JP2000322116A - サーボ制御装置及び位置決め装置 - Google Patents

サーボ制御装置及び位置決め装置

Info

Publication number
JP2000322116A
JP2000322116A JP13224499A JP13224499A JP2000322116A JP 2000322116 A JP2000322116 A JP 2000322116A JP 13224499 A JP13224499 A JP 13224499A JP 13224499 A JP13224499 A JP 13224499A JP 2000322116 A JP2000322116 A JP 2000322116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic deformation
axis
positioning
machine tool
axis direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13224499A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Takeuchi
勝彦 竹内
Norihisa Sugiura
功久 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Koki KK filed Critical Toyoda Koki KK
Priority to JP13224499A priority Critical patent/JP2000322116A/ja
Publication of JP2000322116A publication Critical patent/JP2000322116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 慣性力に伴う機械系の弾性変形による被位置
決め体の遅れの補償。 【解決手段】 弾性変形補償部801は、主軸先端位置
のx軸方向の運動(座標x)が、工作機械系のx軸方向
の弾性変形量εx に起因して、式(12)…「fx=−K
x εx −x′γx =mx x =mx x″」に従うことを
モデル化したものである。ただし、fx は主軸先端に作
用するx軸方向の力であり、x′はxの時間微分(速
度)を表すものである。また、γx は速度x′に比例し
て主軸先端に作用するx軸方向の外力を表すための定数
で、摩擦などの外乱の影響を加味するためのものであ
る。即ち、弾性変形補償部801の伝達関数G1(≡−
x /{S(mx S+γx )})は、弾性変形量εx
入力としたとき、式(12)に従う主軸先端位置のx軸座
標(x)を出力する。これにより、工作機械系の弾性変
形分が補正された実際のx軸座標の値xがフィードバッ
クされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械や産業用
ロボット等の機械的動作を制御するサーボ制御装置に関
し、特に、被位置決め体の大きな速度又は加速度に伴う
機械系の部分的弾性変形による被位置決め体の移動の遅
れ或いは予定経路からのズレを補正するサーボ制御装置
及び位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタ等の工作機械の分野で
は、工作物に関する加工時間の短縮等を目的として、例
えば、リニアモータ駆動の採用や可動体の軽量化等によ
る高速、或いは、高加速度の工作機械が提案・開発され
ている。これらの技術革新により、従来のボールネジ駆
動、鋳鉄製コラム等による工作機械では実現できなかっ
た高加速度(1G以上)が達成されるようになってきて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】工作機械系の一部を構
成する被位置決め体(工具、工具支持部、ラムなど)が
加減速されると、被位置決め体やこの被位置決め体と共
に所定方向に移動する可動体にはその質量及び加速度に
比例する慣性力が働く。この慣性力の作用により、この
工作機械系には部分的な弾性変形が生じることになる
が、特に工具先端などの制御点と、工具の位置を検出す
る測位点との間でこの弾性変形が生じると、被位置決め
体の加減速時に、上記制御点に対する測位精度が劣化す
る結果となる。
【0004】図9に、従来技術におけるサーボ制御装置
の制御ブロックダイアグラムを例示する。本制御ブロッ
クダイアグラムは、リニアモータ駆動式の工作機械にお
けるある1つの制御軸(x軸)の制御機構を示すもので
ある。リニアモータ35には、リニアスケール(測位装
置)35cと、電流計38とが接続されており、リニア
スケール35cは主軸先端位置のx座標(xa )を出力
し、電流計38はリニアモータ35の加速電流ix を出
力する。これにより、個々のフィードバックループが閉
じて、各種制御部211、212、213によるサーボ
