JP2000317755A - 工作機械の主軸装置及びその監視方法 - Google Patents

工作機械の主軸装置及びその監視方法

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JP2000317755A JP11125342A JP12534299A JP2000317755A JP 2000317755 A JP2000317755 A JP 2000317755A JP 11125342 A JP11125342 A JP 11125342A JP 12534299 A JP12534299 A JP 12534299A JP 2000317755 A JP2000317755 A JP 2000317755A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動スリーブ部材の軸方向の移動を円滑にす
る。 【解決手段】 ポンプ付オイルクーラ29から油圧室O
aに供給された作動油は、絞り隙間tを通って排油室O
bに流れ、ハウジング1と主軸のころがり軸受の外輪に
嵌着された可動スリーブ部材7を冷却する。この際、絞
り隙間tの働きで油圧室Oaと排油室Obの間に圧力差
が生じ、可動スリーブ部材7に浮力Fが作用するので、
ハウジング1に対する可動スリーブ部材7の軸方向の摩
擦抵抗が小さくなる。したがって、モータの発熱等によ
って主軸が熱膨張した場合、可動スリーブ部材7は主軸
と一緒に軸方向に円滑に移動して熱膨張に起因する支障
を防ぐ。また、可動スリーブ部材7が軸方向に円滑に移
動するので、予圧ばねによってころがり軸受に設計通り
の適正な予圧が付加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングに主軸
をアンギュラ玉軸受等のころがり軸受を介して回転自在
に支持した工作機械の主軸装置及びその監視方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸装置として、図5に示す
ものが知られている。この主軸装置は、ハウジング1内
に、主軸2が、前後2組(図5では左側を前とする。)
のころがり軸受3,4で回転自在に支持され、主軸2を
回転させる電動モータ6がころがり軸受3,4の間に設
けられたものであって、ハウジング1と後側のころがり
軸受4との間に、可動スリーブ部材7を、ころがり軸受
4の外輪に嵌着するとともにスライドボールベアリング
8によって主軸2の軸方向に移動自在に嵌挿し、予圧ば
ね9で後側に付勢してころがり軸受に予圧をかける構造
となっている。なお、ハウジング1は、その後端にボル
ト11で着脱自在に一体に固定された後部部材(リヤハ
ウジング)1aを有し、可動スリーブ部材7はその後部
部材1aに嵌挿されている。スライドボールベアリング
8は、発熱体であるモータ6等の温度変化によりころが
り軸受3,4間の大きな熱膨張を逃がし、ガタツキを防
止するために用いられる。
【0003】また、図6と図7に示す工作機械の主軸装
置も知られている(特開平10−225802号公
報)。この主軸装置は、ハウジング1(後部部材1a)
の内周面と可動スリーブ部材7の外周面との間に、油流
入空間Saと流通隙間g及び油流出空間Sbとを3個宛
周方向に交互に形成し、油循環装置13で作動油を油流
入空間Saから流通隙間gを通じて油流出空間Sbに流
すことにより、可動スリーブ部材7を作動油の圧力で中
心に浮かせて支持する構造となっている。なお、他の構
造は図5の主軸装置と同一であるので、同一の部材等に
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す上記前者の
主軸装置は、スライドボールベアリング8に、ガタツキ
防止のために予圧が与えられ、また径方向の大きな熱膨
張力や切削反力が働くため、可動スリーブ部材7やハウ
ジング1の後部部材1aにボールの圧痕が生じ、その圧
痕により可動スリーブ部材7の動きが鈍くなってころが
