JP2000314517A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

廃棄物の処理方法

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JP2000314517A
JP2000314517A JP11123695A JP12369599A JP2000314517A JP 2000314517 A JP2000314517 A JP 2000314517A JP 11123695 A JP11123695 A JP 11123695A JP 12369599 A JP12369599 A JP 12369599A JP 2000314517 A JP2000314517 A JP 2000314517A
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water
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refuse
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JP11123695A
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Masuhito Shimizu
益人 清水
Takeshi Matsuzoe
剛 松添
Masayasu Fukui
雅康 福井
Takayuki Yasui
孝行 安井
Misao Murakami
みさを 村上
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水汚泥、生ごみなどの一般廃棄物など水分
を多く含む廃棄物を、廃棄物処理設備の能力を低下させ
ることなく、また水処理の問題を生じることなく処理
し、さらには廃棄物を燃料、還元剤などとして有効に活
用することが可能な廃棄物の処理方法の提供。 【解決手段】 廃棄物から分離された分離水を濃縮し、
得られた濃縮物を廃棄物と共に、燃焼するか、酸素含有
ガス共存下、部分酸化・ガス化するか、乾留・炭化する
廃棄物の処理方法、および、廃棄物を、圧縮し、得られ
た圧縮成形物を乾留・炭化室で乾留・炭化し、得られた
乾留・炭化物を酸素含有ガス共存下、高温反応炉におい
て部分酸化・ガス化する廃棄物の処理方法であって、好
ましくは廃棄物を圧縮して分離された分離水である乾留
・炭化の前工程において廃棄物から分離された分離水を
濃縮し、得られた濃縮物を、乾留・炭化室および/また
は高温反応炉に供給する廃棄物の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥、生ごみ
などの水分を含む廃棄物を、廃棄物処理設備の能力を低
下させることなく、さらには水処理の問題を生じること
なく処理することが可能な廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ごみの処理がますます社会的な関
心を集めている。生ごみ、下水汚泥、廃プラスチック、
ビニールなどの一般廃棄物や、シュレッダーダスト(:
家電製品、自動車部品の破砕物)などの産業廃棄物の処
理方法としては、下記(1) 〜(3) の方法が用いられる
か、またはその実用化が進められている。
【0003】(1) 燃焼(焼却)処理:廃棄物を焼却炉で
焼却し減容化した後に埋め立てなどの最終処分を行う方
法で、一般廃棄物、産業廃棄物の処理方法として広く用
いられている。 (2) 部分酸化・ガス化処理:廃棄物を予め圧縮成形、乾
留・炭化して得られた廃棄物の乾留・炭化物を高温反応
炉に装入し、酸素含有ガスを用いて部分酸化し、ガス化
するとともに不燃物を溶融して溶融スラグ、溶融金属を
得る。
【0004】発生ガスは、燃料、化学原料などとして有
効利用し、溶融スラグ、溶融金属は、比重分離や磁選な
どによって分離し、建設用資材、路盤材、金属原料など
として有効利用する。 (3) 廃棄物の固形燃料化、乾留・炭化処理:廃棄物の中
から選別した可燃物を、破砕、乾燥した後、成形する
か、または破砕、成形した後、乾燥し、廃棄物の固形
燃料、すなわち、いわゆるごみ固形燃料(RDF:Refuse D
erived Fuel)を製造し、得られた廃棄物の固形燃料(以
下ごみ固形燃料と記す)を乾留・炭化し、ごみ固形燃料
の炭化物を製造する方法で、ごみ固形燃料の炭化物は、
燃料、鉱石還元用の還元剤などとして有効利用し、乾留
ガスは燃料として利用する。
【0005】一方、生ごみ、下水汚泥など水分を含む廃
棄物を前記した(1) 〜(3) の方法によって処理する場
合、廃棄物を受け入れるピットの底部に水が溜まる。本
発明者らは、廃棄物のピットの底部に汚水が溜まる場合
の廃棄物中の水分量を測定した結果、約65〜70wt%程度
であった。すなわち、約65〜70wt%以上の水分を含む廃
棄物を保管すると、廃棄物から水分が排出され廃棄物の
ピットの底部に汚水が溜まる。
【0006】また前記した(2) の方法の場合、廃棄物の
圧縮装置において圧縮脱水によって水(汚水)が分離、
排出される。これらの水は、BOD (生物化学的酸素要求