制御が実現される。
【0005】しかしながら、リニアスケール(測位装
置)35cは、主軸先端位置から離れた箇所に設けらる
ため、主軸先端位置とリニアスケール35cとの間に、
機械系の弾性変形が生じると、図1を用いて後で詳述す
るように、主軸先端位置の測位装置により計測されたx
座標(xa )は、実際の主軸先端位置(工具支持部中
心)のx座標(x)を示さなくなり、測位精度が下が
り、加工形状が劣化する。
【0006】このような問題は、特に、リニアモータ駆
動式の工作機械等の様に、上記の可動体等の構成部品の
剛性が比較的低い、高速加工の工作機械が製造されるよ
うになってから表面化、或いは、顕在化するようになっ
てきている。また、このような形状誤差は、上記の被位
置決め体や可動体の速度、或いは、加速度が大きくなる
ほど大きくなる。また、このような形状誤差を小さくす
るために、剛性が高く、かつ、質量の小さな部材を用い
て工作機械を構成する方法も考えられるが、この両条件
を満たす素材としては自ずと限界が有るため、高速・高
精度の工作機械を実現する上で、何らかの対策が必要と
なっている。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、被位置決め体の大きな
速度又は加速度に伴う機械系の部分的弾性変形による被
位置決め体の移動の測位点からの遅れ、或いは予定経路
からのズレを補正するサーボ制御装置及び位置決め装置
を実現することである。また、本発明の更なる目的は、
工作機械の分野におけるこれらの装置の実現により、高
速、高精度の曲線加工を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、位置指令値とフィードバック位置との偏差が0とな
る様に被位置決め体の位置を制御するサーボ制御装置に
おいて、フィードバック位置を被位置決め体の質量と、
被位置決め体と共に所定方向に移動する可動体の質量
と、被位置決め体及び可動体の弾性率と、被位置決め体
又は可動体の所定方向のリアルタイムに実測された加速
度成分に基づいて補正する位置指令値補正手段を備える
ことである。
【0009】また、第2の手段は、上記の第1の手段に
おいて、リアルタイムに実測されるべき加速度成分をそ
の所定方向の位置フィードバック値、速度フィードバッ
ク値、又は電流フィードバック値から求めることであ
る。
【0010】また、第3の手段は、複数のサーボ制御装
置により二次元又は三次元空間における位置決め制御を
行う位置決め装置において、少なくとも2方向以上の位
置決め制御を各制御軸毎に、上記の第1又は第2の手段
のサーボ制御装置により、並列に、実行するすることで
ある。
【0011】更に、第4の手段は、互いに直交する2軸
又は3軸を有するリニアモータ駆動式の工作機械を、上
記の第3の手段の位置決め装置により制御することであ
る。以上の手段により、前記の課題を解決することがで
きる。
【0012】
【作用及び発明の効果】本発明の作用・効果を簡単のた
め、直交2軸(x軸とy軸)を有する工作機械での曲線
加工の場合について、以下に説明する。図1に、本発明
の作用を一般的に説明する物理概念図を示す。本図1
は、「x2 +y2 =r2 」なる真円加工を行った際に、
x軸方向の慣性力Fx に伴って、工作機械系のx軸方向
の弾性変形による形状誤差εx が発生したことを示して
いる。
【0013】この時、加工処理時の慣性力及び形状誤差
をそれぞれx軸成分、y軸成分毎に(Fx ,Fy ),
(εx ,εy )と表すことにすれば、次式(1)〜
(8)が成り立つ。ただし、その他の各変数の定義は、
以下の通りである。 (変数定義) x:主軸先端位置(工具支持部中心)の実際のx座標 y:主軸先端位置(工具支持部中心)の実際のy座標 xa :主軸先端位置の測位装置により計測されたx座標 ya :主軸先端位置の測位装置により計測されたy座標 a:工具支持部の加速度の大きさ θ:工具支持部の加速度の曲座標表示における角度(加
速度の向き) ε:形状誤差の大きさ mx :工具支持部を含めた、x軸方向に平行移動する可
動体の質量 ax :工具支持部のリアルタイムに実測された加速度の
x軸成分 Kx :形状誤差εx の発生要因となる工作機械系のx軸
方向の弾性率 my :工具支持部を含めた、y軸方向に平行移動する可
動体の質量 ay :工具支持部のリアルタイムに実測された加速度の
y軸成分 Ky :形状誤差εy の発生要因となる工作機械系のy軸
方向の弾性率 v:工具支持部の速度の大きさ r:加工円の半径
【0014】
【数1】 ε2 =εx 2 +εy 2 …(1)
【数2】 Fx =−mx x =Kx εx (x軸方向慣性力) …(2)
【数3】 Fy =−my y =Ky εy (y軸方向慣性力) …(3)
【数4】 εx =−Cx x (Cx ≡mx /Kx ) =x−xa …(4)
【数5】 εy =−Cy y (Cy ≡my /Ky ) =y−ya …(5)
