JP2000319320A - 変性共重合体、その製造方法およびその利用 - Google Patents

変性共重合体、その製造方法およびその利用

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JP2000319320A
JP2000319320A JP11310678A JP31067899A JP2000319320A JP 2000319320 A JP2000319320 A JP 2000319320A JP 11310678 A JP11310678 A JP 11310678A JP 31067899 A JP31067899 A JP 31067899A JP 2000319320 A JP2000319320 A JP 2000319320A
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acid
pigment
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JP11310678A
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Yoshiko Suzuki
美子 鈴木
Hiroshi Chiyousokabe
浩 長曽我部
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
Jun Satake
順 佐武
Hisatsugu Uraki
久嗣 浦木
Tomonori Ikegami
智紀 池上
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料分散性に優れ、特に微細な顔料分散が可能
であり、さらに耐水性、耐摩擦性等も具備した塗料、イ
ンキ、プラスチック着色剤等を提供し得る顔料分散剤と
して有用な変性共重合体、その製造方法およびそれを用
いた顔料組成物の提供。 【解決手段】α−オレフィンと、水酸基と反応可能な官
能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーとの
共重合体と、オキシカルボン酸の分子間縮合物とが、共
重合体の少なくとも一部の水酸基と反応可能な官能基
と、オキシカルボン酸の分子間縮合物の水酸基との反応
を介して結合している変性共重合体、α−オレフィン
と、水酸基と反応可能な官能基および重合性不飽和二重
結合を有するモノマーとの共重合体と、オキシカルボン
酸の分子間縮合物とを反応させる前記変性共重合体の製
造方法、前記変性共重合体からなる顔料分散剤、および
該顔料分散剤および顔料を含む顔料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る変性共重合体、および該共重合体の製造方法、さらに
は該共重合体を用いた顔料分散剤および顔料組成物に関
する。さらに詳しくは、本発明は、各種塗料、インキ、
プラスチック着色剤などの優れた顔料分散剤として広範
に利用し得る変性共重合体および該共重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、インキ、プラスチック着色
剤等に用いられる顔料分散剤としては、低分子界面活性
剤や高酸価のアクリル樹脂等が多用されてきた。しかし
ながら、これらの顔料分散剤は、塗料、インキ、プラス
チック着色剤等の物性に影響を与えることが少なくな
く、塗工面または印字面の耐水性や耐摩擦性等の物性に
悪影響を与えるという問題がしばしば生じていた。例え
ば、低分子界面活性剤を顔料分散剤として用いている塗
料においては、その塗膜の耐水性が著しく低下し、使用
される範囲が限定されるという問題が生じている。ま
た、高酸価のアクリル樹脂は顔料分散性に優れるもので
あり、該樹脂を顔料分散剤として用いている塗料におい
ては高光沢の塗膜が得られるが、該分散剤樹脂の酸価が
高すぎるために、塗料の高粘度化、さらには経時保存中
での増粘等が起こりやすくなるという問題が生じてい
る。また、顔料分散体中に疎水性の成分を導入すること
により、塗料、インキ等の耐水性、耐摩擦性等の物性を
向上し得るが、顔料分散性が劣るという問題が生じてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、顔料分散性に優れ、特に微細な顔料分散
が可能であり、さらに耐水性、耐摩擦性等も具備した塗
料、インキ、プラスチック着色剤等を提供し得る顔料分
散剤として有用な変性共重合体、その製造方法およびそ
れを用いた顔料組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−オレ
フィンと、水酸基と反応可能な官能基および重合性不飽
和二重結合を有するモノマーとの共重合体と、オキシカ
ルボン酸の分子間縮合物とが、共重合体の少なくとも一
部の水酸基と反応可能な官能基と、オキシカルボン酸の
分子間縮合物の水酸基との反応を介して結合している変
性共重合体は、顔料分散性に優れ、特に微細な顔料分散
が可能であり、該変性共重合体を顔料分散剤として用い
た顔料組成物は、耐水性、耐摩擦性等の優れた塗料、イ
ンキ、プラスチック着色剤等を提供し得ることを見出
し、本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は、α−オレフィンと、
水酸基と反応可能な官能基および重合性不飽和二重結合
を有するモノマーとの共重合体と、オキシカルボン酸の
分子間縮合物とが、共重合体の少なくとも一部の水酸基
と反応可能な官能基と、オキシカルボン酸の分子間縮合
物の水酸基との反応を介して結合している変性共重合体
である。また、本発明は、水酸基と反応可能な官能基お
よび重合性不飽和二重結合を有するモノマーが、重合性
不飽和二重結合を有するジカルボン酸またはその無水物
である上記変性共重合体である。また、本発明は、重合
性不飽和二重結合を有するジカルボン酸が、マレイン酸
である上記変性共重合体である。
【0006】また、本発明は、オキシカルボン酸が、炭
素数10〜30の脂肪族オキシカルボン酸である上記変
性共重合体である。また、本発明は、α−オレフィン
と、水酸基と反応可能な官能基および重合性不飽和二重
結合を有するモノマーとの共重合体と、オキシカルボン
