JP2000319725A - 加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法 - Google Patents
加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法Info
- Publication number
- JP2000319725A JP2000319725A JP11123548A JP12354899A JP2000319725A JP 2000319725 A JP2000319725 A JP 2000319725A JP 11123548 A JP11123548 A JP 11123548A JP 12354899 A JP12354899 A JP 12354899A JP 2000319725 A JP2000319725 A JP 2000319725A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- less
- temperature
- hardness
- spheroidizing annealing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 Si、Mnを低減して冷鍛性を高めBで焼入
性を補ったSCボロン鋼を用い、圧延条件、球状化焼な
まし条件を最適化することによって、冷間加工性および
高周波焼入性に優れた鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.50〜0.65%、
Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜0.6
5%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0003
〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05%、
S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜0.
05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび
不可避的不純物よりなる鋼を、加熱温度Ac3〜100
0℃以下に加熱して終始温度900℃以下で減面率30
%以上に圧延または鍛造した後、740〜765℃に加
熱し、725℃〜705℃の温度区間を徐冷温度域とし
て10℃/h以下の冷却速度で冷却して球状化焼なまし
処理して球状化焼なまし硬さ:80HRB以下とする冷
間加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法。
性を補ったSCボロン鋼を用い、圧延条件、球状化焼な
まし条件を最適化することによって、冷間加工性および
高周波焼入性に優れた鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.50〜0.65%、
Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜0.6
5%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0003
〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05%、
S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜0.
05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび
不可避的不純物よりなる鋼を、加熱温度Ac3〜100
0℃以下に加熱して終始温度900℃以下で減面率30
%以上に圧延または鍛造した後、740〜765℃に加
熱し、725℃〜705℃の温度区間を徐冷温度域とし
て10℃/h以下の冷却速度で冷却して球状化焼なまし
処理して球状化焼なまし硬さ:80HRB以下とする冷
間加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械構造用鋼とし
て使用される中炭素鋼で、冷間加工性および高周波焼入
性に優れた鋼の製造方法に関するものであり、特に歯
車、CVJ等の部品に使用する鋼の製造方法に関する。
て使用される中炭素鋼で、冷間加工性および高周波焼入
性に優れた鋼の製造方法に関するものであり、特に歯
車、CVJ等の部品に使用する鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生産工程の簡略化あるいは研磨代
の削減による生産コストの低減化を目指し、生産手段が
熱間鍛造から冷間鍛造へ移行している。その中で使用さ
れる材料も従来の合金鋼、炭素鋼に代わりSi、Mnを
低減しBで焼入性を補ったボロン鋼が使用されるように
なっている。例えば、特公平1−38847号公報、特
開平2−129341号公報に、Si、Mnの低減によ
り冷鍛性を向上させ、Bで焼入性を補った鋼が開示され
ている。しかしながら、これらは熱処理を含む製造条件
については検討しておらず、製造条件の最適化によって
加工性が更に改善されることは未知である。
の削減による生産コストの低減化を目指し、生産手段が
熱間鍛造から冷間鍛造へ移行している。その中で使用さ
