JP2000319588A - 熱吸収膜用塗料、熱吸収膜およびカラー陰極線管 - Google Patents

熱吸収膜用塗料、熱吸収膜およびカラー陰極線管

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JP2000319588A
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color cathode
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Masatoshi Mori
政俊 森
昭彦 ▲吉▼田
Akihiko Yoshida
Kimiyo Ibaraki
紀美代 茨木
Hitoshi Kimata
仁司 木股
Yasutada Metsugi
康格 目次
Shunichi Abe
俊一 安部
Atsumi Wakabayashi
淳美 若林
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Sony Corp
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電反射膜との良好な結着性を有し、これに
より色ズレや色純度のばらつきを抑えさらにクラックや
被塗布面からの浮きを防止した熱吸収膜を形成するため
の塗料と、この塗料から得られる熱吸収膜、およびこの
熱吸収膜を備えたカラー陰極線管とを提供が望まれてい
る。 【解決手段】 カラー陰極線管においてそのパネルの内
面の蛍光面上に形成された導電反射膜の上に設けられる
熱吸収膜用の塗料である。粒径が10nm以上、200
0nm以下である黒色顔料と、Si(OR1)n R2m
(ただし、n+m=4、n=1〜4、m=0〜3、R
1、R2はアルキル基又はアルケニル基又はアリール
基)で示される化合物あるいはその加水分解物とを含有
してなる。また、この熱吸収膜用塗料からなる熱吸収
膜、およびこの熱吸収膜を備えたカラー陰極線管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
おいてそのパネル内面の蛍光面上に形成された導電反射
膜の上に設けられる熱吸収膜用の塗料と、この塗料から
得られる熱吸収膜、およびこの熱吸収膜を備えたカラー
陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー陰極線管として、例えば図
2に示すパネル構造のものが知られている。図2におい
て符号21はカラー陰極線管の透明パネルであり、この
透明パネル21には、その内面に赤・緑・青の各色の蛍
光体ストライプとそれらの間を埋めるカーボンストライ
プとからなる蛍光面22が形成されている。この蛍光面
22は、その各色の蛍光体ストライプに電子銃から発せ
られた電子ビームが、色選別電極(図示せず)を介して
選択的にランディングし、水平・垂直に走査されること
により、カラー画像を表示するようになっている。な
お、色選別電極としては、多数のスリットを所定の間隔
で形成したアパチャーグリル、あるいは多数の透孔を所
定の配列で形成したシャドウマスクが用いられている。
【0003】また、この蛍光面22上には、蛍光体スト
ライプによって形成された表面の凹凸を平滑にするた
め、有機中間膜(図示せず)が形成されており、この有
機中間膜上には、前記蛍光面22を覆いさらに該蛍光面
22の外周部をも覆った状態でメタルバックと称される
アルミニウム製の導電反射膜23が形成されている。こ
の導電反射膜23は、光反射率及び電子透過率が高いア
ルミニウムによって形成されているため、該蛍光面22
が発光した際、電子銃(図示せず)側へ向かって発せら
れる光を透明パネル21側に反射して表示輝度を高め、
かつ、蛍光面22の電位を安定させるように機能してい
る。
【0004】ところで、アパーチャグリルやシャドウマ
スクからなる色選別電極にあっては、電子ビームが照射
されるとその温度が上昇し熱膨張を起こす。また、導電
反射膜23を形成するアルミニウムは熱に対する反射率
も高いため、この導電反射膜23が露出していると、電
子ビームが衝突したことで加熱された色選別電極からの
放射熱が、導電反射膜23で反射されて再度色選別電極
に放射され、これにより色選別電極はさらに加熱されて
熱膨張を起こす。
【0005】このようにして色選別電極が加熱され熱膨
張すると、アパーチャグリルのスリットあるいはシャド
ウマスクの透孔が位置ずれすることにより、これらから
なる色選別電極と蛍光面22における蛍光体ストライプ
との対応関係が変動してしまい、電子ビームが蛍光面2
2にミスランディングして色ズレや輝度、色純度の低下
が引き起こされてしまう。
【0006】そこで、従来では、導電反射膜23上に熱
吸収膜24を形成することにより、色選別電極から放射
された熱をこの熱吸収膜24で吸収し、導電反射膜23
から色選別電極への熱の反射及び放射を抑制して色選別
電極の熱膨張を抑える、といった手法が一部に採用され
ている。
【0007】このような熱吸収膜24の例として、特公
昭62−47341号公報に記載されたカラー陰極線管