り軸受3,4が焼き付くおそれがある。
【0005】また、図6と図7に示す後者の静圧軸受方
式の主軸装置には次のような問題点がある。 (a) 可動スリーブ部材を油圧で中心に保持する構造
のため、作動油圧力の非常に大きい油循環装置13が必
要であり、しかも加圧に伴う作動油の温度上昇を抑える
ためには、大型の油循環装置13に見合う冷却能力を持
つ大型の温度制御装置14が必要で、製造費のみならず
運転費が割高になる。 (b) また、油流入空間Saと流通隙間g及び油流出
空間Sbを交互に3個(或いは4個以上)宛形成しなけ
ればならないので、内部構造が複雑になり、この点でも
コスト高になる。
【0006】(c) 静圧軸受としての機能を持たせる
ために、油循環装置13から油流入空間Sa、油流出空
間Sbにそれぞれ配管通路を設けており、さらに流通隙
間gのように絞りを付加するなど一層構造が複雑にな
り、コストも高くなる。
【0007】本発明は、可動スリーブ部材の軸方向の移
動が円滑で、しかも大きな支持剛性と負荷容量を得るこ
とができる工作機械の主軸装置及びその監視方法を提供
することを目的とする。本発明の他の目的は、軸受予圧
の安定化を図ることができる工作機械の主軸装置及びそ
の監視方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の少なくとも1つの
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ハウジ
ング内に、主軸がころがり軸受で回転自在に支持された
工作機械の主軸装置において、上記ハウジングところが
り軸受との間に、可動スリーブ部材をころがり軸受の外
輪に嵌着して主軸の軸方向に移動自在に嵌挿し、水平に
配置されたハウジングの内周面のほぼ下半分と、これに
対向する可動スリーブ部材の外周面のほぼ下半分との間
に、作動油により可動スリーブ部材に浮力を付加する油
圧室を、油供給孔に連絡して形成し、該油圧室上部のハ
ウジングの内周面と可動スリーブ部材の外周面との間
に、作動油の流出に抵抗をかける絞り隙間を、油排出孔
に連絡して形成した構成とした。
【0009】この手段では、作動油を油供給孔から油圧
室に供給すると、絞り隙間の流出抵抗によって油圧室の
作動油圧力が高まり、可動スリーブ部材に浮力を作用さ
せる。このため、ハウジングに加わる可動スリーブ部材
の下方向荷重が軽減され、ハウジングと可動スリーブ部
材間の軸方向の摩擦抵抗が低下する。また、作動油は、
ハウジングと可動スリーブ部材とを冷却してそれらの温
度上昇を抑え、両者間の隙間を適正に保つ。
【0010】請求項1記載の工作機械の主軸装置におい
て、可動スリーブ部材に予圧手段を付設することができ
る(請求項2)。この構成では、軸受予圧の安定化が図
られる。予圧手段には、ばね等を用いた定予圧手段や油
圧等を利用した定位置予圧手段等があるが、それらを単
独で使用することも、また併用することもできる。
【0011】請求項1又は2記載の工作機械の主軸装置
において、ハウジングの線膨張係数を可動スリーブ部材
の線膨張係数よりも大きくすることが好ましい(請求項
3)。この構成では、発熱源であるころがり軸受にハウ
ジングよりも近い可動スリーブ部材の温度が上昇する方
向で温度差がついても、ハウジングと可動スリーブ部材
の間の間隙の減少が軽減されるので、予め上記間隙を小
さく設定できる。例えば、可動スリーブ部材に鋼材をハ
ウジングに鋼材よりも線膨張係数の大きいアルミ材や黄
銅などを使用することができる。
【0012】請求項1ないし3のいずれか1つに記載の
工作機械の主軸装置において、油圧室と絞り隙間の前後
の側部にそれらよりも小さい軸受隙間をそれぞれ形成す
ることが好ましい(請求項4)。この構成では、軸受隙
間が最小でこれよりも絞り隙間が大きくされているの
で、可動スリーブ部材が径方向に動いてその外周面をハ
ウジングの内周面に部分的に接触させた場合でも(接触
部分の軸受隙間はゼロ)、絞り隙間が閉塞されることは
