JP2000317990A - 電源プラグ成形用金型及びその金型を使用した電源プラグの製造方法 - Google Patents

電源プラグ成形用金型及びその金型を使用した電源プラグの製造方法

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JP2000317990A
JP2000317990A JP11128302A JP12830299A JP2000317990A JP 2000317990 A JP2000317990 A JP 2000317990A JP 11128302 A JP11128302 A JP 11128302A JP 12830299 A JP12830299 A JP 12830299A JP 2000317990 A JP2000317990 A JP 2000317990A
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plug
blade
power
mold
cavity
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JP11128302A
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English (en)
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Matsue Tamura
松栄 田村
Hitoshi Murabayashi
斉 村林
Masayuki Umemoto
誠幸 梅本
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YUKITA DENSEN KK
Yukita Electric Wire Co Ltd
Original Assignee
YUKITA DENSEN KK
Yukita Electric Wire Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源プラグに対する電気検査の信頼性を良好
に確保すると共に、射出成形されたプラグ本体を冷却し
ている時間帯を有効に利用して電源プラグの製造作業の
高効率化を図る。 【解決手段】 プラグ本体の射出成形用の金型4の下型
5に入れ子7を装着する。この入れ子7に樹脂性の栓刃
保持部材72を備えさせる。射出成形時、栓刃を栓刃保
持部材72に差し込んで栓刃と金型4とを絶縁する。上
型6に栓刃保持部材72内の栓刃のみに通電する電極を
設ける。射出成形の後、型締め状態のまま電極から栓刃
に通電し、金型4への漏電を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電化製品やOA機
器等の電気機器の電源コード端部に設けられる電源プラ
グを製造するための電源プラグ成形用金型及びその金型
を使用した電源プラグの製造方法に係る。特に、本発明
は、上記金型の多機能化を図る対策に関する。
【0002】
【従来の技術】電化製品やOA機器等の電気機器の電源
コード端部に設けられている電源プラグは、一般に、コ
ンセントやテーブルタップ等のプラグ受けに差し込まれ
る一対の栓刃と、この一対の栓刃と電源コードとの接続
部分を保護し且つ栓刃同士を所定の位置関係で支持固定
する絶縁材料製のプラグ本体とによって構成されている
(例えば特開平10−308250号公報参照)。
【0003】この種の電源プラグとして、近年では、栓
刃と電源コードとの接続部分を、塩化ビニル樹脂の射出
成形により形成されるプラグ本体の内部にモールドした
構成のものが普及している。
【0004】この樹脂モールドによる電源プラグの製造
工程としては、先ず、電源コードの心線の束を栓刃の接
続用端子に圧着して、各栓刃と電源コードとを接続す
る。その後、プラグ本体の成形を行うための成形金型の
キャビティ内に、栓刃と電源コードとの接続部分を位置
させる。この状態で成形金型を型締めし、キャビティ内
に溶融状態の塩化ビニル樹脂を射出する。これにより、
栓刃と電源コードとの接続部分周辺が、射出された樹脂
