JP2000317202A - 蒸発濃縮装置および写真廃液蒸発濃縮方法 - Google Patents

蒸発濃縮装置および写真廃液蒸発濃縮方法

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JP2000317202A
JP2000317202A JP11132655A JP13265599A JP2000317202A JP 2000317202 A JP2000317202 A JP 2000317202A JP 11132655 A JP11132655 A JP 11132655A JP 13265599 A JP13265599 A JP 13265599A JP 2000317202 A JP2000317202 A JP 2000317202A
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shaped plate
evaporating
disk
disc
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JP11132655A
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English (en)
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Hiroyuki Hashimoto
浩幸 橋本
Masayuki Kurematsu
雅行 榑松
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主たる目的は、長期使用での処理安定性に優
れた超小型の蒸発濃縮装置および写真廃液蒸発濃縮方法
を提供することにある。 【解決手段】 蒸発濃縮すべき液体を貯留するための貯
留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と露出
を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する蒸発濃
縮装置において、前記蒸発促進手段を、回転軸に対して
交差する方向に面を有し、かつ、軸方向に間隔をもって
固設した複数の薄板で構成するとともに、前記薄板の間
隔を、当該薄板の外周縁部を介して規制部材により規制
するように構成した事を特徴とする蒸発濃縮装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃液を処理する廃
液蒸発濃縮装置および写真廃液蒸発濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】被処理液体を蒸発させる蒸発部と、蒸発
した蒸気を液化して凝縮液を得る凝縮部と、前記蒸発部
と前記凝縮部とを連通させて密閉して減圧とするための
減圧手段に接続し、前記蒸発部の加熱と前記凝縮部の冷
却とを、ヒートポンプ回路を用いてハロゲン化銀写真感
光材料用処理液の廃液(以下、単に写真廃液という場合
がある)を処理する廃液蒸発濃縮装置は知られている。
【0003】また、常圧沸騰方式の廃液蒸発濃縮装置も
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記減圧型ヒートポン
プ回路を用いる装置においては、処理能力の低い装置
(例えば、2リットル/時間、以下)が望まれる場合で
あっても、高能力装置の場合と同じ部品点数を必要と
し、結果として、装置の小型化に限界があるとともに、
低コスト化が困難であるという問題がある。
【0005】また、常圧沸騰方式を取り込んだ装置にお
いては、取り扱い上、ややもすると危険であるという問
題があり、また、写真廃液を処理する場合では、写真廃
液成分の熱分解や、反応により、臭気成分の発生を伴う
ことがある。
【0006】上記問題を極力なくすべく、同軸上に設け
た多数の円盤状板材を回転させ、被処理液体に対して浸
漬および露出運動を繰り返しさせながら前記被処理液を
低温度で加熱するように構成した蒸発濃縮装置を本願出
願人は既に提案している。
【0007】上記構成からなる装置は、超小型であり、
安全性も高く、効率よく凝縮液或いは濃縮物を得ること
ができる。
【0008】しかしながら、前記円盤状板材は、特に、
厚さが極めて薄い金属あるいは樹脂シート材からなる場
合、使用期間が長期に及ぶと、撓みや歪み等の変形が生
じる可能性が高い。
【0009】また、濃縮物の付着により前記円盤状板材
が変形することもある。
【0010】このような変形が生じると、隣接する円盤
状板材同士の間隔が不均一になったり、当初の設定間隔
が狭い場合等は、前記間隔が閉塞状態となる部分が生
じ、その結果、処理安定性や蒸発処理能力が低下してし
まう。
【0011】また、処理される液体が界面活性剤を含有
する写真廃液である場合、変形した前記円盤状板材の回
転運動により液面から発泡を生じやすくなる。
【0012】更に、連続処理を続けることで、円盤状板
材間に濃縮析出物が析出して円盤間を狭め或いは閉塞
し、蒸発処理能力を低下せしめることがある。
【0013】本発明は上記点に鑑みなされたもので、主
たる目的は、長期使用での処理安定性に優れた超小型の
蒸発濃縮装置および写真廃液蒸発濃縮方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の構
成によって達成する事ができる。
【0015】(1)蒸発濃縮すべき液体を貯留するため
の貯留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と
露出を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する蒸
発濃縮装置において、前記蒸発促進手段を、回転軸に対
して交差する方向に面を有し、かつ、軸方向に間隔をも
って固設した複数の薄板で構成するとともに、前記薄板
の間隔を、当該薄板の外周縁部を介して規制部材により
規制する、ように構成した事を特徴とする蒸発濃縮装
置。
【0016】(2)前記薄板の回転方向において、当該
薄板が液中から液面上に出る液面近傍の液中位置、液面
上から液中に入る液面近傍の液中位置、液面上の位置の
内の少なくとも2カ所に前記規制部材を設けた事を特徴
