JP2000320453A - 膨脹機能および圧縮機能を持つ回転式流体機械およびベーン式流体機械 - Google Patents

膨脹機能および圧縮機能を持つ回転式流体機械およびベーン式流体機械

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JP2000320453A
JP2000320453A JP2000061848A JP2000061848A JP2000320453A JP 2000320453 A JP2000320453 A JP 2000320453A JP 2000061848 A JP2000061848 A JP 2000061848A JP 2000061848 A JP2000061848 A JP 2000061848A JP 2000320453 A JP2000320453 A JP 2000320453A
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vane
rotor
piston
rotor chamber
energy
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JP2000061848A
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Tsuneo Endo
恒雄 遠藤
Kensuke Honma
健介 本間
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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  • Rotary Pumps (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン式のものが持つ利点とベーン式のも
のが持つ利点とを兼備した、膨脹機能および圧縮機能を
持つ回転式ガス機械を提供する。 【解決手段】 回転式ガス機械は、ケーシング7と、ロ
ータ31と、ロータ31に放射状に配置された複数のベ
ーンピストンユニットU1〜U12とを備える。各ベー
ンピストンユニットU1〜U12は、ロータチャンバ1
4内を摺動するベーン42と、ベーン42の非摺動側に
当接するピストン41とよりなる。膨脹器4として機能
するときは、高圧ガスの膨脹によりピストン41を作動
させてベーン42を介しロータ31を回転させると共に
高圧ガスの圧力降下による低圧ガスの膨脹によりベーン
42を介しロータ31を回転させる。一方、圧縮機とし
て機能するときは、ロータ31の回転によりベーン42
を介して低圧縮空気をピストン41側に供給し、またベ
ーン42によりピストン41を作動させて低圧縮空気を
高圧縮空気に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膨脹機能および圧縮
機能を持つ回転式流体機械、換言すれば膨脹器として
も、また圧縮機としても使用することのできる機械およ
びベーン式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、膨脹器としてはピストン式膨脹器
およびベーン式膨脹器が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ン式膨脹器はシリンダおよびピストン間のシール性が良
く高圧下での効率が高い、といった利点を持つ反面、ク
ランク機構、斜板機構等の回転変換機構が必要であって
構造が複雑化する、といった欠点を有し、一方、ベーン
式膨脹器は構造が簡単で大流量を処理し得る、といった
利点を持つ反面、リーク損失が大きく高圧下での効率が
低い、といった欠点を有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はピストン式のも
のが持つ利点とベーン式のものが持つ利点とを兼備した
前記回転式ガス機械を提供することを目的とする。
【0005】前記目的を達成するため本発明によれば、
ロータチャンバを有するケーシングと、そのロータチャ
ンバ内に収容されたロータと、前記ロータに、その回転
軸線回りに放射状に配置されて放射方向に往復動自在で
ある複数のベーンピストンユニットとを備え、各ベーン
ピストンユニットは、前記ロータチャンバ内を摺動する
ベーンと、そのベーンの非摺動側に当接するピストンと
よりなり、膨脹器として機能するときは、高圧流体の膨
脹により前記ピストンを作動させて動力変換装置を介し
前記ロータを回転させると共に前記高圧流体の圧力降下
による低圧流体の膨脹により前記ベーンを介し前記ロー
タを回転させ、一方、圧縮機として機能するときは、前
記ロータの回転により前記ベーンを介して低圧縮流体を
前記ピストン側に供給し、また前記ベーンにより前記ピ
ストンを作動させて前記低圧縮流体を高圧縮流体に変換
する、膨脹機能および圧縮機能を持つ回転式流体機械が
提供される。
【0006】前記のように高圧側の仕事をピストンに担
当させると、リーク損失を抑制して効率を高めることが
でき、一方、低圧側の仕事をベーンに担当させると、大
流量の処理を能率良く行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1において、内燃機関1の廃熱
回収装置2は、内燃機関1の廃熱、例えば排気ガスを熱
源として、高圧状態の液体、例えば水から温度上昇を図
られた高圧状態の蒸気、つまり高温高圧蒸気を発生する
蒸発器3と、その高温高圧蒸気の膨脹によって出力を発
生する膨脹器4と、その膨脹器4から排出される、前記
膨脹後の、温度および圧力が降下した蒸気、つまり降温
降圧蒸気を液化する凝縮器5と、凝縮器5からの液体、
例えば水を蒸発器3に加圧供給する供給ポンプ6とを有
する。
【0008】膨脹器4は特殊な構造を有するもので、次
のように構成される。
【0009】図2〜図5において、ケーシング7は金属
製第1、第2半体8,9より構成される。両半体8,9
は、略楕円形の凹部10を有する主体11と、それら主
体11と一体の円形フランジ12とよりなり、両円形フ
ランジ12を金属ガスケット13を介し重ね合せること
によって略楕円形のロータチャンバ14が形成される。
また第1半体8の主体11外面は、シェル形部材15の
深い鉢形をなす主体16により覆われており、その主体
16と一体の円形フランジ17が第1半体8の円形フラ
ンジ12にガスケット18を介して重ね合せられ、3つ
の円形フランジ12,12,17は、それらの円周方向
複数箇所においてボルト19によって締結される。これ
により、シェル形部材15および第1半体8の両主体1
1,16間には中継チャンバ20が形成される。
【0010】両半体8,9の主体11は、それらの外面
に外方へ突出する中空軸受筒21,22を有し、それら
中空軸受筒21,22に、ロータチャンバ14を貫通す
る中空の出力軸23の大径部24が軸受メタル(または
樹脂製軸受)25を介して回転可能に支持される。これ
により出力軸23の軸線Lは略楕円形をなすロータチャ
ンバ14における長径と短径との交点を通る。また出力
軸23の小径部26は、第2半体9の中空軸受筒22に
存する孔部27から外部に突出して伝動軸28とスプラ
イン結合29を介して連結される。小径部26および孔
部27間は2つのシールリング30によりシールされ
る。
【0011】ロータチャンバ14内に円形のロータ31
が収容され、その中心の軸取付孔32と出力軸23の大
径部24とが嵌合関係にあって、両者31,24間には
かみ合い結合部33が設けられている。これによりロー
タ31の回転軸線は出力軸23の軸線Lと合致するの
で、その回転軸線の符号として「L」を共用する。
【0012】ロータ31に、その回転軸線Lを中心に軸
取付孔32から放射状に延びる複数、この実施例では1
2個のスロット状空間34が円周上等間隔に形成されて
いる。各空間34は、円周方向幅が狭く、且つロータ3
1の両端面35および外周面36に一連に開口するよう
に、両端面35に直交する仮想平面内において略U字形
をなす。
【0013】各スロット状空間34内に、同一構造の第
1〜第12ベーンピストンユニットU1〜U12が、次
のように放射方向に往復動自在に装着される。略U字形
の空間34において、その内周側を区画する部分37に
段付孔38が形成され、その段付孔38に、セラミック
(またはカーボン)よりなる段付形シリンダ部材39が
嵌入される。シリンダ部材39の小径部a端面は出力軸
23の大径部24外周面に当接し、その小径孔bが大径
部24外周面に開口する通孔cに連通する。またシリン
ダ部材39の外側に、その部材39と同軸上に位置する
ようにガイド筒40が配置される。そのガイド筒40の
外端部は、ロータ31外周面に存する空間34の開口部
に係止され、また内端部は段付孔38の大径孔dに嵌入
されてシリンダ部材39に当接する。またガイド筒40
は、その外端部から内端部近傍まで相対向して延びる一
対の長溝eを有し、両長溝eは空間34に面する。シリ
ンダ部材39の大径シリンダ孔f内にセラミックよりな
るピストン41が摺動自在に嵌合され、そのピストン4
1の先端部側は常時ガイド筒40内に位置する。
【0014】図2および図6に示すように、ロータ31
の回転軸線Lを含む仮想平面A内におけるロータチャン
バ14の断面Bは、直径gを相互に対向させた一対の半
円形断面部B1と、両半円形断面部B1の両直径gの一
方の対向端相互および他方の対向端相互をそれぞれ結ん
で形成される四角形断面部B2とよりなり、略競技用ト
ラック形をなす。図6において、実線示の部分が長径を
含む最大断面を示し、一方、一部を2点鎖線で示した部
分が短径を含む最小断面を示す。ロータ31は、図6に
点線で示したように、ロータチャンバ14の短径を含む
最小断面よりも若干小さな断面Dを有する。
【0015】図2および図7〜図10に明示するよう
に、ベーン42は略U字板形(馬蹄形)をなすベーン本
体43と、そのベーン本体43に装着された略U字板形
