JP2000321358A - ガス電離電荷増倍放射線検出器用検出素子とその製造方法、ガス電離電荷増倍放射線検出器とその製造方法、および放射線検出装置 - Google Patents

ガス電離電荷増倍放射線検出器用検出素子とその製造方法、ガス電離電荷増倍放射線検出器とその製造方法、および放射線検出装置

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JP2000321358A
JP2000321358A JP2000065909A JP2000065909A JP2000321358A JP 2000321358 A JP2000321358 A JP 2000321358A JP 2000065909 A JP2000065909 A JP 2000065909A JP 2000065909 A JP2000065909 A JP 2000065909A JP 2000321358 A JP2000321358 A JP 2000321358A
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film
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electrode line
radiation
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Osamu Shimada
修 島田
Akira Yunoki
彰 柚木
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出素子を曲面を有する支持体に固定するこ
とができ、検出素子の面を放射線が出る物体形状に合わ
せることにより、位置精度よく放射線を検出することが
できる放射線検出器、その検出素子およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 ガス電離を電荷増倍する放射線検出器に
用いる検出素子であって、誘電性の可撓性フィルムと,
前記基板上に形成された第1の電極線と第2の電極線と
を備え、前記第1電極および前記第2電極はいずれも線
状の形状を有し、互いに平行で且つ対向して形成されて
おり、支持体の支持面の形状に従った表面形状に変形す
る可塑性を有するものである。この検出素子を用いて、
ドリフト電極、検出素子、支持体を具備した放射線ガス
増幅検出器は、検出素子がフィルムの表面に第1および
第2の電極線を設けるとともにフィルムの裏面に第3の
電極線を設けた構成で支持体に取り付けたガス電離を電
荷増倍する放射線検出器が構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線の入射によ
る気体の電離を増倍して測定し、放射線の入射位置や入
射エネルギーなどの検出を行う放射線検出器用の検出素
子とその製造方法、ガス電離電荷増倍放射線検出器とそ
の製造方法、および放射線検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】X線やγ線などの電磁波、α線やβ線な
どの荷電粒子、あるいは中性子線などの電荷を持たない
粒子の各種放射線を検出する放射線検出器には、数多く
の種類がある。それらの中で、気体を電離させ、その増
幅作用を利用した検出器である比例計数管が最も一般的
である。この種の検出器は、ガスの電離の結果生じる一
次電子を、ガス媒体内の電界の作用下で増倍させて検出
する検出器であって、例えば図11の模式的断面図に示
したように、ガス媒体100を満たしたチャンバー内
に、ワイヤ電極101を設けたものである。この検出器
は、1つの平面内に張られた等同隔の複数ワイヤ101
を有しており、また平面のどちらかの側に、陰極102
が形成され配置されている。このワイヤ101を有する
検出器は、ワイヤ間での電気的な反発によるワイヤ配置
のずれや、電離した電荷がワイヤ101付近で滞留する
ことによる出力信号の低下の問題があり、さらに検出器
の形状が限定されるなどの問題があった。ワイヤ電極を
用いたガス電離型放射線検出器に代わる放射線検出器と
して、マイクロストリップ型のガス電離型検出器が19
88年にA.Oedによって提案され、この型の放射線
検出器の研究が数多く行われきた。その成果は例えば、
Proceedings of the International Workshop on
Micro-Strip Gas Chambers1994 にまとめられてい
る。この型式の検出器は、例えば図12に示すように、
検出部210が絶縁支持体201上に形成された陽極2
02と陰極203のマイクロストリップ電極からなって
おり、壁207で囲まれた空間にはガス媒体200が満
たされている。プレート205はドリフト電極、またバ
ック層206は電荷の滞留を防ぐためのバイアス電極で
ある。放射線が入射するとガス媒体200が電離し、ド
リフト電極205により電子が陽極202のある検出部
210側にドリフトして接近し、陽極202と陰極20
3との間の電界で加速されて電子なだれにより電荷を増
倍させて検出するものである。この検出器は陽極202
と陰極203の電極が固定されていること、そして小さ
な電極を多数配列できることなど、ワイヤ電極を用いた
場合の問題点の多くが改善されている。
【0003】このようなマイクロストリップ型のガス電