ない。
【0013】請求項4記載の工作機械の主軸装置におい
て、油圧室の前後幅よりも絞り隙間の前後幅を小さくす
ることが好ましい(請求項5)。この構成では、可動ス
リーブ部材の径方向の動きや膨張に対する絞り隙間の絞
り機能の変化が小さく抑えられる。
【0014】請求項3記載の工作機械の主軸装置におい
て、油圧室と絞り隙間の前後の側部にそれらよりも小さ
い軸受隙間をそれぞれ形成し、ハウジングと可動スリー
ブ部材が使用温度範囲の最低の同一温度となった場合
に、上記軸受隙間がゼロとならないように設定すること
が好ましい(請求項6)。この構成では、使用温度範囲
でハウジングと可動スリーブ部材が同一温度なら線膨張
係数の差から必ず軸受隙間を確保できる。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
のいずれか1つに記載の工作機械の主軸装置に、油圧室
に供給された作動油の流量を検出する流量センサやハウ
ジングの温度を検出する温度センサ等の監視センサを設
け、該監視センサで作動油流量やハウジング温度を検出
して主軸装置を監視する構成とした。
【0016】この手段では、例えば、監視センサの検出
値が異常となった場合、警報を発したり、主軸回転を停
止させるなどの措置をとる。監視センサとして、温度セ
ンサと流量センサの両方を設け、温度が設定範囲外にな
った場合に、その時の流量センサの検出信号から実際に
警報を発信するか否かを判定することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を添付図面を参
照して説明する。図1ないし図4は本発明に係る工作機
械の主軸装置の実施の形態を示す。なお、工作機械の主
軸装置の基本的な構造は、図5の工作機械の主軸装置と
同じであるので、同一の部材等に同一の符号を付してそ
の説明を省略する。
【0018】後部部材1aには、カバー部材1bがボル
ト23で一体に取り付けられ、また可動スリーブ部材7
の前後の端部には、軸受押え7aとばね押え7bがそれ
ぞれボルト25,26で一体に取り付けられている。後
部部材1aは温度センサ20を有する。なお、ボルト1
1,23,25,26はいずれも図1に1個しか示され
ていないが、複数環状に配設されている。
【0019】水平状態のハウジング1の後部部材1aの
内周面のほぼ下半分と、これに対向する可動スリーブ部
材7の外周面のほぼ下半分との間に、油圧室Oaが油供
給孔1cに連絡して形成されるとともに、ハウジング1
の後部部材1aの内周面のほぼ上半分と、これに対向す
る可動スリーブ部材7の外周面のほぼ上半分との間に、
排油室Obが油排出孔1dに連絡して形成され、また、
油圧室Oaと排油室Obの間に、油圧室Oaから排油室
Obに流れる作動油の流出に抵抗をかけて排油室Obと
油圧室Oaに圧力差を生じさせる絞り隙間t,tが形成
されている。
【0020】また、油圧室Oaと絞り隙間t及び排油室
Obの両側部には、軸受隙間cが後部部材1aと可動ス
リーブ部材7の全内外周面にわたって形成されている。
そして、後部部材1aにはリング状のシール部材27が
装着され、軸受隙間cを液密にしている。
【0021】ここで、後部部材1aは可動スリーブ部材
7よりも線膨張係数の大きい材料、例えば、可動スリー
ブ部材7が鋼材の場合、アルミ材や黄銅で製造される。
また、絞り隙間tの前後幅W3 は、油圧室Oaと排油室
Obの前後幅W2 よりも小さくされている。また、軸受
隙間cの大きさδ1 は、後部部材1aと可動スリーブ部
材7が使用温度範囲の最低の同一温度となった条件下で
ゼロとならないように設定されるとともに、絞り隙間t
の大きさよりも小さく(最小)とされている。
【0022】油供給孔1cと油排出孔1dは、ハウジン
グ1の後部部材1aに穿設されており、油供給孔1cに
は供給管28によってポンプ付オイルクーラ29が接続
され、また油排出孔1dには、流量センサ30を有する
排油管31が接続されている。供給管28電磁流量調整
