JP2000326479A - 平版印刷方法および平版印刷装置 - Google Patents

平版印刷方法および平版印刷装置

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JP2000326479A
JP2000326479A JP11135896A JP13589699A JP2000326479A JP 2000326479 A JP2000326479 A JP 2000326479A JP 11135896 A JP11135896 A JP 11135896A JP 13589699 A JP13589699 A JP 13589699A JP 2000326479 A JP2000326479 A JP 2000326479A
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ink
plate
printing
lithographic printing
head
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JP11135896A
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Yusuke Nakazawa
雄祐 中沢
Kazuo Ishii
一夫 石井
Eiichi Kato
栄一 加藤
Sadao Osawa
定男 大澤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • B41C1/1066Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by spraying with powders, by using a nozzle, e.g. an ink jet system, by fusing a previously coated powder, e.g. with a laser
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル画像データに対応でき、安価かつ高
速で鮮明な画像の印刷物を多数枚印刷できる平板印刷方
法を提供する。 【解決手段】 画像データの信号に基づき、印刷機の版
胴に装着された版材上に、静電界を利用して油性インク
をヘッドから吐出させるインクジェット方式で直接画像
を形成し刷版を作成した後に平版印刷を行う平版印刷方
法において、画像形成時に版材裏面から吸引を行う手段
を有することを特徴とする平版印刷方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機上で、デジ
タル製版を行う平版印刷方法および平版印刷装置に関
し、さらに詳細には、油性インクを使用した製版画質お
よび印刷画質が良好な製版、印刷方法および印刷装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷においては、印刷版の表面に画
像原稿に対応してインク受容性とイン反発性の領域を設
け、印刷インクをインク受容性の領域に付着させて印刷
を行う。通常は印刷版の表面に、親水性および親油性
(インク受容性)の領域を画像様に形成し、湿し水を用
いて親水性領域をインク反発性とする。
【0003】印刷版への画像の記録(製版)は、一旦画
像原稿をアナログ的またはデジタル的に銀塩写真フィル
ムに出力し、これを通してジアゾ樹脂や光重合性のフォ
トボリマー感光材料(印刷原版)を露光し、非画像部を
主にアルカリ性溶液を用いて溶出除去して行うのが一般
的な方法である。
【0004】近年、平版印刷方法において、最近のデジ
タル描画技術の向上と、プロセスの効率化の要求から、
刷版上に、直接デジタル画像情報を描画するシステムが
数多く提案されている。これは、CTP(Computer-to-
plate)、あるいはDDPP(Digital Direct Printing
Plate)と呼ばれる技術である。製版方法としては、例
えばレーザーを用いて、光モードまたは熱モードで画像
を記録するシステムがあり、一部は実用化され始めてい
る。
【0005】しかし、この製版方法は、光モード、熱モ
ードともに、一般には、レーザー記録後にアルカリ性現
像液で処理して非画像部を溶解除去して製版が行われ、
アルカリ性廃液が排出され、環境保全上好ましくない。
【0006】さらに印刷プロセスを効率化する手段とし
て、画像描画を印刷機上で行うシステムがある。上記の
レーザーを用いる方法もあるが、高価でかつ大きな装置
となってしまう。そこで、安価でかつコンパクトな描画
装置であるインクジェット法を応用したシステムが試み
られている。
【0007】特開平4−97848号公報には、従来の
版胴に替えて、表面部が親水性または親油性である版ド
ラムを設け、この上に親油性または親水性の画像をイン
クジェット法で形成し、印刷終了後画像を除去し、クリ
ーニングする方法が開示されている。しかしながら、こ
の方法では、印刷画像の除去(すなわちクリーニングの
し易さ)と耐刷性とが両立し難い。また、耐刷性の高い
印刷画像を版胴上に形成しようとすると、比較的高濃度
の樹脂を含むインクを用いる必要があるため、印刷画像
を形成するインクジェット手段において、そのインクと
して樹脂溶液を用いているためノズル部分での溶媒蒸発
に伴う、樹脂の固着が起こりやすく、インク吐出の安定
性が低い。その結果、良好な画像が得難い。
【0008】また、特開昭64−27953号公報で
は、親水性の版材に親油性のワックスインクを使用して
インクジェットで描画を行い、製版を行う方法が開示さ
れている。この方法では版材は使い捨てとなるため、印
刷終了後、画像の除去を行う必要はなく、吐出安定性も
高いが、画像がワックスで形成されるため画像部の機械
的強度が弱く、かつ版材の親水性表面との密着性が不足
するため耐刷性は低い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたものであり、その目的は、第一
に、現像処理が不要なデジタル対応の平版印刷方法およ
び平版印刷装置を提供することである。第二に、安価な
装置および簡便な方法で、鮮明で高画質な画像の印刷物
を多数枚印刷可能とする平版印刷方法および平版印刷装
置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
から(19)の本発明により達成される。 (1)画像データの信号に基づき、印刷機の版胴に装着
された版材上に、静電界を利用して油性インクをヘッド
から吐出させるインクジェット方式で直接画像を形成し
刷版を作成した後に平版印刷を行う平版印刷方法におい
て、画像形成時に版材裏面から吸引を行うことを特徴と
する平版印刷方法。 (2)版材が透気性を有する(1)の平版印刷方法。 (3)前記油性インクが、固有電気抵抗値109Ωcm以
上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも常
温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものである上
記(1)又は(2)の平版印刷方法。
【0011】(4)画像データの信号に基づき、印刷機
の版胴に装着された版材上に、静電界を利用して油性イ
ンクをヘッドから吐出させるインクジェット描画装置を
有するインクジェット方式で直接画像を形成し刷版を作
成した後に平版印刷を行う平版印刷装置において、画像
形成時に版材裏面から吸引を行う手段を有することを特
徴とする平版印刷装置。 (5)版材が透気性を有する(4)の平版印刷装置。 (6)前記油性インクが、固有電気抵抗値109Ωcm以
上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも常
温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものである上
記(4)又は(5)の平版印刷装置。
【0012】(7)該インクの定着装置を有する上記
(1)〜(6)の平版印刷方法および平版印刷装置。 (8)版材への描画前または/及び描画中に版材表面に
存在する埃を除去する手段を有する(1)〜(7)の平
版印刷方法および平版印刷装置。 (9)版材への描画時には、版材の装着された版胴の回
転により、主走査を行う(1)〜(8)の平版印刷方法
および平版印刷装置。 (10)インクジェット描画装置はシングルヘッド、あ
るいはマルチヘッドからなり、ヘッドを版胴の軸方向に
摺動する事により副走査を行う(1)〜(9)の平版印
刷方法および平版印刷装置。 (11)インクジェット描画装置は版胴の幅と略同じ長
さを有するフルラインヘッドからなる(1)〜(9)の
平版印刷方法および平版印刷装置。 (12)インクジェット描画装置のヘッドにインクを供
給する手段を有する(1)〜(11)の平版印刷方法お
よび平版印刷装置。
【0013】(13)インクジェット描画装置のヘッド
にインクを供給する手段を有するとともに、該ヘッドか
らインクを回収する手段を有し、両手段によりインク循
環を行う(1)〜(12)の平版印刷方法および平版印
刷装置。 (14)該油性インクを格納するインクタンク内に攪拌
手段を有する(1)〜(13)の平版印刷方法および平
版印刷装置。 (15)該油性インクを格納するインクタンク内にイン
クの温度を制御する手段を有する(1)〜(14)の平
版印刷方法および平版印刷装置。 (16)インク濃度を制御する手段を有する(1)〜
(15)の平版印刷方法および平版印刷装置。 (17)インクジェット記録ヘッドは版胴から離接可能
に設けられ、版材への描画時以外は版胴から該記録ヘッ
ドを離す手段を有する(1)〜(16)の平版印刷方法
および平版印刷装置。 (18)平版印刷時に発生する紙粉を除去する手段を有
する(1)〜(17)に記載の平版印刷方法および平版
印刷装置。 (19)少なくとも製版終了後にインクジェット記録ヘ
ッドのクリーニング手段を有する(1)〜(18)に記
載の平版印刷方法および平版印刷装置。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、印刷機の版胴上に設けら
れた版材(印刷原版)上に、油性インクを静電界によっ
て吐出するインクジェット法で画像を形成することを特
徴とする。
【0015】本発明の平版印刷方法および装置に用いる
インクジェット方法は、絶縁性溶媒中に少なくとも常温
で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散した高抵抗を有する
インクを使用し、このインクに吐出位置で静電界を利用
することにより、該樹脂粒子の凝集物を該吐出位置に形
成し、さらに静電手段により該凝集物を吐出させること
による。具体的には、例えば、WO93/11866号
公報等に記載の方法を適用することができる。この方法
を平版印刷に適用すると、樹脂粒子は高濃度化した凝集
物として吐出されることにより、版材に印字されたドッ
トの膜厚が十分に得られる。これにより、記録媒体であ
る版材上では十分な耐刷性を有する凝集樹脂粒子の画像
が形成されることになる。さらに、樹脂粒子は高濃度化
した凝集物として吐出され、吐出液滴中に含まれる溶媒