により形成されるプラグ本体内にインサート成形されて
電源プラグが得られる。
【0005】このようにして製造された電源プラグは、
冷却された後、成形金型から取り出され電気検査が行わ
れる。この電気検査の一つとして、電源コードの心線の
一部がプラグ本体の表面に露出していないか否かを検査
する。このような心線の露出がある場合、電源コードを
コンセント等に差し込んだ際にプラグ本体の表面への漏
電が発生することになる。このため、本検査によって不
良品を発見して排除することは重要である。
【0006】従来の電気検査は、成形金型から取り出し
た電源プラグのプラグ本体の外周囲を、通電性を有する
スポンジ状の検査具で覆い、各栓刃に電圧を印加すると
いった手法等により行われていた。そして、電源コード
の心線の一部がプラグ本体の表面に露出している場合に
は検査具への漏電が生じる。この漏電の有無を検出する
ことにより、電源コードの製造不良を検査していた。
【0007】このように、従来の電源プラグの製造工程
では、成形金型による電源プラグの製造と、この電源プ
ラグの電気検査とが個別に行われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した検
査具を使用した検査方法では、検査具が多孔質のスポン
ジ状であるため、プラグ本体の全面に対して検査するこ
とができない。つまり、心線の露出位置が検査具の孔部
分に位置している場合には、プラグ本体表面への漏電を
検査具で検出することができない。このため、検査の信
頼性に劣るといった不具合があった。また、この信頼性
を高めるためには、プラグ本体の外周面と検査具との接
触位置を変更しながら(検査具によるプラグ本体の覆い
方を変えながら)同様の検査を複数回に亘って行う必要
がある。これでは、電気検査に要する時間が長くなって
しまい、電源プラグの製造効率の悪化に繋がってしま
う。
【0009】一方、上述した電源プラグの製造に関し、
製造工程の時間短縮を図り、これによって製造作業を高
効率化することが予てより要求されている。
【0010】本発明の発明者は、電源プラグの製造作業
の高効率化について考察した。そして、製造作業の高効
率化を大きく阻害している要因として、プラグ本体の射
出成形時に、このプラグ本体が成形型内で所定温度まで
冷却されるまでに比較的長い時間を要していることに着
目した。
【0011】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、電源プラグに対する
電気検査の信頼性を良好に確保すると共に、射出成形さ
れたプラグ本体を冷却している時間帯を有効に利用して
電源プラグの製造作業の高効率化を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記目的を達成するために、本発明は、射出成形された
プラグ本体を冷却している時間帯を利用して電源プラグ
の電気検査が行えるようにしている。つまり、プラグ本
体を射出成形する金型を改良し、電源コードの心線の一
部がプラグ本体の表面に露出しているか否かを金型への
漏電の有無を検知することにより認識できるようにして
いる。
【0013】−解決手段− 具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、栓刃と電
源コードとの接続部をキャビティ内に収容した型締め状
態で上記キャビティ内に溶融樹脂材料が射出されること
により、上記接続部及びその周辺部を保護するためのプ
ラグ本体を成形する電源プラグ成形用金型を前提とす
る。この成形用金型に対し、栓刃のうちキャビティ外に
位置する領域の外面全体を覆う絶縁材料で成る絶縁部材
を設ける。また、この絶縁部材に、上記型締め状態で、
栓刃のみに通電可能に接触してこの栓刃への給電を行う
電極を配設している。
【0014】この特定事項により、電源プラグの製造工
程のうちプラグ本体の成形時には、栓刃のうちキャビテ
ィ外に位置する領域の外面全体を絶縁部材で覆った状態
で、栓刃と電源コードとの接続部をキャビティ内に収容
する。このキャビティ内に溶融樹脂材料を射出し、これ
によって上記接続部及びその周辺部を保護するようにプ