弁32を持ち、供給管28の分岐管33には電磁リリー
フ弁34が設けられている。ポンプ付オイルクーラ29
は、油ポンプとオイルクーラとを分離した構造であって
も、また場合によっては油ポンプのみであってもよい。
【0023】電磁流量調整弁32は、ポンプ付オイルク
ーラ29から供給管28を通って油圧室Oaに供給され
る作動油(冷却油)の流量を調整するものである。ま
た、電磁リリーフ弁34は、次式(1)によって表わさ
れる浮力Fが、絞り隙間tと軸受隙間cの大きさδ1 ,
δ2 の変動によって大きくなり過ぎないように作動油の
供給圧力に上限を設けるために使用する。 F ≒W1 ×W2 ×(PA −PB ) ……(1) 但し、 W1 ;油圧室Oaの鉛直方向の投影幅 PA ;油圧室Oaの作動油圧力 PB ;排油室Obの作動油圧力
【0024】前後幅W3 を油圧室Oa及び排油室Obの
前後幅W2 よりも小さくされた絞り隙間tの部分の軸受
隙間cも絞りとして機能し、作動油の流れに抵抗をかけ
るが、後部部材1aと可動スリーブ部材7間の負荷容量
やそれらの嵌め合いを決定することが主体であり、作動
油の流れを制御する割合は小さくされている。
【0025】次に、上記の構成とされた工作機械の主軸
装置の作用を説明する。リリーフ弁34を、浮力Fが可
動スリーブ部材7を含めた主軸2の自重ところがり軸受
4に加わる支持荷重以下となるように設定してポンプ付
オイルクーラ29を作動させ、作動油を油圧室Oaに供
給しながらモータ6で主軸2を回転させて作業を開始す
る。
【0026】ポンプ付オイルクーラ29から油圧室Oa
に供給された作動油は、絞り隙間tを通って排油室Ob
に流れ、後部部材1aと可動スリーブ部材7を冷却して
それらの温度差を低下させるが、この際、絞り隙間tの
働きによって油圧室Oaと排油室Obの間に圧力差が生
じ、可動スリーブ部材7に浮力Fが作用するので、後部
部材1aに対する可動スリーブ部材7の軸方向の摩擦抵
抗が小さくなる。したがって、モータ6の発熱等によっ
て主軸2が熱膨張した場合、可動スリーブ部材7は主軸
2と一緒に軸方向に円滑に移動して熱膨張に起因する支
障を防ぐ。また、可動スリーブ部材7が上記のように軸
方向に円滑に移動するので、予圧ばね9によってころが
り軸受3,4に設計通りの適正な予圧が付加される。
【0027】上記において、モータ6やころがり軸受4
の発熱によって可動スリーブ部材7と後部部材1aの温
度が上昇しても、後部部材1aの線膨張係数が可動スリ
ーブ部材7の線膨張係数よりも大きくされ、かつ可動ス
リーブ部材7の温度≧後部部材1aの温度であるので、
軸受隙間c(δ1 )がゼロになって可動スリーブ部材7
の外周面が後部部材1aの内周面に接触することはな
い。
【0028】ところで、本発明においては、後部部材1
aを、可動スリーブ部材7の線膨張係数と等しいか或い
はそれよりも小さい材料で製造することもできるが、こ
のような場合、或いは何等かの事情で可動スリーブ部材
7の外周面が後部部材1aの内周面に接触した場合に
は、作動油の流量が減少する(但し、絞り隙間tが閉じ
ることがないので流れが止まることはない。)。この油
量減少を流量センサ30で検知して警報を出し、モータ
6を停止させるような措置がとられる。温度センサ20
で後部部材1aの温度を検出し、設定温度範囲外となっ
たら警報を出すことができる他、警報を出すか否かをそ
の時の流量センサ30の検出信号から判定することもで
きる。
【0029】また、作動油の温度が下がり、過冷却にな
ると、ころがり軸受4の外輪側が冷やされて従来構造で
は予圧上昇・変動につながるが、本主軸装置において
は、温度低下により作動油の絶対粘度μが大きくなるこ
とから、絞り隙間t(δ2 )で作動油流量Qが下式
(2)により絞られるため、過冷却が自動的に防止され
る。 Q =δ23 ・W3 ・(PA −PB )/(12μ・L) ……(2) 但し、 L ;絞り隙間tの長さ
【0030】ころがり軸受4の発熱で内側の可動スリー