成分が少なく、インクの乾きが速くなるため版上でのド
ットのニジミが抑えられ、高精細な画像が形成される。
また、本発明に用いるインクジェット方法では吐出した
インキ滴の大きさば吐出位置および電極の形状、電界印
加条件によって決まり、吐出ノズル径あるいはスリット
幅を小さくすることなく、小さなインキ滴が得られ、電
界印加条件を制御することにより版材上でのドット径を
コントロールすることができる。したがってヘッドのイ
ンク詰まりの問題なしに、耐刷性のある微小な画像のコ
ントロールが可能となる。このように、本発明によれ
ば、鮮明な印刷物が多数枚印刷することが可能となる。
【0016】本発明のインクジェット方式は、静電界を
利用して行われ、インクに強い電界を作用させて吐出さ
せることが好ましい。電界強度が十分でないと良好な吐
出性が得られない場合があるため、約1×105 V/c
m以上が適当である。他方、あまりに高すぎるとドット
分裂やサテライトの発生が生じ、画質が低下する傾向が
あるため、約1×108 V/cm以下が適当である。よ
り好ましくは、2×105 V/cm〜5×108 V/c
mの範囲である。
【0017】本発明の平版印刷方法を実施するのに用い
られる機上描画平版印刷装置の構成例を以下に示す。図
1は、機上描画単色片面平版印刷装置の全体構成図であ
る。図2は本機上描画平版印刷装置の制御部、インク供
給部、ヘッド離接機構を含めた描画部の概略構成例であ
る。また図3〜9は、図1、及び図10の機上描画平版
印刷装置が具備するインクジェット記録装置を説明する
ためのものである。また図10は本発明にかかる機上描
画4色片面平版印刷装置の全体構成例である。
【0018】まず、図1に示す機上描画単色片面平版印
刷機の全体構成図を用いて本発明による印刷工程につい
て説明する。図1に示されるように、機上描画平版印刷
装置1(以下「印刷装置」ともいう)は、版胴11、ブ
ランケット胴12および圧胴13を1つづつ有し、少な
くとも平版印刷をおこなう際には版胴11に対して転写
用のブランケット胴12が圧接するように配置され、ブ
ランケット胴12にはこれに転写された印刷インキ画像
を印刷紙Pに転移させるための圧胴13が圧接するよう
に配置されている。
【0019】版胴11は、通常金属製であり、その表面
は耐摩耗性を強化するために例えばクロムメッキが施さ
れているが、後述のようにその表面に断熱材を有しても
よい。ここで版胴11は透気性を有し、図示されない吸
引手段により内部からエア吸引を行うことによって版材
9を裏面から吸引する。この目的のために版胴11は例
えば微細孔を多数有する多孔質体から製造される、ある
いは版胴を貫くように穿孔処理される。また吸引手段に
より吸引されたエアは溶媒除去手段により、溶媒除去を
行った後、機外に排出することが望ましい。一方、版胴
11は静電界吐出において、吐出へッド電極の対極とな
るためアースされることが好ましい。また版材の基体の
絶縁性が高い場合には基体上に導電層を設けることが好
ましく、この場合にはこの導電層から版胴にアースを取
る手段を設けることが望ましい。さらに前述のように版
胴上に断熱材を設ける場合にも、版材からアースを取る
手段を設けることにより、描画は容易になる。この場合
には公知の導電性を有するブラシ、板バネ、ローラ等の
手段を使用できる。
【0020】さらに、印刷装置1はインクジェット記録
装置2を有し、これにより、画像データ演算制御部21
より送られてくる画像データに対応して、版胴11上に
装着された版材9上に油性インクを吐出し画線部を形成
する。
【0021】また、印刷装置1には版材9上の親水部
(非画像部)に湿し水を供給する湿し水供給装置3が設
置されている。図1には湿し水供給装置3の代表例とし
てモルトン給水方式の装置を示しているが、湿し水供給
装置3としてはその他にシンフロ給水方式、連続給水方
式等公知の装置が使用できる。さらに、印刷装置1は、
印刷インキ供給装置4、および版材9上に描画された油
性インク画像を強固にするための定着装置5を有する。
必要によって版材9表面の親水性強化の目的で必要に応
じて用いる版面不感脂化装置6を設置してもよい。ま
た、印刷装置1は、版材への描画前又は/及び描画中に
版材表面に存在する埃を除去する手段10を有する。こ
れにより、製版中にヘッドと版材の間に入った埃を伝っ
てインクが版材上に付着することを有効に防止し、良好
な製版が得られる。埃除去手段としては公知の吸引除
去、吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法の他、ブラ
シ、ローラー等による接触法が使用でき、本発明では望
ましくはエアー吸引、あるいはエアーによる吹き飛ばし
のいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使用され
る。この場合には、通常給紙装置に使用されるエアーポ
ンプをこの用途に流用することもできる。
【0022】さらに、印刷に供する版材9を版胴11上
に自動的に供給する自動給版装置7、および印刷終了後
の版材9を版胴11上から自動的に取り除く自動排版装
置8を設置してもよく、印刷機の補助装置として公知で
あるこの装置を有する印刷機として、例えばハマダVS
34A、B452A(ハマダ印刷機械(株))、トーコ
ー8000PFA(東京航空計器(株))、リョービ3
200ACD、3200PFA(リョービイマジクス
(株))、AMSIS Multi5150FA(日本
エーエム(株))、オリバー266EPZ(桜井グラフ
ィックシステムズ(株))、シノハラ66IV/IVP(篠
原商事(株)))などがある。さらにブランケット洗浄
装置14を設置してもよい。これらの装置7、8、14
を用いることで、印刷操作がより簡便となり、印刷時間
の短縮が図られることから、本発明の効果をより一層高
められる。また圧胴13の近傍に、紙粉発生防止装置1
5を設置しても良く、これにより版材上に付着する紙粉
を防止できる。紙粉発生防止装置15としては湿度コン
トロール、エアや静電力による吸引などの方法を使用す
ることができる。
【0023】画像データ演算制御部21は、画像スキャ
ナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画
像データを受け、色分解を行うと共に、分解されたデー
タに対して適当な画素数、階調数に分割演算する。さら
に、インクジェット記録装置2が有するインクジェット
吐出ヘッド22(図2参照。後に詳述する。)を用いて
油性インク画像を網点化して描くために、網点面積率の
演算も行う。
【0024】また、後述するように、画像データ演算制
御部21は、インクジェットヘッド22の移動、油性イ
ンクの吐出タイミングを制御すると共に、必要に応じて
版胴11、ブランケット胴12、圧胴13等の動作タイ
ミングの制御も行う。
【0025】図1、及び一部図2を参照にして印刷装置
1による刷版の作成工程を以下に詳細に説明する。
【0026】まず、版胴11に自動給版装置7を用いて
版材9を装着する。この時、公知の版尻くわえ装置、エ
ア吸引装置などによる機械的方法、あるいは静電的な方
法等により版材は版胴上に密着固定され、これにより版
尻がばたついて描画時にインクジェット記録装置2に接
触し破損する事を防止できる。またインクジェット記録
装置の描画位置周辺のみで版材を版胴に密着させる手段
を配し、少なくとも描画を行う時にはこれを作用させる
ことによって版材がインクジェット記録装置に接触する
事を防止することもできる。具体的には例えば版胴描画
位置の上流、及び下流に押さえローラを配する等の方法
がある。また版を固定する過程で、版尻がインク供給ロ
ーラに接触しないようにする手段を設けることによっ
て、版面の汚れを防止でき損紙を減らすことができる。
具体的には押さえローラあるいはガイド、静電吸着など
が有効である。
【0027】描画を行う際には、まず版胴内部の吸引を
行い、本発明に係る透気性を有する版材を裏面から吸引
する。吸引は、版材表面に着弾したインク液滴の溶媒成
分が裏面から吸引除去される状態となるように、真空度
600mmHg以下、好ましくは500mmHg以下、
より好ましくは400mmHg以下の範囲となるよう
に、エアーポンプ等を使用して行われた。磁気ディスク
装置等からの画像データは、画像データ演算制御部21
に与えられ、画像データ演算制御部21は、入力画像デ
ータに応じて油性インクの吐出位置、その位置における
網点面積率の演算を行う。これらの演算データは一旦バ
ツファに格納される。画像データ演算制御部21は、版
胴11を回転させ、吐出ヘッド22をヘッド離接装置3
1により版胴11と近接された位置に近づける。吐出ヘ
ッド22と版胴11上の版材9表面との距離は、付き当
てローラのような機械的距離制御、あるいは光学的距離
検出器からの信号によるヘッド離接装置の制御により、
描画中、所定距離に保たれる。かかる距離制御により、
版材の浮きなどによりドット径が不均一になったり、特
に印刷機に振動が加わった際などにもドット径が変化し
たりせず、良好な製版を得ることができる。
【0028】吐出ヘッド22としてはシングルヘッド、
マルチヘッド、あるいはフルラインヘッドを使用するこ
とができ、版胴11の回転により主走査を行う。複数の
吐出部を有するマルチヘッド、あるいはフルラインヘッ
ドの場合には吐出部の配列方向は軸方向に設置する。さ
らにシングルヘッド、あるいはマルチヘッドの場合に
は、画像データ演算制御部21により版胴11一回転毎
にヘッド22を版胴の軸方向に移動して、上記演算によ
り得られた吐出位置および網点面積率で油性インクを版
胴11に装着した版材9に吐出する。これにより、版材
9には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性インク
で描画される。この様に少なくとも描画動作中は版材裏
面からのエア吸引が行われることにより、版上にインク
が付着した際、インク中に含まれる溶媒が版材裏面から
吸引され、版上でのドットのニジミが抑えられ、高精細
を有する画像が形成される。この動作は版材9上に印刷
原稿一色分の油性インク画像が形成され刷版ができあが
るまで続く。一方、吐出ヘッド22が版胴の幅と略同じ
長さを有するフルラインヘッドである場合には、版胴が
一回転することによって版材9上に印刷原稿一色分の油
性インク画像が形成され刷版ができあがる。この様に版
胴回転により主走査を行うことにより、主走査方向の位
置精度を高め、高速描画を行うことができる。
【0029】ついで吐出ヘッド22を保護するために吐
出ヘッド22は、版胴11と近接された位置から離れる
ように退避させられる。この時、吐出ヘッド22のみを
離接してもよいが、吐出ヘッド22とヘッド副走査手段
32を一緒に離接、あるいは吐出ヘッド22とインク供
給部24とヘッド副走査手段32全てを一緒に離接する
事もできる。また吐出ヘッド22とインク供給部24と
ヘッド副走査手段32と共に、定着装置5、埃除去装置
10にもそれぞれ離接手段を設け、退避可能とすること
により、通常印刷にも対応できる。
【0030】この離接手段は描画時以外は記録ヘッドを
版胴に対し少なくとも500μm以上離すように動作す
る。離接動作はスライド式にしてもよいし、ある軸に固