では、0.2〜0.3Torr程度の真空中におけるア
ルミニウムの蒸着により、黒色アルミニウム膜からなる
熱吸収膜24を形成している。
【0008】また、特開昭51−52782号公報に記
載されたブラウン管では、アルコール類を主とする溶媒
にカーボンを溶かした溶液をスプレーし、熱吸収膜24
となるカーボン膜を導電反射膜23上に形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のカラ
ー陰極線管の例では、熱吸収膜24の形成を0.2〜
0.3Torrという低真空下での蒸着で行うため、蒸
着装置内が汚染され易く、また所望の真空度を得ること
が困難であり、したがって熱吸収膜24の膜厚およびそ
の熱吸収効果が不安定になる。
【0010】このため、導電反射膜23から色選別電極
への熱の反射および放射を有効に抑制することができ
ず、したがって蛍光面22への電子ビームのミスランデ
ィングを確実に防止することが難しく、色ズレを十分に
少なくしたカラー陰極線管の製造が困難であった。ま
た、熱吸収膜24の膜厚のばらつきにより、散乱電子に
起因する色純度のばらつきも引き起こされていた。
【0011】また、前記のブラウン管の例では、熱吸収
膜24としてのカーボン膜と導電反射膜との結着性が弱
く、外部からの振動によりカーボン膜の脱落が容易に起
こってしまうことから、色ズレに対して高い信頼性を得
ることが困難であった。
【0012】さらに、一般に熱吸収膜24としては、こ
れの下に位置するアルミニウム製導電反射膜23との熱
膨張係数が大きく異なったり、導電反射膜23に形成さ
れた有機中間膜の蒸発孔を塞いでしまうと、熱処理工程
で膜にクラックが入ったり、導電反射膜23が浮くとい
う不都合が生じる。
【0013】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、導電反射膜との良好な結
着性を有し、これにより色ズレや色純度のばらつきを抑
えさらにクラックや被塗布面からの浮きを防止した熱吸
収膜を形成するための塗料と、この塗料から得られる熱
吸収膜、およびこの熱吸収膜を備えたカラー陰極線管と
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の熱吸収膜用塗料では、カラー陰極線管においてそ
のパネルの内面の蛍光面上に形成された導電反射膜の上
に設けられる熱吸収膜用の塗料において、粒径が10n
m以上、2000nm以下である黒色顔料と、Si(O
R1)nR2m (ただし、n+m=4、n=1〜4、m
=0〜3、R1、R2はアルキル基又はアルケニル基又
はアリール基)で示される化合物あるいはその加水分解
物とを含有してなることを前記課題の解決手段とした。
また、請求項5記載の熱吸収膜用塗料では、黒色顔料
と、Si(OR1)n R2m (ただし、n+m=4、n
=1〜4、m=0〜3、R1、R2はアルキル基又はア
ルケニル基又はアリール基)で示され、かつR2の炭素
数が1から10までの範囲にある化合物あるいはその加
水分解物とを含有してなることを前記課題の解決手段と
した。
【0015】本発明における請求項8記載の熱吸収膜で
は、前記の請求項1記載の熱吸収膜用塗料からなること
を前記課題の解決手段とした。また、請求項13記載の
熱吸収膜では、前記の請求項5記載の熱吸収膜用塗料か
らなることを前記課題の解決手段とした。
【0016】本発明における請求項17記載の熱吸収膜
では、前記の請求項8記載の熱吸収膜を有してなること
を前記課題の解決手段とした。また、請求項22記載の
熱吸収膜では、前記の請求項13記載の熱吸収膜を有し
てなることを前記課題の解決手段とした。
【0017】前記熱吸収膜用塗料によれば、この塗料が
導電反射膜上に塗布され乾燥されると、Si(OR1)
n R2m で示される化合物あるいはその加水分解物が例
えばSiO2 となって結着剤(バインダー)として機能
するようになり、その結果黒色顔料が導電反射膜と強固
に結着するようになる。
【0018】ここで、カラー陰極線管の製造工程では温
度が350℃以上、500℃以下の熱処理工程があるた
め、この熱吸収膜用塗料から得られる熱吸収膜について
は、前記熱処理工程の前後において色彩変化がないこと
が要求される。したがって、前記黒色顔料としては、5
00℃で退色せず、しかも電子線透過性に優れているも
のが用いられ、特にグラファイト微粒子が、耐熱性に優
れ、黒色度が高く、電子透過性も高いことから好適に用
いられる。また、これ以外にも、例えばC、Mn、F
e、Ni、Zn、Cr、Cu、Coのうちの少なくとも
一種類の元素を含んでなる材料、すなわち各元素の単体
や酸化物(例えばCo−Fe−Cr系複合酸化物)、有
機物等の材料が用いられる。
【0019】また、このような黒色顔料の粒径について
は、10nm以上で、かつ2000nm以下、好ましく
は100nm以下とされる。10nm未満では、塗料中
への分散性が著しく低下して均一な塗料分散液が得難く
なり、2000nmを越えると粒子自体の隠蔽力が弱く
なり、十分な着色力、つまり熱吸収効果が得られなくな
るからである。また、100nm以下とすれば、得られ
る熱吸収膜の均質化が容易になる。
