JP2000323747A - 光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置

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JP2000323747A
JP2000323747A JP11132503A JP13250399A JP2000323747A JP 2000323747 A JP2000323747 A JP 2000323747A JP 11132503 A JP11132503 A JP 11132503A JP 13250399 A JP13250399 A JP 13250399A JP 2000323747 A JP2000323747 A JP 2000323747A
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photoelectric conversion
voltage
conversion layer
multiplication factor
conversion device
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JP11132503A
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Takeshi Kitamura
健 北村
Katsuhiko Asai
克彦 浅井
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アバランシェ現象の増倍率が電界強度に依存
することを利用して、感度を可変とした光電変換装置を
提供する。 【解決手段】 光電変換装置に、アバランシェフォトダ
イオードとこれに印加電圧を供給する電圧印加回路を備
えて、印加電圧を可変とし、さらに印加電圧を制御する
電圧制御回路を備える。電圧制御回路はフォトダイオー
ドの出力を監視して受光量を判断し、受光量が多いとき
には、印加電圧をアバランシェ現象が発現しない値とし
て増倍率を1とし、受光量が少ないときに、印加電圧を
アバランシェ現象が発現する値として増倍率を1を超え
る値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イメージスキャ
ナ、カメラ等の画像形成装置に用いられる光電変換装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】イメージスキャナ、カメラ等の画像の読
み取りや撮影を行う画像形成装置では、光を電荷に変換
する光電変換装置が用いられている。光電変換装置は、
光を電荷に変換する光電変換層と、生成した電荷を蓄積
する蓄積部を有する。これらは多数の画素に区分けされ
ており、画素ごとに光電変換と電荷の蓄積を行う。通
常、光電変換層としてはフォトダイオードが使用され、
受光量に1対1に対応した量の電荷が生成される。生成
され蓄積された電荷は、所定の時間間隔で取り出され
る。
【0003】ファクシミリ、イメージスキャナ、デジタ
ル複写機等の画像を一方向に走査しながら読み取る画像
形成装置では、画素が1次元に配列されたラインセンサ
と呼ばれる光電変換装置が使用され、ビデオカメラ、デ
ジタルカメラ等の画像の撮影を行う装置では、画素が2
次元に配列されたエリアセンサと呼ばれる光電変換装置
が使用される。
【0004】近年では、高い解像度で画像を形成する画
像形成装置の要求が高まり、ラインセンサ、エリアセン
サのいずれにおいても、画素の高密度化が求められてい
る。画素の密度を高めるためには個々の画素を小さくす
る必要がある。ところが、画素を小さくすれば、必然的
に受光面積が小さくなり、装置の感度が低下するという
問題が生じる。この問題を解決する一法として、生成し
た電荷をアバランシェ現象によって増倍するフォトダイ
オードを光電変換層として使用することが提案されてい
る。
【0005】アバランシェフォトダイオード(APD)
の電界強度と電流の関係を、図5に模式的に示す。AP
Dは、電界強度がある程度に達するまで(範囲Aで示
す)は、アバランシェ現象を発現しない。つまり、電界
強度が範囲A内にあるときは、APDを流れる光電流す
なわち光電変換で生成する電荷の量は、通常のフォトダ
イオードと同様に、受光量に1対1に対応する。また、
暗電流も大きく増えることはない。
【0006】一方、電界強度がこの範囲Aを超えると、
APDはアバランシェ現象を発現し、光電流は増大して
いく。すなわち、増倍率は1を超え、電界強度に応じて
高くなっていく。このとき暗電流も増大するが、電界強
度がある程度になるまで(範囲Bで示す)は、暗電流の
変化は光電流の変化ほど大きくない。電界強度が範囲B
を超えると暗電流も著しく大きくなり、光の有無にかか
わらず大きな電流が流れるようになる。この状態では、