れる材料も従来の合金鋼、炭素鋼に代わりSi、Mnを
低減しBで焼入性を補ったボロン鋼が使用されるように
なっている。例えば、特公平1−38847号公報、特
開平2−129341号公報に、Si、Mnの低減によ
り冷鍛性を向上させ、Bで焼入性を補った鋼が開示され
ている。しかしながら、これらは熱処理を含む製造条件
については検討しておらず、製造条件の最適化によって
加工性が更に改善されることは未知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Si、Mnを低減して
冷鍛性を高めBで焼入性を補ったSCボロン鋼を用い、
圧延条件、球状化焼なまし条件を最適化することによっ
て、冷間加工性および高周波焼入性に優れた鋼を提供す
ることである。
冷鍛性を高めBで焼入性を補ったSCボロン鋼を用い、
圧延条件、球状化焼なまし条件を最適化することによっ
て、冷間加工性および高周波焼入性に優れた鋼を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、重量%で、C:0.50〜0.6
5%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜
0.65%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0
003〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05
%、S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜
0.05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物よりなる鋼を、加熱温度Ac3〜1
000℃以下に加熱して終始温度900℃以下で減面率
30%以上に圧延または鍛造した後、740〜765℃
に加熱し、725℃〜705℃の温度区間を徐冷温度域
として10℃/h以下の冷却速度で冷却して球状化焼な
まし処理して球状化焼なまし硬さ:80HRB以下とす
ることを特徴とする冷間加工性および高周波焼入性に優
れた鋼の製造方法である。
めの本発明の手段は、重量%で、C:0.50〜0.6
5%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜
0.65%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0
003〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05
%、S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜
0.05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物よりなる鋼を、加熱温度Ac3〜1
000℃以下に加熱して終始温度900℃以下で減面率
30%以上に圧延または鍛造した後、740〜765℃
に加熱し、725℃〜705℃の温度区間を徐冷温度域
として10℃/h以下の冷却速度で冷却して球状化焼な
まし処理して球状化焼なまし硬さ:80HRB以下とす
ることを特徴とする冷間加工性および高周波焼入性に優
れた鋼の製造方法である。
【0005】以下に、本発明の上記の手段における各数
値の限定理由を説明する。先ず、鋼の組成割合の限定理
由を述べる。ただし、添加量を示す単位の%は重量%を
指すものとする。
値の限定理由を説明する。先ず、鋼の組成割合の限定理
由を述べる。ただし、添加量を示す単位の%は重量%を
指すものとする。
【0006】C:Cは機械構造用部品として焼入焼戻し
後の強度を確保するために必要な元素であり、0.50
%未満では強度、疲労強度、耐摩耗性および耐ピッチン
グ性が不十分であり、0.65%を超えると冷間加工性
を低下させると共に高周波焼入れ時に割れが発生する。
そのため、含有量を0.50〜0.65%とする。
後の強度を確保するために必要な元素であり、0.50
%未満では強度、疲労強度、耐摩耗性および耐ピッチン
グ性が不十分であり、0.65%を超えると冷間加工性
を低下させると共に高周波焼入れ時に割れが発生する。
そのため、含有量を0.50〜0.65%とする。
【0007】Si:Siは脱酸のため必要元素であり、
0.03%未満ではその効果が十分に得られず、0.1
5%を超えて含有させると加工性を低下させる。そのた
め、含有量を0.03〜0.15%とする。
0.03%未満ではその効果が十分に得られず、0.1
5%を超えて含有させると加工性を低下させる。そのた
め、含有量を0.03〜0.15%とする。
【0008】Mn:Mnは焼入性を確保するのに必要な
元素であり、0.10%未満ではその効果が充分に得ら
れず、0.65%を超えて含有させると加工性を低下さ
せる。そのため、含有量を0.10〜0.65%とす
る。
元素であり、0.10%未満ではその効果が充分に得ら
れず、0.65%を超えて含有させると加工性を低下さ
せる。そのため、含有量を0.10〜0.65%とす
る。
【0009】Cr:Crは、焼入性に寄与する元素であ
るが0.05%未満ではその効果が得られず、0.30
%を超えて含有させると、球状化焼鈍時に炭化物中への
濃縮が起こり、高周波焼入時に、炭化物が残留し、均一
な焼入硬さが得られない。そのため、含有量を0.05