ラグ本体が射出成形される。この射出成形の後、型締め
状態のままプラグ本体の冷却工程に移る。この冷却工程
と平行して電源プラグの電気検査が行われる。この電気
検査では、電極から栓刃に対してのみ給電が行われる。
電源コードの心線の一部がプラグ本体の表面に露出して
いない場合には、各栓刃へ供給された電流は電源コード
のみを流れ、金型へは漏電しない。これに対し、電源コ
ードの心線の一部がプラグ本体の表面に露出している場
合には、各栓刃へ供給された電流はプラグ本体の表面に
露出した心線を経て金型に漏電する。従って、この金型
への漏電の有無を検知することにより、心線の一部がプ
ラグ本体の表面に露出しているか否かを判定できる。特
に、プラグ本体の表面は、その略全面が成形金型のキャ
ビティ面に接触しているため、一度の電気検査でプラグ
本体の表面全体に対して心線の露出の有無を検査するこ
とができる。
【0015】第2の解決手段は、絶縁部材の配設状態を
具体的に特定したものである。つまり、上記第1の解決
手段において、成形金型に上型と下型とを備えさせる。
下型には入れ子を組み付ける。そして、この入れ子を、
プラグ本体の差込み側端面を形成する部分に配設させ、
絶縁部材に、上記入れ子における栓刃に対応する位置に
配設されて栓刃が差し込まれる栓刃保持部材を備えさせ
ている。
【0016】この特定事項により、プラグ本体の射出成
形時には、栓刃が入れ子の栓刃保持部材に差し込まれ
る。この栓刃保持部材により栓刃と金型とは絶縁され、
電気検査時に、栓刃と金型とが短絡することは無い。つ
まり、栓刃を栓刃保持部材に差し込むといった比較的簡
単な作業で栓刃と金型との絶縁状態を得ることができ
る。
【0017】第3の解決手段は、漏電を検出するための
構成を具体化したものである。つまり、上記第2の解決
手段において、電極から栓刃への給電時に上型または下
型への漏電を検出する検出回路を設けている。
【0018】この特定事項により、心線の一部がプラグ
本体の表面に露出している場合には、各栓刃へ供給され
た電流はプラグ本体の表面に露出した心線を経て金型に
漏電する。この漏電が検出回路を流れることにより、こ
の回路によって心線の露出が生じていることを認識でき
る。
【0019】第4の解決手段は、上述した第1の解決手
段に係る成形用金型を使用した電源プラグの製造方法に
関するものである。つまり、電源プラグ成形用金型のキ
ャビティ内に栓刃と電源コードとの接続部を収容した状
態でキャビティ内に溶融樹脂材料を射出してプラグ本体
を成形する電源プラグの製造方法である。電源プラグ成
形用金型に、型締め状態において栓刃のうちキャビティ
外に位置する領域の外面全体を覆う絶縁材料で成る絶縁
部材を設ける。この絶縁部材に、上記型締め状態で、栓
刃のみに通電可能に接触してこの栓刃への給電を行う電
極を配設する。また、上記溶融樹脂材料の射出後、型締
め状態のまま電極から栓刃へ給電して栓刃と電源プラグ
成形用金型との間の電位差を検知する電気検査を行うよ
うにしている。
【0020】この特定事項により、上述した第1の解決
手段の場合と同様に、金型への漏電の有無を検知するこ
とにより、電源コードの心線の一部がプラグ本体の表面
に露出しているか否かを検査することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本形態では、本発明を、2極の電
源プラグを成形する成形用金型に適用した場合について
説明する。
【0022】−電源プラグの構成の説明− 先ず、本実施形態に係る電源プラグ成形用金型によって
成形される電源プラグ(後述の製造作業によって製造さ
れた完成品)の構成について説明する。
【0023】図1は本形態に係る電源プラグの外観斜視
図である。図2は電源プラグの内部構造を示す断面図で
ある。
【0024】図1及び図2に示すように、電源プラグ
は、プラグ本体1と一対の栓刃2,2とを備えている。
栓刃2は、図示しない電源コンセント等に備えられた刃
受けに差し込まれる金属製の板材である。また、この栓
刃2は、その後端部に備えられた接続用端子21に電源
コード3の心線31がかしめ加工(圧着)されている。
各栓刃2,2と電源コード3との接続部分は、塩化ビニ