離型検出器では、マイクロストリップ電極を形成する絶
縁基板として、平板状のガラス基板などの硬い基板の代
わりに、例えば特開平10−300856号公報に記載
されているように、平面状のベース基板の上に設けられ
た高分子薄膜からなる基板も用いられている。しかしな
がら、いずれの場合も放射線を検出する検出面は平面状
に限られていた。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
マイクロストリップ型のガス電離型検出器の放射線を検
出する検出面を検出対象に応じて任意の形状に設定で
き、それによって、放射線検出の位置精度が高まるなど
の利点を有し、従来に比べて幅広い用途が可能なガス電
離型放射線検出器用検出素子とその製造方法、放射線検
出器とその製造法方法、および放射線検出装置を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のガス電離を電荷
増倍する放射線検出器に用いる検出素子は、誘電性の可
撓性フィルムと,フィルム上に形成された第1の電極線
と第2の電極線とを備え、第1の電極線および第2の電
極線は、互いに平行で且つ隣り合って形成されており、
フィルムを支持する支持体の支持面の形状に従った表面
形状に変形する可塑性を有するものである。本発明の検
出素子は、放射線の入射によって電離するガス媒体中
に、電離によって生じた荷電粒子をドリフトさせるドリ
フト電極と、ドリフトする荷電粒子をガス媒体中で加速
して電荷を増倍させるとともに、増倍された電荷の到来
を放射線の入射として検出する陽極および陰極などの電
極線を基板上に有する検出素子を設けた放射線検出器の
検出素子として用いる。本発明の検出素子は、電極がフ
ィルム上に固定されて形成されるので、ワイヤを用いた
場合のような配置のずれの問題がない。そして検出素子
がフレキシブルに形成されているので、目的に応じた各
種の形状を有する支持体面に検出素子を固定して、支持
体面と同じ面形状の放射線検出面を構成することができ
る。即ち放射線が発生する対象の形状に合わせた形状の
放射線検出面が可能である。
【0006】こうすることによって、放射線を発生する
対象の形状が曲面の場合にも、放射線の位置を精度よく
検出することができる。なお、ここで曲面としては、全
体が緩やかに面方向の変化する曲面であってもよいし、
局部的に急激な面方向の変化のあるものであってもよ
い。本発明の検出素子においては、前記第1の電極線お
よび前記第2の電極線のうち少なくとも一方の電極線
は、他方の電極線と隣り合う面とエッジ部を含む部分が
絶縁体で被覆されていることが好ましい。このようにす
ることによって、第1の電極線と第2の電極線の一方を
陽極、他方を陰極として、これらの間に電荷増倍のため
の強い電界を生じさせて場合に、電極間の放電を防ぐこ
とができる。そして陰極側を被覆すれば陰極側に陽イオ
ンが衝突して陰極に損傷を与えるのを防ぐことができ
る。本発明の検出素子においては、前記第1の電極線お
よび前記第2の電極線の少なくとも2種類の電極線を前
記フィルムの第1の面に有するとともに、前記フィルム
の第2の面に第3の電極線を有することが好ましい。第
3の電極線を有することによって、検出素子に電荷が近
付くと鏡像効果により第3の電極線には信号が発生する
ので、これを信号検出の電極線として用いることかがで
きる。
【0007】第3の電極線は第1の電極線および第2の
電極線に対して角度をなしていることが好ましい。第3
の電極線が第1の電極線および第2の電極線に対して角
度をなしていることによって、第1の電極線または第2
の電極線からの検出信号と第3の電極線の信号とを組み
合わせることによって、放射線の入射位置を二次元的に
検出することができる。その角度は10°ないし90°
が好ましく、さらに好ましくは60°ないし90°であ
る。本発明の検出素子においては、可撓性フィルムとし
てポリイミド樹脂を用いることが好ましい。ポリイミド
樹脂は放射線に対して耐性が高いので、これを用いるこ
とにより、放射線検出器に用いた際に耐久性を確保する
ことができる。また、本発明の検出素子は、放射線検出
器において電荷増倍の際に、フィルムの表面が帯電し、
空間電荷を生じて増倍率が低下するのを防ぐために、フ
ィルム面には適度の導電性を付与しておくことが好まし
い。フィルム表面に適度の導電性を付与する方法として
は、イオンインプランテーションを行う方法や、有機金
属を塗布する方法などを好ましく用いることができる。
本発明の放射線検出器用検出素子は、検出信号を処理す
る電子回路をフィルム上に一体に形成されて有すること
が好ましい。検出素子に電子回路を例えば同じ回路基板
に一体形成することによって、検出素子からの検出信号
の減衰が少なくしかもノイズの混入が少ない状態で増幅
し弁別処理するなどの信号処理を行うことができる。検
出素子に電子回路を一体形成するには、例えば電荷増倍
検出の電極線と電子回路を搭載するための電極とを同じ
フィルムに形成して、これに電子回路素子を搭載すれば
よい。
【0008】本発明のガス電離を電荷増倍する放射線検
出器に用いる検出素子の製造方法は、可撓性を有するフ
ィルムの両面に導電層を形成する工程と、フィルムの第
1の面に線状の第1の電極線と第2の電極線のパターン
ニング形成と、フィルムの第2の面に第3の電極線を第
1および第2の電極線に対して角度をなして形成するパ
ターンニング形成を含む電極形成工程とを有するもので
