混合物に存在する少なくとも1つのさらなる物質を実質的に含まない。
本明細書において使用される「組成物」は、所定の成分を所定量で含む生成物、および、所定量での所定の成分の組み合わせにより直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含するように意図されている。「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤、または賦形剤が必ず製剤の他の成分と適合性があって、そのレシピエントに有害でないことを意味する。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、有効剤の対象への投与および対象による吸収を支援する物質を意味する。本開示において有用な薬学的賦形剤としては結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香料、および着色料が挙げられるがそれに限定されない。本開示において経皮/局所送達に有用な薬学的賦形剤としては促進剤、可溶化剤、抗酸化剤、可塑化剤、増粘剤、ポリマー、および感圧接着剤が挙げられるがそれに限定されない。当業者は、他の薬学的賦形剤が本開示において有用であることを認識するであろう。
「阻害」、「阻害する」、および「阻害剤」とは、特定の作用または機能を禁止する化合物または禁止する方法を意味する。
「投与すること」とは、対象に対する経口投与、坐薬としての投与、局所接触、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病変内投与、鼻腔内投与、もしくは皮下投与、くも膜下腔内投与、または緩徐放出装置、例えばミニ浸透圧ポンプの埋め込みを意味する。
「処置する」、「処置すること」、および「処置」とは、損傷、病態、または状態の処置または寛解の成功に関する任意の証拠を意味するものであり、この証拠は、軽減; 軽快; 症状を低減させること、または損傷、病態、もしくは状態に対する患者の耐容性を高めること; 変性または減退の速度を遅くすること; 最終変性点の衰弱性を減少させること; 患者の身体的または精神的健康を改善することなどの、任意の客観的または主観的パラメータを含む。症状の処置または寛解は、身体診察、神経精神医学的検査、および/または精神医学的評価の結果を含む、客観的または主観的パラメータに基づきうる。
「患者」または「対象」とは、本明細書において提供される薬学的組成物の投与により処置可能な疾患または状態に罹患しているかまたは罹患しやすい生物を意味する。非限定的な例としてはヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌ウシ、シカ、および他の非哺乳動物が挙げられる。いくつかの態様では、患者はヒトである。
「治療有効量」とは、同定された疾患もしくは状態を処置するかもしくは寛解させるために、または検出可能な治療効果もしくは阻害効果を示すために有用な、化合物または薬学的組成物の量を意味する。正確な量は、処置の目的に依存するものであり、当業者が公知の技術を使用することで確認可能である(例えばLieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999); およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照)。
「約」とは、所定値に相当に類似していると当業者が見なすであろう、所定値を含む値の範囲を意味する。いくつかの態様では、「約」という用語は、当技術分野において一般に許容される測定値を使用する標準偏差の範囲内であることを意味する。いくつかの態様では、「約」とは、所定値の±10%に及ぶ範囲を意味する。いくつかの態様では、「約」とは所定値を意味する。
III. 結晶形
第1の局面では、本開示は、そのそれぞれが本明細書に記載のX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴づけられる結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである、式(I)を有する化合物の結晶形を提供する。
Figure 2024503892000003
XRPDデータの収集のための方法は当技術分野において公知であり、任意のこれらの方法を、式(I)の化合物の結晶形を特徴づけるために使用することができる。例えば、本明細書に記載のX線粉末回折パターンを、Cu Kα1線を使用して作成することができる。
いくつかの態様では、本明細書に記載の結晶形は示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによってさらに特徴づけられる。いくつかの態様では、10℃/分の勾配を使用する30℃~350℃の範囲の温度に供される約1~2mgの試料重量を使用してDSCサーモグラムが記録される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の結晶形は熱重量分析(TGA)によってさらに特徴づけられる。いくつかの態様では、10℃/分の勾配を使用する30℃~300℃の範囲の温度に供される約2~10mgの試料重量を使用してTGAサーモグラムが記録される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の結晶形はカールフィッシャー(KF)法により測定される含水量によってさらに特徴づけられる。
いくつかの態様では、本明細書に記載の結晶形は1H NMRスペクトルなどの核磁気共鳴スペクトルによってさらに特徴づけられる。いくつかの態様では、1H NMRがBruker Avance-AV 400MHzで5mm PABBO BB-1H/Dのプローブによって記録される。
III-1. 結晶形A
一態様では、本開示は、5.3、8.0、18.3、18.5、および24.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)を有する化合物の結晶形Aを提供する。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは13.1、20.5、20.7、21.7、および24.0°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは9.6、16.0、16.6、19.3、および21.4°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、結晶形Aは、5.3、8.0、13.1、18.3、18.5、20.5、20.7、21.7、24.0、および24.3°2θ(±0.2°2θ)でのピーク(すなわち、相対ピーク強度%に従ってランク付けした最初の10個のピーク)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、表2Aまたは表2Bに列挙される3個、4個、5個、またはそれ以上のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、表2Aまたは表2Bに列挙される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、式(I)を有する化合物の結晶形Aは、図1と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない。
いくつかの態様では、結晶形Aは、約189.9℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、約187.1℃の開始温度および約189.9℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、図2と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、熱重量分析(TGA)により測定される約100℃への加熱時の約0.1%~約1%の重量減少をさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、熱重量分析(TGA)により測定される約50℃から約100℃への加熱時の約0.3%の重量減少をさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、図3と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、25℃で相対湿度(RH)約5%~RH約95%の動的水蒸気吸着サイクルを経た後の約1.1%の重量増加をさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、25℃で相対湿度(RH)約95%~RH約5%の動的水蒸気脱着サイクルを経た後の約1.2%の重量減少をさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、25℃で相対湿度(RH)約5%~RH約95%の動的水蒸気吸着サイクルを経た後の約1.1%の重量増加をさらに特徴とし; 25℃で相対湿度(RH)約95%~RH約5%の動的水蒸気脱着サイクルを経た後の約1.2%の重量減少をさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、図4と実質的に一致している動的水蒸気吸着プロファイルをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは、カールフィッシャー(KF)法により測定される含水量約0.1重量%~約0.5重量%をさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、カールフィッシャー(KF)法により測定される含水量約0.35重量%をさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Aは無水形である。いくつかの態様では、結晶形Aは無水形であり、ここでカールフィッシャー(KF)法により測定される含水量は約0.1重量%~約0.5重量%である。いくつかの態様では、結晶形Aは無水形であり、ここでカールフィッシャー(KF)法により測定される含水量は約0.35重量%である。
いくつかの態様では、結晶形Aは、図1と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図2と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、図1と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図2と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とし; 図3と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、図1と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図2と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とし; 図3と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とし; 図4と実質的に一致している動的水蒸気吸着プロファイルをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Aは、図1と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図2と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とし; 図3と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とし; カールフィッシャー(KF)法により測定される含水量約0.1重量%~約0.5重量%をさらに特徴とする。
III-2. 結晶形E
一態様では、本開示は、18.0、18.3、20.1、20.4、および23.5°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)を有する化合物の結晶形Eを提供する。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは7.3、15.1、21.2、22.8、および24.4°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは18.5、21.9、24.6、および25.8°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、結晶形Eは、7.3、15.1、18.0、18.3、20.1、20.4、21.2、22.8、23.5、および24.4°2θ(±0.2°2θ)でのピーク(すなわち、相対ピーク強度%に従ってランク付けした最初の10個のピーク)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Eは、表4Aまたは表4Bに列挙される3個、4個、5個、またはそれ以上のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Eは、表4Aまたは表4Bに列挙される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、式(I)を有する化合物の結晶形Eは、図5と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Eは、式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない。
いくつかの態様では、結晶形Eは、約190.2℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Eは、約188.0℃の開始温度および約190.2℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Eは、図6と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Eは、熱重量分析(TGA)により測定される約39℃から約180℃への加熱時の約0.3%の重量減少をさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Eは、図7と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Eは無水形である。
いくつかの態様では、結晶形Eは、図5と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図6と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Eは、図5と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図6と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とし; 図7と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
III-3. 結晶形F
一態様では、本開示は、12.1、17.8、19.3、22.1、および23.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)を有する化合物の結晶形Fを提供する。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは18.9、19.2、19.5、21.1、および22.4°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、結晶形Fは、12.1、17.8、18.9、19.2、19.3、19.5、21.1、22.1、22.4、および23.3°2θ(±0.2°2θ)でのピーク(すなわち、相対ピーク強度%に従ってランク付けした最初の10個のピーク)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Fは、表6Aまたは表6Bに列挙される1個、2個、3個、4個、5個、またはそれ以上のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Fは、表6Aまたは表6Bに列挙される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、式(I)を有する化合物の結晶形Fは、図8と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Fは、式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない。
いくつかの態様では、結晶形Fは、約162.7℃および187.5℃での1個または複数の吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Fは、約158.9℃の開始温度および約162.7℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Fは、約185.3℃の開始温度および約187.5℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Fは、図9と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Fは、熱重量分析(TGA)により測定される約50℃から約180℃への加熱時の約0.4%の重量減少をさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Fは、図10と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Fは無水形である。
いくつかの態様では、結晶形Fは、図8と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図9と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Fは、図8と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図9と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とし; 図10と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
III-4. 結晶形B
一態様では、本開示は、5.1、15.1、17.3、17.8、および23.8°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)を有する化合物の結晶形Bを提供する。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは14.8、16.5、20.8、25.0、および28.5°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、結晶形Bは、5.1、14.8、15.1、16.5、17.3、17.8、20.8、23.8、25.0、および28.5°2θ(±0.2°2θ)でのピーク(すなわち、相対ピーク強度%に従ってランク付けした最初の10個のピーク)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Bは、表8Aまたは表8Bに列挙される3個、4個、5個、またはそれ以上のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Bは、表8Aまたは表8Bに列挙される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、式(I)を有する化合物の結晶形Bは、図11と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Bは、式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない。
いくつかの態様では、結晶形Bは、約95.4℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Bは、約80.0℃の開始温度および約95.4℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムは約151.1℃、約170.3℃、および185.3℃での1個または複数の吸熱ピークをさらに含む。
いくつかの態様では、結晶形Bは、図12と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Bは、熱重量分析(TGA)により測定される約80℃から約145℃への加熱時の約3.4%の重量減少をさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Bは、図13と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Bは水和形である。いくつかの態様では、結晶形Bは一水和形である。
いくつかの態様では、結晶形Bは、図11と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図12と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Bは、図11と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図12と実質的に一致している示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とし; 図13と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする。
III-5. 結晶形C
一態様では、本開示は、14.4、17.4、19.1、19.4、および22.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)を有する化合物の結晶形Cを提供する。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは6.9、11.7、23.7、24.9、および25.1°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、結晶形Cは、6.9、11.7、14.4、17.4、19.1、19.4、22.3、23.7、24.9、および25.1°2θ(±0.2°2θ)でのピーク(すなわち、相対ピーク強度%に従ってランク付けした最初の10個のピーク)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Cは、表10Aまたは表10Bに列挙される3個、4個、5個、またはそれ以上のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Cは、表10Aまたは表10Bに列挙される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、式(I)を有する化合物の結晶形Cは、図14と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Cは、式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない。
いくつかの態様では、結晶形Cは、図15Aおよび図15Bに示される1H NMRスペクトルをさらに特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Cは溶媒和形である。いくつかの態様では、結晶形Cはクロロホルム溶媒和形である。いくつかの態様では、結晶形Cはクロロホルム溶媒和形であり; X線粉末回折(XRPD)の結晶体積により確定されるクロロホルム対式(I)の化合物のモル比は1:1以下である。いくつかの態様では、結晶形Cはクロロホルム溶媒和形であり; 図15Aおよび図15Bに示される1H NMRスペクトルにより確定されるクロロホルム対式(I)の化合物のモル比は約0.4:1である。
いくつかの態様では、結晶形Cは、図14と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とし; 図15Aおよび図15Bに示される1H NMRスペクトルをさらに特徴とする。
III-6. 結晶形H
一態様では、本開示は、5.1、17.3、18.7、23.4、および25.6°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、式(I)を有する化合物の結晶形Hを提供する。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは14.3、16.5、18.1、21.02、および22.5°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、X線粉末回折パターンは15.8、16.3、18.9、および19.6°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む。いくつかの態様では、結晶形Hは、5.1、14.3、16.5、17.3、18.1、18.7、21.02、22.5、23.4、および25.6°2θ(±0.2°2θ)でのピーク(すなわち、相対ピーク強度%に従ってランク付けした最初の10個のピーク)を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Hは、表12Aまたは表12Bに列挙される3個、4個、5個、またはそれ以上のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの態様では、結晶形Hは、表12Aまたは表12Bに列挙される少なくとも5個のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、式(I)を有する化合物の結晶形Hは、図16と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを特徴とする。
いくつかの態様では、結晶形Hは、式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない。
いくつかの態様では、結晶形Hは溶媒和形である。いくつかの態様では、結晶形Hはメタノール溶媒和形である。いくつかの態様では、結晶形Hはメタノール溶媒和形であり; X線粉末回折(XRPD)の結晶体積により確定されるメタノール対式(I)の化合物のモル比は1:1以下である。
IV. 結晶形Aを調製するための方法
一局面では、本開示は、結晶化法によって本明細書に記載の結晶形Aを調製するための方法(以下、第1の方法と呼ぶ)を提供する。第1の方法は、
a) 式(I):
Figure 2024503892000004
を有する化合物と、テトラヒドロフラン(THF)とを含む第1の混合物を、第1の温度約50℃~約65℃で形成する工程;
b) 第1の混合物を第2の温度約35℃~約45℃に冷却する工程;