ル樹脂により形成された上記プラグ本体1によって保護
されている。また、このプラグ本体1によって一対の栓
刃2,2が、上記刃受けに対応する所定間隔を存した位
置関係で支持固定されている。
【0025】−成形用金型の説明− 次に、上述の如く構成された電源プラグのプラグ本体1
を射出成形するための成形用金型について説明する。図
3は成形用金型4を型開きした状態を示す斜視図であ
る。
【0026】この図3に示すように、本成形用金型4
は、下型5、上型6及び入れ子7により構成されてい
る。
【0027】下型5は、上面の4箇所にキャビティ5
1,51,…が形成されている。つまり、1回の射出成
形で4個の電源プラグを製造するようになっている。上
記キャビティ51の形状は、図4(下型5の一部分の平
面図)にも示すように、上記プラグ本体1の形状に合致
している。また、下型5の上面には、キャビティ51に
連続して電源コード3を収容するためのコード収納凹部
52も形成されている。
【0028】この下型5の特徴の一つは、上記入れ子7
を収容するための入れ子収容凹部53が形成されている
ことにある。この入れ子収容凹部53は断面が矩形の溝
形に形成されている。また、この入れ子収容凹部53の
形成位置は、キャビティ51に対してコード収納凹部5
2の形成位置とは反対側の位置である。言い換えると、
プラグ本体1の差込み側端面(電源コンセントに対面す
る側の端面)11(図1参照)を成形する部分に対応し
て形成されている。つまり、この入れ子収容凹部53と
キャビティ51とは互いに連通しており、入れ子収容凹
部53に入れ子7が収容された状態では(図3参照)、
この入れ子7が入れ子収容凹部53を塞ぐことにより、
この入れ子7におけるキャビティ51に臨む側の側面7
3がプラグ本体1の差込み側端面11の成形面となる構
成である。
【0029】また、下型5の内部には図示しない冷却水
流路が形成されている。図3における54は、この冷却
水流路に冷却水を供給するための給水管である。
【0030】更に、この下型5のもう一つの特徴は、こ
の下型5への通電を検出するための検出回路8が接続さ
れていることにある。この検出回路8は、図3に模式的
に示すように、一端が下型5に接続し、他端がアースさ
れている。また、この検出回路8には電圧計81が配設
されており、下型5への通電があった場合には、この電
圧計81により通電を検出するようになっている。
【0031】上記入れ子7は、図5(aは平面図、bは
正面図、cは分解斜視図)にも示すように、比較的長尺
の直方体状に形成されている。この入れ子7の長手方向
の寸法は上記入れ子収容凹部53の長手方向寸法よりも
僅かに長く設定されている。
【0032】この入れ子7は、金属製の本体部材71と
樹脂製の複数の栓刃保持部材72,72,…とにより構
成されている。本体部材71は、下型5に組み付けられ
た状態における各キャビティ51,51,…に対向する
部分に凹部73,73,…が形成されている(図5
(c)参照)。この凹部73は本体部材71の角部が略
立方体状に削除されて形成されている。
【0033】栓刃保持部材72は、この凹部73に嵌め
込まれる立方体状の部材である。この栓刃保持部材72
の2箇所には、この栓刃保持部材72の上面74及びキ
ャビティ51側の側面73に開放するスリット75,7
5が形成されている。このスリット75は、プラグ本体
1の射出成形時に各栓刃2,2が挿入される部分であ
る。従って、このスリット75は、高さ寸法、奥行き寸
法及び幅寸法が、栓刃2の高さ寸法、長さ寸法及び厚さ
寸法にそれぞれ略一致している。また、この栓刃保持部
材72のキャビティ51側の側面73はプラグ本体1の
差込み側端面11よりも大きく形成されており、この側
面73が差込み側端面11の一部分(図1の仮想線より
も下側の部分全体)の成形面となる構成となっている。
【0034】上型6は、図6(プラグ本体1の射出成形
時におけるスリット75部分での断面図)に示すよう
に、下面の4箇所に、上記下型5のキャビティ51,5
1,…及びコード収納凹部52,52,…と同形状のキ
ャビティ61及びコード収納凹部(図示省略)が形成さ
れている。つまり、この上型6は下型5と型締めされる
