JPH1088237A - 高炭素冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents

高炭素冷延鋼帯の製造方法

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JPH1088237A
JPH1088237A JP26351696A JP26351696A JPH1088237A JP H1088237 A JPH1088237 A JP H1088237A JP 26351696 A JP26351696 A JP 26351696A JP 26351696 A JP26351696 A JP 26351696A JP H1088237 A JPH1088237 A JP H1088237A
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JP
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annealing
point
steel strip
temperature
hot
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JP26351696A
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Inventor
Kiyoshi Fukui
清 福井
Noriyuki Honjo
法之 本庄
Hideaki Miyazaki
秀明 宮崎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性、焼入れ性に優れた高炭素冷間鋼帯を
連続焼鈍法を活用して製造する。 【解決手段】 所定化学成分の高炭素鋼片を、通常の熱
間圧延、酸洗脱スケール後、20〜100℃/hrの加
熱速度でAc1点〜(Ac1点+30℃)の温度に加熱
し、この温度で1〜12hr均熱後、10〜50℃/h
rの冷却速度で650〜700℃まで冷却したのち、室
温まで50℃/hr以上の冷却速度で炉冷し、引続き2
0〜60%の圧下率で冷間圧延した後、連続焼鈍により
(Ac1点−50℃)〜Ac1点の温度範囲で10〜1
80secの均熱を行って仕上焼鈍することによって、
高品質で加工性や焼入れ性に優れ、座金、クラッチ部
品、チェーン部品、バネ、刃物、事務機等の用途に適し
た高炭素冷間鋼帯を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刃物、ワッシャ
ー、バネ、自動車部品、編み針、その他の機械部品の素
材として使用される軟質で、良好な加工特性を有する高
炭素冷延鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に刃物、ゼンマイ、ワッシャー、バ
ネ、シートベルト金具、その他の機械部品は、JIS
G 3311に規定のみがき特殊鋼帯である高炭素冷延
鋼帯を素材とし、打抜き、曲げ、プレス加工、切削等の
加工工程と、焼入れ、焼戻し、その他の熱処理工程とを
経て製造される。その製品品質の向上、安定化、製造コ
ストの低減を図るには、素材の高炭素冷延鋼帯の板厚そ
のままで製品となることが殆どで、板厚精度に優れてい
ることが要求されると共に、軟質で加工性がよく、かつ
組織の均一性に優れていることが必要である。
【0003】しかし、炭素冷延鋼帯は、一般にフェライ
トおよびパーライト組織からなり、伸びが小さいため、
曲げ加工、プレス加工時に割れが生じ易い。このため、
高炭素冷延鋼帯は、板厚精度の向上と軟質化を目的とし
て、熱延鋼帯を酸洗したのち、一般に箱焼鈍(熱延板焼
鈍)が施され、冷間圧延されるが、また、必要に応じ
て、焼鈍後に冷間圧延を行い、引続き箱焼鈍による仕上