ブ部材7が膨張し、軸受隙間δ1 が小さくなると、作動
油流量が減少してその温度が高くなる。この熱は線膨張
係数の大きい後部部材1aに伝わり内径が大きくなるこ
とで軸受隙間δ1 が増加する。両部品が接触した場合、
熱が更に伝わりやすくなり、隙間増加方向に移行するこ
とになる。
【0031】上記において、絞り隙間tの前後幅W3 が
狭められてその分絞り隙間t(δ2)が大きくされ、所
定量の作動油が流れるようになっているため、可動スリ
ーブ部材の径方向の動きや膨張に対する絞り隙間tの絞
り機能の変化が小さく抑えられる。
【0032】予圧には、ばね、油圧、空圧を用いた定圧
予圧と油圧シリンダ等を用いた予圧切換装置により定位
置予圧を取る方法が一般に使用されているが、本主軸装
置においては、予圧ばね9の他に、定位置予圧を可能に
する油圧シリンダを設けることができることは勿論、定
位置予圧のみとすることも、場合によっては予圧の全く
ない主軸装置に適用することも可能である。また、予圧
構造は、図のものに限らず任意である。また、図の主軸
装置は、モータ6がハウジング1内に設けられたモータ
内蔵型となっているが、モータ内蔵型でない主軸装置に
適用することもできる。油圧室Oaを2個以上とした
り、絞り隙間tを油排出孔1dに直接連絡して排油室O
bを無くすることも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、ハウジングに加わる可動スリーブ部材の下
方向荷重を軽減してハウジングと可動スリーブ部材間の
軸方向の摩擦抵抗を低下させることができ、また作動油
でハウジングと可動スリーブ部材とを冷却してそれらの
温度上昇を抑え、両者間の隙間を適正に保つことができ
る。したがって、熱膨張を吸収してこれの弊害を防止す
ることができる上、広い円筒面で支持する大きな支持剛
性と負荷容量を持つ、構造が簡単で安価につく工作機械
の主軸装置を得ることができる。
【0034】請求項1記載の工作機械の主軸装置におい
て、可動スリーブ部材に予圧手段を付設すると、軸受予
圧の安定化が図られ、主軸を低速から高速の全範囲にお
いて円滑に回転させて精度よく加圧することが可能とな
る。また、請求項1又は2記載の工作機械の主軸装置に
おいて、ハウジングの線膨張係数を可動スリーブ部材の
線膨張係数よりも大きくすると、ころがり軸受の発熱に
より可動スリーブ部材の温度が上昇しても、ハウジング
と可動スリーブ部材の間の間隙の減少が軽減されるの
で、予め上記の間隙を小さくして支持剛性を高めること
ができる。
【0035】請求項1ないし3のいずれか1つに記載の
工作機械の主軸装置において、油圧室と絞り隙間の前後
の側部にそれらよりも小さい軸受隙間をそれぞれ形成す
ると、可動スリーブ部材が径方向に動いてハウジングに
接触した場合でも、絞り隙間が閉塞されることがないの
で、可動スリーブ部材の径方向移動や膨張等に関係な
く、常時可動スリーブ部材に浮力を作用させ、また可動
スリーブ部材等を冷却することができる。また、上記の
工作機械の主軸装置において、油圧室の前後幅よりも絞
り隙間の前後幅を小さくした場合は、可動スリーブ部材
の径方向の動きや膨張に対する絞り隙間の絞り機能の変
化が小さく抑えられるので、可動スリーブ部材に所定の
浮力を正確かつ安定よく作用させることができる。
【0036】請求項3記載の工作機械の主軸装置におい
て、油圧室と絞り隙間の前後の側部にそれらよりも小さ
い軸受隙間をそれぞれ形成し、ハウジングと可動スリー
ブ部材が使用温度範囲の最低の同一温度となった場合
に、上記軸受隙間がゼロとならないように設定した場合
は、軸受隙間が常に確保され、通常の熱膨張によるハウ
ジングと可動スリーブ部材の接触が防止される。
【0037】請求項7記載の発明によれば、監視センサ
の検出信号によって異常を早期に知り、より大きい事故
を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る工作機械の主軸装置の実施の形
態を示す垂直断面図である。
