JP2000314881A - 光反射性基板の製造方法 - Google Patents

光反射性基板の製造方法

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JP2000314881A
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正善 米澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基本的な工程を変更することなく、耐熱性ネ
ガ型感光性樹脂により、ガラスなどの基板上にほぼ理想
的な波形の凹凸からなる光拡散層を形成する。 【解決手段】 表面が平滑なガラスもしくはプラスチッ
クからなる基板1の表面1a上に化学増幅系ネガ型感光
性樹脂2を所定の厚さに塗布した後、その化学増幅系ネ
ガ型感光性樹脂2を基板1の背面1b側から所定のパタ
ーンを有するフォトマスク3を介して部分的に露光して
現像することにより、基板1上に感光性樹脂からなる凸
部2aを規則的もしくは不規則的に形成して粗面化し、
その凸部面を含む一方の基板面全面に金属膜よりなる光
反射層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型液晶表示素
子の一方の電極基板として用いられる光反射層を有する
光反射性基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示素子は、光源を外部から
の光に求めているため、透過型もしくは半透過型液晶表
示素子のようにバックライトを必要としない。このた
め、消費電力が少なくて済むとともに、薄型化・軽量化
が可能である。
【0003】液晶表示素子を反射型とするには、液晶表
示パネルの外部に光反射板を偏光板と一体として設ける
か、もしくは液晶表示パネル内部に光反射層を例えばア
ルミスパッタなどにて形成するようにしている。特に、
パネル内部に光反射層を設ける場合には、視角を広げ光
源としての室内・室外の照明光を効率よく使用するた
め、別途にパネル内もしくはパネル外に光拡散層を設け
るようにしている。
【0004】この光拡散層は、表示の解像度の関係でパ
ネル内部に設けられることが好ましい。そのため、従来
においては、液晶表示パネルの一方のガラスを凹凸加工
して、その表面に光反射膜をスパッタしたり、そのガラ
ス面に感光性樹脂を均一に塗布した後、フォトリソ処理
により所定の形状をトレースする方法などが知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者のガラスの凹凸加
工には機械的加工と化学的加工とがある。ガラスを粉粒
体などにより機械的に粗面化するにしても、凹凸を微細
にするのに限度があり、凹凸制御も困難である。また、
ガラスを弗酸などにより化学的に粗面化するにしても、
ガラス本来のうねりが顕著に出てくることがあり、その
うねりが表示品位に影響をおよぼすおそれがある。
【0006】これに対して、後者の感光性樹脂を用いた
方法によると、凹凸の大きさやピッチなどのプロファイ
ルを自由に設計できる点でメリットがある。この種の感
光性樹脂としては、ネガ型とポジ型とがあるが、光の照
射により反応が進み、光の照射部が不溶化となるネガ型
が多く用いられている。しかしながら、感光性樹脂によ
る場合でも次のような課題があった。
【0007】すなわち、従来ではガラス面上にネガ型感
光性樹脂を均一に塗布した後、その樹脂面側からフォト
マスクを介して露光するようにしているため、現像する
過程で、図4に示されているように、ガラス面1に残さ
れた樹脂膜による凸部2の根元部分が浸食され逆テーパ
状となってしまい、これでは良好な光拡散性が得られな
い。
【0008】良好な光拡散性を得る上で、凸部2の形状
としては、断面が滑らかな波形(山形)であることが好
ましいとされる。凸部2の形状が図4のような逆テーパ
状となっても、樹脂が溶融性のものであれば、後加熱に
より波形に変えることも可能である。
【0009】しかしながら、このように耐熱性のない樹
脂を使用すると、光反射膜の形成、透明導電膜の形成、
配向膜の形成などの工程温度に耐えられないので、光拡
散用の凹凸形成の目的には適用できない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基本的
な工程を変更することなく、耐熱性ネガ型感光性樹脂に
より、ガラスなどの基板上にほぼ理想的な波形の凹凸か
らなる光拡散層を形成することができる。
【0011】このため、本発明は、表面が平滑なガラス
もしくはプラスチックからなる基板の一方の面(表面)
上に化学増幅系ネガ型感光性樹脂を所定の厚さに塗布し
た後、その化学増幅系ネガ型感光性樹脂を基板の他方の
面(背面)側から所定のパターンを有するフォトマスク