をなすシール部材44と、ベーンスプリング58とより
構成される。
【0016】ベーン本体43は、ロータチャンバ14の
半円形断面部B1による内周面45に対応した半円弧状
部46と、四角形断面部B2による対向内端面47に対
応した一対の平行部48とを有する。各平行部48の端
部側にコ字形の切欠き49と、それらの底面に開口する
四角形の盲孔50と、各切欠き49よりも、さらに端部
側に在って外方へ突出する短軸51とが設けられる。ま
た半円弧状部46および両平行部48の外周部分に、外
方に向って開口するU字溝52が一連に形成され、その
U字溝52の両端部は両切欠き49にそれぞれ連通す
る。さらに半円弧状部46の両平面部分にそれぞれ欠円
形断面の一対の突条53が設けられている。両突条53
は、それらによる仮想円柱の軸線L1が、両平行部48
間の間隔を2等分し、且つ半円弧状部46を周方向に2
等分する直線に一致するように配置されている。また両
突条53の内端部は両平行部48間の空間に僅か突出し
ている。
【0017】シール部材44は、例えばPTFEより構
成されたもので、ロータチャンバ14の半円形断面部B
1による内周面45を摺動する半円弧状部55と、四角
形断面部B2による対向内端面47を摺動する一対の平
行部56とを有する。また半円弧状部55の内周面側に
一対の弾性爪57が、内方へ反るように設けられてい
る。
【0018】ベーン本体43のU字溝52にシール部材
44が装着され、また各盲孔50にベーンスプリング5
8が嵌め込まれ、さらに各短軸51にボールベアリング
構造のローラ59が取付けられる。各ベーン42はロー
タ31の各スロット状空間34に摺動自在に収められて
おり、その際、ベーン本体43の両突条53はガイド筒
40内に、また両突条53の両側部分はガイド筒40の
両長溝e内にそれぞれ位置し、これにより両突条53の
内端面がピストン41の外端面と当接することができ
る。両ローラ59は第1、第2半体8,9の対向内端面
47に形成された略楕円形の環状溝60にそれぞれ転動
自在に係合される。これら環状溝60およびロータチャ
ンバ14間の距離はそれらの全周に亘り一定である。ま
たピストン41の前進運動をベーン42を介してローラ
59と環状溝60との係合によりロータ31の回転運動
に変換する。
【0019】このローラ59と環状溝60との協働で、
図5に明示するように、ベーン本体43の半円弧状部4
6における半円弧状先端面61はロータチャンバ14の
内周面45から、また両平行部48はロータチャンバ1
4の対向内端面47からそれぞれ常時離間し、これによ
りフリクションロスの軽減が図られている。そして、2
条一対で構成されている環状溝60により軌道を規制さ
れるため、左右の軌道誤差によりローラ59を介してベ
ーン42は軸方向に微小変位角の回転を生じ、ロータチ
ャンバ14の内周面45との接触圧力を増大させる。こ
のとき、略U字板形(馬蹄形)をなすベーン本体43で
は、方形(長方形)ベーンに比べてケーシング7との接
触部の径方向長さが短いので、その変位量を大幅に小さ
くできる。また図2に明示するように、シール部材44
において、その両平行部56は各ベーンスプリング58
の弾発力によりロータチャンバ14の対向内端面47に
密着し、特に両平行部56の端部とベーン42間を通し
ての環状溝60へのシール作用を行う。また半円弧状部
55は、両弾性爪57がベーン本体43およびロータチ
ャンバ14内の内周面45間で押圧されることによっ
て、その内周面45に密着する。即ち、方形(長方形)
ベーンに対し略U字板形のベーン42の方が変曲点を持
たないので、密着が良好となる。方形ベーンは角部があ
り、シール性維持は困難となる。これによりベーン42
およびロータチャンバ14間のシール性が良好となる。
さらに熱膨脹にともない、ベーン42とロータチャンバ
14は変形する。このとき方形ベーンに対し略U字形の
ベーン42は、より均一に相似形を持って変形するた
め、ベーン42とロータチャンバ14とのクリアランス
のバラツキが少なく、シール性も良好に維持可能とな
る。
【0020】図2および図3において、出力軸23の大
径部24は第2半体9の軸受メタル25に支持された厚
肉部分62と、その厚肉部分62から延びて第1半体8
の軸受メタル25に支持された薄肉部分63とを有す
る。その薄肉部分63内にセラミック(または金属)よ
りなる中空軸64が、出力軸23と一体に回転し得るよ
うに嵌着される。その中空軸64の内側に固定軸65が
配置され、その固定軸65は、ロータ31の軸線方向厚
さ内に収まるように中空軸64に嵌合された大径中実部
66と、出力軸23の厚肉部分62に存する孔部67に
2つのシールリング68を介して嵌合された小径中実部
69と、大径中実部66から延びて中空軸64内に嵌合
された薄肉の中空部70とよりなる。その中空部70の
端部外周面と第1半体8の中空軸受筒21内周面との間
にシールリング71が介在される。
【0021】シェル形部材15の主体16において、そ
の中心部内面に、出力軸23と同軸上に在る中空筒体7
2の端壁73がシールリング74を介して取付けられ
る。その端壁73の外周部から内方へ延びる短い外筒部
75の内端側は第1半体8の中空軸受筒21に連結筒7
6を介して連結される。端壁73に、それを貫通するよ
うに小径で、且つ長い内管部77が設けられ、その内管
部77の内端側は、そこから突出する短い中空接続管7
8と共に固定軸65の大径中実部66に存する段付孔h
に嵌着される。内管部77の外端部分はシェル形部材1
5の孔部79から外方へ突出し、その外端部分から内管
部77内に挿通された第1の高温高圧蒸気用導入管80
の内端側が中空接続管78内に嵌着される。内管部77
の外端部分にはキャップ部材81が螺着され、そのキャ
ップ部材81によって、導入管80を保持するホルダ筒
82のフランジ83が内管部77の外端面にシールリン
グ84を介して圧着される。
【0022】図2〜図4および図11に示すように、固
定軸65の大径中実部66に、第1〜第12ベーンピス
トンユニットU1〜U12のシリンダ部材39に、中空
軸64および出力軸23に一連に形成された複数、この
実施例では12個の通孔cを介して高温高圧蒸気を供給
し、またシリンダ部材39から膨脹後の第1の降温降圧
蒸気を通孔cを介して排出する回転バルブVが次のよう
に設けられている。
【0023】図11には膨張器4の各シリンダ部材39
に所定のタイミングで蒸気を供給・排出する回転バルブ
Vの構造が示される。大径中実部66内において、中空
接続管78に連通する空間85から互に反対方向に延び
る第1、第2孔部86,87が形成され、第1、第2孔
部86,87は大径中実部66の外周面に開口する第
1、第2凹部88,89の底面に開口する。第1、第2
凹部88,89に、供給口90,91を有するカーボン
製第1、第2シールブロック92,93が装着され、そ
れらの外周面は中空軸64内周面に摺擦する。第1、第
2孔部86,87内には同軸上に在る短い第1、第2供
給管94,95が遊挿され、第1、第2供給管94,9
5の先端側外周面に嵌合した第1、第2シール筒96,
97のテーパ外周面i,jが第1、第2シールブロック
92,93の供給口90,91よりも内側に在ってそれ
に連なるテーパ孔k,m内周面に嵌合する。また大径中
実部66に、第1、第2供給管94,95を囲繞する第
1、第2環状凹部n,oと、それに隣接する第1、第2
盲孔状凹部p,qとが第1、第2シールブロック92,
93に臨むように形成され、第1、第2環状凹部n,o
には一端側を第1、第2シール筒96,97外周面に嵌
着した第1、第2ベローズ状弾性体98,99が、また
第1、第2盲孔状凹部p,qには第1、第2コイルスプ
リング100,101がそれぞれ収められ、第1、第2
ベローズ状弾性体98,99および第1、第2コイルス
プリング100,101の弾発力で第1、第2シールブ
ロック92,93を中空軸64内周面に押圧する。
【0024】また大径中実部66において、第1コイル
スプリング100および第2ベローズ状弾性体99間な
らび第2コイルスプリング101および第1ベローズ状
弾性体98間に、常時2つの通孔cに連通する第1、第
2凹状排出部102,103と、それら排出部102,
103から導入管80と平行に延びて固定軸65の中空
部r内に開口する第1、第2排出孔104,105とが
形成されている。
【0025】これら第1シールブロック92と第2シー
ルブロック93といったように、同種部材であって、
「第1」の文字を付されたものと「第2」の文字を付さ
れたものとは、固定軸65の軸線に関して点対称の関係
にある。
【0026】固定軸65の中空部r内および中空筒体7
2の外筒部75内は第1の降温降圧蒸気の通路sであ
り、その通路sは、外筒部75の周壁を貫通する複数の
通孔tを介して中継チャンバ20に連通する。
【0027】以上のように回転バルブVを膨張器4の中
心に配置し、回転バルブVの中心に配置した固定軸65
の内部を通して供給した高温高圧蒸気をロータ31の回
転に伴って各シリンダ部材39に配分しているので、通
常のピストン機構に使用される吸排気バルブが不要にな
って構造が簡略化される。また回転バルブVは固定軸6
5と中空軸64とが周速が小さい小径部で相互に摺動す
るため、シール性および耐摩耗性を両立させることがで
きる。
【0028】図2および図5に示すように、第1半体8
の主体11外周部において、ロータチャンバ14の短径
の両端部近傍に、半径方向に並ぶ複数の導入孔106よ
りなる第1、第2導入孔群107,108が形成され、
中継チャンバ20内の第1の降温降圧蒸気がそれら導入
孔群107,108を経てロータチャンバ14内に導入
される。また第2半体9の主体11外周部において、ロ
ータチャンバ14の長径の一端部と第2導入孔群108
との間に、半径方向および周方向に並ぶ複数の導出孔1
09よりなる第1導出孔群110が形成され、また長径
の他端部と第1導入孔群107との間に、半径方向およ
び周方向に並ぶ複数の導出孔109よりなる第2導出孔