c) 結晶形Aの1個または複数の種結晶を、第2の混合物を形成するために工程d)の前に加得る工程、または工程d)の間に加える工程;
d) 第3の混合物を形成するために、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加える工程;
e) 析出物を含む第4の混合物を形成するために、第3の混合物を第3の温度約25℃以下に冷却する工程; および
f) 結晶形Aを得るために、第4の混合物から析出物を単離する工程を含み、
ここで工程c)およびd)はそれぞれ第2の温度に維持される。
第1の方法に関して、式(I)の化合物は任意の形態(例えば結晶形または非晶形)でありうる。いくつかの態様では、式(I)の化合物は結晶形(例えば本明細書に記載の形態A、E、F、B、C、およびH)である。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態A、形態E、形態F、形態B、形態C、形態H、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態Aであるが、但し、形態Aの式(I)の化合物は純度約99%未満を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態A以外の結晶形である。いくつかの態様では、式(I)の化合物は非晶形である。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度少なくとも約90%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約90%~約99%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約95%~約99%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約96%~約99%、約97%~約99%、または約98%~約99%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約96%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約97%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約98%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約99%を有する。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、式(I)の化合物は第1の混合物に約50g/L~約150g/L、約75g/L~約125g/L、約90g/L~約110g/L、または約100g/Lの量で存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は第1の混合物に約75g/L~約125g/Lの量で存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は第1の混合物に約90g/L~約110g/Lの量で存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は第1の混合物に約100g/Lの量で存在する。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、THF対MTBEの体積比は約1:4~約2:1である。いくつかの態様では、THF対MTBEの体積比は約1:3~約1:1である。いくつかの態様では、THF対MTBEの体積比は約1:2である。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶を工程d)の前に加えて第2の混合物を形成する。いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶を工程d)の間に加えて第3の混合物を形成する。いくつかの態様では、MTBEの総量のうち体積比で約1/5(例えばMTBE 20体積のうち4体積)を加えた後、結晶形Aの1個または複数の種結晶を工程d)において加える。いくつかの態様では、MTBEの総量のうち体積比で約2/5(例えばMTBE 20体積のうち8体積)を加えた後、結晶形Aの1個または複数の種結晶を工程d)において加える。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶を式(I)の化合物の約0.5重量%~約2重量%の量で加える。いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶を式(I)の化合物の約1重量%~約1.5重量%の量で加える。いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶は、表1に従って特徴づけられる、実施例2の形態Aである。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、第1の混合物は溶液である。いくつかの態様では、第1の混合物は、固体を実質的に含まない溶液である。いくつかの態様では、第2の混合物および/または第3の混合物はそれぞれスラリーである。いくつかの態様では、第2の混合物は第1のスラリーである。いくつかの態様では、第3の混合物は第2のスラリーである。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、第2の温度に維持しながら、第2の混合物を工程d)の前に約20~120分間さらに攪拌する。いくつかの態様では、第2の温度に維持しながら、第2の混合物を工程d)の前に約20~60分間さらに攪拌する。いくつかの態様では、約40℃に維持しながら、第2の混合物を工程d)の前に約30分間さらに攪拌する。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、第2の温度に維持しながら、工程d)を約1~3時間かけて行う。いくつかの態様では、約40℃に維持しながら、工程d)を約1.5時間かけて行う。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、工程e)の冷却を約1~3時間かけて行う。いくつかの態様では、工程e)の冷却を約2時間かけて行う。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、第3の温度に維持しながら、第4の混合物を約1~24時間さらに攪拌する。いくつかの態様では、約20℃に維持しながら、第4の混合物を約1~24時間さらに攪拌する。いくつかの態様では、約20℃に維持しながら、第4の混合物を約1時間さらに攪拌する。
第1の方法に関して、いくつかの態様では、第1の温度は約55℃~65℃である。いくつかの態様では、第1の温度は約60℃~65℃である。いくつかの態様では、第1の温度は約55℃~60℃である。いくつかの態様では、第1の温度は約55℃である。いくつかの態様では、第2の温度は約40℃である。いくつかの態様では、第3の温度は約20℃である。
別の局面では、本開示は、スラリー・トゥー・スラリー(slurry-to-slurry)法によって本明細書に記載の結晶形Aを調製するための方法(以下、第2の方法と呼ぶ)を提供する。第2の方法は、
a) 式(I):
Figure 2024503892000005
を有する化合物と、テトラヒドロフラン(THF)と、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)とを含む第3のスラリーを形成する工程;
b) 第4のスラリーを形成するために、結晶形Aの1個または複数の種結晶を加える工程;
c) 第5のスラリーを形成するために、第4のスラリーを攪拌する工程; および
d) 結晶形Aを得るために、第5のスラリーから析出物を単離する工程を含み、
ここで結晶形Aの1個または複数の種結晶は、式(I)の化合物の少なくとも約5重量%の量で存在し; 工程a)~c)はそれぞれ温度約40℃~約50℃に維持される。
第2の方法に関して、式(I)の化合物は任意の形態(例えば結晶形または非晶形)でありうる。いくつかの態様では、式(I)の化合物は結晶形(例えば本明細書に記載の形態A、E、F、B、C、およびH)である。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態A、形態E、形態F、形態B、形態C、形態H、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態Aであるが、但し、形態Aの式(I)の化合物は純度約99%未満を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は形態A以外の結晶形である。いくつかの態様では、式(I)の化合物は非晶形である。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度少なくとも約90%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約90%~約99%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約95%~約99%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約96%~約99%、約97%~約99%、または約98%~約99%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約96%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約97%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約98%を有する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は純度約99%を有する。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、式(I)の化合物は第3のスラリーに約20g/L~約50g/L、約25g/L~約40g/L、約30g/L~約35g/L、または約33g/Lの量で存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は第3のスラリーに約25g/L~約40g/Lの量で存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は第3のスラリーに約30g/L~約35g/Lの量で存在する。いくつかの態様では、式(I)の化合物は第3のスラリーに約33g/Lの量で存在する。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、第3のスラリー中のTHF対MTBEの体積比は約1:4~約2:1である。いくつかの態様では、第3のスラリー中のTHF対MTBEの体積比は約1:3~約1:1である。いくつかの態様では、第3のスラリー中のTHF対MTBEの体積比は約1:2である。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶は、式(I)の化合物の約5重量%~約20重量%の量で存在する。いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶は、式(I)の化合物の約5重量%の量で存在する。いくつかの態様では、結晶形Aの1個または複数の種結晶は、式(I)の化合物の約10重量%の量で存在する。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、攪拌の工程c)を約1~5日かけて行う。いくつかの態様では、攪拌の工程c)を約1~2日かけて行う。いくつかの態様では、攪拌の工程c)を約1.5日かけて行う。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、工程a)~c)をそれぞれ温度約45℃に維持する。
第2の方法に関して、いくつかの態様では、工程c)の後に、第5のスラリーを温度約25℃以下にさらに冷却し、温度約25℃以下に維持しながら約1~24時間攪拌する。いくつかの態様では、第5のスラリーを約1~3時間かけて約20℃にさらに冷却し; 約20℃に維持しながら約1~24時間さらに攪拌する。いくつかの態様では、第5のスラリーを約2時間かけて約20℃にさらに冷却し; 約20℃に維持しながら約1時間さらに攪拌する。
一般に、式(I)の化合物の結晶形Aを一般的な方法(例えば濾過および乾燥)によって単離することができる。上記の第1の方法および第2の方法の両方に関して、いくつかの態様では、析出物を濾過により単離する。いくつかの態様では、単離された析出物をさらに乾燥させて結晶形Aを得る。いくつかの態様では、単離された析出物を加熱(例えば45℃)することでさらに乾燥させて結晶形Aを得る。いくつかの態様では、単離された析出物を数日間(例えば1~2日間)加熱(例えば45℃)することでさらに乾燥させて結晶形Aを得る。
第1の方法および第2の方法の両方に関して、いくつかの態様では、単離された式(I)の化合物の結晶形Aは純度少なくとも約99%を有する。いくつかの態様では、単離された式(I)の化合物の結晶形Aは純度少なくとも約99.5%を有する。いくつかの態様では、単離された式(I)の化合物の結晶形Aは純度約99.9%を有する。
本明細書に記載の第1の方法および第2の方法の両方により調製される、式(I)の化合物の結晶形Aを、III-1節に従って特徴づけることができる。いくつかの態様では、本明細書に記載の第1の方法および第2の方法の両方により調製される、式(I)の化合物の結晶形Aは、図1と実質的に一致しているX線粉末回折パターンを有する。
V. 組成物
別の局面では、本開示は、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体とを組み合わせる工程を含む方法により調製される、薬学的組成物を提供する。いくつかの態様では、結晶形は、本明細書に定義および記載の形態Aである。
本明細書において提供される結晶形を、当技術分野において利用可能な方法および本明細書に開示される方法を使用して、薬学的組成物に製剤化することができる。本明細書に開示される任意の結晶形を、適切な薬学的組成物として提供し、好適な投与経路で投与することができる。
対象への本明細書に記載の組成物の投与は局所的投与または非全身的投与、例えば局所投与、皮下投与、皮内投与、または病変内投与でありうる。いくつかの態様では、本組成物は局所投与により投与されうる。いくつかの態様では、本組成物は皮内投与により投与されうる。いくつかの態様では、本組成物は病変内投与、例えば病変内注射により投与されうる。
本明細書において提供される方法は、単独での、あるいは、1つまたは複数の適合性がありかつ薬学的に許容される担体、例えば希釈剤または補助剤との組み合わせ、あるいは対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置用の別の剤との組み合わせの形態での、本明細書に記載の化合物の少なくとも1つの結晶形から調製される、薬学的組成物を投与する段階を包含する。
いくつかの態様では、第2の剤は本明細書において提供される化合物の結晶形と共に製剤化または包装可能である。当然、第2の剤を本明細書において提供される化合物の結晶形と共に製剤化することは、この共製剤化がいずれかの剤の活性または投与方法に干渉しないはずであると当業者が判断する場合にのみ行われる。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形および第2の剤は別々に製剤化される。それらは、当業者の都合に応じて、共に包装されてもよく、別々に包装されてもよい。
臨床現場では、本明細書において提供される有効剤は任意の好適な経路で投与、特に局所投与、皮下投与、皮内投与、病変内投与、経口投与、非経口投与、直腸投与、または吸入投与(例えばエアロゾル剤の形態で)されうる。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形から調製される組成物は局所投与、皮下投与、皮内投与、または病変内投与される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形から調製される組成物は局所投与される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形から調製される組成物は皮内投与される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形から調製される組成物は病変内投与される。
錠剤、丸剤、硬ゼラチンカプセル剤、散剤、または顆粒剤を経口投与用固体組成物として使用することができる。これらの組成物中では、有効剤とショ糖、ラクトース、またはデンプンなどの1つまたは複数の不活性希釈剤または補助剤とが混合されている。
これらの組成物は、希釈剤以外の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、または制御放出向けのコーティングを含みうる。
水または流動パラフィンなどの不活性希釈剤を含む、薬学的に許容される溶液剤、懸濁液剤、乳剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を、経口投与用の液体組成物として使用することができる。これらの組成物は希釈剤以外の物質を、いくつかの態様では湿潤剤、甘味料、または香味料を含んでもよい。
ローション剤、チンキ剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、または軟膏剤を局所投与用組成物として使用することができる。これらの組成物中では、有効剤と水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン1,3ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、およびそれらの混合物を含む1つまたは複数の不活性賦形剤とが混合されている。
非経口投与、病変内投与、または皮内投与用組成物は乳剤または滅菌溶液剤でありうる。プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油、または注射用有機エステル、いくつかの態様ではオレイン酸エチルを溶媒または媒体として使用することができる。これらの組成物は、補助剤、特に湿潤剤、等張化剤、乳化剤、分散剤、および安定剤を含んでもよい。滅菌はいくつかのやり方で、いくつかの態様では細菌フィルターの使用、放射線、または加熱によって実行可能である。これらの組成物を、使用時に滅菌水または任意の他の注射用滅菌媒体に溶解可能な滅菌固体組成物の形態で調製してもよい。
直腸投与用組成物は、有効成分に加えてカカオバター、半合成グリセリド、またはポリエチレングリコールなどの賦形剤を含む坐薬または直腸カプセル剤である。
本組成物はエアロゾル剤であってもよい。液体エアロゾル剤の形態での使用では、本組成物は安定な滅菌溶液剤、または使用時に非発熱性滅菌水、生理食塩水、もしくは任意の他の薬学的に許容される媒体に溶解する固体組成物でありうる。直接吸入されるように意図される乾燥エアロゾル剤の形態での使用では、有効成分が微粉化され、水溶性固体希釈剤または媒体、いくつかの態様ではデキストラン、マンニトール、またはラクトースと組み合わせられる。
いくつかの態様では、本明細書において提供される組成物は薬学的組成物または単一単位剤形である。本明細書において提供される薬学的組成物または単一単位剤形は、予防有効量または治療有効量の1つまたは複数の予防剤または治療剤(例えば本明細書において提供される化合物、または他の予防剤もしくは治療剤)と、典型的には1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む。いくつかの態様では、「薬学的に許容される」という用語、動物、より具体的にはヒトにおける使用に関して、連邦政府もしくは州政府の規制当局に承認されているかまたは米国薬局方もしくは他の一般に認知されている薬局方において列挙されていることを意味する。「担体」という用語は、治療薬がそれによって投与される希釈剤、補助剤(例えばフロイントアジュバント(完全および不完全))、賦形剤、または媒体を含む。これらの薬学的担体は滅菌液体、例えば水、およびピーナッツ油、大豆油、ミネラルオイル、ゴマ油などの石油、動物、植物、または合成起源の油を含む油でありうる。薬学的組成物を静脈内投与する場合、水を担体として使用することができる。生理食塩水、ならびにブドウ糖水溶液およびグリセリン水溶液を、特に注射用溶液剤の液体担体として使用してもよい。好適な薬学的担体の例はRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日)に記載されている。
典型的な薬学的組成物および剤形は1つまたは複数の賦形剤を含む。好適な賦形剤は薬学分野の当業者に周知であり、いくつかの態様では、好適な賦形剤としてデンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセリン、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。特定の賦形剤が薬学的組成物または単位剤形に組み込まれるために好適であるか否かは、単位剤形が対象に投与されるやり方、および剤形中の特定の有効成分を含むがそれに限定されない、当技術分野において周知の種々の要因に依存する。所望であれば、組成物または単一単位剤形は微量の湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝剤を含んでもよい。
本明細書において提供されるラクトースを含まない組成物は、当業者に周知でありかついくつかの態様では米国薬局方に列挙されている(USP 36-NF 31 S2)、賦形剤を含みうる。一般に、ラクトースを含まない組成物は有効成分、結合剤/充填剤、および潤滑剤を薬学的に適合性がありかつ薬学的に許容される量で含む。例示的なラクトースを含まない剤形は有効成分、結晶セルロース、アルファ化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
水がいくつかの化合物の分解を促進しうることから、有効成分を含む水性の薬学的組成物および剤形が本明細書にさらに包含される。例えば、製剤の有効期間または経時安定性などの特性を確定するために長期貯蔵を促進する手段として、水(例えば5%)の添加が薬学分野において広く受け入れられている。例えばJens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, New York, 1995, pp. 379 80を参照。実際、水および熱はいくつかの化合物の分解を促進する。したがって、製剤の製造、取り扱い、包装、貯蔵、輸送、および使用中に水分および/または湿気に通常遭遇することから、製剤に対する水の効果は非常に重要でありうる。
本明細書において提供される無水の薬学的組成物および剤形を、無水または低含水成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。ラクトースと、第一級または第二級アミンを含む少なくとも1つの有効成分とを含む、薬学的組成物および剤形は、製造、包装、および/または貯蔵中に水分および/または湿気との相当な接触が予想される場合、無水でありうる。
無水薬学的組成物は、その無水性が維持されるように調製および貯蔵されるべきである。したがって、無水組成物を、水に対する曝露を防止することが知られている材料を使用して、好適な製剤キットに含まれうるように包装することができる。いくつかの態様では、好適な包装として気密密封箔、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられるがそれに限定されない。
有効成分が分解する速度を減少させる1つまたは複数の化合物を含む、薬学的組成物および剤形がさらに提供される。本明細書において「安定剤」と呼ばれる、これらの化合物としては、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、または塩緩衝剤が挙げられるがそれに限定されない。
薬学的組成物および単一単位剤形は溶液剤、懸濁液剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出製剤などの形態を取りうる。経口製剤は薬学グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的担体を含みうる。これらの組成物および単位剤形は、予防有効量または治療有効量の予防剤または治療剤を、いくつかの態様では純粋な形態で、対象への適切な投与のための形態を与えるために好適な量の担体と共に含む。製剤は投与様式に適しているべきである。いくつかの態様では、薬学的組成物または単一単位剤形は、滅菌されており、対象、いくつかの態様では動物対象、例えば哺乳動物対象、いくつかの態様ではヒト対象への投与に好適な形態である。
薬学的組成物は、その意図される投与経路に適合するように製剤化される。いくつかの態様では、投与経路としては非経口投与、例えば静脈内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、皮下投与、経口投与、頬側投与、舌下投与、吸入投与、鼻腔内投与、経皮投与、局所投与、経粘膜投与、腫瘍内投与、滑液包内投与、および直腸投与が挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、投与経路は皮内投与、局所投与、または病変内投与である。いくつかの態様では、投与経路は非全身性投与である。いくつかの態様では、本組成物は、日常的手順に従って、ヒトへの静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経口投与、鼻腔内投与、または局所投与に適応した薬学的組成物としてとして製剤化される。いくつかの態様では、薬学的組成物は、日常的手順に従って、ヒトへの皮下投与用に製剤化される。通常、静脈内投与用組成物は、滅菌等張性水性緩衝液中の溶液剤である。必要であれば、本組成物は可溶化剤、および注射部位において疼痛を和らげるためのリグノカインなどの局所麻酔薬を含んでもよい。
いくつかの態様では、剤形として錠剤; カプレット剤; 軟弾性ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤; カシェ剤; トローチ剤; 舐剤; 分散液剤; 坐薬; 軟膏剤; パップ剤(湿布剤); ペースト剤; 散剤; 包帯剤; クリーム剤; プラスター剤; 溶液剤; パッチ剤; エアロゾル剤(例えば点鼻薬または吸入剤); ゲル剤; 懸濁液剤(例えば水性もしくは非水性液体懸濁液剤、水中油型乳剤、または油中水型液体乳剤)、溶液剤、およびエリキシル剤を含む、対象への経口投与または粘膜投与に好適な液体剤形; 対象への非経口投与に好適な液体剤形; ならびに対象への非経口投与に好適な液体剤形を得るために再構成可能な滅菌固体(例えば結晶性固体または非晶質固体)が挙げられるがそれに限定されない。