酸の分子間縮合物とを反応させる上記変性共重合体の製
造方法である。また、本発明は、上記いずれかの変性共
重合体からなる顔料分散剤である。さらに、本発明は、
上記いずれかの顔料分散剤および顔料を含む顔料組成物
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の変性共重合体は、α−オ
レフィンと、水酸基と反応可能な官能基および重合性不
飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体と、オキシ
カルボン酸の分子間縮合物とが、共重合体の少なくとも
一部の水酸基と反応可能な官能基と、オキシカルボン酸
の分子間縮合物の水酸基との反応を介して結合している
ものである。本発明で用いられるα−オレフィンとして
は特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデ
セン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセ
ン、1−テトラエイコセン、1−ヘキサエイコセン、1
−オクタエイコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリ
アコンテン、1−テトラトリアコンテン、1−ヘキサト
リアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラ
コンテン等が挙げられる。上記モノマーは、2種以上を
混合して用いることもできる。
【0008】本発明で用いられる水酸基と反応可能な官
能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーは、
酸無水物基、カルボキシル基、N−アルコキシメチル
基、エポキシ基、イソシアネート基、クロロホルミル
基、ケトン基、アセトアセチル基、ホルミル基等の水酸
基と反応可能な官能基と、重合性不飽和二重結合とを有
するモノマーである。該モノマーとしては特に限定され
るものではないが、顔料分散性の点から重合性不飽和二
重結合を有するジカルボン酸またはその無水物が好まし
い。ジカルボン酸またはその無水物としては、例えば、
マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、テ
トラヒドロフタル酸、およびそれらの無水物が挙げら
れ、特にマレイン酸またはその無水物が好ましい。
【0009】ジカルボン酸またはその無水物以外の水酸
基と反応可能な官能基および重合性不飽和二重結合を有
するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、Nーアル
コキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ル酸グリシジル、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト、アクリル酸クロリド、ダイアセトン(メタ)アクリ
ルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ア
クロレイン等が挙げられる。上記モノマーは、2種以上
を混合して用いることもできる。
【0010】α−オレフィンと、水酸基と反応可能な官
能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーと
は、必要に応じて任意の組成で共重合できるものである
が、共重合するモノマー中における水酸基と反応可能な
官能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーの
含有率が、15〜80mol%となる比率で共重合する
ことが好ましい。共重合するモノマー中における水酸基
と反応可能な官能基および重合性不飽和二重結合を有す
るモノマーの含有率が15mol%未満の場合は、オキ
シカルボン酸の分子間縮合物による変性が十分に行われ
ず、得られる変性共重合体の顔料分散効果および耐水
性、耐摩擦性が低くなる傾向があり好ましくない。ま
た、共重合するモノマー中における水酸基と反応可能な
官能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーの
含有率が80mol%を越える場合は、顔料分散効果に
寄与するα−オレフィンの共重合体中における比率が低
くなり、得られる変性共重合体の顔料分散効果が低くな
る傾向があり好ましくない。
【0011】また、水酸基と反応可能な官能基および重
合性不飽和二重結合を有するモノマーが重合性不飽和二
重結合を有するジカルボン酸またはその無水物である場
合は、共重合体の酸価が200〜600、特に300〜
500であることが好ましい。共重合体の酸価が200
未満の場合、オキシカルボン酸の分子間縮合物による変
性(エステル化)が十分に行われず、得られる変性共重
合体の顔料分散効果が低くなる傾向があり、酸価が60
0を越えると共重合体の粘度が高くなりすぎ好ましくな
い。
【0012】また、α−オレフィンと、水酸基と反応可
能な官能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマ
ーとの共重合体の重量平均分子量は、1000〜600
00、特に3000〜20000であることが好まし
い。共重合体の重量平均分子量が1000未満の場合
は、得られる変性共重合体の顔料分散性が低くなる傾向
にあり、60000を越える場合は、共重合体の粘度が
高くなりすぎて好ましくない。
【0013】さらに、上記のα−オレフィンと、水酸基
と反応可能な官能基および重合性不飽和二重結合を有す
るモノマーは、要求物性に応じて他の重合性不飽和二重
結合を有するモノマーと共重合してもよい。他の重合性
不飽和二重結合を有するモノマーとしては特に限定され
るものではなく、例えば、(メタ)アクリル酸エステ
ル、スチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルアセテート等が
挙げられる。α−オレフィンと、水酸基と反応可能な官
能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーとの
共重合は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下で50〜