群111が形成される。これら第1、第2導出孔群11
0,111からは、相隣る両ベーン42間での膨脹によ
り、さらに温度および圧力が降下した第2の降温降圧蒸
気が外部に排出される。
【0029】出力軸23等は水により潤滑されるように
なっており、その潤滑水路は次のように構成される。即
ち、図2および図3に示すように第2半体9の中空軸受
筒22に形成された給水孔112に給水管113が接続
される。給水孔112は、第2半体9側の軸受メタル2
5が臨むハウジング114に、またそのハウジング11
4は出力軸23の厚肉部分62に形成された通水孔u
に、さらにその通水孔uは中空軸64の外周面母線方向
に延びる複数の通水溝v(図11も参照)に、さらにま
た各通水溝vは第2半体8側の軸受メタル25が臨むハ
ウジング115にそれぞれ連通する。また出力軸23の
厚肉部分62内端面に、通水孔uと、中空軸64および
固定軸65の大径中実部66間の摺動部分とを連通する
環状凹部wが設けられている。
【0030】これにより、各軸受メタル25および出力
軸23間ならびに中空軸64および固定軸65間が水に
より潤滑され、また両軸受メタル25および出力軸23
間の間隙からロータチャンバ14内に進入した水によっ
て、ケーシング7と、シール部材44および各ローラ5
9との間の潤滑が行われる。
【0031】図4において、ロータ31の回転軸線Lに
関して点対称の関係にある第1および第7ベーンピスト
ンユニットU1,U7は同様の動作を行う。これは、点
対称の関係にある第2、第8ベーンピストンユニットU
2,U8等についても同じである。
【0032】例えば、図11も参照して、第1供給管9
4の軸線がロータチャンバ14の短径位置Eよりも図4
において反時計方向側に僅かずれており、また第1ベー
ンピストンユニットU1が前記短径位置Eに在って、そ
の大径シリンダ孔fには高温高圧蒸気は供給されておら
ず、したがってピストン41およびベーン42は後退位
置に在るとする。
【0033】この状態からロータ31を僅かに、図4反
時計方向に回転させると、第1シールブロック92の供
給口90と通孔cとが連通して導入管80からの高温高
圧蒸気が小径孔bを通じて大径シリンダ孔fに導入され
る。これによりピストン41が前進し、その前進運動は
ベーン42がロータチャンバ14の長径位置F側へ摺動
することによって、ベーン42を介して該ベーン42と
一体のローラ59と環状溝60との係合によりロータ3
1の回転運動に変換される。通孔cが供給口90からず
れると、高温高圧蒸気は大径シリンダ孔f内で膨脹して
ピストン41をなおも前進させ、これによりロータ31
の回転が続行される。この高温高圧蒸気の膨脹は第1ベ
ーンピストンユニットU1がロータチャンバ14の長径
位置Fに至ると終了する。その後は、ロータ31の回転
に伴い大径シリンダ孔f内の第1の降温降圧蒸気は、ベ
ーン42によりピストン41が後退させられることによ
って、小径孔b、通孔c、第1凹状排出部102、第1
排出孔104、通路s(図3参照)および各通孔tを経
て中継チャンバ20に排出され、次いで図2および図5
に示すように、第1導入孔群107を通じてロータチャ
ンバ14内に導入され、相隣る両ベーン42間でさらに
膨脹してロータ31を回転させ、その後第2の降温降圧
蒸気が第1導出孔群110より外部に排出される。
【0034】このように、高温高圧蒸気の膨脹によりピ
ストン41を作動させてベーン42を介しロータ31を
回転させ、また高温高圧蒸気の圧力降下による降温降圧
蒸気の膨脹によりベーン42を介しロータ31を回転さ
せることによって出力軸23より出力が得られる。
【0035】尚、実施例以外にも、ピストン41の前進
運動をロータ31の回転運動に変換する構成として、ベ
ーン42を介さず、ピストン41の前進運動を直接ロー
ラ59で受け、環状溝60との係合で回転運動に変換す
ることもできる。またベーン42もローラ59と環状溝
60との協働により、前述の如くロータチャンバ14の
内周面45および対向内端面47から略一定間隔で常時
離間していればよく、ピストン41とローラ59、およ
びベーン42とローラ59との各々が格別に環状溝60
と協働しても良い。
【0036】前記膨脹器4を圧縮機として使用する場合
には、出力軸23によりロータ31を図4時計方向に回
転させて、ベーン42により、流体としての外気を第
1、第2導出孔群110,111からロータチャンバ1
4内に吸込み、このようにして得られた低圧縮空気を第
1、第2導入孔群107,108から中継チャンバ2
0、各通孔t、通路s、第1、第2排出孔104,10
5、第1、第2凹状排出部102,103、通孔cを経
て大径シリンダ孔fに供給し、またベーン42によりピ
ストン41を作動させて低圧空気を高圧空気に変換し、
その高圧空気を通孔c、供給口90,91、および第
1、第2供給管94,95を経て導入管80に導入する
ものである。
【0037】前記各種構成要素を用いて、図5から明ら
かなようにベーン式流体機械、例えばベーンポンプ、ベ
ーンモータ、送風機、ベーン圧縮機等を構成することが
可能である。即ち、そのベーン式流体機械は、ロータチ
ャンバ14を有するケーシング7と、そのロータチャン
バ14内に収容されたロータ31と、ロータ31に、そ
の回転軸線L回りに放射状に配置されて放射方向に往復
動自在である複数のベーン42とを備え、ロータ31の
回転軸線Lを含む仮想平面Aにおけるロータチャンバ1
4の断面Bは、直径gを相互に対向させた一対の半円形
断面部B1と、両直径gの一方の対向端相互および他方
の対向端相互をそれぞれ結んで形成される四角形断面部
B2とよりなり、各ベーン42はベーン本体43と、そ
のベーン本体43に装着されてロータチャンバ14にば
ね力、遠心力および蒸気力を以て押圧されるシール部材
44とよりなり、そのシール部材44は、ロータチャン
バ14の半円形断面部B1による内周面45を摺動する
半円弧状部55と、四角形断面部B2による対向内端面
47をそれぞれ摺動する一対の平行部56とを有する。
この場合、各ベーン本体43は、シール部材44の両平
行部56に対応する一対の平行部48を有し、各ベーン
本体43の先端面をロータチャンバ14の内周面45か
ら常時離間すべく、両平行部48に設けられたローラ5
9を、ケーシング7の対向内端面47に形成された両環
状溝60にそれぞれ転動自在に係合させる。
【0038】従って、ベーン本体43とロータチャンバ
14の内周面との間のシール作用は、シール部材44自
体のばね力と、シール部材44自体に作用する遠心力
と、高圧側のロータチャンバ14からベーン本体43の
U字溝52に浸入した蒸気がシール部材44を押し上げ
る蒸気圧とにより発生する。このように、前記シール作
用は、ロータ31の回転数に応じてベーン本体43に作
用する過度の遠心力の影響を受けないので、シール面圧
はベーン本体43に加わる遠心力に依存せず、常に良好
なシール性と低フリクション性とを両立させることがで
きる。
【0039】ところで特開昭59−41602号公報に
は二重マルチベーン型回転機械が記載されている。この
ものは、楕円形の外側カムリングと楕円形の内側カムリ
ングとの間に円形のベーン支持リングを配置し、このベ
ーン支持リングに半径方向に摺動自在に支持した複数の
ベーンの外端および内端を、それぞれ外側のカムリング
の内周面および内側のカムリングの外周面に当接させた
ものである。従って、外側カムリングおよび内側カムリ
ングに対してベーン支持リングが相対回転すると、外側
カムリングおよびベーン支持リング間でベーンにより区
画された複数の作動室の容積が拡大・縮小して膨張器あ
るいは圧縮器として機能し、また内側カムリングおよび
ベーン支持リング間でベーンにより区画された複数の作
動室の容積が拡大・縮小して膨張器あるいは圧縮器とし
て機能するようになっている。
【0040】この二重マルチベーン型回転機械では、外
側および内側の回転機械をそれぞれ独立した膨張器とし
て使用したり、外側および内側の回転機械をそれぞれ独
立した圧縮器として使用したり、外側および内側の回転
機械の一方および他方をそれぞれ膨張器および圧縮器と
して使用したりすることができる。
【0041】また特開昭60−206990号公報には
膨張器あるいは圧縮器として使用可能なベーン型回転機
械が記載されている。このものは、同心に配置した円形
の外側カムリングと円形の内側カムリングとの間に円形
の中間シリンダを偏心させて配置し、この中間シリンダ
に半径方向に摺動自在に支持した複数のベーンの外端お
よび内端を、それぞれ外側のカムリングの内周面および
内側のカムリングの外周面に当接させたものである。従
って、外側カムリングおよび内側カムリングに対して中
間シリンダが相対回転すると、外側カムリングおよびベ
ーン支持リング間でベーンにより区画された複数の作動
室の容積が拡大・縮小して膨張器あるいは圧縮器として
機能し、また内側カムリングおよびベーン支持リング間
でベーンにより区画された複数の作動室の容積が拡大・
縮小して膨張器あるいは圧縮器として機能するようにな
っている。
【0042】このベーン型回転機械では、外側および内
側の回転機械をそれぞれ独立した膨張器として使用した
り、外側および内側の回転機械をそれぞれ独立した圧縮
器として使用したりできるほか、外側および内側の回転
機械の一方を通過した作動流体を他方を通過させること
により、外側および内側の回転機械を直列に接続して2
段膨張器あるいは2段圧縮器として作動させることがで
きる。
【0043】また特開昭57−16293号公報にはベ
ーン型のロータリコンプレッサが記載されている。この
ものは、非円形のカムリングの内部に円形のロータを回
転自在に配置し、このロータに放射状に支持した複数の
ベーンの先端がカムリングの内周面に沿って移動するよ
うに、各ベーンの中間に設けたローラをケーシングに設
けたローラ軌道に係合させてガイドするようになってい
る。
【0044】また特開昭64−29676号公報にはラ
ジアルプランジャポンプが記載されている。このもの