【数6】 ax =a cosθ …(6)
【数7】 ay =a sinθ …(7)
【数8】 ε(θ)=a{(Cx cosθ)2 +(Cy sinθ)2 1/2 …(8) ただし、ε(θ)の角θは、あくまでも上記の工具支持
部の加速度の向きを表すものであり、弾性変形による変
位(形状誤差ε)の方向とは必ずしも一致しない。
【0015】尚、上記のCx 、Cy は、次式(9)を満
たす試験的な円加工、或いは試験的な円運動(空運転)
を実施することにより、式(10)、(11)の通りに求め
ることができる。
【数9】 a=v2 /r=(一定) …(9)
【数10】 Cx =ε(α)/a (α=0,π) …(10)
【数11】 Cy =ε(β)/a (β=π/2,3π/2) …(11)
【0016】即ち、半径rの円加工を行って、その際の
形状誤差εをθの関数ε(θ)として測定すれば、モデ
リングや数値計算などの複雑、或いは高度な解析技法を
用いてmx 、Kx 、my 、Ky の各値を個々に求めるこ
とが困難な場合でも、Cx ≡mx /Kx 、Cy ≡my
y の値を(10)、(11)により求めることが可能とな
る。
【0017】また、mx 、my を他の実験、測定、又は
モデリングによる近似計算により更に個別に求めれば、
x 、Ky をも個々に求めることができる。したがっ
て、前記のフィードバック制御において、式(4),
(5)を用いて、常時リアルタイムに実測されるフィー
ドバック位置xa に対する補正、或いは、位置指令値に
対する補正を加工時にリアルタイムに行えば、高速の曲
線加工の際にも所望の加工形状を得ることができる。
【0018】尚、工作機械に限ることなく、本発明は、
一般に、式(2)、(3)からも判る様に、被位置決め
体等の質量が大きな場合や、或いは、機械系の部分的弾
性変形に関する弾性率が小さな場合にも、上記と同様
に、一般のサーボ制御装置において大きな効果を発揮す
る。
【0019】また、単なる1次元空間におけるサーボ制
御においても、本発明の手段によれば、移動の遅れが補
正されるため、時間と位置との関係が問題となる場合に
は、現在の制御点の位置を正確に認識できるという効果
が得られる。即ち、タイミングを意識した同期制御を伴
う位置決めを制御するサーボ制御装置においては、時間
と位置との関係が問題となるため、この様な位置決め装
置が有用となる場合が考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 (第1実施例)図2及び図3に、本発明を適用する工作
機械の側面図及び正面図を示す。本工作機械は、互いに
直交する3軸を有するリニアモータ駆動式であり、その
主な構成要素は、ベース10の前部に配置されたワーク
テーブル11、ベース10の後部に配置された固定フレ
ーム15、固定フレーム15の前側でベース10及び固
定フレーム15によりガイドされてx軸方向に水平移動
するガントリ20、このガントリ20により案内されて
y軸方向に上下移動するサドル50、サドル50により
Z方向に水平移動するラム60(工具Tより成る被支持
物を支持する工具支持部)、ガントリ20、可動体の一
部を構成しているサドル50、ラム60をそれぞれ移動
する電気リニアモータ35、37、57、67、及びラ
ム60に回転自在に支持された工具主軸71などであ
る。
【0021】また、各軸方向のガイド機構は、x軸方向
がガイドレール29、32、及びベアリングブロック3
0、31、33により、y軸方向がガイドレール53、
55、及びベアリングブロック54、56により、Z方
向が下部リニアガイド機構61、及び上部リニアガイド
機構62により、それぞれ構成されている。尚、図2の
記号T、及びWはそれぞれ、工具、及び工作物を表して
いる。
【0022】図4に、本発明の作用を説明する簡易モデ
ルの物理概念図を示す。各数値符号は、各々上記図2又
は図3と同一の構成要素を示している。図2及び図3に
示す様にリニアモータ駆動式の工作機械を構成した場
合、工具又は工具を支持する工具支持部と各測位点(各
々図中の△印の位置)とが離れているため、その間の工
作機械系の部分的弾性変形により、測位誤差が生じる。
【0023】また、y軸方向の移動機構が、x軸方向の
移動機構の内部に包括的に組み込まれる、いわゆる入れ
子構造をしているため、工作物の形状誤差εの、x軸方
向の弾性変形量(形状誤差εx )に寄与する可動体の質
量mx と、y軸方向の弾性変形量(形状誤差εy )に寄
与する可動体の質量my とは大きく異なっている(m x
>my >m;ただし、mはラム60の質量とする)。し
かしながら、本発明では、式(4)、(5)により、各
軸単位に形状誤差の補正を行うため、上記の様な弾性変
形量についての異方性が有っても、各軸対応に正確に補
正することができる。
【0024】図5に、本実施例の工作機械のハードウェ
ア構成図を示す。数値制御装置100は、CPU10
1、メモリ102、サーボ制御装置との物理的インター