【0020】本発明の熱吸収膜用塗料には、黒色顔料の
他に、この黒色顔料の効果を損なわない範囲で他の有色
顔料を含有させることもでき、このように黒色顔料と有
色顔料とを併用することにより、熱吸収能をさらに向上
させることができる。有色顔料としては、特に限定され
ることなく種々のものが用いられる。また、マンガン化
合物やクロム化合物、具体的には硝酸マンガンや塩化マ
ンガン、硝酸クロム、塩化クロム等の金属化合物も、カ
ラー陰極線管製造の際の熱処理工程において熱分解して
着色することから、好適に用いられる。なお、これらの
金属化合物については、一種類を単独で用いてもよく、
二種類以上を併用してもよい。
【0021】また、黒色顔料、さらには有色顔料を分散
させるための分散媒としては、アニオン、カチオン、ノ
ニオン性の界面活性剤、またはエポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ブチラール樹
脂、酢酸ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等のうち少なくとも一種類が、黒
色顔料100重量部に対して0.1〜100重量部程度
用いられる。そして、これらの分散媒を用い、ホモジナ
イザー、サンドミル、ボールミル、超音波等を用いた公
知の分散方法で処理することにより、黒色顔料、さらに
は有色顔料の分散液が得られる。
【0022】本発明の塗料において結着剤(バインダ
ー)となる、Si(OR1)n R2m(ただし、n+m
=4、n=1〜4、m=0〜3、R1、R2はアルキル
基又はアルケニル基又はアリール基)で示される化合物
としては、特に、そのR2基の炭素数が1から10まで
の範囲にあるのが望ましく、具体的にはR2基がメチル
基、フェニル基、ビニル基、γ−メタクリロキシプロピ
ル基、γ−グリシドキシプロピル基のいずれかからなっ
ているのが好ましい。
【0023】また、一般式Si(OR1)n R2m で表
される化合物として具体的には、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0024】これらのSi(OR1)n R2m について
は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用し
てもよい。特に、一般式Si(OR1)n R2m におい
て、n=3、m=1であり、かつR2の炭素数が1〜1
0である3官能シリケートを用いるのが好ましく、具体
的には、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン等を用いるのが好ましい。
【0025】このSi(OR1)n R2m の加水分解縮
重合には、触媒として、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等
の無機酸、蟻酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、プロピ
オン酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸等の有
機酸、アンモニア、トリメチルアンモニウム等のアルカ
リが用いられ、特に硝酸が好適に用いられる。また、こ
のSi(OR1)n R2m の加水分解縮重合に用いられ
る水の量については、Si(OR1)n R2m 1モルに
対して、0.1〜100モルの範囲とするのが好まし
い。
【0026】また、このようなSi(OR1)n R2m
の加水分解縮重合物、および前記黒色顔料を分散してな
る分散液を共に分散させあるいは溶解させる溶媒として
は、アルコール類、グリコール誘導体、エステル類、ケ
トン類、エーテル類などが用いられる。これらについて
も、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用し
てもよい。
【0027】ここで、前記アルコール類としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、
イソブタノール、オクタノール、ジアセトンアルコール
等が用いられる。
【0028】前記グリコール誘導体としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテ
ル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、エチ
レングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコ
ールn−ブチルエーテル等が用いられる。
【0029】エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル等が用いられる。ケトン類としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトン等が用いられる。エーテル類としては、エチルエ
ーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、ジオキサン等が用いられる。
【0030】前記Si(OR1)n R2m の加水分解縮