は、円形のカムリングの内部に偏心して配置したロータ
に複数のシリンダを放射状に形成し、これらシリンダに
摺動自在に嵌合するプランジャの先端をカムリングに内
周面に当接させて往復動させることによりポンプとして
作動させるようになっている。
【0045】また特開昭58−48076号公報にはベ
ーン型の膨張器を備えたランキンサイクル装置が記載さ
れている。このものは、ガスバーナを熱源とする蒸発器
で発生した高温高圧蒸気のエネルギーをベーン型の膨張
器を介して機械エネルギーに変換し、その結果として発
生した降温降圧蒸気を凝縮器で復水した後に供給ポンプ
で再度蒸発器に戻すようになっている。
【0046】ところで、前記特開昭59−41602号
公報、特開昭60−206990号公報に開示されたも
のは半径方向の内外に配置された複数のベーン型回転機
械を備えているが、ベーン型回転機械は圧力エネルギー
および機械エネルギーの変換機構の構造が簡単であり、
コンパクトな構造でありながら大流量の作動流体を処理
できる反面、ベーンの摺動部からの作動流体のリーク量
が大きいために高効率化が難しいという問題がある。
【0047】また前記特開昭64−29676号公報に
開示されたラジアルプランジャポンプは、シリンダに摺
動自在に嵌合するピストンで作動流体の圧縮を行うため
に作動流体のシール性が高く、高圧の作動流体を用いて
もリークによる効率低下を最小限に抑えることができる
反面、ピストンの往復運動を回転運動に変換するクラン
ク機構やや斜板機構が必要になって構造が複雑化すると
いう問題がある。
【0048】従って、回転式流体機械においてピストン
式のものが持つ利点とベーン式のものが持つ利点とを併
せ持たせることが望ましい。
【0049】そこで、以上説明した膨張器4では、シリ
ンダ部材39およびピストン41から構成される第1エ
ネルギー変換手段と、ベーン42から構成される第2エ
ネルギー変換手段とが共通のロータ31に設けられてお
り、直列に接続された第1、第2エネルギー変換手段の
協働により高温高圧蒸気のエネルギーを機械エネルギー
として出力軸23に取り出すようになっている。従っ
て、第1エネルギー変換手段が出力する機械エネルギー
と第2エネルギー変換手段が出力する機械エネルギーと
をロータ31を介して自動的に統合することができ、ギ
ヤ等の動力伝達手段を有する特別のエネルギー統合手段
が不要となる。
【0050】第1エネルギー変換手段は作動流体のシー
ルが容易でリークが発生し難いシリンダ39およびピス
トン41の組み合わせからなるため、高温高圧蒸気のシ
ール性を高めてリークによる効率低下を最小限に抑える
ことができる。一方、第2エネルギー変換手段はロータ
31に放射方向移動自在に支持したベーン42からなる
ため、ベーン42に加わる蒸気圧が直接ロータ31の回
転運動に変換され、往復運動を回転運動に変換するため
の特別の変換機構が不要になって構造が簡略化される。
しかも低圧で大流量の蒸気を効果的に機械エネルギーに
変換し得る第2エネルギー変換手段を第1エネルギー変
換手段の外周を囲むように配置したので、膨張器4全体
の寸法をコンパクト化することができる。
【0051】シリンダ39およびピストン41よりなる
第1エネルギー変換手段は高温高圧蒸気を作動流体とし
た場合に圧力エネルギーおよび機械エネルギー間の変換
効率が高く、またベーン42よりなる第2エネルギー変
換手段は比較的に低温低圧の蒸気を作動流体とした場合
でも圧力エネルギーおよび機械エネルギー間の変換効率
が高いという特性を有している。従って、第1、第2エ
ネルギー変換手段を直列に接続し、先ず高温高圧蒸気を
第1エネルギー変換手段を通過させて機械エネルギーに
変換し、その結果として圧力の低下した第1の降温降圧
蒸気を第2エネルギー変換手段を通過させて再度機械エ
ネルギーに変換することにより、当初の高温高圧蒸気に
含まれるエネルギーを余すところ無く有効に機械エネル
ギーに変換することができる。
【0052】尚、本実施例の膨張器4を圧縮器として使
用する場合でも、外部からの機械エネルギーでロータ3
1を回転させてロータチャンバ14に吸入した空気を、
比較的に低温低圧の作動流体でも有効に作動する第2エ
ネルギー変換手段で圧縮して昇温させ、その圧縮・昇温
した空気を、比較的に高温高圧の作動流体により有効に
作動する第1エネルギー変換手段で更に圧縮して昇温さ
せることにより、機械エネルギーを圧縮空気の圧力エネ
ルギー(熱エネルギー)に効率的に変換することができ
る。而して、シリンダ39およびピストン41よりなる
第1エネルギー変換手段とベーン42よりなる第2エネ
ルギー変換手段とを組み合わせたことにより、両者の特
長を兼ね備えた高性能な回転式流体機械を得ることがで
きる。
【0053】またロータ31の回転軸線L(つまり出力
軸23の回転軸線L)がロータチャンバ14の中心に一
致しており、かつ図4および図5でロータ31を上下左
右に90°ずつ4分割したとき、回転軸線Lに対して点
対称な右上の四半部と左下の四半部とで圧力エネルギー
から機械エネルギーへの変換が行われるため、ロータ3
1に偏荷重が加わるのを防止して振動の発生を抑えるこ
とができる。即ち、作動流体の圧力エネルギーを機械エ
ネルギーに変換する部分、あるいは機械エネルギーを作
動流体の圧力エネルギーに変換する部分が、ロータ31
の回転軸線Lを中心として180°ずれた2個所に配置
されるので、ロータ31に加わる荷重が偶力となってス
ムーズな回転が可能になり、しかも吸気タイミングおよ
び排気タイミングの効率化を図ることができる。
【0054】即ち、少なくとも第1エネルギー変換手段
および第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギー
を有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入
力して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換する
ことにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ
発生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器とし
て機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械におい
て、前記第1エネルギー変換手段は、ロータチャンバの
内部に回転自在に収容されたロータに放射状に形成され
たシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンとか
ら構成され、前記第2エネルギー変換手段は、ロータか
ら放射方向に出没し、その外周面がロータチャンバの内
周面に摺接するベーンから構成されるようにする。
【0055】上記第1の構成によれば、第1エネルギー
変換手段を、ロータチャンバの内部に回転自在に収容さ
れたロータに放射状に形成されたシリンダと、このシリ
ンダ内を摺動するピストンとから構成したので、高圧の
作動流体のシール性を高めてリークによる効率低下を最
小限に抑えることができる。また第2エネルギー変換手
段を、ロータに放射方向移動自在に支持されてロータチ
ャンバの内周面に摺接するベーンから構成したので、圧
力エネルギーおよび機械エネルギーの変換機構の構造が
簡単であり、コンパクトな構造でありながら大流量の作
動流体を処理できる。このように、ピストンおよびシリ
ンダを持つ第1エネルギー変換手段とベーンを持つ第2
エネルギー変換手段とを組み合わせたことにより、両者
の特長を兼ね備えた高性能な回転式流体機械を得ること
ができる。
【0056】また上記第1の構成に加えて、前記第1エ
ネルギー変換手段は、ピストンの往復運動と回転軸の回
転運動とを相互に変換すると共に、前記第2エネルギー
変換手段は、ベーンの円周方向の移動と前記回転軸の回
転運動とを相互に変換するようにする。
【0057】上記第2の構成によれば、第1エネルギー
変換手段はピストンの往復運動と回転軸の回転運動とを
相互に変換し、第2エネルギー変換手段はベーンの円周
方向の移動と前記回転軸の回転運動とを相互に変換する
ので、回転軸からの外力の入力により第1、第2エネル
ギー変換手段で流体を圧縮し、また高圧流体の供給によ
り第1、第2エネルギー変換手段で回転軸を駆動するこ
とができる。これにより第1、第2エネルギー変換手段
で機械エネルギーを統合して出力し、あるいは第1、第
2エネルギー変換手段で作動流体の圧力エネルギーを統
合して出力することができる。
【0058】また上記第2の構成に加えて、前記回転軸
はロータを支持するようにする。
【0059】上記第3の構成によれば、回転軸にロータ
を支持したので、ロータに設けたピストンおよびシリン
ダ、あるいはベーンにより発生した機械エネルギーを効
率的に回転軸に出力することができ、また回転軸に機械
エネルギーを入力するだけで、該回転軸に支持したロー
タに設けたピストンおよびシリンダ、あるいはベーンに
より作動流体を効率的に圧縮することができる。
【0060】また上記第1の構成に加えて、て膨張器と
して機能するときは前記第1エネルギー変換手段を通過
した作動流体の全量が前記第2エネルギー変換手段を通
過し、圧縮器として機能するときは前記第2エネルギー
変換手段を通過した作動流体の全量が前記第1エネルギ
ー変換手段を通過するようにする。
【0061】上記第4の構成によれば、第1、第2エネ
ルギー変換手段を直列に接続し、膨張器として機能する
ときは、先ず高圧の作動流体を第1エネルギー変換手段
を通過させて圧力エネルギーの一部を機械エネルギーに
変換し、その結果として圧力の低下した作動流体を更に
第2エネルギー変換手段を通過させて圧力エネルギーの
残部を機械エネルギーに変換することにより、作動流体
の圧力エネルギーを機械エネルギーに効率的に変換する
ことができる。逆に、圧縮器として機能するときは、機
械エネルギーで回転軸を回転させて作動流体を第2エネ