ある。このようにすることによって、フィルムの両面に
電極をパターン形成することができ、2次元的な位置検
出の可能な検出素子を製造することができる。本発明の
検出素子の製造方法において、フィルムに導電層を形成
する工程は、導電性箔を前記フィルムに積層するもので
あることが好ましい。導電性箔をフィルムに積層するこ
とによって、比較的厚めの導電層を得ることができる点
で有利である。導電性箔としては、例えば銅または銅合
金箔を用いることができる。本発明の検出素子の製造方
法においては、前記フィルムに導電層を形成する工程
は、導電性膜を前記フィルムにスパッタリングにより積
層するものであってもよい。比較的薄い導電層を形成す
るには、スパッタリングを用いるのが好都合である。
【0009】本発明の検出素子の製造方法において電極
を形成する工程は、前記フィルムの第1の面に第1の電
極線と第2の電極線のパターンニング形成と、第2の面
に第3の電極線の形成に加えて、電子回路素子を搭載す
る電極と配線のパターンニング形成を含むものであっ
て、さらに前記フィルムに前記電子回路素子を搭載する
工程を有することが好ましい。このようにすることによ
って、検出信号を処理する電子回路を一体に形成した検
出素子を製造することができる。本発明の放射線検出器
は、支持体と、誘電性の可撓性フィルムと前記基板上に
形成された第1の電極線と第2の電極線とを有する可撓
性の検出素子と、前記検出素子に対向して配置されたド
リフト電極と、前記ドリフト電極と前記検出素子との間
に封入され、放射線の入射によってイオン化されるガス
媒体とを備え、前記検出素子は前記支持体に支持され、
前記検出素子面が前記支持体表面の形状に従って配置さ
れ、前記検出素子の前記第1電極および前記第2電極は
隣り合って形成されていると共に、前記第1の電極線と
前記第2の電極線との間にイオン化されたガスの電荷増
倍のための電界を付与し、前記ドリフト電極にはイオン
化されたガスの電荷をドリフトさせるための電位を付与
したガス電離を電荷増倍して、放射線の入射を検出する
ものである。
【0010】本発明によれば、放射線を検出する検出素
子はフレキシブルに形成されているので、目的に応じた
各種の形状を有する支持体面に検出素子を固定して、支
持体面と同じ面形状の放射線検出面を構成することがで
きる。即ち、局面などの検出対象の形状に合わせた放射
線検出面を有する放射線検出器が可能である。このた
め、検出対象の形状が曲面の場合にも、入射位置を精度
よく検出することができる。本発明放射線検出器におい
ては、検出素子の第1の電極線および第2の電極線のう
ち少なくとも一方の電極線は、他方の電極線と隣り合う
面が絶縁体で被覆されていることが、電極間の放電を防
ぎ、また陰極側に陽イオンが衝突して陰極に損傷を与え
るのを防ぐことができることから好ましい。本発明の放
射線検出器において、検出素子は第1の面をドリフト電
極に対向する側に配置し、第1の電極線および第2の電
極線の少なくとも2種類の電極線をフィルムの第1の面
に有するとともに、フィルムの第2の面には第3の電極
線を有することが好ましい。第3の電極線には、鏡像効
果により信号が得られるので、これを信号検出の電極線
として用いることができる。そして検出素子の第3の電
極線は線状をなし、第1の電極線および第2の電極線に
対して10°ないし90゜、より好ましくは60°ない
し90°の角度をなすようにすることができる。そうす
ることによって、第1の電極線または第2の電極線から
の検出信号と第3の電極線の信号により、放射線の入射
位置を二次元的に検出することができる。
【0011】本発明の放射線検出器においては、フィル
ムとしてポリイミド樹脂を用いることにより、放射線検
出器の耐久性を確保することができるので好ましい。ま
た、電荷増倍の際に、フィルムの表面が帯電し、空間電
荷を生じて増倍率が低下するのを防ぐために、フィルム
面に適度の導電性を付与しておくことが好ましい。本発
明の放射線検出器は、さらに検出素子の検出した検出信
号を処理する電子回路をフィルム上に一体に形成して有
することが好ましい。こうすることにより、検出信号の
減衰が少なくノイズの混入が少ない状態で前置増幅して
弁別するなどの信号処理を行うことができる。本発明の
ガス電離を電荷増倍する放射線検出器の製造方法は、可
撓性を有するフィルム両面に導体を形成する工程と、フ
ィルムの面に電極をパターンニング形成し、フィルムの
第1の面に線状の第1の電極線および線状の第2の電極
線、フィルムの第2の面に第1の電極線および第2の電
極線と角度をなす線状の第3の電極線、並びに電子回路
素子を搭載するための電極線および配線を形成する工程
と、フィルムに前記電子回路を搭載して検出素子を構成
する工程と、検出素子の表面が支持体の表面形状に沿っ
た形になるように支持体の表面に固定する工程と、ドリ
フト電極を前記検出素子に対向させて配置する工程と、
ガス媒体を前記ドリフト電極と検出素子の間に供給し、
シールする工程とを有するものである。
【0012】このような製造方法を用いることにより、
放射線検出器を、精度高くしかも生産性良く製造するこ
とができる。本発明の放射線検出器の製造方法において
は、前記フィルムの支持体への固定はポリイミド系接着
剤を用いて行うことが好ましい。ポリイミド系接着剤で
接着することにより、接着の耐久性を確保することがで
きる。本発明の放射線検出装置は、支持体と、誘電性の