焼鈍を行って冷延鋼帯とすることもある。
【0004】しかし、上記の方法は、いずれの工程にお
いても焼鈍前後の搬送中にコイル内で巻姿にズレが発生
し、重大な疵欠陥を生じる場合がある。これらの疵欠陥
は、コイルの状態での搬送により生じるものであり、連
続焼鈍へのプロセス変更ができれば、これら疵欠陥の防
止が期待できる。
【0005】高炭素熱延鋼帯の連続焼鈍法としては、高
炭素熱延鋼帯を球状化連続焼鈍するに際し、加熱速度:
3〜20℃/secで730〜770℃まで昇温、保定
時間10sec〜3minの保定後、5℃/sec以下
の冷却速度で650℃以下まで冷却する方法(特開平7
−41865号公報)が提案されているが、この方法で
は、セメンタイトの球状化率が低く、成形性が悪いとい
う問題点を有している。
【0006】このことから、高炭素鋼板におけるセメン
タイト球状化は、長時間を必要とし、連続焼鈍の適用は
非常に困難であるとされていた。しかし、「鉄と鋼」第
77年(1991)第12号、P2147〜2154の
「高炭素冷延鋼板の再結晶挙動に及ぼす炭素量と炭化物
分散形態の影響」に示されるように、セメンタイトが球
状化された状態では、冷間圧延後の焼鈍における回復再
結晶は比較的低い温度で生じる。そこで、冷間圧延後の
焼鈍における回復再結晶には、連続焼鈍の適用が可能と
なる。
【0007】上記の点に着目した発明としては、高炭素
熱延鋼帯を20〜40%の圧下率で冷間圧延した後、連
続焼鈍炉の均熱帯域で650℃以上Ac1点以下の温度
にて均熱し、600℃まで3℃/min以上25℃/m
in以下の冷却速度で冷却して球状化処理を行ったの
ち、通常の冷間圧延と650〜730℃の温度で5mi
n以内均熱保持する連続焼鈍とをそれぞれ1回以上繰り
返して再結晶を行わせる方法(特公昭54−32410
号公報)、高炭素熱延鋼帯を連続焼鈍炉の均熱帯域でA
e1点〜(Ae1点+70℃)の温度にて均熱し、(A
r1点−30℃)にまで3℃/min〜20℃/min
の冷却速度で冷却して球状化処理を行った後、通常の冷
間圧延と650〜730℃の温度で5min以内均熱保
持する連続焼鈍とをそれぞれ1回以上繰り返して再結晶
を行わせる方法(特公昭55−1970号公報)、Ac
1点以上の温度で均熱する焼鈍により、セメンタイトの
球状化率を高めて成形性を向上させる方法(特開平4−
202629号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭54−32
410号公報に開示の方法は、セメンタイトの球状化を
箱焼鈍から連続焼鈍に変更したもので、セメンタイトの
球状化が不十分で軟質性に欠ける。また、特公昭55−
1970号公報に開示の方法は、セメンタイトを球状化
し、続く冷間圧延の後の回復再結晶を連続焼鈍により行
うものであるが、3〜20℃/minのゆっくりした冷
却速度が必要で、長大な徐冷帯域が必要となり、非効率
的である。さらに、特開平4−202629号公報に開
示の方法は、良好な球状化組織を有するが、焼鈍時間が
長いために生産性が低く、また、バッチ焼鈍のためにコ
イル半径方向での機械的特性が変動するという問題点を
有している。
【0009】一方、CAMP−ISIJ Vol.6
(1993)、P1705には、高炭素鋼板をAc1点
直下の温度域に加熱焼鈍後、急冷した際には固溶Cが増
大することが示されている。このため、高炭素鋼板をA
c1点直下の温度域に加熱焼鈍後、急冷する方法では、
降伏伸びの増大によって、絞り、曲げ加工に対して弊害
を伴う。そこで、Ac1直下の温度域から急冷しても、
固溶Cが抑制できる鋼種、プロセスが必要となってい
た。以上のように、高炭素冷延鋼帯の連続焼鈍技術は、