ルギー変換手段で圧縮し、その圧縮された作動流体を第
1エネルギー変換手段で更に圧縮することにより、機械
エネルギーを作動流体の圧力エネルギーに効率的に変換
することができる。
【0062】また上記第1の構成に加えて、膨張器とし
て機能するときはロータの位相が180°ずれた2個所
で作動流体の圧力エネルギーを機械エネルギーに変換
し、圧縮器として機能するときはロータの位相が180
°ずれた2個所で機械エネルギーを作動流体の圧力エネ
ルギーに変換するようにする。
【0063】上記第5の構成によれば、作動流体の圧力
エネルギーを機械エネルギーに変換する部分、あるいは
機械エネルギーを作動流体の圧力エネルギーに変換する
部分がロータの位相が180°ずれた2個所に配置され
るので、ロータに加わる荷重が偶力となって該ロータの
スムーズな回転が可能になり、しかも吸気タイミングお
よび排気タイミングの効率化を図ることができる。
【0064】また前記特開昭59−41602号公報、
特開昭60−206990号 公報に開示されたものは
高圧流体の圧力でベーンを円周方向に押圧してロータを
回転駆動し、あるいはロータを外力で回転駆動してベー
ンで流体を圧縮するようになっているが、ベーン以外に
ロータに放射状に設けたシリンダに摺動自在に嵌合する
ピストンを備え、ベーンと連動してシリンダ内を往復運
動するピストンで機械エネルギーと作動流体の圧力エネ
ルギーとの変換を行うものでは、ピストンの往復運動を
ロータの回転運動に変換する機構(例えば、クランク機
構や斜板機構)が必要になり、装置全体の構造が複雑に
なって大型化や大重量化の原因となる問題がある。
【0065】また前記特開昭57−16293号公報に
開示されたものは各ベーンの中間に設けたローラをケー
シングに設けたローラ軌道に係合させてガイドするよう
になっているが、前記ベーンは円周方向の荷重を発生す
るだけで半径方向の荷重を発生するものではないため、
ローラおよびローラ軌道の係合は機械エネルギーと作動
流体の圧力エネルギーとの変換には寄与していない。
【0066】また前記特開昭64−29676号公報に
開示されたものはラジアルプランジャポンプであり、円
形のカムリングの内部に偏心してロータが配置されてい
るために、回転軸に偏荷重が加わって振動が発生する要
因となる問題がある。
【0067】従って、ロータに設けられて一体に移動す
るピストンおよびベーンを備えた回転式流体機械におい
て、機械エネルギーと作動流体の圧力エネルギーとの変
換を簡単な構造でスムーズに行うと共に、ベーンの外周
面とロータチャンバの内周面との間隙を的確に管理する
ことが望ましい。
【0068】そこで、以上説明した膨張器4では、シリ
ンダ部材39およびピストン41から構成される第1エ
ネルギー変換手段と、ベーン42から構成される第2エ
ネルギー変換手段とが共通のロータ31に設けられてお
り、第1、第2エネルギー変換手段の協働により高温高
圧蒸気のエネルギーを機械エネルギーとして出力軸23
に取り出すようになっている。シリンダ部材39および
ピストン41から構成される第1エネルギー変換手段
は、ピストン41により放射方向に往復運動するベーン
ピストンユニットU1〜U12に設けたローラ59が、
第1、第2半体8,9に設けた略楕円形の環状溝60に
転動可能に係合している。従って、ピストン41の往復
運動、つまりベーンピストンユニットU1〜U12の往
復運動はローラ59および環状溝60を介してロータ3
1の回転運動に変換される。このようにローラ59およ
び環状溝60を用いたことにより、往復運動を回転運動
に変換するための複雑で大型なクランク機構や斜板機構
が不要になり、膨張器4の構造を簡略化してコンパクト
化を図るとともに、フリクションによるエネルギー損失
を最小限に抑えることができる。
【0069】またベーン42から構成される第2エネル
ギー変換手段は、第1エネルギー変換手段で降温降圧し
た第1の降温降圧蒸気の圧力を受けてロータ31を回転
させる極めてシンプルな構造でありながら、大流量の蒸
気を効率的に処理することができる。そして高温高圧蒸
気で作動する第1エネルギー変換手段が出力する機械エ
ネルギーと、第1の降温降圧蒸気で作動する第2エネル
ギー変換手段が出力する機械エネルギーとを統合して出
力することにより、当初の高温高圧蒸気のエネルギーを
余すところなく利用して膨張器4のエネルギー変換効率
を高めることができる。
【0070】またベーンピストンユニットU1〜U12
がロータ31に対して放射方向に往復運動する際に、ベ
ーンピストンユニットU1〜U12に設けたローラ59
を環状溝60で案内することにより、ベーン42の外周
面とロータチャンバ14の内周面との間の間隙を一定に
確保することが可能となる。しかもベーン本体43とロ
ータチャンバ14の内周面との間のシール作用は、シー
ル部材44自体のばね力と、シール部材44自体に作用
する遠心力と、高圧側のロータチャンバ14からベーン
本体43のU字溝52に浸入した蒸気がシール部材44
を押し上げる蒸気圧とにより発生するので、前記シール
作用はロータ31の回転数に応じてベーン本体43に作
用する過度の遠心力の影響を受けず、常に良好なシール
性と低フリクション性とを両立させることができ、ベー
ン42およびロータチャンバ14間のベーン本体43の
遠心力による過剰な面圧による異常摩耗の発生やフリク
ションロスの発生を防止すると共に、ベーン42および
ロータ室14の間隙からの蒸気のリークの発生を最小限
に抑えることができる。
【0071】またロータ31の回転軸線L(つまり出力
軸23の回転軸線L)がロータチャンバ14の中心に一
致しており、かつ図4および図5でロータ31を上下左
右に90°ずつ4分割したとき、回転軸線Lに対して点
対称な右上の四半部と左下の四半部とで圧力エネルギー
から機械エネルギーへの変換が行われるため、ロータ3
1に偏荷重が加わるのを防止して振動の発生を抑えるこ
とができる。
【0072】即ち、少なくとも第1エネルギー変換手段
および第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギー
を有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入
力して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換する
ことにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ
発生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器とし
て機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械であっ
て、前記第1エネルギー変換手段は、ロータチャンバの
内部に回転自在に収容されたロータに放射状に形成され
たシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンとか
ら構成され、前記第2エネルギー変換手段は、ロータか
ら放射方向に出没し、その外周面がロータチャンバの内
周面に摺接するベーンから構成された回転式流体機械に
おいて、少なくともピストンに連動するローラを設け、
このローラをロータチャンバを区画するケーシングに形
成した非円形の環状溝に係合させることにより、ピスト
ンの往復運動とロータの回転運動とを相互に変換するよ
うにする。
【0073】上記第6の構成によれば、ロータチャンバ
の内部で回転する少なくともロータに対して放射方向に
移動するピストンに連動するローラを設け、このローラ
をロータチャンバを区画するケーシングに形成した非円
形の環状溝に係合させたので、ローラおよび環状溝より
なる簡単な構造で、膨張器として機能する場合にはピ
トンの往復運動をロータの回転運動に変換することがで
き、圧縮器として機能する場合にはロータの回転運動を
ピストンの往復運動に変換することができる。
【0074】また少なくとも第1エネルギー変換手段お
よび第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギーを
有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入力
して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換するこ
とにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発
生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器として
機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械であっ
て、前記第1エネルギー変換手段は、ロータチャンバの
内部に回転自在に収容されたロータに放射状に形成され
たシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンとか
ら構成され、前記第2エネルギー変換手段は、ロータか
ら放射方向に出没し、その外周面がロータチャンバの内
周面に摺接するベーンから構成された回転式流体機械に
おいて、少なくともベーンに連動するローラを設け、こ
のローラをロータチャンバを区画するケーシングに形成
した非円形の環状溝に係合させることにより、ベーンの
外周面とロータチャンバの内周面との間隙を規制するよ
うにする。
【0075】上記第7の構成によれば、ロータチャンバ
の内部で回転する少なくともロータに対して放射方向に
移動するベーンに連動するローラを設け、このローラを
ロータチャンバを区画するケーシングに形成した非円形
の環状溝に係合させたので、ローラの移動軌跡を環状溝
で案内することにより、ベーンの外周面とロータチャン
バの内周面との間隙を規制して異常摩耗の発生やリーク
の発生を防止することができる。
【0076】また、少なくとも第1エネルギー変換手段