重合物、および前記黒色顔料分散液、溶媒、および必要
に応じて有色顔料の分散液、金属塩を混合することによ
り、本発明の熱吸収膜用塗料が得られる。
【0031】このような構成からなる熱吸収膜用塗料に
おいて、塗料全体におけるSi(OR1)n R2m の加
水分解縮重合物、黒色顔料(あるいは黒色顔料と有色顔
料、金属塩との混合物)の重量比については、「{Si
(OR1)n R2m の加水分解縮重合物+黒色顔料(あ
るいは黒色顔料と有色顔料、金属塩との混合物)}/塗
料」=0.2〜30重量%とし、「黒色顔料(あるいは
黒色顔料と有色顔料、金属塩との混合物)/{Si(O
R1)n R2m の加水分解縮重合物+黒色顔料(あるい
は黒色顔料と有色顔料、金属塩との混合物)}」=20
〜95重量%とするのが、得られる熱吸収膜に密着性、
信頼性、熱吸収性、成膜性をバランスよく発揮させるこ
とができ好ましい。
【0032】なお、この熱吸収膜用塗料に黒色顔料と有
色顔料、金属塩を入れすぎると、膜強度、密着性が低下
し、信頼性が著しく低下するおそれがあり、逆に、黒色
顔料(あるいは黒色顔料と有色顔料、金属塩との混合
物)が少なすぎると、膜が十分に着色せず、熱吸収性能
を十分発揮できなくなるおそれがある。
【0033】熱吸収膜用塗料の塗布方法としては、スピ
ンコート法、スプレー法、ディップ法、はけぬり等が採
用される。なお、カラー陰極線管内面の導電反射膜上に
塗布する場合、得られる膜の厚さを均一にするためには
スプレー法が好適とされる。このような熱吸収膜用塗料
から得られる熱吸収膜、すなわち本発明の熱吸収膜とし
ては、その厚さを、20〜2000nmとするのが好ま
しい。なぜなら、膜厚が20nm未満では、熱吸収効果
と密着性・信頼性とをバランスよく発揮することが難し
く、また膜厚が2000nmを越えると、電子透過性が
低下し、カラー陰極線管の輝度低下を引き起こすおそれ
があるからである。
【0034】熱吸収膜の明度(L*値)については、L
スター値(L*値)が90以下であることが望ましい。
なぜなら、明度(L*値)が90以上では、熱吸収膜の
熱吸収効果がほとんど得られないからである。なお、こ
のような熱吸収膜の明度(L*値)は、例えばミノルタ
社製「色彩色差計(CR−300)」によりその色彩を
測定することによって求められる。
【0035】また、この熱吸収膜は、例えば図1に示す
ようなカラー陰極線管に形成されて用いられる。そし
て、この熱吸収膜が形成されてなるカラー陰極線管1
は、本発明のカラー陰極線管となる。すなわち、このカ
ラー陰極線管1は、全体として略フラスコ状を呈すると
ともに内部を真空状態としたバルブ2内に、電子銃3
と、複数列のストライプ状のスリットを有した色選別電
極4とを備えて構成されたものである。なお、この例で
は、色選別電極4としてアパチャーグリル方式のものを
採用している。
【0036】バルブ2は、電子銃3が配設されるネック
部6と、このネック部6から張り出して形成されるファ
ンネル部7と、主にスクリーン面を形成するフェース部
8、およびこのフェース部8の周囲から立ち上がって形
成されるスカート部9からなるパネル部10とによって
構成されている。
【0037】前記色選別電極4は、パネル部10の内部
に配設されたものとなっている。そして、このように色
選別電極4がパネル部10内に配設された後に、パネル
部10とファンネル部7が溶着接合されてシール部12
が形成されることにより、バルブ2が組み立てられるよ
うになっている。
【0038】フェース部8を形成するガラス面の内面に
は、蛍光面11が形成されている。この蛍光面11は、
赤、緑、青の蛍光体が縦方向にストライプ状に焼き付け
られて蛍光体ストライプが形成され、これら蛍光体スト
ライプが横方向に規則的に配列されたことによってなる
ものである。なお、これら蛍光体ストライプの間にはカ
ーボンストライプが配設されており、これによって蛍光
面11のコントラスト比の改善がなされている。
【0039】また、この蛍光体面11上には、蛍光体ス
トライプによって形成された表面の凹凸を平滑にするた
め、有機中間膜(図示せず)が形成されており、この有
機中間膜上には、図2に示したのと同様に、アルミニウ
ムの加熱蒸着によって導電反射膜(図1に示さず)が形
成されている。そして、この導電反射膜上には、図2に
示したのと同様に、前述した本発明の熱吸収膜用塗料か
らなる熱吸収膜(図1に示さず)が形成されている。
【0040】このような構成のカラー陰極線管1にあっ
ては、その熱吸収膜が前述した本発明の熱吸収膜用塗料
からなることにより、350℃以上、500℃以下の温
度範囲内で耐熱性を有するものとなる。したがって、そ
の組立工程前に熱吸収膜をパネル部10の導電反射膜上
に形成しておいても、その後の組立工程における熱処理
工程でこれが退色することなく、所望の機能を十分に発
揮するものとなる。
【0041】また、Si(OR1)n R2m で表される
化合物中のR2基が、その炭素数が1〜10の範囲にあ
るとこれが適度な伸縮性を有するようになるため、この
熱吸収膜も伸縮性を発現するものとなり、クラックや導
電反射膜からの浮きが防止されたものとなる。また、こ