フェイスを取るインターフェイス部(I/F)103、
入出力装置104等の主要構成要素を有する。CPU1
01は、各リニアモータに対応する測位装置(リニアス
ケール)により測定された工具のx座標、y座標、z座
標の各値(x,y,z)をI/F103を介して随時入
力する。
【0025】また、CPU101は、補間演算により求
められた、次に到達すべき補間点の位置を与える差分量
の各値(dx,dy,dz)をI/F103を介して、
x軸サーボ制御装置200、y軸サーボ制御装置30
0、及びz軸サーボ制御装置400に対し各々随時出力
する。各軸のサーボ制御装置200,300,400
は、差分量(dx,dy,dz)により与えられた次の
補間点までの工具の移動を制御する。
【0026】図6に、本第1実施例におけるサーボ制御
装置の制御ブロックダイアグラムを示す。本制御ブロッ
クダイアグラムは、上記の工作機械のX1モータ制御部
210により制御されるx軸(リニアモータ35)のあ
る1つの制御機構を示すものである。リニアモータ35
には、リニアスケール(測位装置)35cと、電流計3
8とが接続されており、リニアスケール35cは主軸先
端位置のx座標(xa )を出力し、電流計38はリニア
モータ35の加速電流ix を出力する。これにより、個
々の位置フィードバックループ、速度フィードバックル
ープ、電流フィードバックループがそれぞれ閉じて、位
置制御部211、速度制御部212、電流制御部213
によるサーボ制御が実現される。
【0027】ただし、図中の各記号、変数の定義は、以
下の通りである。 (記号・変数の定義) X0:前回の位置指令値 X:今回の位置指令値(X=X0+dx) ΔX:位置偏差 Vx :速度指令値 vx :速度測定値 Ix :加速電流指令値 ix :加速電流測定値 S:微分作用素(フィードバックループの複素周波数、
又は、微分演算子) S-1:積分作用素(フィードバックループの複素周波数
の逆数、又は、積分演算子)
【0028】弾性変形補償部801は、主軸先端位置の
x軸方向の運動が、工作機械系のx軸方向の弾性変形量
εx に起因して、次式(12)に従うことをモデル化した
ものである。
【数12】 fx =−Kx εx −x′γx =mx x =mx x″ …(12)
【0029】ただし、ここで、fx は主軸先端に作用す
るx軸方向の力であり、x′はxの時間微分(速度)を
表すものである。また、γx は速度x′に比例して主軸
先端に作用するx軸方向の外力を表すための定数で、摩
擦などの外乱の影響を加味するためのものである。尚、
図6中のλx は、本モデルに関する調整パラメータであ
り、λx =1の時、図6中のx1 ,εx1は、それぞれ前
記のx,εx と一致する。
【0030】即ち、次式(13)により定義される伝達関
数G1(弾性変形補償部801)は、λx =1の時、弾
性変形量εx を入力とすれば、上記の式(12)に従う主
軸先端位置のx軸座標(x)を出力する。
【数13】 G1≡−Kx /{S(mx S+γx )} …(13)
【0031】従って、従来、位置フィードバックループ
におけるフィードバック値として、リニアスケール35
cの出力値xa をそのまま返していたのに対し、本実施
例においては、弾性変形補償部801等の作用により、
弾性変形分だけ補正された主軸先端位置のx軸座標の値
xがフィードバックされる。これにより、機械系の弾性
変形による遅れが補償され、従来よりも正確な位置決め
制御が可能となる。
【0032】また、上記と同様の制御を図5に示したX
2モータ制御部220、Y1モータ制御部310、Y2
モータ制御部320においても並列に実行すれば、主軸
先端が予定経路(加工曲線)から外れることが無くなる
ため、工作機械系の部分的弾性変形による加工形状誤差
が補償される。従って、このように曲線加工における位
置決め制御を実施すれば、例えば、加工曲線が真円であ
る場合には、所望の真円加工を実現することができる。
【0033】(第2実施例)図7に、本第2実施例にお
けるサーボ制御装置の制御ブロックダイアグラムを示
す。本制御ブロックダイアグラムは、上記の第1実施例
における工作機械のX1モータ制御部210のその他の
制御機構を示すものである。
【0034】弾性変形補償部802は、工作機械系のx
軸方向の弾性変形量εx が、前記式(4)に従うことを
モデル化したものである。即ち、次式(14)により定義
される伝達関数G2(弾性変形補償部802)は、速度
測定値vx を入力としたとき、式(4)に従う弾性変形
量εx を出力する。
【数14】 G2≡−Cx S …(14) 尚、本実施例においては簡単のため、第1実施例におけ
るγx の値が0、λxの値が1であるモデルを採用し
た。
【0035】従って、従来、位置フィードバックループ
におけるフィードバック値として、リニアスケール35
cの出力値xa をそのまま返していたのに対し、本実施
例においては、弾性変形補償部802の作用により、弾
性変形分だけ補正された主軸先端位置のx軸座標の値x