および第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギー
を有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入
力して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換する
ことにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ
発生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器とし
て機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械であっ
て、前記第1エネルギー変換手段は、ロータチャンバの
内部に回転自在に収容されたロータに放射状に形成され
たシリンダと、このシリンダ内を摺動するピストンとか
ら構成され、前記第2エネルギー変換手段は、ロータか
ら放射方向に出没し、その外周面がロータチャンバの内
周面に摺接するベーンから構成された回転式流体機械に
おいて、ーンおよびピストンに連動するローラを設
け、このローラをロータチャンバを区画するケーシング
に形成した非円形の環状溝に係合させることにより、ピ
ストンの往復運動とロータの回転運動とを相互に変換す
ると共に、ベーンの外周面とロータチャンバの内周面と
の間隙を規制するようにする。
【0077】上記第8の構成によれば、ロータチャンバ
の内部で回転する少なくともロータに対して放射方向に
移動するベーンおよびピストンに連動するローラを設
け、このローラをロータチャンバを区画するケーシング
に形成した非円形の環状溝に係合させたので、ローラお
よび環状溝よりなる簡単な構造で、膨張器として機能す
る場合にはピストンの往復運動をロータの回転運動に変
換することができ、圧縮器として機能する場合にはロー
タの回転運動をピストンの往復運動に変換することがで
きる。しかもローラの移動軌跡を環状溝で案内すること
により、ベーンの外周面とロータチャンバの内周面との
間隙を規制して異常摩耗の発生やリークの発生を防止す
ることができる。
【0078】また上記第6〜第8の何れかの構成に加え
て、ロータの回転軸をロータチャンバの中心に一致させ
る。
【0079】上記第9の構成によれば、ロータの回転軸
がロータチャンバの中心に一致しているので、ロータに
偏荷重が加わるのを防止してロータの回転に伴う振動を
防止することができる。
【0080】ところで、膨張器として機能するベーン型
回転機械に供給された高温高圧蒸気は、その圧力エネル
ギー(熱エネルギー)がベーンで機械エネルギーに変換
されるに伴って温度および圧力が低下する。一方、圧縮
器として機能するベーン型回転機械では、機械エネルギ
ーで駆動されるベーンで圧縮された作動流体の温度およ
び圧力が次第に増加する。
【0081】従って、複数の回転機械を半径方向内外に
配置した場合に、内側の回転機械に低圧の作動流体が供
給され、外側の回転機械に高圧の作動流体が供給される
と、高圧の作動流体がケーシングの外部にリークし易い
ために作動流体の圧力が無駄に消費されてしまう問題が
ある。また複数の回転機械を半径方向内外に配置した場
合に、内側の回転機械に低温の作動流体が供給され、外
側の回転機械に高温の作動流体が供給されると、作動流
体の熱がケーシングの外部にリークし易いために熱効率
が低下してしまう問題がある。
【0082】従って、少なくとも第1エネルギー変換手
段および第2エネルギー変換手段を半径方向内外に配置
した回転式流体機械において、作動流体の熱および圧力
のリークを最小限に抑えて回転式流体機械の効率を高め
ることが望ましい。
【0083】そこで、以上説明した膨張器4では、シリ
ンダ部材39およびピストン41から構成される第1エ
ネルギー変換手段がロータチャンバ14の中心側に配置
されており、ベーン42から構成される第2エネルギー
変換手段が前記第1エネルギー変換手段を囲むように半
径方向外側に配置されている。従って、高温高圧蒸気が
先ず中心側の第1エネルギー変換手段(シリンダ部材3
9およびピストン41)に供給され、そこで機械エネル
ギーに変換された後の第1の降温降圧蒸気が外周側の第
2エネルギー変換手段(ベーン42)に供給されること
になる。このように、第1、第2エネルギー変換手段を
半径方向内外に配置した場合に、内側の第1エネルギー
変換手段に高温高圧蒸気を供給し、外側の第2エネルギ
ー変換手段に降温降圧蒸気を供給することにより、内側
の第1エネルギー変換手段からリークした高温高圧蒸気
の圧力や熱を外側の第2エネルギー変換手段で捕捉回収
し、リークした高温高圧蒸気を無駄なく利用して膨張器
4全体の効率を高めることができる。しかもロータチャ
ンバ14の外周側に比較的に低圧かつ低温の第1の降温
降圧蒸気が供給される第2エネルギー変換手段を配置し
たので、ロータチャンバ14から外部への作動流体のリ
ークを防止するためのシールが容易になるだけでなく、
ロータチャンバ14から外部への熱のリークを防止する
ための断熱も容易になる。
【0084】尚、本発明の回転式流体機械を圧縮器とし
て使用する場合には、外側の第2エネルギー変換手段で
あるベーン42により第1段の圧縮を受けて圧縮された
圧縮空気は圧力および温度が上昇し、その圧縮空気は内
側の第1エネルギー変換手段であるシリンダ手段39お
よびピストン41で第2段の圧縮を受けて圧力および温
度が更に上昇する。従って、回転式流体機械を圧縮器と
して使用した場合にも、内側の第1エネルギー変換手段
からリークした高温高圧の圧縮空気の圧力や熱を外側の
第2エネルギー変換手段で捕捉回収して圧縮器全体の効
率を高めることができるだけでなく、ロータチャンバ1
4から外部への圧縮空気のリークを防止するためのシー
ルが容易になり、しかもロータチャンバ14から外部へ
の熱のリークを防止するための断熱も容易になる。
【0085】即ち、少なくとも第1エネルギー変換手段
および第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギー
を有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入
力して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換する
ことにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ
発生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器とし
て機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械におい
て、前記第1、第2エネルギー変換手段を備えたロータ
を回転自在に収納するロータチャンバの中心側に高圧の
作動流体を配置し、前記ロータチャンバの外周側に低圧
の作動流体を配置するようにする。
【0086】上記第10の構成によれば、ロータを回転
自在に収納するロータチャンバの中心側および外周側に
それぞれ高圧の作動流体および低圧の作動流体を配置し
たので、ロータチャンバの中心側からリークした高圧の
作動流体をロータチャンバの外周側の低圧の作動流体で
捕捉回収し、リークした前記高圧の作動流体を無駄なく
利用して回転式流体機械全体の効率を高めることがで
き、しかもロータチャンバから外部への作動流体のリー
クを防止するためのシールが容易になる。
【0087】また少なくとも第1エネルギー変換手段お
よび第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギーを
有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入力
して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換するこ
とにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発
生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器として
機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械におい
て、前記第1、第2エネルギー変換手段を備えたロータ
を回転自在に収納するロータチャンバの中心側に高温の
作動流体を配置し、前記ロータチャンバの外周側に低温
の作動流体を配置するようにする。
【0088】上記第11の構成によれば、ロータを回転
自在に収納するロータチャンバの中心側および外周側に
それぞれ高温の作動流体および低温の作動流体を配置し
たので、ロータチャンバの中心側からリークした高温の
作動流体をロータチャンバの外周側の低温の作動流体で
捕捉回収し、リークした前記高温の作動流体を無駄なく
利用して回転式流体機械全体の効率を高めることがで
き、しかもロータチャンバから外部への熱のリークを防
止するための断熱が容易になる。
【0089】また少なくとも第1エネルギー変換手段お
よび第2エネルギー変換手段を備え、圧力エネルギーを
有する作動流体を第1、第2エネルギー変換手段に入力
して前記圧力エネルギーを機械エネルギーに変換するこ
とにより、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発
生した機械エネルギーを統合して出力する膨張器として
機能することが可能であり、かつ機械エネルギーを第
1、第2エネルギー変換手段に入力して前記機械エネル
ギーを作動流体の圧力エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
作動流体の圧力エネルギーを統合して出力する圧縮器と
して機能することが可能である回転式流体機械におい
て、前記第1、第2エネルギー変換手段を備えたロータ