APDを光電変換に用いることはできなくなり、また、
APD自体も損傷することがある。
【0007】APDは、アバランシェ現象を発現し得る
電界強度では、膜厚が大きくなるほど増倍領域が長くな
って、増倍率が高くなるという特性も有している。従来
は、APDのこの特性を利用して、一定の電界強度のも
とで、膜厚を大きくすることにより増倍率を高めるよう
にしていた。
【0008】APDの電界強度は印加電圧によって変化
するが、印加電圧を一定に保っていても、生成した電荷
が蓄積されることによって低下する。電界強度が低下す
ると、増倍率も低下することになる。特開平5−211
321号公報では、印加電圧を制御して電界強度を一定
に保ち、これにより増倍率を常時一定とすることが提案
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】APDの膜厚を大きく
することは、光電変換装置の感度を高めるために有用か
つ簡便な方法である。しかし、膜厚を大きくすると、膜
の堆積に長時間が必要となり、また膜が剥がれ易くなる
から、製造効率が低下し、品質管理も難しくなるという
不都合が生じる。このため、APDの膜厚を大きくする
ことには、実用上限界がある。
【0010】また、一定の電界強度でAPDを動作させ
る従来の方法では、感度は固定されており、APDに導
く光の量と光電変換時間のほかには、生成される電荷の
量を制御し得る因子がない。このため、光電変換装置の
使用条件に応じて電荷量を細かく制御することが容易で
なく、これに起因して種々の問題が発生する。例えば、
過大な電流が流れてAPDが損傷したり、移動速度の速
い被写体を適正な明るさでぶれなく撮影することができ
なくなったりする。また、アバランシェ現象発現時の暗
電流は多いため、暗電流によるノイズが常に多いという
問題もある。
【0011】特開平5−211321号公報の技術は、
電界強度の変化による増倍率の変化を不都合としてとら
え、その不都合を回避することを目的としたものであ
り、アバランシェ現象の増倍率が電界強度によって変化
することを積極的に利用するものではなかった。
【0012】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、増倍現象の増倍率を変化させることにより、
感度を可変とした光電変換装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光電変換装置
は、電圧印加によりアバランシェ現象を発現する光電変
換層を有し、光電変換層の光電変換によって生成した電
荷を出力する光電変換部と、光電変換層に電圧を印加す
る電圧印加部と、電圧印加部から光電変換層に印加する
電圧を変化させることにより、光電変換層の光電変換の
増倍率を変化させる電圧制御手段とを、備えるものであ
る。
【0014】光電変換層がアバランシェ現象を発現する
か否か、および発現するアバランシェ現象の程度は、前
述のように電界強度に依存し、電界強度は印加電圧によ
って変えることができる。この光電変換装置では、電圧
印加部から光電変換層に印加する電圧を可変としてお
り、電圧制御手段が印加電圧を変化させて光電変換層の
アバランシェ現象の有無あるいはその程度を制御するこ
とによって、増倍率を変化させる。これにより、感度可
変の光電変換装置が得られる。
【0015】電圧制御手段は、増倍率が連続した範囲内
で変化するように光電変換層に印加する電圧を変化させ
てもよく、増倍率が離間した複数段階で変化するように
光電変換層に印加する電圧を変化させてもよい。前者の
制御では感度を所定範囲内で任意の値にすることがで
き、後者の制御では感度を複数の所定値のいずれかにす
ることができる。
【0016】使用者によって操作される操作部を備え、
電圧制御手段が、操作部の操作に応じた増倍率となるよ
うに光電変換層に印加する電圧を変化させるようにして
もよい。使用者が自由に感度を設定することが可能にな
る。
【0017】周囲環境の明るさを検知する検知手段を備
え、電圧制御手段が、検知手段によって検知された周囲
環境の明るさに応じて光電変換層に印加する電圧を変化
させるようにしてもよい。環境の明るさに応じて自動で
感度調節をする光電変換装置となる。
【0018】電圧制御手段は、光電変換部の出力に基づ
いて光電変換層に印加する電圧を変化させるものとする
こともできる。この構成では、環境の明るさに応じて自
動で感度調節をすることが可能でありながら、上記の検
知手段を別途備える必要がない。
【0019】これらの構成では、電圧制御手段は、検知
手段によって検知された周囲環境の明るさまたは光電変
換部の出力が所定値以上のときに、光電変換層に印加す
る電圧を光電変換層がアバランシェ現象を発現しない電
圧にするのが好ましい。増倍率が1であっても十分な量
の電荷を生成し得るときに、不必要なアバランシェ現象
を発現させることが避けられて、暗電流によるノイズを