のカラー陰極線管1にあっては、その製造時において、
蛍光面と導電反射膜との間に設けられた有機中間膜中の
成分が熱処理工程で気化した際に、熱吸収膜中の炭素数
が1〜10であるR2基が蒸発孔として機能するため、
この熱吸収膜はクラックや導電反射膜からの浮きがさら
に防止されたものとなる。
【0042】また、熱吸収膜用塗料中のSi(OR1)
n R2m で表される化合物として3官能シリケートを用
いれば、より優れた結着性を有する熱吸収膜となり、し
たがってこの熱吸収膜は、その黒色顔料が脱落すること
なく、アルミニウム蒸着膜からなる導電反射膜に十分に
密着した良好な膜となる。なお、このような熱吸収膜と
しては、これの上に酸化ケイ素を含有してなる膜を形成
し、積層膜として用いるようにしてもよく、その場合
に、酸化ケイ素を含有してなる膜によって熱吸収膜は導
電反射膜上にさらに強固に結着するものとなる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。 〔熱吸収膜用塗料の作製〕まず、本発明の熱吸収膜用塗
料の一例を以下のようにして作製した。30gのグラフ
ァイト微粒子(粒子径20nm)と、10.5gの高分
子分散剤と、150gのガラスビーズと、259.5g
のNPA(n−プロパノール)とを混合し、続いてこの
混合物をサンドミルで2500回転、4時間分散させ、
その後、ガラスビーズを分離して黒色顔料の均一な分散
液(a)を得た。また、これとは別に、14gのフェニ
ルトリメトキシシランと、69gのエチルアルコール
と、0.4gの1N硝酸と、16.6gの純水とを混合
し、さらにこの混合物を60℃で1時間熟成し、均一な
溶液(b)を得た。その後、前記分散液(a)を13.
2g、前記溶液(b)を11.3g、エチルアルコール
を75.5g配合してこれらを混合し、黒色顔料を含有
する熱吸収膜用塗料(A)を得た。
【0044】〔熱吸収膜の形成〕 (実施例1)次に、前記の熱吸収膜用塗料(A)を基
に、以下のようにして実施例1となる熱吸収膜を形成し
た。透明ガラス基板の一方の面にアルミニウムを蒸着し
てアルミニウム膜を形成し、続いてこのアルミニウム膜
面を25℃に調製した。次いで、この面に前記熱吸収膜
用塗料(A)をスプレー法によって塗布し、さらにこれ
を温度450℃で30分間加熱処理し、厚さ0.2μm
の熱吸収膜を形成した。得られた熱吸収膜について、色
彩(L*値)、熱吸収性能としての赤外反射率、全光線
透過率、膜厚、密着性、クラック、浮きについて調べ、
その結果を以下の表に記す。
【0045】なお、これらの熱吸収膜の特性について
は、以下に示すようにして測定した。 ・色彩(L*値) ミノルタ社製「色彩色差計(CR−300)」を用いて
測定した。 ・赤外反射率 日本分光社製「FT−IR300E」を用いて、波長2
000cm-1における反射率を測定した。 ・全光線透過率 東京電色社製「ヘーズメータ(Model Tc-H III DP )」
を用いて測定した。 ・膜厚 日本真空技術社製「Dektak 3ST」を用いて測定した。 ・密着性 住友スリーエム社製「Scotch 810」を熱吸収膜に接着さ
せた後、一気に剥がし、膜表面の損傷の発生を目視観察
し、評価した。 ・クラック、浮き 加熱処理後の膜を目視観察し、評価した。
【0046】(実施例2)実施例1と同様な操作を行
い、実施例2となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、前記分散液(a)を1
5g、前記溶液(b)を8.3g、n−プロピルアルコ
ールを76.7g配合し、これらを混合することによっ
て形成した熱吸収膜用塗料を用いた。得られた熱吸収膜
について、実施例1と同様にして調べ、その結果を以下
の表に記す。
【0047】(実施例3)実施例1と同様な操作を行
い、実施例3となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、黒色顔料として、グラ
ファイト微粒子15gの他にCo−Fe−Cr系の複合
酸化物(粒子径0.04μm)10gを加えることによ
り形成した熱吸収膜用塗料を用いた。得られた熱吸収膜
について、実施例1と同様にして調べ、その結果を以下
の表に記す。
【0048】(実施例4)実施例1と同様な操作を行
い、実施例4となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、黒色顔料として、グラ
ファイト微粒子15gの他にCo−Fe−Crの酸化物
化合物(粒子径0.04μm)10gを、また青色顔料
としてCo−Alの酸化物化合物(粒子径0.03μ
m)5gを加えることにより形成した熱吸収膜用塗料を
用いた。得られた熱吸収膜について、実施例1と同様に
して調べ、その結果を以下の表に記す。
【0049】(実施例5)実施例1と同様な操作を行
い、実施例5となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、黒色顔料として、グラ
ファイト微粒子20gの他に熱分解して酸化膜となる硝
酸マンガン5gを加え、形成した熱吸収膜用塗料を用い