300℃で2〜10時間かけて行われる。共重合は、必
要に応じて溶剤の存在下で行っても差し支えない。ま
た、圧力容器中で0〜10kgf/cmの加圧の条件下
で行うこともできる。
【0014】開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。開
始剤は、重合性不飽和二重結合を有するモノマー100
重量部に対して、1〜20重量部使用されることが好ま
しい。
【0015】上記共重合体の変性に用いられるオキシカ
ルボン酸の分子間縮合物とは、下記オキシカルボン酸に
おいて、オキシカルボン酸中の水酸基とカルボキシル基
との分子間縮合反応を行わしめたものである。すなわ
ち、オキシカルボン酸の分子間縮合反応により生成する
オキシカルボン酸の二量体および/または三以上の多量
体である。オキシカルボン酸の分子間縮合物は、未反応
のオキシカルボン酸を含有していても構わない。従っ
て、該オキシカルボン酸縮合物は、オキシカルボン酸の
多量体の混合物、またはオキシカルボン酸およびオキシ
カルボン酸の多量体の混合物である。これらの縮合反応
に基づくオキシカルボン酸単位の繰り返し数の平均値、
すなわちオキシカルボン酸の分子間縮合物の平均重合度
は、1.01〜5であることが好ましく、1.5〜4で
あるとより好ましい。オキシカルボン酸の分子間縮合物
の平均重合度が5を越える場合は、変性共重合体の顔料
分散効果が低くなる傾向があり好ましくない。
【0016】オキシカルボン酸は、カルボキシル基と水
酸基とを有する化合物であれば特に限定されるものでは
なく、脂肪族または芳香族のオキシカルボン酸がある
が、炭素数10〜30の脂肪族オキシカルボン酸が塗
料、インキにした際の耐水性等の物性付与の点で好まし
い。さらに、原料の入手性を鑑みると12−ヒドロキシ
ステアリン酸、リシノール酸が特に好ましい。
【0017】炭素数10〜30の脂肪族オキシカルボン
酸としては、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロ
キシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−
ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、
α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘ
キサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン
酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシ
ミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒド
ロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等が
挙げられる。
【0018】また、他の脂肪族オキシカルボン酸として
は、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキ
シ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、δ−ヒドロキシカプ
ロン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒド
ロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサ
トリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタ
ン酸、α−ヒドロキシテトラコンタン酸、グリセリン
酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられ
る。また、芳香族オキシカルボン酸としては、サリチル
酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子
酸、マンデル酸、トロバ酸等が挙げられる。
【0019】α−オレフィンと、水酸基と反応可能な官
能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーとの
共重合体は、共重合体中の水酸基と反応可能な官能基1
個に対して、オキシカルボン酸の分子間縮合物の水酸基
0.05〜0.7個、特に0.1〜0.5個の比率で変
性されていることが好ましい。オキシカルボン酸の分子
間縮合物の水酸基の比率が0.05個に満たない場合に
は、オキシカルボン酸の分子間縮合物による耐水性など
の物性が十分に得られにくく、0.7個を越える場合に
は、反応時間が長くなりやすいため好ましくない。ただ
し、水酸基と反応可能な官能基がイソシアネート基やメ
チロール基のように活性が高い場合には、上記の比率は
0.9〜1.0個であることが望ましい。水酸基の比率
が0.9個未満では、得られる変性共重合体を含有する
顔料分散剤を用いて顔料を分散してなる分散体の経時保
存中に、分散体の増粘等が起こりやすくなるため好まし
くない。また、水酸基と反応可能な官能基がカルボキシ
ル基の場合、得られるオキシカルボン酸の分子間縮合物
変性共重合体の酸価は、100〜400であることが好
ましい。これらの範囲以外では期待される顔料分散性を
十分に得ることが困難であり、好ましくない。
【0020】オキシカルボン酸の分子間縮合物を生成せ
しめる縮合反応と、上記のオキシカルボン酸の分子間縮
合物による変性反応はどちらを先に行ってもよく、また
同時に行ってもよい。すなわち、オキシカルボン酸の分
子間縮合反応を行った後に変性反応を行ってもよく、オ
キシカルボン酸による変性反応を行った後にオキシカル
ボン酸の分子間縮合反応を行ってもよく、またオキシカ
ルボン酸の分子間縮合反応と、オキシカルボン酸または
その分子間縮合物との変性反応とを同時に行うことによ
り合成してもよい。何れにおいても、最終的に得られる
本発明の変性共重合体中、共重合体に結合しているオキ
シカルボン酸の分子間縮合物の平均重合度は前記の範囲
のものが望ましい。共重合体に結合しているオキシカル
ボン酸の分子間縮合物の平均重合度を制御するために
は、オキシカルボン酸の分子間縮合反応を行った後に変