通常、本明細書において提供される剤形の組成、形状、および種類はその用途に応じて異なる。いくつかの態様では、MEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の初期処置において使用される剤形は、同じ障害または疾患の維持処置において使用される剤形よりも多くの量の1つまたは複数の有効成分を含みうる。同様に、非経口剤形は、同じ疾患または障害を処置するために使用される経口剤形よりも少ない量の1つまたは複数の有効成分を含みうる。本明細書に包含される特定の剤形がこれらの点および他の点で互いに異なることは、当業者には自明であろう。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日)を参照。
一般に、組成物の成分は、有効剤の量を指示するアンプルもしくはサッシェなどの密封容器中で、単位剤形として、いくつかの態様では凍結乾燥粉末もしくは無水濃縮物として、別々にまたは混合物として供給される。本組成物を注入により投与すべき場合、薬学グレードの滅菌水または滅菌食塩水を収容する注入ボトルを用いて分注することができる。本組成物を注射により投与する場合、滅菌注射用水または滅菌生理食塩水のアンプルを、成分が投与前に混合可能になるように用意することができる。
典型的な剤形は、本明細書において提供される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を1日当たり約0.1mg~約1000mgの範囲内で含み、朝に1日1回の単一用量として、または食事と共に摂取される1日を通じての分割用量として与えられる。特定の剤形は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2.0、2.5、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、100、200、250、500または1000mgの有効化合物を有しうる。
経口剤形
経口投与に好適な薬学的組成物を、錠剤(例えば咀嚼錠剤)、カプレット剤、カプセル剤、および液剤(例えば香味シロップ剤)などであるがそれに限定されない別々の剤形として提示することができる。これらの剤形は所定量の有効成分を含むものであり、当業者に周知の薬学的方法により調製可能である。一般にRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日)を参照。
いくつかの態様では、経口剤形は固体であり、本明細書で詳細に説明するように、無水成分を用いて無水疾患または障害下で調製される。しかし、本明細書において提供される組成物の範囲は無水固体経口剤形を超えて広がる。したがって、さらなる形態を本明細書に記載する。
典型的な経口剤形は、従来の薬学的配合技術に従って有効成分と少なくとも1つの賦形剤とを均質混合させて組み合わせることで調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製形態に応じて多種多様な形態を取りうる。いくつかの態様では、経口液体またはエアロゾル剤形中での使用に好適な賦形剤として、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存料、および着色料が挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、固体経口剤形(例えば散剤、錠剤、カプセル剤、およびカプレット剤)中での使用に好適な賦形剤として、デンプン、糖、結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤が挙げられるがそれに限定されない。
錠剤およびカプセル剤は、投与が容易であることから、最も有利な経口単位剤形となり、この場合、固体賦形剤が使用される。所望であれば、錠剤を標準的な水性または非水性技術でコーティングすることができる。これらの剤形を任意の薬学的方法によって調製することができる。一般に、薬学的組成物および剤形は、有効成分と液体担体、微粉化固体担体、またはその両方とを均一かつ均質に混合した後、必要に応じて生成物を所望の外観に形状化することで調製される。
いくつかの態様では、錠剤を圧縮または成形により調製することができる。圧縮錠剤は、場合によって賦形剤と混合された散剤または顆粒剤などの易流動性形態の有効成分を好適な機械中で圧縮することで調製可能である。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた化合物粉末の混合物を好適な機械中で成形することで作製可能である。
いくつかの態様では、経口剤形中で使用可能な賦形剤として、結合剤、充填剤、崩壊剤、および潤滑剤が挙げられるがそれに限定されない。薬学的組成物および剤形中での使用に好適な結合剤としてはコーンスターチ、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、天然ゴムおよび合成ゴム、例えばアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガント末、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば2208番、2906番、2910番)、結晶セルロース、ならびにそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。
いくつかの態様では、本明細書に開示される薬学的組成物および剤形中での使用に好適な充填剤として、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒または粉末)、結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。通常、薬学的組成物中の結合剤または充填剤は、薬学的組成物または剤形の約50~約99重量パーセントで存在する。
いくつかの態様では、結晶セルロースの好適な形態として、AVICEL PH 101、AVICEL PH 103、AVICEL RC 581、AVICEL PH 105として販売される材料(ペンシルベニア州マーカスフックのFMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Salesから入手可能)、およびそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。特定の結合剤は、AVICEL RC 581として販売されている、結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物である。好適な無水または低水分の賦形剤または添加剤としてはAVICEL PH 103(商標)およびStarch 1500 LMが挙げられる。
崩壊剤は、水性環境に曝露される際に崩壊する錠剤を与えるために、組成物中で使用される。含まれる崩壊剤が多すぎる錠剤は貯蔵中に崩壊することがあり、一方、含まれる崩壊剤が少なすぎる錠剤は所望の速度または所望の条件下で崩壊しないことがある。したがって、有効成分の放出を有害に改変するほど多すぎも少なすぎもしない十分な量の崩壊剤を使用して固体経口剤形を形成すべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて異なり、当業者には容易に認識可能である。典型的な薬学的組成物は約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、特に約1~約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
薬学的組成物および剤形中で使用可能な崩壊剤としては寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、およびそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。
薬学的組成物および剤形中で使用可能な潤滑剤としてはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミネラルオイル、ライトミネラルオイル、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えばピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、およびそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、さらなる潤滑剤としてSyloidシリカゲル(AEROSIL 200、メリーランド州ボルチモアのW.R. Grace Co.製)、合成シリカの凝固エアロゾル(テキサス州プレイノのDegussa Co.が販売)、CAB O SIL(発熱性二酸化ケイ素製品、マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.が販売)、およびそれらの混合物が挙げられる。少しでも使用される場合、潤滑剤は通常、潤滑剤が取り込まれる薬学的組成物または剤形の約1重量パーセント未満の量で使用される。
遅延放出剤形
本明細書において提供される化合物の結晶形などの有効成分から調製される組成物を、当業者に周知の制御放出手段または送達装置により投与することができる。いくつかの態様では、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み入れられる米国特許第3,845,770号; 第3,916,899号; 第3,536,809号; 第3,598,123号; 第4,008,719号; 第5,674,533号; 第5,059,595号; 第5,591,767号; 第5,120,548号; 第5,073,543号; 第5,639,476号; 第5,354,556号; 第5,639,480号; 第5,733,566号; 第5,739,108号; 第5,891,474号; 第5,922,356号; 第5,972,891号; 第5,980,945号; 第5,993,855号; 第6,045,830号; 第6,087,324号; 第6,113,943号; 第6,197,350号; 第6,248,363号; 第6,264,970号; 第6,267,981号; 第6,376,461号; 第6,419,961号; 第6,589,548号; 第6,613,358号; および第6,699,500号に記載のものが挙げられるがそれに限定されない。これらの剤形を、いくつかの態様ではヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、または所望の放出プロファイルを実現する様々な比率でのそれらの組み合わせを使用して1つまたは複数の有効成分の遅延放出または制御放出を実現するために使用することができる。本明細書に記載のものを含む、当業者に公知の好適な制御放出製剤を、本明細書において提供される有効成分での使用のために容易に選択することができる。したがって、制御放出に適応した錠剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、およびカプレット剤などであるがそれに限定されない、経口投与に好適な単一単位剤形が、本明細書に包含される。
すべての薬学的制御放出製品は、その非制御性の対応物が実現する薬物治療に比べて薬物治療を改善するという共通の目標を有する。理想的には、医学的処置における最適に設計された制御放出製剤の使用は、疾患または障害を治癒または制御するために最小量の原薬を最小量の時間で使用することを特徴とする。制御放出製剤の利点としては、薬物の活性の長期化、投薬頻度の減少、および対象コンプライアンスの向上が挙げられる。さらに、制御放出製剤は、作用の発生時間、または薬物の血中レベルなどの他の特性に影響を与えるために使用可能であり、したがって、副作用(例えば有害作用)の出現に影響を与えることができる。
大部分の制御放出製剤は、所望の治療効果を迅速に生成する量の薬物(有効成分)を最初に放出するように、かつ長期間にわたってこのレベルの治療効果または予防効果を維持する他の量の薬物を徐々に連続して放出するように設計される。この一定の薬物レベルを体内で維持するには、身体から代謝および排泄される薬物の量を置き換える速度で、薬物を剤形から放出しなければならない。有効成分の制御放出を、pH、温度、酵素、水、あるいは他の生理学的疾患もしくは障害または化合物を含むがそれに限定されない様々な疾患または障害により刺激することができる。
いくつかの態様では、静脈内注入、埋め込み式浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式を使用して薬物を投与することができる。いくつかの態様では、ポンプを使用することができる(Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989)を参照)。いくつかの態様では、ポリマー材料を使用することができる。いくつかの態様では、制御放出システムを当業者が確定する適切な部位において対象内に配置することができ、すなわち、これにより全身量の何分の一しか必要でなくなる(例えばGoodson, Medical Applications of Controlled Release, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照)。他の制御放出システムがLangerの総説論文(Science 249:1527-1533 (1990))において説明されている。有効成分を、体液に不溶性の外部ポリマー膜、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、およびプロピレンとの共重合体、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体に取り囲まれる、固体内部マトリックス、例えばポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネート共重合体、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、ならびに架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルに分散させることができる。次に有効成分は、放出速度制御段階において外部ポリマー膜を通じて拡散する。これらの非経口組成物中の有効成分の割合は、その具体的な性質、および対象の要求に大きく依存する。
非経口剤形
いくつかの態様では、非経口剤形が提供される。いくつかの態様では、非経口剤形を対象に、皮下経路、静脈内経路(ボーラス注射を含む)、筋肉内経路、および動脈内経路を含むがそれに限定されない様々な経路で投与することができる。いくつかの態様では、非経口剤形を対象に、局所経路、皮内経路、または病変内経路を含むがそれに限定されない様々な経路で投与することができる。非経口剤形の投与が混入物に対する対象の自然防御を通常はバイパスすることから、非経口剤形は通常、滅菌されているか、または対象への投与前に滅菌可能である。いくつかの態様では、非経口剤形として、注射向けに用意された溶液剤、薬学的に許容される注射用媒体に溶解または懸濁するように用意された乾燥製剤、注射向けに用意された懸濁液剤、および乳剤が挙げられるがそれに限定されない。
非経口剤形を得るために使用することができる好適な媒体は、当業者に周知である。いくつかの態様では、好適な媒体として注射用水USP; 塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖塩化ナトリウム注射液、および乳酸加リンゲル液などであるがそれに限定されない水性媒体; エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどであるがそれに限定されない水混和性媒体; ならびにトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルなどであるがそれに限定されない非水性媒体が挙げられるがそれに限定されない。
本明細書に開示される1つまたは複数の有効成分の溶解性を増加させる化合物を非経口剤形に組み込んでもよい。
経皮剤形、局所剤形、および粘膜剤形
経皮剤形、局所剤形、および粘膜剤形も提供される。経皮剤形、局所剤形、および粘膜剤形としては点眼液剤、スプレー剤、エアゾール剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、溶液剤、乳剤、懸濁液剤、または当業者に公知である他の形態が挙げられるがそれに限定されない。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日); およびIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia (1985)を参照。口腔内の粘膜組織を処置するために好適な剤形を洗口剤または経口ゲル剤として製剤化することができる。さらに、経皮剤形としては「リザーバ型」または「マトリックス型」パッチ剤が挙げられ、これらを皮膚に適用し、所望量の有効成分の透過を可能にする特定の期間装着することができる。
「薬学的に許容される担体」という用語は、任意の対象組成物またはその成分を運搬または輸送することに関与する、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料などの、薬学的に許容される材料、組成物、または媒体を意味する。各担体は、対象組成物およびその成分に適合性があって患者に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。本明細書に包含される局所剤形、経皮剤形、および粘膜剤形を得るために使用することができる好適な担体(例えば賦形剤および希釈剤)ならびに他の材料は、薬学分野の当業者に周知であり、所与の薬学的組成物または剤形が適用される特定の組織に依存する。そのことを念頭に置けば、無毒でありかつ薬学的に許容されるローション剤、チンキ剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、または軟膏剤を形成するための典型的な担体として水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン1,3ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、およびそれらの混合物が挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、薬学的に許容される担体の役割を果たしうる材料として以下が挙げられる: (1) ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖; (2) コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン; (3) セルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのその誘導体; (4) トラガント末; (5) 麦芽; (6) ゼラチン; (7) タルク; (8) カカオバターおよび坐薬ワックスなどの賦形剤; (9) ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油; (10) プロピレングリコールなどのグリコール; (11) グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール; (12) オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル; (13) 寒天; (14) 水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤; (15) アルギン酸; (16) パイロジェンフリー水; (17) 等張食塩水; (18) リンゲル液; (19) エチルアルコール; (20) リン酸緩衝液; ならびに(21) 薬学的製剤中で使用される無毒で適合性のある他の物質。所望であれば、保湿剤または保水剤を薬学的組成物および剤形に加えてもよい。これらのさらなる成分の例は当技術分野において周知である。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Press; 第22版(2012年9月15日)を参照。
処置すべき特定の組織に応じて、提供される有効成分による処置の前に、それと同時に、またはその後に、さらなる成分を使用することができる。いくつかの態様では、有効成分を組織に送達することを支援するために、透過促進剤を使用することができる。好適な透過促進剤としてはアセトン; エタノール、オレイル、およびテトラヒドロフリルなどの様々なアルコール; ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド; ジメチルアセトアミド; ジメチルホルムアミド; ポリエチレングリコール; ポリビニルピロリドンなどのピロリドン; コリドングレード(ポビドン、ポリビドン); 尿素; ならびにTween 80(ポリソルベート80)およびSpan 60(ソルビタンモノステアレート)などの様々な水溶性または水不溶性糖エステルが挙げられるがそれに限定されない。
また、1つまたは複数の有効成分の送達を改善するために、薬学的組成物もしくは剤形のpH、または該薬学的組成物または剤形が適用される組織のpHを調整することができる。同様に、送達を改善するために、溶媒担体の極性、イオン強度、または等張性を調整することができる。送達を改善するように1つまたは複数の有効成分の親水性または親油性を有利に改変するために、ステアリン酸エステルなどの化合物を薬学的組成物または剤形に加えることができる。この点で、ステアリン酸エステルは製剤の脂質媒体としての、乳化剤または界面活性剤としての、かつ送達促進剤または透過促進剤としての役割を果たしうる。得られる組成物の特性をさらに調整するために、有効成分の異なる塩、水和物、または溶媒和物を使用することができる。
局所製剤
いくつかの態様では、本明細書に記載の薬学的組成物は局所製剤である。局所製剤は、その内容全体があらゆる目的で本明細書に組み入れられるPCT/US2019/000066に記載の製剤のいずれか1つでありうる。いくつかの態様では、局所製剤は、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである、式(I)の化合物の結晶形のいずれか1つから調製される。いくつかの態様では、局所製剤は、本明細書に定義および記載の通りである、式(I)の化合物の結晶形Aから調製される。
いくつかの態様では、局所製剤は塗布剤、ローション剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、またはパッチ剤である。
VI. 方法
第3の局面では、本開示は、皮膚障害を処置する方法を提供する。本方法は、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物を投与することで、皮膚疾患を処置する段階を含む。いくつかの態様では、結晶形は、本明細書に定義および記載の形態Aである。
いくつかの態様では、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患である、対象が処置を必要とする皮膚障害を、対象において処置するための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、治療有効量または予防有効量の、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物を、対象に投与することで、皮膚疾患を処置する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、治療有効量または予防有効量の、いずれも本明細書に定義および記載の通りである式(I)の化合物の結晶形Aまたはその薬学的組成物を、対象に投与することで、皮膚疾患を処置する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、治療有効量の、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物を、対象に投与することで、皮膚疾患を処置する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、治療有効量の、いずれも本明細書に定義および記載の通りである式(I)の化合物の結晶形Aまたはその薬学的組成物を、対象に投与することで、皮膚疾患を処置する段階を含む。
いくつかの態様では、MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害は皮膚RAS病、神経線維腫症1型、皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、および表在性叢状神経線維腫からなる群より選択される。
いくつかの態様では、MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害は神経線維腫症1型である。
いくつかの態様では、投与することは、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物と、対象の皮膚、粘膜、膣、陰茎、喉頭、外陰部、子宮頸部、または肛門とを、局所性適用または非全身性適用、例えば局所適用により接触させることを含む。いくつかの態様では、結晶形は、本明細書に定義および記載の結晶形Aである。
いくつかの態様では、神経線維腫症1型(NF1)に関連する腫瘍、例えば皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、または表在性叢状神経線維腫は、例えばサイズまたは総腫瘍量は、参照標準に対して少なくとも約15%(例えば約15%~約60%)減少し、これにより対象が処置される。いくつかの態様では、参照標準とは、同じ対象または異なる対象に例えば由来する未処置対照中のサイズまたは総腫瘍量のことである。
いくつかの態様では、神経線維腫症1型(NF1)に関連する腫瘍、例えば皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、または表在性叢状神経線維腫のサイズまたは総腫瘍量は、参照標準に対して少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%減少する。いくつかの態様では、参照標準とは、同じ対象または異なる対象に例えば由来する未処置対照中のサイズまたは総腫瘍量のことである。
いくつかの態様では、本方法は、対象を磁気共鳴画像法(MRI)または光学画像法で評価する段階、例えば、対象から得られた腫瘍の量を例えば処置前、処置中、および/または処置後に評価する段階を含む。
神経線維腫症1型(NF1)