これまでに十分確立されたものとは言い難い。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、高炭素鋼板をAc1点直下の温度域に加熱焼鈍
後、Ac1点直下の温度域から急冷しても、固溶Cが抑
制できる高炭素冷間鋼帯の製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:0.30
〜1.00%、Si:0.01〜0.30%、Mn:
0.20〜1.50%、Sol.Al:0.005〜
0.050%、N:0.050%以下を含み、さらに
V:0.03〜0.10%を含有し、残部が実質的にF
eおよび不可避的不純物からなる高炭素鋼片を、通常の
熱間圧延、酸洗脱スケール後、20〜100℃/hrの
加熱速度でAc1点〜(Ac1点+30℃)に加熱し、
この温度で1〜12hr均熱後、10〜50℃/hrの
冷却速度で650〜700℃まで冷却したのち、室温ま
で50℃/hr以上の冷却速度で炉冷し、引続き20〜
60%の圧下率で冷間圧延した後、連続焼鈍により(A
c1点−50℃)〜Ac1点の温度範囲で10〜180
secの均熱を行って仕上焼鈍することとしている。こ
のように、Vを所定量添加した高炭素熱延鋼帯を箱焼鈍
による球状化焼鈍をおこなったのち、20〜60%の圧
下率で冷間圧延し、Ac1点直下の温度域で10〜18
0secの均熱を行って連続仕上焼鈍することによっ
て、Ac1点直下の温度域から急冷しても、固溶Cが抑
制でき、スリット時の曲げ加工における表面皺の発生を
防止することができ、加工性、焼入れ性に優れた高炭素
冷間鋼帯を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に使用される高炭素鋼の
成分限定理由は、以下の通りである。Cは鋼に強度、焼
入れ性、耐摩耗性等を付与する作用を有する元素である
が、0.30%未満では焼入れ焼戻し後の硬度がロック
ウェル硬さ(HRC)30以上を確保できず、また、
1.00%を超えると、セメンタイトを良好に球状化し
たとしても、連続仕上焼鈍における再結晶に遅れが生
じ、軟質化が困難となるので、0.30〜1.00%と
した。
【0013】Siは溶製工程での脱酸材として添加する
元素であるが、0.01%未満では脱酸効果が十分では
なく、また、0.30%を超えると脱酸能力が飽和し、
かつ固溶硬化により素材の硬度が上昇して成形性を阻害
するため、0.01〜0.30%とした。
【0014】Mnは強度、焼入れ性を向上させ、焼戻し
軟化抵抗を向上させることにより、硬度−靭性バランス
を高める元素であるが、0.2%未満では前記の効果を
得ることができず、また、1.5%を超えるとセメンタ
イト中に固溶し、セメンタイトの球状化を阻害すると共
に、その固溶により伸びの低下を招くので、0.2〜
1.5%とした。
【0015】Sol.AlはSiと同様溶製工程での脱
酸材として添加する元素であるが、0.005%未満で
は脱酸効果が十分で、鋼中に欠陥を生じる可能性があ
り、また、0.050%を超えると鋼中NとAlN介在
物を形成し、連続仕上焼鈍時にフェライト粒成長が阻害
され、さらに、連続鋳造においてもAlN介在物に起因
するスラブ割れ等の欠陥を生じるので、0.005〜
0.050%とした。
【0016】Nは鋼中AlとAlN介在物を形成し、連
続仕上焼鈍時にフェライト粒成長が阻害され、さらに、
連続鋳造においてもAlN介在物に起因するスラブ割れ
等の欠陥を生じるので、少ない方が好ましいが、連続鋳
造時の表面疵防止と、N自体の固溶硬化による伸びの低
下の観点から、0.0050%以下とした。
【0017】Vは450〜600℃までの温度範囲で炭
化物を形成することが可能であり、しかも添加量が微量
であれば本発明の焼鈍温度範囲では炭化物を分解してC
が固溶状態とすることが可能であるが、0.03%未満