とする前記(1)に記載の蒸発濃縮装置。
【0017】(3)前記規制部材は櫛歯である事を特徴
とする前記(1)または前記(2)に記載の蒸発濃縮装
置。
【0018】(4)蒸発濃縮すべき液体を貯留するため
の貯留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と
露出を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する蒸
発濃縮装置において、前記蒸発促進手段を、回転軸に対
して交差する方向に面を有し、かつ、軸方向に間隔をも
って固設した、薄板からなる複数の円盤状板材で構成す
るとともに、前記円盤状板材の間隔を、当該円盤状板材
の回転方向において、円盤状板材が液中から液面上に出
る液面近傍の液中位置、液面上から液中に入る液面近傍
の液中位置、液面上の位置の少なくとも3カ所に設けた
規制部材により、外周縁部を介して規制する、ように構
成した事を特徴とする蒸発濃縮装置。
【0019】(5)前記規制部材は櫛歯である事を特徴
とする前記(4)に記載の蒸発濃縮装置。
【0020】(6)液面よりも上の位置に配設した櫛歯
の前記円盤状板材に対する挿入長さは、当該円盤状板材
の半径の1/2以下である事を特徴とする前記(5)に
記載の蒸発濃縮装置。
【0021】(7)液面近傍の液中位置に配設した櫛歯
は、前記円盤状板材の回転中心近傍まで延びる長さを有
する事を特徴とする前記(5)に記載の蒸発濃縮装置。
【0022】(8)前記円盤状板材は、外周の一部に突
起部を有する前記(4)に記載の蒸発濃縮装置。
【0023】(9)少なくとも2カ所以上の突起部を有
し、それぞれの突起部は前記円盤状板材の厚さ方向に対
して左または右方向に傾斜している事を特徴とする前記
(8)に記載の蒸発濃縮装置。
【0024】(10)蒸発濃縮すべき液体を貯留するた
めの貯留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬
と露出を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する
蒸発濃縮装置において、前記蒸発促進手段を、回転軸に
対して交差する方向に面を有し、かつ、軸方向に間隔を
もって固設した、薄板からなる複数の円盤状板材で構成
するとともに、前記円盤状板材の間隔を、当該円盤状板
材の回転方向において、円盤状板材が液中から液面上に
出る液面近傍の液中位置、液面上から液中に入る液面近
傍の液中位置、液面上の位置の少なくとも2カ所に設け
た櫛歯からなる規制部材により、外周縁部を介して規制
し、かつ、前記円盤状板材の表面に付着する濃縮物を掻
き落とし部材により掻き落とす、ように構成した事を特
徴とする蒸発濃縮装置。
【0025】(11) 蒸発濃縮すべき液体を貯留する
ための貯留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸
漬と露出を繰り返すように設けた蒸発促進手段と、前記
蒸発促進手段を、回転軸に対して交差する方向に面を有
し、かつ、軸方向に間隔をもって固設した、薄板からな
る複数の円盤状板材で構成し、前記円盤状板材表面に付
着する濃縮物を掻き落とすように、液面近傍の液中位置
に設けた掻き落とし部材と、前記貯留容器に液体を供給
する供給手段と、前記貯留容器内の液面を検出する検出
手段と、濃縮された濃縮液を排出する濃縮液排出手段
と、蒸発部から凝縮部を経て前記蒸発部に戻る気体の流
れを可能とする循環路と、蒸発部と凝縮部との間の前記
循環路中に設けた送風手段と、前記凝縮部で凝縮された
凝縮液を排出する凝縮液排出手段と、前記貯留容器ない
の液体を加熱する加熱手段と、を有する事を特徴とする
蒸発濃縮装置。
【0026】(12)前記掻き落とし部材は回動可能で
ある事を特徴とする前記(10)または前記(11)に
記載の蒸発濃縮装置。
【0027】(13)前記掻き落とし部材は、前記円盤
状板材と一体的に回転する付勢部材の付勢により、支点
を中心に上昇回動され、最上昇位置からは自重により落
下する事を特徴とする前記(12)に記載の蒸発濃縮装
置。
【0028】(14)前記掻き落とし部材は、前記回転
軸上に設けたスペーサにより支点を中心に上昇回動され
る事を特徴とする前記(12)に記載の蒸発濃縮装置。
【0029】(15)前記円盤状板材間の間隔を規制す
るための櫛歯からなる規制部材を有する事を特徴とする
前記(11)に記載の蒸発濃縮装置。
【0030】(16)前記規制部材は、液面よりも上の
位置において前記円盤状板材の周縁部を介して、円盤状
板材間隔を規制するものであり、前記櫛歯の前記円盤状
板材に対する挿入長さは、当該円盤状板材の半径の1/
2以下である事を特徴とする前記(15)に記載の蒸発
濃縮装置。
【0031】(17)前記規制部材は、前記円盤状板材
の回転方向において、円盤状板材が液中から液面上に出
る液面近傍の液中位置、液面上から液中に入る液面近傍
の液中位置、液面上の位置の少なくとも3カ所に設けら
れている事を特徴とする前記(15)に記載の蒸発濃縮
装置。
【0032】(18)界面活性剤を含有する写真廃液
を、前記(1)、(4)、(10)または前記(11)
に記載の蒸発濃縮装置で処理する事を特徴とする写真廃
液蒸発濃縮方法。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図面
に基づいて説明する。
【0034】図1は第1の実施の形態に係わる廃液蒸発
濃縮装置1(以下、単に蒸発濃縮装置という)の全体の
構成を示す概念図、図2は気液界面の面積を大きくする
ための被処理液体と蒸発促進手段との関係を示す概略
図、図3は熱交換器の内部主要部を示す概略図、図4は
図1に示す蒸発濃縮装置の模式的側面図、図5は突起部
を有する円盤状板材の形状を示す正面図、図6は図5に
示す円盤状板材の側面図、図7は規制部材と円盤状板材
の外周縁部との関係を示す模式図である。
【0035】以下、図1を主体に説明を進め、他の図は
適宜に用いる事とする。
【0036】図において、蒸発濃縮装置1は、主とし
て、被処理液体(以下、廃液と言う)を蒸発させる液体
蒸発部(以下、単に蒸発部と言う)100を含む下部枠
体10と、蒸発した蒸気を凝縮処理する機能を包含する
上部枠体20とからなる。