可撓性フィルムと前記フィルムの第1の面に電離したガ
スの電荷の増倍と検出を行なう互いに平行に配列された
線状の第1の電極線および第2の電極線の少なくとも2
種類の電極線を有し、フィルムの第2の面に第1および
第2の電極線と10ないし90゜の角度をなす線状の第
3の電極線を有する検出素子と検出信号を1次処理する
電子回路素子を搭載した処理部とを有する検出素子と、
検出素子に対向して配置されたドリフト電極と、ドリフ
ト電極と前記検出素子との間に封入され、放射線の入射
によってイオン化されるガス媒体と、検出素子の出力を
2次処理して、画像化する画像化処理部とを備え、検出
素子は前記支持体に支持され、検出素子の検出部は検出
面が支持体面に沿った形状に形成され、第1の電極線と
第2の電極線との間にイオン化されたガスの電荷増倍の
ための電界が付与され、ドリフト電極にはイオン化され
たガスの電荷をドリフトするための電位が付与され、検
出素子の出力を画像化処理装置により2次処理して、画
像化するものである。
【0013】本発明の放射線検出装置を用いれば、例え
ば原子力施設の各部の放射線監視に用いれば、放射線の
入射位置を知ることができ、さらに放射線漏れなどの場
合には漏れの位置を知ることができるなど、従来の比例
計数管などに比べて圧倒的に多くの情報を簡便に得るこ
とができる。従って本発明の放射線検出器は、科学研究
用のみならず、原子力などの多くの産業分野においての
使用に適したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面に基
づいて具体的に説明する。図1に本発明の一実施の形態
の放射線検出器の主要な部分を示す模式的断面図を示
す。図1において、検出素子の検出部1はフィルムに電
極を設けて構成され可撓性を有し、曲面状の支持体3に
接着保持されている。そして検出部1に対向してドリフ
ト電極2が配置され、ガスパッケージ11内の検出部1
とドリフト電極2のを含む空間には放射線によって電離
するガス4が入れられている。図2は図1の放射線検出
器の検出素子の検出部1とドリフト電極2までの間を部
分的に拡大して示した図、そして図3は図1の検出素子
検出部の一部を拡大して斜視図で示したものである。図
2および図3において、検出素子の検出部1は、可撓性
のフィルム5の上の面には陰極を構成する第1の電極線
6および陽極を構成する第2の電極線7がそれぞれ複数
本ずつ平行に交互に配置され、可撓性のフィルム5の下
の面にはこれら第1および第2の電極線6,7と直角な
方向に第3の電極線8が複数本平行に配置されている。
そしてこの検出素子は接着層9によって支持体3に接着
保持されている。
【0015】図4に示すように、陰極を構成する第1の
電極線6には、第2の電極線7との対向面とエッジ部と
を含む部分には、ポリイミド樹脂による絶縁体被覆10
を行って電極間の放電を防止している。上記の構成にお
いて、可撓性のフィルム5としては、耐放射線性を有す
るものが信頼性を確保する上で好ましい。耐放射線性の
ポリマーとしては、ポリイミド、ポリエーテルてエーテ
ルケトン、ポリエステルイミドなどが知られている。そ
の中でもポリイミドはプリント基板の材料として広く用
いられているため、品質が安定したものが得られるとと
もに、スルーホールによる端子接続など、プリント基板
に関して蓄積された技術が応用できることから好まし
い。なお、ポリイミドフィルムは樹脂の固有抵抗値が高
く、その表面抵抗値も高いので、その表面に電荷が蓄積
して空間電荷効果によって電荷増倍率が低下する可能性
があるので、これを防止するために、フィルム表面に適
度に導電性(例えば1013〜1014Ω/squareの表面
抵抗 )を付与してもよい。導電性を付与する方法とし
ては、イオンインプランテーションや、有機金属を塗布
するなどの方法を用いることができる。
【0016】第1、第2および第3の電極線6、7およ
び8に用いる導電パターンには、CuまたはCu合金箔
の導電層を積層した可撓性フィルムの層を、フォトリソ
グラフィーを用いて、電極パターンを形成したものを用
いることができる。このようにすれば、例えば5〜10
μm程度の比較的厚い電極であっても容易に形成するこ
とができる。また、厚さ2〜3μm程度までの電極線形
成には、Au−Ti合金などの回路基板の導電配線とし
て用いられる導電層をスパッタリングし、フォトリソグ
ラフィーを用いて、電極パターンを形成したものを用い
ることができる。検出部1を支持する支持体3はガラス
等の無機材料、各種有機材料や金属を使用することがで
きる。また図1では支持体面が凹面の場合が示されてい
るが、支持体面は凹面に限らない。例えば凸面であって
もよい。ドリフト電極2は、入射する放射線を透過させ
るとともに、放射線の入射によるガスの電離によって生
じた電子を検出素子側にドリフトさせるための負電位を
有するものであることから、放射線の吸収の少ない金
属、例えばアルミ二ウムやアルミ合金のような軽金属を
好ましく用いることができる。ガス媒体4としては、電
離によって生じた電子の吸収長の短い希ガスが用いられ
る。原子番号の大きい方が放射線に対して光電吸収断面
積が大きく有利であるが、経済性その他を考慮して、A
rガスを選んで用いることができる。そして希ガスが電
荷増倍過程で蛍光を発し、陽極と陰極間に放電を誘起す
るのを抑制するたためのクエンチガスとして、メタンガ
スを混合して用いることができる。混合比率は、電子の