いくつかの態様では、皮膚障害はNF1に関連している。レックリングハウゼン神経線維腫症または末梢神経線維腫症としても知られるNF1は、出生数3,000人中約1人において発生しており、最も一般的な遺伝障害および最も一般的な神経皮膚障害の1つである。NF1は、様々なシグナル伝達経路、例えばRasおよびRhoの過剰活性化を生じさせるニューロフィブロミン欠損により引き起こされるものであり、皮膚(dermal)神経線維腫(DF); 皮下神経線維腫; 表在性叢状神経線維腫(PF); 皮膚(cutaneous)神経線維腫(CF); カフェオレ斑; ならびに腋窩部および鼠径部のしみを含むいくつかの皮膚障害に関連している。DFはNF1患者の95%超において発生する。DFは身体のどこにでも出現しうるものであり、40歳超のNF1患者の88%が100個超のDFを示す。DFは重度の身体的苦痛、美観毀損、および社会的不安を引き起こしうる。顔面DFは、罹患した個人において重度の社会的不安の問題および疼痛を作り出すことがある。DF(皮膚(cutaneous)神経線維腫または限局性神経線維腫としても知られる)は、皮膚中または皮膚直下の小さな神経から成長し、通常は思春期近くから小さな隆起として出現する。DFの現行の処置オプションは外科的切除およびCO2レーザー除去に限定されており、いずれも瘢痕を引き起こし、いずれも予防的ではない。
他の皮膚RAS病
いくつかの態様では、皮膚障害はRasの活性化亢進に関連している。いくつかの態様では、皮膚障害は乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)より選択される。
いくつかのまたはいずれかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患はがん(例えば黒色腫)ではない。
いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患はがん、皮膚RAS病、神経線維腫症1型に関連する皮膚障害、すなわち皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、または表在性叢状神経線維腫、乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)である。
いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患はがんである。いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は基底細胞がん、扁平上皮がん、日光角化症、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫、子宮頸がん、HPV関連扁平上皮がん、および黒色腫からなる群より選択される。
いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は皮膚RAS病、神経線維腫症1型に関連する皮膚障害、すなわち皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、または表在性叢状神経線維腫、乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)である。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の減少のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の寛解のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の予防のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置のために使用される。
いくつかの態様では、あざである、対象が処置を必要とする皮膚障害を、対象において処置するための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、治療有効量または予防有効量の、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物を、対象に投与する段階を含む。いくつかの態様では、結晶形は、本明細書に定義および記載の結晶形Aである。
いくつかの態様では、あざはポートワイン母斑(毛細血管奇形)である。ポートワイン母斑は出生時に存在しうる。ポートワイン母斑は出生時に存在しうる。ポートワイン母斑は、身体上のどこにおいても生じることがあり、患部皮膚の区域は全身の成長に伴って成長する。病変の肥厚または小塊の発生は、成人期に生じることがあり、正常な機能に干渉することがある(例えばポートワイン母斑が眼または口の近傍にある場合)。いくつかの場合では、ポートワイン母斑はスタージ・ウェーバー症候群またはクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群などの症候群の一部でありうる。
いくつかの態様では、美観低下またはあざの進行を減少させるためにポートワイン母斑(毛細血管奇形)のあざを処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるためにポートワイン母斑(毛細血管奇形)のあざを予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは表皮母斑である。表皮母斑は、出生時または人生の最初の1年以内にしばしば存在する、局在的な表皮肥厚を伴う良性の皮膚成長である。通常、それは皮膚色、褐色、または灰色である1つまたは複数の長方形または線形の成長として現れる。表面は、疣贅様またはビロード状であって、鋭い境界を伴うものでありうる。いくつかの場合では、悪質転換が中年対象または高齢対象において生じうる。表皮母斑は角化細胞性母斑および器官母斑に細分される。器官母斑としては脂腺母斑(NS)が挙げられる。いくつかの態様では、あざは脂腺母斑である。非器官角化細胞性表皮母斑(KEN)は良性で先天性の色素過剰皮膚病変を特徴とする。面皰母斑を含む他の種類の表皮母斑が、本明細書において提示される態様の範囲内に包含される。面皰母斑(NC)は、他の表皮母斑と同様に通常は出生時または小児期に現れる毛嚢脂腺単位の過誤腫である。臨床的には、NC病変は、拡張してケラチンが詰まった濾胞状の開口部による直線状の列またはクラスターからなり、面皰に似ている。
いくつかの態様では、美観低下またはあざの進行を減少させるために表皮母斑を処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために表皮母斑を予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは脂腺母斑である。いくつかの態様では、美観低下またはあざの進行を減少させるために脂腺母斑のあざを処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために脂腺母斑のあざを予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは、先天性母斑、青色母斑、および後天性色素性母斑を含む、色素性母斑である。時々、色素性母斑(母斑細胞性母斑、母斑細胞母斑、一般的には黒子としても知られる)から悪性黒色腫が発生する。色素性母斑(すなわち母斑細胞母斑)の処置の理由としては、悪性変化の予防、悪性進行の制限、美容向上、または他の機能的もしくは解剖学的変化の予防が挙げられる。
いくつかの態様では、美観低下の危険性またはあざの進行を減少させるために色素性母斑を処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために色素性母斑を予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは異形成母斑である。異形成母斑(または異型黒子)は、外観が普通ではない良性の黒子であり、黒色腫に似ていることがある。異型黒子を有する人々は、身体上の黒子または他の場所において黒色腫を発生させる危険性が上昇する。
いくつかの態様では、美観低下またはあざの進行を減少させるために異形成母斑を処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために異形成母斑を予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは扁平母斑である。扁平母斑(点状集簇性母斑および帯状疱疹状集簇性母斑としても知られる)は、色素沈着による明褐色の斑点として現れる皮膚病変であり、この斑点内には複数の小さな濃褐色の点が存在する。
いくつかの態様では、美観低下またはあざの進行を減少させるために扁平母斑のあざを処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために扁平母斑のあざを予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは皮膚中の動静脈奇形(例えば青色ゴム乳首様母斑症候群)であり、圧縮性で青色の皮下結節から構成される皮膚病変として現れうる。
いくつかの態様では、美観低下またはあざの進行を減少させるために動静脈奇形を処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために動静脈奇形を予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざはリンパ管奇形である。リンパ管奇形は、リンパ管の奇形および拡張による血管母斑またはあざの一種である。嚢腫(「嚢胞性リンパ管腫(cystic lymphangioma)」および「嚢胞性リンパ管腫(lymphangioma cysticum)」とも呼ばれる)は、「大球性」リンパ管奇形であり、体液で満ちた大きな空間から構成されている。それは皮膚色、赤色、または帯青色として現れ、いくらか透明であり、皮膚の下で膨潤する。海綿状リンパ管腫は、舌を含む身体上のあらゆる部位を冒しうる。限局性リンパ管腫は「小球性」リンパ管奇形である。それは、リンパ液で満ちた小さな固い疱疹のクラスターとして現れ、カエルの卵に似ている。
いくつかの態様では、美観低下の危険性またはあざの進行を減少させるためにリンパ管奇形を処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるためにリンパ管奇形を予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、あざは先天性色素性母斑である。先天性色素性母斑は限局性で明褐色~黒色の斑点またはプラークとして現れ、堅さが不均一であり、身体のあらゆるサイズの表面区域およびあらゆる部分を覆う。先天性色素性母斑は悪性腫瘍変性の危険性をもたらす。
いくつかの態様では、美観低下の危険性またはあざの進行を減少させるために先天性色素性母斑を処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、あざの進行を減少させ、あざの発症を遅延させ、またはあざの進行を遅延させるために先天性色素性母斑を予防的に処置する方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象におけるあざの減少のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象におけるあざの寛解のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象における、あざ(例えばMEK阻害剤応答性もしくはMEK媒介性のあざ)の予防、および/または、あざ(例えばあざが増殖性疾患に進行しうる場合)の悪化の予防のために使用される。
いくつかの態様では、必要とする対象はヒトである。
あざはカフェオレ斑ではない。
いくつかの態様では、投与することは、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物と、対象の皮膚、例えば皮膚の患部、例えばあざを有する皮膚の領域とを接触させることを含む。
いくつかの態様では、あざの外観、例えばサイズ、体積、または総表面積は、参照標準(例えば処置開始前のあざのサイズ)に対して少なくとも約15%減少し、これにより対象が処置される。いくつかの態様では、皮膚上のサイズ、体積、または総表面積は、参照標準に対して少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%減少する。一態様では、参照標準は処置開始前のあざのサイズである。
いくつかの態様では、皮膚がんである、対象が処置を必要とする皮膚障害を、対象において処置するための方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、本方法は、治療有効量または予防有効量の、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物を、対象に投与する段階を含む。いくつかの態様では、結晶形は、本明細書に定義および記載の結晶形Aである。
いくつかの態様では、皮膚がんはMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚がんである。
いくつかの態様では、皮膚がんは皮膚扁平上皮がん(cSCC)である。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がんは実質臓器移植レシピエント(SOTR)における紫外線曝露または免疫抑制に関連している。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がんは実質臓器移植レシピエントにおける免疫抑制に関連している。
いくつかの態様では、実質臓器移植レシピエントにおける皮膚扁平上皮がんはMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚扁平上皮がんである。
いくつかの態様では、投与することは、そのそれぞれが本明細書に定義および記載の通りである結晶形A、B、C、E、F、およびHのいずれか1つである式(I)の化合物の結晶形、または本明細書に定義および記載の通りであるその薬学的組成物と、対象の皮膚、粘膜、膣、陰茎、喉頭、外陰部、子宮頸部、または肛門とを、ソフトMEK阻害剤の局所的適用または非全身的適用、例えば局所適用、皮内適用、もしくは病変内適用、または坐薬による適用により接触させることを含む。いくつかの態様では、結晶形は、本明細書に定義および記載の結晶形Aである。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)に関連する腫瘍、例えば皮膚がん(dermal carcinoma)は、例えばサイズまたは総腫瘍量は、参照標準に対して少なくとも約15%(例えば約15%~約60%)減少し、これにより対象が処置される。いくつかの態様では、参照標準とは、同じ対象または異なる対象に例えば由来する未処置対照中のサイズまたは総腫瘍量のことである。
SOTR集団には、SCCを現在有している患者、cSCCを以前有していた患者、または、いずれもSCCに進行することが知られている、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がん、もしくは日光角化症を有している患者が含まれる。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を減少させるために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を現在有しているか、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していたか、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有しているか、または日光角化症を有している、実質臓器移植レシピエントにおいて、皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を減少させるために実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を減少させるために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していた実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を減少させるために、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を減少させるために、日光角化症を現在有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の腫瘍進行の危険性を減少させるために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を現在有しているか、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していたか、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有しているか、または日光角化症を有している、実質臓器移植レシピエントにおいて、皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の腫瘍進行の危険性を減少させるために実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の腫瘍進行の危険性を減少させるために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していた実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の腫瘍進行の危険性を減少させるために、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の腫瘍進行の危険性を減少させるために、日光角化症を現在有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を遅延させるために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を現在有しているか、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していたか、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有しているか、または日光角化症を有している、実質臓器移植レシピエントにおいて、皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を遅延させるために実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を遅延させるために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していた実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を遅延させるために、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を遅延させるために、日光角化症を現在有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を予防するために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を現在有しているか、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していたか、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有しているか、または日光角化症を有している、実質臓器移植レシピエントにおいて、皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を予防するために実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を予防するために、皮膚扁平上皮がん(cSCC)を以前有していた実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を予防するために、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)を含む前がんを有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を予防するために、日光角化症を現在有している実質臓器移植レシピエントにおいて皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を減少させるために、慢性リンパ性白血病(CLL)を有していて、かつ免疫不全でcSCCの進行速度が著しく上昇しやすい患者において、皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の腫瘍進行の危険性を減少させるために、慢性リンパ性白血病(CLL)を有していて、かつ免疫不全でcSCCの進行速度が著しく上昇しやすい患者において、皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、皮膚扁平上皮がん(cSCC)の進行を遅延させるかまたは予防するために、慢性リンパ性白血病(CLL)を有していて、かつ免疫不全でcSCCの進行速度が著しく上昇しやすい患者において、皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様では、cSCCの進行を減少させるために、手術不能のcSCCを有している患者において皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、cSCCの腫瘍進行の危険性を減少させるために、手術不能のcSCCを有している患者において皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、cSCCの進行を遅延させるかまたは予防するために、手術不能のcSCCを有している患者において皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様では、cSCCの進行を減少させるために、cSCCが以前外科的に除去された患者において皮膚扁平上皮がんを処置する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、cSCCの腫瘍進行の危険性を減少させるために、cSCCが以前外科的に除去された患者において皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、cSCCの進行を遅延させるかまたは予防するために、cSCCが以前外科的に除去された患者において皮膚扁平上皮がんを予防的に処置または予防する方法が、本明細書において提供される。
いくつかのまたはいずれかの態様では、本明細書に記載の方法を使用して減少させ、予防的に処置し、または予防すべき、皮膚扁平上皮がんに関連する腫瘍または皮膚がんは、癌腫である。
いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は皮膚がんである。いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は基底細胞がん、扁平上皮がん、正常所在扁平上皮がん(ボーエン病としても知られる)、日光角化症、およびHPV関連扁平上皮がんからなる群より選択される。いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は、扁平上皮がんに関連する皮膚障害である。いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は、実質臓器移植レシピエントにおける、扁平上皮がんに関連する皮膚障害である。いくつかの態様では、減少させ、寛解させ、処置し、または予防すべき疾患は、慢性リンパ性白血病(CLL)を有している患者における、扁平上皮がんに関連する皮膚障害である。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚がんまたはMEK媒介性皮膚がんの減少のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚がんまたはMEK媒介性皮膚がんの寛解のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性皮膚がんまたはMEK媒介性皮膚がんの予防のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性扁平上皮がんまたはMEK媒介性扁平上皮がんの処置のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性扁平上皮がんまたはMEK媒介性扁平上皮がんの減少のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性扁平上皮がんまたはMEK媒介性扁平上皮がんの寛解のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、対象がそれを必要とするMEK阻害剤応答性扁平上皮がんまたはMEK媒介性扁平上皮がんの予防のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象における皮膚扁平上皮がんの処置のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象における皮膚扁平上皮がんの減少のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象における皮膚扁平上皮がんの寛解のために使用される。
いくつかの態様では、本明細書に記載の、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、必要とする対象における皮膚扁平上皮がんの予防のために使用される。
いくつかの態様では、必要とする対象はヒトである。
いくつかの態様では、薬学的組成物が局所製剤である場合、局所製剤は局所投与される。
いくつかの態様では、局所製剤は塗布剤、ローション剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、またはパッチ剤として投与される。
VII. 併用療法
いくつかの態様では、本明細書において提供される、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、皮膚障害の処置に有効な第2の剤のさらなる投与を含む、対象が処置を必要とする皮膚障害の処置の方法において有用である。第2の剤は、米国食品医薬品局または米国以外の国の他の同様の機関により現在承認されている剤を含む、皮膚障害または皮膚疾患の処置に有用な当業者に公知の任意の剤でありうる。
いくつかの態様では、本明細書において提供される、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、1つの第2の剤との組み合わせで投与される。さらなる態様では、本明細書において提供される、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、2つの第2の剤との組み合わせで投与される。なおさらなる態様では、本明細書において提供される、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、2つ以上の第2の剤との組み合わせで投与される。