た。得られた熱吸収膜について、実施例1と同様にして
調べ、その結果を以下の表に記す。
【0050】(実施例6)実施例1と同様な操作を行
い、実施例6となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、高分子分散剤をブチラ
ール樹脂に代えることによって形成した熱吸収膜用塗料
を用いた。得られた熱吸収膜について、実施例1と同様
にして調べ、その結果を以下の表に記す。
【0051】(実施例7)実施例1と同様な操作を行
い、実施例7となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキシ
シランをメチルトリメトキシシランに代えることによっ
て形成した熱吸収膜用塗料を用いた。得られた熱吸収膜
について、実施例1と同様にして調べ、その結果を以下
の表に記す。
【0052】(実施例8)実施例1と同様な操作を行
い、実施例8となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキシ
シランをビニルトリエトキシシランに代えることによっ
て形成した熱吸収膜用塗料を用いた。得られた熱吸収膜
について、実施例1と同様にして調べ、その結果を以下
の表に記す。
【0053】(実施例9)実施例1と同様な操作を行
い、実施例9となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキシ
シランをγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンに代えて形成した熱吸収膜用塗料を用いた。得られた
熱吸収膜について、実施例1と同様にして調べ、その結
果を以下の表に記す。
【0054】(実施例10)実施例1と同様な操作を行
い、実施例10となる熱吸収膜を形成した。ただし、前
記の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキ
シシランをγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンに代えて形成した熱吸収膜用塗料を用いた。得られた
熱吸収膜について、実施例1と同様にして調べ、その結
果を以下の表に記す。
【0055】(実施例11)実施例1と同様な操作を行
い、実施例11となる熱吸収膜を形成した。ただし、前
記の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキ
シシラン10gの他に、ビニルトリメトキシシラン5g
を加えることによって形成した熱吸収膜用塗料を用い
た。得られた熱吸収膜について、実施例1と同様にして
調べ、その結果を以下の表に記す。
【0056】(実施例12)実施例1と同様な操作を行
い、実施例12となる熱吸収膜を形成した。ただし、前
記の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキ
シシランをビニルトリメトキシシラン13g、テトラメ
トキシシラン2gに代えて形成した熱吸収膜用塗料を用
いた。得られた熱吸収膜について、実施例1と同様にし
て調べ、その結果を以下の表に記す。
【0057】(実施例13)実施例1と同様な操作を行
い、実施例13となる熱吸収膜を形成した。ただし、前
記の熱吸収膜用塗料(A)に代え、フェニルトリメトキ
シシランをテトラエトキシシランに代えて形成した熱吸
収膜用塗料を用いた。得られた熱吸収膜について、実施
例1と同様にして調べ、その結果を以下の表に記す。
【0058】(比較例1)実施例1と同様な操作を行
い、比較例1となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の熱吸収膜用塗料(A)に代え、グラファイト微粒子を
粒子径が25μmのカーボンブラックに代えて形成した
熱吸収膜用塗料を用いた。得られた熱吸収膜について、
実施例1と同様にして調べ、その結果を以下の表に記
す。
【0059】(比較例2)実施例1と同様な操作を行
い、比較例2となる熱吸収膜を形成した。ただし、前記
の溶液(b)を、94gのエチルアルコールと6gのポ
リビニルアルコールを混合した均一な溶液(c)に代え
て熱吸収膜用塗料を形成した。得られた熱吸収膜につい
て、実施例1と同様にして調べ、その結果を以下の表に
記す。
【表1】
【0060】表に示したように、実施例1〜実施例13
では、いずれの特性についてもほぼ満足できる結果が得
られた。これに対して、比較例1では赤外反射率が高
く、したがって熱吸収性が低いことが分かった。また、
比較例2では、膜の密着性が悪く、クラックや浮きも発
生することが分かった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の熱吸収膜用
塗料は、導電反射膜上に塗布され乾燥されると、Si
(OR1)n R2m で示される化合物あるいはその加水
分解物が例えばSiO2 となって結着剤(バインダー)
として機能するようになり、その結果黒色顔料が導電反
射膜と強固に結着するようになる。
【0062】本発明の熱吸収膜は、前記塗料によって形
成されたものであるから、導電反射膜と良好に結着性す