【0037】前記上部枠体20と前記下部枠体10と
は、ゴム等、適宜のシール部材Sを介して気密状態を保
っており、かつ、互いに分離できる(下部枠体に対して
上部枠体を取り外すことができる)構成にある。
【0038】まず、下部枠体10の構成について説明す
る。
【0039】前記下部枠体10における蒸発部100
は、適宜の量の廃液を貯留する貯留容器110と、処理
操作時において前記貯留容器内の廃液に対して入出運動
(廃液に漬かり、かつ、当該液体中から露出する)を繰
り返すように前記貯留容器内に回転可能に設けた、蒸発
促進手段113と、前記貯留容器110内の廃液を加熱
するための加熱手段H(以下、ヒータHと言う)とを主
たる構成要件として形成してある。
【0040】前記ヒータHはU字型のヒータであり、浴
槽120内に収納保持してある。
【0041】前記ヒータHに対する通電のON−OFF
制御は、その近傍に設けられるサーーミスタ、白金抵抗
体、熱伝対等の温度センサ(不図示)からの情報を基に
行う構成にある。
【0042】尚、ヒータHには安全装置としてバイメタ
ルまたは温度ヒューズを取り付けることが好ましい。
【0043】前記ヒータHの設定温度は、好ましくは4
0℃〜80℃であり、より好ましい範囲は、50℃〜7
5℃である。
【0044】実施の形態においては70℃とした。
【0045】これは、写真処理液が対象となる場合、熱
分解等によって生ずる硫化水素などの有害ガスの発生を
抑制するためであり、この温度でも効率のよい凝縮がで
きるからである。
【0046】このことにより、熱湯や高温(100℃以
下)のオイルヒータ等を使用する場合と比較して、取り
扱い上の安全性を向上できる。
【0047】前記浴槽120の外側に設けてあるのは、
当該浴槽と類似の形状を施してなる断熱部材130であ
る。
【0048】前記浴槽120の内面(壁)は前記貯留容
器110の外面(壁)に密着する形状を有する。
【0049】前記浴槽120は、熱交換器210を介し
て得た凝縮液で満たす構成、いわゆるウォータバス方式
を採用している。
【0050】熱媒体として凝縮液を使用するのは、水道
水を用いた場合の不都合、例えば、硬度成分のカルシウ
ムやマグネシウム、鉄分のスケールがヒータや電熱部分
に付着して電熱低下を生ぜしめるという不都合を回避す
るためである。
【0051】前記貯留容器110はチタン鋼で構成し、
また、当該容器の底部の形状は、前記蒸発促進手段11
3の形状の一部または運動軌跡に相似する形状としてあ
り、一側面から見て、底部に行くに従って順次細くなる
形状に構成してある。
【0052】本実施の形態において、前記底面(底部)
は、図2に示すように、円弧状に構成してある。
【0053】前記蒸発促進手段113は、前記貯留容器
110の側壁114、115に設けた軸受け(図示せ
ず)に保持される回転軸J上に設けてあり、モータ30
の回転動力を得て回転するようになっている。
【0054】また、前記回転軸Jの長手方向に配設した
前記蒸発促進手段113は、前記貯留容器110の幅
(図1における左右方向の幅)とほぼ同じ幅を占める広
がりを有する。
【0055】前記蒸発促進手段113は、前記回転軸J
に対して交差する方向に面を有するとともに、当該回転
軸の長手方向に間隔をもって平行配列した複数の円盤状
板材113−1(数枚についてのみ参照記号を付してあ
る)からなり、当該円盤状板材の中央に設けた嵌合孔を
介して前記回転軸J上に配置し、適宜の方法で固定して
ある。
【0056】実施の形態において、前記円盤状板材は前
記回転軸Jに対して直交する方向に面を有し、且つ、所
定間隔に平行配列、固定してある。
【0057】互いに隣接する前記円盤状板材113−1
の間隔(対向する平面の間隔)は約4mmとしてある。
【0058】前記円盤状板材113−1の間隔等は種々
の条件により適宜決定でき、かつ、必ずしも等間隔であ
る必要はない。
【0059】また、前記円盤状板材の材質としては、写
真廃液を対象とする場合、TiやSUS316、SUS
317、SUS316L、SUS317L等のステンレ
ス鋼等の金属材、、HASTELLOY、Inco等の
合金材が好ましい。
【0060】また、樹脂材は、PVC(ポリ塩化ビニ
ル)、変性PPO(ポリフェニレンオキサイド)、PP
E(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリ
プロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、フェノ
ール樹脂、FRP(繊維強化プラスチックス)等が好ま
しい。
【0061】要は、対象とする廃液に対して耐薬品性や
強度、耐久性等の問題が発生しない材料であればよく、
厚さは、軽量化、コスト等の点からより薄い方が好まし
い。
【0062】実施の形態においては、厚さ約0.3mm
のステンレス鋼(SUS316)で形成した。
【0063】前記材質については、以下、単に記号で示
す事とする。
【0064】また、前記蒸発促進手段113は、直径が
300mmの円盤状板材113−1を30枚用いて構成
した。
【0065】なお、前記円盤状板材の回転数は、0.5
回転/分〜20回転/分以下が好ましい。
【0066】前記円盤状板材の回転数を20回転/分を
越える回転数とすると、蒸発能力は促進されるものの、
液跳ねを生じやすくなって、後述する凝縮部への廃液の
コンタミとなる危惧がある。
【0067】上記不具合は、前記蒸発部100と凝縮部
21(後記)との距離を大きくしたり、跳ねた廃液が前
記凝縮部に入り込まないように機構的に解消する事はで
きるが、装置の大型化や機構の複雑化を招来するので好
ましくない。
【0068】但し、回転数が余りにも低すぎると蒸発能
力が低下するので、不具合を生ずることなく効率のよい
処理結果をもたらす回転数を選択する事が望まれる。
【0069】前記円盤状板材113−1の回転数につい
ては、廃液の種類によって適宜調整されるものだが、例
えば、カラーネガフィルム処理液の廃液、カラーペーパ
処理液の廃液または前記両処理液の混合廃液では、前記
回転数は0.5回転/分〜10回転/分が好ましい。
【0070】これは、写真感光材料中から処理液中に溶
出する、または、写真処理液中に含まれる界面活性剤成
分により、前記円盤状板材の回転あるいは送風手段によ
る送風で発泡が生じやすくなるが、これを抑えながら蒸