いくつかの態様では、本方法は、必要とする対象に、皮膚障害(例えばMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚障害)の処置または予防に有効な量の、本明細書において提供される式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物と、第2の剤との組み合わせを投与する(例えば局所投与する)段階を包含する。式(I)の化合物の結晶形は、本明細書に記載の結晶形A、E、F、B、C、およびHのいずれか1つでありうるし、その薬学的組成物は、本明細書に記載の組成物のいずれか1つでありうるし、第2の剤は、当技術分野または本明細書に記載の任意の第2の剤でありうる。
本明細書において使用される「組み合わせで」という用語は、2つ以上の治療薬(例えば1つまたは複数の予防剤および/または治療剤)の使用を含む。「組み合わせで」という用語の使用は、障害を有する対象に治療薬(例えば予防剤および/または治療剤)を投与する順序を制限するものではない。第1の治療薬(例えば本明細書において提供される化合物などの予防剤または治療剤)を、障害を有する対象に、第2の治療薬(例えば予防剤または治療剤)の投与の前に(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間前に)、それと同時に、またはその後に(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間後に)、投与することができる。
本明細書において使用される「相乗的」という用語は、治療薬の相加効果よりも有効性の高い、障害を予防、管理、または処置するために使用されたかまたは現在使用中である、本明細書において提供される化合物と別の治療薬(例えば予防剤または治療剤)との組み合わせを含む。治療薬の組み合わせ(例えば予防剤または治療剤の組み合わせ)の相乗効果により、より低投与量の1つまたは複数の治療薬の使用、および障害を有する対象への該治療薬のより低頻度の投与が可能になる。より低投与量の治療薬(例えば予防剤または治療剤)を利用しかつ/またはより低頻度で該治療薬を投与する能力により、障害の予防または処置における該治療薬の有効性が減少することなく、対象への該治療薬の投与に関連する毒性が減少する。さらに、相乗効果により、障害の予防または処置における剤の有効性が改善されうる。最後に、治療薬の組み合わせ(例えば予防剤または治療剤の組み合わせ)の相乗効果により、いずれかの治療剤の単独使用に関連する1つまたは複数の有害作用または望ましくない副作用が回避されうるかまたは減少しうる。
本明細書において提供される、式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物を、別の治療剤、特に、対象が処置を必要とする皮膚障害(例えばMEK阻害剤応答性もしくはMEK媒介性皮膚障害)の処置において有効な剤との組み合わせで、またはそれと交互に投与することができる。併用療法では、有効投与量の2つ以上の剤が一緒に投与され、一方、交互療法または順次療法では、有効投与量の各剤が連続投与または順次投与される。投与される投与量は、薬物の吸収速度、不活性化速度、および排泄速度、ならびに当業者に公知の他の要因に依存する。また、投与量の値が、軽減すべきあざの重症度によって変動するということに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象に関して、特定の投与レジメンおよび投与スケジュールを、個々の要求、および組成物を投与するかまたはその投与を監督する人物の専門的判断に従って経時的に調整すべきであるということを理解されたい。
いくつかの態様では、併用療法において使用される第2の剤の投与量が本明細書に示される。いくつかの態様では、MEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚状態を処置するために使用されたかまたは現在使用中である投与量よりも少ない投与量が、本明細書において提供される併用療法において使用される。第2の剤の推奨投与量を当業者の知識から得ることができる。臨床用に承認された第2の剤に関して、推奨投与量は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み入れられるHardman et al., eds., 1996, Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis Of Therapeutics 9th Ed, McGraw-Hill, New York; Physician's Desk Reference (PDR) 57th Ed., 2003, Medical Economics Co., Inc., Montvale, NJに記載されている。
本開示は、本明細書に記載の式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物を1つもしくは複数のさらなる剤またはその組成物と共に投与することによる、併用処置を提供する。いくつかの態様では、1つまたは複数のさらなる剤は以下より選択される:
ざ瘡を処置する剤(例えばアキュテイン、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、サリチル酸);
鎮痛剤(例えばアセトアミノフェン、カプサイシン)、例えばCox2阻害剤、例えばセレコキシブ);
麻酔薬(例えばベンゾカイン、ベンゾカイン/メントール、ジブカイン、ジペロドン、リドカイン、リドカイン/プリロカイン、プラモキシン);
抗感染症薬(例えばクロタミトン);
抗そう痒薬(例えば乳酸アンモニウム、ベンゾカイン、アスコマイシンマクロラクタム、例えばピメクロリムス);
抗そう痒薬/5HT3受容体アンタゴニスト(例えばオンダンセトロン);
抗生物質(例えばクリンダマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン);
抗コリン性制吐薬(例えばジフェンヒドラミン);
抗線維化薬(例えばコラゲナーゼ、ピルフェニドン);
抗ヒスタミン薬(例えばトリプロリジン(Actifed(登録商標))、フェキソフェナジン(Allergra(登録商標)、Allegra(登録商標)D-12、Allegra(登録商標)-24)、Astepro/Astelin点鼻薬(アゼラスチン(Azalastine))(Dymista(登録商標))、塩酸ヒドロキシジン(Atarax(登録商標))、塩酸ジフェンヒドラミン(Benadryl(登録商標))、ブロムフェニラミン(Dimetapp(登録商標) Cold and Allergy Elixir)、Zyrtec(登録商標)(セチリジン)、Chlor-Trimeton(登録商標)(クロルフェニラミン)、デスロラタジン(Descoratadine)(Clarinex(登録商標)、Clarinex(登録商標)D-12、およびClarinex(登録商標)D-24)、ロラタジン(Claritin(登録商標)、Claritin(登録商標)D-12、Claritin(登録商標)D-24、およびAlavert(登録商標))、ジメンヒドリナート(Dramamine(登録商標))、ジフェンヒドラミン(Benadryl(登録商標)Allergy、Nytol(登録商標)、Sominex(登録商標))、ドキシラミン(Vicks(登録商標)、NyQuil(登録商標)、Alka-Seltzer(登録商標)Plus Night-Time Cold Medicine)、シプロヘプタジン(Periactin(登録商標))、プロメタジン(Phenergan(登録商標))、アクリバスチン(Semprex(登録商標)、Semprex(登録商標)-D)、クレマスチン(Tavist(登録商標))、ドキシラミン(Unisom(登録商標))、レボセチリジン(Levoceterizine)(Xyzal(登録商標));
マスト細胞安定化剤(例えばβ2-アドレナリンアゴニスト、クロモグリク酸、クロモリンナトリウム、Gastrocrom(登録商標)、ケトチフェン、メチルキサンチン、オマリズマブ、ペミロラスト、ケルセチン、ケトチフェン(Zaditen(登録商標)));
抗炎症剤(例えばNSAID(例えばアスピリン、サリチル酸コリンおよびサリチル酸マグネシウム、ジクロフェナクカリウム(Cataflam(登録商標))、ジクロフェナクナトリウム(Voltaren(登録商標)、Voltaren(登録商標)XR)、ジクロフェナクナトリウム・ミソプロストール(Arthrotec(登録商標))、ジフルニサル(Dolobid(登録商標))、エトドラク(Lodine(登録商標)、Lodine(登録商標)XL)、フェノプロフェンカルシウム(Nalfon(登録商標))、フルルビプロフェン(Ansaid(登録商標))、イブプロフェン(Advil(登録商標)、Motrin(登録商標)、Motrin(登録商標)IB、Nuprin(登録商標))、インドメタシン(Indocin(登録商標)、Indocin(登録商標)SR)、ケトプロフェン(Actron(登録商標)、Orudis(登録商標)、Orudis(登録商標)KT、Oruvail(登録商標))、サリチル酸マグネシウム(Arthritab、Bayer(登録商標)Select、Doan's Pills、Magan、Mobidin、Mobogesic)、メクロフェナム酸ナトリウム(Meclomen(登録商標))、メフェナム酸(Ponstel(登録商標))、メロキシカム(Mobic(登録商標))、ナブメトン(Relafen(登録商標))、ナプロキセン(Naprosyn(登録商標)、Naprelan(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(Aleve(登録商標)、Anaprox(登録商標))、オキサプロジン(Daypro(登録商標))、ピロキシカム(Feldene(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、サルサラート(Amigesic、Anaflex 750、Disalcid、Marthritic、Mono-Gesic、Salflex、Salsitab)、サリチル酸ナトリウム、スリンダク(Clinoril(登録商標))、トルメチンナトリウム(Tolectin(登録商標))バルデコキシブ(Bextra(登録商標)));
受容体チロシンキナーゼ阻害剤(例えばスニチニブ);
アルキル化剤(例えばダカルバジン、カルボプラチン);
CDK 4/6阻害剤(例えばLEE011);
PKC阻害剤(例えばAEB071);
MAPK阻害剤(例えばRAS阻害剤/ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えばティピファニブ)、Rafキナーゼ阻害剤(例えばソラフェニブ(BAY 43-9006、Nexavar)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、LGX818、TAK-632、MLN2480、PLX-4720)、ERK阻害剤(例えばSCH772984、VTX11e);
BRAF阻害剤(例えばベムラフェニブ、ダブラフェニブ)
PI3K阻害剤(例えばLY294002);
AKT阻害剤(例えばMK 2206);
PI3K/AKT阻害剤(例えばブパリシブ、シズツムマブ);
mTOR阻害剤(例えば局所ラパマイシン、RAD001(エベロリムス/ラパマイシン)、テムシロリムス、シロリムス);
チロシンキナーゼ阻害剤(例えばイマチニブ(Gleevec(登録商標))、カボザンチニブ(チロシンキナーゼc-MetおよびVEGFR2の阻害剤)、ニロチニブ(Tasigna(登録商標));
VEGF阻害剤(例えばラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、セジラニブ);
免疫応答調節剤(例えば局所イミキモド、インターフェロン、PEGインターフェロン);
カルシウムチャネル遮断薬(例えばAvocil(Mederma)/15%ベラパミル、別途ビタミンD、ドキシサイクリン(Doxycyline)注射液);
スタチン(例えばロバスタチン、メトトレキサート、ビンブラスチン、プレガバリン、テモゾロミド、PLX3397);
HDAC阻害剤(例えばAR-42);
HSP-90阻害剤(例えばガネテスピブ(Ganetespib));
レチノイド(例えばアダパレン、イソトレチノイン、タザロテン、トレチノイン);
ステロイド(例えばアルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、増強ジプロピオン酸ベタメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸クロベタゾール、コルチゾン、デソニド、デキサメタゾン、二酢酸ジフロラゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、ハルシノニド(Halocinonide)、ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、フロ酸モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド);
局所カルシニューリン阻害剤(例えばピメクロリムス(Elidel(登録商標)クリーム1%、Novartis)、タクロリムス(Protopic(登録商標)軟膏、Astellas)); ならびに
非薬学的治療介入(例えば光線力学療法(局所Levulan Kerastick + 光)、電気乾固(ED)、YAGレーザー)。
様々な態様では、治療薬(例えば本明細書において提供される化合物および第2の剤)は5分未満の間隔で、30分未満の間隔で、1時間の間隔で、約1時間の間隔で、約1時間~約2時間の間隔で、約2時間~約3時間の間隔で、約3時間~約4時間の間隔で、約4時間~約5時間の間隔で、約5時間~約6時間の間隔で、約6時間~約7時間の間隔で、約7時間~約8時間の間隔で、約8時間~約9時間の間隔で、約9時間~約10時間の間隔で、約10時間~約11時間の間隔で、約11時間~約12時間の間隔で、約12時間~18時間の間隔で、18時間~24時間の間隔で、24時間~36時間の間隔で、36時間~48時間の間隔で、48時間~52時間の間隔で、52時間~60時間の間隔で、60時間~72時間の間隔で、72時間~84時間の間隔で、84時間~96時間の間隔で、または96時間~120時間の間隔で投与される。様々な態様では、治療薬は24時間以下の間隔または48時間以下の間隔で投与される。いくつかの態様では、2つ以上の治療薬は同じ患者来診内に投与される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形および第2の剤は同時に投与される。
いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形またはその薬学的組成物、および第2の剤は、約2~4日の間隔で、約4~6日の間隔で、約1週間の間隔で、約1~2週間の間隔で、または2週間超の間隔で投与される。
いくつかの態様では、同じ剤の投与を繰り返すことができ、投与を少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日間、3ヶ月、または6ヶ月の間隔で行うことができる。いくつかの態様では、同じ剤の投与を繰り返すことができ、投与を少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日間、3ヶ月、または6ヶ月の間隔で行うことができる。
いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物および第2の剤は、本明細書において提供される化合物および他方の剤が別々に投与される場合よりもベネフィットの増加を示すように両者が共に作用しうる順序および時間間隔内で、患者、いくつかの態様では哺乳動物、例えばヒトに投与される。いくつかの態様では、第2の有効剤を同時に、または異なる時点にて任意の順序で順次投与することができるが、同時に投与しない場合、所望の治療効果または予防効果が得られるように両者を十分に短い時間間隔で投与すべきである。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形、および第2の有効剤は、重複する時間に効果を発揮する。各第2の有効剤を別々に、任意の適切な形態で、かつ任意の好適な経路で投与することができる。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形またはその薬学的組成物は、第2の有効剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される。
いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形またはその薬学的組成物、および第2の剤は、周期的に患者に投与される。周期療法は、第1の剤(例えば第1の予防剤または治療剤)をある期間投与した後、第2の剤および/または第3の剤(例えば第2および/または第3の予防剤または治療剤)をある期間投与し、この順次投与を繰り返すことを包含する。周期療法は、1つもしくは複数の治療薬に対する耐性の発生を減少させ、1つの治療薬の1つもしくは複数の副作用を回避するかもしくは減少させ、かつ/または処置の有効性を改善することができる。
いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形またはその薬学的組成物、および第2の有効剤は、約3週間未満に約1回、2週間に約1回、10日に約1回、または週約1回のサイクルで投与される。1つのサイクルは、サイクル毎に約90分、サイクル毎に約1時間、サイクル毎に約45分にわたる注入による本明細書において提供される化合物および第2の剤の投与を含みうる。各サイクルは少なくとも1週間の休息、少なくとも2週間の休息、少なくとも3週間の休息を含みうる。実行されるサイクル数は約1~約12サイクル、より典型的には約2~約10サイクル、より典型的には約2~約8サイクルである。
いくつかの態様では、処置過程は患者に対して同時に実行され、すなわち、個々の用量の第2の剤は、別々に、但し、本明細書において提供される化合物が第2の有効剤と共に作用しうる時間間隔内で投与される。いくつかの態様では、1つの成分を週1回投与することを、2週間に1回または3週間に1回投与可能な他の成分との組み合わせで行うことができる。言い換えれば、治療薬が同時にまたは同じ日の間に投与されないとしても、投与レジメンは同時に実行されることになる。
第2の剤は、本明細書において提供される化合物と相加的または相乗的に作用しうる。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物の結晶形は、同じ薬学的組成物中で1つまたは複数の第2の剤と同時に投与される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物は、別々の薬学的組成物中で1つまたは複数の第2の剤と同時に投与される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物は第2の剤の投与の前または後に投与される。同じまたは異なる投与経路、例えば経口経路および非経口経路による本明細書において提供される化合物および第2の剤の投与も想定される。いくつかの態様では、本明細書において提供される化合物が、毒性を含むがそれに限定されない1つまたは複数の有害副作用を潜在的に生じさせる第2の剤と同時に投与される場合、有害副作用を誘発させる閾値未満の用量で第2の有効剤を投与することが有利でありうる。
VIII. キット
対象が処置を必要とするMEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患; あるいは、MEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害または疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患の処置方法における使用のためのキットも提供される。いくつかの態様では、本キットは、本明細書において提供される式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物と、第2の剤または組成物と、MEK阻害剤応答性障害もしくは疾患、MEK阻害剤応答性皮膚障害もしくは皮膚疾患、MEK媒介性障害もしくは疾患、またはMEK媒介性皮膚障害もしくは皮膚疾患を処置するための使用法に関する情報を医療提供者に与える説明書とを含む。説明書は、印刷形態で、またはフロッピーディスク、CD、もしくはDVDなどの電子媒体の形態で、または該説明書を得ることができるウェブサイトアドレスの形態で提供可能である。本明細書において提供される化合物もしくはその薬学的組成物、または第2の剤もしくは組成物の単位用量は、対象に投与される際に該化合物または薬学的組成物の治療的または予防的に有効な血漿レベルが対象中で少なくとも1日間維持されうる投与量を含みうる。
対象が処置を必要とするあざ(例えばMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性のあざ)の処置方法における使用のためのキットも提供される。いくつかの態様では、本キットは、本明細書において提供される式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物と、第2の剤または組成物と、あざ(例えばMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性のあざ)を処置するための使用法に関する情報を医療提供者に与える説明書とを含む。説明書は、印刷形態で、またはフロッピーディスク、CD、もしくはDVDなどの電子媒体の形態で、または該説明書を得ることができるウェブサイトアドレスの形態で提供可能である。本明細書において提供される化合物もしくは薬学的組成物、または第2の剤もしくは組成物の単位用量は、対象に投与される際に該化合物または薬学的組成物の治療的に有効な血漿レベルが対象中で少なくとも1日間維持されうる投与量を含みうる。
対象が処置を必要とする皮膚がん(例えばMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚がん)の処置方法における使用のためのキットも提供される。いくつかの態様では、本キットは、本明細書において提供される式(I)の化合物の結晶形またはその薬学的組成物と、第2の剤または組成物と、皮膚がん(例えばMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚がん)を処置するための使用法に関する情報を医療提供者に与える説明書とを含む。説明書は、印刷形態で、またはフロッピーディスク、CD、もしくはDVDなどの電子媒体の形態で、または該説明書を得ることができるウェブサイトアドレスの形態で提供可能である。本明細書において提供される化合物もしくは薬学的組成物、または第2の剤もしくは組成物の単位用量は、対象に投与される際に該化合物または薬学的組成物の治療的に有効な血漿レベルが対象中で少なくとも1日間維持されうる投与量を含みうる。
いくつかの態様では、好適な包装が提供される。本明細書において使用される「包装」は、システムにおいて慣習的に使用され、かつ対象への投与に好適な本明細書において提供される化合物および/または第2の剤を一定の限界の範囲内で保持可能な、固体マトリックスまたは固体材料を含む。これらの材料としてはガラスビンならびにプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリカーボネート)ビン、バイアル、紙、プラスチック、ならびにプラスチック箔積層包装袋などが挙げられる。電子線滅菌技術を使用する場合、包装は、内容物の滅菌を可能にする上で十分に低い密度を有するべきである。
IX. 態様
IX-1. 結晶形E
態様E1
式(I):
Figure 2024503892000006
を有する化合物の結晶形Eであって、
18.0、18.3、20.1、20.4、および23.5°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形E。
態様E2
X線粉末回折パターンが7.3、15.1、21.2、22.8、および24.4°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様E1記載の結晶形E。
態様E3
X線粉末回折パターンが18.5、21.9、24.6、および25.8°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様E1またはE2記載の結晶形E。
態様E4
X線粉末回折パターンが図5と実質的に一致している、態様E1記載の結晶形E。
態様E5
式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない、態様E1~E4のいずれか1つ記載の結晶形E。
態様E6
約190.2℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする、態様E1~E5のいずれか1つ記載の結晶形E。
態様E7
吸熱ピークが開始温度約188.0℃を有する、態様E6記載の結晶形E。
態様E8
DSCサーモグラムが図6と実質的に一致している、態様E6記載の結晶形E。
態様E9
熱重量分析(TGA)により測定される約39℃から約180℃への加熱時の約0.3%の重量減少をさらに特徴とする、態様E1~E8のいずれか1つ記載の結晶形E。
態様E10
図7と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする、態様E1~E8のいずれか1つ記載の結晶形E。
態様E11
無水形である、態様E1~E10のいずれか1つ記載の結晶形E。
IX-2. 結晶形F
態様F1
式(I):
Figure 2024503892000007
を有する化合物の結晶形Fであって、
12.1、17.8、19.3、22.1、および23.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形F。
態様F2
X線粉末回折パターンが18.9、19.2、19.5、21.1、および22.4°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様F1記載の結晶形F。
態様F3
X線粉末回折パターンが図8と実質的に一致している、態様F1記載の結晶形F。
態様F4
式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない、態様F1~F3のいずれか1つ記載の結晶形F。
態様F5
約162.7℃および187.5℃での1個または複数の吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする、態様F1~F4のいずれか1つ記載の結晶形F。
態様F6
約162.7℃での吸熱ピークが開始温度約158.9℃を有する、態様F5記載の結晶形F。
態様F7
約187.5℃での吸熱ピークが開始温度約185.3℃を有する、態様F5記載の結晶形F。
態様F8
DSCサーモグラムが図9と実質的に一致している、態様F5記載の結晶形F。
態様F9