軽減することが可能になる。また、光電変換層が損傷す
るのを防止することもできる。
【0020】光電変換層は、例えば、非晶質シリコンま
たは非晶質セレンを含む非晶質材料で形成することがで
きる。
【0021】本発明の光電変換装置は、また、増倍現象
を発現し得る光電変換層を有し、光電変換層の光電変換
によって生成した電荷を出力する光電変換部と、光電変
換層に増倍現象を発現させる発現手段と、光電変換層の
光電変換の増倍率を変化させる増倍制御手段とを、備え
るものでもある。増倍制御手段によって、光電変換層の
増倍現象の発現の有無あるいはその程度が制御されて、
感度可変の装置となる。
【0022】ここで、周囲環境の明るさを検知する検知
手段を備え、増倍制御手段が、検知手段によって検知さ
れた周囲環境の明るさに応じて光電変換層の光電変換の
増倍率を変化させるようにすると、自動で感度調節をす
る光電変換装置となる。
【0023】検知手段によって検知された周囲環境の明
るさが、光電変換層に所定量以上の電荷を生成させる明
るさであるときに、光電変換層に増倍現象が生じないよ
うに増倍制御手段が発現手段を制御するとよい。増倍現
象を不必要に発現させることが避けられて、ノイズの発
生や光電変換層の損傷が防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光電変換装置の実
施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、
第1の実施形態の光電変換装置1の概略構成を示す。こ
の光電変換装置1は、画像の撮影に使用されるものであ
り、撮影した画像を記録するデジタルカメラやビデオカ
メラのほか、撮影した画像を順次表示するモニターカメ
ラにも組み込まれる。光電変換装置1は、光電変換部1
1、電圧印加回路15、垂直走査回路16、水平走査回
路17、および電圧制御回路18を備えている。
【0025】光電変換部11は、光電変換層であるAP
D12、APD12の光電変換によって生成した電荷を
蓄積するコンデンサ13、コンデンサ13の電荷の蓄積
と出力を切り換えるMOSトランジスタ14より成る。
光電変換部11は多数の画素11aに区分けされてお
り、画素11aはマトリクス状に配列されている。図1
では、煩雑になることを避けるために、1つの画素11
aのみをその構成とともに示している。各画素11aに
は、APD12、コンデンサ13およびトランジスタ1
4が1つずつ設けられている。
【0026】APD12のアノードはコンデンサ13を
介してグランド電位に接続されており、カソードは電圧
印加回路15の出力端子に接続されている。トランジス
タ14のドレインはAPD12のアノードに接続されて
おり、ソースは水平走査回路17によって制御されるM
OSトランジスタ17aのドレインに接続されている。
また、トランジスタ14のゲートは垂直走査回路16の
出力端子に接続されている。
【0027】トランジスタ17aは、垂直方向に並ぶ画
素11aの列ごとに設けられており、垂直方向の同一画
素列内の全ての画素11aのトランジスタ14のソース
が同一のトランジスタ17aのドレインに接続されてい
る。各トランジスタ17aのゲートは水平走査回路17
の出力端子に個別に接続されており、ソースは光電変換
の結果で生じた電荷を処理して画像を生成する画像生成
回路(不図示)に接続されている。水平方向の同一画素
列内の全ての画素11aのトランジスタ14のゲート
は、垂直走査回路16の同一の出力端子に接続されてい
る。光電変換部11の全ての画素11aのうち、トラン
ジスタ14が導通し、かつ導通しているトランジスタ1
7aに接続されているものが、コンデンサ13の電荷を
出力する画素として選択されることになる。
【0028】電圧印加回路15はその出力端子を正電位
として、アノードがグランド電位となっているAPD1
2に逆バイアスの電圧を印加する。この状態で光を受け
ると、APD12にはカソードからアノードに電流が流
れて電荷が発生する。これにより光電変換がなされる。
電圧印加回路15は全ての画素11aのトランジスタ1
4が導通状態にないとき、すなわち垂直走査回路16が
どの画素列も選択していないときに、APD12に電圧
を印加する。したがって、光電変換によって生じた各画
素11aの電荷はコンデンサ13に蓄積されていく。
【0029】各画素11aのコンデンサ13に蓄積され
た電荷は、所定の時間間隔で、垂直走査回路16と水平
走査回路17による選択の走査に従って順次出力され
る。出力された電荷は、トランジスタ17aを介して画
像生成回路に与えられる。画像生成回路は与えられる電
荷を電圧として検出し、これにシェーディング補正、ガ
ンマ補正等の諸処理を施して、画像を表す画像信号とす
る。生成された画像信号は適宜記録され、また表示に用
いられる。
【0030】電圧印加回路15は全ての画素11aのA
PD12に一律に電圧を印加するが、APD12に印加