ことによりプラグ本体1を射出成形するための所定形状
のキャビティを形成するものである。
【0035】この上型6の特徴は、上記入れ子7に対応
した位置に凹部62が形成されていると共に、この凹部
62のうち入れ子7の栓刃保持部材72に対応した位置
に樹脂製の電極保持部材63が配設されていることにあ
る。また、この電極保持部材63の内部における上記栓
刃保持部材72のスリット75に対向した位置には上下
方向に貫通する貫通孔64が形成されている。また、上
型6の金属部分には、この貫通孔64に連通する電極案
内路65が形成されている。そして、この電極案内路6
5から電極保持部材63の貫通孔64に亘って電極66
が挿通されている。この電極66は被覆されており、電
極保持部材63の貫通孔64の内部において、この被覆
が除去され、電極66の先端が栓刃保持部材72のスリ
ット75の内部に臨んでいる。
【0036】このため、上型6と下型5とが型締めされ
た状態では、図6に示すように、入れ子7の栓刃保持部
材72の上面74と電極保持部材63の下面とが重ね合
わされ、この両者72,63間に栓刃3の保持空間Aが
形成されるようになっている。また、この保持空間Aに
は上記電極66が臨んでいるため、この保持空間Aに保
持された栓刃3に電極66からの給電が行えるようにな
っている。これにより、上記電極保持部材63と栓刃保
持部材72とにより本発明でいう絶縁部材が構成されて
いる。
【0037】また、上型6の内部にも図示しない冷却水
流路が形成されている。図3における67は、この冷却
水流路に冷却水を供給するための給水管である。
【0038】−電源プラグ1の製造工程− 次に、上記成形用金型4を使用した電源プラグの製造工
程について説明する。
【0039】先ず、電源コード3の端部の外被を剥がし
心線の束を栓刃2の接続用端子21に圧着して各栓刃
2,2と電源コード3とを接続する。
【0040】次いで、型開きされた成形用金型4の下型
5のキャビティ51内に、各栓刃2,2及び電源コード
3を位置させる。この際、各栓刃2,2を入れ子7のス
リット75に差し込む。
【0041】その後、上型6を降下させて両型5,6を
型締めする。これにより、栓刃保持部材72と電極保持
部材63との間に形成された保持空間Aに栓刃2が位置
された状態となる。この状態では、上記電極66の先端
が栓刃2に接触している(図6参照)。
【0042】この型締め状態において、キャビティ5
1,61内に溶融状態の樹脂(ポリ塩化ビニル)を射出
する。これにより、溶融樹脂材料は、各型5,6のキャ
ビティ51,61形状に沿って流れ、所定形状のプラグ
本体1として成形される。この際、各栓刃2,2と電源
コード3との接続部である接続用端子21及びその周辺
部分がプラグ本体1にモールドされる。これにより、同
時に4個のプラグ本体1,1,…が射出成形されること
になる。
【0043】この樹脂材料の射出後、各型5,6の内部
を流れる冷却水によるプラグ本体1の冷却工程に移る。
この冷却工程は、例えば十数秒の間、型締め状態を維持
することにより行われる。
【0044】本製造工程の特徴は、この冷却工程中に電
源プラグの電気検査を平行して行うことにある。つま
り、この冷却工程中に電極66への通電(例えば200
0Vの電圧を2秒間印加)を行い、各栓刃3,3へ給電
する。この各栓刃3,3へ給電は、同時に成形される4
個のプラグ本体1,1,…のうち1個づつに対して順に
行われる。
【0045】そして、検査対象である電源プラグにおい
て、電源コード3の心線31の一部がプラグ本体1の表
面に露出していない場合には、各栓刃2,2へ供給され
た電流は電源コード3のみを流れる。このため、金型
5,6への漏電は無く、検出回路8の電圧計81は電位
の変化を検出しない。
【0046】これに対し、電源コード3の心線31の一
部がプラグ本体1の表面に露出している場合(射出成形
時の成形不良が生じている場合)には(図2の破線参
照)、各栓刃2,2へ供給された電流はプラグ本体1の
表面に露出した心線31を経て金型5,6に漏電する。
このため、電圧計81は電位の変化を検出する。これに
よって、心線31の一部がプラグ本体1の表面に露出し