性反応を行うことが好ましい。一方、変性反応とオキシ
カルボン酸の分子間縮合反応とを同時に行うと操作上簡
便である点で好ましい。
【0021】さらに、オキシカルボン酸の分子間縮合物
による変性反応は、α−オレフィンと、水酸基と反応可
能な官能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマ
ーとを共重合させる前に行っても、共重合した後に行っ
ても構わない。すなわち、水酸基と反応可能な官能基お
よび重合性不飽和二重結合を有するモノマーの少なくと
も一部の水酸基と反応可能な官能基にオキシカルボン酸
の分子間縮合物を反応させた後、α−オレフィンと共重
合させてもよい。また、α−オレフィンと、水酸基と反
応可能な官能基および重合性不飽和二重結合を有するモ
ノマーとを共重合させた後に、オキシカルボン酸の分子
間縮合物による変性反応を行ってもよい。共重合性を鑑
みると、上記モノマーを共重合させた後に、共重合体中
の少なくとも一部の水酸基と反応可能な官能基に、オキ
シカルボン酸の分子間縮合物を反応させることが好まし
い。
【0022】上記変性反応は、50〜300℃で行わ
れ、必要に応じて適当な溶剤の存在下で行ってもよい。
さらに必要に応じて適宜、触媒を添加して行ってもよ
い。例えば、水酸基と反応可能な官能基および重合性不
飽和二重結合を有するモノマーが重合性不飽和二重結合
を有するジカルボン酸またはその無水物である場合に
は、必要に応じて変性反応時にエステル化触媒を添加し
てもよい。該エステル化触媒は、特に限定されるもので
はなく、例えば、硫酸、塩化水素、p−トルエンスルホ
ン酸、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられ、反
応系の固形分に対して0.1〜5重量%使用するのが好
ましい。
【0023】また、オキシカルボン酸の分子間縮合反応
は、70〜300℃で行われ、必要に応じて適当な溶剤
の存在下で行ってもよい。さらに必要に応じて触媒を添
加しても良い。オキシカルボン酸の分子間縮合反応の触
媒は、特に限定されるものではなく、例えば、硫酸、塩
化水素、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、反応系
の固形分に対して0.1〜5重量%使用するのが好まし
い。上記反応により得られたオキシカルボン酸の分子間
縮合物変性共重合体は、未反応のオキシカルボン酸ある
いはその分子間縮合物を含有しうるので、オキシカルボ
ン酸の分子間縮合物変性共重合体を再沈殿等することに
より、未反応のオキシカルボン酸あるいはその分子間縮
合物を除去しなければならない。
【0024】本発明のオキシカルボン酸の分子間縮合物
変性共重合体は、さらに、モノアミン化合物、モノヒド
ロキシ化合物により、アミド化、エステル化されていて
もよい。本発明のオキシカルボン酸の分子間縮合物変性
共重合体は、顔料分散剤として、溶剤系、水系、無溶剤
系何れでも用いることができる。溶剤系で用いる時に使
用される溶剤は、要求される品質等に応じて適宜選択す
ることができる。一方、水系で用いる時には、必要に応
じて適宜水性溶剤を併用することもできる。さらに、本
発明の顔料分散剤を用いて顔料を分散することにより本
発明の顔料組成物が得られる。
【0025】本発明における顔料としては、有機顔料お
よび無機顔料を用いることができる。有機顔料として具
体的には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハ
ンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなど
の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、
ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなど
の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダンスレン、チオイ
ンジゴマルーンなどの建染染料から誘導される顔料、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフ
タロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリド
ンマゼンタなどのキナクリドン系顔料、ペリレンレッ
ド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料、イソ
インドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどの
イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジアン
スラキノニルレッドなどのアントラキノン系顔料が挙げ
られる。また、無機顔料として具体的には、カーボンブ
ラック、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料、カドミウム
系顔料、コバルト系顔料が挙げられる。
【0026】また、顔料をカラーインデックス(C.I.)ナ
ンバーで示すと、C.I.ピグメントエロー12、13、1
4、17、20、24、74、83、86、93、10
9、110、117、125、128、137、13
8、147、148、153、154、166、16
8、C.I.ピグメントオレンジ13、16、36、43、
51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、4
8、49、52、53、57、97、122、123、
149、168、177、180、192、215、2
16、217、220、223、224、226、22
7、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレ
ット19、23、29、30、37、40、50、C.I.
ピグメントブルー15、15:1、15:4、15:
6、22、60、64、 C.I. ピグメントグリーン7、
36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.
ピグメントブラック7、C.I.ピグメントホワイト6、C.