るとともに、導電反射膜から色選別電極への熱の反射や
放射を抑制することができ、したがって色選別電極の熱
変形に起因してカラー陰極線管による表示に色ズレや色
純度のばらつきが生じるのを確実に抑えることができ
る。
【0063】また、導電反射膜との結着性が良好になる
ことにより、膜厚さや品質にばらつきが少なくなり、高
い信頼性が得られる。また、Si(OR1)n R2m で
表される化合物中のR2基を、その炭素数を1〜10の
範囲にすれば、これが適度な伸縮性を有するようになる
ため、この熱吸収膜が伸縮性を発現するものとなり、ク
ラックや導電反射膜からの浮きを防止することができ
る。
【0064】本発明のカラー陰極線管は、前記熱吸収膜
を備えたものであるから、この熱吸収膜が350℃以
上、500℃以下の温度範囲内で耐熱性を有することに
より、その組立工程前に該熱吸収膜をパネルの導電反射
膜上に形成しておいても、その後の組立工程における熱
処理工程でこれが退色することなく、所望の機能を十分
に発揮するものとなる。また、色選別電極の熱変形によ
り蛍光面への電子ビームのミスランディングが起こり、
表示に色ズレや色純度のばらつきが生じるのを確実に抑
えることができ、したがって色ズレの少ない高品質のカ
ラー陰極線管となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー陰極線管の概略構成を示す斜視
図である。
【図2】本発明に係るパネルの断面図である。
【符号の説明】
1…カラー陰極線管、10…パネル部、11…蛍光面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 昭彦 愛知県稲沢市大矢町茨島30番地 ソニー稲 沢株式会社内 (72)発明者 茨木 紀美代 愛知県稲沢市大矢町茨島30番地 ソニー稲 沢株式会社内 (72)発明者 木股 仁司 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 目次 康格 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 安部 俊一 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 若林 淳美 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DL051 HA036 HA066 HA166 HA246 JC32 KA06 KA08 NA19 PB09 PC03 5C028 CC05 5C036 BB07

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー陰極線管においてそのパネルの内
    面の蛍光面上に形成された導電反射膜の上に設けられる
    熱吸収膜用の塗料であって、 粒径が10nm以上、2000nm以下である黒色顔料
    と、Si(OR1)nR2m (ただし、n+m=4、n
    =1〜4、m=0〜3、R1、R2はアルキル基又はア
    ルケニル基又はアリール基)で示される化合物あるいは
    その加水分解物とを含有してなることを特徴とする熱吸
    収膜用塗料。
  2. 【請求項2】 前記黒色顔料が、グラファイト微粒子で
    あることを特徴とする請求項1記載の熱吸収膜用塗料。
  3. 【請求項3】 前記黒色顔料が、C、Mn、Fe、N
    i、Zn、Cr、Cu、Coのうちの1つあるいは2つ
    以上の元素を含んでなることを特徴とする請求項1記載
    の熱吸収膜用塗料。
  4. 【請求項4】 前記黒色顔料が、マンガン化合物及び/
    又はクロム化合物を含有してなるこを特徴とする請求項
    1記載の熱吸収膜用塗料。
  5. 【請求項5】 カラー陰極線管においてそのパネルの内
    面の蛍光面上に形成された導電反射膜の上に設けられる
    熱吸収膜用の塗料であって、 黒色顔料と、Si(OR1)n R2m (ただし、n+m
    =4、n=1〜4、m=0〜3、R1、R2はアルキル
    基又はアルケニル基又はアリール基)で示され、かつR
    2の炭素数が1から10までの範囲にある化合物あるい
    はその加水分解物とを含有してなることを特徴とする熱
    吸収膜用塗料。
  6. 【請求項6】 前記Si(OR1)n R2m で示される
    化合物は、そのR2が、メチル基、フェニル基、ビニル
    基、γ−メタクリロキシプロピル基のいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項5記載の熱吸収膜用塗料。
  7. 【請求項7】 前記Si(OR1)n R2m で示される
    化合物は、n=3、m=1であることを特徴とする請求
    項5記載の熱吸収膜用塗料。
  8. 【請求項8】 カラー陰極線管においてそのパネルの内
    面の蛍光面上に形成された導電反射膜の上に設けられる
    熱吸収膜であって、 粒径が10nm以上、2000nm以下である黒色顔料
    と、Si(OR1)nR2m (ただし、n+m=4、n