ていることが判定できる。このような電気検査を各電源
プラグに対して順に行って、電源プラグ個々に対して心
線31の露出の有無を判定する。
【0047】このようにして冷却工程中に電源プラグの
電気検査を平行して行い、プラグ本体1が所定温度まで
冷却された後、成形用金型4を型開きすることにより、
完成品としての電源プラグが得られる。そして、上記電
気検査で漏電が確認された電源プラグは不良品であると
して排除される。
【0048】−実施形態の効果− このように、本形態では、射出成形されたプラグ本体1
の冷却工程中に電源プラグの電気検査を平行して行って
いる。このため、成形金型4による電源プラグの製造
と、この電源プラグの電気検査とを同時に行うことがで
き、製造工程の時間短縮が図れ、これによって製造作業
を高効率化することができる。
【0049】また、各型5,6のキャビティ面はプラグ
本体1の成形面であるため、このプラグ本体1の表面
は、その略全面がキャビティ面に接触している。このた
め、一度の電気検査でプラグ本体1の表面全体に対して
心線31の露出の有無を検査することができる。従っ
て、電気検査の信頼性の向上と、電気検査時間の大幅な
短縮化を図ることができる。
【0050】−他の実施形態− 上述した実施形態では、入れ子7を使用して栓刃2と成
形用金型4との絶縁構造を得るようにしていた。本発明
はこれに限らず、上型6及び下型5の両方に絶縁材料を
着脱不能に装着することにより絶縁構造を実現するよう
にしてもよい。
【0051】また、上記実施形態では、1個の栓刃保持
部材72で一対の栓刃2,2を保持する構成としていた
が、個々の栓刃に対して個別の栓刃保持部材を採用した
り、複数の電源プラグの栓刃を1個の栓刃保持部材によ
り保持する構成を採用してもよい。
【0052】また、栓刃保持部材72及び電極保持部材
63は樹脂製に限らず、セラミックその他の絶縁材料で
構成してもよい。
【0053】更に、上記実施形態では、2極の電源プラ
グに本発明を適用した場合について説明したが、3極以
上の電源プラグに対しても適用可能である。
【0054】また、上記実施形態では一度の射出成形で
4個の電源プラグを製造する成形用金型4に本発明を適
用した場合について説明したが、3個以下や5個以上の
電源プラグを同時に製造する成形用金型に適用してもよ
い。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が発揮される。
【0056】請求項1及び請求項4記載の発明では、射
出成形されたプラグ本体を冷却している時間帯を利用し
て電源プラグの電気検査が行えるようにしている。つま
り、プラグ本体を射出成形する金型を改良し、電源コー
ドの心線の一部がプラグ本体の表面に露出しているか否
かを金型への漏電の有無を検知することにより認識でき
るようにしている。言い換えると、プラグ本体成形用の
金型に、プラグ本体の冷却時間中に電気検査を行う機能
を付加することができる。このため、成形金型による電
源プラグの製造と、この電源プラグの電気検査とを同時
に行うことができ、製造工程の時間短縮が図れ、これに
よって製造作業を高効率化することができる。その結
果、電源プラグの製造工程の簡素化及び電源プラグの製
造コストの削減を図ることができる。また、成形型のキ
ャビティ面はプラグ本体の成形面であるため、このプラ
グ本体の表面は、その略全面がキャビティ面に接触して
いる。このため、一度の電気検査でプラグ本体の表面全
体に対して心線の露出の有無を検査することができる。
従って、電気検査の信頼性の向上と、電気検査時間の大
幅な短縮化を図ることができる。その結果、不良品の流
出を確実に防止でき、安定した製品の提供を図ることが
できる。
【0057】請求項2記載の発明では、成形型に入れ子
を組み付け、この入れ子に備えられた栓刃保持部材に栓
刃を差し込むことで栓刃と金型との絶縁構造を実現して
いる。このため、栓刃を栓刃保持部材に差し込むといっ
た比較的簡単な作業で栓刃と金型との絶縁状態を得るこ
とができ、作業性が良好である。
【0058】請求項3記載の発明では、電極から栓刃へ
の給電時に上型または下型への漏電を検出する検出回路
を設けている。このため、検出回路の通電の有無を検知