量)が数万〜10万mg/l前後と極めて高い。従来、汚水
は、一般的に、生物学的処理によって処理されている
が、上記したBOD が極めて高い汚水の処理は困難であ
り、焼却炉など廃棄物処理装置本体に供給し、廃棄物と
共に処理されることが多い。
【0007】この場合、生ごみ、下水汚泥などの一般廃
棄物は水分量が多く、下記の種々の問題が生じた。 (1) 焼却処理における問題: 燃焼が不十分となり、完全に燃焼せず、未燃焼残渣が
残り、また、高温の燃焼温度が得られないため、燃焼ガ
ス中に有害物質が生成する。
【0008】高温の燃焼温度を確保するために大量の
補助燃料が必要となる。 (2) 廃棄物の部分酸化・ガス化処理における問題: 水の蒸発潜熱および蒸発した水分の昇温に必要な顕熱
の増加によって、高温反応炉内の温度が低下し、不燃物
の溶融、排出が不可能となり、高温反応炉を用いた廃棄
物の部分酸化・ガス化・溶融の連続操業が不可能とな
る。
【0009】また、高温反応炉内の温度の低下に伴い、
高温反応炉から排出される発生ガス中に未分解の炭化水
素が多く残存し、ダイオキシン類の前駆体となり、ダイ
オキシン類が生成する可能性がある。 高温反応炉で発生する発生ガス(:燃料用ガス)中の
H2O 濃度が大となって発生ガスの発熱量が低下し、得ら
れる発生ガスを燃焼できなくなる可能性がある。
【0010】高温を確保するために、大量の補助燃料
が必要となる。 (3) 廃棄物(ごみ)の固形燃料化、乾留・炭化処理にお
ける問題:水分が多いと乾燥のために大量の燃料を必要
とする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、下水汚泥、生ごみなど水分を
多く含む廃棄物を、廃棄物処理設備の能力を低下させる
ことなく、また水処理の問題を生じることなく処理し、
さらには廃棄物を燃料、還元剤などとして有効に活用す
ることが可能な廃棄物の処理方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、廃棄物か
ら分離された分離水を濃縮し、得られた濃縮物を前記廃
棄物と共に、燃焼するか、もしくは酸素含有ガス共存
下、部分酸化・ガス化するか、もしくは乾留・炭化する
ことを特徴とする廃棄物の処理方法である。第2の発明
は、廃棄物から分離された分離水を濃縮し、得られた濃
縮物を、前記廃棄物の乾留・炭化物と共に酸素含有ガス
の共存下、部分酸化・ガス化することを特徴とする廃棄
物の処理方法である。
【0013】第3の発明は、廃棄物を圧縮し、得られた
圧縮成形物を乾留・炭化炉で乾留・炭化し、得られた乾
留・炭化物を、高温反応炉において酸素含有ガス共存
下、部分酸化・ガス化する廃棄物の処理方法であって、
前記乾留・炭化の前工程で廃棄物から分離された分離水
を濃縮し、得られた濃縮物を、前記乾留・炭化炉および
/または高温反応炉に供給することを特徴とする廃棄物
の処理方法である。
【0014】第4の発明は、廃棄物から分離された分離
水を濃縮し、得られた濃縮物を、(1) 前記廃棄物を破砕
し、乾燥した後、成形して得られたごみ固形燃料および
/または(2) 前記廃棄物を破砕し、成形した後、乾燥し
て得られたごみ固形燃料と共に乾留・炭化することを特
徴とする廃棄物の処理方法である。前記した第1の発明
〜第4の発明においては、前記した分離水が、廃棄物を
圧縮して廃棄物から分離された分離水であることが好ま
しい(第1の発明の第1の好適態様、第2の発明の第1
の好適態様、第3の発明の第1の好適態様、第4の発明
の第1の好適態様)。
【0015】また、前記した第1の発明〜第4の発明の
それぞれの発明、第1の発明の第1の好適態様〜第4の
発明の第1の好適態様のそれぞれの好適態様において
は、前記した分離水の濃縮法が、分離水の加熱・蒸発濃
縮法であることが好ましい(第1の発明の第2の好適態
様、第3の好適態様、第2の発明の第2の好適態様、第
3の好適態様、第3の発明の第2の好適態様、第3の好
適態様、第4の発明の第2の好適態様、第3の好適態
様)。
【0016】また、前記した第1の発明〜第4の発明の
それぞれの発明、第1の発明〜第4の発明のそれぞれの
第1の好適態様〜第3の好適態様の廃棄物の処理方法
は、より好ましくは含水率が50wt%を超える廃棄物の処
理方法として適用され、さらに好ましくは含水率が65wt
%以上の廃棄物の処理方法として適用される。また、前
記した第3の発明の廃棄物の処理方法として好適に用い
られる廃棄物処理設備は、廃棄物を圧縮成形する圧縮装
置1と、該圧縮装置1で得られた圧縮成形物を乾燥、熱
分解、炭化する乾留・炭化炉4と、該乾留・炭化炉4で
得られた乾留・炭化物を部分酸化・ガス化、溶融する高
温反応炉5と、該高温反応炉5内に酸素含有ガスを吹き
込む酸素含有ガス吹き込み装置13a,13b を有する廃棄物
の処理設備であって、前記圧縮装置1において廃棄物か
ら分離、排出される分離水を濃縮する濃縮装置30と、前
記分離水を前記濃縮装置30に送液する分離水送液装置38
と、前記濃縮装置30で得られた濃縮物を前記高温反応炉
5および/または前記乾留・炭化炉4に供給する濃縮物
供給装置39を有する廃棄物処理設備である。
【0017】上記した廃棄物処理設備においては、前記