定されたアームでヘッドを固定し、軸まわりにアームを
動かし振り子状に移動してもよい。このように非描画時
にヘッドを退避させることにより、ヘッドを物理的破
損、あるいは汚染から保護し、長寿命化を達成すること
ができる。
【0031】また、形成された油性インク画像は、定着
装置5で加熱等により強化される。インクの定着手段と
しては、加熱定着、溶媒定着、フラッシュ露光定着など
の公知の手段が使用できる。加熱定着ではハロゲンラン
プ照射、あるいはヒーターを利用した熱風定着、ヒート
ロール定着が一般的である。この場合には定着性を高め
るために、版胴を加熱しておく、版材を予め加熱してお
く、熱風を当てながら描画を行う、版胴を断熱材でコー
トする、定着時のみ版胴から版材を離して、版材のみを
加熱する、等の手段を単独、あるいは組み合わせてとる
ことが有効である。溶媒定着ではメタノール、酢酸エチ
ル等のインク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧し、
余分な溶媒蒸気は回収する。またキセノンランプ等を使
用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの定着法とし
て公知であり、定着を短時間に行えるという利点があ
る。なお、少なくとも吐出ヘッド22による油性インク
画像形成から、定着装置5による定着までの行程では、
湿し水供給装置3、印刷インキ供給装置4、及びブラン
ケット胴12は版胴上の版材9には接触しないように保
たれることが望ましい。
【0032】刷版形成後の印刷工程は、公知の平版印刷
方法と同様である。すなわち、この油性インク画像が描
画された版材9に、印刷インキおよび湿し水を与え印刷
画像を形成し、この印刷インキ画像を版胴11と共に回
転しているブランケット胴12上に転写し、ついでブラ
ンケット胴12と圧胴13との間を通過する印刷用紙P
上にブランケット胴l2上の印刷インキ画像を転移させ
ることで一色分の印刷が行われる。印刷終了後の版材9
は、自動排版装置8により版胴11から取り除かれ、ブ
ランケット胴12上のブランケットはブランケット洗浄
装置14により洗浄され、次の印刷可能な状態となる。
【0033】次に、インクジェット記録装置2について
詳細に説明する。図2に示されるように、本平版印刷装
置に使用される描画部は、インクジェットヘッド2、イ
ンク供給部24からなる。インク供給部24はさらにイ
ンクタンク25、インク供給装置26、インク濃度制御
手段29を有し、インクタンク内には攪拌手段27、イ
ンク温度管理手段28を含む。インクはヘッド内を循環
させてもよく、この場合、インク供給部は回収循環機能
も有する。攪拌手段27はインクの固形成分の沈殿・凝
集を抑制し、インクタンクの清掃の必要性が低減され
る。攪拌手段としては回転羽、超音波振動子、循環ポン
プが使用でき、これらの中から、あるいは組み合わせて
使用される。インク温度管理手段28は、まわりの温度
変化によりインクの物性が変化し、ドット径が変化した
りすることなく高画質な画像が安定して形成できる様に
配置される。インクの温度制御手段としてはインクタン
ク内にヒーター、ペルチェ素子などの発熱素子、あるい
は冷却素子を、該タンク内の温度分布を一定にするよう
に攪拌手段と共に配し、温度センサ、例えばサーモスタ
ット等により制御するなど公知の方法が使用できる。な
おインクタンク内のインク温度は15℃以上60℃以下
が望ましく、より好ましくは20℃以上50℃以下であ
る。またタンク内の温度分布を一定に保つ攪拌手段は前
記のインクの固形成分の沈殿・凝集を抑制を目的とする
攪拌手段と共用してもよい。
【0034】また本印刷装置では高画質な描画を行うた
めインク濃度制御手段29を有することが好ましい。こ
れによりインク中の固形分濃度の低下による版上での滲
みの発生や印刷画像の飛びやカスレ、あるいは固形分濃
度の上昇による版上のドット径の変化などを有効に抑制
することができる。インク濃度は光学的検出、電導度測
定、粘度測定などの物性測定、あるいは描画枚数による
管理等により行う。物性測定による管理を行う場合には
インクタンク内、あるいはインク流路内に、光学検出
器、電導度測定器、粘度測定器を単独、あるいはそれら
を組み合わせて設け、その出力信号により、また描画枚
数による管理を行う場合には、製版枚数、及び頻度によ
りインクタンクへ図示されない補給用濃縮インクタンク
あるいは希釈用インクキャリアタンクからの液供給を制
御する。
【0035】画像データ演算制御部21は前述のよう
に、入力画像データの演算、またヘッド離接装置31、
あるいはヘッド副走査手段32によりヘッドの移動を行
うほかに、版胴に設置したエンコーダー30からのタイ
ミングパルスを取り込み、そのタイミングパルスに従っ
て、ヘッドの駆動をおこなう。これにより、副走査方向
の位置精度を高められる。また、インクジェット記録装
置による描画を行う際に版胴の駆動は印刷時の駆動手段
とは異なる高精度な駆動手段を使用することによっても
副走査方向の位置精度を高められ、その際にはブランケ
ット胴、圧胴その他から機械的に切り離して、版胴のみ
を駆動させることが望ましい。具体的には、例えば高精
度モータからの出力を高精度ギア、あるいはスチールベ
ルト等により減速して版胴のみを駆動させる方法などが
ある。高画質描画を行う際にはこの様な手段を単独、あ
るいは複数組み合わせて使用する。
【0036】次に、吐出ヘッドについて図3〜9を使用
して説明する。ただし本発明の内容は以下の例に限定さ
れるものではない。
【0037】図3、図4はインクジェット記録装置に備
えられているヘッドの一例である。ヘッド22は、絶縁
性基材からなる上部ユニット221と下部ユニット22
2とで挟まれたスリットを有し、その先端は吐出スリッ
ト22aとなっており、スリット内には吐出電極22b
が配置され、インク供給装置から供給されたインク23
がスリット内に満たされた状態になっている。絶縁性基
材としてはたとえば、プラスチック、ガラス、セラミッ
クスなどが適用できる。また吐出電極22bは、絶縁性
基材からなる下部ユニット222上にアルミニウム、ニ
ッケル、クロム、金、白金などの導電性材料を真空蒸
着、スパッタ、あるいは無電界メッキを行い、この上に
フォトレジストを塗布し、所定の電極パターンのマスク
を介してフォトレジストを露光し、現像して吐出電極2
2bのフォトレジストパターンを形成したのち、これを
エッチングして形成する方法、あるいは機械的に除去す
る方法、あるいはそれらを組み合わせた方法など公知の
方法により形成される。
【0038】ヘツド22では、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に従って、吐出電極22bに電圧が印加され
る。図3に示されるように、吐出電極22bに対向する
形で対向電極となる版胴11が設置されており、対向電
極となる版胴11上には版材9が設けられている。電圧
の印加により、吐出電極22bと、対向電極となる版胴
11との問には回路が形成され、へッド22の吐出スリ
ット22aから油性インク23が吐出され対向電極とな
る版胴11上に設けられた版材9上に画像が形成され
る。
【0039】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形成
を行うためにその先端はできるだけ狭いことが好まし
い。具体的な数値は、条件等によって異なるが、通常5
〜100μmの先端幅の範囲で用いられる。例えば先端
が20μm幅の吐出電極22bを用い、吐出電極22b
と対向電極となる版胴11の間隔を1.0mmとして、
この電極間に3KVの電圧を0.1ミリ秒印加すること
で40μmのドットを版材9上に形成することができ
る。
【0040】さらに図5、図6はそれぞれ、他の吐出ヘ
ッドの例のインク吐出部近傍の断面概略図、前面概略図
を示すものである。図中22は吐出ヘッドで、この吐出
ヘッド22は漸減形状をした第1の絶縁性基材33を有
している。上記第1の絶縁性基材33には第2の絶縁性
基材34が離間対向して設けられ、この第2の絶縁性基
材34の先端部には斜面部35が形成されている。上記
第1、第2の絶縁性基材はたとえば、プラスチック、ガ
ラス、セラミックスなどで形成されている。上記第2の
絶縁性基材34の斜面部35と鋭角をなす上面部36に
は吐出部に静電界を形成する静電界形成手段として複数
の吐出電極22bが設けられている。これら複数の吐出
電極22bの先端部は上記上面部36の先端近傍まで延
長され、かつ、その先端部は上記第1の絶縁性基材33
よりも前方に突き出され吐出部を形成している。上記第
1および第2の絶縁性基材33,34間には前記吐出部
へのインク23の供給手段としてインク流入路37が形
成され、前記第2の絶縁性基材34の下部側にはインク
回収路38が形成されている。上記吐出電極22bは、
第2の絶縁性基材34上にアルミニウム、ニッケル、ク
ロム、金、白金などの導電性材料を用い、前述と同様、
公知の方法により形成される。個々の電極22bは電気
的には互いに絶縁状態となるように構成されている。
【0041】吐出電極22bの先端が絶縁性基材33の
先端より突き出す量は2mm以下が好ましい。この突き
出し量が上記範囲にて好ましい理由は、突き出し量が大
きすぎるとインクメニスカスが吐出部先端まで届かず、
吐出しにくくなったり、記録周波数が低下するためであ
る。また上記第1および第2の絶縁性基材33,34間
のスペースは0.1〜3mmの範囲が好ましい。このス
ペースが上記範囲にて好ましい理由は、スペースが狭す
ぎるとインクの供給がしにくくなり吐出しにくくなった
り、記録周波数が低下したりするためであり、スペース
が広すぎるとメニスカスが安定せず吐出が不安定になる
ためである。
【0042】上記吐出電極22bは画像データ演算制御
部21に接続され、記録を行う際には画像情報に基づき
吐出電極に電圧印可を行うことにより該吐出電極上のイ
ンクが吐出し、吐出部と対向配置された図示されない版
材上に描画が行われる。上記インク流入路37のインク
滴吐出方向と逆方向は、図示しないインク供給装置の送
インク手段に接続されている。上記第2の絶縁性基材3
4の吐出電極形成面の反対面にはバッキング39が離間
対向して設けられ、両者間にはインク回収路38が設け
られている。前記インク回収路38のスペースは0.1
mm以上が望ましい。このスペースが上記範囲にて好ま
しい理由は、スペースが狭すぎるとインクの回収がしに
くくなり、インク漏れを起こしたりするためである。ま
た前記インク回収路38は図示しないインク供給装置の
インク回収手段に接続されている。
【0043】吐出部上での均一なインクフローを必要と
する場合には吐出部と前記インク回収部の間に溝40を
設けてもよい。図6は吐出ヘッドのインク吐出部近傍の
前面概略図を示しているが、第2の絶縁性基材34の斜
面には吐出電極22bとの境界近傍からインク回収路3
8に向かって複数の溝40が設けられている。この溝4
0は、上記吐出電極22bの配列方向に複数並んでお
り、毛細管力により吐出電極22b側の開口部からイン
クを各溝40に導き、導かれたインクをインク回収路3
8に排出する機能を有する。また、溝40は、その開口
径に応じた毛細管力により一定量の吐出電極先端近傍の