〜0.30%とする。
るが0.05%未満ではその効果が得られず、0.30
%を超えて含有させると、球状化焼鈍時に炭化物中への
濃縮が起こり、高周波焼入時に、炭化物が残留し、均一
な焼入硬さが得られない。そのため、含有量を0.05
〜0.30%とする。
【0010】B:Bは、粒界強度を向上させ、かつ焼入
性を向上させる元素であり、0.0003%未満ではそ
の効果は十分ではなく、0.0035%を超えて含有さ
せると逆に焼入性を低下させる。そのため、含有量を
0.0003〜0.0035%とする。
性を向上させる元素であり、0.0003%未満ではそ
の効果は十分ではなく、0.0035%を超えて含有さ
せると逆に焼入性を低下させる。そのため、含有量を
0.0003〜0.0035%とする。
【0011】Ti:Tiは鋼中のfree−Nを固定し
てBの焼入性への効果を向上させる元素であり、0.0
2%未満ではその効果が充分に得られず、0.05%を
超えても鋼中のN量が0.01%以下と規定するため
に、その効果は飽和する。そのため、含有量を0.02
%〜0.05%とする。
てBの焼入性への効果を向上させる元素であり、0.0
2%未満ではその効果が充分に得られず、0.05%を
超えても鋼中のN量が0.01%以下と規定するため
に、その効果は飽和する。そのため、含有量を0.02
%〜0.05%とする。
【0012】S:Sは、MnS、TiSとなり、被削性
を改善する元素であるが0.003%未満ではその効果
が十分に得られず、0.03%を超えると冷間加工性を
低下させる。そのため含有量を0.003〜0.03%
とする。
を改善する元素であるが0.003%未満ではその効果
が十分に得られず、0.03%を超えると冷間加工性を
低下させる。そのため含有量を0.003〜0.03%
とする。
【0013】Al:Alは、脱酸材として必要な元素で
あり、0.005%未満ではその効果は十分ではなく、
0.05%を超えて含有させるとアルミナ系酸化物が増
加し、疲労特性、加工性を低下させる。そのため含有量
は、0.005〜0.05%とする。
あり、0.005%未満ではその効果は十分ではなく、
0.05%を超えて含有させるとアルミナ系酸化物が増
加し、疲労特性、加工性を低下させる。そのため含有量
は、0.005〜0.05%とする。
【0014】N:Nは0.01%を超えて含有するとT
iNが増加し、疲労特性に悪影響を及ぼす。そのため、
含有量を0.01%以下とする。
iNが増加し、疲労特性に悪影響を及ぼす。そのため、
含有量を0.01%以下とする。
【0015】次いで、圧延または鍛造条件の限定理由を
説明する。Ac3点の温度以上に加熱する理由は、炭化
物やフェライトを残さず均質にオーステナイト化するた
めであり、フェライトが残留した場合、圧延または鍛造
後の組織において均質なフェライト粒度の組織が得られ
ず、焼入焼戻し処理後に熱処理歪みが大きくなる。また
1000℃以上の加熱温度になると、圧延時のオーステ
ナイト結晶粒が大きくなり、圧延後のフェライト量を減
少させ、球状化焼なまし後の硬さを高くする。そのた
め、圧延時の加熱温度をAc3〜1000℃とする。ま
た、終了温度が900℃以上になることによっても圧延
後のフェライト量が減少し、球状化焼なまし後の硬さを
高くする。そのため、終始温度を900℃以下とする。
減面率については、30%以下ではフェライトの生成量
が減少し加工性が低下する。
説明する。Ac3点の温度以上に加熱する理由は、炭化
物やフェライトを残さず均質にオーステナイト化するた
めであり、フェライトが残留した場合、圧延または鍛造
後の組織において均質なフェライト粒度の組織が得られ
ず、焼入焼戻し処理後に熱処理歪みが大きくなる。また
1000℃以上の加熱温度になると、圧延時のオーステ
ナイト結晶粒が大きくなり、圧延後のフェライト量を減
少させ、球状化焼なまし後の硬さを高くする。そのた
め、圧延時の加熱温度をAc3〜1000℃とする。ま
た、終了温度が900℃以上になることによっても圧延
後のフェライト量が減少し、球状化焼なまし後の硬さを
高くする。そのため、終始温度を900℃以下とする。
減面率については、30%以下ではフェライトの生成量
が減少し加工性が低下する。
【0016】ついで球状化焼鈍条件の限定理由を説明す
る。加熱温度について:良好な球状化組織を得るために
は、オーステナイトと球状化した残留炭化物の二相域に
加熱する必要がある。加熱温度が740℃未満では、炭
化物の分断が不十分であり、球状化焼鈍後にラメラーパ
ーライトが残留し、良好な球状化組織が得られず、77
0℃を超える温度に加熱すると残留炭化物が無くなり、
冷却時にラメラーパーライトが析出する。そのため、加
熱温度を740〜770℃とする。
る。加熱温度について:良好な球状化組織を得るために
は、オーステナイトと球状化した残留炭化物の二相域に
加熱する必要がある。加熱温度が740℃未満では、炭
化物の分断が不十分であり、球状化焼鈍後にラメラーパ
ーライトが残留し、良好な球状化組織が得られず、77
0℃を超える温度に加熱すると残留炭化物が無くなり、
冷却時にラメラーパーライトが析出する。そのため、加
熱温度を740〜770℃とする。
【0017】徐冷温度区間について:良好な球状化組織
を得るためには、炭化物の析出が起こる温度区間を徐冷
することにより、ラメラーパーライトの析出を抑制し、
残留炭化物を成長させる必要があるが、725℃より高
い温度では、炭化物の析出は、ほとんど起こらず、70