ではその効果が十分でなく、0.10%を超えると、V
炭化物自体が硬度を高め、成形性を劣化させるので、
0.03〜0.10%とした。
【0018】連続仕上焼鈍の処理効率を向上させるため
に大きな冷却速度が必要となる場合、加熱中にセメンタ
イトよりフェライト中に固溶したCが残存し、上降伏
点、降伏伸びを増大して成形性を劣化させる。このこと
から、冷却時にCをセメンタイトおよびそれ以外の炭化
物として形成し、フェライト中の固溶Cを極力低減する
必要がある。本発明においては、冷却時にCをセメンタ
イトおよびそれ以外の炭化物として形成し、フェライト
中の固溶Cを極力低減させるべく、Vを添加するのであ
る。
【0019】上記化学組成を有する高炭素鋼片の熱間圧
延は、通常の方法で行われ、熱延条件に特別の制限はな
いが、熱延鋼帯の巻取りは、相変態終了後に行うのが好
ましい。相変態を終了する前の高温で巻取りを行った熱
延鋼帯の結晶組織は、粗大なパーライトが発達した組織
を呈するのに対し、相変態を終了後に巻取った熱延鋼帯
の結晶組織は、フェライト+パーライトまたは微細パー
ライトあるいは微細パーライト+初析セメンタイトから
なる均質な組織を有するので、一次焼鈍処理におけるオ
ーステナイト相の偏析が少なく、球状化炭化物の分布の
偏りや粒径のバラツキを抑制するのに有効である。
【0020】本発明における熱延鋼帯の箱焼鈍による球
状化焼鈍は、熱延組織のパーライトをオーステナイト中
に固溶させる工程であり、均熱後の徐冷は、未溶解の残
留炭化物を核とする固溶Cの析出により球状化炭化物を
生成させる工程である。加熱速度を20〜100℃/H
rとしたのは、20℃/Hr未満では生産性が悪化し、
また、100℃/Hrを超えると加熱効率が悪くなって
コイル内の温度不均一を生じ易いからである。均熱温度
をAc1点〜(Ac1点+30℃)としたのは、(Ac
1点+30℃)を超えると冷却後のセメンタイトの球状
化が困難となり、また、Ac1点未満では、セメンタイ
トの球状化に長時間を要するからである。均熱時間を1
〜12hrとしたのは、1hr未満の均熱ではセメンタ
イトの球状化が困難であり、また、12hrを超えて均
熱すると、セメンタイトの球状化率が劣化するためであ
る。均熱後の冷却速度を10〜50℃/hrとしたの
は、10℃/hr未満では処理効率が劣化し、50℃/
hrを超えるとセメンタイトの球状化率が劣化するため
である。冷却到達温度を650〜700℃としたのは、
650℃未満では処理効率が劣化し、700℃を超える
とセメンタイトの球状化率が劣化するためである。
【0021】本発明における冷間圧延における圧下率を
20%以上60%以下としたのは、20%未満では再結
晶温度を十分に下げることができず、また、60%を超
えると再結晶粒が微細化して軟質化が阻害されるからで
ある。
【0022】本発明における冷間圧延後の連続仕上焼鈍
は、(Ac1点−50℃)〜Ac1点の温度範囲で、1
0〜180secの均熱を行う。連続仕上焼鈍における
均熱温度が(Ac1点−50℃)未満、あるいは均熱時
間が10sec未満では、再結晶による軟化が不十分と
なる。また、連続仕上焼鈍における均熱温度がAc1点
を超えた場合は、オーステナイトに変態したマトリック
スへセメンタイトが固溶し、セメンタイトの球状化組織
が得られず、伸びが低下するので、均熱温度を(Ac1
点−50℃)〜Ac1点とした。また、均熱時間の上限
180secは、操業能率を向上させることを目的に設
定した。
【0023】
【実施例】
実施例1 表1に示す鋼No.1〜13を実験室において真空溶解
後、スラブに鍛造し、1200℃×1hr加熱後、仕上
温度850℃、巻取温度600℃の条件で熱間圧延して
板幅200mm、板厚3mmの熱延鋼帯とし、この熱延
鋼帯を冷却後酸洗脱スケール処理した。この熱延鋼帯を