インクを吸引する。このため、吐出電極先端近傍に一定
の液厚を有するインクフローを形成する機能を有してい
る。溝40の形状は毛細管力が働く範囲であればよい
が、特に望ましくは幅は10〜200μm、深さは10
〜300μmの範囲である。また溝40はヘッド全面に
わたって均一なインクフローを形成できるように必要数
設けられる。
【0044】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形
成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭い
ことが好ましい。具体的な数値は、条件等によって異な
るが、通常5〜100μmの先端幅の範囲で用いられ
る。
【0045】また本発明を実施するのに用いられる吐出
ヘッドの他の例を図7から図8に示す。図7は説明のた
めヘッドの一部分のみを示した概略図である。記録ヘッ
ド22は図7に示すようにプラスチック、セラミック、
ガラス等の絶縁性材料から作成されたヘッド本体41と
メニスカス規制板42、42‘からなる。図中、22b
は吐出部に静電界を形成するために電圧印可を行う吐出
電極である。さらにヘッドから規制板42、42’を取
り除いた図8によりヘッド本体について詳述する。
【0046】ヘッド本体41にはヘッド本体のエッジに
垂直に、インクを循環させるためのインク溝43が複数
設けて有る。このインク溝43の形状は均一なインクフ
ローを形成できるように毛細管力が働く範囲に設定され
ていればよいが、特に望ましくは幅は10〜200μ
m、深さは10〜300μmである。インク溝43の内
部には吐出電極22bが設けられている。この吐出電極
22bは、絶縁性材料からなるヘッド本体40上にアル
ミニウム、ニッケル、クロム、金、白金などの導電性材
料を使って、上述の装置実施例の場合と同様な公知の方
法により、インク溝43内全面に配置してもよいし、一
部分のみに形成してもよい。なお吐出電極間は電気的に
隔離されている。隣り合う2つのインク溝は1つのセル
を形成し、その中心にある隔壁44の先端部には吐出部
45、45’を設けている。吐出部45、45’では隔
壁は他の隔壁部分44に比べ薄くなっており、尖鋭化さ
れている。このようなヘッド本体は絶縁性材料ブロック
の機械加工、エッチング、あるいはモールディング等公
知の方法により作成される。吐出部での隔壁の厚さは望
ましくは5〜100μmであり、尖鋭化された先端の曲
率半径は5〜50μmの範囲であることが望ましい。な
お吐出部は45’の様に先端をわずかに面取りされてい
てもよい。図中には2つのセルのみを示しているが、セ
ルの間は隔壁46で仕切られ、その先端部47は吐出部
45、45'よりも引っ込むように面取りされている。
このヘッドに対し、図示されないインク供給装置の送イ
ンク手段によりI方向からインク溝を通してインクを流
し、吐出部にインクを供給する。さらに図示されないイ
ンク回収手段により余剰なインクはO方向に回収され、
その結果、吐出部には常時、新鮮なインクが供給され
る。この状態で、吐出部に対向する形で設けられ、その
表面に版材を保持した図示されない版胴に対して吐出電
極に画像情報に応じて電圧印可することにより、吐出部
からインクが吐出され版材上に画像が形成される。
【0047】さらに吐出ヘッドの他の実施例について図
9を用いて説明する。図9に示すように、吐出ヘッド2
2は、略矩形板状の一対の支持部材50、50’を有し
ている。これらの支持部材50、50’は、絶縁性を有
する1〜10mmの厚さの板状のプラスチック、ガラ
ス、セラミック等から形成され、それぞれの一方の面に
は、記録解像度に応じて互いに平行に延びた複数の矩形
の溝51、51’(図示せず)が形成されている。各溝
51、51’は、幅10〜200μm、深さ10〜30
0μmの範囲であることが望ましく、その内部全体ある
いは一部に吐出電極22bが形成されている。このよう
に、支持部材50、50’の一面に複数の溝51、5
1’を形成することにより、各溝51の間には、複数の
矩形の隔壁52が必然的に設けられる。各支持部材5
0、50’は、溝51、51’を形成していない面を対
向させるように組合わされる。つまり、吐出ヘッド22
は、その外周面上にインクを流通させるための複数の溝
を有する。各支持部材50、50’に形成された溝5
1、51’は、吐出ヘッド22の上端53を介してl対
1に対応して連結され、各溝が連結された矩形部分54
は、吐出ヘッド22の上端53より所定距離(50〜5
00μm)だけ後退している。つまり、各矩形部分54
の両側には、各支持部材50、50’の各隔壁52の上
端55が矩形部分54より突出するように設けられてい
る。そして、各矩形部分54から、前述したような絶縁
性材料からなるガイド突起56が突出されて設けられ吐
出部を形成している。
【0048】上記のように構成された吐出へッド22に
インクを循環させる場合、一方の支持部材50の外周面
に形成された各溝51を介して各矩形部分54にインク
を供給し、反対側の支持部材50’に形成された各溝5
1’を介して排出する。この場合、円滑なインクの流通
を可能とするため、吐出ヘッド22を所定角度で傾斜さ
せている。つまり、インクの供給側(支持部材50)が
上方に位置し、インクの排出側(支持部材50‘)が下
方に位置するように吐出ヘッド22が傾斜されている。
このように、吐出ヘッド22にインクを循環させると、
各矩形部分54を通過するインクが各突起56に沿って
濡れ上がり、矩形部分54、突起56の近くにインクメ
ニスカスが形成される。そして、各矩形部分54にてそ
れぞれ独立したインクメニスカスが形成された状態で、
吐出部に対向する形で設けられ、その表面に版材を保持
した図示されない版胴に対して吐出電極22bに画像情
報に基づき電圧を印可することにより、吐出部からイン
クが吐出され版材上に画像が形成される。尚、各支持部
材50、50‘の外周面上に溝を覆うカバーを設けるこ
とにより、各支持部材50、50‘の外周面に沿ったパ
イプ状のインク流路を形成し、このインク流路によりイ
ンクを強制的に循環させてもよい。この場合、吐出ヘッ
ド22を傾斜させる必要はない。
【0049】図3〜図9で上述したヘッド22は必要に
応じてクリーニング手段などのメンテナンス装置を含む
こともできる。例えば休止状態が続く様な場合や、画質
に問題が発生した場合には、インク溶媒のみを循環させ
る、インク溶媒のみを供給、あるいは循環させながら吐
出部を吸引する、吐出ヘッド先端を柔軟性を有するハ
ケ、ブラシ、布等で拭う、などの手段を単独、あるいは
組み合わせて行うことにより、吐出ヘッド内でのインク
の固形化などを有効に防止することができ、良好な描画
状態を維持できる。また吐出ヘッドを溶媒蒸気を充満さ
せたカバー内に入れておく、等の方法も有効であり、こ
れらの方法を単独、あるいは組み合わせて使用できる。
【0050】つぎに本発明の具体例として機上描画複色
片面平版印刷機について説明する。図10は、機上描画
4色片面平版印刷機の全体構成例である。図10に示さ
れるように、該4色片面印刷装置は基本的に図1に示し
た単色片面印刷装置の版胴11、ブランケット胴12、
圧胴13を印刷用紙Pの同じ面に印刷が行われるように
4個づつ有するような構造である。尚、図示はしていな
いが、図中Kで示す印刷用紙の隣接圧胴間での受け渡し
には、公知の渡し胴方式などを使用する。詳細な説明は
省くが図10の例から容易にわかるように、その他の複
色片面印刷装置も基本的に単色片面印刷装置の版胴1
1、ブランケット胴12、圧胴13を印刷用紙Pの同じ
面に印刷が行われるように複数個づつ有するような構造
であり、版胴に1色分の版のみを作成する場合には印刷
する色数分だけ版胴、ブランケット胴を有する。一方、
版胴に複数色の版を作成する場合には、印刷する色数を
一版胴上の版数で割った値だけ版胴、ブランケット胴が
必要となる。例えば版胴上に2色分の版材を作成した場
合には、版胴、ブランケット胴を2つづつ有する印刷機
により片面3色あるいは4色印刷が可能となる。また圧
胴は版胴と同数でもよいが、幾つかの版胴、ブランケッ
ト胴で一つの圧胴を共有してもよい。版胴には必要に応
じて必要色分の印刷が終わるまで印刷用紙を保持してお
く手段を設置する。
【0051】一方、機上描画複色両面平版印刷機として
本発明を実施する場合には、上述した印刷機に公知の印
刷用紙反転手段を設けるか、図1に示した単色片面印刷
装置の版胴11、ブランケット胴12を印刷用紙Pの両
面に印刷が行われるように複数個有するような構造であ
り、版胴に1色分の版のみを作成する場合には印刷用紙
の両面に印刷するのに必要な色数分だけ版胴、ブランケ
ット胴を有する。一方、上述のように版胴に複数色の版
を作成する場合には、版胴、ブランケット胴の数は減ら
すことができる。また幾つかの版胴、ブランケット胴で
一つの圧胴を共有した場合には圧胴の数も減らすことが
できる。版胴には必要に応じて必要色分の印刷が終わる
まで印刷用紙を保持しておく手段を設置する。詳細につ
いては上述の機上描画複色片面平版印刷機の例により容
易に類推できるため省略する。
【0052】また機上描画平版印刷機の別の例としては
ブランケット胴1つあたり版胴を二つ有し、一方で印刷
を行っている際、もう一方の版胴で描画を行う事もでき
る。この場合には描画を行っている版胴の駆動は機械的
にブランケットから独立される事が望ましい。これによ
り、印刷機を休止させることなく、描画を行うことが可
能になる。なお容易に類推されるように、これは機上描
画複色片面平版印刷機、機上描画複色両面平版印刷機に
も適用することができる。また本発明によるエア吸引手
段は全ての印刷機に適用可能であり、本実施例に限定さ
れるものではない。
【0053】次に、本発明に用いられる版材(印刷原
版)について説明する。印刷原版としては、透気性を有
する必要があるため、耐水性を付与した紙、プラスチッ
クをラミネートした紙などの耐水性支持体上に画像受理
層を設けた版材が望ましい。設けられる画像受理層の厚
さは5〜30μmの範囲が適当である。
【0054】画像受理層としては、無機顔料と結着剤か
らなる親水性層、あるいは不感脂化処理によって親水化
が可能になる層を用いることができる。
【0055】親水性の画像受理層に用いられる無機顔料
は、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、硫酸バリウムなどを用いることができ
る。また結着剤としてはポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ガゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビ
ニルピロリドン、ボリメチルエーテル−無水マレイン酸
共重合体等の親水性結着剤が使用できる、また、必要に
応じて耐水性を付与するメラミンホルマリン樹脂、尿素
ホルマリン樹脂、その他架橋剤を添加してもよい。
【0056】一方、不感脂化処理をして用いる画像受理
層としては、例えば酸化亜鉛と疎水性結着剤を用いる層
が挙げられる。
【0057】本発明に供される酸化亜鉛は、例えば日本
顔科技術協会編「新版顔科便覧」19頁、(株)誠文
堂、(1968年刊)に記載のように、酸化亜鉛、亜鉛