5℃で析出が終了する。そのため、徐冷区間を725〜
705℃とする。また、徐冷温度区間以外の区間、すな
わち上記の加熱温度から725℃までの温度区間、ある
いは705℃から常温までの間の区間の冷却速度は規定
するものではなく任意の速度で良いが、工業生産性の間
題からできる限り早くした方が好ましい。
を得るためには、炭化物の析出が起こる温度区間を徐冷
することにより、ラメラーパーライトの析出を抑制し、
残留炭化物を成長させる必要があるが、725℃より高
い温度では、炭化物の析出は、ほとんど起こらず、70
5℃で析出が終了する。そのため、徐冷区間を725〜
705℃とする。また、徐冷温度区間以外の区間、すな
わち上記の加熱温度から725℃までの温度区間、ある
いは705℃から常温までの間の区間の冷却速度は規定
するものではなく任意の速度で良いが、工業生産性の間
題からできる限り早くした方が好ましい。
【0018】徐冷速度について:725〜705℃の温
度区間を10℃/hより早い速度で冷却すると、冷却中
にラメラーパーライトが析出し、良好な球状化組織が得
られない。そのため、徐冷速度を10℃/h以下とす
る。
度区間を10℃/hより早い速度で冷却すると、冷却中
にラメラーパーライトが析出し、良好な球状化組織が得
られない。そのため、徐冷速度を10℃/h以下とす
る。
【0019】硬さについて:球状化焼鈍後の硬さが80
HRBを超える場合、冷間鍛造時に割れが発生すると共
に、金型の寿命を著しく低下させ生産性を阻害する。そ
のため、球状化焼鈍後の硬さを80HRB以下とする。
HRBを超える場合、冷間鍛造時に割れが発生すると共
に、金型の寿命を著しく低下させ生産性を阻害する。そ
のため、球状化焼鈍後の硬さを80HRB以下とする。
【0020】
【発明の実施の形態】鋼組成が、C:0.50〜0.6
5%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜
0.65%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0
003〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05
%、S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜
0.05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物よりなる鋼を溶製したのち造塊し、
分塊圧延および製品圧延し、得られた鋼材を加熱温度A
c3〜1000℃以下に加熱して終始温度900℃以下
で減面率30%以上に圧延または鍛造する。さらに74
0〜765℃に加熱し、725℃〜705℃の温度区間
を徐冷温度域として10℃/h以下の冷却速度で冷却し
て球状化焼なまし処理する。この結果、球状化焼なまし
硬さ:80HRB以下の冷間加工性および高周波焼入性
に優れた鋼が製造できた。
5%、Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜
0.65%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0
003〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05
%、S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜
0.05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物よりなる鋼を溶製したのち造塊し、
分塊圧延および製品圧延し、得られた鋼材を加熱温度A
c3〜1000℃以下に加熱して終始温度900℃以下
で減面率30%以上に圧延または鍛造する。さらに74
0〜765℃に加熱し、725℃〜705℃の温度区間
を徐冷温度域として10℃/h以下の冷却速度で冷却し
て球状化焼なまし処理する。この結果、球状化焼なまし
硬さ:80HRB以下の冷間加工性および高周波焼入性
に優れた鋼が製造できた。
【0021】
【実施例】表1に示す化学成分組成の供試鋼(比較鋼1
〜3、発明鋼4〜7)をそれぞれ100kg真空溶解炉
にて溶製し、930℃に加熱した後、φ150mmから
熱間にてφ30mmに圧延した。圧延終了温度は830
℃とした。圧延材を球状化焼鈍し、この球状化焼鈍した
材料をロックウェル硬度計により硬さを測定した。ま
た、高周波焼入性についてはφ30mmの圧延材を球状
化焼鈍後にφ20mm×100mm長さの試験片に加工
し、この試験片に周波数150KHz、プレート電圧
5.3kV、プレート電流6.9A、グリッド電流1.
5Aで移動速度160mm/minの条件で焼入れを
し、ビッカース硬度計にて有効硬化層深さ(有効硬さ:
500HV)を測定した。
〜3、発明鋼4〜7)をそれぞれ100kg真空溶解炉
にて溶製し、930℃に加熱した後、φ150mmから
熱間にてφ30mmに圧延した。圧延終了温度は830
℃とした。圧延材を球状化焼鈍し、この球状化焼鈍した
材料をロックウェル硬度計により硬さを測定した。ま
た、高周波焼入性についてはφ30mmの圧延材を球状
化焼鈍後にφ20mm×100mm長さの試験片に加工
し、この試験片に周波数150KHz、プレート電圧
5.3kV、プレート電流6.9A、グリッド電流1.