濃縮装置30が、前記した分離水の加熱・蒸発濃縮装置で
あることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決
するため鋭意検討した結果、水分を多く含む廃棄物から
分離された水(汚水)を加熱・蒸発法などを用いて濃縮
し、得られた濃縮物(濃縮水)を廃棄物と共に、燃焼装
置もしくは部分酸化・ガス化装置(高温反応炉)もしく
は乾留・炭化装置の少なくともいずれかの装置(以下、
総称して高温処理炉とも記す)を用いて高温処理し、濃
縮時に分離した不純物濃度の低い水を水処理することに
よって、下記(1) 〜(3) の優れた効果が得られることを
見出し、本発明に至った。
【0019】(1) 廃棄物処理設備の小型化: 焼却装置、部分酸化・ガス化装置に装入する廃棄物の
量が減少するため処理量が減少し、焼却装置、部分酸化
・ガス化装置の小型化が達成できる。 濃縮時に分離した不純物濃度の低い水は、通常の水処
理法で処理できるため、水処理設備の小型化が達成でき
る。
【0020】(2) 廃棄物処理設備の省エネルギー化:高
温処理炉における蒸発水分の昇温に必要な顕熱が減少
し、高温処理炉の炉内温度を高温に維持でき、高温処理
炉における補助燃料の使用量が削減できるか、補助燃料
が不要となる。すなわち、後記の実施例に示されるよう
に、焼却装置、部分酸化・ガス化装置、乾留・炭化装置
などの高温処理炉においては、炉内雰囲気温度を600 〜
1200℃前後に維持する必要があり、高温処理炉の炉内で
蒸発水分を100 ℃から600 〜1200℃前後に昇温するため
の顕熱が必要となる。
【0021】これに対して、廃棄物から分離された分離
水(汚水)を加熱・蒸発法などを用いて濃縮し、大部分
の水分を除去し、濃縮物を高温処理炉に供給する場合、
蒸発水分の昇温に必要な顕熱が大幅に低下する。このた
め、廃棄物から分離された分離水(汚水)を高温処理炉
に供給して処理する方法に対して、高温処理炉における
補助燃料の使用量が削減できるか、補助燃料が不要とな
る。
【0022】(3) 廃棄物処理設備の操業の安定化:廃棄
物に含まれる水分量は、季節的、経時的に変動するた
め、廃棄物から分離された分離水(汚水)を濃縮し、濃
縮物を高温処理炉に供給することによって、炉内に供給
される水分量が低位で安定するため、炉内温度が安定
し、高温処理炉の操業の安定化を達成することができ
る。
【0023】本発明においては、特に、廃棄物を加圧、
圧縮脱水し、廃棄物中の水分量を経時的に均一化するこ
とによって、さらに一層、高温処理炉の操業の安定化を
達成することができる。また、部分酸化・ガス化装置に
おける蒸発水分の昇温に必要な顕熱の増加を生じること
がないため、高温反応炉内を高温に維持することが容易
となり、不燃物の溶融、排出を安定して行うことがで
き、高温反応炉を用いた廃棄物の部分酸化・ガス化・溶
融の連続操業が可能となる。
【0024】また、部分酸化・ガス化装置の炉内を高温
に維持することが可能となるため、高温反応炉から排出
される発生ガス中の未分解の炭化水素を低減することが
でき、ダイオキシン類の生成防止のために付設する発生
ガスの急冷装置におけるダイオキシン類の再合成を防止
できる。以下、図面に基づき、前記した第1の発明〜第
4の発明およびこれらの発明に係る分離水処理設備、廃
棄物の圧縮装置について順に説明する。
【0025】図1〜図4に、本発明に係る廃棄物処理設
備の例を工程図によって示す。 〔I.第1の発明:〕図1は、前記した第1の発明に係る
燃焼装置〔焼却炉〕もしくは部分酸化・ガス化装置〔高
温反応炉〕もしくは乾留・炭化装置〔乾留・炭化炉〕に
よる廃棄物処理設備である。
【0026】なお、図1において、30は濃縮装置(:分
離水の加熱・蒸発容器)〔以下蒸発容器とも記す〕、31
は凝縮器(:分離水の蒸気の冷却、凝縮容器)〔以下凝
縮容器とも記す〕、32は生物学的水処理装置、33は分離
水貯液槽、34は加熱装置(:加熱媒体流通配管)、35は
冷却器(:冷却媒体流通配管)、l1、l2は分離水送液配
管、l3は濃縮物送給配管、P1、 P2は分離水送液ポンプ、
P3は濃縮物送給ポンプ、P4は真空ポンプ、P5は凝縮水送
液ポンプ、V1は凝縮容器31内の圧力調節用の弁を示す。
【0027】図1に示す廃棄物処理設備においては、含
水廃棄物のピットの底部に溜まった分離水(ピット底部
分離水)を、分離水処理設備に配設した濃縮装置30で加
熱、蒸発濃縮し、得られた濃縮物を燃焼装置〔焼却炉〕
もしくは部分酸化・ガス化装置〔高温反応炉〕もしくは
乾留・炭化装置〔乾留・炭化炉〕(:高温処理炉)に送
給し、廃棄物と共に、(1) 燃焼するか、もしくは(2) 酸
素含有ガス共存下、部分酸化・ガス化するか、もしくは
(3) 乾留・炭化する。
【0028】燃焼装置で発生する高温燃焼ガスは熱回収
し、部分酸化・ガス化装置で発生する発生ガスはCO、H2
を含むため燃料、化学原料として用い、乾留・炭化装置
で発生する乾留ガスは燃料として用いる。なお、不燃物
を含む廃棄物を部分酸化・ガス化装置〔高温反応炉〕で
処理する場合、不燃物は高温反応炉内で溶融し、溶融物
は比重分離によって溶融スラグおよび溶融金属に分離さ
れ、溶融スラグは建設用資材、路盤材として、溶融金属