華、湿式亜鉛華あるいは活性亜鉛華として市販されてい
るもののいずれでもよい。即ち、酸化亜鉛は、出発原料
および製造方法により、乾式法としてフランス法(間接
法)、アメリカ法(直接法)および湿式法と呼ばれるも
のがあり、例えば正同化学(株)、堺化学(株)、白水
化学(株)、本荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三
井金属工業(株)等の各社から市販されているものが挙
げられる。
【0058】また結着剤として用いる樹脂として、具体
的には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、メタクリレート共重合体、アクリレート共重合体、
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの
樹脂は単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよ
い。画像受理層における樹脂の含有量は、樹脂/酸化亜
鉛の重量比で示して9/91〜20/80とすることが
好ましい。
【0059】酸化亜鉛の不感脂化は、従来よりこの種の
不感脂化処理液として、フェロシアン塩、フェリシアン
塩を主成分とするシアン化合物含有処理液、アンミンコ
バルト錯体、フィチン酸およびその誘導体、グアニジン
誘導体を主成分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオン
とキレートを形成する無機酸あるいは有機酸を主成分と
した処理液、あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液
等が知られている。例えば、シアン化合物含有処理液と
して、特公平44−9045号、同46−39403
号、特開昭52−76101号、同57−107889
号、同54−117201号等に記載のものが挙げられ
る。
【0060】以下に本発明に用いられる油性インクにつ
いて説明する。本発明に供される油性インクは、特に限
定されるものではないが、一般に、電気抵抗109Ωc
m以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少なくと
も常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散してなるもの
が好適に使用される。
【0061】油性インクの表面張力は、特に限定される
ものではないが、一般に35dyne/cm以下のもの
が使用され、好ましくは35dyne/cm以下で15
dyne/cm以上、より好ましくは30dyne/c
m以下で16dyne/cm以上である。表面張力が高
すぎると吐出性が低くなる場合があり、低すぎるとヘッ
ドからインクがこぼれ出し易くなり、安定性が劣化する
場合がある。油性インクの粘度も、特に限定されるもの
ではないが、一般に15cP以下のものが使用され、好
ましくは15cP以下で0.4cP以上、より好ましく
は10cP以下で0.5cP以上のものが使用される。
粘度が高すぎると吐出性が低くなる場合があり、低すぎ
るとヘッドからインクがこぼれ出し易くなり、安定性が
劣化する場合がある。また、油性インクの粒子荷電分配
率(インク全体の荷電のうち粒子についている荷電の割
合をいう。)も、特に限定されるものではないが、一般
に10%以上のものが使用され、好ましくは30%以
上、より好ましくは40%以上が適当である。粒子荷電
分配率が低すぎると凝集物が生成されにくく、耐刷性が
十分でない場合がある。なお、粒子荷電分配率は、(イ
ンク全体の電導度−インクを遠心分離(15000rpmで30
分)した上澄みの電導度)÷インク全体の電導度×10
0%で定義される。上記粒子荷電分配率の値は、測定周
波数1kHz/印加電圧5Vで電導度を測定して得られ
たものである。
【0062】本発明に用いる電気抵抗109Ωcm以
上、かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として好ましくは
直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素の
ハロゲン置換体がある。例えばへキサン、ヘプタン、オ
クタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリ
ン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパー
E、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイ
ソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シ
ェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル社の商品
名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムス
コ;スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル等を単
独あるいは混合して用いる。なお、このような非水溶媒
の電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であり、誘電率
の下限値は1.9程度である。
【0063】用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲とす
るのは、電気抵抗が低くなると、インクの電気抵抗が適
正にならず、電界によるインクの吐出が悪くなるからで
あり、誘電率を上記範囲とするのは、誘電率が高くなる
とインク中で電界が緩和されやすくなり、これによりイ
ンクの吐出が悪くなりやすくなるからである。
【0064】上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子
としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和
性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にその
ガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃
〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜1
20℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜
80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0065】このようなガラス転移点もしくは軟化点の
樹脂を用いることによって、印刷原版の画像受理層表面
と樹脂粒子との親和性が増し、また印刷原版上での樹脂
粒子同士の結合が強くなるので、画像部と画像受理層と
の密着性が向上し、耐刷性が向上する。これに対し、ガ
ラス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くなっても
画像受理層表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、樹脂
粒子同士の結合が弱くなってしまう。
【0066】樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×
103 〜1×106 であり、好ましくは5×103 〜8
×105 、より好ましくは1×104 〜5×105 であ
る。
【0067】このような樹脂(P)として具体的には、
オレフィン重合体および共重合体(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、
エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等)、塩化ビニル共重合体(例えば、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、
塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体およ
び共重合体、アルカン酸アリル重合体および共重合体、
スチレンおよびその誘導体の重合体ならびに共重合体
(例えばブタジエン酸−スチレン共重合体、イソプレン
−スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニ
トリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキ
ルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体
および共重合体、メタクリル酸エステル重合体および共
重合体、イタコン酸ジエステル重合体および共重合体、
無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メ
タクリルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基およびカルボ
キシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、
水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マ
レイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、
クロマン−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エス
テル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合
体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体
(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン
環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、
ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、
1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げら
れる。
【0068】本発明の油性インクにおける分散された樹
脂粒子の含有量は、インク全体の0.5〜20wt%と
することが好ましい。含有量が少なくなるとインクと印
刷原版の画像受理層との親和性が得られにくくなって良
好な画像が得られなくなったり、耐刷性が低下したりす
るなどの問題が生じやすくなり、一方、含有量が多くな
ると均一な分散液が得られにくくなったり、吐出へッド
でのインクの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出
が得られにくいなどの問題がある。
【0069】本発明に供される油性インク中には、前記
の分散樹脂粒子とともに、製版後の版を検版する等のた