熱重量分析(TGA)により測定される約50℃から約180℃への加熱時の約0.4%の重量減少をさらに特徴とする、態様F1~F8のいずれか1つ記載の結晶形F。
態様F10
図10と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする、態様F1~F8のいずれか1つ記載の結晶形F。
態様F11
無水形である、態様F1~F10のいずれか1つ記載の結晶形F。
IX-3. 結晶形B
態様B1
式(I):
Figure 2024503892000008
を有する化合物の結晶形Bであって、
5.1、15.1、17.3、17.8、および23.8°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形B。
態様B2
X線粉末回折パターンが14.8、16.5、20.8、25.0、および28.5°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様B1記載の結晶形B。
態様B3
X線粉末回折パターンが図11と実質的に一致している、態様B1記載の結晶形B。
態様B4
式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない、態様B1~B3のいずれか1つ記載の結晶形B。
態様B5
約95.4℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする、態様B1~B4のいずれか1つ記載の結晶形B。
態様B6
約95.4℃での吸熱ピークが開始温度約80.0℃を有する、態様B5記載の結晶形B。
態様B7
DSCサーモグラムが約151.1℃、約170.3℃、および185.3℃での1個または複数の吸熱ピークをさらに含む、態様B5またはB6記載の結晶形B。
態様B8
DSCサーモグラムが図12と実質的に一致している、態様B5記載の結晶形B。
態様B9
熱重量分析(TGA)により測定される約80℃から約145℃への加熱時の約3.4%の重量減少をさらに特徴とする、態様B1~B8のいずれか1つ記載の結晶形B。
態様B10
図13と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする、態様B1~B8のいずれか1つ記載の結晶形B。
態様B11
一水和形である、態様B1~B10のいずれか1つ記載の結晶形B。
IX-4. 結晶形C
態様C1
式(I):
Figure 2024503892000009
を有する化合物の結晶形Cであって、
14.4、17.4、19.1、19.4、および22.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形C。
態様C2
X線粉末回折パターンが6.9、11.7、23.7、24.9、および25.1°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様C1記載の結晶形C。
態様C3
X線粉末回折パターンが図14と実質的に一致している、態様C1記載の結晶形C。
態様C4
式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない、態様C1~C3のいずれか1つ記載の結晶形C。
態様C5
クロロホルム溶媒和形である、態様C1~C4のいずれか1つ記載の結晶形C。
態様C6
X線粉末回折(XRPD)の結晶体積により確定されるクロロホルム対式(I)の化合物のモル比が1:1以下である、態様C5記載の結晶形C。
態様C7
図15Aおよび図15Bに示される1H NMRスペクトルにより確定されるクロロホルム対式(I)の化合物のモル比が約0.4:1である、態様C5記載の結晶形C。
IX-5. 結晶形H
態様H1
式(I):
Figure 2024503892000010
を有する化合物の結晶形Hであって、
5.1、17.3、18.7、23.4、および25.6°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形H。
態様H2
X線粉末回折パターンが14.3、16.5、18.1、21.02、および22.5°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様H1記載の結晶形H。
態様H3
X線粉末回折パターンが15.8、16.3、18.9、および19.6°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、態様H1またはH2記載の結晶形H。
態様H4
X線粉末回折パターンが図16と実質的に一致している、態様H1記載の結晶形H。
態様H5
式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない、態様H1~H4のいずれか1つ記載の結晶形H。
態様H6
メタノール溶媒和形である、態様H1~H5のいずれか1つ記載の結晶形H。
態様H7
X線粉末回折(XRPD)の結晶体積により確定されるメタノール対式(I)の化合物のモル比が1:1以下である、態様H6記載の結晶形H。
IX-6. 組成物および方法
態様1
態様E1~E11、F1~F11、B1~B11、C1~C7、およびH1~H7のいずれか1つ記載の結晶形と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを組み合わせる工程
を含む方法により調製される、薬学的組成物。
態様2
局所製剤である、態様1記載の薬学的組成物。
態様3
局所製剤が塗布剤、ローション剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、またはパッチ剤である、態様2記載の薬学的組成物。
態様4
皮膚障害を処置する方法であって、態様E1~E11、F1~F11、B1~B11、C1~C7、およびH1~H7のいずれか1つ記載の結晶形または態様1~3のいずれか1つ記載の薬学的組成物を投与する段階を含む、方法。
態様5
皮膚障害がMEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害である、態様4記載の方法。
態様6
MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が神経線維腫症1型である、態様5記載の方法。
態様7
MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が皮膚神経線維腫である、態様5記載の方法。
態様8
MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が皮下神経線維腫である、態様5記載の方法。
態様9
MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が表在性叢状神経線維腫である、態様5記載の方法。
態様10
MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が皮膚RAS病である、態様5記載の方法。
態様11
皮膚RAS病が乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)からなる群より選択される、態様10記載の方法。
態様12
皮膚障害があざである、態様4記載の方法。
態様13
あざがポートワイン母斑/毛細血管奇形、母斑細胞母斑、異形成母斑、毛細血管腫、表皮母斑、脂腺母斑、扁平母斑、動静脈奇形、リンパ管奇形、および先天性色素性母斑からなる群より選択される、態様12記載の方法。
態様14
あざがp-ERKの活性化に関連している、態様12または13記載の方法。
態様15
p-ERKの活性化に関連しているあざが表皮母斑、脂腺母斑、扁平母斑、動静脈奇形、毛細血管奇形/ポートワイン母斑、先天性色素性母斑、およびリンパ管奇形からなる群より選択される、態様13または14記載の方法。
態様16
皮膚障害が皮膚がんである、態様4記載の方法。
態様17
皮膚がんが皮膚扁平上皮がんである、態様16記載の方法。
態様18
皮膚がんがMEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚扁平上皮がんである、態様16記載の方法。
態様19
皮膚扁平上皮がんがp-ERKの活性化に関連している、態様17または18記載の方法。
態様20
薬学的組成物が局所製剤である場合、局所製剤が局所投与される、態様4~19のいずれか1つ記載の方法。
態様21
局所製剤が塗布剤、ローション剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、またはパッチ剤として投与される、態様20記載の方法。
以下の実施例は、本説明を限定するためではなく例示するために提供される。
A. 略語および頭字語
Figure 2024503892000011
Figure 2024503892000012
以下を含む他の標準的な略語が使用される: NMR = 核磁気共鳴; d = 二重項; dd = 二重項の二重項; t = 三重項; m = 多重項; g = グラム; mg = ミリグラム; μg = マイクログラム; ng = ナノグラム; μM = マイクロモル; mM = ミリモル; nM = ナノモル; hまたはhr = 時間; min = 分; kDa = キロダルトン; kg = キログラム; lまたはL = リットル; mlまたはmL = ミリリットル; μlまたはμL = マイクロリットル; LC = 液体クロマトグラフィー; HPLC = 高速液体クロマトグラフィー; UPLC = 超高速液体クロマトグラフィー; AUC(クロマトグラムにおける) = 曲線下面積; LCMS = 液体クロマトグラフィー質量分析; m/z = 質量電荷比; MS = 質量分析; M = モル濃度; N = 規定度; rac = ラセミ; Rt = 保持時間; sat. = 飽和; TLC = 薄層クロマトグラフィー。
B. 用語集
Figure 2024503892000013
1: SSCIが開発した吸湿性の用語および定義の一部は、以下に示される概念に基づく: Newman, A. W.; Reutzel-Edens, S. M.; Zografi, G. Characterization of the "Hygroscopic" Properties of Active Pharmaceutical Ingredients. J. Pharm. Sci. 2008, 97, 1047-1059。
Figure 2024503892000014
C. 機器技術
以下の方法を、式(I)の化合物を特徴づけるために使用した。
X線粉末回折(XRPD)
透過: XRPDパターンを、PANalytical X'Pert PRO MPDまたはPANalytical Empyrean回折計によって、ロングファインフォーカス放射源を使用して生成されたCu線の入射ビームを使用して収集した。楕円面多層膜ミラーを使用してCuKα X線の焦点を試験片を通じて検出器上に合わせた。分析前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察位置がNIST認証位置と一致していることを確認した。試料の試験片を3μm厚フィルムの間に挟み込み、透過配置で分析した。ビームストップ、散乱防止用の短い延長部、および散乱防止ナイフエッジを使用して、空気により生じるバックグラウンドを最小化した。ソーラースリットを入射ビームおよび回折ビームに使用して軸発散の広がりおよび非対称性を最小化した。回折パターンを、試験片から240mmに位置する走査型位置感応検出器(X'Celerator)、およびData Collectorソフトウェアv. 5.5を使用して収集した。
反射: XRPDパターンを、PANalytical X'Pert PRO MPD回折計によって、ロングファインフォーカス放射源およびニッケルフィルターを使用して生成されたCu Kα線の入射ビームを使用して収集した。回折計を対称性Bragg-Brentanoジオメトリを使用して構成した。分析前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111ピークの観察位置がNIST認証位置と一致していることを確認した。試料の試験片を、ゼロバックグラウンドケイ素基材上の薄い円形の層として用意した。散乱防止スリット(SS)を使用して、空気により生じるバックグラウンドを最小化した。ソーラースリットを入射ビームおよび回折ビームに使用して軸発散の広がりを最小化した。回折パターンを、試料から240mmに位置する走査型位置感応検出器(X'Celerator)、およびData Collectorソフトウェアv. 5.5を使用して収集した。
XRPD指数付け: 所与の指数付けXRPDパターンについて参照される図面内で、赤色棒で示される許容されたピーク位置と、観察されたピークとの一致は、矛盾のない単位格子の確定を示す。別途記載が無い限り、パターンの指数付けの成功は、試料が主に単一の結晶相で構成されていることを示す。割り当てられた消光記号と一致する空間群、単位格子パラメータ、および導出量を、図面の下方の表に示す。仮の指数付けの解を確認するには、結晶単位格子内の分子充填モチーフを確定しなければならない。分子充填の試みはなされなかった。
示差走査熱量測定(DSC)
DSCをMettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を使用して行った。温度較正をオクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ、および亜鉛を使用して行った。試料を密閉アルミニウムDSC皿に入れ、重量を正確に記録し、蓋に穴を開け、試料をDSCセルに挿入した。試料皿として構成された秤量済みアルミニウム皿をセルの基準側面に置いた。試料を-30℃から250℃まで10℃/分で分析した。
熱重量分析(TGA)
TG分析をMettler-Toledo TGA/DSC3+分析計を使用して行った。温度較正をシュウ酸カルシウム、インジウム、スズ、および亜鉛を使用して行った。試料をアルミニウム皿に入れた。皿を密閉し、蓋に穴を開けた後、TG炉に挿入した。試料皿として構成された秤量済みアルミニウム皿を基準台に置いた。炉を窒素下で加熱した。試料を25℃から350℃まで10℃/分で分析した。
動的水蒸気吸着(DVS)
自動水蒸気吸着(VS)データをSurface Measurement SystemのDVS Intrinsic機器で収集した。分析前に試料を乾燥させなかった。吸着データおよび脱着データを窒素掃流下、RH 5%~95%の範囲にわたって10% RH増分で収集した。分析に使用した平衡基準は、5分間で0.0100%未満の重量変化とし、最大平衡化時間は3時間とした。試料の初期含水量についてデータを補正しなかった。分析後の試料をXRPD分析に供した。
液体状態核磁気共鳴(NMR)
溶液NMRスペクトルをAvance 600MHz NMR分光計で取得した。TMSを含むDMSO-d6に試料約5mgを溶解させて試料を調製した。
高速または超高速液体クロマトグラフィー(HPLCまたはUPLC)
HPLC分析を、Waters 2487二重波長検出器付きのWaters Alliance 2695 HPLCで、検出器を所定の波長として以下の方法を使用して得た。LCMS分析を、Shimadzu LC-10AD HPLCに接続されたPerkin Elmer Sciex API 150EX質量分析計で行った。
一般的分析方法
式(I)の化合物の純度確定のためのUPLC法
カラム: Acquity UPLC CSH C18、1.7μm、2.1x150mm
カラム温度: 55℃
オートサンプラー温度: 25℃
検出: 248nm
移動相A: 水中0.05%ギ酸
移動相B: アセトニトリル
勾配: 下記の表を参照
流量: 0.3mL/分
注入量: 1μL
注入モード: H-Classについて注入時に勾配開始
データ収集時間: 22分
再平衡化時間: 7分
総分析時間: 29分
ニードル洗浄液: メタノール
シール洗浄液: アセトニトリル/水、50:50
Figure 2024503892000015
化学現像HPLC法
カラム: Waters Atlantis T3、C18、3.5μm、150x4.6mm
検出: 254nm
移動相A: 水中0.05%ギ酸
移動相B: アセトニトリル中0.05%ギ酸
勾配: 下記の表を参照
流量: 0.8mL/分
Figure 2024503892000016
実施例1
2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-N-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド(すなわち式(I))を調製するためのプロセス
工程1a)および1b)
式(VII)の化合物の調製
Figure 2024503892000017
400L反応器に化合物(IX)(17.0kg)、DABCO(1.31kg)、および炭酸ジメチル(164kg、9体積)を加えた。攪拌を開始し、ジメチルホルムアミド(16.0kg、1体積)を加え、反応器を87.4℃に24時間加熱した。HPLC分析は99.58%の変換を示し、そこでバッチを20~30℃に冷却し、減圧蒸留(27.5inHg、35.1℃)して最終体積87L(5体積)とした。反応器に酢酸エチル(153kg、10体積)を加え、バッチを減圧蒸留(27.5inHg、40℃未満)して最終体積84L(5体積)とした。反応器にEtOAc(153kg、10体積)を加え、バッチを減圧蒸留(27.5inHg、40℃未満)して最終体積85L(5体積)とした後、温度を15~25℃に調整した。
別の容器にDI H2O(50L、3体積)、クエン酸(6.70kg)を加えてクエン酸溶液を調製し、45分間攪拌して固体を完全に溶解させた。クエン酸溶液を攪拌しながら反応器に1時間かけて加えた(注: クエン酸溶液の添加はわずかに発熱性である)。反応器にEtOAc(46kg、3体積)を加え、バッチを15~25℃で30分間攪拌した。層を分離し(20分を要した)、反応器に水層を再度加えた後、EtOAc(123kg、8体積)を加えた。層を20分間攪拌し、分離し、水層を再度加えた後、EtOAc(123kg、8体積)を加えた。層を20分間攪拌し、分離し、EtOAc層の組み合わせを400L反応器に再度加えた。バッチを減圧蒸留(27.5inHg、40℃未満)して最終体積80L(5体積)とした。1H NMRによって残留DABCOが0%であることが明らかになり、そこで内温を55℃未満に維持しながらDI H2O(171L、10体積)を30分かけて加えた(注: 水の添加は発熱性である)。バッチを減圧蒸留(29.1inHg、55℃未満)して最終体積84L(5体積)とし、バッチを13.6℃に調整した。
別の容器にDI H2O(170L、10体積)、スルファミン酸(28.2kg)を加えてスルファミン酸溶液を調製し、20分間攪拌した(注: すべての固体が溶解しないことがある)。内温を8~18℃に維持しながら、スルファミン酸溶液を攪拌しながら反応器に15分かけて加えた。亜硫酸水素ナトリウムスクラバー(48.0kg; 250L DI H2O)を反応器に取り付けた。別の容器にDI H2O(85.0L、5体積)、亜塩素酸ナトリウム(25.0kg)を加えて亜塩素酸ナトリウム溶液を調製し、30分間攪拌した。内部バッチ温度を8~18℃に維持しながら、亜塩素酸ナトリウム溶液を反応器にN2流量60L/分で6時間かけて加えた。次にバッチ温度を6.7℃に調整し、バッチをRosenmund Hastelloy攪拌フィルターに移し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。反応器にDI H2O(37.0L、2体積)を加え、リンス液を固体の上に通し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。反応器にDI H2O(36.0L、2体積)を再度加え、リンス液を固体の上に通し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。固体を真空オーブンに移し、45~55℃で100時間乾燥させて生成物(VII)(12.7kg、62%)を得た。
得られた固体の仕様: 1H NMR(化合物(VII)と一致); 外観: 明黄色固体; KF(含水量%): 0.60%、1,4-ジメトキシベンゼンに対する1H NMR(d6-DMSO)重量アッセイ(92.29%); HPLC純度(247nmでの面積%): 77.8%。
工程2)
式(VI)の化合物の調製
Figure 2024503892000018
10L/分のN2流で19時間不活性化された400L反応器に、化合物(VII)(12.7kg)およびメタノール(202kg、20体積)を加えた。60RPMで行われる攪拌を開始し、バッチ温度を10℃に調整した。バッチ温度を10~20℃に維持しながら濃硫酸(23.4kg、1体積)を45分かけて加えた(注: この添加は発熱性である)。バッチ温度を58~68℃に調整し、この範囲に21時間維持した。バッチを15~25℃に冷却した。HPLC分析によって、化合物(VI)が化合物(VII)に対して97%超で形成されたことが明らかになり、そこでバッチを減圧蒸留(28inHg、40℃未満)して最終体積64L(5体積)とした。
別の容器中でDI H2O(154L、12体積)と50重量%水酸化ナトリウム(18.3kg)とを攪拌しながら混合して水酸化ナトリウム溶液を調製した(注: この添加は発熱性である)。バッチを9.8℃に冷却し、バッチ温度を10~20℃に維持しながら反応器に水酸化ナトリウム溶液を45分かけて加えた(注: この添加は発熱性である)。添加完了時に、pHは1.73であった。別の容器中にDI H2O(38L、3体積)、炭酸水素ナトリウム(3.67kg)を加えて炭酸水素ナトリウム溶液を調製し、すべての固体が完全に溶解するまで30分間攪拌した。反応器に炭酸水素ナトリウム溶液を20分かけて加え、添加完了時に、pHは6.66であった。バッチ温度を15~25℃に調整し、バッチをRosenmund Hastelloy攪拌フィルターに移し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。反応器にDI H2O(101L、8体積)を加え、リンス液をケトルからケーク上に置換洗浄液として移した。反応器にDI H2O(38.1L、3体積)を加え、リンス液をケトルから固体に移し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。生成物を窒素流下、50℃で10日間乾燥させて化合物(VI)(12.1kg、収率88%)を得た。
得られた固体の仕様: 1H NMR(化合物(VI)と一致); 外観: 帯黄白色固体; KF(含水量%): 0.52%; 1,4-ジメトキシベンゼンに対する1H NMR(d6-DMSO)重量アッセイ(90.84%); HPLC純度(247nmでの面積%): 97.2%。
工程3)
式(V)の化合物の調製
Figure 2024503892000019
20L/分のN2流で20時間不活性化された400L反応器に、化合物(VI)(12.1kg)と、ナトリウムtert-ブトキシド(21.4kg)と、StatSafe(50ppm)で処理された無水トルエン(109L、9体積)とを加えた。バッチを80RPMで攪拌し、90分かけて103℃に加熱し、この温度に45分間保持し、-5℃~5℃に冷却した。HPLC分析は生成物94.3%を示した。
別の容器中にDI H2O(54.5L、4.5体積)、塩化アンモニウム(20.1kg)を加えて炭酸水素ナトリウム溶液を調製し、すべての固体が完全に溶解するまで溶液を攪拌した。2M HClスクラバーを反応器に取り付け、バッチ温度を5~10℃に維持しながら反応器に塩化アンモニウム溶液を5時間かけて加えた(注: この添加は極めて発熱性であり、15℃超に加熱することで分解が生じる)。反応器にDI H2O(73.0L、6体積)を加え、バッチ温度を15~25℃に調整した(注: DI H2Oの添加はわずかに発熱性である)。EtOAc(44kg、4体積)を加え、バッチを15分間攪拌し、層を分離した。反応器に水層を再度加えた後、EtOAc(87.5L、8体積)を加え、層を15分間攪拌した。層を分離し、最初2回の抽出による有機層の組み合わせをケトルに再度加えた。
バッチを減圧蒸留(29inHg、65℃未満)して最終体積124L(10体積)とした。反応器にメタノール(182L、15体積)を加え、最終体積が128L(10体積)になるまでバッチを減圧蒸留(27.5inHg、16.7℃)した。反応器にメタノール(182L、15体積)を加え、最終体積が128L(10体積)になるまでバッチを減圧蒸留(27.3inHg、17.0℃)した。バッチを50.5℃に調整し、バッチ温度が45~55℃にとどまるようにDI H2O(182L、15体積)を2時間かけて加えた。バッチを減圧蒸留(28.4inHg、65℃未満)して最終体積122L(10体積)とした。バッチにDI H2O(60.5L、5体積)を加え、温度を15~25℃とした。バッチをこの温度で60時間攪拌し、バッチをRosenmund Hastelloy攪拌フィルターに移し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。反応器にDI H2O(121L、10体積)を加え、リンス液を固体に移し、液体が溶出を停止するまで状態調節した。生成物を窒素流下、40~70℃で6日間乾燥させて化合物(V)(13.0kg、収率88%)を得た。
得られた固体の仕様: 1H NMR(化合物(V)と一致); 外観: 明黄色固体; KF(含水量%): 0.02%; 1,4-ジメトキシベンゼンに対する1H NMR(d6-DMSO)重量アッセイ(96.3%); HPLC純度(247nmでの面積%): 99.1%。
工程4a)および4b)
式(III)の化合物の調製
Figure 2024503892000020
15L/分のN2流で数日間不活性化された400L反応器に1M LiHMDS(83.5kg、15.1体積)を加え、攪拌を開始し、バッチ温度を-5℃~5℃に調整した。15L/分のN2流で数日間不活性化された別の容器中に化合物(V)(6.20kg)、無水THF(23.1kg(移送後にケトルおよびラインを洗浄するために4.45kgを留保した)、5体積(合計))、およびヘキサクロロエタン(7.27kg)を加え、すべての固体が完全に溶解することを確実にするために、内容物を20分間攪拌した。バッチ温度が0~10℃にとどまることを確実にするために、反応溶液を50分かけて反応器に移した(この間に、留保したTHF 4.45kgを使用して上記の溶液容器をリンスし、これをやはり反応器に加えた)。0~10℃で1時間攪拌後、HPLC分析によって化合物(IVa)への100%の変換が明らかになった。
15L/分のN2流で1時間不活性化された別の容器に2-フルオロ-4-ヨードアニリン(6.64kg)および無水THF(11.1kg、2体積)を加え、すべての固体が完全に溶解することを確実にするために75分間攪拌した。バッチ温度が0~10℃にとどまることを確実にするために、反応器に2-フルオロ-4-ヨードアニリン溶液を1時間かけて加えた。バッチ温度を15~25℃に調整し、9.5時間攪拌した。HPLC分析によって化合物(IVa)の1.2%の残留が明らかになり、そこでバッチ温度を-5℃~5℃に調整した。