がフィードバックされる。これにより、機械系の弾性変
形による遅れが補償され、従来よりも正確な位置決め制
御が可能となり、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0036】(第3実施例)図8に、本第3実施例にお
けるサーボ制御装置の制御ブロックダイアグラムを示
す。本制御ブロックダイアグラムは、上記の第1又は第
2実施例における工作機械のX1モータ制御部210の
その他の制御機構を示すものである。
【0037】弾性変形補償部803は、工作機械系のx
軸方向の弾性変形量εx が、次式(15)に従うことをモ
デル化したものである。
【数15】 εx =−Cx x =−Cx (μx x ) …(15) ただし、ここで、μx は、主軸先端位置の加速度のx軸
成分ax の加速電流測定値ix に関する比例関係を表す
比例定数である。
【0038】即ち、次式(16)により定義される伝達関
数G3(弾性変形補償部803)は、加速電流測定値i
x を入力としたとき、式(15)に従う弾性変形量εx
出力する。
【数16】 G3≡−Cx μx …(16) 尚、本実施例においては簡単のため、第1実施例におけ
るγx の値が0、λxの値が1であるモデルを採用し
た。
【0039】従って、従来、位置フィードバックループ
におけるフィードバック値として、リニアスケール35
cの出力値xa をそのまま返していたのに対し、本実施
例においては、弾性変形補償部803の作用により、弾
性変形分だけ補正された主軸先端位置のx軸座標の値x
がフィードバックされる。これにより、機械系の弾性変
形による遅れが補償され、従来よりも正確な位置決め制
御が可能となり、第1又は第2実施例と同様の効果が得
られる。
【0040】尚、上記の各実施例においては、簡単のた
め、xy平面上での曲線加工について、具体的な加工手
段を示したが、これらの曲線加工は三次元空間において
も、本発明の手段により実施することができ、この場合
にも、本発明の作用により本発明の効果を得ることがで
きる。
【0041】また、上記の各実施例においては、簡単の
ため、x軸とy軸とが直交している場合について示した
が、式(4)、(5)に示した様な互いに独立した関係
が得られれば、本発明の手段を適用することができる。
従って、この様な場合にも、本発明の作用により本発明
の効果を得ることができる。
【0042】また、単なる1次元空間におけるサーボ制
御においても、本発明の手段によれば、移動の遅れが補
正されるため、時間と位置との関係が問題となる場合に
は、現在の制御点の位置を正確に認識できるという効果
が得られる。即ち、タイミングを意識した同期制御を伴
う位置決めを制御するサーボ制御装置においては、時間
と位置との関係が問題となるため、この様な位置決め装
置が、単なる1次元空間におけるサーボ制御において
も、有用となる場合が考えられる。
【0043】また、本発明は、工作機械に限らず、例え
ば産業用ロボット等の各種位置決め装置の機械的動作を
制御する一般のサーボ制御装置に適用することができ、
特に、本発明は、被位置決め体の大きな速度又は加速度
に伴う機械系の部分的弾性変形による被位置決め体の移
動の遅れ或いは予定経路からのズレを補正するサーボ制
御装置又は位置決め装置として大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を一般的に説明する物理概念図。
【図2】本発明の各実施例に係わる工作機械を示す側面
図。
【図3】本発明の各実施例に係わる工作機械を示す正面
図。
【図4】本発明の作用を工作機械を用いて説明する簡易
モデルの物理概念図。
【図5】本発明の各実施例に係わる工作機械のハードウ
ェア構成図。
【図6】本発明の第1実施例におけるサーボ制御装置の
制御ブロックダイアグラム。
【図7】本発明の第2実施例におけるサーボ制御装置の
制御ブロックダイアグラム。
【図8】本発明の第3実施例におけるサーボ制御装置の
制御ブロックダイアグラム。
【図9】従来技術におけるサーボ制御装置の制御ブロッ
クダイアグラム。
【符号の説明】
801,802,803 … 弾性変形補償部 200,300,400 … サーボ制御装置 210 … X1モータ制御部 211 … 位置制御部 212 … 速度制御部 213 … 電流制御部 100 … 数値制御装置 60 … ラム(工具支持部) T … 工具 W … 工作物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) 9A001 Fターム(参考) 3C001 KA01 TA01 TB01 TC02 TD01 3F059 DA07 DA08 DC00 FB17 FB29 5H004 GA05 GB15 HA07 HB07 HB08 HB09 HB14 JA04 JA13 JA22 KB37 KB39 KC33 LA18 LA20 5H269 AB01 AB33 BB03 CC02 CC17 EE06 FF06 GG01 GG08 MM06 NN07 NN16 5H303 AA01 BB01 BB02 BB03 BB06 BB07 BB08 BB12 CC08 DD04 EE03 FF03 JJ01 JJ09 KK11 KK18 KK20 MM05 9A001 HH34 HZ19 HZ34 KK32 KZ29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置指令値とフィードバック位置との偏