めに着色成分として色材を含有させることが好ましい。
色材としては、従来から油性インク組成物あるいは静電
写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であ
ればどれでも使用可能である。
【0070】顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる。具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラ
マリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ス
レン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等
の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることが
できる。
【0071】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。これらの顔料および染料は、単独で用い
てもよいし、適宜組み合わせて使用することも可能であ
るが、インク全体に対して0.01〜5重量%の範囲で
含有されることが望ましい。
【0072】これらの色材は、分散樹脂粒子とは別に色
材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させてもよい
し、分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場
合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂
被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分
散樹脂粒子の表面部を着色して着色粒子とする方法など
が一般的である。
【0073】本発明の非水溶媒中に、分散された樹脂粒
子、更には着色粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒
径は0.05μm〜5μmが好ましい。より好ましくは
0.1μm〜1.0μmであり、更に好ましくは0.1
μm〜0.5μmの範囲である.この粒径はCAPA−
500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたもの
である。
【0074】本発明に用いられる非水系分散樹脂粒子
は、従来公知の機械的粉砕方法または重合造粒方法によ
って製造することができる。機械的粉砕方法としては、
必要に応じて、樹脂粒子とする材料を混合し、溶融、混
練を経て従来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子と
し、分散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えば
ボールミル・ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノ
ミル等)で分散する方法、樹脂粒子成分となる材料と、
分散補助ポリマー(または披覆ポリマー)を予め混練し
て混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させ
て分散する方法等が挙げられる。具体的には、塗料また
は静電写真用液体現像剤の製造方法を利用することがで
き、これらについては、例えば、植木憲二監訳「塗料の
流動と顔料分散」共立出版(1971年)、「ソロモ
ン、塗料の科学」、「Paint and Surface Coating Theo
ry and Practice」、原崎勇次「コーティング工学」朝
倉書店(197l年)、原崎勇次「コーティングの基礎
科学」槙書店(1977年)等の成書に記載されてい
る。
【0075】また、重合造粒法としては、従来公知の非
水系分散重合方法が挙げられ、具体的には、室井宗一監
修「超微粒子ポリマーの最新技術」第2章CMC出版
(1991年)、中村孝一編「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」第3章(日本科学情
報(株)1985年刊)、K.E.J.Barrett「DispersionP
olymerization in Organic Media」(John Wiley197
5年)等の成書に記載されている。
【0076】通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化
するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは
非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有
し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×10
3〜1×106が好ましく、より好ましくは5×103
5×105の範囲である。
【0077】本発明に供される分散ポリマーの好ましい
可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(I)で示さ
れる重合成分が挙げられる。
【0078】
【化1】
【0079】一般式(I)において、X1は−COO
−、−OCO−または−O−を表す。Rは、炭素数10
〜32のアルキル基またはアルケニル基を表し、好まし
くは炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基
を表し、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、無置換の
ものが好ましいが、置換基を有していてもよい。具体的
には、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデ
シル基、へキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニ
ル基、ドコサニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリ
デセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リ
ノレル基等が挙げられる。
【0080】a1およびa2は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基等)、−COO−Z1または−CH2COO−Z1〔Z1
は、水素原子または置換されていてもよい炭素数22以
下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、脂環式基、アリ一ル基等)を表す〕を表
す。
【0081】Z1は、具体的には、水素原子のほか、炭
化水素基を表し、好ましい炭化水素基としては、炭素数
1〜22の置換されてもよいアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へプチル基、
へキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、
2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノ
エチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メト
キシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜
18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メ
チル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテ
ニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニ
ル基、1−へキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチ
ル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、ト
リデセニル基、へキサデセニル基、オクタデセニル基、
リノレル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいア
ラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−
フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチル
エチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチ
ルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シ
クロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シ
クロペンチルエチル基等)、および炭素数6〜12の置
換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブト
キシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェ
ニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シア
ノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニ
ルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキ
シカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プ
ロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル
基等)が挙げられる。
【0082】分散ポリマーにおいて一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合
成分として含有してもよい。他の共重合成分としては、
一般式(I)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合
可能な単量体よりなるものであればいずれの化合物でも
よい。
【0083】分散ポリマーにおける一般式(I)で示さ
れる重合体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以
上であり、より好ましくは60重量%以上である。これ
らの分散ポリマーの具体例としては、実施例で使用され
ている分散安定用樹脂(Q−1)等が挙げられ、また市
販品(ソルプレン1205、旭化成(株)製)を用いる
こともできる。
【0084】分散ポリマーは、前記の樹脂(P)粒子を
乳化物(ラテックス)等として製造するときには重合に
際し予め添加しておくことが好ましい。分散ポリマーを
用いるときの添加量はインク全体に対し0.05〜4重
量%程度とする。