【図2】 図1の工作機械の主軸装置の水平断面図であ
る。
【図3】 油圧室と絞り隙間及び排油室の関係を示す図
である。
【図4】 油圧室と絞り隙間等の関係を示す図である。
【図5】 従来の工作機械の主軸装置の断面図である。
【図6】 従来の他の工作機械の主軸装置の断面図であ
る。
【図7】 図6の工作機械の主軸装置の(VII−VII)部
分の断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1a 後部部材(リヤハ
ウジング) 1c 油供給孔 1d 油排出孔 2 主軸 4 ころがり軸受 6 モータ 7 可動スリーブ部材 9 予圧ばね(予圧手段) 20 温度センサ 30 流量センサ Oa 油圧室 Ob 排油室 t 絞り隙間 c 軸受隙間
フロントページの続き Fターム(参考) 3C011 AA05 AA14 FF01 3C045 FD20 FD28 HA05 3C048 EE02 EE07 EE10 3J012 AB04 AB11 AB20 BB03 BB05 CB03 CB05 DB05 FB10 3J101 AA02 AA42 AA54 AA62 BA77 FA21 FA22 FA41 FA60 GA31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、主軸がころがり軸受で
    回転自在に支持された工作機械の主軸装置において、 上記ハウジングところがり軸受との間に、可動スリーブ
    部材がころがり軸受の外輪に嵌着して主軸の軸方向に移
    動自在に嵌挿され、 水平に配置されたハウジングの内周面のほぼ下半分と、
    これに対向する可動スリーブ部材の外周面のほぼ下半分
    との間に、作動油により可動スリーブ部材に浮力を付加
    する油圧室が、油供給孔に連絡して形成され、 該油圧室上部のハウジングの内周面と可動スリーブ部材
    の外周面との間に、作動油の流出に抵抗をかける絞り隙
    間が、油排出孔に連絡して形成されたことを特徴とする
    工作機械の主軸装置。
  2. 【請求項2】 可動スリーブ部材に予圧手段が付設され
    たことを特徴とする請求項1記載の工作機械の主軸装
    置。
  3. 【請求項3】 ハウジングの線膨張係数が可動スリーブ
    部材の線膨張係数よりも大きくされたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の工作機械の主軸装置。
  4. 【請求項4】 油圧室と絞り隙間の前後の側部にそれら
    よりも小さい軸受隙間がそれぞれ形成されたことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の工作機
    械の主軸装置。
  5. 【請求項5】 油圧室の前後幅よりも絞り隙間の前後幅
    が小さくされたことを特徴とする請求項4記載の工作機
    械の主軸装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の工作機械の主軸装置にお
    いて、 油圧室と絞り隙間の前後の側部にそれらよりも小さい軸
    受隙間がそれぞれ形成され、 ハウジングと可動スリーブ部材が使用温度範囲の最低の
    同一温度となった場合に、上記軸受隙間がゼロとならな
    いように設定されたことを特徴とする工作機械の主軸装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1つに記載
    の工作機械の主軸装置に、油圧室に供給された作動油の
    流量を検出する流量センサやハウジングの温度を検出す
    る温度センサ等の監視センサを設け、該監視センサで作
    動油流量やハウジング温度を検出して主軸装置を監視す
    ることを特徴とする主軸装置の監視方法。
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