する電圧は可変であり、電圧制御回路18によって制御
される。電圧制御回路18は、各画素11aから出力さ
れる電荷を電圧として検出し、検出結果に応じてAPD
12に印加する電圧を変化させて、APD12のアバラ
ンシェ現象の発現を制御する。
【0031】具体的には、受光量が多く、増倍をしなく
ても光電変換によって生成される電荷の量が、コントラ
ストの高い見易い画像を表す画像信号を生成するのに十
分なときには、電圧制御回路18は、APD12に印加
する電圧をアバランシェ現象が発現しない程度の低い電
圧とする。すなわち、図5の電界強度範囲Aに対応する
電圧を印加させて、増倍率を1とする。このようにする
と、暗電流によるノイズの増大が避けられ、画像生成回
路によって生成される画像信号の質を高く保つことがで
きる。また、きわめて受光量が多いときに、過大な電流
が流れてAPD12が損傷するのを防止することができ
る。
【0032】逆に、受光量が少なく、増倍をしないと生
成される電荷の量が不足して、観察し得るまたは観察し
易い画像を表す画像信号を生成できないときには、電圧
制御回路18は、APD12に印加する電圧をアバラン
シェ現象が発現する電圧とする。すなわち、図5の電界
強度範囲Bに対応する電圧を印加させて、1を超える増
倍率とする。このとき、電圧制御回路18は、増倍率を
特定の値に固定せずに、検出した電圧に応じて印加電圧
を適宜調整することにより、増倍率を受光量に応じて設
定する。その際、蓄積電荷による電界強度低下を補償す
るように印加電圧を制御して、光電変換中に増倍率が変
動しないようにすることが好ましい。
【0033】上記の制御では、アバランシェ現象を必要
なときのみに発現させ、かつ、アバランシェ現象を必要
な程度だけ発現させることになる。このため、APD1
2に常時高電圧が印加されるのを避けることができて、
APD12の劣化を長期間抑えることができる。
【0034】電圧制御回路18による印加電圧の設定
は、全ての画素の電荷の平均に基づいて行うことも、所
定の画素の電荷に基づいて行うこともできる。前者は、
写真撮影における全面平均測光のような方法であり、後
者は部分測光のような方法である。印加電圧の設定を、
全ての画素の電荷のうちの最大値に基づいて行うように
してもよい。各画素の受光量に大きな差があり、一部の
画素のみの受光量がきわめて大きくなるときに、アバラ
ンシェ現象を発現させてその画素のAPD12を損傷す
るという危険性を、低下させることができる。増倍率を
決定するための各画素の出力検出や増倍率の調整は、1
フレームの撮像ごとに行うようにしてもよいし、複数フ
レームごとに行うようにしてもよい。
【0035】なお、APD12への印加電圧は、あらか
じめ設定しておいた複数の増倍率の値の中から所定のも
のを選択するように制御してもよく、増倍率を連続して
変化させるように制御してもよい。前者の方法では所定
の増倍率に正確にかつ容易に設定できるようになり、後
者の方法では所定の範囲内で任意の増倍率とすることが
できる。印加電圧を低くしてアバランシェ現象が発現し
ないようにする代わりに、アバランシェ現象の程度がご
く軽微になるように印加電圧の最小値を設定して、増倍
率の最小値を1に近づけるようにしてもよい。
【0036】光電変換層であるAPD12の構成例を図
4に示す。この例では、APD12は、アノードである
P型層12p、真性層12i、カソードであるN型層1
2nの3層より成るPINフォトダイオードとして構成
されている。N型層12n側から光を受ける場合、N型
層12n側には電圧印加回路15に接続されるITO等
の透明電極が設けられ、P型層12p側にはアルミニウ
ム等の不透明電極が設けられて、コンデンサ13となる
半導体層に接続されることになる。
【0037】各層12p、12i、12nは、非晶質シ
リコン、非晶質セレン等の非晶質半導体材料で作製する
ことが可能であり、結晶シリコン等の結晶質材料で作製
することもできる。また、APD12を、非晶質シリコ
ン−ゲルマニウムや非晶質シリコン−カーバイドを用い
て傾斜構造をもつものとしてもよく、インジウム−リン
やインジウム−ガリウム−砒素を用いて超格子構造をも
つものとしてもよい。傾斜構造をもつAPDでは、受光
部位すなわち電荷を生成する部位と、生成された電荷を
アバランシェ現象によって増倍する部位が分離されてお
り、両部位が一体となってはじめて、アバランシェ現象
を発現し得る光電変換層となる。
【0038】APD12の増倍率を可変とし、受光量に
応じて増倍率を設定するようにした光電変換装置1で
は、対象物の明暗に依存することなく、常に適正な電荷
を生成することができる。したがって、使用場所が変化
することにより環境の明るさが大きく変化するデジタル
カメラやビデオカメラにおいても、また、使用場所は一
定であっても、昼夜を問わず動作させることにより環境
の明るさが大きく変化する監視用モニターカメラにおい