は金属原料として有効利用される。
【0029】また、図1に示す廃棄物処理設備において
は、図示するように、廃棄物の圧縮装置を配設し、廃棄
物を圧縮し、廃棄物から圧縮分離した分離水を、分離水
処理設備に配設した濃縮装置30で加熱、蒸発濃縮し、得
られた濃縮物を高温処理炉に送給し、廃棄物と共に高温
処理することがより好ましい。すなわち、ピット底部分
離水(ピット底部溜まり水)、圧縮装置によって廃棄物
から圧縮分離した分離水の両者を、分離水貯液槽33を経
由して濃縮装置30に送液し、濃縮装置30で加熱、蒸発濃
縮し、得られた濃縮物(濃縮水)を高温処理炉に送給す
る一方、濃縮装置30で蒸発した水分を凝縮器31へ送給
し、凝縮器31で冷却、凝縮して生成した凝縮水は生物学
的水処理装置32へ送液し、浄化した後、清浄水として放
出する。
【0030】清浄水は系内の冷却媒体などのプロセス水
として利用することも可能である。また、濃縮装置30の
内部は、真空ポンプP4の吸引によって減圧し、加熱装置
(:加熱媒体流通配管)34内を流通する加熱媒体によっ
て100 ℃未満の温度で分離水を加熱、減圧、蒸発、濃縮
する。なお、加熱装置(:加熱媒体流通配管)34内を流
通する加熱媒体としては、高温処理炉において使用され
た冷却水(温水)、高温処理炉で発生する高温燃焼ガ
ス、または発生ガス、乾留ガスの燃焼ガスなどを用いる
ことができ、冷却器(:冷却媒体流通配管)35の冷却媒
体としては浄化した工業用水などを用いることができ
る。
【0031】〔II. 第2の発明、第3の発明:〕次に、
図2に、前記した第2の発明および第3の発明に係る廃
棄物処理設備の例を、工程図によって示す。なお、図2
における符号は図1と同一の内容を示し、乾留・炭化装
置としては、後記する図6の廃棄物の処理設備と同様
に、廃棄物の圧縮成形物もしくは廃棄物を順次装入し乾
留・炭化物を製造するトンネル式加熱炉を使用してい
る。
【0032】図2に示す廃棄物処理設備においては、下
記(A) 、(B) のいずれかの方法によって廃棄物を処理す
る。 (A) 廃棄物分離水の濃縮物および廃棄物の乾留・炭化物
両者の部分酸化・ガス化法(第2の発明):図2の(A)
の工程に示されるように、廃棄物から分離された分離水
を濃縮装置30で濃縮し、得られた濃縮物を、廃棄物の乾
留・炭化物と共に、高温反応炉において、酸素含有ガス
共存下、部分酸化・ガス化する。
【0033】(B) 廃棄物分離水の濃縮物の部分酸化・ガ
ス化、乾留・炭化、廃棄物の圧縮成形・乾留・炭化物の
部分酸化・ガス化法(第3の発明):図2の(B) の工程
に示されるように、廃棄物を、圧縮し、得られた圧縮成
形物を乾留・炭化炉で乾留・炭化し、得られた乾留・炭
化物を酸素含有ガス共存下、高温反応炉において部分酸
化・ガス化する。
【0034】一方、乾留・炭化の前工程で廃棄物から分
離された分離水、すなわち、好ましくはピット底部の溜
まり水である分離水および/または廃棄物の圧縮に伴っ
て廃棄物から分離された分離水を濃縮し、得られた濃縮
物を、高温反応炉に供給し、廃棄物の圧縮成形・乾留・
炭化物と共に、酸素含有ガス共存下、部分酸化・ガス化
する。
【0035】なお、図2に示すように、本発明において
は、上記した濃縮物を、高温反応炉に供給する代わり
に、乾留・炭化炉に供給して処理してもよく、また、高
温反応炉および乾留・炭化炉の両者に供給して処理して
もよい。上記した図2に示す廃棄物処理設備において
は、高温反応炉において、廃棄物さらには濃縮物の部分
酸化・ガス化反応によって、CO、H2を含有する発生ガス
が得られ、発生ガスは燃料、化学原料などとして有効利
用される。
【0036】なお、廃棄物中に不燃物が含まれる場合、
高温反応炉内で不燃物は溶融し、溶融物は比重分離や磁
選などによって溶融スラグおよび溶融金属に分離され、
溶融スラグは建設用資材、路盤材として、溶融金属は金
属原料として有効利用される。なお、図2に示す乾留・
炭化装置においては、高温反応炉の発生ガスの一部を燃
焼装置で燃焼し、燃焼ガスを、乾留・炭化室の外熱式加
熱装置の熱源(加熱媒体)および/または濃縮装置30の
加熱装置(:加熱媒体流通配管)34の加熱媒体として用
いることができる。
【0037】〔III.第4の発明:〕次に、図3に、前記
した第4の発明に係る廃棄物の処理設備を、工程図によ
って示す。なお、図3における符号は図1と同一の内容
を示す。図3に示す廃棄物処理設備においては、下記の
方法によって廃棄物および廃棄物からの分離水を処理
し、ごみ固形燃料(RDF:Refuse Derived Fuel)の炭化物
を製造する。
【0038】すなわち、都市ごみ、家庭ごみ、産業廃棄
物、一般廃棄物、およびシュレッダーダスト(:自動車
部品、家電製品および家電製品の部品の破砕品)などの
ごみは、ピット(貯槽)に投入した後、破袋、異物分
別、磁選によってガラス、陶磁器類、金属類を除去した
後、得られた可燃物を主体とするごみを、破砕もしくは
粉砕した後、下記(A) 〜(C) のいずれかの方法によって
ごみ固形燃料の炭化物を製造すると共に、廃棄物からの
分離水を処理する。
【0039】ごみ固形燃料の炭化物は、燃料、鉱石還元
用の還元剤などとして有効利用し、ごみ固形燃料の乾留