吸収長と放電抑制との兼ね合いで適宜選定することがで
き、例えばアルゴンとメタンの比で1対1を用いること
ができる。クエンチガスとしては、メタンガスの他にエ
タンガス、炭酸ガスなどを用いることができる。
【0017】ガス封入部のガスの圧力は特に限定はな
く、内外の圧力差がない点で好都合な大気圧でよく、ま
た大気圧より数%〜10数%程度高めで使用してもよ
い。検出感度を上げるために、さらにガスの圧力を上げ
てもよい。またガス封入部にガスの出入りの配管を設け
て、ガスの循環あるいは供給/排気を行うシステムを付
加することもできる。これによって、ガスの電離時に場
合によって発生する不純物(たとえばメタンガスなどを
含んだガスの場合の炭化物など)を除去することができ
る。この場合にガス注入部にフィルタを設けてもよい。
各電極の寸法やそのビッチは、得ようとする放射線入力
パターンの精細度に応じて選ぶことができる。一般的な
用途に用いる放射線検出器は、必ずしも高い精細度を必
要とするわけではないので、耐久性などを考慮すればむ
しろ比較的大きなピッチが好ましい場合が多い。本発明
の放射線検出装置について、寸法の具体例を示すと、検
出部1とドリフト電極2の距離を例えば約3〜10m
m、電極幅を例えば第1の電極線6が陰極であって幅約
100μm、第2の電極線7が陽極であって幅約10μ
m、第1の電極線6と第2の電極線7との間隔が約45
μmで、電極パターンの繰り返し周期が約200μm、
また第3の電極線8は約160〜180μmで、間隔が
約20〜40μmであって、その周期を200μm、ま
たこれら電極の厚さは陽極断面の幅と厚さとのアスペク
ト比が0.5〜1程度であって、約5〜10μm、フィ
ルムの厚さを30〜100μmとすることができる。こ
のような電極をそれぞれ約500本並べて、一辺約10
cmの正方形の検出素子の検出部を構成することができ
る。上記の数値は、本発明に対する理解を容易にするた
めにその具体例を示したに過ぎず、検出部1の大きさを
例に挙げれば、一辺20cm、あるいはそれ以上の正方
形にすることもできる。放射線検出を行う場合の対象物
やその必要とする位置精度などに応じて上記の数字は任
意に選ぶことができる。
【0018】次に上記の放射線検出器の具体例につい
て、その動作を説明する。上記第1の電極線6には例え
ば−200V、第2の電極線7には例えば+200Vの
電位を与え、またドリフト電極にはマイナスの電位、例
えば−2kVを与える。このようにしておいて、放射線
が検出器のガス封入部に入射すると、ガス媒体4が電離
して、電子と荷電粒子とになる。ドリフト電極2と検出
部1の間には電位差があるために、この電子は検出部1
に向かってドリフトし、さらに検出部1の第1の電極線
6と第2の電極線7間の強い電界によって雪崩現象を生
じてその数を増す。その結果、電荷量が増大する。この
電荷量を各電極から信号として取り出すことによって、
放射線の入射位置とエネルギーとを知ることができる。
この信号は検出部1の第1および第2の電極線6,7に
て得られるほか、電極線6,7の配置された面とは反対
側の面に設けられた第3の電極線8にも、鏡像効果によ
って電荷が誘起され、信号が得られる。第1の電極線6
または第2の電極線7の信号と第3の電極8の信号とを
合わせれば、2次元的に放射線の入射位置とその大きさ
の検出ができる。なお、2次元的な信号検出には、第1
の電極線6および第2の電極線7と第3の電極8とのな
す角は直角に限ることなく、10゜〜90゜の角度を有
していればよく、60゜〜90゜であればさらによい。
【0019】本発明の放射線検出器の検出素子は図5に
示した方法によって製造することができる。まずフィル
ムとなる例えばポリイミドフィルム5(例えば厚さ約5
0μm)の両面に電極となる銅箔を積層して導電層13
を形成する。この銅箔にフォトリソグラフ技術を用い、
各電極6,7,および8をパターニングして形成し、放
射線検出器の検出素子を得る。なお、導電層の形成は層
厚が2〜3μmと比較的薄い場合はスパッタリングで形
成してもよい。また、導体を電極形状に直接描画する方
法も可能である。ここでフィルム面への電極線形成は、
検出素子の検出部の電極線形成だけでもよいが、検出素
子の検出部の電極線6,7および8の形成に加えて、電
子回路素子を搭載する電極14の形成を同時に行なうこ
とによって、このフィルム上の電極14の上に電子回路
素子15を搭載し、検出信号を処理する電子回路を一体
に形成した検出素子が得られる。なお、検出信号を処理
する電子回路素子は、立体構造に形成されたものであっ
てもよい。本発明の放射線検出器の製造方法は、図6に
示すように、まず上記した検出素子の検出部1を支持体
3によって支持し、検出素子の検出部1の表面形状が支
持体の表面形状に従った形状になるように配置して固定
する。次に所定の間隔(例えば6mm)をおいてアルミ
箔のドリフト電極2を検出素子の検出部1表面に対向さ
せて配置する。さらに検出素子検出部1とドリフト電極
2とを囲むようにガスパッケージ11を設けてチャンバ
ー12を形成する。
【0020】その後、チャンバー12にアルゴンとメタ
ンが体積比で1対1の混合比のガス4を1気圧で充填
し、ドリフト電極2と陽極や陰極の配置された検出素子
検出部1との間にガス4を満たして放射線検出器が得ら
れる。この放射線検出器の検出素子の電子回路部は図示
していないが、電子回路部には検出信号の増幅や弁別な