    =1〜4、m=0〜3、R1、R2はアルキル基又はア
    ルケニル基又はアリール基)で示される化合物あるいは
    その加水分解物とを含有してなる塗料が、塗布されて形
    成されたものであることを特徴とする熱吸収膜。
  9. 【請求項9】 前記黒色顔料が、グラファイト微粒子で
    あることを特徴とする請求項8記載の熱吸収膜。
  10. 【請求項10】 前記黒色顔料が、C、Mn、Fe、N
    i、Zn、Cr、Cu、Coのうちの1つあるいは2つ
    以上の元素を含んでなることを特徴とする請求項8記載
    の熱吸収膜。
  11. 【請求項11】 前記黒色顔料が、マンガン化合物及び
    /又はクロム化合物を含有してなるこを特徴とする請求
    項8記載の熱吸収膜。
  12. 【請求項12】 膜厚が20〜2000nm、膜の明度
    (L*値)が90以下であることを特徴とする請求項8
    記載の熱吸収膜。
  13. 【請求項13】 カラー陰極線管においてそのパネルの
    内面の蛍光面上に形成された導電反射膜の上に設けられ
    る熱吸収膜であって、 黒色顔料と、Si(OR1)n R2m (ただし、n+m
    =4、n=1〜4、m=0〜3、R1、R2はアルキル
    基又はアルケニル基又はアリール基)で示され、かつR
    2の炭素数が1から10までの範囲にある化合物あるい
    はその加水分解物とを含有してなる塗料が、塗布されて
    形成されたものであることを特徴とする熱吸収膜。
  14. 【請求項14】 前記Si(OR1)n R2m で示され
    る化合物は、そのR2が、メチル基、フェニル基、ビニ
    ル基、γ−メタクリロキシプロピル基のいずれかからな
    ることを特徴とする請求項13記載の熱吸収膜。
  15. 【請求項15】 前記Si(OR1)n R2m で示され
    る化合物は、n=3、m=1であることを特徴とする請
    求項13記載の熱吸収膜。
  16. 【請求項16】 膜厚が20〜2000nm、膜の明度
    (L*値)が90以下であることを特徴とする請求項1
    3記載の熱吸収膜。
  17. 【請求項17】 パネル内面に蛍光面が形成され、かつ
    該パネル内面に蛍光面を覆った状態で導電反射膜が蒸着
    され、この導電反射膜上にこれより赤外線反射率の低い
    熱吸収膜が設けられてなるカラー陰極線管において、 前記熱吸収膜は、粒径が10nm以上、2000nm以
    下である黒色顔料と、Si(OR1)n R2m (ただ
    し、n+m=4、n=1〜4、m=0〜3、R1、R2
    はアルキル基又はアルケニル基又はアリール基)で示さ
    れる化合物あるいはその加水分解物とを含有してなる塗
    料が、前記導電反射膜上に塗布されて形成されたもので
    あることを特徴とするカラー陰極線管。
  18. 【請求項18】 前記黒色顔料が、グラファイト微粒子
    であることを特徴とする請求項17記載のカラー陰極線
    管。
  19. 【請求項19】 前記黒色顔料が、C、Mn、Fe、N
    i、Zn、Cr、Cu、Coのうちの1つあるいは2つ
    以上の元素を含んでなることを特徴とする請求項17記
    載のカラー陰極線管。
  20. 【請求項20】 前記黒色顔料が、マンガン化合物及び
    /又はクロム化合物を含有してなるこを特徴とする請求
    項17記載のカラー陰極線管。
  21. 【請求項21】 膜厚が20〜2000nm、膜の明度
    (L*値)が90以下であることを特徴とする請求項1
    7記載のカラー陰極線管。
  22. 【請求項22】 パネル内面に蛍光面が形成され、かつ
    該パネル内面に蛍光面を覆った状態で導電反射膜が蒸着
    され、この導電反射膜上にこれより赤外線反射率の低い
    熱吸収膜が設けられてなるカラー陰極線管において、 前記熱吸収膜は、黒色顔料と、Si(OR1)n R2m
    (ただし、n+m=4、n=1〜4、m=0〜3、R
    1、R2はアルキル基又はアルケニル基又はアリール
    基)で示され、かつR2の炭素数が1から10までの範
    囲にある化合物あるいはその加水分解物とを含有してな
    る塗料が、前記導電反射膜上に塗布されて形成されたも
    のであることを特徴とするカラー陰極線管。
  23. 【請求項23】 前記Si(OR1)n R2m で示され
    る化合物は、そのR2が、メチル基、フェニル基、ビニ
    ル基、γ−メタクリロキシプロピル基のいずれかからな
    ることを特徴とする請求項22記載のカラー陰極線管。
  24. 【請求項24】 前記Si(OR1)n R2m で示され
    る化合物は、n=3、m=1であることを特徴とする請
    求項22記載のカラー陰極線管。
  25. 【請求項25】 膜厚が20〜2000nm、膜の明度
    (L*値)が90以下であることを特徴とする請求項2
    2記載のカラー陰極線管。
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