表2に示す条件で箱焼鈍してセメンタイトを球状化した
のち、表2に示す条件で冷間圧延して板幅200mm、
板厚1.8mmとしたのち連続仕上焼鈍を行った。得ら
れた各冷延鋼帯の板幅中央部からJIS Z 2201
の金属材料引張試験片に規定の5号試験片を圧延方向に
採取し、JIS Z 2241に規定の金属材料引張試
験方法に準じて引張強度特性を測定すると共に、箱焼鈍
後の熱延鋼帯および連続仕上焼鈍後の冷延鋼帯から採取
した試験片ならびに連続仕上焼鈍後の冷延鋼帯から採取
した試験片に焼入れ、焼戻し処理を行ったものにつき、
JIS Z 2245に規定のロックウェル硬さ試験方
法に準じて熱延鋼帯はロックウェル硬さHRB、冷延鋼
帯はロックウェル硬さHRCを測定した。その結果を表
3に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】表2、表3に示すとおり、本発明例の鋼N
o.1〜3は、C量が変化しても冷間圧延前の焼鈍後の
硬度と、冷間圧延後の連続仕上焼鈍後の硬度がほぼ同じ
値を示している。また、本発明例の鋼No.4〜7は、
C:0.5〜0.7%においてV量が変化しているが、
Vの添加量の増大によって連続仕上焼鈍後の降伏伸びが
減少している。一方、比較例の鋼No.8は、C量が本
発明範囲の下限を下回っており、Sol.Al量が本発
明範囲の上限を超えるため、連続仕上焼鈍後に焼入れ焼
戻し後の硬度が低く実用的でない。また、比較例の鋼N
o.9は、V量が本発明範囲の下限を下回っているた
め、降伏伸びが5%を超え、曲げ、絞り加工には適して
いない。さらに、比較例の鋼No.10は、Mn量が本
発明範囲の上限を超えるため、引張強さが高く、伸びが
低いため、成形性が不十分であると推定される。さらに
また、比較例の鋼No.11は、Si量が、また、比較
例の鋼No.12は、C量が本発明範囲の上限を超える
ため、引張強さが高く、伸びが低いため、成形性が不十
分であると推定される。また、比較例の鋼No.13
は、C量、V量が本発明範囲の下限を下回っている場合
の事例を示したもので、降伏伸びが5%を超え、曲げ、
絞り加工には適していない。
【0028】実施例2 表4に示す鋼No.14〜22を実験室において真空溶
解後、スラブに鍛造し、1200℃×1hr加熱後、仕
上温度850℃、巻取温度600℃の条件で熱間圧延し
て板幅200mm、板厚3mmの熱延鋼帯とし、この熱
延鋼帯を冷却後酸洗脱スケール処理した。この熱延鋼帯
を前記表2に示す条件で箱焼鈍してセメンタイトを球状
化したのち、表2に示す条件で冷間圧延して板幅200
mm、板厚1.8mmとしたのち連続仕上焼鈍を行っ
た。得られた各冷延鋼帯の板幅中央部からJIS Z
2201の金属材料引張試験片に規定の5号試験片を圧
延方向に採取し、JIS Z 2241に規定の金属材
料引張試験方法に準じて引張強度特性を測定すると共
に、連続仕上焼鈍後の冷延鋼帯から採取した試験片に焼
入れ、焼戻し処理を行ったものにつき、JIS Z 2
245に規定のロックウェル硬さ試験方法に準じて熱延
鋼帯はロックウェル硬さHRCを測定した。その結果を
表5に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】表5に示すとおり、本発明例の鋼No.1
4〜17は、Si量、Mn量、Sol.Al量、N量が
本発明範囲内で種々変化しているが、Vの添加によって
降伏伸びが5%以内に抑制され、曲げ、絞り加工に適し
たものとなっている。一方、比較例の鋼No.18は、
Mn量が本発明範囲の下限を下回っているため、焼入れ
焼戻し後の硬度が低く実用的でない。また、比較例の鋼
No.19は、Sol.Al量が本発明範囲の下限を下
回っているため、降伏伸びが5%を超えており、曲げ、
絞り加工には適していない。さらに、比較例の鋼No.