を回転自在に収納するロータチャンバの中心側に高圧か
つ高温の作動流体を配置し、前記ロータチャンバの外周
側に低圧かつ低温の作動流体を配置するようにする。
【0090】上記第12の構成によれば、ロータを回転
自在に収納するロータチャンバの中心側および外周側に
それぞれ高圧かつ高温の作動流体および低圧かつ低温の
作動流体を配置したので、ロータチャンバの中心側から
リークした高圧かつ高温の作動流体をロータチャンバの
外周側の低圧かつ低温の作動流体で捕捉回収し、リーク
した前記高圧かつ高温の作動流体を無駄なく利用して回
転式流体機械全体の効率を高めることができる。しかも
ロータチャンバの外周側に低圧かつ低温の作動流体を配
置したので、ロータチャンバから外部への作動流体のリ
ークを防止するためのシールが容易になると共に、ロー
タチャンバから外部への熱のリークを防止するための断
熱が容易になる。
【0091】また前記第10〜第12のいずれかの構成
に加えて、前記第1エネルギー変換手段は、ロータチャ
ンバの内部に回転自在に収容されたロータに放射状に形
成されたシリンダと、このシリンダ内を摺動するピスト
ンとから構成され、前記第2エネルギー変換手段は、ロ
ータから放射方向に出没し、その外周面がロータチャン
バの内周面に摺接するベーンから構成されるようにす
る。
【0092】上記第13の構成によれば、第1エネルギ
ー変換手段を、ロータチャンバの内部に回転自在に収容
されたロータに放射状に形成されたシリンダと、このシ
リンダ内を摺動するピストンとから構成したので、高圧
の作動流体のシール性を高めてリークによる効率低下を
最小限に抑えることができ、また第2エネルギー変換手
段を、ロータに放射方向移動自在に支持されてロータチ
ャンバの内周面に摺接するベーンから構成したので、圧
力エネルギーおよび機械エネルギーの変換機構の構造が
簡単であり、コンパクトな構造でありながら大流量の作
動流体を処理できる。このように、ピストンおよびシリ
ンダを持つ第1エネルギー変換手段とベーンを持つ第2
エネルギー変換手段とを組み合わせたことにより、両者
の特長を兼ね備えた高性能な回転式流体機械を得ること
ができる。
【0093】ところで、前記特開昭58−48076号
公報に開示されたものは、膨張器として単純なベーンモ
ータを用いているため、蒸発器で発生した高温高圧蒸気
のエネルギーを膨張器で効率良く機械エネルギーに変換
することが難しいという問題があった。
【0094】従って、ランキンサイクル装置の膨張器の
効率を高め、高温高圧蒸気のエネルギーを効率的に機械
エネルギーに変換することが望ましい。
【0095】そこで、以上説明した本実施例では、内燃
機関1の排気ガスの熱エネルギーで水を加熱して高温高
圧蒸気を発生する蒸発器3と、蒸発器3から供給された
高温高圧蒸気を一定トルクの軸出力に変換する膨張器4
と、膨張器4が排出した降温降圧蒸気を液化する凝縮器
5と、凝縮器5で液化された水を蒸発器3に供給する供
給ポンプ6とから構成されるランキンサイクルにおい
て、その膨張器4として容積型のものを採用している。
この容積型の膨張器4は、タービンのような非容積型の
膨張器に比べて、低速から高速までの広い回転数領域に
おいて高い効率でエネルギー回収を行うことが可能であ
るばかりか、内燃機関1の回転数の増減に伴う排気ガス
の熱エネルギーの変化(排気ガスの温度変化や流量変
化)に対する追従性や応答性にも優れている。しかも膨
張器4を、シリンダ部材39およびピストン41から構
成される第1エネルギー変換手段と、ベーン42から構
成される第2エネルギー変換手段とを直列に接続して半
径方向内外に配置した二重膨張型としたので、膨張器4
を小型軽量化してスペース効率の向上を図りながらラン
キンサイクルによる熱エネルギーの回収効率を更に向上
させることができる。
【0096】即ち、原動機の廃熱で水を加熱して発生し
た高温高圧蒸気の圧力エネルギーを機械エネルギーに変
換し、その結果発生した降温降圧蒸気を復水して再度前
記廃熱で加熱するランキンサイクル装置に設けられ、圧
力エネルギーを機械エネルギーに変換する容積型の膨張
器よりなる回転式流体機械において、前記膨張器は少な
くとも第1エネルギー変換手段および第2エネルギー変
換手段を備え、圧力エネルギーを第1、第2エネルギー
変換手段に入力して機械エネルギーに変換することによ
り、第1、第2エネルギー変換手段がそれぞれ発生した
機械エネルギーを統合して出力するようにする。
【0097】上記第14の構成によれば、原動機の廃熱
で水を加熱して発生した高温高圧蒸気の圧力エネルギー
を機械エネルギーに変換し、その結果発生した降温降圧
蒸気を液化して再度前記廃熱で加熱するランキンサイク
ル装置において、圧力エネルギーを機械エネルギーに変
換する膨張器を容積型のもので構成したので、タービン
のような非容積型の膨張器に比べて、低速から高速まで
の広い回転数領域において高い効率でエネルギー回収を
行い、ランキンサイクルによる熱エネルギーの回収効率
を更に向上させることが可能となり、しかも原動機の回
転数の増減に伴う廃熱のエネルギーの変化に対する追従
性や応答性にも優れている。更に前記容積型の膨張器は
第1エネルギー変換手段の出力および第2エネルギー変
換手段の出力を統合して出力するので、高温高圧蒸気の
圧力エネルギーを無駄なく機械エネルギーに変換できる
だけでなく、膨張器を小型軽量化してスペース効率の向
上を図ることができる。
【0098】また上記第14の構成に加えて、前記第1
エネルギー変換手段は、ロータチャンバの内部に回転自
在に収納されたロータに放射状に形成されたシリンダ
と、このシリンダ内を摺動するピストンとから構成さ
れ、前記第2エネルギー変換手段は、ロータから放射状
に出没し、その外周面がロータチャンバの内周面に摺接
するベーンから構成されるようにする。
【0099】上記第15の構成によれば、第1エネルギ
ー変換手段を、ロータチャンバの内部に回転自在に収容
されたロータに放射状に形成されたシリンダと、このシ
リンダ内を摺動するピストンとから構成したので、高圧
の蒸気のシール性を高めてリークによる効率低下を最小
限に抑えることができる。また第2エネルギー変換手段
を、ロータに放射方向移動自在に支持されてロータチャ
ンバの内周面に摺接するベーンから構成したので、圧力
エネルギーおよび機械エネルギーの変換機構の構造が簡
単であり、コンパクトな構造でありながら大流量の蒸気
を処理できる。このように、ピストンおよびシリンダを
持つ第1エネルギー変換手段とベーンを持つ第2エネル
ギー変換手段とを組み合わせたことにより、両者の特長
を兼ね備えた高性能な回転式流体機械を得ることができ
る。
【0100】また上記第15の構成に加えて、ベーンお
よびピストンに連動するローラを設け、このローラをロ
ータチャンバを区画するケーシングに形成した非円形の
環状溝に係合させることにより、ピストンの往復運動と
ロータの回転運動とを相互に変換すると共に、ベーンの
外周面とロータチャンバの内周面との間隙を規制するよ
うにする。
【0101】上記第16の構成によれば、ロータチャン
バの内部で回転する少なくともロータに対して放射方向
に移動するベーンおよびピストンに連動するローラを設
け、このローラをロータチャンバを区画するケーシング
に形成した非円形の環状溝に係合させたので、ローラお
よび環状溝よりなる簡単な構造で、ピストンの往復運動
をロータの回転運動に変換することができ、しかもロー
ラの移動軌跡を環状溝で案内することにより、ベーンの
外周面とロータチャンバの内周面との間隙を規制して異
常摩耗の発生やリークの発生を防止することができる。
【0102】また上記第14の構成に加えて、前記第
1、第2エネルギー変換手段を備えたロータを回転自在
に収納するロータチャンバの中心側に高温高圧蒸気を配
置し、前記ロータチャンバの外周側に降温降圧蒸気を配
置するようにする。
【0103】上記第17の構成によれば、ロータを回転
自在に収納するロータチャンバの中心側および外周側に
それぞれ高温高圧蒸気および降温降圧蒸気を配置したの
で、ロータチャンバの中心側からリークした高温高圧蒸
気をロータチャンバの外周側の降温降圧蒸気で捕捉回収
し、リークした前記高温高圧蒸気を無駄なく利用して回
転式流体機械全体の効率を高めることができる。しかも
ロータチャンバの外周側に降温降圧蒸気を配置したの
で、ロータチャンバから外部への蒸気のリークを防止す
るためのシールが容易になると共に、ロータチャンバか
ら外部への熱のリークを防止するための断熱が容易にな
る。
【0104】また上記第17の構成に加えて、前記第1
エネルギー変換手段は、ロータチャンバの内部に回転自
在に収納されたロータに放射状に形成されたシリンダ
と、このシリンダ内を摺動するピストンとから構成さ
れ、前記第2エネルギー変換手段は、ロータから放射状
に出没し、その外周面がロータチャンバの内周面に摺接
するベーンから構成されるようにする。
【0105】上記第18の構成によれば、第1エネルギ
ー変換手段を、ロータチャンバの内部に回転自在に収容
されたロータに放射状に形成されたシリンダと、このシ
リンダ内を摺動するピストンとから構成したので、高圧
の蒸気のシール性を高めてリークによる効率低下を最小
限に抑えることができる。また第2エネルギー変換手段
を、ロータに放射方向移動自在に支持されてロータチャ
ンバの内周面に摺接するベーンから構成したので、圧力
エネルギーおよび機械エネルギーの変換機構の構造が簡
単であり、コンパクトな構造でありながら大流量の蒸気
を処理できる。このように、ピストンおよびシリンダを
持つ第1エネルギー変換手段とベーンを持つ第2エネル
ギー変換手段とを組み合わせたことにより、両者の特長
を兼ね備えた高性能な回転式流体機械を得ることができ
る。
【0106】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0107】例えば、実施例では回転式流体機械として
膨張器4を例示したが、本発明は圧縮器としても適用す