別の容器中にDI H2O(18.6kg、3体積)および塩化アンモニウム(6.88kg)を加えて塩化アンモニウム溶液を調製し、溶液を12分間攪拌した(注: すべての固体が完全には溶解しないことがある)。バッチ温度が5~15℃にとどまることを確実にするために、塩化アンモニウム溶液を75分かけて反応器に移し、バッチを減圧蒸留(27.16inHg、最高温度35.2℃)して最終体積48.5L(8体積)とした。DI H2O(75L、12体積)を加え、バッチを減圧蒸留して最終体積94L(16体積)とした。バッチ温度を10~20℃に調整し、バッチ温度を10~20℃に維持しながらEtOH(22.0kg、4.5体積)を加え、得られた懸濁液を15分間攪拌し、バッチを濾過した。反応器をDI H2O(62.8L、10体積)でリンスし、リンス液をフィルターに移し、液体が滴下を停止するまで固体を状態調節した。
反応器に濾過後の固体、EtOH(48.9kg、10体積)を加え、バッチを攪拌しながら40~50℃に加熱した。バッチを40~50℃に30分間保持した後、0~10℃に冷却した。バッチを既に使用した同じフィルターで濾過し、反応器にEtOH(25kg、5体積)を加え、リンス液を濾過後の固体の上に通した。液体が滴下を停止するまで固体を状態調節し、50℃の真空オーブンに移し、64時間乾燥させて生成物(III)(11.7kg、93.6%)を得た。
得られた固体の仕様: 1H NMR(化合物(III)と一致); 外観: 褐色固体; KF(含水量%): 0.041%; 1,4-ジメトキシベンゼンに対する1H NMR(d6-DMSO)重量アッセイ(99.4%); HPLC純度(247nmでの面積%): 100%。
工程5)
式(II)の化合物の調製
Figure 2024503892000021
10L/分のN2流で1日間不活性化された、2M NaOHスクラバーが取り付けられた400L反応器に、化合物(III)(11.7kg)、1,4-ジオキサン(52.5L、4.5体積)を加え、バッチを15~25℃に保持して攪拌を開始した。バッチ温度を30℃未満に維持しながら、塩化チオニル(29.7kg)を45分かけて加えた(注: この添加はわずかに発熱性である)。バッチ温度を30℃未満に維持しながら、4M HCl 1,4-ジオキサン溶液(39.3kg、6.0当量)を45分かけて加えた(注: この添加はわずかに発熱性である)。バッチを50~55℃に加熱し、この温度に17時間保持した。HPLC分析によって化合物(III)から化合物(II)への98%の変換が明らかになり、そこでバッチ温度を15~25℃に調整した。
反応器にn-ヘプタン(120L、10体積、200ppm Statsafe 6000で処理)を加え、バッチを減圧蒸留(28inHg、最高温度35.6℃)して最終体積86L(7.5体積)とした。反応器にn-ヘプタン(123L、10体積)を加え、バッチを減圧蒸留(28inHg、最高温度24.0℃)して最終体積86L(7.5体積)とした。反応器にn-ヘプタン(123L、10体積)を加え、バッチを減圧蒸留(29inHg、最高温度20.6℃)して最終体積86L(7.5体積)とした。反応器にn-ヘプタン(116L、10体積)を加え、バッチを減圧蒸留(29inHg、最高温度21.0℃)して最終体積80L(7.5体積)とした。反応器にn-ヘプタン(120L、10体積)を加え、バッチを減圧蒸留(28inHg、最高温度22.0℃)して最終体積83L(7.5体積)とした。バッチをN2下で濾過し、反応器をn-ヘプタン(55.0L、5体積)でリンスし、リンス液を濾過後の固体の上に通した。材料をフィルター中で50L/分のN2流によって3日間減圧乾燥させて生成物(II)(11.8kg、100%超)を得た。
得られた固体の仕様: 1H NMR(NA); 外観: 灰色粉末; KF(含水量%): 0.015%; 1,4-ジメトキシベンゼンに対する1H NMR(d6-DMSO)重量アッセイ(NA); HPLC純度(247nmでの面積%): 95.9%。
工程6a)および6b)
式(I)の化合物の調製
Figure 2024503892000022
15L/分のN2流で26.5時間不活性化された400L反応器に2-(アミノオキシ)エタノール(2.43kg)、THF(63L、6体積)、および4-メチルモルホリン(7.68L)を加え、攪拌しながらバッチ温度を-5℃~5℃に調整した。バッチ温度が0~10℃にとどまるようにクロロトリメチルシラン(4.29L)を30分かけて加え、この温度で45分間攪拌した。
10L/分のN2流で5時間不活性化された別の容器に、化合物(II)(10.5kg)およびTHF(105L、10体積)を加え、室温で20分間攪拌して均一懸濁液を形成した。バッチ温度が10℃未満にとどまるように、反応器に化合物(II)の懸濁液を1.5時間かけて加え、バッチを-5℃~5℃で30分間攪拌した。HPLC分析によって、残留した化合物(II)が化合物(I)に対して0.87%であることが明らかになり、そこでバッチ温度を15~25℃に調整した。
20L/分のN2流で2時間不活性化された200L Schott反応器にDarco G-60(5.25kg)を加えた。バッチをSchott反応器に移し、木炭と共に45分間攪拌した。これを0.4μmインラインフィルターを通じて濾過し、反応器に戻した。反応器にDI H2O(105L、10体積)を45分かけて加えた(その間、バッチ温度は13.6℃から24.0℃に上昇した)。バッチを減圧蒸留(27inHg、最高温度20.7℃)して総体積155L(15体積)とした。バッチ温度を15~25℃に維持し、反応器にMTBE(94.5L、9体積)を加えた。バッチを減圧蒸留(26inHg、最高温度26.6℃)して最終体積133L(13体積)とした。バッチ温度を15~25℃に維持し、反応器にMTBE(94.5L、9体積)を加えた。バッチを減圧蒸留(26inHg、最高温度19.3℃)して最終体積133L(13体積)とした。バッチ温度を15~25℃に維持し、反応器にEtOH(94.5L)を加えた。
固体を濾過し、反応器にDI H2O(52.5L、5体積)を加え、リンス液を収集後の固体の上に通した。反応器にMTBE(52.5L、5体積)を加え、リンス液を収集後の固体の上に通した。反応器にMTBE(52.5L、5体積)を再度加え、リンス液を収集後の固体の上に通した。反応器に固体を加えた後、DI H2O(105L、10体積)を加え、懸濁液を15~25℃で40分間攪拌した。バッチを同じフィルター構成を使用して濾過し、液体が滴下を停止するまで固体を状態調節した。反応器に固体を加えた後、EtOH(141L、13.5体積)を加え、バッチを70~80℃に加熱し、固体がほぼ完全に溶解するまでこの温度で32分間攪拌した。バッチ温度が70~80℃にとどまるように、反応器にDI H2O(105L、10体積)を最低2時間かけて加えた。バッチを10~20℃に13時間かけて冷却し、バッチを新たに構成されたフィルターに入れて濾過した。反応器にDI H2O(52.5L、5体積)を4回別々に加え、毎回リンス液を収集後の固体の上に置換洗浄液として通した。液体が滴下を停止するまで固体を状態調節し、70℃の真空オーブン中で7日間乾燥させて生成物(I)(5.7kg、53.7%)を得た。
実施例2
結晶形A
結晶形Aを実施例1の工程6に従って調製した。
結晶形AのXRPDパターンの指数付けに成功した。このことは、このパターンが1つの結晶相を表すことを示している。指数付けの結果は、結晶体積の推定値が無水形と一致していることを示した。形態Aを表1に示す方法により特徴づけた。
(表1)結晶形Aの特徴づけ
Figure 2024503892000023
形態Aは、限定的な吸湿性を示し、187℃近傍で同時発生的な融解/分解を示した。形態Aは室温~50℃で無水形EおよびFに比べて最も熱力学的安定性が高い形態であると同定された(実施例9および10参照)。さらに、形態Aは、水分活性値0.3以下の溶媒系中で、公知の水和物に比べて優勢な形態であることがわかった(実施例11参照)。
XRPDパターンを形態Aについて分析し、好ましい配向および粒子統計効果は評価しなかった。観察されたピークを図1および表2Aに示し、顕著なピークを表2Bに列挙する。
(表2A)形態Aの図1に示されるXRPDパターンの観察されたピーク
Figure 2024503892000024
(表3B)形態Aの図1に示されるXRPDパターンの顕著なピーク
Figure 2024503892000025
実施例3
結晶形E
形態EのXRPDパターンの指数付けに成功した。指数付けの結果は、このパターンが1つの結晶相を表すことを示し、結晶体積の推定値が無水形と一致していることを示した。形態Eを表3に示す方法により特徴づけた。
(表3)結晶形Eの特徴づけ
Figure 2024503892000026
図6のDSCサーモグラムは、188℃近傍で開始する同時発生的な融解/分解の吸熱を示す。この事象は、形態Aについて観察された事象と同一である。図7のTGAサーモグラムは180℃未満でのごくわずかな重量減少を示し、これは無水形と一致している。180℃超での有意な重量減少は分解に起因する。
無水形Eは室温~50℃で無水形Fよりも熱力学的安定性が高いが形態Aよりも安定性が低いと同定された(実施例9および10参照)。IPA中での高温スラリー実験、アセトンおよびMTBE中での蒸気拡散、ならびに乾燥CAN中での徐冷実験などの少数の実験からは、形態Eが他の形態との混合物として最も高頻度で観察された(実施例12参照)。
XRPDパターンを形態Eについて分析し、好ましい配向および粒子統計効果は評価しなかった。観察されたピークを図5および表4Aに示し、顕著なピークを表4Bに列挙する。
(表4A)形態Eの図5に示されるXRPDパターンの観察されたピーク
Figure 2024503892000027
(表5B)形態Eの図5に示されるXRPDパターンの顕著なピーク
Figure 2024503892000028
実施例4
結晶形F
結晶形FのXRPDパターンの指数付けに成功した。このことは、このパターンが1つの結晶相を表すことを示している。指数付けの結果は、結晶体積の推定値が無水形と一致していることを示した。形態Fを表5に示す方法により特徴づけた。
(表5)結晶形Fの特徴づけ
Figure 2024503892000029
図9のDSCサーモグラムは、159℃近傍で開始する同時発生的な吸熱/発熱を示す。おそらく、この事象は形態Fの融解、続いて再結晶である。186℃近傍で開始する同時発生的な融解/分解の吸熱もDSC中で観察される。図10のTGAサーモグラムは180℃未満でのごくわずかな重量減少を示し、これは無水形と一致している。180℃超での有意な重量減少は分解に起因する。
形態Fは室温~50℃で無水形AおよびEに比べて最も熱力学的安定性が低い形態であることがわかった(実施例10参照)。ACNまたはトルエン中でのいくつかの冷却実験からは形態Fが観察された(実施例12参照)。
XRPDパターンを形態Fについて分析し、好ましい配向および粒子統計効果は評価しなかった。観察されたピークを図8および表6Aに示し、顕著なピークを表6Bに列挙する。
(表6A)形態Fの図8に示されるXRPDパターンの観察されたピーク
Figure 2024503892000030
(表7B)形態Fの図8に示されるXRPDパターンの顕著なピーク
Figure 2024503892000031
実施例5
結晶形B
形態BのXRPDパターンの指数付けに成功した。指数付けの結果は、このパターンが1つの結晶相を表すことを示し、結晶体積の推定値が1mol/molの水に対応しうることを示した。形態Bを表7に示す方法により特徴づけた。
(表7)結晶形Bの特徴づけ
Figure 2024503892000032
図12のDSC曲線に示すように、80℃近傍で開始する脱水吸熱に続いて、複数の事象が起こり、約200℃近傍で分解が生じるに至る。図13のTGAサーモグラムは、3.4%の重量減少が80℃~145℃での脱水吸熱と同時に生じることを示す。この減少は約1mol/molの水の揮発に対応している。
行われた多くの実験からは、一水和形Bが他の形態との混合物として優勢であった(実施例12参照)。形態Bは、水分活性0.5以上の水性溶媒混合物から容易に得ることができる(実施例11参照)。減圧下での高温曝露によって材料は無秩序になる(実施例9参照)。
XRPDパターンを形態Bについて分析し、好ましい配向および粒子統計効果は評価しなかった。観察されたピークを図11および表8Aに示し、顕著なピークを表8Bに列挙する。
(表8A)形態Bの図11に示されるXRPDパターンの観察されたピーク
Figure 2024503892000033
(表9B)形態Bの図11に示されるXRPDパターンの顕著なピーク
Figure 2024503892000034
実施例6
結晶形C
結晶形CのXRPDパターンの指数付けに成功した。このことは、このパターンが1つの結晶相を表すことを示している。指数付けの結果は、結晶体積の推定値が最大1mol/molのクロロホルムに対応しうることを示した。形態Cを表9に示す方法により特徴づけた。
(表9)結晶形Cの特徴づけ
Figure 2024503892000035
図15Aおよび図15Bの溶液1H NMRスペクトルは、式(I)の化合物1モル当たりクロロホルム約0.4モルに積分される、クロロホルムに起因するピークを含む。
XRPDパターンを形態Cについて分析し、好ましい配向および粒子統計効果は評価しなかった。観察されたピークを図14および表10Aに示し、顕著なピークを表10Bに列挙する。
(表10A)形態Cの図14に示されるXRPDパターンの観察されたピーク
Figure 2024503892000036
(表9B)形態Cの図14に示されるXRPDパターンの顕著なピーク
Figure 2024503892000037
実施例7
結晶形H
湿った固体としての結晶形HのXRPDパターンの指数付けに成功した。このことは、このパターンが1つの結晶相を表すことを示している。指数付けの結果は、結晶体積の推定値が最大1mol/molのメタノールに対応しうることを示した。形態Hを表11に示す方法により特徴づけた。
(表11)結晶形Hの特徴づけ
Figure 2024503892000038
XRPDパターンを形態Hについて分析し、好ましい配向および粒子統計効果は評価しなかった。観察されたピークを図16および表12Aに示し、顕著なピークを表12Bに列挙する。
(表12A)形態Hの図16に示されるXRPDパターンの観察されたピーク
Figure 2024503892000039
(表13B)形態Hの図16に示されるXRPDパターンの顕著なピーク
Figure 2024503892000040
実施例8
材料D
材料Dは半水和物であるとされ、相の純度を確認するために材料DのXRPDパターンを指数付けすることはできなかった。30℃近傍で開始する脱水吸熱がDSC曲線中で観察された。これはTGAによる1.3%の重量減少(40℃~75℃で生じる)と同時に生じる。この減少は約0.4mol/molの水の揮発に対応している。以後の残りの事象は、形態Fについて観察された事象と同様である。実施例12において行われた少数の実験からは、材料Dが他の形態との混合物として優勢に観察された。実施例11の水分活性実験からの結果は、水分活性約0.4の水性溶媒系から材料Dが優先的に生じることを示唆している。材料Dを表13に示す方法により特徴づけた。
(表13)材料Dの特徴づけ
Figure 2024503892000041
実施例9
結晶形の安定性
形態Aの物理安定性を調査した。形態Aは減圧下、周囲温度で1日間安定であると確定された。また、形態AはRH 90%に周囲温度で7日間にわたって曝露した際に安定であった。
形態Fの物理安定性を調査した。形態Fは減圧下、室温で5日間にわたって安定であった。さらに、形態FはRH 90%に周囲温度で7日間にわたって曝露した際に安定であった。
形態Bの物理安定性を調査した。形態Bは減圧下、周囲温度で2日間にわたって安定であった。しかし、減圧下での45℃曝露により、追加の未同定ピークを伴うわずかに無秩序のXRPDパターンが生じた。インサイチュー可変温度X線粉末回折(vtXRPD)実験は、形態Bが比較的高い温度(例えば178℃)で最終的に無水形Eに変換/結晶化されることを示唆した。
形態Cの物理安定性を調査した。形態Cは、減圧下で高温(約42℃~約45℃)に、例えば約42℃に1日間または約45℃に3日間曝露された際に、わずかに無秩序になった。
形態Hの固体が当初は過剰のMeOHにより湿った状態で単離されたことから(実施例7参照)、過剰の溶媒を減圧下で(すなわち室温で2日間)除去する試みを行った。得られた固体は、形態Hと形態Aとの無秩序混合物であったことが、XRPDパターンにより確定された。このことは、溶媒和形Hがこの条件下で物理的に安定ではないことを示唆している。
実施例10
二者競合相互変換実験 - 形態A、E、およびFの熱力学的関係性
固体の相転移は熱力学的に可逆的または不可逆的でありうる。特定の転移温度で可逆的に転換される結晶形は互変性多形と呼ばれる。結晶形がこれらの条件下で相互変換可能でない場合、系は単変性である(1つの熱力学的に安定な形態)。熱量測定データを利用するいくつかの規則は、多形の相対的な熱力学的安定性、および多形間の関係性が互変性であるか単変性であるかを予測することに役立つ。残念ながら、融解時に分解が同時発生することから、本試験内で得られた熱量測定データは、この目的に適していなかった。
代わりに、多形間の熱力学的関係性を確定するために、相互変換実験を行った。相互変換実験または競合スラリー実験は、溶解性が高い方の結晶形の代わりに、溶解性が低い方の(安定性が高い方の)結晶を成長させる経路を実現する、溶液媒介性のプロセスである[Bernstein, J. Polymorphism in Molecular Crystals. Clarendon Press, Oxford, 2006; およびPolymorphism in Pharmaceutical Solids. Brittain, Harry G. ed. Marcek Dekker, Inc. New York.1999]。溶媒和物の形成、または分解を除けば、相互変換実験から得られる安定性が高い方の多形は、使用される溶媒とは無関係である。というのも、熱力学的安定性が高い方の多形は、より低いエネルギーを示し、したがってより低い溶解度を示すからである。溶媒の選択は、多形変換の動態に影響し、多形間の熱力学的関係性には影響しない[Gu, CH., Young, V. Jr., Grant, DJ. J. Pharm. Sci. 2001, 90(11):1878-1890]。
形態A/F、A/E、およびE/Fの二者混合物を使用して周囲温度および50℃でスラリーを調製した。式(I)の化合物のEtOAcまたはACN中飽和溶液を室温または50℃で作成した。溶液を濾過し、ほぼ等量の2つの多形を溶液に加えた。試料を所与の温度で数日かけてスラリー化し、固体を陽圧濾過、または遠心分離/デカンテーションにより収集した。固体を回収し、XRPDにより分析した。
相互変換試験の結果を表14に示す。
(表14)二者競合相互変換スラリー実験
Figure 2024503892000042
溶液媒介性の相互変換プロセスは、溶解性が高い方の結晶形の代わりに、溶解性が低い方の(安定性が他方に比べて高い)結晶を成長させる経路を実現する。しかし、二者競合スラリー実験に関与するいずれの形態も最も熱力学的安定性が高い形態でない場合、この他方の2つの溶解性が高い方の結晶形の代わりに、最も安定性が高い結晶が成長するという可能性も生じうる。形態EおよびFの二者混合物中で得られる形態Aを参照。この溶媒媒介性の多形転換は核形成速度によって制御され、一般に、核形成速度は高い溶解度をもたらす溶媒中であるほど速くなる。溶解度に加えて、溶媒-溶質相互作用の強度も重要である。攪拌度および温度も、安定性が高い方の多形の結晶化動態に影響することで、多形転換を変化させる。低い溶解度をもたらす溶媒中では、高い界面エネルギーが理由で、準安定域は2つの多形間の溶解度の差よりも幅広いことがあり、したがって、核形成に関する臨界自由エネルギー障壁を克服することはできない(Gu et. al., J. Pharm. Sci. 2001を参照)。
二者混合物中で利用される際に形態Aが得られた。これにより、形態Aが形態EまたはFに比べて安定であることが確認される。形態Aが自発的に核形成しなかった場合、形態Eが形態E/Fの二者混合物から生じたか、またはその優勢な形態となった。このことは、形態Eが形態Fに比べて安定であることを示している。試験された温度範囲内でモノトロピーが推測される。要するに、室温~50℃での熱力学的安定性は以下のようにランク付けされる。
形態A>形態E>形態F(室温~50℃)
実施例11
二者競合実験 - 水和状態に対する水分活性
式(I)の化合物の水和状態に対する水分活性(aw)の効果を、水性ACN、MeOH、またはEtOH中での競合的水分活性トリチュレーション実験(スラリー実験)を通じて調査した。形態A/形態Bまたは形態A/材料Dの二者混合物のスラリー実験を使用して、様々なawでの該化合物の優勢な形態を確定した。得られた固相をXRPDにより特徴づけた。
水分活性と相対湿度とをRH% = aw x 100として関連づける。これにより、スラリー実験における無水系/水和系の安定性を固相安定性と直接関連づけることが可能になる。文献は、制御された水分活性でのスラリー技術により、無水系/水和系中で物理的に安定な形態を速やかに予測する正確な方法が実現されることを示唆している[Ticehurst MD, Storey RA, Claire W. Application of slurry bridging experiments at controlled water activities to predict the solid-state conversion between anhydrous and hydrated forms using theophylline as a model drug. Int J Pharm. 2002;247:1-10; Sacchetti M. Determining the relative physical stability of anhydrous and hydrous crystal forms of GW2016. Int J Pharm. 2004;273:195-202; Zhu H, Yuen C, Grant DJW. Influence of water activity in organic solvent + water mixtures on the nature of the crystallizing drug phase. 1. Theophylline. Int J Pharm. 1996;135:151-160; およびZhu H, Grant DJW. Influence of water activity in organic solvent + water mixtures on the nature of the crystallizing drug phase. 2. Ampicillin. Int J Pharm. 1996;139:33-43]。溶媒媒介性の多形転換が変換プロセスを促進することから、この方法は、固相中での相対的に遅い変換動態が理由で、妥当な時間枠内に真の平衡に到達することができない場合に特に有益である。
結果を表15に示す。
(表15)二者競合スラリー実験
Figure 2024503892000043
a: UNIFAC計算機を使用して計算された水分活性; *: XRPDパターンを湿った/濡れた固体で取得した。
0.30 aw以下では無水形Aが優勢な形態であり、0.50 aw以上では一水和形Bが優勢である。半水和物である材料Dは、使用された当初の二者混合物中になかったとしても、一水和形および無水形の安定領域間の中間値である0.40 awにおいて明瞭になった。十分な時間が与えられれば、材料Dはおそらく、その条件下で優勢な形態になったであろう。要するに、室温で特定の水分活性値において優勢な無水形/水和形は以下のようにランク付けされる。
形態A≦0.30 aw<約0.40 awでの材料D<0.50 aw≦形態B(室温で)
実施例12
多形スクリーニング実験
形態AおよびBの混合物を含む式(I)の化合物のロットを本試験に使用した。溶液の外観が透明になるか、またはバイアルの最大容積に到達するまで、種々の溶媒の測定済みアリコートを、秤量済みの量の材料に超音波処理しながら加えた。溶解度を、溶液を得るために使用される溶媒の総量に基づいて計算した。実際の溶解度は、使用した溶媒部分の量、または遅い溶解速度が理由で、さらに大きくなることがある。表16に示すように、種々の溶媒および溶媒混合物を周囲温度で用いて、この材料の溶解度概算値を視覚的に推定した。値は最も近い整数に四捨五入したものである。視覚的評価により確定された通りに溶解が生じなかった場合、値を「<」として報告する。第1のアリコートを加えた後に視覚的評価により確定された通りに溶解が生じた場合、値を「>」として報告する。
(表16)式(I)の化合物の溶解度概算値
Figure 2024503892000044
a: UNIFAC計算機を使用して計算された水分活性。
アセトン、ACN、DCM、EtOAc、EtOH、MeOH、3:1 v/v アセトン/H2O、および1:1 v/v THF/H2O中で、限定的な溶解度が観察された。THFは29mg/mLというわずかに改善された溶解度を示し、一方、ヘプタン、H2O、およびトルエンは1mg/mL未満という低い溶解度を示した。溶解度値を形態スクリーニング実験の設計において考慮した。
次に、上記の材料を、異なる結晶形を結晶化および潜在的に同定するように設計された溶媒ベースのスクリーニングに使用した。40回を超える実験を、種々の溶媒中にて異なる温度(室温未満、室温、および高温)で数多くの結晶化技術を使用して行った。結晶化技術としては、以下に記載の、急冷、徐冷、急速蒸発、緩徐蒸発、スラリー実験、蒸気拡散、および蒸気加圧が挙げられる。
急冷(CC): 式(I)の化合物のEtOAcおよびIPA中透明溶液を50~60℃で調製した。バイアルを約-20℃の冷凍庫に移した。固体を所定の技術により収集した。
徐冷(SC): 式(I)の化合物のACNおよびトルエン中透明溶液を60℃で調製した。反応器ブロックに対する熱を止めて、試料をホットブロック中で室温に徐冷した。固体を所定の技術により収集した。
急速蒸発(FE): 式(I)の化合物の種々の溶媒中の透明溶液を調製した。バイアルをキャップしないままにし、溶媒を周囲条件下で蒸発させた。
緩徐蒸発(SE): 式(I)の化合物の種々の溶媒中の透明溶液を調製した。バイアルを穿孔済みアルミニウム箔でキャップし、溶媒を周囲条件下で蒸発させた。
スラリー実験: 式(I)の化合物の種々の溶媒および溶媒混合物中の飽和溶液を調製した。混合物を異なる温度(例えば室温未満、室温、および高温)で所記の期間にわたって攪拌した。固体を遠心分離および引き続くデカンテーションにより収集した。湿った固体をXRPDにより分析した。
蒸気拡散(VD): 1ドラムバイアル中で、式(I)の化合物の種々の溶媒中の飽和溶液を調製した。1ドラムバイアルをキャップしないまま、所与の逆溶媒を収容する20mLバイアルに入れた。大きい方のバイアルをキャップし、所与の量の時間にわたって周囲温度で放置した。あらゆる固体を収集し、XRPDにより分析した。
蒸気加圧(VS): 式(I)の化合物の固体を1ドラムバイアル内に入れた。1ドラムバイアルをキャップしないまま、異なる溶媒を収容する20mLバイアルに入れた。得られた固体をXRPDにより分析した。
固体の単離は、以下に記載の技術のうちいずれか1つでありうる。