20は、Sol.Al量が本発明範囲の上限を超えてお
り、引張強さが550N/mm2を超え、成形性が不十
分である。さらにまた、比較例の鋼No.21は、N量
が本発明の下限を下回っているため、降伏伸びが5%を
超えており、曲げ、絞り加工には適していない。また、
比較例の鋼No.22は、Mn量、N量が本発明範囲の
上限を超えており、引張強さが550N/mm2を大き
く超え、成形性が不十分である。
【0032】実施例3 前記実施例1の表1に示す鋼No.4(Ac1点727
℃)を実験室において真空溶解後、スラブに鍛造し、1
200℃×1hr加熱後、仕上温度850℃、巻取温度
600℃の条件で熱間圧延して板幅200mm、板厚3
mmの熱延鋼帯とし、この熱延鋼帯を冷却後酸洗脱スケ
ール処理した。この熱延鋼帯を表6に示す焼鈍条件a〜
jで箱焼鈍してセメンタイトを球状化したのち、表6に
示す条件で冷間圧延したのち焼鈍条件a〜jで連続仕上
焼鈍を行った。得られた各冷延鋼帯の板幅中央部からJ
IS Z 2201の金属材料引張試験片に規定の5号
試験片を圧延方向に採取し、JIS Z 2241に規
定の金属材料引張試験方法に準じて引張強度特性を測定
すると共に、連続仕上焼鈍後の各冷延鋼帯から採取した
試験片に焼入れ、焼戻し処理を行ったものにつき、JI
S Z 2245に規定のロックウェル硬さ試験方法に
準じてロックウェル硬さ(HRC)を測定した。その結
果を表7に示す。なお、球状化焼鈍における650℃以
下の冷却速度は、全て50℃/hrで常温まで冷却し
た。
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】表6、7に示すとおり、本発明例の焼鈍条
件a〜eは、いずれも本発明範囲内であり、連続仕上焼
鈍後の降伏伸びはいずれも5%以内に低減されている。
これに対し比較例の焼鈍条件fは、球状化焼鈍における
加熱速度、均熱温度が本発明範囲の上限を超えているた
め、連続仕上焼鈍後の引張強さが高く、成形性が不十分
であると推定される。また、比較例の焼鈍条件g、h
は、連続仕上焼鈍における均熱温度が本発明範囲の下限
以下または上限をこえるため、連続仕上焼鈍後の引張強
さが高く、伸びが小さい。さらに、比較例の焼鈍条件i
は、連続仕上焼鈍における均熱時間が本発明範囲の下限
より短く、連続仕上焼鈍後の伸びが小さい。さらにま
た、比較例の焼鈍条件jは、連続仕上焼鈍における均熱
時間が本発明範囲の上限を超えており、連続仕上焼鈍後
の降伏伸びが大きくなっている。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法により製造した高炭素冷延
鋼帯は、処理速度および温度の均一性に優れた薄鋼板の
連続焼鈍法を活用することによって、高品質で加工性や
焼入れ性に優れ、座金、クラッチ部品、チェーン部品、
バネ、刃物、事務機等の用途に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/12 C22C 38/12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.30〜1.00%、Si:0.
    01〜0.30%、Mn:0.20〜1.50%、So
    l.Al:0.005〜0.050%、N:0.050
    %以下を含み、さらにV:0.03〜0.10%を含有
    し、残部が実質的にFeおよび不可避的不純物からなる
    高炭素鋼片を、通常の熱間圧延、酸洗脱スケール後、2
    0〜100℃/hrの加熱速度でAc1点〜(Ac1点
    +30℃)の温度に加熱し、この温度で1〜12hr均
    熱後、10〜50℃/hrの冷却速度で650〜700
    ℃まで冷却したのち、室温まで50℃/hr以上の冷却
    速度で炉冷し、引続き20〜60%の圧下率で冷間圧延
    した後、連続焼鈍により(Ac1点−50℃)〜Ac1
    点の温度範囲で10〜180secの均熱を行って仕上
    焼鈍することを特徴とする高炭素冷延鋼帯の製造方法。
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