    差が0となる様に被位置決め体の位置を制御するサーボ
    制御装置において、前記フィードバック位置を前記被位
    置決め体の質量と、 前記被位置決め体と共に所定方向に移動する可動体の質
    量と、 前記被位置決め体及び前記可動体の弾性率と、 前記被位置決め体又は前記可動体の前記所定方向のリア
    ルタイムに実測された加速度成分に基づいて補正する位
    置指令値補正手段を備えたことを特徴とするサーボ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記加速度成分は、前記所定方向の位置
    フィードバック値、速度フィードバック値、又は電流フ
    ィードバック値から求められることを特徴とする請求項
    1に記載のサーボ制御装置。
  3. 【請求項3】 複数のサーボ制御装置により二次元又は
    三次元空間における位置決め制御を行う位置決め装置に
    おいて、少なくとも2方向以上の位置決め制御を各制御
    軸毎に、 請求項1又は請求項2に記載のサーボ制御装置により、 並列に、実行することを特徴とする位置決め装置。
  4. 【請求項4】 互いに直交する2軸又は3軸を有するリ
    ニアモータ駆動式の工作機械を制御することを特徴とす
    る請求項3に記載の位置決め装置。
JP13224499A 1999-05-13 1999-05-13 サーボ制御装置及び位置決め装置 Pending JP2000322116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13224499A JP2000322116A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 サーボ制御装置及び位置決め装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13224499A JP2000322116A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 サーボ制御装置及び位置決め装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000322116A true JP2000322116A (ja) 2000-11-24

Family

ID=15076748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13224499A Pending JP2000322116A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 サーボ制御装置及び位置決め装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000322116A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004188541A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Yamazaki Mazak Corp 工作機械の送り軸パラメータ調整システム
JP2010108399A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Okuma Corp 数値制御機械の位置制御装置
JP2011003137A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd サーボ制御装置
JP2018536241A (ja) * 2015-12-02 2018-12-06 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft 機械、特に工作機械又は製造機械の動力伝達系の剛性の決定方法
JP7278507B1 (ja) * 2022-07-14 2023-05-19 三菱電機株式会社 数値制御装置、数値制御工作機械、加工プログラム生成装置および加工プログラム生成方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004188541A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Yamazaki Mazak Corp 工作機械の送り軸パラメータ調整システム