発を促進させるのに効果的である。
【0071】但し、機構あるいは制御の簡素化の観点か
ら、前述の如く、消泡剤等を使用する事なく泡の除去が
出来る構成であれば、回転数をもっと増加してもよいこ
とは勿論である。
【0072】前記蒸発促進手段113と前記貯留容器内
の液面および底面との関係は、概略、次のようになって
いる。
【0073】即ち、液面よりも下方に前記蒸発促進手段
113の回転軸Jが位置し、前記円盤状板材113−1
の最下部が前記貯留容器110の底面(底壁)に近接
し、回転時に、周上に設けた山状の突起部113−2
(図5参照)が底面に接触するように構成してある。
【0074】前記突起部113−2は、円盤状板材11
3−1の周上の2カ所以上に設けることが好ましい。
【0075】前記突起部は、図6に示すように、前記円
盤状板材の厚さ方向に対して1箇所の突起部は左方向、
他の1箇所の突起部は右方向に適宜の量だけ傾斜して設
けてある。
【0076】このように構成したのは、前記突起部11
3−2が貯留容器110の底面と接触したとき、薄板で
構成してある円盤状板材113−1が前記突起部の曲げ
方向に撓み、次の突起部の接触時に前記と反対方向に撓
む関係を持たせたことにより、前記貯留容器底面との接
触を確実にするためである。
【0077】なお、前記回転軸Jは、液面よりも上位置
となるように関係配置してもよい。
【0078】前記円盤状板材113−1の最下部と前記
貯留容器110の底面との関係を前記のように構成する
ことにより、前記蒸発促進手段113の回転を含む廃液
処理に伴って前記貯留容器110の底面に沈積する事が
予想される濃縮析出物等の前記底面への堆積を極力防止
することができる。
【0079】150は薄板からなる前記円盤状板材11
3−1同士の間隔を規制(保持)するための規制部材で
ある。
【0080】前記規制部材150は、前記円盤状板材が
液中から液面Eを経て液面上に出る液面近傍の液中位置
と、液面上から前記液面Eを経て液中に入る液面近傍の
液中位置とに存在するように、装置固定部に着脱可能に
固設してある。
【0081】また、前記規制部材150は多数の櫛歯を
有し、当該櫛歯間に円盤状板材113−1が挿入された
態様で組立が完了する。
【0082】前記円盤状板材の外周縁部を介して、当該
円盤状板材を規制する前記規制部材は、円盤状板材の中
心部近傍まで延びる長さを有している。
【0083】前記円盤状板材と規制部材との関係は図7
に模式的に示す通りである。
【0084】これから理解されるように、前記貯留容器
110の底面と接触した後、回転を続ける周上の突起部
113−2は、前記規制部材150の櫛歯間において徐
々に略平面状に延ばされ、櫛歯を通過後に徐々に曲げを
復帰する動きを呈する。
【0085】この動作は、液はねを極力低下させる。
【0086】前記の構成における規制部材により、薄
板、実質的に前記円盤状板材113−1の間隔を好適に
維持でき、また、長期的な使用で生じる撓みや歪み等の
円盤変形を改善できるとともに、前記円盤状板材の表面
に析出、付着した濃縮析出物を掻き落とすこともできる
ので、円盤間の循環気体の良好な流れを維持でき、処理
安定性を高めることができる。
【0087】上記構成における前記規制部材150は付
着物の掻き落とし部材としても機能する。
【0088】前記規制部材の液中位置配設は、活性剤等
を含む処理液であっても発泡を防止する効果が高い。
【0089】なお、液面よりも上位置に、前記と同様の
櫛歯からなる規制部材150を前記円盤状板材の外から
差し込み、都合3カ所で規制する態様とすれば、更に、
液はね等も防止できるので好ましい。
【0090】規制部材150を形成する材料としては、
前記円盤状板材113−1について述べた材料が好適で
ある。
【0091】前記貯留容器110内には電極式液面セン
サやフロートセンサ等、適宜の液面検出手段SR(図2
参照)を付設してあり、当該液面検出手段SRからの検
知情報により、後述する廃液タンク60内の廃液を前記
貯留容器110に送り込み、および、送り込み(給液)
の停止を行う様になっている。
【0092】40は前記貯留容器110の下部に設けた
濃縮液回収容器で、電磁ソレノイド50の吸引作動によ
り、前記貯留容器の底部に設けてある開口117(濃縮
液または濃縮物取り出し口)から流れ出す濃縮液(濃縮
物)を受け入れるようになっている。
【0093】手動コックの操作により濃縮液排出をする
態様も好ましい態様である。
【0094】前記開口117には、実際には、前記貯留
容器110から突出する排出流路(管)が設けてある。
【0095】次に、上部枠体20の構成について説明す
る。
【0096】21は凝縮部(熱交換部)であり、冷却フ
ァンFと熱交換器210とを主要素として構成してあ
る。
【0097】冷却ファンとしては、軸流ファン、くまと
りモータファン、シロッコファン、クロスフローファン
等の一般的なファンが使用できる。
【0098】凝縮部21は、前記蒸発部100で蒸発し
た蒸気を液化する場所であり、従って、前記蒸発部10
0と前記凝縮部21(実質的には、前記熱交換器210
の所定の空間部)との間は、気体が流れる流路L1で連
通している。
【0099】前記流路L1中には、前記蒸発部100で
発生した蒸気を吸い込み、かつ、その蒸気を前記凝縮部
21(前述の如く、実質は前記熱交換器210)に向け
て吹き出す送風手段230を設けてある。
【0100】L2は前記熱交換器210の一端と前記蒸
発部100とを連通させる流路である。
【0101】上記から理解されるように、蒸発部10
0、送風手段230、流路L1(実際には、送風手段の
前後に設けてある)、熱交換器210、流路L2を経
て、再び、前記蒸発部100に戻る気体の循環路Lが形
成される。
【0102】前記送風手段230と円盤状板材113−
1及び循環路との位置的関係は、図4に示す如くであ
り、熱交換器からみて、気体の循環路の入り口側に設け
てある流路L1と、出口側に設けてある流路L2とは、
円盤状板材113−1を挟む態様で、その左右上方に端
部を有する。
【0103】ここで、シロッコファンからなる送風手段
230(場合により、シロッコファン230と呼称す
る)により発生蒸気を吸い込み、かつ、当該蒸気を前記
凝縮部21(実質、熱交換器210)に向けて吹き出す