どを行う電子回路素子が搭載され、検出信号を処理して
出力するようになっている。上述の各電極6,7,8お
よび14、フィルム5、支持体3、ドリフト電極2、ガ
ス封入部4のガスなどの構成材料は適宜変更可能であ
る。各電極は銅だけでなく、各種導体が使用できる。図
7は、本発明の放射線検出器の検出素子と回路部とを一
体に形成した場合の一実施の形態を示す。図7におい
て、1は検出素子の検出部、3は支持体、21は配線板
部である。配線板部21には回路部22が配置され、さ
らに回路部22は回路部品29を有し、ケーブル23に
接続されている。フィルムに設けた電極の端子接続は、
金ワイヤによるボンディング技術を用いて行うことがで
きる。図8にはフィルムの裏面に設けた電極端子の回路
基板の端子への接続について示した。図8においては、
フィルムの裏面に設けた電極8は、フィルム5に設けた
スルーホール35を経由してフィルムの表面に設けたボ
ンディングパッド36に接続された上で、ボンディング
ワイヤ38により回路基板37の端子39に接続してい
る。フィルム表面に形成された電極の端子はスルーホー
ルを経ずに、ボンディングパッドを経由して回路基板の
端子に接続される。
【0021】図8の構成では、放射線検出器の検出素子
の検出部は、ポリイミトドなどのフィルムの面に形成さ
れるので、回路部と一体に形成することができる。従っ
てフィルム上に検出素子の検出部と回路部とを近接させ
ることができるので信号の減衰やノイズの混入が少なく
でき、検出信号を処理する上で好ましい。図9は、本発
明の一実施形態による放射線検出装置の信号処理を示す
ブロック図である。図9において、検出器では検出部で
検出したし信号は処理回路部にて前置増幅や弁別などの
1次処理がなされた後、画像処理部にて2次処理され
て、表示器にて結果を表示し、またデータを蓄積し記録
する。図10は、周囲が円柱形の放射線遮蔽管からの放
射線の漏れ検知に、本発明の放射線検出装置を適用した
一実施形態を示す図である。図10において、50は放
射線検出器であって、1は検出素子、2はドリフト電
極、3は支持体、4はガス封入部、21は配線板部、2
2は回路部、23はケーブル、29は回路部品である。
また60は放射線検出対象であって、41は放射線源、
42は遮蔽管である。この放射線検出装置では曲面を有
する検出素子により、放射線を2次元的に検出している
ので、放射線の漏れが生じた場合に、漏れの量のほか
に、漏れの発生位置や漏れの分布についても測定するこ
とができる。
【0022】このように検出素子を任意の形状にできる
ので、配管などの丸みのあるものや、物体の表面から放
射状に放射線が放出する場合に、物体表面からの距離を
小さくあるいはほぼ一定に保つたりすることができ、放
射線を放出する表面と検出器の検出素子との間での放射
線の減衰の影響を小さくできるため、エネルギー値や放
射線発生位置などについて、精度が良い検出ができる。
従ってX線など放射線源を用いて透視による検査を行う
場合につていも、検査対象の表面形状に応じた検出素子
表面形状を用いることにより、詳細な情報を得ることが
できる。
【0023】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の放射線検
出器によれば、放射線検出素子を対象面に合わせて任意
の形状にできるので、配管などの丸みのあるものや、あ
る部分から放射状に放射線が放出されるものに対して、
その部分からの距離をほぼ一定に保ったり、距離を小さ
くすることができるので、放射線の分布を精度よく検出
できる。従って本発明の放射線検出器は、科学研究用だ
けでなく、原子力産業などの多くの産業分野での使用に
適したものである。しかも本発明では検出素子と支持体
とを別々に作製した後、検出素子を支持体に固定するこ
とができるので、工程内容の全く異なる検出素子と支持
部とをそれぞれ別個に製造してからこれらを接合するこ
とにより、工程が合理化される。また、フィルムの両面
に電極を設ける場合にも、両面を一括してパターニング
形成して電極を形成することができ、容易に2次元の検
出器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出器の一
実施形態を示す模式的断面図である。
【図2】 図1に示した本発明のガス電離電荷増倍放射
線検出器の断面図のドリフト電極から検出素子までの部
分拡大図である。
【図3】 図2に示した本発明のガス電離電荷増倍放射
線検出器の検出素子の模式的透視図である。
【図4】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出器の検
出素子の電極線に絶縁体被覆を行うことを示す模式的断
面図である。
【図5】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出器の製
造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図6】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出器の検
出素子の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図7】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出器の検
出素子を回路部と一体に形成した場合の一実施形態を示