・炭化工程で発生する乾留ガスは燃料として有効利用す
る。 (A) 乾燥、成形法:図3に示すように、廃棄物(ごみ)
の破砕(粉砕)物を、ごみ固形燃料の乾留・炭化装置に
付設したボイラからの蒸気を熱源として乾燥する。
【0040】次に、図3の(A) の工程に示されるよう
に、破砕、乾燥後のごみに、必要に応じて脱塩素剤、水
分除去剤、固化剤として使用する石灰、消石灰などを添
加した後、成形し、例えば外形がクレヨン状のいわゆる
ごみ固形燃料(RDF)を製造する。製造したごみ固形燃料
は、必要に応じて篩い分けを行った後、乾留・炭化装置
に搬送し、ごみ固形燃料の炭化物を製造する。
【0041】一方、図3に示すように、廃棄物から分離
されたピット底部分離水を濃縮し、得られた濃縮物を、
乾留・炭化装置に送給し、ごみ固形燃料と共に乾留・炭
化し、ごみ固形燃料の炭化物を製造する。 (B) 乾燥、再破砕(粉砕)、成形法:図3の(B) の工程
に示されるように、前記した(A) 乾燥、成形法におい
て、成形性などの改善のために、乾燥後、再破砕(粉
砕)した後、必要に応じて石灰、消石灰などを添加し、
成形する方法であり、その他の工程は上記した(A) 乾
燥、成形法と同一である。
【0042】(C) 成形、乾燥法:図3の(C) の工程に示
されるように、前記した(A) 乾燥、成形法において、乾
燥、成形の工程を逆にした方法で、廃棄物(ごみ)を破
砕(粉砕)後、必要に応じて石灰、消石灰などを添加
し、成形した後、乾燥する方法であり、その他の工程は
上記した(A) 乾燥、成形法と同一である。
【0043】次に、図4に、前記した第4の発明に係る
廃棄物の処理設備の他の例を、工程図によって示す。な
お、図4における符号は図1と同一の内容を示す。図4
に示す廃棄物の処理設備においては、下記の方法によっ
て廃棄物を処理する。
【0044】すなわち、都市ごみ、家庭ごみ、産業廃棄
物、一般廃棄物、およびシュレッダーダストなどのごみ
を、ピット(貯槽)に投入した後、破袋、異物分別、磁
選によってガラス、陶磁器類、金属類を除去した後、得
られた可燃物を主体とするごみを圧縮し、脱水した後、
破砕もしくは粉砕し、その後、前記した図3の(A) 〜
(C) のいずれかの方法によってごみ固形燃料の炭化物を
製造する。
【0045】一方、図4に示すように、廃棄物から分離
されたピット底部分離水および圧縮装置で廃棄物から分
離した分離水(圧搾水)の両者を濃縮し、得られた濃縮
物を、ごみ固形燃料と共に、乾留・炭化装置において乾
留・炭化し、ごみ固形燃料の炭化物を製造する。ごみ固
形燃料の炭化物は、燃料、鉱石還元用の還元剤などとし
て有効利用し、ごみ固形燃料の乾留・炭化工程で発生す
る乾留ガスは燃料として有効利用する。
【0046】なお、上記した図4に示す第4の発明に係
る廃棄物の処理設備は、後記する理由から、水分含有率
が50wt%以上の廃棄物(ごみ)の処理方法として好適に
適用される。 〔IV. 分離水処理設備:〕以上、本発明の廃棄物の処理
方法について述べたが、本発明においては、前記した
〔I.第1の発明:〕でも述べたように、ピット底部分離
水(ピット底部溜まり水)、圧縮装置で圧縮、分離され
た分離水(圧搾水)である高BOD 汚水を図1〜図4に示
す分離水処理設備を用いて処理することが好ましい。
【0047】すなわち、濃縮装置(:蒸発容器)30の内
部を、真空ポンプP4によって減圧に保ち、分離水(高BO
D 汚水)を蒸発容器30に導入する。分離水は、濃縮装置
(:蒸発容器)30内で加熱媒体によって間接加熱され、
水分が蒸発し、蒸発水分は凝縮容器31に導入される。凝
縮容器31に導入された分離水の蒸気は、冷却水などの冷
却媒体によって間接的に冷却され、凝縮する。
【0048】上記した操作を継続することにより、蒸発
容器30内には有機物が濃縮される。一方、凝縮容器31内
には、低沸点の有機物を含む水(:凝縮水)が溜まる。
表1に、廃棄物のピットから回収した分離水(高BOD 汚
水)を、図1〜図4に示す分離水処理設備と同一の方式
の分離水処理実験装置で処理した実験結果を示す。
【0049】なお、本実験においては、濃縮装置(:蒸
発容器)内の圧力を 0.1kg/cm2(絶対圧)〔:水の沸点
約45℃〕に保ち、濃縮装置の間接加熱媒体としては、液
温:80℃の温水を用いた。表1に示されるように、濃縮
物(濃縮水)の量は濃縮処理前の分離水の量の1/10に低
下すると共に、凝縮水のBOD 濃度は、濃縮処理前の分離
水のBOD 濃度の1/43〜1/60と低下し、通常の生物学的水
処理などによる水処理で処理可能なレベル迄低下した。
【0050】一方、濃縮物(濃縮水)のBOD 濃度は、濃
縮処理前の分離水のBOD 濃度の約10倍程度まで濃縮され
た。すなわち、上記した分離水の加熱、蒸発濃縮法によ
って廃棄物の分離水を濃縮することにより、高温処理炉
に供給する水分量を約1/10程度にまで低下することがで
き、高温処理炉における蒸発水分の昇温に要する顕熱に
対応する所要エネルギーが減少し、高温処理炉における
補助燃料の使用量が削減できるか、補助燃料が不要とな
る。
【0051】また、凝縮水のBOD は、通常の水処理で処
理できるレベルとなり、小規模の水処理設備で対応する