陽圧濾過: スラリーを所定の温度でシリンジとSwinnexフィルターホルダーとの組立体に押し通すことで、固体を0.2μmナイロンまたはPTFEフィルター上で収集した。一般に、フィルターの上に20mLシリンジの空気を吹き付けることで、固体を短時間で乾燥させる。
デカンテーション: 透明溶液を使い捨てピペットにより取り出して廃棄し、湿った固体を残す。
生じた固体を偏光顕微鏡法(PLM)により観察し、かつ/またはX線粉末回折(XRPD)により分析した。多くの試料を、まだ結晶化溶媒で湿っている間に、XRPDにより分析した。続いて、これらの試料の大部分を、脱溶媒和するために様々な温度で減圧乾燥させた。
多形スクリーニング実験の結果を表17に列挙する。
(表17)多形スクリーニング実験
Figure 2024503892000045
Figure 2024503892000046
*: XRPDパターンを湿った/濡れた固体で取得した
実施例13
形態変換実験
確固とした形態変換条件を目指して、様々な溶媒中、室温で、式(I)の化合物の形態A 0.5重量%を加えることにより、少数の形態変換実験を試みた。実験は、該化合物の形態Aの種結晶、および表18に示す各溶媒20体積を加えることで行った。
(表18)形態変換実験
Figure 2024503892000047
エントリー1~3: 得られたスラリーを室温で24時間攪拌した後、濾過した。各実験から単離された式(I)の化合物を湿潤ケークおよびオーブン乾燥材料のXRPD分析に供した。湿潤ケークおよび乾燥材料のXRPDパターンは同様であり、化合物の出発原料と一致していた。
エントリー4: 実験をEtOH/H2O中で行い、このときH2Oを75℃で1時間20分かけてゆっくりと加えた。H2O添加の完了後、バッチは溶液としてとどまり、同じ条件下で15分間の攪拌後に、希薄スラリーの形成が始まった。この後、バッチを10℃に14時間かけて冷却し、10℃に5時間保持した後、濾過した。本実験から単離された湿潤ケークをXRPDにより分析したところ、パターンは形態Aと一致していなかった。
エントリー5~6: 種結晶(形態A)0.5重量%による2つの再スラリー実験をそれぞれCH3CN中、60℃およびアセトン中、55℃で行った。両実験において、互いに類似した形態である無水結晶形が生じた。材料を室温実験から単離した。しかし、単離された材料の結晶形は所望の形態Aと一致していなかった。
実施例14
形態Aの種結晶を使用するTHF/MTBEからの式(I)の化合物の結晶化
式(I)の化合物の確固とした結晶化プロセスを開発するために、表19に示すように、形態Aの種結晶を使用してTHF/MTBEからいくつかの実験を行った。実施例2の形態A(バッチ2)を形態Aの種結晶として使用した。
(表19)形態Aの種結晶によるTHF/MTBE中での化合物の結晶化
Figure 2024503892000048
エントリー1: 化合物(96.95% AUC)約4gをTHF 10体積に55℃で溶解させ、溶液を40℃で冷却した。バッチ温度を40℃に維持しながらMTBE(20体積)を1時間かけて加え、MTBE 8体積を加えた後に形態A 1重量%を加えた。この場合、反応混合物は種結晶を加える前に希薄スラリーになった。にもかかわらず、単離された化合物のHPLC純度は形態Aとして99.79% AUCであった。回収収率は91.5%であり、不純物は20.7分の時点で2.6% AUCから0.11% AUCまで除去された。
エントリー2: 10gスケールの化合物(99.6% AUC)に対してほぼ同様に別の実験を行った。唯一の違いは、MTBE 4体積を反応液中に加えた後に形態Aの種結晶1重量%を加えたということであった。種結晶は残存し、混合物はスラリーになった。反応液にMTBEを加えることを続け、20℃で2時間熟成させた後、最終生成物を形態Aとして単離した。本実験からの回収率は88.8%であった。
エントリー3: 安定な核形成点を確定するために、化合物(99.6% AUC)1gをTHF(10体積)に溶解させ、形態Aの種結晶を40℃で加えた。30分間にわたって静置した後、種結晶は残存し、比較的濃厚なスラリーになった。この後、バッチ温度を40℃に維持しながらMTBEを加えた。本実験から最終生成物を形態Aとして回収収率86%で単離した。この新規再結晶プロセスを実施例16において実証した。
実施例15
形態Aの種結晶を使用するスラリー・トゥー・スラリー形態変換
表20に記載のように、THF/MTBEおよびEtOH/H2Oと様々な量の形態Aの種結晶との予備混合物中で、式(I)の化合物のスラリー・トゥー・スラリー形態変換を行った。実施例2の形態A(バッチ2)を形態Aの種結晶として使用した。
(表20)形態Aの種結晶によるTHF/MTBEおよびEtOH/H2O中での化合物のスラリー形態変換
Figure 2024503892000049
上記実験は、5~20重量%の種結晶が、THF/MTBE系中では任意の他の形態の式(I)の化合物を所望の形態Aに変換することができた一方で、EtOH/H2O中で行った実験では所望の形態に変換することができなかったことを示した。THF/MTBE中でのスラリー形態変換によるプロセスは、式(I)の化合物の形態Aを製造する上で、依然として選択肢となる方法である。
実施例16
式(I)の化合物の形態Aを調製するための方法
Figure 2024503892000050
10L反応器にHOCH2CH2NH2・TsOH(227g、0.91mol、1.25当量)およびMTBE(1.36L、4.0体積)を加え、攪拌を20±5℃で開始した。NMM(441mL、3.54mol、5.5当量)を加え、バッチを同じ条件下で30分間攪拌し続けた。この後、バッチを濾過し、ケークをMTBE(2x0.51L、2x1.5体積)で洗浄した。濾液と洗浄液との組み合わせを反応器に戻し、0℃に冷却した。バッチ温度を5℃未満に維持しながらTMSCl(0.157L、1.24mol、1.7当量)をゆっくりと加えた。バッチを45分間熟成させた後、式(II)の化合物のスラリーを加えた。メカニカルスターラーを備えた5L三つ口RBF中に化合物(II)(340g、0.73mol、1.0当量)、続いてMTBE(3.4L、10体積)を加え、35分間攪拌して均一なスラリーとした後、このスラリーをアミドカップリングに供した。反応温度を8℃未満に維持しながら、化合物(II)のスラリーを移送ポンプを使用して1時間20分かけて移した。RBFをMTBE(0.34L、1体積)でリンスし、バッチに加えた。バッチを5℃で攪拌し続けた後、20±5℃に昇温させ、その温度で30分間攪拌した。この後、インプロセスコントロール試料を取り出し、HPLC分析によって化合物(II)から化合物(I)への99.85%の変換が示された。バッチを濾過してすべての固体を除去し、反応器をTHF(2x0.68L、2x2体積)でリンスし、THFをケーク洗浄に適用した。濾液をクリーンな反応器に戻し、バッチを減圧蒸留して最終体積約1.7L(5体積)とした。反応器にエタノール(3.4L、10体積)を加え、バッチを再度蒸留して約1.7Lとした(1H NMRにおいてEtOHに対してTHFが0.81mol%)。混合物を20℃に冷却し、エタノール(2.89L、8.5体積)および水(0.68L、2体積)を加えた。混合物を80℃に昇温させ(すべての固体は完全には溶解しなかった)、水(2.72L、8体積)を2時間かけて加えた。DI H2O約1.8Lを加えた後、バッチは溶液になり、H2O添加の完了後も透明溶液のままであった。混合物を13時間かけて10℃に冷却した。バッチを10℃で4時間熟成させた後、濾過した。反応器を水(4x1.7L)でリンスし、反応器からケーク上に移した。湿潤ケーク(783g)を60℃で3日間乾燥させて(注: 26時間の乾燥後に重量減少は生じなかった)、粗化合物(I)240g(70%)を得た。粗化合物(I)のHPLC純度は98.81% AUCであり、KFによる含水量は0.28重量%であった。
粗化合物(I)(238g)およびTHF(3.4L)を10L反応器に加えた。バッチを51.2℃に昇温させて(目標は60℃であった)、生成物を溶解させた。溶解完了後、バッチを40℃に冷却し、次にDarco G60(170g、50重量%)を加え、スラリーを30分間熟成した後、(セライト340g上で)濾過して炭素を除去した。反応器および濾過ケークをTHF(2x1.9L、2x3.5体積)でリンスした。濾液と洗浄液との組み合わせを0.2μmインラインフィルターに通し、クリーンにした反応器に戻した。バッチを減圧蒸留して約1.7L(5体積)とした後、60~65℃に加熱して溶解させた。追加のTHF(0.68L、1+1=2体積)を加えた後にバッチの溶解完了が観察され、次にバッチ温度を40℃に調整し、形態Aの種結晶(3.4g、形態A、実施例2のバッチ2)を加えた。同じ条件下で30分間攪拌を続けた後、バッチ温度を40℃に維持しながら混合物にMTBE(4.76L、14体積)を1時間30分かけて加えた。バッチを2時間かけて20℃に冷却し、20℃で1時間熟成させた後、濾過した。反応器および濾過ケークをMTBE(2x0.68L、2x2体積)でリンスした。湿潤ケークは重量455gであり、これを45℃で36時間乾燥させて化合物(I)189g(収率55%)を得た。生成物の1H NMR分析は割り当てられた構造と一致しており、HPLC純度は99.88% AUCであり、XRPDパターンは化合物(I)の形態Aと一致していた(例えば図1)。
以上の開示を、理解を明確にする目的で例証および例示を用いて若干詳細に説明してきたが、当業者は、特定の変更および修正を添付の特許請求の範囲内で実施することができることを認識するであろう。さらに、本明細書に示される各参考文献は、各参考文献が個々に参照により組み入れられる場合と同程度に、全体として参照により組み入れられる。本出願と本明細書に示される参考文献との間に矛盾が存在する場合は本出願が優先するものとする。

Claims (48)

  1. 式(I):
    Figure 2024503892000051
    を有する化合物の結晶形Aであって、
    5.3、8.0、18.3、18.5、および24.3°2θ(±0.2°2θ)でのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形A。
  2. X線粉末回折パターンが、13.1、20.5、20.7、21.7、および24.0°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、請求項1記載の結晶形A。
  3. X線粉末回折パターンが、9.6、16.0、16.6、19.3、および21.4°2θ(±0.2°2θ)でのピークをさらに含む、請求項1または2記載の結晶形A。
  4. X線粉末回折パターンが、図1と実質的に一致している、請求項1記載の結晶形A。
  5. 式(I)を有する化合物の他の結晶形または非晶形を実質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項記載の結晶形A。
  6. 約189.9℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムをさらに特徴とする、請求項1~5のいずれか一項記載の結晶形A。
  7. 吸熱ピークが、開始温度約187.1℃を有する、請求項6記載の結晶形A。
  8. DSCサーモグラムが、図2と実質的に一致している、請求項6記載の結晶形A。
  9. 熱重量分析(TGA)により測定される約100℃への加熱時の約0.1%~1%の重量減少をさらに特徴とする、請求項1~8のいずれか一項記載の結晶形A。
  10. 熱重量分析により測定される約40℃から約100℃への加熱時の重量減少が約0.3%である、請求項9記載の結晶形A。
  11. 図3と実質的に一致している熱重量分析(TGA)サーモグラムをさらに特徴とする、請求項1~8のいずれか一項記載の結晶形A。
  12. 25℃で相対湿度(RH)約5%~RH約95%の動的水蒸気吸着サイクルを経た後の約1.1%の重量増加をさらに特徴とする、請求項1~11のいずれか一項記載の結晶形A。
  13. 25℃で相対湿度(RH)約95%~RH約5%の動的水蒸気脱着サイクルを経た後の約1.2%の重量減少をさらに特徴とする、請求項1~11のいずれか一項記載の結晶形A。
  14. 実質的に図4に示される通りである動的水蒸気吸着プロファイルを有する、請求項1~11のいずれか一項記載の結晶形A。
  15. 無水形である、請求項1~14のいずれか一項記載の結晶形A。
  16. 請求項1~15のいずれか一項記載の結晶形Aと、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤とを組み合わせる工程
    を含む方法により調製される、薬学的組成物。
  17. 局所製剤である、請求項16記載の薬学的組成物。
  18. 局所製剤が、塗布剤、ローション剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、またはパッチ剤である、請求項17記載の薬学的組成物。
  19. 皮膚障害を処置する方法であって、請求項1~15のいずれか一項記載の結晶形Aまたは請求項16~18のいずれか一項記載の薬学的組成物を投与する段階を含む、方法。
  20. 皮膚障害が、MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害である、請求項19記載の方法。
  21. MEK阻害剤応答性皮膚障害またはMEK媒介性皮膚障害が、神経線維腫症1型、皮膚神経線維腫、皮下神経線維腫、表在性叢状神経線維腫、および皮膚RAS病からなる群より選択される、請求項20記載の方法。
  22. 皮膚RAS病が、乾癬、ケラトアカントーマ(KA)、角化症、乳頭腫、ヌーナン症候群(NS)、心臓・顔・皮膚症候群(CFC)、コステロ症候群(顔・皮膚・骨格症候群またはFCS症候群)、眼外胚葉症候群、カフェオレ斑、および多発性黒子症候群(旧称レオパード症候群)からなる群より選択される、請求項21記載の方法。
  23. 皮膚障害が、あざである、請求項19記載の方法。
  24. あざが、ポートワイン母斑/毛細血管奇形、母斑細胞母斑、異形成母斑、毛細血管腫、表皮母斑、脂腺母斑、扁平母斑、動静脈奇形、リンパ管奇形、および先天性色素性母斑からなる群より選択される、請求項23記載の方法。
  25. あざが、p-ERKの活性化に関連している、請求項23または24記載の方法。
  26. p-ERKの活性化に関連しているあざが、表皮母斑、脂腺母斑、扁平母斑、動静脈奇形、毛細血管奇形/ポートワイン母斑、先天性色素性母斑、およびリンパ管奇形からなる群より選択される、請求項24または25記載の方法。
  27. 皮膚障害が、皮膚がんである、請求項19記載の方法。
  28. 皮膚がんが、皮膚扁平上皮がんである、請求項27記載の方法。
  29. 皮膚がんが、MEK阻害剤応答性またはMEK媒介性皮膚扁平上皮がんである、請求項27記載の方法。
  30. 皮膚扁平上皮がんが、p-ERKの活性化に関連している、請求項28または29記載の方法。
  31. 薬学的組成物が局所製剤である場合、局所製剤が局所投与される、請求項19~30のいずれか一項記載の方法。
  32. 局所製剤が、塗布剤、ローション剤、噴霧剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、またはパッチ剤として投与される、請求項31記載の方法。
  33. 請求項1~15のいずれか一項記載の結晶形Aを調製するための方法であって、
    a) 式(I):
    Figure 2024503892000052
    を有する化合物と、テトラヒドロフラン(THF)とを含む第1の混合物を、第1の温度約50℃~約65℃で形成する工程;
    b) 第1の混合物を第2の温度約35℃~約45℃に冷却する工程;
    c) 結晶形Aの1個または複数の種結晶を、第2の混合物を形成するために工程d)の前に加える工程、または工程d)の間に加える工程;
    d) 第3の混合物を形成するために、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加える工程;
    e) 析出物を含む第4の混合物を形成するために、第3の混合物を第3の温度約25℃以下に冷却する工程; および
    f) 結晶形Aを得るために、第4の混合物から析出物を単離する工程を含み、
    工程c)およびd)がそれぞれ第2の温度に維持される、方法。
  34. 式(I)の化合物が、純度約90%~約99%、または約95%~約99%を有する、請求項33記載の方法。
  35. 式(I)の化合物が、第1の混合物に約50g/L~約150g/L、約75g/L~約125g/L、約90g/L~約110g/L、または約100g/Lの量で存在する、請求項33または34記載の方法。
  36. THF対MTBEの体積比が、約1:2である、請求項33~35のいずれか一項記載の方法。
  37. 結晶形Aの1個または複数の種結晶を工程d)の前に加える、請求項33~36のいずれか一項記載の方法。
  38. 第2の混合物を工程d)の前に約20~120分間さらに攪拌し; 第2の温度に維持しながら、工程d)を約1~3時間かけて行う、請求項33~37のいずれか一項記載の方法。
  39. 第1の混合物が溶液であり; 第2の混合物および/または第3の混合物がそれぞれスラリーである、請求項33~38のいずれか一項記載の方法。
  40. 工程e)を約1~3時間かけて行い; 第3の温度に維持しながら、第4の混合物を約1~約24時間さらに攪拌する、請求項33~39のいずれか一項記載の方法。
  41. 第1の温度が約55℃~65℃であり; 第2の温度が約40℃であり; 第3の温度が約20℃である、請求項33~40のいずれか一項記載の方法。
  42. 析出物を濾過により単離し、乾燥させて結晶形Aを得る、請求項33~40のいずれか一項記載の方法。
  43. 請求項1~15のいずれか一項記載の結晶形Aを調製するための方法であって、
    a) 式(I):
    Figure 2024503892000053
    を有する化合物と、テトラヒドロフラン(THF)と、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)とを含む第3のスラリーを形成する工程;
    b) 第4のスラリーを形成するために、結晶形Aの1個または複数の種結晶を加える工程;
    c) 第5のスラリーを形成するために、第4のスラリーを攪拌する工程; および
    d) 結晶形Aを得るために、第5のスラリーから析出物を単離する工程を含み、
    結晶形Aの1個または複数の種結晶が、式(I)の化合物の少なくとも約5重量%の量で存在し; 工程a)~c)がそれぞれ温度約40℃~約50℃に維持される、方法。
  44. 式(I)の化合物が、純度約90%~約99%、または約95%~約99%を有する、請求項43記載の方法。
  45. 式(I)の化合物が、第3のスラリーに約20g/L~約50g/L、約25g/L~約40g/L、約30g/L~約35g/L、または約33g/Lの量で存在する、請求項43または44記載の方法。
  46. THF対MTBEの体積比が、約1:2である、請求項43~45のいずれか一項記載の方法。
  47. 結晶形Aの1個または複数の種結晶が、式(I)の化合物の約5重量%~約20重量%、約5重量%~約10重量%、または約5重量%の量で存在する、請求項43~46のいずれか一項記載の方法。
  48. 工程c)を約1~2日かけて行い; 工程a)~c)をそれぞれ温度約45℃に維持する、請求項43~47のいずれか一項記載の方法。
JP2023544036A 2021-01-21 2022-01-20 ピロロピリジン-アニリン化合物の結晶形 Pending JP2024503892A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163139975P 2021-01-21 2021-01-21
US63/139,975 2021-01-21
PCT/US2022/013146 WO2022159594A1 (en) 2021-01-21 2022-01-20 Crystalline forms of a pyrrolopyridine-aniline compound

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024503892A true JP2024503892A (ja) 2024-01-29

Family

ID=82549082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023544036A Pending JP2024503892A (ja) 2021-01-21 2022-01-20 ピロロピリジン-アニリン化合物の結晶形

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP4281055A1 (ja)
JP (1) JP2024503892A (ja)
CN (1) CN117157065A (ja)
AU (1) AU2022211704A1 (ja)
CA (1) CA3205525A1 (ja)
IL (1) IL304497A (ja)
WO (1) WO2022159594A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11572344B2 (en) 2018-11-20 2023-02-07 Nflection Therapeutics, Inc. Cyanoaryl-aniline compounds for treatment of dermal disorders

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MA49141A (fr) * 2017-05-19 2020-03-25 Nflection Therapeutics Inc Composés pyrrolopyridine-aniline destinés au traitement d'affections de la peau
WO2020106307A1 (en) * 2018-11-20 2020-05-28 Nflection Therapeutics, Inc. Aryl-aniline and heteroaryl-aniline compounds for treatment of birthmarks
MA55143A (fr) * 2018-11-20 2021-09-29 H Lee Moffitt Cancer Center & Res Institute Inc Composés aryl-aniline et hétéroaryl-aniline pour le traitement de cancers de la peau
WO2020106304A1 (en) * 2018-11-20 2020-05-28 Nflection Therapeutics, Inc. Topical formulations

Also Published As

Publication number Publication date
CA3205525A1 (en) 2022-07-28
AU2022211704A1 (en) 2023-09-07
WO2022159594A1 (en) 2022-07-28
EP4281055A1 (en) 2023-11-29
IL304497A (en) 2023-09-01
CN117157065A (zh) 2023-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6941147B2 (ja) アリール受容体モジュレーターならびにその作製および使用方法
ES2820827T3 (es) Formas sólidas de un compuesto modulador de quinasas
JP2022058398A (ja) Braf-v600関連疾患の治療に使用するためのplx-8394またはplx-7904
EP3166603B1 (en) Treatment of leukemia with histone deacetylase inhibitors
CN111065393B (zh) 用于治疗皮肤疾病的吡咯并吡啶-苯胺类化合物
KR20180095517A (ko) 인돌아민 2,3-다이옥시게나제 저해를 위한 약제학적 조성물 및 방법 및 이에 대한 적응증
EA013973B1 (ru) Способы лечения кожной волчанки при помощи аминоизоиндолиновых соединений
EP2683376B1 (en) Methods for treating diseases using isoindoline compounds
WO2015054197A1 (en) Hdac inhibitors, alone or in combination with btk inhibitors, for treating non-hodgkin's lymphoma
TW200831075A (en) Combination
JP2023109937A (ja) 3-置換1,2,4-オキサジアゾールの結晶形態
CA3075813A1 (en) Small molecule inhibition of transcription factor sall4 and uses thereof
TW202114991A (zh) 離胺醯氧化酶之二氟鹵烯丙胺碸衍生物抑制劑、製備方法、及其用途
AU2016370499A1 (en) Amorphous onapristone compositions and methods of making the same
JP2024503892A (ja) ピロロピリジン-アニリン化合物の結晶形
BR112012013325B1 (pt) Composição farmacêutica e uso
JP2019537580A (ja) ヒストンデアセチラーゼ阻害剤とbcl−2阻害剤とを含む医薬品配合物、及びそれらの使用方法
TWI815820B (zh) 2-(5-(4-(2-嗎啉乙氧基)苯基)吡啶-2-基)-n-芐乙醯胺之固態形式
CA2716838C (en) Ccr5 antagonists as prophylactics for preventing hiv infection and methods of inhibiting transmission of same
CN113498340A (zh) 用于治疗皮肤疾病噻吩基苯胺化合物
WO2024022080A1 (zh) Plk4靶向药物在治疗对铂类药物耐药型肿瘤中的应用
CN113473986A (zh) 用于治疗皮肤疾病萘啶酮苯胺化合物
CN113473978A (zh) 用于治疗皮肤疾病氰基芳烃-苯胺化合物
KR101006254B1 (ko) N-히드록시-4-{5-〔4-(5-이소프로필-2-메틸-1,3-티아졸-4-일)페녹시〕펜톡시}벤즈아미딘 2 에탄술폰산염, 이의제조방법 및 이를 포함하는 약학 조성물
BRPI0611096A2 (pt) (5z)-5-(6-quinoxalinilmetilideno)-2-[(2,6-diclorofenil)a mino]-1,3-tiazol-4(5h)-ona