す斜視図である。
【図8】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出器の検
出素子のフィルムの裏面に設けた電極の端子を回路基板
の端子への接続の一実施形態を示す断面図である。
【図9】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出装置の
信号処理を示す流れ図である。
【図10】 本発明のガス電離電荷増倍放射線検出装置
を曲面の放射線検出に適用した場合の一実施形態を示す
図である。
【図11】 従来技術によるワイヤ電極を有するガス電
離増倍放射線検出器の模式的断面図である。
【図12】 従来技術によるマイクロストリップ型のガ
ス電離増倍放射線検出器の模式的断面図である。
【符号の説明】
1……検出素子の検出部、 2……ドリフト電極、 3……支持体、 4……ガス、 5……可撓性のフィルム、 6……第1の電極線、 7……第2の電極線、 8……第3の電極線、 9……接着層、 10……絶縁体被覆、 11……ガスパッケージ、 12……チャンバー、 13……導電層、 14……電子回路素子を搭載する電極、 15……電子回路素子、 21……配線板部、 22……回路部、 29……回路部品、 23……ケーブル、 35……スルーホール、 36……ボンディングパッド、 38……ボンディングワイヤ、 37……回路基板、 39……回路基板の端子、 41……放射線源、 42……遮蔽管、 50……放射線検出器、 60……放射線検出対象、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G088 EE09 EE17 EE21 FF02 FF04 FF05 FF14 FF18 GG03 JJ05 JJ09 JJ31 JJ37 KK27 KK32 KK35 5C038 DD01 DD02 DD03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電性の可撓性フィルムと、前記フィル
    ム上に形成された第1の電極線と第2の電極線とを備
    え、前記第1電極線および前記第2電極線は、互いに平
    行で且つ隣り合って形成されており、前記フィルムを支
    持する支持体の支持面の形状に従った表面形状に変形す
    る可塑性を有し、ガス電離電荷増倍放射線検出器に用い
    る検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の検出素子において、前記
    第1の電極線および前記第2の電極線のうち少なくとも
    一方の電極線は、他方の電極線と隣り合う面とエッジ部
    を含む部分が絶縁体で被覆されている検出素子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の検出素子はさらに第3の
    電極線を有し、前記第1の電極線および前記第2の電極
    線の少なくとも2種類の電極線を前記フィルムの第1の
    面に有するとともに、前記フィルムの第2の面に第3の
    電極線を有する検出素子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の検出素子において、前記
    第3の電極線は前記第1の電極線および前記第2の電極
    線に対して10°ないし90°の角度をなしていること
    を特徴とする検出素子。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の検出素子において、前記
    可撓性フィルムは、ポリイミド樹脂を含む検出素子。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の検出素子はさらに検出信
    号を処理する電子回路を前記フィルム上に一体に形成し
    て有する検出素子。
  7. 【請求項7】 可撓性を有する誘電性フィルムの両面に
    導電層を形成する工程と、前記フィルムの第1の面に線
    状の第1の電極線と第2の電極線のパターンニング形成
    と、前記フィルムの第2の面に線状の第3の電極線を前
    記第1および第2の電極線に対して角度をなして形成す
    るパターンニング形成とを含む電極形成工程とを有する
    ガス電離電荷増倍放射線検出器用の検出素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の検出素子の製造方法にお
    いて、前記フィルムに導電層を形成する工程は、導電性
    箔を前記フィルムに積層するものである検出素子の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の検出素子の製造方法にお
    いて、前記フィルムに導電層を形成する工程は、導電性
    膜を前記フィルムにスパッタリングによって形成するも
    のである検出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の検出素子の製造方法
    は、さらに前記フィルムに電子回路素子を搭載する工程
    を有し、前記電極形成工程は、前記フィルムの第1の面
    に第1の電極線と第2の電極線のパターンニング形成
    と、第2の面に第3の電極線の形成に加えて、電子回路