ように流路L1側に持ってきたのは、界面活性剤を多量
に含み発泡性が強い写真廃液が処理の対象である場合で
も、その発泡を抑制する事ができ、結果として、消泡剤
の使用等を不要とし得る事を見い出したからである。
【0104】なお、前記送風手段230による気体の流
速は、前記蒸発部100から前記制御手段との間で、
0.5m/秒〜15m/秒の範囲である事が好ましく、
1m/秒〜5m/秒がより好ましい。
【0105】前記流速が0.5m/秒以下であると処理
能力が低くなり、15m/秒以上だと液が飛沫となって
飛散する状況が生じやすくなり好ましくない。
【0106】前記貯留容器110、蒸発部100、熱交
換器210および前記循環路L等による構成は、外界か
ら遮断された密閉容器の態様を呈し、外部に廃液臭気を
発散することがない。
【0107】前記熱交換器210は、前記冷却ファンF
により送風される外気の流入路(外気導入手段)および
排出路(外気排出手段)と連通する第1通路213と、
気体の循環路を構成する流路L1と流路L2とに接続す
る第2通路215とを有し(図3参照)、更に、熱交換
により得られる凝縮液を排出するための凝縮液回収部と
ドレインDとを有している。
【0108】前記熱交換器210は、前述のように2つ
の通路213、215を有するが、両通路は、シート材
を交互に折り曲げてなる薄板Tを四方の壁217で覆う
ことにより構成してある。
【0109】実施の形態において、前記薄板Tとして厚
さ約0.1mmのステンレス鋼(SUS304)を用
い、隣接する板間隔は約7mmとした。
【0110】この熱交換器の形態としては、薄板Tとし
て厚さ0.03mm〜1mm程度の金属材や、樹脂材が
使用でき、製作性やコスト、熱交換効率などの点で有利
である。
【0111】また、写真廃液の場合は耐薬品性が求めら
れ、金属材では、SUS304、SUS316、SUS
316L、SUS317、SUS317L等のSUS材
やTi材が好ましく使用でき、樹脂材では、PP、P
E、PPE、PPO、PPS、PET、PVC、フッ素
樹脂等が好ましく用いられる。
【0112】上述の如く、前記熱交換器210の構成は
簡単であり、装置の小型化及び低コスト化に寄与でき
る。
【0113】60は、例えば、ハロゲン化銀写真感光材
料を処理するための自動現像装置のような写真処理装置
90から排出される廃液(例えば、カラーネガフィルム
処理廃液、カラーペーパ処理廃液あるいは両者の混合廃
液)を貯蔵する廃液タンクで、前記貯留容器110と管
(パイプ)で接続している。
【0114】70はべローズポンプから成る補充手段
(以下、補充ポンプという)で、前記蒸発部100の貯
留容器110に設けた液面検出手段SRからの情報(検
出結果)に基づいて作動制御され、前記廃液タンク60
内の廃液を前記貯留容器110内に送り込む。
【0115】例えば、前記貯留容器110内の廃液の蒸
発濃縮が進むと、貯留容器内の水分および一部の蒸発成
分が減少するため、廃液液面が低下し、その液面低下は
液面検出手段SRにより検出される。
【0116】すると、前記補充ポンプ70が動作し廃液
タンク60から処理液を補充し、液面検出手段に達した
ところで補充が停止される。
【0117】なお、液面検出手段に達してから規定時間
補充ポンプを動作させた後に停止することも、補充量を
安定化させるために好ましい方法である。
【0118】80は前記熱交換器210に設けたドレイ
ンDを介して排出される凝縮液をためるための凝縮液タ
ンクであり、ポリタンクや専用タンクが使用できる。
【0119】なお、前記ヒータH、モータ30、補充ポ
ンプ70、冷却ファンF、電磁ソレノイド50等の制御
を含む蒸発濃縮装置1のシーケンス制御は制御部Cによ
り行うように構成してある。
【0120】次に作動について説明する。
【0121】蒸発部100における貯留容器110内に
所定量の廃液が溜められ、ヒータHに通電が行われ、蒸
発促進手段113が回転駆動されると、やがて、前記廃
液は蒸発して蒸気を発生する。
【0122】前記蒸気は、シロッコファン230に順次
吸い込まれ、流路L1を介して凝縮部21の熱交換器2
10に進入するように吹き出される。
【0123】ここで、前記蒸気は図3に示す熱交換器2
10の第2通路215内を移動するが、冷却ファンFに
より送風されて第1通路213を流れる外気により冷却
され、蒸気の一部が液化する。
【0124】熱交換により得られた凝縮液は、凝縮液回
収部およびドレインDを介して凝縮液タンク80に回収
される。
【0125】前記蒸発促進手段113の回転による液体
に対する進出、即ち、液体に漬かり、液体から露出する
運動の繰り返しは、気液界面の面積を大きくし、蒸発効
率を高めることに寄与する。
【0126】上記処理の時間が増大すると、前記貯留容
器110内の液体が減少し、やがてその減少の情報が液
面検出手段SRから得られると、制御部Cの制御によ
り、補充ポンプ70を駆動して、廃液タンク60内の廃
液を、所定量、前記貯留容器110に送り込む。
【0127】また、前記貯留容器110の底面に堆積す
る可能性のある濃縮物(濃縮液)は、前記円盤状板材1
13−1の外周部に設けた突起部113−2によりこす
り取られ、または、廃液中にまきあげられる形態にある
ので、沈降凝集または凝固固着する現象を極力防止する
ことができる。
【0128】これは、濃縮物(濃縮液或いはスラッジ)
を固着させることなく排出を可能とする事で、排出操作
性とメンテナンス性を向上させ、更に、ウォータバス方
式による底面からの伝熱を常に安定化させて処理安定性
を高める効果がある。
【0129】処理の進行に伴い、処理廃液の濃縮倍率が
規定値に達した場合に、前記制御部Cが前記電磁ソレノ
イドを作動制御し、濃縮液を濃縮液回収容器40に回収
せしめる。
【0130】回収時期(濃縮終了表示)は、実験により
予め定める装置データとして制御部Cに入力しておくこ
とができる。
【0131】また、濃縮終了表示は、総廃液処理量、単
位時間あたりの処理液量から計算して表示する事もでき
る。
【0132】なお、前記濃縮液回収容器40の回収また
は交換時期については、例えば、濃縮液回収容器の重量
変化を計測し、所定量になった時点で、その旨の表示を
行うようにすればよい。
【0133】図8は、第2の実施の形態の主要部のみを
示す蒸発濃縮装置の模式図である。