ことが可能となった。なお、前記した加熱、蒸発濃縮工
程においては、必ずしも真空ポンプを使用する必要はな
いが、真空ポンプの使用により、水の沸点を低下させる
ことができ、100℃以下の低温熱源を利用することが可
能になる。
【0052】本発明においては、清浄水の清浄度のレベ
ルを上げるために、逆浸透膜を用いることもできる。
【0053】
【表1】
【0054】〔V.圧縮装置:〕本発明においては、前記
した図1、2、4に示すように、廃棄物を機械的に圧縮
し、廃棄物中の水分を積極的に分離することにより、さ
らに廃棄物を効率的に処理できる。本発明者らは、廃棄
物中の水分量を低下させるため、油圧ピストンにより廃
棄物を圧縮し、水分を分離する実験を行った。
【0055】得られた実験結果を図5に示す。図5に示
されるように、圧縮用ピストンの面圧を上げていくにし
たがい、廃棄物中の水分量は低下し、面圧が1000ton/m2
程度で水分は50wt%とほぼ一定になる。生ごみ、下水汚
泥の水分量は、一般的に80wt%以上であり、また前記し
たごみ固形燃料の対象とされている廃棄物中の水分量は
55wt%以上であるため、廃棄物を圧縮装置で圧縮し、水
を分離し、分離水を濃縮して得られた濃縮物(濃縮水)
を高温処理炉で処理すると共に、凝縮水を水処理するこ
とにより、廃棄物処理設備の小型化、省エネルーギー
化、操業の安定化、設備保守上の負荷の軽減を達成する
ことができる。
【0056】以上、本発明について述べたが、本発明
は、より好ましくは含水率が50wt%を超える廃棄物の処
理方法として適用され、さらに好ましくは含水率が65wt
%以上の廃棄物の処理方法として適用される。これは、
前記したように、含水率が50wt%を超える廃棄物の場
合、圧縮脱水によって廃棄物の水分を分離でき、また含
水率が65wt%以上の廃棄物を保管する場合、廃棄物から
水分が排出され廃棄物のピット(貯槽)の底部に汚水が
溜まるためである。
【0057】なお、上記した含水率の上限は特に制限さ
れるものではないが、廃棄物の効率的な再利用の面から
本発明によって処理する廃棄物の含水率は95wt%以下で
あることが好ましい。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。図6に示す処理量が 300t/日の廃棄物処
理設備(:廃棄物の圧縮、乾留・炭化、部分酸化・ガス
化−溶融方式)において、分離水処理設備を設置し、廃
棄物および分離水の処理試験を行った。
【0059】なお、図6に示す廃棄物処理設備の工程は
前記した図2の(B) の工程に対応する。 〔廃棄物処理設備:〕先ず、図6に示す本実施例で使用
した廃棄物処理設備について説明する。図6において、
1は廃棄物を圧縮成形する圧縮装置、2は圧縮用ピスト
ン、3は圧縮支持盤、4は圧縮された廃棄物(以下圧縮
成形物とも記す)の乾燥、乾留・炭化のための乾留・炭
化炉(以下トンネル式加熱炉とも記す)、4aは圧縮成形
物の乾燥領域、4bは圧縮成形物の熱分解(乾留)、炭化
領域、4E はトンネル式加熱炉4の入口、5は高温反応
炉、10a 、10i は圧縮成形物、11i 、11n は乾留・炭化
した圧縮成形物(以下乾留・炭化物とも記す)、12は乾
留・炭化物と燃焼残渣の混合物、13a 、13b は酸素含有
ガスの吹き込み口である酸素含有ガス吹き込み装置、14
は溶融物、14H は溶融物排出口、20は廃棄物投入口、21
は廃棄物投入口の蓋、30は濃縮装置(:分離水の加熱、
蒸発容器)(:蒸発容器)、31は凝縮器(:分離水の蒸
気の冷却、凝縮容器)(:凝縮容器)、32は生物学的水
処理装置、33は分離水貯液槽、34は加熱装置(:加熱媒
体流通配管)、35は冷却器(:冷却媒体流通配管)、36
は排気、37は清浄水、40はトンネル式加熱炉4の乾留・
炭化物の押出し口(:高温反応炉5内への乾留・炭化物
の装入口)、41はトンネル式加熱炉内の上部に形成され
た空間、50は高温反応炉5の発生ガス排出配管、50a は
高温反応炉5の発生ガス排出口、51は高温反応炉5の発
生ガスの急冷・洗浄装置、52は発生ガス急冷・洗浄用水
の噴霧ノズル、53は発生ガス精製装置、54は水処理装
置、55は精製ガス(:燃料用ガス)、f1 は圧縮成形物
10a 、10iの移動方向、f2 は乾留・炭化物11i 、11n
の移動方向、f3 はトンネル式加熱炉4内で生成した熱
分解ガスの流れ方向、f4 は高温反応炉5内への酸素含
有ガスの吹き込み方向、f5 は圧縮用ピストン2の移動
方向、f6 は圧縮支持盤3の移動方向、f7 は廃棄物投
入口20の蓋21の回転方向、f8は圧縮装置1で圧縮、分離
された分離水の送液方向、f9は分離水の濃縮物(濃縮
水)の送給方向、f10 は分離水の蒸気の送給方向、f11
は冷却・凝縮水の送液方向、l1、l2は分離水送液配管、
l3は濃縮物送給配管、P1、 P2は分離水送液ポンプ、P3
濃縮物送給ポンプ、P4は真空ポンプ、P5は凝縮水送液ポ
ンプ、V1、V2、V3は弁を示す。
【0060】図6に示す廃棄物処理設備においては、廃
棄物を圧縮装置1によって予め回分的に加圧、圧縮成形
し、得られた圧縮成形物を乾留・炭化炉(:トンネル式
加熱炉)4内に装入し、乾燥、熱分解、炭化する。この
場合の圧縮装置1の圧縮用ピストン2の面圧は、800t/m