I.ピグメントエロー37、C.I.ピグメントレッド10
1、C.I.ピグメントブルー28等が例示できる。
【0027】顔料の分散方法としては特に限定されるも
のではなく、使用される塗料、インキに要求される品質
等に応じて適宜選択することができる。使用する分散機
としては、例として、サンドミル、ダイノミル、ホモジ
ナイザー、アトライター、ボールミル、ペイントシェー
カー、フルイダイザー、高速ミキサー、超音波分散機、
二本ロール、三本ロール、ニーダー、二軸押出機等が挙
げられる。
【0028】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。なお、以下、「部」および「%」は、すべて
「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。オキシカ
ルボン酸の分子間縮合物変性共重合体中のオキシカルボ
ン酸の分子間縮合物の平均重合度は、13C―NMR測
定によるピーク面積比により算出した。
【0029】(実施例1)セパラブル4口フラスコに温
度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付け
て、炭素数14のα−オレフィン(三菱化学社製「ダイ
アレン14」、分子量196)112部を仕込み、15
0℃に昇温した後、ジt−ブチルパーオキサイド2.7
部を添加し、さらに無水マレイン酸57部を2分毎に
1.9部ずつ、ジt−ブチルパーオキサイド2.1部を
20分毎に0.7部ずつ添加した。添加終了後、系の温
度を180℃に保ち、さらに6時間反応させ、酸価38
2、重量平均分子量15000の共重合体を得た。さら
に12−ヒドロキシステアリン酸112部を添加し、1
40℃で30時間反応させた。反応終了後、メチルエチ
ルケトンを添加して固形分50%に調整した。得られた
反応物のメチルエチルケトン溶液を5倍量のヘキサン中
に投入し、変性共重合体を再沈殿により単離し、顔料分
散剤(A1)を得た。変性共重合体中の12−ヒドロキ
システアリン酸の分子間縮合物の平均重合度は1.5、
変性共重合体の酸価は180であった。得られた顔料分
散剤(A1)60部、青色顔料(東洋インキ製造社製
「リオノールブルーFG7351」)200部をロール
温度80℃の三本ロールにより混練し顔料組成物(B
1)を得た。得られた顔料組成物(B1)にシクロヘキ
サノン700部を添加して、70℃で2時間撹拌し、顔
料分20%の顔料組成物を得た。得られた顔料組成物
は、25℃における粘度7cps、レーザー光散乱法に
よる平均粒径100nmであった。
【0030】(実施例2)セパラブル4口フラスコに温
度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付け
て、12−ヒドロキシステアリン酸150部を仕込み、
約170℃に昇温し2時間反応を継続して12−ヒドロ
キシステアリン酸の分子間縮合物(C1)を得た。12
−ヒドロキシステアリン酸の分子間縮合物の平均重合度
は1.5であった。セパラブル4口フラスコに温度制御
用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、炭
素数20〜28のα−オレフィン(三菱化学社製「ダイ
アレン208」、分子量319)153部を仕込み、1
50℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、ジt−
ブチルパーオキサイド3.2部を添加し、さらに無水マ
レイン酸47部を2分毎に1.57部ずつ、ジt−ブチ
ルパーオキサイド2.4部を20分毎に0.8部ずつ添
加した。添加終了後、系の温度を180℃に保ち、さら
に6時間反応させ、酸価269、重量平均分子量170
00の共重合体を得た。さらに、上記12−ヒドロキシ
ステアリン酸の分子間縮合物(C1)140部を添加
し、180℃で30分間反応させた。反応終了後、メチ
ルエチルケトンを添加して固形分50%に調整した。得
られた反応物のメチルエチルケトン溶液を5倍量のヘキ
サン中に投入し、変性共重合体を再沈殿により単離し
た。変性共重合体中の12−ヒドロキシステアリン酸の
分子間縮合物の平均重合度は1.5、変性共重合体の酸
価は221であった。単離した変性共重合体にシクロヘ
キサノンを添加して調整し、固形分20%の顔料分散剤
溶液(A2)を得た。次いで、得られた顔料分散剤溶液
(A2)100部、青色顔料(東洋インキ製造社製「リ
オノールブルーFG7351」)200部、シクロヘキ
サノン700部をサンドミルにて分散し、顔料分20%
の顔料組成物を得た。得られた顔料組成物は、25℃に
おける粘度5cps、レーザー光散乱法による平均粒径
90nmであった。
【0031】(実施例3)加圧用フラスコに温度制御用
レギュレーター、撹拌装置を取り付けて炭素数8のα−
オレフィン(三菱化学社製「ダイアレン8」、分子量1
12)155部、無水マレイン酸45部、ジt−ブチル
パーオキサイド5.6部を仕込み、反応容器内を窒素置