【0134】図中、前述した手段(部材)と同じ手段
(部材)もしくは同じ機能を有する手段については同一
の参照番号を付してあり、また、循環気体の流速あるい
は熱交換器に使用できる材質等は前述と同じであるの
で、既に説明した部分についての重複説明は省略する。
【0135】本実施の形態において、他の蒸発濃縮装置
の構成と大きく異なるのは、 凝縮部20(実質的には熱交換器210)を、熱交換
器からみて、循環する気体の入り口側から出口側に向か
うに従って下降するように傾斜配設するとともに、それ
ぞれの側に、凝縮液を取り出すためのドレインD1、D
2を設けた事、 隣り合う円盤状板材間の間隔を維持するための規制部
材150を液面の上方の位置にも設けた事、 円盤状板材の表面に付着する濃縮物を、当該円盤状板
材表面から除去する掻き落とし部材を設けた事、であ
る。
【0136】前記のように熱交換器210を傾斜配設す
ることにより、外気との熱交換により得られる凝縮液の
熱交換部に対する付着を極力防止しうるので、凝縮液の
安定した排出および回収ができる。
【0137】換言すれば、凝縮液が、熱交換器を形成す
る要素(壁217、薄板Tの表面等)に付着すると循環
気体の風量が減少し、熱交換率が低下する等の不具合が
生じるが、斯様な問題をできる限り抑制できる。
【0138】また、傾斜配設により、熱交換器(実質的
には凝縮部といえる)の床面に対する投影面積が小さく
なり、結果として、装置の設置面積を小さくできるの
で、ミニラボ店等に設置し、写真廃液の蒸発濃縮に使用
する場合等に有効である。
【0139】また、流路L1の外側下方に区画して設け
た排出部250と、立ち上がり部から水平方向に折れて
送風手段230に至る前記流路L1の底面とは、当該底
面に設けた多数の小孔を介して連通している。
【0140】また、前記流路L1の上面と熱交換器の入
り口側部分も、同様の小孔を介して連通している。
【0141】前記排出部の下部には傾斜した壁253が
あり、その最下端は、前記凝縮部(熱交換器)からみて
入り口側の凝縮液排出用のドレインD1に連通してい
る。この構成は次のような効果を奏する。
【0142】すなわち、前記熱交換器に凝縮液が付着す
ることを低減し、安定した凝縮液の排出および回収を可
能とする。
【0143】また、特に入り口側の前記排出部250の
配設場所を、循環気体が前記凝縮部に入る前の場所とし
たことで、送風手段230と熱交換器210との間で凝
縮した凝縮液および前記熱交換器の入り口付近で凝縮し
た凝縮液が自重等により送風手段230に流れ込むこと
を極力防止でき、蒸発能力の安定化と送風手段の耐久性
向上を図ることができる。
【0144】更に、出口側の排出部255の配設場所
を、循環気体が前記凝縮部を出た後の下方の場所とした
ことで、凝縮された凝縮液が集め易く、排出部255に
連通するドレインD2を介しての回収効果が高い。
【0145】また、第1の実施の形態において液中の2
カ所に設けた規制部材150に加えて、液面上位置に
も、同様の構成を有する規制部材150を設ける事によ
り、前述の如くの効果を奏することができる。
【0146】前記規制部材150を設けることにより、
円盤状板材113−1を薄い板厚の板材で作った場合で
も蒸発効果を低減させることもない。
【0147】前記規制部材150は支持フレーム153
上に脱着可能に取り付けてなる。
【0148】なお、冷却ファンFは、前記傾斜配設した
熱交換器210の下方側に設けてある開口(図示せず)
から外気を送り込むように関係づけて設けてある。
【0149】従って、この構成においては、排風は熱交
換器210の上方側(左上)からなされる。
【0150】なお、図示構成においては、前記規制部材
150の櫛歯と前記円盤状板材113−1の外周縁部と
の重なり長さ(円盤に対する挿入長さ或いは円盤に対す
る櫛歯部分の食い込み量)を、第1実施例のそれに比較
して少なくしてある。
【0151】実施の形態においては、3カ所全てにおい
て、前記円盤状板材の半径の1/2以下としてある。
【0152】液面上(液外部)の規制部材150の櫛歯
の食い込み量が多いと、円盤状板材に付着した液体の液
はねを誘発したり、発泡の原因となりやすいので好まし
くない。
【0153】156は前記円盤状板材表面に付着する濃
縮物を除去するための掻き落とし部材で、円盤の略中央
部を通り、当該円盤の直径を含んで延びる針金状の線材
端をを、前記支持フレーム153に設けた2つの軸15
8に引っかけてなる。
【0154】換言すれば、図において前後に設けてある
支持フレーム153に前記軸158を位置固定し、当該
軸上であって、円盤状板材間に前記掻き落とし部材15
6を設けることにより、掻き落とし機能を可能としてあ
る。
【0155】前記掻き落とし部材は、各円盤状板材11
3−1の両面に接触するように板面間に2本づつ設けて
もよいが、片面と接触するように板面間に1本あれば充
分であり、接触精度はラフでも事足りる。
【0156】この態様において、規制部材150も濃縮
物の掻き落としに寄与する事は前述の通りである。
【0157】図9は他の形態の掻き落とし部材の構成を
示すための模式図であり、説明に不要なところは適宜省
略して示してある。
【0158】また、前述した部材と同じ部材または同じ
機能を有する部材には、前記と同一の記号を付してあ
る。
【0159】図において、掻き落とし部材156はレバ
ーからなり、円盤状板材間に設けられていて、貯留容器
100内の固定部に設けた軸支点160を中心に回動可
能に設けてある。
【0160】また、その長さは円盤状板材113−1を
保持する回転軸Jを越えて延び、その形状は、自由端部
に向かうに従って順次細くしてある。
【0161】163は回転軸Jと同心円上に設けた作用
軸で、当該作用軸上に前記掻き落とし部材156の自由
端側が乗るようになっている。
【0162】前記作用軸163は、すべての前記円盤状
板材113−1を貫き、円盤状板材と一体的に設けた保
持部材165で保持されている。
【0163】前記作用軸163は、180度位相が異な
る2カ所に設けてある。
【0164】従って、円盤状板材113−1の回転時、
前記掻き落とし部材156の自由端部は、回転軸Jの上
位置から前記作用軸163の位置移動に伴って上昇力を
受けて最上昇位置に達し、その後、自重により落下し、