2 以上とすることが好ましい。
【0061】トンネル式加熱炉4で得られた廃棄物の乾
留・炭化物は、圧縮支持盤3の上方への移動および圧縮
用ピストン2のトンネル式加熱炉4方向への移動によっ
て、順次、高温反応炉5内に装入し、酸素含有ガスの共
存化、可燃物を部分酸化・ガス化し、不燃物を溶融す
る。なお、高温反応炉5においては、酸素含有ガス中の
酸素濃度、単位時間当たりの酸素含有ガスの吹き込み量
を調節することによって、廃棄物の乾留・炭化物の完全
燃焼を生じることなく該乾留・炭化物の部分酸化・ガス
化によって、CO、H2などを含有する発生ガスを得ること
ができる。
【0062】高温反応炉5で発生したCO、H2などを含有
する発生ガスは、発生ガス精製装置53で精製され、精製
ガス55は、燃料、化学原料などとして用いられる。ま
た、不燃物の溶融物14は溶融物排出口14H から排出され
た後、比重分離や磁選によって溶融スラグ、溶融金属に
分離され、それぞれ建設用資材、路盤材および金属原料
として有効利用される。
【0063】図6に示す部分酸化・ガス化処理の方式
は、被処理物の部分燃焼(:部分酸化)によって発生す
る熱量によって被処理物のガス化および不燃分の溶融、
回収を行う方式であり、基本的には、灯油、重油などの
補助燃料は用いない方式である。また、乾留・炭化炉
(トンネル式加熱炉)4の加熱方式として外熱式加熱方
式を用いる場合、熱源として高温反応炉5の発生ガスの
燃焼ガスを用いることができ、廃棄物処理設備における
所要燃料は少なくてよい。
【0064】一方、圧縮装置1で圧縮、分離された廃棄
物からの分離水(圧搾水)は、分離水貯液槽33に貯液さ
れ、分離水中に含まれる挟雑物が除去された後、濃縮装
置30へ送液される。分離水は、濃縮装置30で加熱、蒸発
濃縮し、分離水の濃縮物(濃縮水)を廃棄物の乾留・炭
化物と共に高温反応炉5で部分酸化・ガス化処理し、蒸
発分離水の冷却凝縮水は生物学的水処理装置32で処理
し、清浄水を得る。
【0065】濃縮装置30は、蒸発容器内の圧力が0.1kg/
cm2 (絶対圧)となるように運転し、高温反応炉5で使
用した後の冷却水である低温(:60℃)の温水の一部を
濃縮装置30の加熱装置(:加熱媒体流通配管)34の加熱
媒体として用いる。濃縮装置30の熱源としては、発電設
備のボイラ排ガス冷却後の温水や蒸気の直接利用も可能
である。
【0066】分離水の濃縮物(濃縮水)は、高温反応炉
5に送給し、高温下で有機物を分解し、生成ガスは廃棄
物の乾留・炭化物の部分酸化・ガス化による生成ガス
(発生ガス)と共に、発生ガス精製装置53に送給され
る。一方、濃縮装置30で発生した分離水の蒸気は、凝縮
器31で冷却、凝縮し、凝縮水は生物学的水処理装置32に
送液し、生物処理により、清浄化する。
【0067】なお、図6に示すように、乾留・炭化
炉(:トンネル式加熱炉)4内の上部には、乾留・炭化
の進行に伴って空間41が形成されるため、分離水を濃縮
装置30で加熱、蒸発濃縮して得られた濃縮物(濃縮水)
を、乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)4内の空間41に
送給して処理してもよく、また、高温反応炉5および乾
留・炭化炉(トンネル式加熱炉)4の両者に送給して処
理してもよい。
【0068】なお、分離水の濃縮は、濃縮できる方式で
あれば、上述した加熱方式以外でもよい。 (実施例1)本実施例における廃棄物および分離水の処
理試験においては、含水率:60wt%の廃棄物を一日当た
りの処理量として330(ton/日) 受入れ、処理した。
【0069】この結果、圧縮装置1で含水率が50wt%ま
で低下し、乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)4に装入
される廃棄物は 297ton/日となり、分離水33ton/日を濃
縮装置30に送液した。また、濃縮装置30において蒸発
し、凝縮器31で冷却、凝縮した凝縮水30ton/日を生物学
的水処理装置32に送液し、濃縮物(濃縮水)3ton/日を
高温反応炉5に送給した。
【0070】この結果、高温反応炉5自体の負荷(処理
量)は、(297+3)ton/日= 300ton/日となり、300ton/
日処理炉で十分処理が可能であった。また、30ton/日の
水分を高温処理炉5内で昇温することがなくなり、高温
反応炉の炉内温度を高温に維持することができ、部分酸
化によるCO、H2の回収量の増加が可能となった。
【0071】さらに、図6に示す高温反応炉5において
は炉内ガスを1200℃まで昇温しているため、下記式(1)
に示されるように、16.5×106kcal/日の省エネルギーを
達成することができた。 30ton/日×〔0.5kcal/kg・℃×(1200 −100)℃〕=16.5×106kcal/日……(1) なお、上記した省エネルギー量(補助燃料の削減量)
は、300ton−廃棄物/日の処理量に対して、灯油換算で
1.5ton−灯油/日の燃料使用量の削減となり、その省エ
ネルギー効果が大であることが分かった。
【0072】また、高温反応炉5の発生ガス中の未分解
の炭化水素の指標となる発生ガス中のメタン濃度は、0.