換した後、5kgf/cmに窒素加圧した。180℃に
昇温し、8時間反応させ、酸価259、重量平均分子量
15000の共重合体を得た。さらに、12−ヒドロキ
システアリン酸55部を添加し、200℃で3時間反応
させた。反応終了後、メチルエチルケトンを添加して固
形分50%に調整した。得られた反応物のメチルエチル
ケトン溶液を5倍量のヘキサン中に投入し、変性共重合
体を再沈殿により単離した。変性共重合体中の12−ヒ
ドロキシステアリン酸の分子間縮合物の平均重合度は
2.0、変性共重合体の酸価は223であった。単離し
た変性共重合体にシクロヘキサノンを添加して調整し、
固形分20%の顔料分散剤溶液(A3)を得た。次い
で、得られた顔料分散剤溶液(A3)100部、カーボ
ンブラック(キャボット社製「ブラックパールス80
0」)200部、シクロヘキサノン700部をサンドミ
ルにて分散し、顔料分20%の顔料組成物を得た。得ら
れた顔料組成物は、25℃における粘度4cps、レー
ザー光散乱法による平均粒径90nmであった。
【0032】(実施例4)セパラブル4口フラスコに温
度制御用レギュレーター、撹拌装置を取り付けてリシノ
ール酸150部を仕込み、約200℃に昇温し2時間反
応を継続してリシノール酸の分子間縮合物(C2)を得
た。得られたリシノール酸の分子間縮合物の平均重合度
は2.6であった。加圧用フラスコに温度制御用レギュ
レーター、撹拌装置を取り付けて炭素数18のα−オレ
フィン(三菱化学社製「ダイアレン18」、分子量25
2)97部、無水マレイン酸38部、メタクリル酸66
部、ジt−ブチルパーオキサイド5.6部を仕込み、反
応容器内を窒素置換した後、5kgf/cmに窒素加圧
した。180℃に昇温し、8時間反応させ、酸価43
0、重量平均分子量16500の共重合体を得た。さら
に、前記リシノール酸の分子間縮合物787部、p−ト
ルエンスルホン酸4部を添加し、180℃で12時間反
応させた。反応終了後、メチルエチルケトンを添加して
固形分50%に調整した。得られた反応物のメチルエチ
ルケトン溶液を5倍量のヘキサン中に投入し、変性共重
合体を再沈殿により単離した。変性共重合体中のリシノ
ール酸の分子間縮合物の平均重合度は3.2、変性共重
合体の酸価は109であった。単離した変性共重合体に
シクロヘキサノンを添加して調整し固形分20%の顔料
分散剤溶液を得た。次いで、得られた顔料分散剤溶液
(A4)100部、カーボンブラック(キャボット社製
「ブラックパールス800」)200部、シクロヘキサ
ノン700部をサンドミルにて分散し、顔料分20%の
顔料組成物を得た。得られた顔料組成物は、25℃にお
ける粘度3cps、レーザー光散乱法による平均粒径8
0nmであった。
【0033】(実施例5)加圧用フラスコに温度制御用
レギュレーター、撹拌装置を取り付けて、炭素数10の
α−オレフィン(三菱化学社製「ダイアレン10」、分
子量140)153部、メタクリル酸47部、ジt−ブ
チルパーオキサイド5.6部を仕込み、反応容器内を窒
素置換した後、5kgf/cmに窒素加圧した。180
℃に昇温し、8時間反応させ、酸価153、重量平均分
子量12000の共重合体を得た。さらに、12−ヒド
ロキシステアリン酸163部、p−トルエンスルホン酸
2部を添加し、160℃で20時間反応させた。反応終
了後、メチルエチルケトンを添加して固形分50%に調
整した。得られた反応物のメチルエチルケトン溶液を5
倍量のヘキサン中に投入し、変性共重合体を再沈殿によ
り単離し、顔料分散剤(A5)を得た。変性共重合体中
の12−ヒドロキシステアリン酸の分子間縮合物の平均
重合度は2.1、変性共重合体の酸価は123であっ
た。次いで、得られた顔料分散剤(A5)60部、カー
ボンブラック(キャボット社製「ブラックパールス80
0」)200部をロール温度80℃の三本ロールにより
混練し顔料組成物(B2)を得た。得られた顔料組成物
(B2)にシクロヘキサノン740部を添加して、70
℃で2時間撹拌し、顔料分20%の顔料組成物を得た。
得られた顔料組成物は、25℃における粘度6cps、
レーザー光散乱法による平均粒径95nmであった。
【0034】(実施例6)加圧用フラスコに温度制御用
レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、炭素
数10のα−オレフィン(三菱化学社製「ダイアレン1
8」、分子量252)184部、メタクリロイルイソシ
アネート(日本ペイント社製「M.A.I」)16部、
ジt−ブチルパーオキサイド5.6部を仕込み、反応容
器内を窒素置換した後、5kgf/cmに窒素加圧し
た。180℃に昇温し、8時間反応させ、重量平均分子
量10000の共重合体を得た。さらに、実施例4記載
のリシノール酸の分子間縮合物(C2)134部、脱水
したシクロヘキサノン200部を添加し、100℃で8
時間反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンを添
加して固形分50%に調整した。得られた反応物のメチ
ルエチルケトン溶液を5倍量のヘキサン中に投入し、変