前記上下の回動時に、前記円盤状板材上の濃縮物を除去
するように機能する。
【0165】前記掻き落とし部材156が最上昇位置に
有る状態において、当該掻き落とし部材の全体は液中に
あるように設定してある。
【0166】斯様な動作が、前記円盤状板材の1回転に
2度行われる。
【0167】上記構成において、櫛歯からなる規制部材
の作用もあって、円盤状板材の間隔も維持しうるので、
液面から露出した円盤状板材に対する循環気体の通りが
よく、安定した処理性を維持できる。
【0168】図10は前記掻き落とし部材に上昇力を付
与するたの構成を示す模式図であり、図中の記号の取り
扱いについては作用片(スペーサ)167を除いて前述
と同じである。
【0169】前記作用片167は略楕円形の板材からな
り、その中心部は前記回転軸Jに対して嵌合固定されて
いる。
【0170】勿論、前記円盤状板材113−1と一体的
に構成してもよい。
【0171】この構成において、前記作用片167によ
り最上昇位置に持ち来された、前記掻き落とし部材15
6の自由端部は、その後の前記円盤上板材の回転に伴っ
て、自重で回動落下する。
【0172】図11は蒸発促進補助手段の構成と当該蒸
発促進手段を回転させるためのギヤトレインからなる動
力伝達系との構成の一例を示す概略図である。
【0173】前出した参照番号を付してある手段(部
材)は、前出と同じもしくは同様の機能を有する手段
(部材)を示す。
【0174】図において、複数の円盤状板材113−1
は樹脂成型品からなり、それぞれの中心部に設けたボス
部113−3を回転軸Jに嵌合してなる。
【0175】113−5は最外側に設けた肉厚の円盤1
19を示す。
【0176】前記円盤119は、ピン等を介して前記回
転軸Jに固定してある。また、当該円盤119は、その
外周部に歯形を有してなるギヤ付き円盤である(以下、
ギヤ付き円盤と言う)。
【0177】前記ギヤ付き円盤119と噛みあいするギ
ヤG1は不図示の軸に支持されており、当該ギヤG1は
モータ30の回転軸に設けられるモータギヤとも噛みあ
っている。
【0178】上記構成は、ガイド部材Gとともにモータ
30を含む構体(一体的に組まれた構成物)を取り外す
時に、又は、上部枠体20を下部枠体10から取り外す
時に、モータギヤとギヤG1との歯車間で簡単に分離で
き、操作性がよい。
【0179】なお、前記突起部の形状、個数、規制部材
の設置個所、箇所数、掻き落とし部材の形状あるいは作
用片などは適宜決定でき、本発明は前記実施の形態に拘
束されるものではない。
【0180】
【発明の効果】規制部材あるいは掻き落とし部材を取り
付ける簡単な構成で、処理安定性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係わる廃液蒸発濃縮装置全
体の構成を示す概念図である。
【図2】気液界面の面積を大きくするための被処理液体
と蒸発促進手段との関係を示す概略図である。
【図3】熱交換器の内部主要部を示す概略図である。
【図4】図1に示す蒸発濃縮装置の模式的側面図であ
る。
【図5】突起部を有する円盤状板材の形状を示す正面図
である。
【図6】図5に示す円盤状板材の側面図である。
【図7】規制部材と円盤状板材の外周縁部との関係を示
す模式図である。
【図8】第2の実施の形態の主要部のみを示す蒸発濃縮
装置の模式図である。
【図9】他の形態の掻き落とし部材の構成を示すための
模式図である。
【図10】掻き落とし部材に上昇力を付与するたの構成
を示す模式図である。
【図11】蒸発促進補助手段の構成と当該蒸発促進手段
を回転させるためのギヤトレインからなる動力伝達系と
の構成の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 廃液蒸発濃縮装置 10 下部枠体 20 上部枠体 21 凝縮部 30 モータ 40 濃縮液回収容器 50 電磁ソレノイド 60 廃液タンク 70 補充手段 80 凝縮液タンク 90 写真処理装置 100 蒸発部 110 貯留容器 113 蒸発促進手段 113−1 円盤状板材 114、115、217 左右側壁 117 開口 150 規制部材 156 掻き落とし部材 210 熱交換器 213、215 通路 230 送風手段 C 制御部 D ドレイン F 冷却ファン G ガイド部材 H 加熱手段 J 回転軸 L 循環路 L1、L2、L3 流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H016 CA00 4D034 AA20 BA01 CA17 4D076 AA07 AA22 AA24 BA30 BC25 CA19 CD03 CD16 DA10 DA22 EA02Y EA06Y EA12Y EA15Y EA16Y EA20X EA20Y EA24Z FA31 FA34 HA03 HA06 JA02 JA05

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発濃縮すべき液体を貯留するための貯
    留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と露出
    を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する蒸発濃
    縮装置において、 前記蒸発促進手段を、回転軸に対して交差する方向に面
    を有し、かつ、軸方向に間隔をもって固設した複数の薄
    板で構成するとともに、 前記薄板の間隔を、当該薄板の外周縁部を介して規制部
    材により規制する、 ように構成した事を特徴とする蒸発濃縮装置。
  2. 【請求項2】 前記薄板の回転方向において、当該薄板
    が液中から液面上に出る液面近傍の液中位置、液面上か
    ら液中に入る液面近傍の液中位置、液面上の位置の内の
    少なくとも2カ所に前記規制部材を設けた事を特徴とす
    る請求項1に記載の蒸発濃縮装置。
  3. 【請求項3】 前記規制部材は櫛歯である事を特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の蒸発濃縮装置。
  4. 【請求項4】 蒸発濃縮すべき液体を貯留するための貯
    留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と露出