を介して部分的に露光して現像することにより、基板上
に感光性樹脂からなる凸部を規則的もしくは不規則的に
形成して粗面化し、その凸部面を含む一方の基板面全面
に金属膜よりなる光反射層を形成することを特徴として
いる。
【0012】このように、感光性樹脂を基板の背面側か
ら露光することにより、基板の厚さ分、その光路が長く
されるのに伴なって、フォトマスクを通過した光が干渉
による回り込み現象により、マスクの透孔よりも広げら
れて感光性樹脂に照射されるため、基板上に本来残され
る樹脂の凸部の周りに滑らかな裾部が形成され、ほぼ理
想的な断面波状の凸部が得られる。
【0013】滑らかな裾部を形成するためには、現像後
膜厚残量が100%となる露光量の基準値(感光特性)
をEとして、背面側からの露光量が1.0×E
5.0×Eであることが好ましい。
【0014】ここで、化学増幅系ネガ型感光性樹脂と
は、光の照射によって酸などを発生する成分と、その酸
などを触媒として不溶化反応を起こすような反応系とを
含むものである。この樹脂を用いることでわずかな光の
照射で大きな溶解性の変化が現れることから感度が高く
なり、ファインな解像度が得られる。
【0015】本発明で用いる化学増幅系ネガ型感光性樹
脂は、超高耐熱性のフォトレジストであるノボラック系
光熱硬化樹脂であることが好ましく、これによれば、き
わめて熱的に安定した凹凸が得られる。すなわち、露光
量、プリベイクなどの加熱条件および現像時間などに左
右されにくく、常に安定した形状の凹凸が得られる。
【0016】なお、この光反射性基板を反射型カラー液
晶表示素子に適用する場合には、光反射層上にカラーフ
ィルタ層を形成し、さらに同カラーフィルタ層上に合成
樹脂よりなる表面平滑化層を形成すればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に示されてい
る実施例によりさらに詳しく説明する。
【0018】光反射性基板を得るにあたっては、図1に
示されているように、液晶表示素子の透明電極基板とし
て用いられる例えばガラス基板1の表面1a側(図1に
おいて上面側)に、フォトレジストとしての化学増幅系
ネガ型感光性樹脂2をスピンナーなどにより均一の厚さ
に塗布する。
【0019】化学増幅系ネガ型感光性樹脂2は、超高耐
熱性のフォトレジストであるノボラック系光熱硬化樹脂
であることが好ましく、具体的にはクラリアントジャパ
ン社製の超高耐熱性化学増幅系ネガ型フォトレジストE
xp407などが例示される。
【0020】化学増幅系ネガ型感光性樹脂2を仮乾燥し
た後、ガラス基板1の背面1b側(図1において下面
側)に、凹凸を形成するための所定のパターンを有する
フォトマスク3をセットする。そして、図示しない光源
よりガラス基板1の背面1b側からフォトマスク3を介
して化学増幅系ネガ型感光性樹脂2に光を照射する。
【0021】この化学増幅系ネガ型感光性樹脂2の露光
量は好ましくは次のように設定されるとよい。すなわ
ち、現像後膜厚残量が100%となる露光量の基準値を
とした場合、背面側からの露光量は1.0×E
5.0×Eの範囲内とする。この範囲から外れると、
滑らかな裾部が形成し難くなる。
【0022】その後、PEB(Post Exposu
re Bake)および現像を行ないポストベイクす
る。これにより、図3に例示されているように、ガラス
基板1上にほぼ理想的に近い断面波形の凸部2aが形成
される。そして、最終的に凸部2aを含むガラス基板1
の表面1a全面に、例えばアルミニウムなどの金属反射
膜を形成する。
【0023】凸部2aの配置は規則的であってもよい
し、不規則的(ランダム)であってもよいが、モアレ対
策としてはランダムがよい。なお、PEBは化学増幅系
ネガ型感光性樹脂2が光の照射によって酸を発生し、そ
の酸が触媒となって架橋反応を起こす工程であり、その
結果、照射部分の樹脂が現像液に溶けなくなる。
【0024】ここで、図1中の光の進路を模式的に示し
た矢印および図2の基板背面での光エネルギー強度分布
グラフを参照して、上記のようにほぼ理想的に近い断面
波形の凸部2aが形成される理由を説明する。
【0025】図示しない光源より光を照射すると、フォ
トマスク3に形成されているマイクロホール(透孔)3
aに対応する領域(マイクロホール3aの投影面積部
分)には直進した光がそのまま照射されるが、これに伴
なってその周辺にも干渉による回り込み現象により分散
された光が照射される。
【0026】したがって、光源からの露光量が基準値E
を超えているとすると、上記投影面積部分の光エネル
ギー強度は基準値E以上、すなわち膜厚の全体が反応
するしきい値レベル以上の強度となるが、その周辺の光
エネルギー強度は基準値E以下となる。このため、周
辺部では膜全体が反応するに至らず、膜厚の内、基板面