性共重合体を再沈殿により単離した。変性共重合体中の
リシノール酸の分子間縮合物の平均重合度は2.6であ
った。単離した変性共重合体にシクロヘキサノンを添加
して調整し固形分20%の顔料分散剤溶液(A6)を得
た。得られた顔料分散剤溶液(A6)100部、青色顔
料(東洋インキ製造社製「リオノールブルーFG735
1」)200部、シクロヘキサノン700部をサンドミ
ルにて分散し、顔料分20%の顔料組成物を得た。得ら
れた顔料組成物は、25℃における粘度8cps、レー
ザー光散乱法による平均粒径100nmであった。
【0035】(実施例7)セパラブル4口フラスコに温
度制御用レギュレーター、撹拌装置を取り付けて12−
ヒドロキシステアリン酸150部を仕込み、約170℃
に昇温し10分間反応を継続して12−ヒドロキシステ
アリン酸の分子間縮合物(C3)を得た。得られた12
−ヒドロキシステアリン酸の分子間縮合物の平均重合度
は1.04であった。セパラブル4口フラスコに温度制
御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、
炭素数20〜28のα−オレフィン(三菱化学社製「ダ
イアレン208」、分子量319)153部を仕込み、
150℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、ジt
−ブチルパーオキサイド3.2部を添加し、さらに無水
マレイン酸47部を2分毎に1.57部ずつ、ジt−ブ
チルパーオキサイド2.4部を20分毎に0.8部ずつ
添加した。添加終了後、系の温度を180℃に保ち、さ
らに6時間反応させ、酸価269、重量平均分子量17
000の共重合体を得た。さらに、上記12−ヒドロキ
システアリン酸の分子間縮合物(C3)30部を添加
し、180℃で4時間反応させた。反応終了後、メチル
エチルケトンを添加して固形分50%に調整した。得ら
れた反応物のメチルエチルケトン溶液を5倍量のヘキサ
ン中に投入し、変性共重合体を再沈殿により単離した。
変性共重合体中の12−ヒドロキシステアリン酸の分子
間縮合物の平均重合度は1.04、変性共重合体の酸価
は239であった。単離した変性共重合体にシクロヘキ
サノンを添加して調整し、固形分20%の顔料分散剤溶
液(A7)を得た。次いで、得られた顔料分散剤溶液
(A7)100部、青色顔料(東洋インキ製造社製「リ
オノールブルーFG7351」)200部、シクロヘキ
サノン700部をサンドミルにて分散し、顔料分20%
の顔料組成物を得た。得られた顔料組成物は、25℃に
おける粘度4cps、レーザー光散乱法による平均粒径
85nmであった。
【0036】(比較例1)セパラブル4口フラスコに温
度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付け
て炭素数14のα−オレフィン(三菱化学社製「ダイア
レン14」、分子量196)112部を仕込み、150
℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、ジt−ブチ
ルパーオキサイド2.7部を添加し、さらに無水マレイ
ン酸57部を2分毎に1.9部ずつ、ジt−ブチルパー
オキサイド2.1部を20分毎に0.7部ずつ添加し
た。添加終了後、系の温度を180℃に保ち、さらに6
時間反応させ、酸価382、重量平均分子量15000
の共重合体を得た。反応終了後、反応物を熱時に取り出
し、冷却、固化させ、顔料分散剤(A8)を得た。次い
で、得られた顔料分散剤(A8)60部、青色顔料(東
洋インキ製造社製「リオノールブルーFG7351」)
200部をロール温度80℃の三本ロールにより混練し
顔料組成物(B3)を得た。得られた顔料組成物(B
3)にシクロヘキサノン740部を添加して、70℃で
2時間撹拌し、顔料分20%の顔料組成物を得た。得ら
れた顔料組成物は、25℃における粘度8cps、レー
ザー光散乱法による平均粒径90nmであった。
【0037】(比較例2)加圧用フラスコに温度制御用
レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて、炭素
数18のα−オレフィン(三菱化学社製「ダイアレン1
8」、分子量252)184部、メタクリロイルイソシ
アネート(日本ペイント社製「M.A.I」)16部、
ジt−ブチルパーオキサイド5.6部を仕込み、反応容
器内を窒素置換した後、5kgf/cmに窒素加圧し
た。180℃に昇温し、8時間反応させ、重量平均分子
量10000の共重合体を得た。さらに、ステアリルア
ルコール40部、脱水したシクロヘキサノン200部を
添加し、100℃で8時間反応させた。反応終了後、シ
クロヘキサノンを添加して調整し、固形分20%の顔料
分散剤溶液(A9)を得た。得られた顔料分散剤溶液
(A9)100部、青色顔料(東洋インキ製造社製「リ
オノールブルーFG7351」)200部、シクロヘキ
サノン700部をサンドミルにて分散しようとしたが、
分散体は得られなかった。
【0038】(比較例3)アニオン性界面活性剤(日本