    を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する蒸発濃
    縮装置において、 前記蒸発促進手段を、回転軸に対して交差する方向に面
    を有し、かつ、軸方向に間隔をもって固設した、薄板か
    らなる複数の円盤状板材で構成するとともに、 前記円盤状板材の間隔を、当該円盤状板材の回転方向に
    おいて、円盤状板材が液中から液面上に出る液面近傍の
    液中位置、液面上から液中に入る液面近傍の液中位置、
    液面上の位置の少なくとも3カ所に設けた規制部材によ
    り、外周縁部を介して規制する、 ように構成した事を特徴とする蒸発濃縮装置。
  5. 【請求項5】 前記規制部材は櫛歯である事を特徴とす
    る請求項4に記載の蒸発濃縮装置。
  6. 【請求項6】 液面よりも上の位置に配設した櫛歯の前
    記円盤状板材に対する挿入長さは、当該円盤状板材の半
    径の1/2以下である事を特徴とする請求項5に記載の
    蒸発濃縮装置。
  7. 【請求項7】 液面近傍の液中位置に配設した櫛歯は、
    前記円盤状板材の回転中心近傍まで延びる長さを有する
    事を特徴とする請求項5に記載の蒸発濃縮装置。
  8. 【請求項8】 前記円盤状板材は、外周の一部に突起部
    を有する請求項4に記載の蒸発濃縮装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも2カ所以上の突起部を有し、
    それぞれの突起部は前記円盤状板材の厚さ方向に対して
    左または右方向に傾斜している事を特徴とする請求項8
    に記載の蒸発濃縮装置。
  10. 【請求項10】 蒸発濃縮すべき液体を貯留するための
    貯留容器と、前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と露
    出を繰り返すように設けた蒸発促進手段とを有する蒸発
    濃縮装置において、 前記蒸発促進手段を、回転軸に対して交差する方向に面
    を有し、かつ、軸方向に間隔をもって固設した、薄板か
    らなる複数の円盤状板材で構成するとともに、 前記円盤状板材の間隔を、当該円盤状板材の回転方向に
    おいて、円盤状板材が液中から液面上に出る液面近傍の
    液中位置、液面上から液中に入る液面近傍の液中位置、
    液面上の位置の少なくとも2カ所に設けた櫛歯からなる
    規制部材により、外周縁部を介して規制し、かつ、 前記円盤状板材の表面に付着する濃縮物を掻き落とし部
    材により掻き落とす、 ように構成した事を特徴とする蒸発濃縮装置。
  11. 【請求項11】 蒸発濃縮すべき液体を貯留するための
    貯留容器と、 前記貯留容器内の貯留液に対して浸漬と露出を繰り返す
    ように設けた蒸発促進手段と、 前記蒸発促進手段を、回転軸に対して交差する方向に面
    を有し、かつ、軸方向に間隔をもって固設した、薄板か
    らなる複数の円盤状板材で構成し、 前記円盤状板材表面に付着する濃縮物を掻き落とすよう
    に、液面近傍の液中位置に設けた掻き落とし部材と、 前記貯留容器に液体を供給する供給手段と、 前記貯留容器内の液面を検出する検出手段と、 濃縮された濃縮液を排出する濃縮液排出手段と、 蒸発部から凝縮部を経て前記蒸発部に戻る気体の流れを
    可能とする循環路と、 蒸発部と凝縮部との間の前記循環路中に設けた送風手段
    と、 前記凝縮部で凝縮された凝縮液を排出する凝縮液排出手
    段と、 前記貯留容器ないの液体を加熱する加熱手段と、 を有する事を特徴とする蒸発濃縮装置。
  12. 【請求項12】 前記掻き落とし部材は回動可能である
    事を特徴とする請求項10または請求項11に記載の蒸
    発濃縮装置。
  13. 【請求項13】 前記掻き落とし部材は、前記円盤状板
    材と一体的に回転する付勢部材の付勢により、支点を中
    心に上昇回動され、最上昇位置からは自重により落下す
    る事を特徴とする請求項12に記載の蒸発濃縮装置。
  14. 【請求項14】 前記掻き落とし部材は、前記回転軸上
    に設けたスペーサにより支点を中心に上昇回動される事
    を特徴とする請求項12に記載の蒸発濃縮装置。
  15. 【請求項15】 前記円盤状板材間の間隔を規制するた
    めの櫛歯からなる規制部材を有する事を特徴とする請求
    項11に記載の蒸発濃縮装置。
  16. 【請求項16】 前記規制部材は、液面よりも上の位置
    において前記円盤状板材の周縁部を介して、円盤状板材
    間隔を規制するものであり、前記櫛歯の前記円盤状板材
    に対する挿入長さは、当該円盤状板材の半径の1/2以
    下である事を特徴とする請求項15に記載の蒸発濃縮装
    置。
  17. 【請求項17】 前記規制部材は、前記円盤状板材の回
    転方向において、円盤状板材が液中から液面上に出る液
    面近傍の液中位置、液面上から液中に入る液面近傍の液
    中位置、液面上の位置の少なくとも3カ所に設けられて
    いる事を特徴とする請求項15に記載の蒸発濃縮装置。
  18. 【請求項18】 界面活性剤を含有する写真廃液を、請
    求項1、4、10または請求項11に記載の蒸発濃縮装
    置で処理する事を特徴とする写真廃液蒸発濃縮方法。
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CN103212212A (zh) * 2012-10-18 2013-07-24 中华人民共和国绥芬河出入境检验检疫局 多通道加速蒸发器
CN113262512A (zh) * 2021-07-06 2021-08-17 山东意威尔环境科技有限公司 一种圆盘式布膜蒸发器

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CN103212212B (zh) * 2012-10-18 2017-12-26 中华人民共和国绥芬河出入境检验检疫局 多通道加速蒸发器
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