5Aで移動速度160mm/minの条件で焼入れを
し、ビッカース硬度計にて有効硬化層深さ(有効硬さ:
500HV)を測定した。
【0022】
【表1】
【0023】球状化焼きなまし処理条件における最高点
温度の影響について:No.4の鋼を用い、徐冷区間7
25〜705℃、冷却速度8℃/hとし、球状化焼きな
まし処理の最高点温度を変化させたときの硬さ測定結果
を図1に示す。図1から最高点温度740〜770の間
で最も硬さが低下することが判る。
温度の影響について:No.4の鋼を用い、徐冷区間7
25〜705℃、冷却速度8℃/hとし、球状化焼きな
まし処理の最高点温度を変化させたときの硬さ測定結果
を図1に示す。図1から最高点温度740〜770の間
で最も硬さが低下することが判る。
【0024】球状化焼きなまし処理条件における冷却速
度の影響について:No.4の鋼を用い、最高温度を7
60℃とし、760〜680℃の温度域の冷却速度を変
化させたときの硬さ測定結果を図2に示す。図2から冷
却速度10℃/hで硬さの低下はほぼ飽和することが判
る。
度の影響について:No.4の鋼を用い、最高温度を7
60℃とし、760〜680℃の温度域の冷却速度を変
化させたときの硬さ測定結果を図2に示す。図2から冷
却速度10℃/hで硬さの低下はほぼ飽和することが判
る。
【0025】球状化焼きなまし処理条件における徐冷区
間の影響について:No.4の鋼を用い、最高温度を7
60℃とし、冷却速度を8℃/hとし徐冷区間を変化さ
せたときの硬さ測定結果を表2に示す。表2から725
〜705℃を徐冷することによって硬さは低下し、時間
短縮が可能であることが判る。
間の影響について:No.4の鋼を用い、最高温度を7
60℃とし、冷却速度を8℃/hとし徐冷区間を変化さ
せたときの硬さ測定結果を表2に示す。表2から725
〜705℃を徐冷することによって硬さは低下し、時間
短縮が可能であることが判る。
【0026】
【表2】
【0027】比較鋼および開発鋼の球状化焼鈍後の硬さ
と高周波焼入性試験結果を表3に示す。球状化焼鈍条
件:最高点温度760℃、徐冷区間725〜705℃、
冷却速度8℃/hで熱処理した。本発明の開発鋼は80
HRBを満足し、比較鋼に対し同等以上の高周波焼入性
を有することが判る。
と高周波焼入性試験結果を表3に示す。球状化焼鈍条
件:最高点温度760℃、徐冷区間725〜705℃、
冷却速度8℃/hで熱処理した。本発明の開発鋼は80
HRBを満足し、比較鋼に対し同等以上の高周波焼入性
を有することが判る。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】以上説明したとおり、Si、Mnを低減
して冷鍛性を高めBで焼入性を補ったSCボロン鋼を用
い、圧延条件、球状化焼なまし条件を最適化したので、
冷間鍛造時に割れが発生することなく、金型の寿命を著
しく低下させて生産性を阻害することもない冷間加工性
および高周波焼入性に優れた鋼を得ることができ、工業
的に安定して高品質の歯車、CVJ等の部品などの機械
部品の製造に寄与するこができる優れた効果を奏する。
して冷鍛性を高めBで焼入性を補ったSCボロン鋼を用
い、圧延条件、球状化焼なまし条件を最適化したので、
冷間鍛造時に割れが発生することなく、金型の寿命を著
しく低下させて生産性を阻害することもない冷間加工性
および高周波焼入性に優れた鋼を得ることができ、工業
的に安定して高品質の歯車、CVJ等の部品などの機械
部品の製造に寄与するこができる優れた効果を奏する。
【図1】球状化焼きなまし処理のヒートパターンにおけ
る徐冷区間725〜705℃、冷却速度8℃/hとした
ときの、球状化焼きなまし処理の最高点温度と硬さとの
関係を示す図である。
る徐冷区間725〜705℃、冷却速度8℃/hとした
ときの、球状化焼きなまし処理の最高点温度と硬さとの
関係を示す図である。
【図2】球状化焼きなまし処理のヒートパターンにおけ
る最高温度を760℃とし、760〜680℃の温度域
の冷却速度を変化させたときの硬さとの関係を示す図で
ある。
る最高温度を760℃とし、760〜680℃の温度域
の冷却速度を変化させたときの硬さとの関係を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA06 AA11 AA16 AA19 AA21 AA27 AA29 AA31 AA35 BA02 CA01 CB02 CC03 CD01
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.50〜0.65%、
Si:0.03〜0.15%、Mn:0.10〜0.6
5%、Cr:0.05〜0.30%、B:0.0003
〜0.0035%、Ti:0.020〜0.05%、
S:0.003〜0.30%、Al:0.005〜0.