【0085】本発明の油性インク中の分散樹脂粒子およ
び着色粒子(あるいは色材粒子)、好ましくは正荷電ま
たは負荷電の検電性粒子である.これら粒子に検電性を
付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用
することで達成可能である。具体的には、前記の「最近
の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」
139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基
礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年
刊)、原埼勇次「電子写真」16(No.2)、44頁
(1977年)等に記載の検電材料および他の添加剤を
用いることで行なわれる。
【0086】具体的には、例えば、英国特許第8934
29号、同第934038号、米国特許第112239
7号、同第3900412号、同第4606989号、
特開昭60−179751号、同60−185963
号、特開平2−13965号等に記載されている。上述
のような荷電調節剤は、担体液体である分散媒1000
重量部に対して0.001〜1.0重量部が好ましい。
更に所望により各種添加剤を加えてもよく、それら添加
物の総量は、油性インクの電気抵抗によってその上限が
規制される。即ち、分散粒子を除去した状態のインクの
電気抵抗が109Ωcmより低くなると良質の連続階調
像が得られ難くなるので、各添加物の添加量を、この限
度内でコントロールすることが必要である。
【0087】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。まず、インク用樹脂粒子(PL)の製造例について
示す。
【0088】製造例1 樹脂粒子(PL−1)の製造 下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g、酢酸ビニ
ル100gおよびアイソパーH384gの混合溶液を窒
素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始
剤として2,2‘−アゾビス(イソバレロニトリル)
(略称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応
した。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温
度は88℃まで上昇した。更に、この開始剤0.5gを
加え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間
攪拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メ
ッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合
率90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテ
ックスであった.粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
【0089】
【化2】
【0090】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104r.p.m.、回転時間60分)にかけて、沈
降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子分の重
量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC値)は2
×105、ガラス転移点(Tg)は38℃であった。
【0091】実施例1 まず、油性インクを作成した。 〈油性インク(IK−1)〉ドデシルメタクリレート/
アクリル酸共重合体(共重合比;95/5重量比)を1
0g、ニグロシン10gおよびシェルゾール71の30
gをガラスビーズとともにペイントシェーカー(東京精
機(株)製)に入れ、4時間分散し、ニグロシンの微小
な分散物を得た。
【0092】インク用樹脂粒子の製造例1の樹脂粒子
(PL−1)60g(固体分量として)、上記ニグロシ
ン分散物を2.5g、およびオクテン−半マレイン酸ヘ
キサデシルアミド共重合体0.08gをアイソパーGの
1リットルに希釈することにより黒色油性インクを作成
した。
【0093】次に、機上描画平板印刷装置(図1〜図2
参照)のインクジェット記録装置に上記のように作成し
た油性インクIK−1 2Lをインクタンクに充填し
た。ここでは直径約200μmの貫通孔を孔密度約10個
/cm2で開けた版胴を使用し、吐出ヘッドとして図3に
示す900dpi、64チャンネルマルチヘッドを使用し
た。インク温度管理手段として投げ込みヒータと攪拌羽
をインクタンク内に設け、インク温度は30℃に設定
し、攪拌羽を30rpmで回転しながらサーモスタットで
温度コントロールした。ここで攪拌羽は沈殿・凝集防止
用の攪拌手段としても使用した。またインク流路を一部
透明とし、それを挟んでLED発光素子と光検知素子を配
置し、その出力シグナルによりインクの希釈液(アイソ
パーG)あるいは濃縮インク(上記IK−1インクの固
形分濃度を2倍に調整したもの)投入による濃度管理を
行った。版材として、以下に示す親水性の画像受理層を
設けた紙版材を用いた。
【0094】基体として坪量100g/m2の上質紙を
用い、基体の両面にカオリンと、ポリビニルアルコー
ル、SBRラテックスおよびメラミン樹脂の樹脂成分と
を主成分とする耐水性層を設けた紙支持体上に下記組成
で下記のようにして調製した分散液Aを乾燥後塗布量と
して6g/m2となるように画像受理層を設けて紙版材
とした。
【0095】 分散液A ゼラチン(和光純薬一級品) 3g コロイダルシリカ(日産化学製;スノーテックスC、20%水溶液)20g シリカゲル(宮士シリシア化学製:サイリシア#310) 7g 硬膜剤(パラホルムアルデヒド) 0.4g 蒸留水 100g をガラスビーズとともにペイントシェーカーでl0分間
分散した。
【0096】上記版材は、版胴に設けた機械的装置によ
り版尻もくわえて装着した。湿し水供給装置、印刷イン
ク供給装置、ブランケット胴を版材に接触しないように
離し、エアーポンプ吸引により版材表面の埃除去を行っ
た後、版材裏面から版胴内の真空度350mmHgとな
る条件で、エアーポンプを使用して吸引を行った状態で
吐出ヘッドを描画位置まで版材に近づけ、印刷すべき画
像データを画像データ演算制御部に伝送し、版胴を回転
させながら64チャンネル吐出ヘッドを摺動させること
により、アルミ版上に油性インクを吐出して画像を形成
した。この際、インクジェットヘッドの吐出電極の先端
幅は10μmとし、光学的ギャップ検出装置による出力
によりヘッドと版材の距離は1mmに保った。また吐出
の際にはバイアス電圧として2.5KVの電圧を常時印
可しておき、吐出をおこなう際には500Vのパルス電
圧をさらに重畳し、そのパルス電圧は0.2ミリ秒から
0.05ミリ秒の範囲で256段階で変化させることで
ドットの面積を変化させながら描画を行った。ニジミの
ない高精細な画像が得られ、埃による描画不良等は全く
見られず、また外気温の変化、製版数の増加によっても
ドット径変化等による画像劣化は全く見られず、良好な
製版が可能であった。
【0097】さらにキセノンフラッシュ定着装置(ウシ
オ電機(株)社製 発光強度200J/パルス)による
加熱により画像を強固にし、刷版を作成した。インクジ
ェットヘッドを保護するためにインクジェット記録装置
を副走査手段ごと版胴と近接した位置から50mm退避さ
せ、その後、前述のようにして、通常の平板印刷方法に
より印刷用紙への印刷を行った。すなわち、印刷インキ
および湿し水を与え印刷画像を形成し、この印刷インキ
画像を版胴と共に回転しているブランケット胴上に転写
し、ついてブランケット胴と圧胴との間を通過する印刷
用コート紙上にブランケット胴上の印刷インキ画像を転
移させた。
【0098】得られた印刷物は通し枚数一万枚後でも印
刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であっ
た。また製版終了後10分間、ヘッドにアイソパーGを
供給し、ヘッド開口部からアイソパーGを滴らせてクリ
ーニングした後、アイソパーGの蒸気を充満させたカバ
ーにヘッドを格納しておくことにより、3ヶ月の間、保
守作業の必要なしに、良好な印刷物を作製できた。
【0099】実施例2 攪拌手段として循環ポンプを用い、図5、7及び、図9
に示すタイプの600dpiフルラインインクジェットヘ
ッドを配置した。ここではポンプを使用し、このポンプ
と吐出ヘッドのインク流入路、そして吐出ヘッドのイン
ク回収路とインクタンクの間にそれぞれインク溜を設
け、それらの静水圧差によりインク循環を行い、インク
温度管理手段としてはヒータと上述のポンプを使用し、
インク温度は35℃に設定し、サーモスタットでコント
ロールした。ここで循環ポンプは沈殿・凝集防止用の攪
拌手段としても使用した。またインク流路に電導度測定
装置を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈あ
るいは濃縮インク投入による濃度管理を行った。上述と
同様の版材を、平板印刷装置の版胴に同様に装着した。
ただしここでは版胴として多孔質構造を有する燒結金属
を加工した物を使用した。ナイロン製回転ブラシにより
版材表面の埃除去を行った後、版材裏面から吸引を行っ
た状態で、印刷すべき画像データを画像データ演算制御
部に伝送し、版胴を回転させながらフルラインヘッドで
描画させることにより、版上に油性インクを吐出して画
像を形成した。高精細な画像が得られ、埃による描画不
良等は全く見られず、また外気温の変化、製版数の増加
によってもドット径変化等による画像劣化は全く見られ
ず、良好な製版が可能であった。また製版した版で印刷
を行ったところ、通し枚数一万枚後でも印刷画像に飛び
やカスレがなく極めて鮮明な画像であった。また製版終
了後にヘッドにアイソパーGの循環を行うことによりク
リーニングした後、アイソパーGを含ませた不繊布をヘ
ッド先端に接触させクリーニングを行ったところ、3ヶ
月の間、保守作業の必要なしに、良好な印刷物を作製で
きた。
【0100】実施例3 次に、機上描画4色片面平板印刷装置(図10参照)の
インクジェット記録装置に、吐出ヘッドとして図7に示
すフルラインヘッドを使用し、テフロン製の付き当てロ
ーラによるギャップ調整(ギャップ0.8mm)を行った。
その他、インク濃度制御手段として描画枚数によるイン
クタンクへの濃縮インク補給を行った以外は実施例1と
同様の操作を行い、5000枚の製版を行った。その結
果、ニジミのない高精細な画像が得られ、埃による描画
不良、外気温の変化による影響は全く見られなかった。
製版数の増加によって、ドット径に多少の変化が見られ
たが、影響はない範囲内だった。また製版した版は、前
述と同様のフラッシュ定着の他、ヒートロール定着(日
立金属(株)社製 消費電力1.2kW)、ハロゲンラ
ンプ照射(ウシオ電機(株)社製QIR 消費電力1.