01vol %以下であり、分離水を直接高温反応炉内に供給
して処理していた従来法において生じていた発生ガスの
急冷装置および発生ガス精製装置などへのタール状の物
質の付着は生じなかった。 (実施例2)前記した実施例1において、濃縮物(濃縮
水)の1/2 を高温反応炉5に供給し濃縮物(濃縮水)の
1/2 を乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)4に供給した
以外は、実施例1と同様の方法で廃棄物を処理した。
【0073】その結果、前記した実施例1と同様に、補
助燃料の投入量の減少、部分酸化によるCO、H2の回収量
の増加が可能となり、また、発生ガスの急冷装置および
発生ガス精製装置などへのタール状の物質の付着は生じ
なかった。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、下水汚泥、生ごみなど
の水分を多く含む廃棄物を、廃棄物処理設備の能力を低
下させることなく、また水処理の問題を生じることなく
処理し、さらには廃棄物を燃料、還元剤などとして有効
に活用することが可能な廃棄物の処理方法を提供するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃棄物処理設備の一例を示す工程
図である。
【図2】本発明に係る廃棄物処理設備の一例を示す工程
図である。
【図3】本発明に係る廃棄物処理設備の一例を示す工程
図である。
【図4】本発明に係る廃棄物処理設備の一例を示す工程
図である。
【図5】廃棄物の圧縮装置の圧縮用ピストンの面圧と廃
棄物中の水分量との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る廃棄物処理設備の一例を示す側断
面図である。
【符号の説明】
1 圧縮装置 2 圧縮用ピストン 3 圧縮支持盤 4 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉) 4a 圧縮成形物の乾燥領域 4b 圧縮成形物の熱分解(乾留)、炭化領域 4E 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)の入口 5 高温反応炉 10a 、10i 圧縮成形物 11i 、11n 乾留・炭化した圧縮成形物(:乾留・炭化
物) 12 乾留・炭化物と燃焼残渣の混合物 13a 、13b 酸素含有ガス吹き込み装置(:酸素含有ガ
スの吹き込み口) 14 溶融物 14H 溶融物排出口 20 廃棄物投入口 21 廃棄物投入口の蓋 30 濃縮装置(:分離水の加熱、蒸発容器)(:蒸発容
器) 31 凝縮器(:分離水の蒸気の冷却、凝縮容器)(:凝
縮容器) 32 生物学的水処理装置 33 分離水貯液槽 34 加熱装置(:熱媒体流通配管) 35 冷却器(:冷却媒体流通配管) 36 排気 37 清浄水 38 分離水送液装置 39 濃縮物供給装置 40 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)の乾留・炭化物
の押出し口(:高温反応炉内への乾留・炭化物の装入
口) 41 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)内の上部に形成
された空間 50 高温反応炉の発生ガス排出配管 50a 高温反応炉の発生ガス排出口 51 高温反応炉の発生ガスの急冷・洗浄装置 52 発生ガス急冷・洗浄用水の噴霧ノズル 53 発生ガス精製装置 54 水処理装置 55 精製ガス(:燃料用ガス) f1 圧縮成形物の移動方向 f2 乾留・炭化物の移動方向 f3 乾留・炭化炉(トンネル式加熱炉)内で生成した熱
分解ガスの流れ方向 f4 高温反応炉内への酸素含有ガスの吹き込み方向 f5 圧縮用ピストンの移動方向 f6 圧縮支持盤の移動方向 f7 廃棄物投入口の蓋の回転方向 f8 圧縮装置で圧縮、分離された分離水の送液方向 f9 分離水の濃縮物(濃縮水)の送給方向 f10 分離水の蒸気の送給方向 f11 冷却・凝縮水の送液方向 l1、l2 分離水送液配管 l3 濃縮物送給配管 P1、 P2 分離水送液ポンプ P3 濃縮物送給ポンプ P4 真空ポンプ P5 凝縮水送液ポンプ V1、V2、V3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 雅康 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 安井 孝行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 村上 みさを 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 3K061 AA23 AB02 AB03 AC01 AC05 BA05 DA02 DA05 DA19 DB04 DB20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物から分離された分離水を濃縮し、
    得られた濃縮物を前記廃棄物と共に、燃焼するか、もし
    くは酸素含有ガス共存下、部分酸化・ガス化するか、も
    しくは乾留・炭化することを特徴とする廃棄物の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 廃棄物から分離された分離水を濃縮し、
    得られた濃縮物を、前記廃棄物の乾留・炭化物と共に酸
    素含有ガス共存下、部分酸化・ガス化することを特徴と
    する廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 廃棄物を圧縮し、得られた圧縮成形物を
    乾留・炭化炉で乾留・炭化し、得られた乾留・炭化物
    を、高温反応炉において酸素含有ガス共存下、部分酸化
    ・ガス化する廃棄物の処理方法であって、前記乾留・炭
    化の前工程で廃棄物から分離された分離水を濃縮し、得
    られた濃縮物を、前記乾留・炭化炉および/または高温
    反応炉に供給することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 廃棄物から分離された分離水を濃縮し、
    得られた濃縮物を、(1) 前記廃棄物を破砕し、乾燥した
    後、成形して得られたごみ固形燃料および/または(2)
    前記廃棄物を破砕し、成形した後、乾燥して得られたご
    み固形燃料と共に乾留・炭化することを特徴とする廃棄
    物の処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265728A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Ngk Insulators Ltd 廃棄物の焼却廃熱の有効利用方法

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