乳化剤社製「ニューコールB−13SN」)の20%シ
クロヘキサノン溶液100部、カーボンブラック(キャ
ボット社製「ブラックパールス800」)200部、シ
クロヘキサノン700部をサンドミルにて分散し、顔料
分20%の顔料組成物を得た。得られた顔料組成物は、
25℃における粘度3cps、レーザー光散乱法による
平均粒径90nmであった。
【0039】実施例1〜7、比較例1、3で得られた顔
料組成物の経時保存安定性を評価した。さらに、これら
の顔料組成物をバーコータ#8でガラス板上に塗工し、
150℃の熱風乾燥機で3分間乾燥し、塗工面の耐水
性、耐摩擦性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(注1)顔料組成物の経時保存後の状態を
目視にて評価した。◎:60℃3ヶ月保存後、変化がな
かった。○:60℃1ヶ月保存後、変化がなかった。
△:60℃1週間保存後、変化がなかった。×:60℃
1週間以内に分離または沈殿がみられた。 (注2)顔料組成物を塗工したガラス板を80℃の温水
に30分間浸漬した後の塗工面の表面状態を目視にて評
価した。○:変化なし。△:塗工面の一部(70%未
満)に溶解または膨れが見られた。×:塗工面の一部
(70%以上)または全部に溶解または膨れが見られ
た。 (注3)顔料組成物を塗工したガラス板の塗工面を指で
擦ったときの状態を目視にて評価した。◎:変化なし。
○:塗工面の一部が剥離したが、ガラス面は露出しなか
った。△:塗工面の一部が剥離し、ガラス面の70%未
満が露出した。×:塗工面の一部または全部が剥離し、
ガラス面の70%以上が露出した。 (注4)顔料組成物を塗工したガラス板を80℃の温水
に30分間浸漬した後に塗工面を指で擦ったときの状態
を目視にて評価した。◎:変化なし。○:塗工面の一部
が剥離したが、ガラス面は露出しなかった。△:塗工面
の一部が剥離し、ガラス面の70%未満が露出した。
×:塗工面の一部または全部が剥離し、ガラス面の70
%以上が露出した。
【0042】
【発明の効果】本発明の変性共重合体は顔料分散性に優
れ、顔料の微細分散が可能であり、該変性共重合体を顔
料分散剤として用いた顔料組成物は、良好な発色性、経
時保存安定性、耐水性等を有するため、塗料、インキな
どの広範な用途に利用することができ、工業上極めて有
用である。
フロントページの続き (72)発明者 佐武 順 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 浦木 久嗣 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 池上 智紀 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−オレフィンと、水酸基と反応可能な官
    能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーとの
    共重合体と、オキシカルボン酸の分子間縮合物とが、共
    重合体の少なくとも一部の水酸基と反応可能な官能基
    と、オキシカルボン酸の分子間縮合物の水酸基との反応
    を介して結合している変性共重合体。
  2. 【請求項2】水酸基と反応可能な官能基および重合性不
    飽和二重結合を有するモノマーが、重合性不飽和二重結
    合を有するジカルボン酸またはその無水物である請求項
    1記載の変性共重合体。
  3. 【請求項3】重合性不飽和二重結合を有するジカルボン
    酸が、マレイン酸である請求項2記載の変性共重合体。
  4. 【請求項4】オキシカルボン酸が、炭素数10〜30の
    脂肪族オキシカルボン酸である請求項1ないし3いずれ
    か1項に記載の変性共重合体。
  5. 【請求項5】α−オレフィンと、水酸基と反応可能な官
    能基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーとの
    共重合体と、オキシカルボン酸の分子間縮合物とを反応
    させる請求項1記載の変性共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4いずれか1項に記載の変
    性共重合体からなる顔料分散剤。
  7. 【請求項7】請求項6記載の顔料分散剤および顔料を含
    む顔料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005113038A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Idemitsu Kosan Co Ltd 極性基含有高級オレフィン重合体及びその製造方法
JP2013166905A (ja) * 2012-02-17 2013-08-29 Mei Clean:Kk 表面修復材

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