5kW)、酢酸エチル噴霧による定着も行った。ヒート
ロール定着、ハロゲンランプ照射の際には版面温度95
℃で20秒間加熱が行われるようにし、酢酸エチル噴霧
の場合には噴霧量が1g/m2程度になるようにした。
結果、通し枚数1万枚後でも印刷画像に飛びやカスレが
なく極めて鮮明なフルカラー印刷物が得られた。特にヒ
ートロール、あるいはハロゲンランプによる定着では版
胴のまわりに断熱材(PETフィ)を巻いておくことで定
着時間を大幅に短くできた。なおその場合には導電性ブ
ラシ(槌屋製サンダーロン 抵抗約10-1Ωcm)接触に
よりアルミ基体の接地を行った。
【0101】実施例4 印刷用紙として上質紙を使用した以外は実施例1と同様
に製版を行った。3千枚印刷時に一部紙粉によるベタの
つぶれ不良が発生したため、給紙部付近にエア吸引ポン
プを紙粉防止装置として設置し、印刷を行った。その結
果、印刷不良は発生せず、得られた印刷物は通し枚数五
千枚後でも飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であっ
た。ただし通し枚数五千枚後では、A3画像の縦方向で
0.1mmの伸びが認められた。
【0102】実施例5 実施例1の版の替わりに、以下に示す表面に不感脂化処
理により親水化が可能になる画像受理層を設けた版材を
用い、刷版作成後に版面不感脂化処理装置を用いて非画
像部を親水化し、描画の際に導電性板バネ(燐青銅製)
接触により版材導電層の接地をとり、版材に熱風を当て
ることにより定着を行った以外は実施例1と同じ操作を
行った。
【0103】基体として坪量100g/m2の上質紙を
用い、基体の両面にポリエチレンフィルムを20μmの
厚みにラミネートし耐水性とした紙支持体上に下記組成
で下記のようにして調製した導電層用塗料を片面に塗布
し、乾燥後塗布量として10g/m2となるようにし、
さらにその上に分散液Bを乾燥後塗布量として15g/
2となるように画像受理層を設けて版材とした。
【0104】・導電層用塗料;カーボンブラック(30
%水溶液)5.4部、クレー(50%水溶液)54.6
部、SBRラテックス(固形分50%、Tg25℃)3
6部、メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジン
SR−13)4部を混合し、全体の固形分が25%とな
るように水をくわえて、塗料とした。 ・分散液B;乾式酸化亜鉛100g、下記構造の結着樹
脂(B−1)3g、結着樹脂(B−2)17g、安息香
酸0.15gおよびトルエン155gの混合物を湿式分
散機ホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転
数6,000rpmで8分間分散した。
【0105】
【化3】
【0106】得られた印刷物は、通し枚数五千枚でも印
刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であっ
た。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、鮮明な画像の印刷物を
多数枚印刷することができる。また印刷機上で直接デジ
タル画像データに対応した刷版が安定して高画質に作成
でき、安価で高速の平板印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる機上描画平板印刷装置の一例を
模式的に示す全体構成図である。
【図2】本発明に用いる機上描画平板印刷装置の描画部
の一例を模式的に示す構成図である。
【図3】本発明に用いるインクジェツト記録装置に備え
られるヘッドの一例を示す概略構成図である。
【図4】図3のインク吐出部近傍の断面概略図である。
【図5】本発明に用いるインクジェット記録装置に備え
られる他のヘッドの一例におけるインク吐出部近傍の断
面概略図である。
【図6】図5のインク吐出部近傍の前面概略図である。
【図7】本発明に用いるインクジェット記録装置に備え
られる他のヘッドの一例の要部を示す概略構成図であ
る。
【図8】図7のヘッドから規制板を取り除いたヘッドの
概略構成図である。
【図9】本発明に用いるインクジェット記録装置に備え
られる他のヘッドの一例の要部を示す概略構成図であ
る。
【図10】本発明に用いる複色機の一例として、機上描
画4色片面平版印刷機を模式的に示す全体構成図であ
る。
【符号の説明】
1 機上描画平板印刷装置 2 インクジェット記録装置 3 湿し水供給装置 4 印刷インキ供給装置 5 定着装置 6 版面不感脂化装置 7 版材自動給版装置 8 版材自動排版装置 9 透気性を有する版材(印刷原版) 10 埃除去装置 11 版胴 12 ブランケット胴 13 圧胴 14 ブランケット洗浄装置 15 紙粉発生防止装置 21 画像データ演算制御部 22 吐出へッド 221 上部ユニット 222 下部ユニット 22a 吐出スリット 22b 吐出電極 23 油性インク 24 インク供給部 25 インクタンク 26 インク供給装置 27 攪拌装置 28 インク温度管理手段 29 インク濃度制御手段 30 エンコーダー 31 ヘッド離接装置 32 ヘッド副走査手段 33 第1の絶縁性基材 34 第2の絶縁性基材 35 第2の絶縁性基材の斜面部 36 第2の絶縁性基材の上面部 37 インク流路38 インク回収路 39 バッキング 40 溝 41 ヘッド本体 42、42’ メニスカス規制板 43 インク溝 44 隔壁 45、45’ 吐出部 46 隔壁 47 隔壁先端部 50、50’ 支持部材 51、51’ 溝 52 隔壁 53 上端部 54 矩形部分 55 隔壁の上端 56 ガイド突起 P 印刷紙
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/10 B41J 3/04 103S 4J039 (72)発明者 加藤 栄一 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 大澤 定男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C034 AA12 AA42 BA02 BA05 BA16 2C056 EA04 EB07 EB30 FA10 FA13 FB01 FB09 FD02 2C057 AF21 AG12 AG17 AG46 AG61 AG71 AG88 AH07 AJ10 AL14 AM14 AN01 AN05 2H084 AA25 AA38 AE05 BB01 BB13 CC05 2H113 AA01 AA05 BA05 BC02 DA04 DA24 DA50 DA53 EA27 FA07 FA29 FA42 FA50 4J039 AE11 BC02 BC03 BC04 BC05 CA04 CA07 EA46 GA02 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データの信号に基づき、印刷機の版
    胴に装着された版材上に、静電界を利用して油性インク
    をヘッドから吐出させるインクジェット方式で直接画像
    を形成し刷版を作成した後に平版印刷を行う平版印刷方
    法において、画像形成時に版材裏面から吸引を行うこと
    を特徴とする平版印刷方法。
  2. 【請求項2】 版材が透気性を有する、請求項1に記載
    の平版印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9Ωcm以上かつ誘電3.5以下の非水溶媒中に、少なく
    とも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したもので
    ある請求項1〜2に記載の平版印刷方法。
  4. 【請求項4】 画像データの信号に基づき、印刷機の版
    胴に装着された版材上に、静電界を利用して油性インク
    をヘッドから吐出させるインクジェット描画装置を有す
    るインクジェット方式で直接画像を形成し刷版を作成し
    た後に平版印刷を行う平版印刷装置において、画像形成
    時に版材裏面から吸引を行う手段を有することを特徴と
    する平版印刷装置。
  5. 【請求項5】 版材が透気性を有する、請求項4に記載
    の平版印刷装置。
  6. 【請求項6】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9Ωcm以上かつ誘電3.5以下の非水溶媒中に、少なく
    とも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したもので
    ある請求項4〜5に記載の平版印刷装置。
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