側のみが反応することになる。これにより、凸部2aに
滑らかな裾が形成される。
【0027】
【実施例】《実施例1》0.7mm厚のガラス基板の片
面に感光性樹脂として、クラリアントジャパン社製の超
高耐熱性化学増幅系ネガ型フォトレジストExp407
をスピンナーにて厚さ約2.0μmに塗布した後、90
℃のホットプレート上で約90秒間仮乾燥した。そし
て、プロキシミティ方式露光機を用い、ガラス基板を感
光性樹脂塗布面が下になるようにしてテーブルにセット
し、フォトマスクをそのガラス基板上に配置し、基準値
の3.0倍のエネルギー量を照射した。なお、フォ
トマスクには、直径5μmの円状の遮光部を平均ピッチ
10μmになるようにランダムに配置したものを用い
た。130℃で90秒間PEBを行ない、室温にて1.
0%NaOHの現像液で現像した。その後、240℃で
2時間ポストベイクを行ない硬化させた。この感光性樹
脂による凹凸面を観察したところ、山−山の平均ピッチ
が10μmで高さ2.0μmの波形形状であった。そし
て、この凹凸面上にアルミニウム反射膜をスパッタにて
約1000Åの厚さに形成し、光拡散性能の指標である
反射率半値幅を測定したところ、その入射光角度は約2
5゜であった(受光は基板垂直方向)。
【0028】〈比較例1〉フォトマスクを感光性樹脂の
塗布面上に配置し、光照射エネルギー量を基準値E
1.5倍としたほかは、上記実施例1と同様にして光反
射性基板を得た。凹凸面を観察したところ、山−山の平
均ピッチは10μm、高さは2.0μmであったが、凸
部の肩が図4に例示されているような逆テーパになって
いた。反射率半値幅は約10゜であり、拡散性能は十分
ではなかった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板上に塗布した感光性フォトレジストをその基板の背
面側から露光するようにしたことにより、基本的な工程
を変更することなく、耐熱性ネガ型感光性樹脂により、
ガラスなどの基板上にほぼ理想的な波形の凹凸からなる
光拡散層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するための模式的断面
図。
【図2】本発明において、基板に照射される光エネルギ
ー強度分布を示したグラフ。
【図3】本発明により得られる凸部の形状を模式的に示
した拡大断面図。
【図4】従来法により形成される凸部の形状を模式的に
示した拡大断面図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 化学増幅系ネガ型感光性樹脂 2a 凸部 3 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉井 東洋 兵庫県尼崎市上坂部1丁目2番1号 オプ トレックス株式会社尼崎工場内 Fターム(参考) 2H042 BA03 BA15 BA20 DA02 DA11 DB08 DC02 DE00 2H091 FA32Z FB04 FB08 FC02 FC12 FC23 FC26 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射型液晶表示素子の一方の基板として
    用いられる光反射性基板の製造方法において、 表面が平滑なガラスもしくはプラスチックからなる基板
    の一方の面上に化学増幅系ネガ型感光性樹脂を所定の厚
    さに塗布した後、その化学増幅系ネガ型感光性樹脂を上
    記基板の他方の面側から所定のパターンを有するフォト
    マスクを介して部分的に露光して現像することにより、
    上記基板上に感光性樹脂からなる凸部を規則的もしくは
    不規則的に形成して粗面化し、その凸部面を含む一方の
    基板面全面に金属膜よりなる光反射層を形成することを
    特徴とする光反射性基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 現像後膜厚残量が100%となる露光量
    の基準値をEとして、上記基板の他方の面側からの露
    光量が1.0×E〜5.0×Eである請求項1に記
    載の光反射性基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記化学増幅系ネガ型感光性樹脂がノボ
    ラック系光熱硬化樹脂である請求項1または2に記載の
    光反射性基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004151685A (ja) * 2002-10-11 2004-05-27 Seiko Epson Corp 反射基板の製造方法及び電気光学装置の製造方法
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