ても有用である。
【0039】第2の実施形態の光電変換装置2の概略構
成を図2に示す。この光電変換装置2は、上記の光電変
換装置1に、対象物の明るさを検出するための明度検出
回路19を備えたものである。電圧制御回路18には、
光電変換部11からの出力は与えられず、明度検出回路
19で検出された明るさが与えられる。電圧制御回路1
8は、明度検出回路19で検出された対象物の明るさに
基づいて、電圧制御回路15からAPD12に印加する
電圧を制御する。印加電圧の制御の内容や、他の構成要
素の動作は光電変換装置1と同様であり、重複する説明
は省略する。
【0040】なお、明度検出回路19としては、光電変
換装置2を組み込んだカメラの撮影レンズの絞り値の設
定や、フラッシュ発光の要否の判断のために用いられる
測光部の回路を兼用することができる。
【0041】第3の実施形態の光電変換装置3の概略構
成を図3示す。この光電変換装置3は、第1の実施形態
の光電変換装置1に、使用者によって操作される操作部
20を設けたものである。操作部20は光電変換装置3
の感度を設定するために操作される。
【0042】感度の設定は、例えば、高、中、低の3段
階の中から選択することが可能であり、電圧制御回路1
8は、低感度が選択されたときには、アバランシェ現象
が発現しない印加電圧として増倍率を1とし、高感度が
選択されたときには、大規模にアバランシェ現象が発現
する印加電圧として増倍率を大きくする。また、中感度
が選択されたときには、中規模にアバランシェ現象が発
現する印加電圧として増倍率を中程度にする。例えば、
増倍が必要でなおかつ良好な画像も得たい場合は中程度
の増倍率を選択し、また、防犯等の目的で、ある程度暗
電流が増大しても暗い環境での動体の検知が行えさえす
ればよい場合などは最大の増倍率を選択すればよい。
【0043】電圧制御回路18には光電変換部11から
の出力も与えられる。電圧制御回路18は、光電変換部
11から出力される電荷を電圧として検出し、その電圧
が大きく、APD12に過大な電流が流れるおそれがあ
ると判断したときには、操作部20の操作で高感度また
は中感度が選択されているときでも、その選択を無視し
て、増倍率を小さくする。すなわち、高感度が選択され
ているときは、アバランシェ現象が中程度となるまたは
発現しない印加電圧とし、中感度が選択されているとき
は、アバランシェ現象が発現しない印加電圧とする。こ
のように、増倍率を使用者の好みに合わせて手動で調整
する構成とした場合に、さらに周囲環境の明るさに応じ
て増倍率を自動的に変化させるようにすることで、使用
者の誤操作あるいは操作忘れによってAPD12が損傷
するのを防ぐことができる。
【0044】なお、各実施形態の光電変換装置1、2、
3は、対象物の明るさに応じて装置自体が自動で、ある
いは使用者の指示に応じて、APD12の増倍率を設定
するものであったが、他の撮影条件に基づいて電圧制御
回路18がAPD12への印加電圧を制御するようにし
てもよい。例えば、光電変換装置を備えたカメラが、高
速で移動する対象物をぶれなく撮影するために、APD
12の光電変換時間を通常よりも短くするモードを有
し、このモードに設定されているときに、印加電圧を高
めて増倍率を大きくするようにすることができる。この
ようにすると、ぶれがなく、しかも明るさも不足しない
画像を撮影することができる。画像生成回路で生成した
画像信号から、対象物の移動速度を判断して、光電変換
時間と増倍率を設定するようにしてもよい。
【0045】また、フラッシュを備えたカメラでは、フ
ラッシュを発光させるか否かに応じて、増倍率を設定す
ることも可能である。さらに、フラッシュの発光時間も
可変とし、発光時間と増倍率を連動させて変化させるよ
うにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明の光電変換装置は光電変換層の増
倍率が可変であり、使用条件に応じて感度を変えること
ができる。したがって、環境の明暗にかかわらず確実に
光電変換をし得ることはもちろん、明るいときに感度を
低くして暗電流によるノイズを低減することも可能にな
る。また、環境がきわめて明るく、増倍によって光電変
換層が損傷してしまうほどの電荷が生じる場合には、ア
バランシェ現象を発現させないことが可能であり、光電
変換層の損傷を防止することができる。したがって、長
寿命の装置となる。特に、カメラのように、使用環境の
明るさの変化が著しく大きい画像形成装置への使用に適
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の光電変換装置の概略構成を
示す図。
【図2】 第2の実施形態の光電変換装置の概略構成を
示す図。
【図3】 第3の実施形態の光電変換装置の概略構成を
示す図。
【図4】 各実施形態の光電変換装置のアバランシェフ
ォトダイオードの構成の一例を示す図。