    素子を搭載する電極とその配線のパターンニング形成を
    含むものである検出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 支持体と、誘電性の可撓性フィルムと
    前記フィルム上に形成された第1の電極線と第2の電極
    線とを有する可撓性の検出素子と、前記検出素子に対向
    して配置されたドリフト電極と、前記ドリフト電極と前
    記検出素子との間に封入され、放射線の入射によってイ
    オン化されるガス媒体とを備え、前記検出素子は可撓性
    を有し前記支持体に支持され、前記検出素子面が前記支
    持体表面の形状に従って配置され、前記検出素子の前記
    第1の電極線および前記第2の電極線は隣り合って形成
    されていると共に、前記第1の電極線と前記第2の電極
    線との間にイオン化されたガスの電荷増倍をするための
    電界を付与し、前記ドリフト電極にはイオン化されたガ
    スの電荷をドリフトさせるための電位を付与したガス電
    離を電荷増倍して放射線の入射を検出する放射線検出
    器。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の放射線検出器におい
    て、前記検出素子は曲面の支持体に保持されて曲面に形
    成されている放射線検出器。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の放射線検出器におい
    て、前記検出素子の前記第1の電極線および前記第2の
    電極線のうち少なくとも一方の電極線は、他方の電極線
    と隣り合う面を含む部分が絶縁体で被覆されている放射
    線検出器。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の放射線検出器におい
    て、前記検出素子は、前記第1の電極線および前記第2
    の電極線の少なくとも2種類の電極線を前記フィルムの
    第1の面に有するとともに、前記フィルムの第2の面に
    第3の電極線を有し、前記第1の面がドリフト電極に対
    向する側に配置されている放射線検出器。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の放射線検出器におい
    て、前記検出素子の前記第3の電極線は線状であって、
    前記第1の電極線および前記第2の電極線に対して10
    °ないし90°の角度をなしている放射線検出器。
  16. 【請求項16】 請求項11記載の放射線検出器におい
    て、前記フィルムがポリイミド樹脂である放射線検出
    器。
  17. 【請求項17】 請求項11記載の放射線検出器におい
    て、前記検出素子はさらに検出信号を処理する電子回路
    をフィルム上に一体に形成して有する放射線検出器。
  18. 【請求項18】 可撓性を有するフィルム両面に導体を
    形成する工程と、前記フィルムの面に電極をパターンニ
    ング形成し、前記フィルムの第1の面に第1の電極線お
    よび第2の電極線、前記フィルムの第2の面に第1の電
    極線および第2の電極線と角度をなす第3の電極線、並
    びに電子回路素子を搭載するための電極および配線を形
    成する工程と、前記フィルムに前記電子回路を搭載して
    検出素子を構成する工程と、前記検出素子の表面が支持
    体の表面形状に沿った形になるように前記支持体の表面
    に固定する工程と、ドリフト電極を前記検出素子に対向
    させて配置する工程と、ガス媒体を前記ドリフト電極と
    検出素子の間に供給し、シールする工程とを有するガス
    電離を電荷増倍する放射線検出器の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の放射線検出器の製造
    方法において、前記フィルムの支持体への固定はポリイ
    ミド系接着剤を用いて行う放射線検出器の製造方法。
  20. 【請求項20】 支持体と、誘電性の可撓性フィルムと
    前記フィルムの第1の面に電離したガスの電荷の増倍と
    検出を行なう互いに平行に配列された線状の第1の電極
    線および第2の電極線の少なくとも2種類の電極線を有
    し前記フィルムの第2の面に前記第1および第2の電極
    線と10ないし90゜の角度をなす線状の第3の電極線
    を有する検出部と検出信号を1次処理する電子回路素子
    を搭載した処理部とを有する検出素子と、前記検出素子
    に対向して配置されたドリフト電極と、前記ドリフト電
    極と前記検出素子との間に封入され、放射線の入射によ
    ってイオン化されるガス媒体と前記検出素子の出力を2
    次処理して、画像化する信号処理画像化部を備え、前記
    検出素子は前記支持体に支持され、前記検出素子の検出
    部は検出面が前記支持体面に沿った形状に形成され、前
    記第1の電極線と前記第2の電極線との間にイオン化さ
    れたガスの電荷増倍のための電界が付与され、前記ドリ
    フト電極にはイオン化されたガスの電荷をドリフトする
    ための電位が付与されている放射線検出器。
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