05%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび
不可避的不純物よりなる鋼を、加熱温度Ac3〜100
0℃以下に加熱して終了温度900℃以下で減面率30
%以上に圧延または鍛造した後、740〜765℃に加
熱し、725℃〜705℃の温度区間を徐冷温度域とし
て10℃/h以下の冷却速度で冷却して球状化焼なまし
処理して球状化焼なまし硬さ:80HRB以下とするこ
とを特徴とする冷間加工性および高周波焼入性に優れた
鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11123548A JP2000319725A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11123548A JP2000319725A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000319725A true JP2000319725A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=14863336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11123548A Pending JP2000319725A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000319725A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131907A (ja) * | 2005-11-09 | 2007-05-31 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法 |
JP2014201812A (ja) * | 2013-04-08 | 2014-10-27 | 株式会社神戸製鋼所 | 冷間鍛造用鋼の製造方法 |
US9039962B2 (en) | 2010-03-30 | 2015-05-26 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for induction hardening, roughly shaped material for induction hardening, producing method thereof, and induction hardening steel part |
-
1999
- 1999-04-30 JP JP11123548A patent/JP2000319725A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007131907A (ja) * | 2005-11-09 | 2007-05-31 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法 |
JP4632931B2 (ja) * | 2005-11-09 | 2011-02-16 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法 |
US9039962B2 (en) | 2010-03-30 | 2015-05-26 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for induction hardening, roughly shaped material for induction hardening, producing method thereof, and induction hardening steel part |
US9890446B2 (en) | 2010-03-30 | 2018-02-13 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for induction hardening roughly shaped material for induction hardening |
JP2014201812A (ja) * | 2013-04-08 | 2014-10-27 | 株式会社神戸製鋼所 | 冷間鍛造用鋼の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4435954B2 (ja) | 冷間鍛造用棒線材とその製造方法 | |
CN110863158B (zh) | 一种高性能Mn-Cr系风电输出齿轮用钢及其生产方法 | |
CN110846580B (zh) | 一种高Mo高性能Mn-Cr系风电输出齿轮用钢及其生产方法 | |
JP4808828B2 (ja) | 高周波焼入れ用鋼及び高周波焼入れ鋼部品の製造方法 | |
JP2001240940A (ja) | 冷間鍛造用棒線材とその製造方法 | |
EP3715478A1 (en) | Wire rod for cold heading, processed product using same, and manufacturing method therefor | |
JP2000313919A (ja) | 耐硫化物割れ性に優れた高強度油井用鋼材の製造方法 | |
JP4219023B2 (ja) | 高強度ドライブシャフトとその製造方法 | |
JPH11236644A (ja) | 高強度特性と低熱処理歪み特性に優れた高周波焼入れ用鋼材とその製造方法 | |
JP3606024B2 (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
JP2004027334A (ja) | 高周波焼もどし用鋼およびその製造方法 | |
JP3842888B2 (ja) | 冷間加工性と高強度特性を兼備した高周波焼入れ用鋼材の製造方法 | |
JP4061003B2 (ja) | 高周波焼入れ性と冷鍛性に優れた冷間鍛造用棒線材 | |
JP3288563B2 (ja) | 被削性および耐焼割れ性に優れた機械構造用鋼材およびその製造方法 | |
JPH11181542A (ja) | 冷間加工性と高周波焼入れ性に優れた高周波焼入れ用鋼材とその製造方法 | |
JP5601861B2 (ja) | ボロン鋼圧延焼鈍鋼板の製造法 | |
JP7229827B2 (ja) | 高炭素鋼板の製造方法 | |
JP3644217B2 (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
JP2000319725A (ja) | 加工性および高周波焼入性に優れた鋼の製造方法 | |
JP3833388B2 (ja) | 冷間加工性及び強度に優れた等速ジョイントの製造方法 | |
JP2004124190A (ja) | ねじり特性に優れる高周波焼もどし鋼 | |
JP2002146438A (ja) | 冷間加工性および結晶粒度特性に優れる肌焼鋼の製造方法 | |
JPH1088237A (ja) | 高炭素冷延鋼帯の製造方法 | |
JP7329780B2 (ja) | 冷延鋼板および鋼製部品 | |
CN114651080B (zh) | 曲轴和曲轴用坯料的制造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060725 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061205 |