ることができる。
【0108】また実施例の膨張器4では、先ず第1エネ
ルギー変換手段であるシリンダ部材39およびピストン
41に高温高圧蒸気を供給した後に、それが降温降圧し
た第1の降温降圧蒸気を第2エネルギー変換手段である
ベーン42に供給しているが、例えば、図2で示す第1
エネルギー変換手段からの第1の降温降圧蒸気を排出す
る通孔tと、中継チャンバ20とを連通または非連通と
し、更に中継チャンバ20にシェル型部材16を介して
第2エネルギー変換手段に独立して蒸気を個別に供給可
能とする手段を構成することにより、第1、第2エネル
ギー変換手段にそれぞれ温度および圧力の異なる蒸気を
個別に供給しても良い。更に、第1、第2エネルギー変
換手段のそれぞれ温度および圧力の異なる蒸気を個別に
供給すると共に、第1エネルギー変換手段を通過して降
温降圧した蒸気を更に第2エネルギー変換手段に供給し
ても良い。
【0109】また実施例はベーンピストンユニットU1
〜U12のベーン本体43にローラ59を設けている
が、ベーンピストンユニットU1〜U12の他の部分、
例えばピストン41にローラ59を設けても良い。
【0110】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、高圧側の
仕事をピストンに担当させるようにして、リーク損失の
抑制による効率向上を図り、一方、低圧側の仕事をベー
ンに担当させるようにして、大流量の処理を能率良く行
うようにした、膨脹機能および圧縮機能を持つ回転式流
体機械を提供することができる。
【0111】また請求項2記載の発明によれば、前記効
果に加え、ロータチャンバおよびベーン間のシール性を
大いに高めることができる。
【0112】さらに請求項3記載の発明によれば、前記
効果に加え、ロータチャンバに対するベーンの摺動に伴
うフリクションロスを軽減することができる。また従来
のものは、遠心力により各ベーンをロータチャンバ内周
面に押付けてシールを行う、つまりシール面圧がロータ
回転数に依存するが、請求項3記載の発明においては、
各ベーンの遠心力を各ローラによって受けるためシール
面圧はロータ回転数に依存せず、その結果、常に良好な
シール性と低フリクションとを両立させることができ
る。
【0113】さらにまた請求項4記載の発明によれば、
ロータチャンバおよびベーン間のシール性を大いに高め
たベーン式流体機械を提供することができる。
【0114】また請求項5記載の発明によれば、前記効
果に加え、ロータチャンバに対するベーンの摺動に伴う
フリクションロスを軽減することができる。また従来の
ものは、遠心力により各ベーンをロータチャンバ内周面
に押付けてシールを行う、つまりシール面圧がロータ回
転数に依存するが、請求項5記載の発明においては、各
ベーンの遠心力を各ローラによって受けるためシール面
圧はロータ回転数に依存せず、その結果、常に良好なシ
ール性と低フリクションとを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の廃熱回収装置の概略図である。
【図2】膨脹器の縦断面図で、図5の2−2線断面図に
相当する。
【図3】図2の回転軸線周りの拡大断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】要部を拡大した図2の5−5線断面図である。
【図6】ロータチャンバおよびロータの断面形状を示す
説明図である。
【図7】ベーン本体の正面図である。
【図8】ベーン本体の側面図である。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】シール部材の正面図である。
【図11】図4の回転軸線周りの拡大図である。
【符号の説明】
4………膨脹器 7………ケーシング 14……ロータチャンバ 31……ロータ 41……ピストン 42……ベーン 43……ベーン本体 44……シール部材 45……内周面 47……対向内端面 48……平行部 55……半円弧状部 56……平行部 59……ローラ 60……環状溝 A………仮想平面 B………断面 B1……半円形断面部 B2……四角形断面部 L………ロータ31の回転軸線、出力軸23の軸線 U1〜U12……第1〜第2ベーンピストンユニット g………直径

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータチャンバ(14)を有するケーシ
    ング(7)と、そのロータチャンバ(14)内に収容さ
    れたロータ(31)と、前記ロータ(31)に、その回
    転軸線(L)回りに放射状に配置されて放射方向に往復
    動自在である複数のベーンピストンユニット(U1〜U
    12)とを備え、各ベーンピストンユニット(U1〜U
    12)は、前記ロータチャンバ(14)内を摺動するベ
    ーン(42)と、そのベーン(42)の非摺動側に当接
    するピストン(41)とよりなり、膨脹器(4)として
    機能するときは、高圧流体の膨脹により前記ピストン
    (41)を作動させて動力変換装置を介し前記ロータ
    (31)を回転させると共に前記高圧流体の圧力降下に
    よる低圧流体の膨脹により前記ベーン(42)を介し前
    記ロータ(31)を回転させ、一方、圧縮機として機能
    するときは、前記ロータ(31)の回転により前記ベー
    ン(42)を介して低圧縮流体を前記ピストン(41)
    側に供給し、また前記ベーン(42)により前記ピスト
    ン(41)を作動させて前記低圧縮流体を高圧縮流体に
    変換することを特徴とする膨脹機能および圧縮機能を持
    つ回転式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記ロータ(31)の回転軸線(L)を
    含む仮想平面(A)における前記ロータチャンバ(1
    4)の断面(B)は、直径(g)を相互に対向させた一
    対の半円形断面部(B1)と、両直径(g)の一方の対
    向端相互および他方の対向端相互をそれぞれ結んで形成
    される四角形断面部(B2)とよりなり、各ベーン(4
    2)はベーン本体(43)と、そのベーン本体(43)
    に装着されて前記ロータチャンバ(14)にばね力を以
    て押圧されるシール部材(44)とよりなり、そのシー
    ル部材(44)は、前記ロータチャンバ(14)の前記
    半円形断面部(B1)による内周面(45)を摺動する
    半円弧状部(55)と、前記四角形断面部(B2)によ
    る対向内端面(47)をそれぞれ摺動する一対の平行部
    (56)とを有する、請求項1記載の膨脹機能および圧
    縮機能を持つ回転式流体機械。
  3. 【請求項3】 各ベーン本体(43)は、前記シール部
    材(44)の両平行部(56)に対応する一対の平行部
    (48)を有し、各ベーン本体(43)の先端面を前記
    ロータチャンバ(14)の前記内周面(45)から常時
    離間すべく、両平行部(48)に設けられたローラ(5
    9)を、前記ケーシング(7)の前記対向内端面(4
    7)に形成された両環状溝(60)にそれぞれ転動自在
    に係合させた、請求項2記載の膨脹機能および圧縮機能
    を持つ回転式流体機械。
  4. 【請求項4】 ロータチャンバ(14)を有するケーシ
    ング(7)と、そのロータチャンバ(14)内に収容さ
    れたロータ(31)と、前記ロータ(31)に、その回
    転軸線(L)回りに放射状に配置されて放射方向に往復
    動自在である複数のベーン(42)とを備え、前記ロー
    タ(31)の回転軸線(L)を含む仮想平面(A)にお
    ける前記ロータチャンバ(14)の断面(B)は、直径
    (g)を相互に対向させた一対の半円形断面部(B1)
    と、両直径(g)の一方の対向端相互および他方の対向
    端相互をそれぞれ結んで形成される四角形断面部(B
    2)とよりなり、各ベーン(42)はベーン本体(4
    3)と、そのベーン本体(43)に装着されて前記ロー
    タチャンバ(14)にばね力を以て押圧されるシール部
    材(44)とよりなり、そのシール部材(44)は、前
    記ロータチャンバ(14)の前記半円形断面部(B1)
    による内周面(45)を摺動する半円弧状部(55)
    と、前記四角形断面部(B2)による対向内端面(4
    7)をそれぞれ摺動する一対の平行部(56)とを有す
    ることを特徴とするベーン式流体機械。
  5. 【請求項5】 各ベーン本体(43)は、前記シール部
    材(44)の両平行部(56)に対応する一対の平行部
    (48)を有し、各ベーン本体(43)の先端面を前記
    ロータチャンバ(14)の前記内周面(45)から常時
    離間すべく、両平行部(48)に設けられたローラ(5
    9)を、前記ケーシング(7)の前記対向内端面(4
    7)に形成された両環状溝(60)にそれぞれ転動自在
    に係合させた、請求項4記載のベーン式流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US7083402B2 (en) 2002-12-20 2006-08-01 Honda Motor Co., Ltd. Rotating fluid machine
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KR101355267B1 (ko) 2010-08-17 2014-01-27 아르테미스 인텔리전트 파워 리미티드 멀티-로브형 링 캠을 구비한 유체 작동 기계
KR101609520B1 (ko) 2015-10-06 2016-04-20 한광식 에어충전장치

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