JP2010108399A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Okuma Corp 数値制御機械の位置制御装置
JP2011003137A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd サーボ制御装置
US8723472B2 (en) 2009-06-22 2014-05-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Servo control device
JP2018536241A (ja) * 2015-12-02 2018-12-06 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft 機械、特に工作機械又は製造機械の動力伝達系の剛性の決定方法
US10481578B2 (en) 2015-12-02 2019-11-19 Siemens Aktiengesellschaft Determining the rigidity of a drivetrain of a machine, in particular a machine tool or production machine
JP7278507B1 (ja) * 2022-07-14 2023-05-19 三菱電機株式会社 数値制御装置、数値制御工作機械、加工プログラム生成装置および加工プログラム生成方法
WO2024013955A1 (ja) * 2022-07-14 2024-01-18 三菱電機株式会社 数値制御装置、数値制御工作機械、加工プログラム生成装置および加工プログラム生成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4813912B2 (ja) 未加工品と工作機械の工具との間の相対運動の運動分割方法、および運動分割を実施するための工作機械
KR100271854B1 (ko) 다축기계의 3차원입체오차측정방법
JP5399624B2 (ja) 数値制御方法及び数値制御装置
JP3087305B2 (ja) ステージ装置
JP4819665B2 (ja) 非真円形状加工装置
US20100146802A1 (en) Method for the Optimized Movement Co-ordination of Measuring Machines or Machine tools with Redundant Axles having a Translatory Action
US8970156B2 (en) Path display apparatus considering correction data
KR20070096821A (ko) 서보모터의 제어방법
JPWO2015104736A1 (ja) 軌跡制御装置
CN101214622B (zh) 机床的控制装置以及控制方法
JP5972553B2 (ja) 位置決め制御装置、これを備えた工作機械
JP2005071016A (ja) 数値制御装置
JP3811088B2 (ja) サーボ制御方法
US9921568B2 (en) Trajectory measuring device, numerical control device, and trajectory measuring method
JP2009523279A (ja) 軸方向での相対位置及び/又は相対運動を制御するための方法、並びに、工作機械
JP2000322116A (ja) サーボ制御装置及び位置決め装置
KR20020082753A (ko) 서보 제어 방법
JP6068779B2 (ja) 直進型及び回転型ロボットの制御装置
US11559851B2 (en) Laser machining device and laser machining method
JP4137321B2 (ja) 移動装置
JP3646562B2 (ja) 数値制御装置
CN103900805A (zh) 机床滚动功能部件精度保持性测量装置用控制系统
JP6896824B2 (ja) ロボット装置、ロボットシステム、ロボット装置の制御方法、ロボット装置を用いた物品の製造方法、情報処理装置、情報処理方法、制御プログラム及び記録媒体
EP0625739B1 (en) Apparatus for movement of an object
JP5334932B2 (ja) パラメータ設定方法およびパラメータ設定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041005

A521 Written amendment

Effective date: 20041206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050607