【図5】 アバランシェフォトダイオードの電界強度と
電流の関係を示す図。
【符号の説明】
1、2、3 光電変換装置 11 光電変換部 11a 画素 12 アバランシェフォトダイオード(光電変
換層) 13 コンデンサ 14 トランジスタ 15 電圧印加回路(電圧印加部、発現手段) 16 垂直走査回路 17 水平走査回路 17a トランジスタ 18 電圧制御回路(電圧制御手段、増倍制御
手段) 19 明度検出回路(検知手段) 20 操作部
フロントページの続き Fターム(参考) 2G065 AA04 AB17 BA04 BA05 BA09 BA33 BA34 BB21 BB49 BC03 BC10 BC12 BC20 CA12 DA01 DA17 DA18 5F049 MA07 MB05 MB07 NA05 NA07 NA20 NB03 NB05 QA16 QA19 RA02 RA06 RA10 UA11 UA16 UA20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧印加によりアバランシェ現象を発現
    する光電変換層を有し、該光電変換層の光電変換によっ
    て生成した電荷を出力する光電変換部と、 前記光電変換層に電圧を印加する電圧印加部と、 前記電圧印加部から前記光電変換層に印加する電圧を変
    化させることにより、前記光電変換層の光電変換の増倍
    率を変化させる電圧制御手段とを備えることを特徴とす
    る光電変換装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧制御手段は、増倍率が連続した
    範囲内で変化するように前記光電変換層に印加する電圧
    を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光電変
    換装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧制御手段は、増倍率が離間した
    複数段階で変化するように前記光電変換層に印加する電
    圧を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光電
    変換装置。
  4. 【請求項4】 使用者によって操作される操作部を備
    え、前記電圧制御手段は、前記操作部の操作に応じた増
    倍率となるように前記光電変換層に印加する電圧を変化
    させることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装
    置。
  5. 【請求項5】 周囲環境の明るさを検知する検知手段を
    備え、前記電圧制御手段は、前記検知手段によって検知
    された周囲環境の明るさに応じて前記光電変換層に印加
    する電圧を変化させることを特徴とする請求項1に記載
    の光電変換装置。
  6. 【請求項6】 前記電圧制御手段は、前記光電変換部の
    出力に基づいて前記光電変換層に印加する電圧を変化さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  7. 【請求項7】 前記電圧制御手段は、前記検知手段によ
    って検知された周囲環境の明るさまたは前記光電変換部
    の出力が所定値以上のときに、前記光電変換層に印加す
    る電圧を前記光電変換層がアバランシェ現象を発現しな
    い電圧にすることを特徴とする請求項5または請求項6
    に記載の光電変換装置。
  8. 【請求項8】 前記光電変換層は、非晶質シリコンまた
    は非晶質セレンを含む非晶質材料より成ることを特徴と
    する請求項1に記載の光電変換装置。
  9. 【請求項9】 増倍現象を発現し得る光電変換層を有
    し、該光電変換層の光電変換によって生成した電荷を出
    力する光電変換部と、 前記光電変換層に増倍現象を発現させる発現手段と、 前記光電変換層の光電変換の増倍率を変化させる増倍制
    御手段とを備えることを特徴とする光電変換装置。
  10. 【請求項10】 周囲環境の明るさを検知する検知手段
    を備え、前記増倍制御手段は、前記検知手段によって検
    知された周囲環境の明るさに応じて前記光電変換層の光
    電変換の増倍率を変化させることを特徴とする請求項9
    に記載の光電変換装置。
  11. 【請求項11】 前記検知手段によって検知された周囲
    環境の明るさが、前記光電変換層に所定量以上の電荷を
    生成させる明るさであるときに、前記増倍制御手段は、
    前記光電変換層に増倍現象が生じないように前記発現手
    段を制御することを特徴とする請求項10に記載の光電
    変換装置。
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