することにより心線の露出の有無を判定できる。その結
果、この判定動作を具体化でき、電気検査機能を有する
成形用金型の実用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る電源プラグの外観斜視図であ
る。
【図2】電源プラグの内部構造を示す断面図である。
【図3】成形用金型を型開きした状態を示す斜視図であ
る。
【図4】下型の一部分を示す平面図である。
【図5】(a)は入れ子の平面図、(b)はその正面
図、(c)はその分解斜視図である。
【図6】プラグ本体の射出成形時におけるスリット部分
での断面図である。
【符号の説明】
1 プラグ本体 11 差込み側端面 2 栓刃 21 接続用端子(接続部) 3 電源コード 4 成形用金型 5 下型 6 上型 51,61キャビティ 63 電極保持部材(絶縁部材) 66 電極 72 栓刃保持部材(絶縁部材) 8 検出回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 27:06 105:34 B29L 31:36 (72)発明者 梅本 誠幸 滋賀県草津市岡本町字大谷1000−28 行田 電線株式会社草津工場内 Fターム(参考) 4F202 AA15 AD03 AD15 AE03 AG23 AH34 AP15 CA11 CB01 CB12 CK43 CQ03 CQ05 CS10 4F206 AA15 AD03 AD15 AE03 AG23 AH34 AP15 JA07 JB12 JF05 JF23 JL02 JP01 JP11 JQ81 5E063 HA01 HB14 HB19 JB03 JB08 XA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栓刃と電源コードとの接続部をキャビテ
    ィ内に収容した型締め状態で上記キャビティ内に溶融樹
    脂材料が射出されることにより、上記接続部及びその周
    辺部を保護するためのプラグ本体を成形する電源プラグ
    成形用金型において、 上記栓刃のうちキャビティ外に位置する領域の外面全体
    を覆う絶縁材料で成る絶縁部材が設けられており、この
    絶縁部材には、上記型締め状態で、栓刃のみに通電可能
    に接触してこの栓刃への給電を行う電極が配設されてい
    ることを特徴とする電源プラグ成形用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電源プラグ成形用金型に
    おいて、 上型と下型とを備え、下型には入れ子が組み付けられて
    おり、この入れ子は、プラグ本体の差込み側端面を形成
    する部分に配設されていて、 絶縁部材は、上記入れ子における栓刃に対応する位置に
    配設されて栓刃が差し込まれる栓刃保持部材を備えてい
    ることを特徴とする電源プラグ成形用金型。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電源プラグ成形用金型に
    おいて、 電極から栓刃への給電時に上型または下型への漏電を検
    出する検出回路が設けられていることを特徴とする電源
    プラグ成形用金型。
  4. 【請求項4】 電源プラグ成形用金型のキャビティ内に
    栓刃と電源コードとの接続部を収容した状態でキャビテ
    ィ内に溶融樹脂材料を射出してプラグ本体を成形する電
    源プラグの製造方法において、 上記電源プラグ成形用金型には、型締め状態において栓
    刃のうちキャビティ外に位置する領域の外面全体を覆う
    絶縁材料で成る絶縁部材が設けられており、この絶縁部
    材には、上記型締め状態で、栓刃のみに通電可能に接触
    してこの栓刃への給電を行う電極が配設されていて、 上記溶融樹脂材料の射出後、型締め状態のまま電極から
    栓刃へ給電して栓刃と電源プラグ成形用金型との間の電
    位差を検知する電気検査を行うことを特徴とする電源プ
    ラグの製造方法。
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